JP2001329276A - 廃棄物を用いたチキソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物の製造方法 - Google Patents

廃棄物を用いたチキソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物の製造方法

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JP2001329276A JP2000150110A JP2000150110A JP2001329276A JP 2001329276 A JP2001329276 A JP 2001329276A JP 2000150110 A JP2000150110 A JP 2000150110A JP 2000150110 A JP2000150110 A JP 2000150110A JP 2001329276 A JP2001329276 A JP 2001329276A
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Masatoshi Tanaka
正敏 田中
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KINKI KANKYO KOSAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 0〜低剪断速度では高粘性を示し構成成分の
沈降、浮上が抑制され、前記領域を超える高剪断速度て
は低粘性を示し配管輸送、噴霧燃焼を容易に行えるチキ
ソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を
容易に製造する方法の提供。 【解決手段】 各軸の撹拌動力を測定する装置を備え、
好ましくは低速回転の回転数と高速回転の回転数の比が
10倍以上であり、かつ回転数および回転方向を各軸独
自に変えられる攪拌羽根を備えた多軸混合機を用いて、
供給した燃料組成物を攪拌しながら攪拌動力を測定し、
攪拌動力に対応するこの燃料組成物の見掛け粘度を求め
てチキソトロピー性を計測して調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を用いたチ
キソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物
の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、廃棄
物を原料として、チキソトロピー性を有するセメント焼
成用補助燃料組成物を容易に製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に、2種以上の廃棄物か
らなる、油分と水分とを含む液体成分と、セメント原料
成分を含有する固形分と、さらに必要に応じて添加され
るその他の固形分とを含む液体廃棄物と、組成物全体に
可逆的チキソトロピー性を付与するために含有される変
性材料とを必須成分とする液状セメント焼成用補助燃料
組成物であって、 20℃における粘度が、1.48剪
断速度(sec-1)の低剪断速度の領域では2,000
〜50、000センチポイズ、14.8剪断速度(se
-1)の高剪断速度の領域においては、1.48剪断速
度(sec-1)の領域における粘度の1/10以下の粘
度を示し、さらにこれを超える高剪断速度の領域におい
ては5,000センチポイズ以下である粘度特性を有
し、0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すの
で構成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前
記領域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示
すので配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行うことができ
る可逆的チキソトロピー性を有するセメント焼成用補助
燃料組成物(特許第3039644号)を提案した。
【0003】また、本発明者は、次いで、水を保持した
変性材料を油に分散するか、油を保持した変性材料を水
に分散することにより廃棄物に含まれる水と油を安定的
に混合し、組成物に前記のようなチキソトロピー性を与
えたセメント焼成用補助燃料組成物を提案(特願平11
−292194号明細書)した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、2種以上の廃
棄物からなる上記チキソトロピー性を有するセメント焼
成用補助燃料組成物を通常の混合するだけの攪拌機を用
いて製造する場合、組成物に所定のチキソトロピー性が
付与されたかどうかを確認するためには、一旦攪拌機を
止めて攪拌機内から組成物の一部を取り出し、サンプリ
グンした試料を回転粘度計に仕込み、この回転粘度計の
回転数を変えて、20℃における低回転数(低剪断速
度)における試料の粘度を測定するとともに、20℃に
おける高回転数(高剪断速度)における試料の粘度を測
定して、測定値が上記の粘度範囲に入っているかどうか
を判定することにより行う必要があった。この操作は煩
雑でありまた時間もかかるという問題があった。
【0005】本発明は上記の問題を解決するものであ
り、本発明の目的は、2種以上の廃棄物からなるセメン
ト焼成用補助燃料組成物を製造中に攪拌機を止めること
なく、この組成物が所定のチキソトロピー性を有してい
るかどうかを容易に判定することができ、手間も時間か
けずに容易にチキソトロピー性を有するセメント焼成用
補助燃料組成物を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するために鋭意研究した結果、特定の構成を有する攪
拌機を使用すれば、2種以上の廃棄物を混合しながらセ
メント焼成用補助燃料組成物を製造中にこの組成物が所
定のチキソトロピー性を有しているかどうかを容易に判
定できるので、攪拌機を止めて試料をサンプリングして
回転粘度計で別途測定する必要がなくなり、課題を解決
できることを見いだし本発明を成すに到った。
【0007】課題を解決するための本発明の請求項1記
載の廃棄物を用いたチキソトロピー性を有するセメント
焼成用補助燃料組成物の製造方法は、各軸の撹拌動力を
測定する装置を備えた多軸混合機を用いて、この多軸混
合機に供給した燃料組成物を攪拌しながら攪拌動力を測
定し、測定した攪拌動力に対応するこの燃料組成物の見
掛け粘度を求めてチキソトロピー性を計測することによ
り、0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すの
で構成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前
記領域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示
すので配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行えるようなチ
キソトロピー性を有するように調整することを特徴とす
る。
【0008】本発明の請求項2記載の製造方法は、請求
項1記載の製造方法において、前記多軸混合機が多軸パ
ドルミキサーもしくは多軸リボンミキサーであることを
特徴とする。
【0009】本発明の請求項3記載の製造方法は、請求
項1あるいは請求項2記載の製造方法において、低速回
転の回転数と高速回転の回転数の比が10倍以上であ
り、かつ回転数および回転方向を各軸独自に変えられる
攪拌羽根を備えた多軸混合機を用いることを特徴とす
る。
【0010】本発明の請求項4記載の製造方法は、請求
項1から請求項3のいずれかに記載の製造方法におい
て、20℃における粘度が、1.48剪断速度(sec
-1)の低剪断速度の領域では約1,000〜50,00
0センチポイズ、14.8剪断速度(sec-1)の高剪
断速度の領域においては、1.48剪断速度(se
-1)の領域における粘度の1/5以下の粘度を示し、
さらにこれを超える高剪断速度の領域においては約1
0,000センチポイズ以下であることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5記載の製造方法は、請求
項1から請求項4のいずれかに記載の製造方法におい
て、発熱量が3,000(kcal/kg)以上で、C
l含有量が3,000ppm以下に調整したことを特徴
とする。
【0012】本発明の請求項6記載の製造方法は、請求
項1から請求項5のいずれかに記載の製造方法におい
て、前記変性材料が、組成物全体に対して1〜50質量
%含まれることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項7記載の製造方法は、請求
項1から請求項6のいずれかに記載の製造方法におい
て、全固形分が組成物全体に対して1〜50質量%、油
分と水分含む全液体成分が組成物全体に対して99〜5
0質量%であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明で用いる廃棄物は、油および/また
は水を含む液体成分を含む液状の廃棄物や、あるいは油
および/または水を含む液体成分以外にさらに固形分を
含む液状の廃棄物から選ばれる2種以上の廃棄物であ
り、このような廃棄物としては具体的には例えば、有機
性汚泥、下水道汚泥、上水道汚泥、活性汚泥、ベントナ
イト汚泥、研磨汚泥、無機性汚泥、排水処理汚泥、タン
クスラッジなどの汚泥、鉱物系廃油、動物性油、植物性
油、廃溶剤、洗浄油、潤滑油、圧延油、廃インキ、廃塗
料、脂肪酸、アルコール発酵廃液、無機廃酸、有機廃
酸、アミノ酸廃液、写真現像廃液、脱硫廃液、油絞り
滓、糊滓などの動植物性残さ、集塵灰、廃白土、パルプ
廃液汚泥、などを挙げることができる。これらの液状の
廃棄物の油としては、炭化水素類、アルコール類、フェ
ノール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、脂肪
酸類、油脂、エステル類などの1種あるいは2種以上の
混合物が挙げられる。
【0015】本発明で用いる変性材料は、一般にチキソ
トロピー性付与物質として知られている物質を包含する
ものであり、具体的には例えば、有機性微粉末、無機性
微粉末、フッ化四珪素雲母、モンモリナイト、酸化第二
鉄、五酸化バナジウム、白土類、セルロース、シリカ粉
末、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、スメクタイ
ト、ベントナイト、カーボンブラック、金属セッケン、
酸化ポリエチレンワックス、高級アルコール、ろう類、
ポリアマイド、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ジベ
ンジリデンソルビトール、ポリアクリル酸、誘導体、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロー
スなどのセルローズ誘導体、キサンタンガム、グアガ
ム、ウエランガムなどの多糖類およびその誘導体、ポリ
エーテルエステル型界面活性剤、亜麻仁油、水添ひまし
油、溶剤型クロロプレンゴム等を挙げることが出来る。
【0016】上記の本発明で用いる廃棄物の中には、こ
れらの変性材料の1種あるいは2種以上を予め含む廃棄
物があるが、変性材料を予め含む廃棄物は本発明におい
て好ましく使用できる。また、廃棄物に含まれる水を保
持した変性材料を予め含むような廃棄物や廃棄物に含ま
れる油を保持した変性材料を予め含むような廃棄物は本
発明においてさらに好ましく使用できる。このような変
性材料を予め含む廃棄物としては、例えば、集塵灰、廃
白土、上水道汚泥、下水道汚泥、パルプ廃液汚泥、ベン
トナイト汚泥などを挙げることができる。
【0017】これらの変性材料はエマルジョンの連続相
に溶解もしくは膨潤することにより乳化物にチキソトロ
ピー性を発揮するものである(特許第3039644
号)かまたは、多数の変性材料で3次元的に水もしくは
油を取り囲み拘束し(本発明では変性材料が水もしくは
油を取り囲み拘束することを変性材料が水もしくは油を
保持すると言う)、水を保持した変性材料を油に分散す
るか、もしくは油を保持した変性材料を水に分散するこ
とにより廃棄物混合物にチキソトロピー性を与えるもの
である(特願平−292194号明細書)。
【0018】前記変性材料の配合量の具体例としては、
セメント燃焼用補助燃料組成物の組成物全体に対して
0.05〜50質量%、好ましくは2〜30質量%、更
に好ましくは5〜20質量%含まれる例を挙げることが
できる。0.05質量%未満では、変性材料の種類や変
性特性、保持する水または油の量にもよるが、混合組成
物にチキソトロピー性を付与できない恐れもあり、また
50質量%を超えると高せん断速度領域での粘度が1
0,000センチポイズを超える恐れがあり配管圧送な
どが困難となる。
【0019】セメント燃焼用補助燃料組成物に含まれる
各成分の含有量の具体例として、全固形分が液体成分を
も含めた組成物全体に対して1〜50質量%、好ましく
は10〜40質量%、更に好ましくは、10〜30質量
%になるように調整した例を挙げることができる。全固
形分が50質量%を超えると高せん断速度の領域での粘
度が上がって配管輸送が困難になる恐れがある。下限値
を1質量%としたのは、混合組成物にチキソトロピー性
を付与するためである。
【0020】また、チキソトロピー性を発現したセメン
ト燃焼用補助燃料組成物に、さらに必要に応じて他の固
形分を加えてもチキソトロピー性が保持される。チキソ
トロピー性を有するセメント燃焼用補助燃料組成物に発
熱量増加剤あるいは発熱量調節剤として必要に応じて添
加できる他の固形分としては、例えば固形廃プラスチッ
ク粉末または破砕物、木くず粉末または破砕物、ゴムく
ず粉末または破砕物、繊維くず、紙くず粉末または破砕
物などの固形物を挙げることができる。
【0021】チキソトロピー性を有するセメント燃焼用
補助燃料組成物にセメント原料成分を含む固形分を加え
ることができる。セメント原料成分を含む固形分として
は、陶磁器くず、セメント製品くず、レンガくず、高炉
スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、サンドブラスト廃
砂、等のカルシウム、アルミニウム、珪素等を含む固形
分を挙げることができる。これらセメント原料成分を含
む固形廃棄物は最大3mmの粒径になるように粉砕して
加えることが望ましい。
【0022】以上のようにして得られたチキソトロピー
性を有するセメント燃焼用補助燃料組成物は、20℃に
おいて1.48せん断速度(sec-1)の粘度が1,0
00〜50,000センチポイズ、好ましくは1,00
0〜30,000センチポイズ、更に好ましくは1,0
00〜20,000センチポイズであり、更に14.8
せん断速度(sec-1)の粘度が、1.48せん断速度
(sec-1)の粘度の1/5以下になるように調整する
ことが好ましい。1,000センチポアズ未満である
と、廃棄物混合物の貯蔵中に固形分の沈降または浮上分
離が起こる恐れがあり、また50,000センチポアズ
を超えると14.8せん断速度(sec-1)の粘度が1
0,000センチポアズ以上となり配管圧送や噴霧燃焼
などが困難となる。
【0023】本組成物をセメント焼成用補助燃料組成物
として使用するためには、噴霧時の安定燃焼が必要であ
り、拡散火炎燃焼の安定化のために発熱量を3,000
kcal/kg以上とすることが好ましい。
【0024】また、本組成物をセメント焼成用補助燃料
組成物の使用時の炉体や燃焼器の高温腐食を防ぐため
に、塩化水素の発生を抑制する必要があり、そのために
は塩素含有量は3,000ppm以下とすることが好ま
しい。
【0025】本発明はチキソトロピー性を有するセメン
ト焼成用補助燃料組成物を製造するに当たり、良好なセ
メント焼成用補助燃料組成物を効率良く製造するための
混合装置及び、変性材料もしくは変性材料を含む廃棄物
と他の廃棄物との混合順序を提供するものである。
【0026】本発明において用いる多軸混合機は、各軸
の撹拌動力を測定するための装置が備えられた多軸混合
機であればよく、型式、方式などは特に限定されるもの
ではない。本発明においてはこの多軸混合機に供給した
燃料組成物を攪拌して製造を行いながら、攪拌動力を測
定し、測定した攪拌動力に対応するこの燃料組成物の見
掛け粘度を求めてチキソトロピー性を計測し、そして所
定のチキソトロピー性を有するように調整する。本発明
において用いる多軸混合機の具体例としては、例えば多
軸パドルミキサー、多軸リボンミキサー、インターナル
ミキサー(別名バンバリーミキサー)、双腕型ニーダ
ー、多軸ピンミキサー、多軸ロッドミキサーなどを挙げ
ることができる。これらの中でも多軸パドルミキサー、
多軸リボンミキサーは低剪断速度での粘度が比較的高い
組成物を効率よく混合することができるので、本発明に
おいて好ましく使用できる。
【0027】本発明では、低速回転の回転数と高速回転
の回転数の比が10倍以上であり、かつ回転数および回
転方向を各軸独自に変えられる攪拌羽根を備えるととも
に、各軸の撹拌動力を測定する装置を備えた多軸パドル
ミキサーもしくは多軸リボンミキサーは好ましく使用す
ることができる。このような多軸パドルミキサーもしく
は多軸リボンミキサーを使用することにより、多軸パド
ルミキサーもしくは多軸リボンミキサーを止めることな
く、攪拌して製造を行いながら、サンプリングを行う必
要もなく、組成物に所定のチキソトロピー性及び粘性が
付与されたことを確認できる。
【0028】動力機構としては、具体的には、可変油圧
ポンプを用いて、撹拌負荷に合わせて油量、油圧が制御
できる油圧回路を用いて撹拌軸端に接続した油圧モータ
で撹拌軸を回転させる形式の動力機構が望ましいが、電
動機動力が負荷に応じて測定できる機構であれば問題は
ない。
【0029】本発明で使用する多軸混合機に、あらかじ
め、回転粘度計を用いて、20℃における6回転/分
(剪断速度1.48sec-1)と60回転/分(剪断速
度14.8sec-1)での粘度を測定しておいた既知の
各種の粘性及びチキソトロピー性を有するセメント焼成
用補助燃料組成物をそれぞれ投入し、投入量に応じて多
軸混合機の高速回転、及び高速回転数の1/10の回転
数での撹拌動力を測定しておく。
【0030】本操作により、多軸混合機の回転羽根の各
回転数での攪拌動力を測定し、既知の値と比較すること
により、その回転数での組成物の見掛粘度を知ることが
でき、その見掛粘度の比から製造中のセメント焼成用補
助液体燃料組成物がチキソトロピー性を有しているかど
うか、および、その度合い、および所定条件(すなわち
20℃での剪断速度1.48sec-1、および剪断速度
14.8sec-1)での粘度が予測できる。また、本発
明で使用する混合機が多軸である理由は、隣り合わせた
攪拌羽根をお互いに逆回転することにより、投入量が少
ない場合には、撹拌時間を短縮することができ、定容量
を最初から仕込んだ場合は、いわゆる供回り(混合物が
攪拌羽根と一緒に回転して攪拌できない現象、一軸ミキ
サーを用いて、高粘度組成物を低速攪拌した場合に起こ
りやすい)を防ぐためである。
【0031】攪拌羽根の回転方向を変えられる理由は、
粒径の大きな固形分が混入し攪拌羽根と多軸混合機壁
間、および隣り合わせた攪拌軸の攪拌羽根間に挟まった
場合や固形分分布のかたよりが生じた場合、回転方向を
変えることにより挟まった固形分を外したり、固形分を
均一に分散させるためである。
【0032】詳しい組成物の粘度特性は良く分からない
が、組成物のチキソトロピー性を判断する指標として、
いろいろな剪断速度による見掛粘度を測定すると、一般
的に用いられている「擬塑性流体のべき乗モデル」で表
現できる。粘度計の回転数による測定粘度から「べき指
数」の数値を基準に補助燃料組成物としてのチキソトロ
ピー特性が判断できる。
【0033】本特許では撹拌機の攪拌動力を測定し、そ
の剪断速度(撹拌機の回転数)における見掛粘度を計算
し、回転数を10倍に変化させてその見掛粘度比を計算
することにより、組成物の粘度特性が「べき乗モデル」
で予測でき、その「べき指数」の数値を基準に回転粘度
計によることなく所定剪断速度での見掛粘度、ひいては
チキソトロピー性を有する補助燃料としての適合性が判
断できる。
【0034】次に、図面を用いて本発明を説明する。図
1は、本発明で使用する多軸パドルミキサーの一実施例
の攪拌羽根を平面から見た説明図であり、図2は図1に
示した多軸パドルミキサーの断面図である。図1、図2
において本発明で使用する2軸パドルミキサー1は、高
速回転時の回転数と低速回転時の回転数の比が10倍以
上有り、回転数及び回転方向を各軸独自に変えられる回
転軸2、3を備え、各回転軸2、3には多数の攪拌羽根
(パドルブレード)4、4、・・・・が固定されてお
り、これらはケーシング5中に装着されている。6は各
回転軸2、3を軸支するブランマブロック、7、8は各
回転軸2、3の一端に装着されそれぞれの回転軸を回転
させる油圧モータ、9は原料投入口、10は製品排出
口、11は支持装置を示す。図示しないが多軸パドルミ
キサー1には各回転軸2、3の攪拌動力を測定する装置
が油圧ポンプユニットに備えてある。
【0035】図1および図2に示した2軸パドルミキサ
ー1の原料投入口から2種以上の廃棄物を投入し、攪拌
・混合してセメント焼成用補助燃料組成物を製造する際
に同時に下記のようにしてチキソトロピー性の有無を判
定し、前記のようなチキソトロピー性を有するセメント
焼成用補助燃料組成物が得られたならば、製品排出口1
0から製品を排出する。なお、本発明で用いる多軸混合
機の1つである多軸リボンミキサーは図示しないが、公
知のものを使用でき特に限定されるものではない。しか
し、回転軸にスクリュウ羽根が溶接されているものでは
なく、例えば化学工学便覧第877頁図19・28の
(d)リボンスクリューに記載されているような平鋼
(FlatBar)をリボン状(スパイラル状)に巻い
て、支持腕で回転軸に接続されているタイプのスクリュ
ウコンベアが好ましく使用できる。このタイプの多軸リ
ボンミキサーは、回転軸を軽くしてたわみを少なくでき
るため、長い移送距離でも中間軸受けが不要となる長所
があり、輸送充填率の少ないバラものや、粘度が高く、
逆混合が起こり馬力が無駄になる高粘度液体の混合など
に好適に使用される。
【0036】図1および図2に示した多軸パドルミキサ
ー1は、定容量10m3 (最大容量20m3 )、攪拌羽
根4の直径1.5mの2軸パドルミキサーであり、この
多軸パドルミキサーに、あらかじめ回転粘度計を用い
て、ローターの回転数を6回転/分(剪断速度1.48
sec-1)と60回転/分(剪断速度14.8se
-1)で20℃におけるそれぞれの粘度を測定した各種
の粘性、および各種のチキソトロピー性を有するセメン
ト焼成用燃料組成物を投入し、攪拌羽根4の回転数を
3、6、20、30、60回転/分で各組成物を攪拌し
た時の攪拌動力を測定した。
【0037】攪拌羽根4の各回転数における定容量10
3 での攪拌動力(kw)と見掛粘度(cP)の関係を
図3に示す。
【0038】また、内容量により同じ組成物でも攪拌動
力が異なるが、その場合は、図4に示す内容量による動
力換算図にて10m3 の動力に換算する。
【0039】攪拌羽根4の高速回転と、高速回転の1/
10の場合の攪拌動力より算出した見掛粘度比から、そ
れぞれ、剪断速度1.48sec-1、剪断速度14.8
sec-1の粘度に換算する関係を図5、図6、図7に示
す。
【0040】また、温度範囲10〜40℃の範囲での粘
度の20℃粘度への換算グラフを図8に示す。
【0041】実操業では、これらの関数を計算機にプロ
グラムしておき、測定値を入力することにより簡単に所
定条件での粘度が運転中に予測できるようにすることが
好ましい。
【0042】次に、本発明で用いた「多軸パドルミキサ
ー(撹拌機)の攪拌動力」と「セメント焼成用補助燃料
組成物のチキソトロピー性と見掛粘度」の関係を以下に
説明する。各種の粘度及びチキソトロピー性を有するセ
メント焼成用補助燃料組成物を図1および図2に示した
多軸パドルミキサーに投入し、撹伴速度を変えて撹伴動
力を測定した結果、多軸パドルミキサー(撹拌機)の攪
拌動力とセメント焼成用補助燃料組成物の見掛粘度は、
下記の式(1)に集約されることが分かった。
【0043】 Np×Re=α×Fr-0.13 ×(p /D)-1 ・・・・・式(1)
【0044】ただし、式(1)において、 Np:動力数=P/ρN34 L P :撹拌動力[w] N :回転数 [sec-1] ρ :組成物の密度[kg/m3 ] D :パドルの直径[m] L :撹拌機長さ[m] Re:レイノルズ数=D2 N/ν ν :動粘度=μ/ρ[m2 /sec] μ :粘度[Pas] α :撹拌機パドル形状による係数 Fr:フルード数=N2 D/g g :重力加速度[m/sec2 ] p :パドルのピッチ[m] である。
【0045】式(1)より、回転数Ni(rpm)時の
攪拌動力がPi(kw)であれば、見掛粘度μi(c
P)は下記の式(2)の関係となる。
【0046】 μi =β×Pi/Ni1.74 ・・・・・式(2)
【0047】また、チキソトロピー性を有するセメント
焼成用補助燃料組成物の粘度をべき乗モデルで表すと、
本発明の範囲内でセメント焼成用補助燃料組成物の見掛
粘度は下記の式(3)で表現できる。
【0048】 μi=μ0 ×(Ni/N0(n-1) ・・・・・式(3)
【0049】つまり、μi/μ0 =(Ni/N0
(n-1) の関係があるため、10倍の回転数での見掛粘度
を計算すると、簡単にべき乗モデルの指数が計算でき
る。見掛粘度比μ1 /μ10=γとすると γ=(1/1
0)(n-1) となり、下記の式(4)でべき乗モデルの指
数nが求められる。
【0050】n=1−log γ ・・・・・式(4)
【0051】本発明においてはチキソトロピー性発現の
ため、10倍の回転数間での見掛粘度比を、5以上とし
ているため、(1/10)(n-1) ≧5より、n≦1−lo
g 5=0.30となり、べき乗モデルの指数nは0.3
0以下の数値となる。
【0052】撹拌動力と見掛粘度の関係式(2)を示し
たものが、図3である。
【0053】また、撹拌動力と見掛粘度の関係式(2)
は、10m3 容量時のものであるため、仕込み量により
動力が異なるため、その補正すべき係数を示したのが図
4である。
【0054】回転数比10倍時の見掛粘度比から「べき
乗モデル」の指数nを求める関係式(4)を示したもの
が図5である。
【0055】指数nが分かると、剪断速度比から1.4
8sec-1、14.8sec-1時の粘度を求めることが
できる。そして関係式(3)を図示したものが図6、図
7である。
【0056】さらに、温度、固形分の割合により粘度は
変化するため、20℃での粘度を計算するために、実測
した関係を図示したものが、図8である。
【0057】多軸パドルミキサー1に投入した2種以上
の廃棄物の量と固形分量および温度は、計量槽からの信
号で自動的に計算機に入力される。次に、撹拌動力が安
定した後に、低速回転と低速回転の10倍の速度に設定
し、その回転数と攪拌動力を入力すると、見掛粘度と見
掛粘度比を演算し、チキソトロピー性が得られているか
どうかを判定でき、所定条件での粘度を予測できる。そ
れに基き、配合を追加し最終的に所定条件の粘度、発熱
量、Cl濃度の製品を調整混合することができる。
【0058】次に、本発明の製造方法を用いて(特願平
11−292194号明細書)に記載のチキソトロピー
性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を製造する例
を説明する。先ず、(水を変性材料に保持させて油に分
散する方法)について説明する。水を含む廃棄物と変性
材料もしくは変性材料を含む廃棄物を多軸パドルミキサ
ーに入れ攪拌混合する。攪拌直後は各軸とも同一回転数
での攪拌動力の値が変動するが、時間の経過と共に変動
幅が少なくなり一定となる。一定回転数で各軸の攪拌動
力値が一定となることは、組成物が均一に混合されたこ
とを示す。攪拌動力の値が一定となった時点で、高速回
転の1/10の回転数での攪拌動力を測定し、次に回転
数を高速回転として、攪拌動力を測定する。図3を用い
て、高速回転と高速回転の1/10の回転数での組成物
の見掛粘度を算出する。高速回転の1/10の回転数の
見掛粘度が高速回転の見掛粘度の3倍以上の場合、変性
材料の量及び質が適当であり、変性材料が水を保持した
事が確認できる。
【0059】高速回転と高速回転の1/10の回転数で
の見掛粘度の比が3以下の場合、水に対する変性材料の
割合が少ないので変性材料もしくは/または変性材料を
含む廃棄物を加え更に攪拌する。高速回転と高速回転の
1/10の回転数での攪拌動力より算出された見掛粘度
の比が3以上となるまで変性材料もしくは/または変性
材料を含む廃棄物を加える。
【0060】変性材料が水を充分に保持したことを確認
した後、油を含む廃棄物を加え攪拌し、攪拌羽根の一定
回転数での攪拌動力が一定となるまで攪拌する。攪拌動
力の値が一定となった後、攪拌羽根の回転数を高速回転
の1/10の回転数にして、その撹拌動力より図3を用
いて見掛け粘度を算出する。更に攪伴羽根の回転数を高
速回転にしてその攪伴動力より図3を用いて見掛け粘度
を算出する。高速回転の1/10の回転数での見掛け粘
度が高速回転の見掛け粘度の5倍以上の場合、本組成物
は良好なチキソトロピー性を有している。高速回転、高
速回転の1/10の回転数での組成物の見掛け粘度の比
が5以下である場合は水を保持した変性材料が不足して
いるためであり、前記のごとく作成した水を保持した変
性材料を加えるか、下水道汚泥等のように水を保持した
変性材料を含む廃棄物を加え攪拌混合して、高速回転と
高速回転の1/10の回転数での組成物の粘度の比が5
以上となるようにする。高速回転と高速回転の1/10
の回転数での見掛け粘度の比より図5〜図8を用い剪断
速度1.48(sec-1)及び剪断速度14.8(se
-1)の20℃に換算した粘度を算出する。剪断速度
1.48(sec-1)での20℃に換算した粘度が1,
000〜5,0000センチポイズである場合は本組成
物は良好な粘性を有している。
【0061】剪断速度1.48 (sec-1) での粘度が
50,000センチポイズ以上である場合は、油を含む
粘度の低い廃棄物を加え粘度を50,000センチポイ
ズ以下とする。また剪断速度1.48 (sec-1) での
粘度が1,000センチポイズ以下である場合は、水を
保持した変性材料を加えて粘度を1,000センチポイ
ズ以上とする。
【0062】更に、必要に応じ、セメント原料成分を含
む廃棄物、発熱量増加材として、廃プラスチック粉砕物
等の可燃性固体廃棄物粉末を加えてもかまわないが、混
合物の剪断速度1.48 (sec-1) での粘度が20℃
の粘度に換算して1,000〜50,000センチポイ
ズであり、高速回転の1/10の回転数の粘度が高速回
転の粘度の5倍以上となるように上記粉体を添加する。
【0063】上記のごとく作成したチキソトロピー性を
有するセメント焼成用補助燃料組成物は発熱量が3,0
00kcal/kg、Cl含有量が3,000ppm以
下にすることが好ましい。
【0064】次に、(油を変性材料に保持させて水に分
散する方法)について説明する。油を含む廃棄物と変性
材料もしくは変性材料を含む廃棄物を多軸パドルミキサ
ーに入れ攪拌混合する。攪拌直後は各軸とも同一回転数
での攪拌動力の値が変動するが、時間の経過と共に変動
幅が少なくなり一定となる。攪拌動力の値が一定となっ
た時点で、高速回転の1/10の回転数での攪拌動力を
測定し、次に回転数を高速回転として、攪拌動力を測定
する。図3を用いて高速回転と高速回転の1/10の回
転数での組成物の見掛粘度を算出する。高速回転の1/
10の回転数での粘度が高速回転の粘度の3倍以上の場
合変性材料の量及び質が適当であり、変性材料が油を保
持したことが確認される。
【0065】高速回転と高速回転の1/10の回転数で
の見掛粘度の比が3以下の場合、油に対する変性材料の
割合が少ないので変性材料もしくは/または変性材料を
含む廃棄物を加え更に攪拌する。高速回転と高速回転の
1/10の回転数での攪拌動力より算出された粘度の比
が3以上となるまで変性材料もしくは/または変性材料
を含む廃棄物を加える。
【0066】変性材料が充分に油を保持した後、水を含
む廃棄物を加え攪拌し、攪拌羽根の一定回転数での各軸
の攪拌動力が一定となるまで攪拌する。攪拌動力の値が
一定となった後、攪拌羽根の回転数を高速回転の1/1
0の回転数にして図3を用いて見掛け粘度を算出する。
更に攪伴羽根の回転数を高速回転にしてその攪伴動力よ
り図3を用いて見掛け粘度を算出する。高速回転の1/
10の回転数での見掛け粘度が高速回転の見掛け粘度の
5倍以上の場合、本組成物は良好なチキソトロピー性を
有している。
【0067】高速回転、高速回転の1/10の回転数で
の組成物の見掛け粘度の比が5以下である場合は油を保
持した変性材料が不足しているためであり、前記のごと
く作成した油を保持した変性材料を加えるか、油を保持
した変性材料を含む廃棄物を加え攪拌混合して、高速回
転と高速回転の1/10の回転数での組成物の粘度の比
が5以上となるようにする。高速回転と高速回転の1/
10の回転数での見掛け粘度の比より図5〜図8を用い
剪断速度1.48(sec-1)及び剪断速度14.8
(sec-1)の20℃に換算した粘度を算出する。剪断
速度1.48(sec-1)での20℃に換算した粘度が
1,000〜5,0000センチポイズである場合は本
組成物は良好な粘性を有している。
【0068】剪断速度1.48 (sec-1) での粘度が
50,000センチポイズ以上である場合は、水を含む
粘度の低い廃棄物を加え粘度を50,000センチポイ
ズ以下とする。また剪断速度1.48 (sec-1) での
粘度が1,000センチポイズ以下である場合油を保持
した変性材料を加えて粘度を1,000センチポイズ以
上とする。
【0069】更に、必要に応じ、セメント原料成分を含
む廃棄物、発熱量増加材として、廃プラスチック粉砕物
等の可燃性固体廃棄物粉末を加えてもかまわないが、混
合物の剪断速度1.48 (sec-1) での粘度が1,0
00〜50,000センチポイズであり高速回転の1/
10の回転数での粘度が高速回転の粘度5倍以上となる
ように上記粉体を添加する。
【0070】上記のごとく作成したチキソトロピー性を
有するセメント焼成用補助燃料は発熱量が3,000k
cal/kg、塩素含有量が3,000ppm以下にす
ることが好ましい。
【0071】次に、本発明の製造方法を用いて(特許第
3039644号)に記載のチキソトロピー性を有する
セメント焼成用補助燃料組成物を製造する例を説明す
る。変性材料、変性材料を含む廃棄物と水を含む廃棄
物、油を含む廃棄物を上記多軸パドルミキサーに投入し
一定回転数での攪拌動力の変動が無くなるまで撹拌す
る。高速回転の1/10の回転数での攪拌動力より図3
を用いて見掛け粘度を算出する。次に攪伴羽根の回転数
を高速回転とし、その攪伴動力より図3を用いて見掛け
粘度を算出する。高速回転の1/10の粘度が高速回転
の粘度の10倍以上である場合良好なチキソトロピー性
を有している。
【0072】そして、攪拌羽根の高速回転と、高速回転
の1/10の攪拌動力より算出した見掛粘度の比が10
以下の場合、変性材料の混入量が不足しているためであ
るので、粘度の比が10以上となるように変性材料、も
しくは変性材料を含む廃棄物を加える。
【0073】高速回転と高速回転の1/10の回転数で
の見掛け粘度の比より図5〜図8を用い剪断速度1.4
8(sec-1)及び剪断速度14.8(sec-1)の2
0℃に換算した粘度を算出する。剪断速度1.48(s
ec-1)での20℃に換算した粘度が2,000〜5,
0000センチポイズである場合は本組成物は良好な粘
性を有している。また、粘度が高すぎる場合は組成物の
連続相(水もしくは油)を多く含む廃棄物を加えて粘度
を下げる。更に粘度が低すぎる場合は変性材料もしくは
変性材料を含む廃棄物を加えるか、分散質(水もしくは
油)の量を増加するか、固形分を加えることにより組成
物の粘度を増加することができる。
【0074】その後セメント原料成分、及び、発熱量増
加成分、その他の成分を添加混合して発熱量、Cl含有
量、固形分量、を調整しても良いが、その場合、剪断速
度1.48 (sec-1) での粘度が2,000〜50,
000センチポイズであり、高速回転の1/10の回転
数の粘度が高速回転の粘度の10倍以上となるように添
加する必要がある。
【0075】上記のごとく作成したチキソトロピー性を
有するセメント焼成用補助燃料組成物は発熱量が3,0
00kcal/kg、塩素含有量が3,000ppm以
下にすることが好ましい。
【0076】以上のようにして本発明の製造方法を用
い、2種以上の廃棄物を用いてチキソトロピー性を有す
るセメント焼成用補助燃料組成物を製造する際のフロー
チャートを図9に示す。図9においてS1のスタートで
2種以上の所定量の廃棄物をミキサーに投入し、S2の
初期混練で一定の撹伴速度で撹伴する。S3で撹伴動力
が安定しない場合はS2の初期混練を続け、そして撹伴
動力が安定(電力安定)した後、S4で撹伴速度を低速
回転(高速回転の1/10)とし、S5で撹伴動力が安
定しない場合はS4の低速回転での混練を続け、そして
S6で検出した撹伴動力が安定し一定(電力安定)とな
った後、S12で、得られた撹伴動力(S11の計量機
からの仕込量のデータから投入した組成物の量がミキサ
ー定容量に満たない場合は図4を用いて撹伴動力の換算
を行う)から組成物の低速回転での見掛け粘度を演算す
る。次にS7でミキサーの回転数を低速回転の10倍の
回転数(高速回転)に上げ、S8で撹伴動力が安定しな
い場合はS7の高速回転での混練を続け、そしてS9で
検出した撹伴動力が安定し一定となった後、S13で、
得られた撹伴動力(S11の計量機からの仕込量のデー
タから投入した組成物の量がミキサー定容量に満たない
場合は図4を用いて撹伴動力の換算を行う)より組成物
の高速回転での見掛け粘度を演算する。S20で、低速
回転での見掛け粘度と高速回転の見掛け粘度の比よりチ
キソトロピー性を判定し、組成物がチキソトロピー性が
ある場合はS21でチキソトロピー性OKとなるが、S
22で前記粘度比が不足の場合は所定のチキソトロピー
性がないので、S24で廃棄物の再配合、追加配合を演
算し、演算して得られた廃棄物の再配合、追加配合を行
って、S1のスタートに戻り上記の工程を繰り返す。S
21でチキソトロピー性OKの場合は、S16で演算に
より得られた低速回転での見掛け粘度と高速回転の見掛
け粘度の比よりべき乗指数を演算する。固形分比率、温
度により粘度が異なるので、S14の固形分比率のデー
タ、S15の温度のデータを勘案してS17でべき乗指
数より低速回転及び高速回転での粘度を演算する。S1
8で低速回転及び高速回転での粘度がそれぞれ所定の値
である場合は、S19で粘度OKとなり、製品が得られ
る。S18で低速回転及び高速回転での粘度がそれぞれ
所定の値でない場合は、S22で粘度不適となり、S2
4で廃棄物の再配合、追加配合を演算し、演算して得ら
れた廃棄物の再配合、追加配合を行って、S1のスター
トに戻り上記の工程を繰り返す。
【0077】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものでは
ない。 (実施例1)表1に示した、変性材料を含みかつセメン
ト原料成分を含むベントナイト汚泥−1(ベントナイト
含有量18質量%)6000kgと廃油―A4000k
gを図1、2に示した上記多軸パドルミキサーに投入し
攪拌羽根の回転数20回転/分で攪拌したところ、攪拌
直後は攪拌動力が変動したが3分後には5.7kWで一
定となった。その後攪拌羽根の回転数を3回転/分に落
とし攪拌動力を測定したところ1.6kWであった。図
3より、回転数3回転/分の見掛粘度は300,000
センチポイズであった。次に攪拌羽根の回転数を30回
転/分に上げて攪拌動力を測定したところ7.6kWで
あった。図3より回転数30回転/分の見掛粘度は2
7,000センチポイズであった。このように攪拌羽根
の回転数が3回転/分と30回転/分での組成物の見掛
粘度比が11.1であるため本組成物は良好なチキソト
ロピー性を有していることが分かる。
【0078】図5より、粘度特性のべき乗指数は−0.
05となる。図6より、剪断速度1.48sec-1での
粘度への換算係数は、0.03であるので、剪断速度
1.48sec-1での粘度は300,000×0.03
=9,000センチポイズと換算できる。そして図7よ
り、剪断速度14.8sec-1での粘度への換算係数
は、0.03であるので、剪断速度14.8sec-1
の粘度は27,000×0.03=810センチポイズ
と換算できる。また、固形分の割合は、17.8質量%
であり、温度は25℃であったので、図8より、温度換
算係数は0.96となり、20℃、剪断速度1.48s
ec-1での粘度は、9,000÷0.96=9,300
センチポイズ、20℃、剪断速度14.8sec-1での
粘度は、810÷0.96=840センチポイズと予測
できる。
【0079】本組成物について実際に測定した物理化学
的性質は以下の様であった。 発熱量 3,500kcal/kg Cl含有量 760ppm 粘度(使用粘度計、芝浦システム(株)製単一筒型回転粘度計、形式VS−A) 測定温度 20℃ 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 8,350センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 770センチポイズ
【0080】本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を
7日間静置したが油分、水分、固形分の分離は生じなか
った。7日間静置した本発明のセメント焼成用補助燃料
組成物の粘度を同様にして測定した結果以下のようであ
り、チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 9,100センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 810センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行う事が出来た。
【0081】(実施例2)表1に示した廃油―A500
0kg、タンクスラッジーA2000kg、廃水―A3
000kgを上記ミキサーに投入し、攪拌羽根の回転数
20回転/分で攪拌したところ、攪拌直後は攪拌動力が
変動したが3分後には5.0kWで一定となった、その
後攪拌羽根の回転数を3回転/分に落として攪拌動力を
測定したところ0.3kWであった。図3より回転数3
回転/分の見掛粘度は57,000センチポイズであっ
た。次に攪拌羽根の回転数を30回転/分に上げて攪拌
動力を測定したところ9.1kWであった。図3より回
転数30回転/分の見掛粘度は32,000センチポイ
ズであった。攪拌羽根の回転数3回転/分と30回転/
分の粘度の比が1.8であるので本組成物はチキソトロ
ピー性を有していない。
【0082】そこで、この組成物に表1に示した廃白土
―A1250kgを加え、攪拌羽根の回転数を20回転
/分で3分間攪拌したところ、攪拌動力(図4を用いた
10m3 換算値)は7.5kWで一定となった。その後
攪拌羽根の回転数を3回転/分に落としたところ、攪拌
動力(図4を用いた10m3 換算値)は1.8kWとな
り、図3により見掛粘度は350,000センチポイズ
であった。次に攪拌羽根の回転数を30回転/分に上げ
て攪拌動力(図4を用いた10m3 換算値)を測定した
ところ10.1kWであり、図3より見掛粘度は35,
000センチポイズであった。攪拌羽根の回転数3回転
/分と30回転/分での粘度の比が10.0であるので
本組成物は良好なチキソトロピー性を有していることが
分かる。
【0083】図5より、粘度特性のべき乗指数は0とな
る。図6より、剪断速度1.48sec-1での粘度への
換算係数は、0.032であるので、剪断速度1.48
sec-1での粘度は350,000×0.032=1
1,000センチポイズと換算でき、図7より、剪断速
度14.8sec-1での粘度への換算係数は、0.03
2となるから、剪断速度14.8sec-1での粘度は3
5,000×0.032=1,100センチポイズと換
算できる。固形分の割合は、17.6質量%であり、温
度は25℃であったので、図8より、温度換算係数は
0.96となり、20℃、剪断速度1.48sec-1
の粘度は、11,000÷0.96=11,400セン
チポイズ、20℃、剪断速度14.8sec-1での粘度
は、1,100÷0.96=1,140センチポイズと
予測できる。
【0084】本チキソトロピー性を有する組成物に、セ
メント原料を含む固形分として表1に示した陶磁器くず
破砕物1250kgを加え攪拌羽根の回転数を20回転
/分で3分間攪拌し、攪拌動力は11.0kWで一定と
なった。その後攪拌羽根の回転数を3回転/分に落とし
たところ、攪拌動力は3.0kWとなり図3により見掛
粘度は590,000センチポイズであった。次に攪拌
羽根の回転数を30回転/分に上げたところ攪拌動力は
14.5kWとなった。図3より見掛粘度は51,00
0センチポイズであった。攪拌羽根の回転数3回転/分
と30回転/分での粘度の比が11.5であるので、固
形分を混合しても組成物のチキソトロピー性は変わらな
いことが分かる。
【0085】図5より、粘度特性のべき乗指数は−0.
06となる。図6より、剪断速度1.48sec-1での
粘度への換算係数は、0.028となるので、断速度
1.48sec-1での粘度は590,000×0.02
8=16,500センチポイズと換算でき、図7より、
剪断速度14.8sec-1での粘度への換算係数は、
0.028となるので、剪断速度14.8sec-1での
粘度は51,000×0.028=1,420センチポ
イズと換算できる。固形分の割合は、25.9質量%で
あり、温度は25℃であったので、図8より、温度換算
係数は0.98となり、20℃、剪断速度1.48se
-1での粘度は、16,500÷0.98=16,80
0センチポイズ、20℃、剪断速度14.8sec-1
の粘度は、1,420÷0.98=1,450センチポ
イズと予測できる。
【0086】本組成物について実際に測定した物理化学
的性質は以下の様であった。 発熱量 4,680kcal/kg 塩素含有量 1,200ppm 粘度(使用粘度計、芝浦システム(株)製単一筒型回転粘度計、形式VS−A 測定温度 20℃ 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 16,500センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 1,360センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を7日間静置し
たが油分、水分、固形分の分離は生じなかった。
【0087】7日間静置した本発明のセメント焼成用補
助燃料組成物の粘度を同様にして測定した結果以下のよ
うであり、チキソトロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 17,050センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 1,480センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行う事ができた。
【0088】(実施例3)上記ミキサーに表1に示す廃
白土―B[変性材料(白土)を含む廃棄物]1500k
gおよび廃水―B3000kgを投入し攪拌羽根の回転
数20回転/分で攪拌したところ攪拌直後は攪拌動力が
大幅に変動したが、3分間後に攪拌動力(図4を用いた
10m3 換算値)が2.0kWで一定となった。その後
回転数を3回転/分に落としたところ、攪拌動力(図4
を用いた10m3 換算値)は0.3kWとなった。図3
より本組成物の回転数3回転/分の見掛粘度は55,0
00センチポイズであった。更に回転数を30回転/分
に上げたところ動力(図4を用いた10m 3 換算値)は
3.1kWとなった。図3により本組成物の回転数30
回転/分の見掛粘度は11,000センチポイズであっ
た。攪拌羽根の3回転/分と30回転/分での組成物の
見掛粘度比が5.0であることからチキソトロピー性は
充分であることが分かる。このことにより廃水が廃白土
に保持されたことが確認できた。
【0089】更に廃油―B3000kg、廃溶剤250
0kgを加えて回転数20回転/分で攪拌したところ、
攪拌直後から1分間にかけて攪拌動力が大幅に変動した
が3分後には0.9kWで一定となった。その後攪拌羽
根の回転数を3回転/分にして攪拌動力を測定したとこ
ろ、動力は0.1kWであり、図3より回転数3回転/
分の見掛粘度は20,000センチポイズであった。次
に攪拌羽根の回転数を30回転/分に上げて攪拌動力を
測定したところ1.3kWであり、図3より回転数30
回転/分の見掛粘度は4,000センチポイズであっ
た。このように攪拌羽根の回転数が3回転/分と30回
転/分での組成物の粘度の比が5.0であるため、本組
成物は水を保持した廃白土が廃油中に分散して良好なチ
キソトロピー性を有している事が分かる。
【0090】図5より、粘度特性のべき乗指数は0.3
となる。図6より、剪断速度1.48sec-1での粘度
への換算係数は、0.095となるから、剪断速度1.
48sec-1での粘度は20,000×0.095=
1,900センチポイズと換算でき、図7より、剪断速
度14.8sec-1での粘度への換算係数は、0.09
5となるから、剪断速度14.8sec-1での粘度は
4,000×0.095=380センチポイズと換算で
きる。また固形分の割合は、17.2質量%であり、温
度は20℃であったので、図8より、温度換算係数は
1.00となり、20℃、剪断速度1.48sec-1
の粘度は、1,900÷1.00=1,900センチポ
イズ、20℃、剪断速度14.8sec-1での粘度は、
380÷1.00=380センチポイズと予測できる。
【0091】本組成物について実際に測定した物理化学
的性質は以下の様であった。 発熱量 4,400kcal/kg 塩素含有量 760ppm 粘度(使用粘度計、芝浦システム(株)製単一筒型回転粘度計、形式VS−A 測定温度 20℃ 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 2,250センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 380センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を7日間静置し
たが油分、水分、固形分の分離は生じなかった。7日間
静置した本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の粘度
を同様にして測定した結果以下のようであり、チキソト
ロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 2,300センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1) 390センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行う事が出来た。
【0092】(実施例4)表1に示したベントナイト汚
泥−2[変性材料(ベントナイト)が水を保持している
廃棄物]1000kg、無機汚泥[変性材料(無機性微
粉末)が水を保持している廃棄物]2000kgを投入
し、攪拌羽根の回転数20回転/分で攪拌したところ、
攪拌直後は攪拌動力が変動したが3分後には0.3kW
(図4を用いた10m3 換算値)で一定となった。その
後攪拌羽根の回転数を6回転/分に落とし、攪拌動力を
測定したところ0.3kW(図4を用いた10m3 換算
値)であり、図3より回転数6回転/分の見掛粘度を算
出したところ16,000センチポイズであった。次に
攪拌羽根の回転数を60回転/分に上げて攪拌動力を測
定したところ2.7kW(図4を用いた10m3 換算
値)であり、図3より回転数60回転/分の見掛粘度を
算出したところ2,900センチポイズであった。攪拌
羽根の回転数が6回転/分と60回転/分での組成物の
粘度の比が5.5であるため本組成物はベントナイト、
及び無機汚泥中の無機性微粉末が水を保持していること
が分かる。
【0093】次に表1に示したタンクスラッジ−B5,
000kg、含油廃水2000kgを投入し攪拌羽根の
回転数20回転/分で攪拌したところ攪拌直後は攪拌動
力が変動したが、3分後には4.4kWで一定となっ
た。その後攪拌羽根の回転数を3回転/分に落とし攪拌
動力を測定したところ0.7kWであり、そして図3よ
り回転数3回転/分の見掛粘度を算出したところ14
5,000センチポイズであった。次に攪拌羽根の回転
数を30回転/分に上げたところ、攪拌動力は6.4k
Wとなり、図3により回転数30回転/分の見掛粘度を
算出したところ23,000センチポイズであった。攪
拌羽根の回転数が3回転/分と30回転/分での粘度の
比が6.3であるため本組成物は良好なチキソトロピー
性を有していることが分かる。
【0094】図5より、粘度特性のべき乗指数は0.2
となる。図6より、剪断速度1.48sec-1での粘度
への換算係数は、0.067となるから、剪断速度1.
48sec-1での粘度は、145,000×0.067
=9,720センチポイズと換算でき、図7より、剪断
速度14.8sec-1での粘度への換算係数は、0.0
67となるから、剪断速度14.8sec-1での粘度は
23,000×0.067=1,550センチポイズと
換算できる。固形分の割合は、16.9質量%であり、
温度は、10℃であったので、図8より、温度換算係数
は1.01となり、20℃、剪断速度1.48sec-1
での粘度は、9,720÷1.07=9,080センチ
ポイズ、20℃、剪断速度14.8sec-1での粘度
は、1,550÷1.07=1,450センチポイズと
予測できる。
【0095】本組成物について実際に測定した物理化学
的性質は以下の様であった。 発熱量 3,100kcal/kg 塩素含有量 1,500ppm 粘度(使用粘度計、芝浦システム(株)製単一筒型回転粘度計、形式VA−A 測定温度 20℃ 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 9,400センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1)1,550センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物を7日間静置し
たが油分、水分、固形分の分離は生じなかった。7日間
静置した本発明のセメント焼成用補助燃料組成物の粘度
を同様にして測定した結果以下のようであり、チキソト
ロピー性を有している。 粘度(20℃) 6回転/分(剪断速度1.48sec-1) 9、600センチポイズ 60回転/分(剪断速度14.8sec-1)1,600センチポイズ 本発明のセメント焼成用補助燃料組成物をセメントキル
ンで補助燃料として使用したが、貯蔵時、輸送時などに
各成分の沈降、浮上などが発生せず、配管輸送や噴霧燃
焼などを容易に行うことができた。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の製造方法によ
り、2種以上の廃棄物を用いてセメント焼成用補助燃料
組成物を製造中に多軸混合機を止めることなく、0剪断
速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すので構成成分
の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前記領域を超
える高剪断速度の領域においては低粘性を示すので配管
輸送、噴霧燃焼などを容易に行えるようなチキソトロピ
ー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を容易に製
造できるので、手間も時間かからないという顕著な効果
を奏する。本発明の請求項1記載の製造方法により、多
軸混合機の回転羽根の低回転数および高回転数での攪拌
動力を測定し、既知の値と比較することにより、その回
転数での組成物の見掛粘度を知ることができ、その見掛
粘度の比から製造中のセメント焼成用補助液体燃料組成
物がチキソトロピー性を有しているかどうか、および、
その度合い、および所定条件(すなわち20℃での剪断
速度1.48sec -1、および剪断速度14.8sec
-1)での粘度が容易に予測できるという顕著な効果を奏
する。
【0098】本発明の請求項2記載の製造方法の場合
は、前記多軸混合機が多軸パドルミキサーもしくは多軸
リボンミキサーであるので、上記作用効果が得られると
ともに低剪断速度での粘度が比較的高い組成物を効率よ
く混合することができるという顕著な効果を奏する。
【0099】本発明の請求項3記載の製造方法の場合
は、低速回転の回転数と高速回転の回転数の比が10倍
以上であり、かつ回転数および回転方向を各軸独自に変
えられる攪拌羽根を備えた多軸混合機を用いたことによ
り、 (1)既知の各種の粘性およびチキソトロピー性を有す
るセメント焼成用補助燃料組成物をそれぞれ投入し、投
入量に応じて多軸混合機の高速回転、及び高速回転数の
1/10の回転数での撹拌動力を測定しておき、既知の
値と比較することにより、その回転数での未知の組成物
の見掛粘度を知ることができ、その見掛粘度の比から製
造中のセメント焼成用補助液体燃料組成物がチキソトロ
ピー性を有しているかどうか、および、その度合い、お
よび所定条件(すなわち20℃での剪断速度1.48s
ec-1、および剪断速度14.8sec-1)での粘度が
予測できる。 (2)隣り合わせた攪拌羽根をお互いに逆回転すること
により、投入量が少ない場合には、撹拌時間を短縮する
ことができ、定容量を最初から仕込んだ場合は、いわゆ
る供回りを防ぐことができる。 (3)粒径の大きな固形分が混入し攪拌羽根と多軸混合
機壁間、および隣り合わせた攪拌軸の攪拌羽根間に挟ま
った場合や固形分分布のかたよりが生じた場合、回転方
向を変えることにより挟まった固形分を外したり、固形
分を均一に分散させることができる。 などの顕著な効果を奏する。
【0100】本発明の請求項4記載の製造方法により、
セメント焼成用補助燃料組成物の20℃における粘度が
1,000センチポアズ未満であると、廃棄物混合物の
貯蔵中に固形分の沈降または浮上分離が起こる恐れがあ
り、また50,000センチポアズを超えると60回転
での粘度が10,000センチポアズ以上となり配管圧
送や噴霧燃焼などが困難となるなどの問題を回避して、
0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すので構
成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前記領
域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示すの
で配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行えるようなチキソ
トロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を容
易に製造できるという顕著な効果を奏する。
【0101】本発明の請求項5記載の製造方法により、
噴霧時の安定燃焼ができ、拡散火炎燃焼を安定して行
え、使用時の炉体や燃焼器の高温腐食を起こさないチキ
ソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を
容易に製造できるという顕著な効果を奏する。
【0102】本発明の請求項6記載の製造方法により、
良好なチキソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃
料組成物を容易に製造できるという顕著な効果を奏す
る。変性材料が組成物全体に対して0,05質量%未満
では、変性材料の種類や変性特性、保持する水または油
の量にもよるが、混合組成物にチキソトロピー性を付与
できない恐れもあり、また50質量%を超えると高せん
断速度領域での粘度が10,000センチポイズを超え
る恐れがあり配管圧送などが困難となる。
【0103】本発明の請求項7記載の製造方法により、
良好なチキソトロピー性を有するセメント焼成用補助燃
料組成物を容易に製造できるという顕著な効果を奏す
る。全固形分が組成物全体に対して50質量%を超える
と高せん断速度の領域での粘度が上がって配管輸送が困
難になる恐れがあり、1質量%未満では、混合組成物に
良好なチキソトロピー性を付与できない恐れがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する多軸パドルミキサーの一実施
例の攪拌羽根を平面から見た説明図である。
【図2】図1に示した多軸パドルミキサーの断面図であ
る。
【図3】攪拌羽根の各回転数における定容量10m3
の攪拌動力(kw)と見掛粘度(cP)の関係を示すグ
ラフである。
【図4】攪拌内容量と定容量(10m3 )への動力換算
係数の関係を示すグラフである。
【図5】見掛粘度比とべき乗指数との関係を示すグラフ
である。
【図6】べき乗指数と換算係数の関係を示すグラフであ
る。
【図7】べき乗指数と換算係数の関係を示すグラフであ
る。
【図8】温度範囲10〜40℃での粘度の20℃粘度へ
の換算グラフである。
【図9】2種以上の廃棄物を用いて本発明のチキソトロ
ピー性を有するセメント焼成用補助燃料組成物を製造す
る際のフローチャートである。
【符号の説明】
1 2軸パドルミキサー 2、3 回転軸 4 攪拌羽根(パドルブレード) 5 ケーシング 6 ブランマブロック 7、8 油圧モータ 9 原料投入口 10 製品排出口 11 支持装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各軸の撹拌動力を測定する装置を備えた
    多軸混合機を用いて、この多軸混合機に供給した燃料組
    成物を攪拌しながら攪拌動力を測定し、測定した攪拌動
    力に対応するこの燃料組成物の見掛け粘度を求めてチキ
    ソトロピー性を計測することにより、 0剪断速度〜低剪断速度の領域では高粘性を示すので構
    成成分の沈降、浮上などによる分離が抑制され、前記領
    域を超える高剪断速度の領域においては低粘性を示すの
    で配管輸送、噴霧燃焼などを容易に行えるようなチキソ
    トロピー性を有するように調整することを特徴とする、
    廃棄物を用いたチキソトロピー性を有するセメント焼成
    用補助燃料組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記多軸混合機が多軸パドルミキサーも
    しくは多軸リボンミキサーであることを特徴とする、請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 低速回転の回転数と高速回転の回転数の
    比が10倍以上であり、かつ回転数および回転方向を各
    軸独自に変えられる攪拌羽根を備えた多軸混合機を用い
    ることを特徴とする、請求項1あるいは請求項2記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 20℃における粘度が、1.48剪断速
    度(sec-1)の低剪断速度の領域では約1,000〜
    50,000センチポイズ、14.8剪断速度(sec
    -1)の高剪断速度の領域においては、1.48剪断速度
    (sec-1)の領域における粘度の1/5以下の粘度を
    示し、さらにこれを超える高剪断速度の領域においては
    約10,000センチポイズ以下であることを特徴とす
    る請求項1から請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 発熱量が3,000(kcal/kg)
    以上で、Cl含有量が3,000ppm以下に調整した
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記変性材料が、組成物全体に対して
    0.05〜50質量%含まれることを特徴とする請求項
    1から請求項5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 全固形分が組成物全体に対して1〜50
    質量%、油分と水分含む全液体成分が組成物全体に対し
    て99〜50質量%であることを特徴とする請求項1か
    ら請求項6のいずれかに記載の製造方法。
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