JP2001324712A - 表示素子及び電子時計 - Google Patents

表示素子及び電子時計

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JP2001324712A
JP2001324712A JP2001088300A JP2001088300A JP2001324712A JP 2001324712 A JP2001324712 A JP 2001324712A JP 2001088300 A JP2001088300 A JP 2001088300A JP 2001088300 A JP2001088300 A JP 2001088300A JP 2001324712 A JP2001324712 A JP 2001324712A
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polarization
color
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liquid crystal
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Application number
JP2001088300A
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English (en)
Inventor
Yasuo Arikawa
康夫 有川
Hidekazu Miyazawa
英一 宮澤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】数字、文字、絵柄等といった時計情報をカラー
表示する際に有効に利用できる表示素子を提供するこ
と。 【解決手段】 青カラー偏光板11、液晶パネル8及び
偏光分離フィルム12を有する表示素子である。青カラ
ー偏光板11は直線偏光の偏光軸方向に応じて、全波長
を透過したり(矢印Q,S)、特定波長の青色光のみを
透過する(矢印P,R)。偏光分離フィルム32は、あ
る一方向の直線偏光成分を透過させ(矢印Q,R)、そ
れと直交する直線偏光成分を反射する(矢印P,S)。
赤EL素子18を用いるとき、光路T及びUによって2
つの表示状態が得られ,外部光でも発光光でもマルチカ
ラー表示が得られ、明るい表示を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示素子に関し、特
にマルチカラー表示が可能な半透過反射型の表示素子に
関する。また、本発明は、腕時計、ストップウオッチ等
のように時を計数して表示する電子時計に関する。特
に、マルチカラー表示が可能な半透過反射型の電子時計
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記表示素子として、従来、液晶を用い
て構成された半透過反射型の液晶表示素子が知られてい
る。この液晶表示素子は、TN(Twisted Nematic)液
晶やSTN(Super-Twisted Nematic)液晶等のように
透過偏光軸を変化させることができる透過偏光軸可変光
学素子を利用して構成される。具体的には、この透過偏
光軸可変光学素子を2枚の偏光板で挟み、さらに、液晶
表示素子の観察者側と反対の面に半透過タイプの反射板
及び光源を順次に配設する。この液晶表示素子は、屋外
等といった外部光があるところでは反射型表示素子とし
て利用され、外部光が少ないところでは光源を点灯させ
て透過型表示素子として利用される。
【0003】しかしながら、上記構成の半透過反射型の
液晶表示素子に関しては、透過型の機能を持たない反射
型だけの液晶表示素子と比較して、反射表示時において
表示が暗くなるという問題があった。その理由は、従来
の半透過反射型の液晶表示素子で用いられる反射板は、
光透過性を担保するために、非常に薄い厚さのAl(ア
ルミニウム)等を用いて形成されたり、開口部を含んで
形成されたりしていたため、反射表示時の明るさが犠牲
にされていたためである。また、従来の半透過反射型の
液晶表示素子では、反射型表示と透過型表示との両方に
おいてマルチカラー表示を行うことが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みて成されたものであって、半透過反射型の表示
素子において、反射型の表示を行うときに非常に明るい
表示を行うことができ、しかも、反射型及び透過型の両
方で同時にマルチカラー表示を行うことができるように
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係る表示素子は、(a)透過偏光
軸を変化させることができる透過偏光軸可変手段と、
(b1,b2)その透過偏光軸可変手段を挟んでその表
裏両側に配置された第1偏光分離手段及び第2偏光分離
手段と、(c)その第2偏光分離手段を挟んで上記透過
偏光軸可変手段の反対側に配置された光源とを有する表
示素子であって、(d)前記第1偏光分離手段は、第1
方向の直線偏光成分に関しては可視光域の全波長成分を
透過させると共に、上記第1方向と直交する第2方向の
直線偏光成分に関しては可視光域の特定全波長成分を透
過させるがそれ以外の波長成分を透過させない機能を有
し、(e)前記第2偏光分離手段は、第3方向の直線偏
光成分を透過させると共に前記第3方向と直交する方向
の直線偏光成分を反射する機能を有し、そして(f)前
記光源は着色光を発光することを特徴とする。
【0006】上記構成の表示素子によれば、第1偏光分
離手段の外側から入射する光に関しては、透過偏光軸可
変手段の透過偏光軸の状態に応じて上記第2偏光分離手
段から反射された光による第1の表示状態と、特定波長
成分のみ上記第2偏光分離手段から反射された光による
第2の表示状態との2つの表示状態が得られ、その結
果、反射型のマルチカラー表示が実現される。
【0007】また、上記第1の表示状態及び第2の表示
状態は、光の吸収に基づいて実現されるのではなくて、
第2偏光分離手段から反射された光によって実現される
ので、それらの表示状態は極めて明るい表示となる。例
えば、第1偏光分離手段は、第1の方向の直線偏光成分
に関しては可視光域の全波長成分を透過させ、第1の方
向と直交する(第2の方向の)直線偏光成分に関しては
可視光域の特定波長成分のみを透過させるので、第1の
表示状態によって明るい白表示を行い、一方、第2の表
示状態によって明るい色付き表示を行うことができる。
【0008】また、光源からの色光に関しては、透過偏
光軸可変手段の透過偏光軸の状態に応じて第1偏光分離
手段を透過した光源の色光による第3の表示状態と、第
1偏光分離手段を光が透過しない状態(又は所定の波長
域のみ透過する状態)の第4の表示状態との2つの表示
状態が得られ、その結果、透過型のマルチカラー表示が
実現される。
【0009】上記4つの表示状態以外にも、透過偏光軸
可変手段の透過偏光軸の状態に応じて、中間調表示が可
能である。また、上記第1偏光分離手段の色付きと上記
光源の着色光の色味とは互いに異なることが望ましい。
表示色数を増加させることができるからである。
【0010】なお、上記構成において、構成要件(d)
を別の観点から見れば、前記第1偏光分離手段は、その
第1偏光分離手段の第1の側から入射した光のうち所定
の第1方向の直線偏光成分を前記第1の側と対向する第
2の側に前記第1方向の直線偏光として透過させ、前記
第1偏光分離手段の第1の側から入射した光のうち第1
方向と直交する第2方向の直線偏光成分のうち特定波長
成分のみを第2の側に透過させ、第1偏光分離手段の第
2の側から入射した光のうち第1方向の直線偏光成分を
第1の側に第1方向の直線偏光として透過させ、第1偏
光分離手段の第2の側から入射した光のうち前記第2方
向の直線偏光成分のうち特定波長成分のみを第1の側に
透過させる偏光分離手段であると考えられる。
【0011】また、構成要件(e)を別の観点から見れ
ば、前記第2偏光分離手段は、前記透過偏光軸可変手段
側から入射した光のうち所定の第3方向の直線偏光成分
を前記光源側に透過させ、前記第3方向と直交する第4
方向の直線偏光成分を前記透過偏光軸可変手段側に反射
し、前記光源側から入射した光に対して前記透過偏光軸
可変手段側に前記第3方向の直線偏光を出射可能な偏光
分離手段であると考えられる。 (2) 次に、本発明に係る他の表示素子は、上記
(1)の表示素子においてさらに、(g)上記透過偏光
軸可変手段と上記光源との間に光学素子を少なくとも1
つ備えたことを特徴とする。
【0012】この(2)記載の表示素子によれば、光学
素子の働きによって表示素子の表示状態に種々の改良を
加えることができる。なお,光学素子(g)は,透過偏
光軸可変手段と第2偏光分離手段の間、第2偏光分離手
段と光源の間、透過偏光軸可変手段と第2偏光分離手段
の間及び第2偏光分離手段と光源の間の両者,にそれぞ
れ設けることができる。 (3) 上記(2)の表示素子において、上記光学素子
は光散乱体とすることができる。こうすれば、特定波長
成分の光による第2の表示状態に関して、第2偏光分離
手段を透過した光について光散乱体を用いて偏光解消を
生じさせることができ、よって、第2偏光分離手段から
透過偏光軸可変手段側への全波長成分の光の反射を抑え
ることができる。その結果、第2偏光分離手段を透過し
た全波長成分光と第2偏光分離手段で反射した特定波長
成分光との間で混色を抑えることができ、よって、色純
度の高い表示を得ることができる。 (4) 上記(2)の表示素子において、上記光学素子
は灰色の半透過状態の光吸収散乱体とすることができ
る。こうすれば、特定波長成分の光による第2の表示状
態に関して、第2偏光分離手段を透過した光について灰
色の半透過状態の光吸収散乱体を用いて偏光解消を生じ
させることができ、よって、第2偏光分離手段から透過
偏光軸可変手段側への反射を抑えることができる。さら
に、本実施態様の光学素子は光吸収体でもあるので、光
吸収によって反射を抑えることもできる。これらの結
果、第2偏光分離手段を透過した光と第2偏光分離手段
で反射した特定波長域の光との間で混色を抑えることが
でき、よって、より一層色純度の高い表示を得ることが
できる。 (5) 上記のように光学素子として光吸収散乱体を用
いる場合、その光吸収散乱体は、可視光領域のほぼ全波
長範囲の光に対して10%以上80%以下の光透過率、
特に50%以上70%以下の光透過率であることが望ま
しい。 (6) 上記光学素子は、第2偏光分離手段と光源との
間にのみ設けた場合、第2偏光分離手段側からの光を吸
収すると共に、上記光源からの光を第2偏光分離手段側
へ透過できる機能を有する光学素子とすることができ
る。こうすれば、特定波長成分の光による第2の表示状
態に関して、第2偏光分離手段を透過した光を光吸収体
によって吸収して透過偏光軸可変手段側への反射を抑え
ることができる。その結果、第2偏光分離手段を透過し
た光と第2偏光分離手段で反射した特定波長域の光との
間の混色を抑えることができ、よって、色純度の高い表
示を得ることができる。 (7) 上記のような「第2偏光分離手段側からの光を
吸収すると共に、上記光源からの光を第2偏光分離手段
側へ透過できる機能を有する光学素子」は、例えば、可
視光領域のほぼ全波長範囲の光を吸収する光吸収体に、
光を透過する開口部を形成することによって構成でき
る。こうすれば、特定波長成分の光による第2の表示状
態に関して、第2偏光分離手段を透過した光を、可視光
領域のほぼ全波長範囲で光を吸収する光吸収体によって
吸収して透過偏光軸可変手段側への反射を抑えることが
できる。その結果、第2偏光分離手段を透過した光と第
2偏光分離手段で反射した特定波長域の光との間の混色
を抑えることができ、よって、色純度の高い表示を得る
ことができる。
【0013】なお、上記開口部が上記光学素子に占める
面積割合は、5〜30%が好ましい。さらに、上記光学
素子と上記光源との間の距離を開口部の径以上とするこ
とによって、反射表示時に光学素子を透過した光が光源
によって反射して再び戻ってくる量を少なくすることが
でき、その結果、光の混色を抑制できる。 (8) 上記光学素子は、上記第2偏光分離手段に対し
て透過軸をずらした偏光板とすることができる。こうす
れば、特定波長成分の光による第2の表示状態に関し
て、第2偏光分離手段を透過した光を、その第2偏光分
離手段に対して透過偏光軸がずれている偏光板によって
吸収して透過偏光軸可変手段側への反射を抑えることが
できる。その結果、第2偏光分離手段を透過した光と第
2偏光分離手段で反射した特定波長域の光との間の混色
を抑えることができ、よって、色純度の高い表示を得る
ことができる。 (9) 以上に説明した各種構成の電子時計の全てに関
して、上記光源は異なる部分から2色以上の発光を行う
ように構成できる。こうすれば、透過表示時に光源の着
色部分に対応した2色以上の色表示が可能になる。 (10) 上記のような「異なる部分から2色以上の発
光を行う光源」は、例えば、少なくとも2つ以上に分割
された導光板と、それらの導光板のそれぞれに対応して
設けられたLED(発光ダイオード)素子とを含んで構
成できる。この構成によれば、透過表示時に上記光源の
分割された導光板に対応した表示部で2色以上の色表示
ができる。また、LED素子は、電力消費量が小さく、
しかも着色が容易であるので、これを携帯機器に用いる
場合には特に有効である。 (11) 上記のような「異なる部分から2色以上の発
光を行う光源」は、例えば、互いに異なる色で発色する
複数のLED素子を含んで構成できる。この構成によれ
ば、透過表示時に異なる色で発色するLED素子に対応
した表示部で2色以上の色表示が可能となる。LED素
子が低消費電力で、しかも、着色が容易であることは上
記の通りである。 (12) 上記のような「異なる部分から2色以上の発
光を行う光源」は、例えば、少なくとも2色以上の発色
領域を持つEL(エレクトロルミネセンス)素子を含ん
で構成できる。この構成によれば、透過表示時に異なる
色で発色するEL素子に対応した表示部で2色以上の色
表示が可能となる。EL素子は、LED素子と同様に、
電力消費量が小さく、しかも着色が容易であるので、こ
れを携帯機器に用いる場合には特に有効である。 (13) 上記のような「異なる部分から2色以上の発
光を行う光源」は、例えば、互いに異なる色で発色する
複数のEL(エレクトロルミネセンス)素子を用いて構
成できる。この構成によれば、透過表示時に異なる色で
発色するEL素子に対応した表示部で2色以上の色表示
が可能となる。EL素子が低消費電力で、しかも、着色
が容易であることは上記の通りである。 (14) 上記のような「異なる部分から2色以上の発
光を行う光源」は、例えば、少なくとも1つのLED素
子と、少なくとも1つのEL(エレクトロルミセンス)
素子とを用いて構成できる。この構成によれば、透過表
示時にLED素子及びEL素子に対応した表示部で2色
以上の色表示が可能となる。LED素子及びEL素子の
両方ともが低消費電力で、しかも着色が容易であること
は上記の通りである。 (15) 次に、本発明に係る他の表示素子は、(a)
透過偏光軸を変化させることができる透過偏光軸可変手
段と、(b1,b2)その透過偏光軸可変手段を挟んで
その表裏両側に配置された第1偏光分離手段及び第2偏
光分離手段と、(c)上記第2偏光分離手段を挟んで上
記透過偏光軸可変手段の反対側に配置された光源とを有
する表示素子であって、(g1)上記第2偏光分離手段
と上記光源との間に光学素子を有し、(d)前記第1偏
光分離手段は、第1方向の直線偏光成分に関しては可視
光域の全波長成分を透過させると共に,上記第1方向と
直交する第2方向の直線偏光成分に関しては可視光域の
特定波長成分を透過させるがそれ以外の波長成分を透過
させない機能を有し、(e)前記第2偏光分離手段は、
第3方向の直線偏光成分を透過させると共に前記第3方
向と直交する方向の直線偏光成分を反射する機能を有
し、そして(g2)前記光学素子は着色層を含むことを
特徴とする。
【0014】この表示素子によれば、第1偏光分離手段
の外側から入射する光に関しては、透過偏光軸可変手段
の透過偏光軸の状態に応じて上記第2偏光分離手段から
反射された光による第1の表示状態と、特定波長成分の
み上記第2偏光分離手段から反射された光による第2の
表示状態との2つの表示状態が得られ、その結果、反射
型のマルチカラー表示が実現される。また、上記第1の
表示状態及び第2の表示状態は、第2偏光分離手段から
反射された光によってもたらされるので極めて明るい表
示となる。
【0015】また、光源からの光に関しては、着色層で
ある光学素子を透過して着色された後に透過偏光軸可変
手段の透過偏光軸の状態に応じて第1偏光分離手段を透
過した着色光による第3の表示状態と、第1偏光分離手
段を光が透過しない状態(又は所定の波長域のみ透過す
る状態)の第4の表示状態との2つの表示状態が得ら
れ、その結果、透過型のマルチカラー表示が実現され
る。
【0016】透過偏光軸可変手段の透過偏光軸の状態に
応じて中間調表示が可能であること及び第1偏光分離手
段の色付きと上記光源の着色光の色味とを異ならせるこ
とによって表示色数を増加できるということは、既述の
通りである。
【0017】また本発明によれば、特定波長成分の光を
用いた第2の表示状態に関して、第2偏光分離手段を透
過した光が透過偏光軸可変手段側へ反射することを、着
色層すなわち光学素子を用いて抑えることができ、よっ
て、第2偏光分離手段を透過した光と第2偏光分離手段
で反射した特定波長域の光との間で混色を抑えることが
でき、よって、色純度の高い表示を得ることができる。 (16) 次に、本発明に係る他の表示素子は、上記
(15)の表示素子において,上記光学素子が着色層を
有する点(g2)に代え、(g3)前記光学素子は、灰
色の半透過状態の光吸収散乱体と着色層とを積層した構
造であることを特徴とする。
【0018】この表示素子において、反射型のマルチ
カラー表示ができること、透過型のマルチカラー表示
ができること、第2偏光分離手段から反射された光を
用いて表示を行うので非常に明るい表示が得られるこ
と、透過偏光軸可変手段の透過偏光軸の状態に応じて
中間調表示が可能であること及び第1偏光分離手段の
色付きと上記光源の着色光の色味とを異ならせることに
よって表示色数を増加できること等といった各種作用・
効果が得られることは、既に説明した表示素子の場合と
同じである。
【0019】また本発明によれば、特定波長成分の光を
用いた第2の表示状態に関して、第2偏光分離手段を透
過した光について、灰色の光散乱吸収体及び着色層を用
いて偏光解消及び光吸収を実行し、もって、その光が透
過偏光軸可変手段側へ反射することを抑えている。その
結果、第2偏光分離手段を透過した光と第2偏光分離手
段で反射した特定波長域の光との間で混色を抑えること
ができ、よって、色純度の高い表示を得ることができ
る。 (17) 次に、本発明に係るさらに他の表示素子は、
上記(15)の表示素子の内、上記光学素子が着色層を
有する(g2)点に代え、(g4)前記光学素子は、開
口部を有した光吸収体と着色層とを積層した構造である
ことを特徴とする。
【0020】この表示素子において、反射型のマルチ
カラー表示ができること、透過型のマルチカラー表示
ができること、第2偏光分離手段から反射された光を
用いて表示を行うので非常に明るい表示が得られるこ
と、透過偏光軸可変手段の透過偏光軸の状態に応じて
中間調表示が可能であること及び第1偏光分離手段の
色付きと上記光源の着色光の色味とを異ならせることに
よって表示色数を増加できること等といった各種作用・
効果が得られことは、既に説明した表示素子の場合と同
じである。
【0021】また本発明によれば、特定波長成分の光を
用いた第2の表示状態に関して、第2偏光分離手段を透
過した光について、開口部を有した光吸収体及び着色層
を用いてその光を吸収することにより、その光が透過偏
光軸可変手段側へ反射するのを抑えることができ、その
結果、第2偏光分離手段を透過した光と第2偏光分離手
段で反射した特定波長域の光との間で混色を抑えること
ができ、よって、色純度の高い表示を得ることができ
る。 (18) 次に、本発明に係る他の表示素子は、上記
(15)の表示素子の内、上記光学素子が着色層を有す
る点(g2)に代え、(g5)前記光学素子が、前記第
2偏光分離手段に対して透過軸をずらした偏光板と着色
層とを積層した構造であることを特徴とする。
【0022】この表示素子においても、反射型のマル
チカラー表示ができること、透過型のマルチカラー表
示ができること、第2偏光分離手段から反射された光
を用いて表示を行うので非常に明るい表示が得られるこ
と、透過偏光軸可変手段の透過偏光軸の状態に応じて
中間調表示が可能であること及び第1偏光分離手段の
色付きと上記光源の着色光の色味とを異ならせることに
よって表示色数を増加できること等といった各種作用・
効果が得られことは、既に説明した表示素子の場合と同
じである。
【0023】また本発明によれば、特定波長成分の光を
用いた第2の表示状態に関して、第2偏光分離手段を透
過した光について、上記の偏光板及び着色層を用いてそ
の光を吸収することにより、その光が透過偏光軸可変手
段側へ反射するのを抑えることができ、その結果、第2
偏光分離手段を透過した光と第2偏光分離手段で反射し
た特定波長域の光との間で混色を抑えることができ、よ
って、色純度の高い表示を得ることができる。 (19) 次に、本発明に係る表示素子は、上記(1
5)の表示素子の内、上記光学素子が着色層を有する
(g2)点に代え、(g6)前記光学素子が、着色層と
開口部を持つ鏡面反射板とが第2偏光分離手段側から順
次形に形成されていることを特徴とする。
【0024】この表示素子においても、反射型のマル
チカラー表示ができること、透過型のマルチカラー表
示ができること、第2偏光分離手段から反射された光
を用いて表示を行うので非常に明るい表示が得られるこ
と、透過偏光軸可変手段の透過偏光軸の状態に応じて
中間調表示が可能であること及び第1偏光分離手段の
色付きと上記光源の着色光の色味とを異ならせることに
よって表示色数を増加できること等といった各種作用・
効果が得られことは、既に説明した表示素子の場合と同
じである。
【0025】また本発明によれば、光学素子が着色層で
あり、しかも鏡面反射板を備えているので、特定波長成
分の光を用いた第2の表示状態のときに、着色層によっ
て着色された光を透過偏光軸可変手段側へ反射すること
ができる。 (20) 以上の表示素子において、着色層を利用する
形式の表示素子に関しては、その着色層を部分的に異な
る2色以上で着色することができる。こうすれば、透過
表示時に着色層の着色部分に対応した2色以上の色表示
ができる。 (21) 以上の表示素子において、着色層を利用する
形式の表示素子に関しては、着色層に加えて光源を着色
することもできる。こうすれば、透過表示時に着色層の
着色部分や着色光源に対応した2色以上の色表示が可能
になる。また、例えば、ピンクを発光する光源と赤フィ
ルタ層とを組み合わせることによって、色純度の高い赤
光源を作り出すことができる。 (22) 以上の表示素子において、第1偏光分離手段
を用いる本発明の表示素子に関しては、その第1偏光分
離手段をカラー偏光板によって構成できる。こうすれ
ば、マルチカラー表示を安価に実現できる。このカラー
偏光板は、液晶デバイスハンドブック(日本学術振興会
142委員会 日刊工業新聞社)の271ページの図
4.60に記載されているように、第1方向の偏光成分
についてはその可視光全波長領域の光を透過させ、第1
方向と直交する第2方向の偏光成分については可視光域
の特定波長域成分を透過させるがそれ以外の波長成分を
透過させない特性を有する。
【0026】例えば、液晶デバイスハンドブック、27
1ページ、図4.60における左の特性図は赤の波長の
光に対して吸収が存在せず、中央の特性図は緑の波長に
対して吸収が存在せず、右の特性図は青の波長の光に対
して吸収が存在しないカラー偏光板である。それらのカ
ラー偏光板は、一般的に、それぞれ、赤カラー偏光板、
緑カラー偏光板及び青カラー偏光板と呼ばれる。
【0027】本発明においては、青カラー偏光板、紫カ
ラー偏光板を用いた。 (23) 以上の表示素子において、第1偏光分離手段
としてカラー偏光板を用いる構造の電子時計に関して
は、そのカラー偏光板を少なくとも異なる2色以上とす
ることができる。こうすれば、それぞれのカラー偏光板
に対応するマルチカラー表示を行うことができる。ま
た、カラー偏光板とニュートラル偏光板とを組み合わせ
ても構わない。 (24) 以上の表示素子において、透過偏光軸可変手
段を用いる本発明の表示素子に関しては、その透過偏光
軸可変手段を液晶素子によって構成することができる。
こうすれば、低コストで高コントラストなスイッチング
素子を得ることができる。この透過偏光軸可変手段とし
ては、好ましくは液晶素子が使用され、特に好ましくは
TN(Twisted Nematic)液晶素子、STN液晶素子又
はECB(Electrically Controlled Birefringence )
液晶素子が用いられる。なお、このSTN液晶素子に
は、F−STN(Film Compensated Super-Twisted Nem
atic)液晶素子等の色補償用光学異方体を用いるSTN
液晶素子も含まれる。 (25) 以上の表示素子において、光源を用いる構造
の本発明に係る表示素子に関しては、その光源からの光
を光学素子の正面にむかって集光させるための集光手段
をさらに備えることができる。こうすれば、光源からの
透過光による表示を明るく、見え易くすることができ
る。
【0028】また、光源としては、面発光型のEL素子
を用いることができる。この場合、EL素子としては薄
緑(Light Green)色であり,カラー偏光板が紫(violet)
色のとき、色の差異が目立つため,好ましい。
【0029】また、光源としては、面発光型のLED
や,導光板とその横に置いたサイドライト型のLEDを
用いることができる。この場合、LEDが赤色のとき,
カラー偏光板が青色を用いると、色の差異が目立つた
め、好ましい。また、この場合,LEDが緑色のとき、
カラー偏光板が紫色であると、色の差異が目立つため、
好ましい。 (26) 以上の表示素子において、光源を用いる構造
の本発明に係る表示素子に関しては、その光源の表面色
を暗くすることができる。こうすれば、光源の表面にお
ける反射を抑えることができ、その結果、光学素子を透
過した光が光源で反射して再び戻ってくる量を少なくす
ることができ、よって、コントラストの低下を防止でき
る。 (27) 以上の表示素子において、透過偏光軸可変手
段及び第2偏光分離手段を用いる構造の本発明に係る表
示素子に関しては、その透過偏光軸可変手段とその第2
偏光分離手段との間に光拡散手段を設けることができ
る。こうすれば、外部光が第2偏光分離手段によって反
射することによって表示される第1の表示状態を、散乱
による白表示とすることができ、その結果、高視野角に
することができる。 (28) 次に、本発明に係る電子時計は、時を計数し
て表示する電子時計であって、(a)透過偏光軸を変化
させることができる透過偏光軸可変手段と、(b)その
透過偏光軸可変手段を挟んでその表裏両側に配置された
第1偏光分離手段及び第2偏光分離手段と、(c)その
第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段の反
対側に配置された光源とを有し、(d)前記第1偏光分
離手段は、第1方向の直線偏光成分に関しては可視光域
の全波長成分を透過させると共に,上記第1方向と直交
する第2方向の直線偏光成分に関しては可視光域の特定
波長成分を透過させるがそれ以外の波長成分を透過させ
ない機能を有し、(e)前記第2偏光分離手段は、第3
方向の直線偏光成分を透過させると共に前記第3方向と
直交する方向の直線偏光成分を反射する機能を有し、そ
して(f)前記光源は着色光を発光することを特徴とす
る。
【0030】この構成の電子時計によれば、反射型のマ
ルチカラー表示及び透過型のマルチカラー表示の両方を
実現でき、さらに、第2偏光分離手段から反射される光
を用いて表示を行うので、従来の偏光分離部材の光吸収
を利用して表示を行う場合に比べて、極めて明るい表示
を得ることができる。 (29) 次に、本発明に係る他の電子時計は、上記
(28)の電子同型において、さらに、(g)上記透過
偏光軸可変手段と上記光源との間に光学素子を少なくと
も1つ有することを特徴とする。
【0031】この電子時計では、光学素子として、例え
ば光散乱体、灰色の半透過状態の光吸収散乱体等を配設
したので、それらの光学素子の働きによって表示素子の
表示状態に種々の改良を加えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1実施例)第1図は、本発明
に係る表示素子の一実施例を示している。この表示素子
は、外部光がある場所においては、外部光の反射を利用
した反射型のマルチカラー表示をすることができ、他
方、外部光がない場所においても光源からの光による透
過型のマルチカラー表示をすることができる。つまり、
この表示素子は、いわゆる半透過型の機能を備えた反射
型の表示素子である。また、この表示素子は液晶を用い
て構成されるものであり、つまり液晶表示素子である。
【0033】この液晶表示素子は、透過偏光軸可変手段
としてTN(Twisted Nematic )液晶パネル8を使用し
ている。このTN液晶パネル8においては、2枚のガラ
ス基板13a及び13bの間にTN液晶15が挟持され
ている。TN液晶パネル8の上側には青系のカラー偏光
板11が設けられている。TN液晶パネル8の下側に
は、光散乱体10、偏光分離器32及び赤系のEL(El
ectro Luminescence)バックライト18がこの順に設け
られている。
【0034】カラー偏光板11は、それ自体周知の偏光
板であって第2図に符号(a)で示すように、自然光が
入射すると、所定方向(例えば、紙面垂直方向)の直線
偏光に関しては可視光全波長領域がこれを透過し、他
方、これと直角方向(すなわち、紙面平行方向)の直線
偏光に関しては特定波長域(例えば、青)だけが吸収さ
れずに透過するという特性を有する。
【0035】この第2図の上図に示す例では、紙面垂直
方向(◎)の偏光成分については,可視光の全波長域に
わたって透過する。また、紙面平行方向(←→)の偏光
成分については、可視光の内の特定波長域(例えば,
青)を透過し、それ以外の波長については透過しない。
従って、符号(b)及び(c)のように、カラー偏光板
11に紙面平行方向の直線偏光が入射する場合は、特定
波長(例えば、青)だけはカラー偏光板11を透過で
き、特定波長以外の光はカラー偏光板11に吸収されて
それを透過できない。また、符号(d)に示すように、
紙面垂直方向の直線偏光が入射する場合は、全波長領域
の光がカラー偏光板11を透過する。
【0036】このカラー偏光板11を、中心軸線L0
中心として90゜回転させれば、直線偏光を透過及び吸
収させる偏光軸方向が入れ替わる(第2図下図参照)。
すなわち、紙面平行方向(←→)の直線偏光に関しては
全波長領域がカラー偏光板11を透過でき、紙面垂直方
向(◎)の直線偏光に関しては特定波長成分(青)だけ
が透過できる。
【0037】カラー偏光板11に関する上記の特定波長
をどの領域に設定するかについては、カラー偏光板11
を製造する際に自由に設定できる。本実施例では、青の
波長の光に対して吸収が存在しないカラー偏光板、すな
わち青カラー偏光板や,紫の波長の光に対して吸収がほ
とんど存在しないカラー偏光板,すなわち紫カラー偏光
板を使用することにする。
【0038】第1図に戻り、本実施例のバックライト1
8は、EL(エレクトロルミネセンス)素子を用いて構
成することにし、特にカラー偏光板11が青カラー偏光
板のときは異なる色である赤系の光を発光するEL素子
や,赤色系の光を発光するLED(発光ダイオード,li
ght emitting diode)を用いる。また、紫カラー偏光板
を用いるときは、バックライト(発光手段18)として
緑色系の光を発光するEL素子や,緑色系の光を発光す
るLEDを用いて構成することもできる。
【0039】偏光分離器32は、(1/4)λ板35と
コレステリック液晶層36とを備えている。コレステリ
ック液晶は、その液晶のピッチと同一の波長を有する光
であってその液晶と同一の回転方向の円偏光を反射し、
その他の光を透過する性質を有する。従って、例えば、
コレステリック液晶層36に、ピッチが5000オング
ストロームで左回転のコレステリック液晶を用いると、
波長5000オングストロームの左円偏光は反射し、右
円偏光や他の波長の差円偏光は透過する素子が得られ
る。
【0040】さらに、左回転のコレステリック液晶を用
い、そのピッチを可視光の全波長にわたってコレステリ
ック液晶内で変化させることにより、単一色だけでなく
白色光全部にわたって左円偏光を反射し、右円偏光を透
過する素子が得られる。本実施例においては、コレステ
リック液晶層36として、左回転のコレステリック液晶
を用い、そのピッチを可視光の全波長範囲にわたってコ
レステリック液晶内で変化させたものを用いた。
【0041】このようなコレステリック液晶層36と
(1/4)λ板35とを組み合わせた偏光分離器32に
おいては、(1/4)λ板35の側から所定の第1方向
の直線偏光が入射すると、(1/4)λ板35によって
左円偏光となり、コレステリック液晶層36で反射さ
れ、(1/4)λ板35によって、再び所定の第1方向
の直線偏光となって出射する。また、第1方向と直交す
る第2方向の直線偏光が入射すると、(1/4)λ板3
5によって右円偏光となり、コレステリック液晶層36
を透過する。また、コレステリック液晶層36の下側か
ら入射した光に対しては、(1/4)λ板35の上方に
第2方向の直線偏光を出射する。
【0042】このように、コレステリック液晶層36と
(1/4)λ板35とを組み合わせた偏光分離器32
は、(1/4)λ板35側から入射した光のうち所定の
第2方向の直線偏光成分を透過させ、所定の第2方向と
直交する第1方向の直線偏光成分を反射し、コレステリ
ック液晶層36側から入射した光に対して(1/4)λ
板35側に第2方向の直線偏光を出射可能な偏光分離手
段である。
【0043】なお、この機能を備える偏光分離手段とし
ては、このコレステリック液晶層36と(1/4)λ板
35とを組み合わせた偏光分離器32以外に、多層膜を
積層したフィルムを利用するもの(USP4,974,
219)、ブリュースターの角度を利用して反射偏光と
透過偏光とに分離するもの(SID 92 DIGES
T 第427頁〜第429頁)、ホログラムを利用する
ものや、国際公開された国際出願(国際出願の番号:W
O95/27819及びWO95/17692)に開示
されたものがある。
【0044】次に、この液晶表示素子の右側半分を液晶
素子に対する電圧印加(ON)部とし、左側半分を電圧
無印加(OFF)部として、液晶表示素子による表示を
説明する。
【0045】(外部光を用いた反射型の表示)まず、自
然光を用いて,発光手段による発光を用いず、外部光が
液晶表示素子に入射した場合の反射型のマルチカラー表
示について説明する。左側の電圧無印加(OFF)部に
おいては、外部光が液晶表示素子に入射すると、その外
部光は青系のカラー偏光板11によって、紙面に平行な
方向(←→)の直線偏光P(可視光の短波長域のみ)
と、垂直な方向(◎)の直線偏光Q(可視光のほぼ全波
長域)に分けられる。
【0046】第1図において一番左側の矢印(下向き)
の光は、紙面に平行な方向の直線偏光P(可視光の短波
長域のみ)であり、液晶層8に入射し、TN液晶15に
よって偏光方向が90°捻られて紙面に垂直な方向の直
線偏光となり、(1/4)λ板35によって左円偏光と
なり、コレステリック液晶層36で反射されて再び(1
/4)λ板35に入射し、(1/4)λ板35によって
紙面に垂直な方向の直線偏光となり、再び液晶層8に入
射し、TN液晶15によって偏光方向が90°捻られて
紙面に平行な方向の直線偏光となり、青系のカラー偏光
板11から紙面に平行な方向の直線偏光として出射す
る。これは青表示となる(第1図左から2番目の矢印
(上向き)の光)。
【0047】また、第1図の左から3番目の矢印(下向
き)の光は,紙面に垂直な方向の直線偏光Q(可視光の
ほぼ全波長域)であり,液晶層8に入射し、TN液晶1
5によって偏光方向が90°捻られて紙面に平行な方向
の直線偏光となり、(1/4)λ板35によって右円偏
光となり、コレステリック液晶層36を通過する。その
後バックライト18に等足すし、バックライト18の表
面状態に応じて散乱、吸収等されるが,いずれの場合も
青カラー偏光板11にはほとんど戻らない。そのため,
外部光を用いた反射表示においては、電圧無印加(OF
F)部は偏光Pによる青表示となる。
【0048】右側の電圧印加部においては、外部光が液
晶表示素子に入射すると、その外部光は青系のカラー偏
光板11によって、紙面に平行な方向の直線偏光R(可
視光の短波長域のみ)と、垂直な方向の直線偏光S(可
視光のほぼ全波長域)に分けられる。
【0049】第1図の青カラー偏光板11の上にあり右
から3番目の光(下向き)のうち,紙面に垂直な方向の
直線偏光S(可視光のほぼ全波長域)は、液晶層8に入
射し、TN液晶15を偏光方向を変えずに透過し、(1
/4)λ板35によって左円偏光となり、コレステリッ
ク液晶層36で反射されて再び(1/4)λ板35に入
射し、(1/4)λ板35によって紙面に垂直な方向の
直線偏光となり、再び液晶層8に入射し、TN液晶15
を偏光方向を変えずに透過してカラー偏光板11から紙
面に垂直な方向の直線偏光として出射する。これは白表
示となる。
【0050】一方、第1図の青カラー偏光板11の上に
ある光の一番右にある光で,紙面に平行な方向の直線偏
光R(可視光の短波長域のみ)は、液晶層8に入射し、
TN液晶15を偏光方向を変えずに透過し、(1/4)
λ板35によって右円偏光となり、コレステリック液晶
層36を透過する。その後、バックライト18で散乱、
反射され,青カラー偏光板11にほとんど戻ってこない
のは、電圧オフでのQとどうようである。そのため、反
射時の電圧印加(ON)部は,偏光Sによる白表示とな
る。
【0051】このように、外部光が液晶表示素子に入射
した場合の反射型の表示については、電圧無印加部では
青表示となり、電圧印加部では白表示となる。そして、
電圧印加時においては、液晶表示素子に入射した外部光
は、偏光分離器32によって吸収されずに反射されるの
で明るい表示が得られる。
【0052】(バックライトを用いた透過型の表示)次
に、赤系のELバックライト18からの光による透過型
のマルチカラー表示について説明する。
【0053】まず、左側の電圧無印加部においては、E
Lバックライト18からの光Tは,偏光分離器32のコ
レステリック液晶層36に入射し、コレステリック液晶
層36を右円偏光のみが透過し、(1/4)λ板35に
よって、紙面に平行な方向の直線偏光となり、その後、
TN液晶15によって偏光方向が90°捻られて紙面に
垂直な方向の直線偏光となり、青系のカラー偏光板11
を透過する。これは、青系のカラー偏光板11が紙面垂
直方向の直線偏光を可視光のほぼ全域にわたって透過さ
せるように配置されているためである。つまり、発光色
である赤の波長域も透過して、赤表示が得られる(第1
図左から4番目の光)。
【0054】右側の電圧印加部においては、赤系のEL
バックライト18からの光Uは,コレステリック液晶層
36に入射し、コレステリック液晶層36を右円偏光の
みが透過し、(1/4)λ板35によって、紙面に平行
な方向の直線偏光となり、光散乱体10を透過し、その
後、TN液晶15を偏光方向を変えずに透過し、青のカ
ラー偏光板11で遮断される。これは、青系のカラー偏
光板11が紙面平行方向の直線偏光を青の波長域のみ透
過させるように配置されているためである。つまり、赤
の波長域の光は吸収され、黒表示が得られる(第1図一
番右の光)。
【0055】このように、赤系のELバックライト18
からの光により透過型の表示については、バックライト
18からの赤い着色光は、電圧印加(ON)部では、青
のカラー偏光板11によって吸収されて黒表示となり、
電圧無印加(OFF)部では、青のカラー偏光板11を
透過してELバックライトの色表示つまり赤表示とな
る。
【0056】従って、この液晶表示素子は、外部光があ
る場所においては、外部光の反射を利用した明るい反射
型のマルチカラー表示をすることができると共に、外部
光がない場所においても着色したELバックライト18
からの光による透過型のマルチカラー表示を行うことが
できる、いわゆる半透過型の機能を備えた反射型の液晶
表示素子となる。本実施例では、電圧印加部と電圧無印
加部の2つの状態について説明してきたが、中間調表示
も可能である。また、本実施例ではカラー偏光板11に
青系のものを用いたが、可視光域の特定波長について吸
収があるものであれば、他にどのようなカラー偏光板を
用いても構わない。
【0057】(第2実施例)第3図は、本発明に係る表
示素子の他の実施例を示している。第1図に示した実施
例においては、(1/4)λ板35とコレステリック液
晶層36とを備える偏光分離器32を使用したが、本実
施例においては、この偏光分離器32に代えて、国際公
開された国際出願(国際出願の番号:WO95/278
19及びWO95/17692)に開示されたものと同
様な偏光分離器、すなわち偏光分離フィルム12を使用
しており、この点が第1図の実施例と異なっている。そ
れ以外の点は第1図の実施例の場合と同様であり、同じ
部材は同じ符号を用いて示すことにする。
【0058】偏光分離フィルム12は、ある一方向の直
線偏光を透過させ、それ以外の直線偏光を吸収等ではな
くて反射するように、特に透過偏光軸と直角方向の直線
偏光は全反射するように作用する。別の観点から見れ
ば、この偏光分離フィルム12は、上側から入射した光
のうち所定の第2方向の直線偏光成分を第2方向の直線
偏光として透過させ、第2方向と直交する第1方向の直
線偏光成分を反射し、下側から入射した光に対して上側
に第2方向の直線偏光を出射可能な偏光分離手段であ
る。
【0059】第3図においては、偏光分離フィルム12
は,紙面垂直方向(◎)の偏光成分を反射し、紙面平行
方向(←→)の偏光成分を透過させる。ここで,偏光分
離フィルム12の偏光透過軸(←→)と青カラー偏光板
の青色偏光透過軸(←→)とを平行にしているため、外
光を使用した場合、電圧オフでは青色が偏光分離フィル
ム12で反射されて青色に見え、電圧オンでは白色が偏
光分離フィルム12で反射され白色に見える。一方、偏
光分離フィルム12の偏光透過軸と青カラー偏光板の青
色偏光透過軸とを直交させると、電圧オンと電圧オフで
の見える色が反対になる。
【0060】この偏光分離フィルム12は、例えば第4
図に示すように、2種類の層A,Bを交互に積層して形
成される複数層構造を有し、そして、それらの複数層
A,Bのうち積層方向に互いに隣り合う2層間におい
て、ある一方向の屈折率はそれら2層間で等しく、それ
と直角方向の屈折率はそれら2層間で異なるように設定
し、さらに、個々の層の層厚に変化を持たせている。
【0061】第4図において、XYZの直交3軸方向を
考えるとき、A,Bの2層は例えば押出し成形によって
多層状態に形成され、さらに、一方向(例えばX方向)
に沿って引き延ばされ、他の一方向(すなわちY方向)
には引き延ばされない。すなわち、X軸方向が延伸方向
であり、Y軸方向がそれに対する横方向である。B材料
は屈折率nB (例えばnB =1.64)を有し、これは
延伸処理によっても実質的に変化しない。一方、A材料
は延伸処理によって屈折率が変化する特性を有する。例
えば、A材料から成るシートを一軸方向に延伸処理する
と、延伸方向(すなわちX方向)に一つの屈折率n
AX(例えばnAX=1.88)を有し、横方向(Y方向)
には異なる屈折率nAY(例えばnAY=1.64)を有す
るようになる。
【0062】A,B材料から成る第4図の積層構造をX
方向へ延伸すれば、その延伸方向に関して大きな屈折率
差Δn=1.88−1.64=0.24が発生する。そ
の一方、それと直角なY方向に関しては、A,B各層間
の屈折率差Δn=1.64−1.64=0であり、屈折
率に差は生じない。このような光学特性のため、本偏光
分離フィルム12に光が入射すると、その入射光のうち
透過軸E方向の偏光成分(a)は偏光分離フィルム12
を透過する。他方、入射光のうちの吸光軸F方向の偏光
成分(b)は屈折率差Δnに直面することになり、それ
故、その部分で反射する。
【0063】さらに、A,B各層間の層厚t1,t2,t
3,… … … は少しづつ寸法に変化が加えられ、それ
故、第5図に示すように各層の境界面で波長の異なった
光(b−1)、(b−2)… … を反射できるようにな
っている。つまり、層厚を異ならせたA,B2種類の多
層構造により、あらゆる種類の波長を含む光を効率良く
反射することが可能となる。本実施例の偏光分離フィル
ム12は、可視光域の全ての波長の光を反射できるよう
に各層の層厚t1,t2,t3,… … … が設定される。
【0064】なお、偏光分離フィルム12の液晶パネル
8に対向する面は、光を鏡面反射させる平滑面とするこ
ともできるし、あるいは光散乱層すなわち光拡散層とす
ることもできる。平滑面とした場合には、偏光分離フィ
ルム12からの反射像は鏡面反射像となる。また、光拡
散層とした場合には偏光分離フィルム12からの反射像
は無模様で単一色(通常は、白色)の背景色となる。偏
光分離フィルム12の表面にカラー層を設ければ適宜の
色を付けることもできる。
【0065】次に、この液晶表示素子の液晶パネル8の
右側半分を電圧印加(ON)部とし、左側半分を電圧無
印加(OFF)部として、液晶表示素子による表示を説
明する。一般に、表示面に背景地を表示したい場合には
その領域の液晶パネル8をOFF状態とし、表示面に数
字等の情報を表示する場合にはその領域の液晶パネル8
をON状態とする。
【0066】(外部光を用いた反射型の表示)第3図に
戻り、本液晶表示素子に外部光が入射する場合の反射型
のマルチカラー表示について説明する。電圧無印加(O
FF)部においては、外部光が液晶表示素子に入射する
と、その外部光は青系カラー偏光板11によって、紙面
平行(←→)方向の直線偏光Pと紙面垂直(◎)方向の
直線偏光Qとに分けられる。この場合、紙面平行方向の
直線偏光Pは、可視光の短波長域、特に青に相当する波
長部分だけを含む。一方、紙面垂直方向の直線偏光Q
は、可視光のほぼ全波長域を含む、いわゆる白色光とな
る。
【0067】紙面平行方向の直線偏光Pは、液晶層8に
入射し、TN液晶15によって偏光方向が90゜捻られ
て紙面垂直方向の直線偏光となる。この直線偏光は、光
散乱板10を透過して偏光分離フィルム12に到達す
る。この直線偏光は波長に応じて偏光分離フィルム12
内の各層面間で反射し、そしてその反射光は、再び光散
乱体10、液晶パネル8に入射し、TN液晶15により
再び紙面平行方向に捻られ青カラー偏光板11を透過し
た後に外部に表示される。これにより、当該OFF領域
部分がカラー偏光板11の透過色、すなわち青色で表示
される。
【0068】他方、紙面垂直方向の直線偏光Qは、液晶
層8に入射し、TN液晶15によって偏光方向が90゜
捻られて紙面平行方向の直線偏光となり、それ故、偏光
分離フィルム12を透過してバックライト18へ到達す
る。この光は、バックライト18の表面状態に応じて散
乱、吸収等されるが、いずれの場合もカラー偏光板11
の外部へはほとんど戻らない。そのため、外部光を用い
た反射表示時において電圧無印加(OFF)部は偏光P
による青表示となる。
【0069】次に、電圧印加(ON)部においては、外
部光が表示素子に入射すると、その外部光は青系カラー
偏光板11によって、紙面平行方向の直線偏光Rと紙面
垂直方向の直線偏光Sとに分けられる。この場合、紙面
平行方向の直線偏光Rは、可視光の短波長域、特に青に
相当する波長部分のみを含む。一方、紙面垂直方向の直
線偏光Sは、可視光のほぼ全波長域を含む白色光とな
る。
【0070】紙面垂直方向の直線偏光Sは、TN液晶1
5を偏光方向を変えずに透過して、さらに光散乱体10
を透過した後、偏光分離フィルム12で波長成分ごとに
反射する。そしてその反射光(全波長)は、再び光散乱
体10、液晶パネル8に入射し、TN液晶15により捻
られず紙面垂直方向のまま,青カラー偏光板11を透過
して外部へ出射する。この直線偏光は全波長成分を含む
から表示される色は白色となる。
【0071】一方、紙面平行方向の直線偏光Rは、TN
液晶15を偏光方向を変えずに透過し、さらに偏光分離
フィルム12を透過してバックライト18に到達する。
この光も、バックライト18の表面で散乱、吸収等され
て外部への表示にはほとんど寄与しない。従って、外部
光を用いた反射表示時において電圧印加(ON)部は偏
光Sによる白表示となる。
【0072】以上のように、外部光が液晶表示素子に入
射した場合の反射型の表示については、電圧無印加(O
FF)部では青表示となり、電圧印加(ON)部では白
表示となる。そして、いずれの表示の場合でも、液晶表
示素子に入射した外部光は偏光分離フィルム12によっ
て吸収ではなくて反射されるので、明るい表示が得られ
る。
【0073】(バックライトを用いた透過型の表示)次
に、赤系のバックライト18からの光を用いた透過型の
マルチカラー表示について説明する。第3図において、
電圧無印加(0FF)部においては、ELバックライト
18からの光Tは偏光分離フィルム12を透過して紙面
平行方向の直線偏光となり、その後、TN液晶15によ
って偏光方向が90゜捻られて紙面垂直方向の直線偏光
となり、青系カラー偏光板11を透過する。これは、青
系カラー偏光板11が紙面垂直方向の直線偏光を可視光
のほぼ全域にわたって透過させるように配置されている
ためである。つまり、赤の波長域も透過して、赤表示が
得られる。
【0074】他方、電圧印加(ON)部においては、赤
系のELバックライト18からの光Uは、偏光分離フィ
ルム12を透過して紙面平行方向の直線偏光となった後
に光散乱体10を透過し、その後、TN液晶15を偏光
方向を変えずに透過し、そして、青系カラー偏光板11
によって吸収されて進行が阻止される。これは、青系カ
ラー偏光板11が紙面平行方向の直線偏光を青の波長域
のみ透過させるように配置されているためである。つま
り、赤の波長域の光は吸収され、その結果、外部からは
黒表示として認識される。
【0075】以上のように、赤系バックライト18から
の光を用いた透過型の表示については、バックライト1
8からの赤い着色光は、電圧印加(ON)部では青系カ
ラー偏光板11によって吸収されて黒表示となり、一
方、電圧無印加(OFF)部では、青系カラー偏光板1
1を透過してELバックライト18の色表示、つまり赤
表示となる。 従って、本液晶表示素子は、外部光があ
る場所においては、その外部光の反射を利用した明るい
反射型のマルチカラー表示を行うことができ、そして、
外部光がない場所においては、着色バックライト18か
らの光を用いて透過型のマルチカラー表示を行うことが
できる。すなわち、本液晶表示素子によれば、半透過型
の機能を備えた反射型の液晶表示素子が実現できる。
【0076】なお、本実施例では、電圧印加部と電圧無
印加部の2つの状態について説明してきたが、中間調表
示も可能である。また、本実施例ではカラー偏光板11
に青系のものを用いたが、可視光域の特定波長について
吸収があるものであれば、他の任意の色系のカラー偏光
板を用いることができる。
【0077】たとえば、カラー偏光板11に紫色系のも
のを用い、バックライトに薄緑色のEL素子または緑色
のLEDを用いてもよい。この場合、バックライトオン
とバックライトオフにより、電圧オフ部は緑色(バック
ライトオン)と紫色(バックライトオフ)のように変化
する。また、電圧オン部は黒(バックライトオン)と白
(バックライトオフ)のように変化する。従って、バッ
クライトオン,オフにより,見える色が劇的に変化し、
ユーザーにとって見やすい表示素子を得ることができ
る。
【0078】また、以上の説明では、透過偏光軸可変手
段としてTN液晶を用いた液晶パネルを例に挙げたが、
STN液晶、ECB液晶を用いた液晶パネル等を用いる
こともできる。特にSTN液晶としては、F−STN液
晶等といった色補償用光学異方体を用いるSTN液晶を
用いることが望ましい。
【0079】また、バックライト18としては、冷陰極
管型、LED等を使用することもできる。
【0080】以上の説明では、偏光分離フィルム12と
バックライト18とが互いに直接に接触して配置される
ことを想定した。しかしながらそれに代えて、両者の間
に光学素子16を配置することができる。この光学素子
としては、例えば、光散乱体、灰色の半透過状態の
光吸収体、複数の開口部を備えた黒色の光吸収体、
偏光分離フィルム12に対して偏光透過軸をずらした状
態の偏光板等といった各種の光学要素が考えられる。
【0081】これら各種の光学要素によって構成できる
光学素子を偏光分離フィルム12とバックライト18と
の間に設けることにより、液晶パネル8側からの光を吸
収又は散乱できると共に、バックライト18からの光を
液晶パネル8側へ透過でき、それ故、コントラストの高
い表示が得られる。
【0082】偏光分離フィルム12とバックライト18
との間に複数の開口部を備えた黒色の光吸収体を用いた
場合は、開口部がその光吸収体に占める割合を制限する
ことが好ましい。これにより、開口部を介して光吸収体
を光が透過し、バックライト18等で反射して、再度光
吸収体の開口部を介して戻ってくる光の量を少なくする
ことができ、その結果、コントラストの低下を防止でき
る。また、望ましくは、光吸収体とバックライトとの間
の距離を長くすることにより、光吸収体を透過した光が
バックライト18によって反射して再び戻ってくる量を
少なくすることができ、その結果、コントラストの低下
を防止できる。
【0083】また、望ましくは、バックライト18の表
面色を暗くすることによって、バックライト18の表面
の反射を抑えることができ、その結果、偏光分離フィル
ム12を透過した光がバックライト18で反射して再び
戻ってくる量を少なくすることができ、それ故、コント
ラストの低下を防止できる。
【0084】また、望ましくは、バックライト18から
の光を液晶表示素子の正面に向かって集光させる手段を
さらに備える。通常、外部光を用いた反射型の表示を見
るときには、液晶表示素子の正面への法線からある角度
だけ傾斜した位置でそれを見ることが普通である。仮に
液晶表示素子をその正面への法線方向から見ると、液晶
表示素子に入射する外部光の進行を観察者自身が妨げる
ことになるので、外部光による反射型の表示が暗くなっ
てしまうからである。
【0085】これに対し、バックライト18からの透過
光による表示を見る場合には、通常は液晶表示素子の正
面への法線方向から見るので、バックライト18からの
光を液晶表示素子の正面に向かって集光させる手段を備
えることによって、バックライト18からの透過光によ
る表示を明るくすることができ、その結果、バックライ
ト18からの光による透過表示が、液晶表示素子の正面
への法線方向において見え易くなる。なお、バックライ
ト18からの光を液晶表示素子の正面に向かって集光さ
せる手段としては、例えば、プリズムシートが好適であ
る。
【0086】(第3実施例)第6図は、本発明に係る液
晶表示素子の他の実施例を示している。この実施例は第
3図に示した実施例の変形例であり、第3図の実施例と
異なる点は、青系カラー偏光板11の偏光透過軸の方向
を第3図のものに比べて90゜回転させたことである。
従って、青カラー偏光板11の青偏光透過軸が紙面垂直
方向、偏光分離フィルム12の透過軸が紙面平行方向と
いうように,直交している。この場合は、第3図の電圧
オン部と電圧オフ部との動作が,第6図では電圧オフ部
と電圧オン部での動作になる。
【0087】以下、第3図の場合と同様に、外部光の反
射を利用した反射型のマルチカラー表示の場合と、バッ
クライトからの光による透過型のマルチカラー表示の場
合とを個別に説明する。
【0088】(外部光を用いた反射型の表示)まず、外
部光が液晶表示素子に入射する場合の反射型のマルチカ
ラー表示について説明する。電圧無印加(OFF)部に
おいては、外部光が液晶表示素子に入射すると、その外
部光は青系カラー偏光板11によって、紙面平行方向の
直線偏光Pと紙面垂直方向の直線偏光Qとに分けられ
る。本実施例では第3図の場合と異なり、紙面平行方向
の直線偏光Pは可視光のほぼ全波長域を含む、いわゆる
白色光となり、一方、紙面垂直方向の直線偏光Qは可視
光の短波長域、特に青に相当する波長部分だけを含む光
となる。
【0089】紙面平行方向の直線偏光Pは、TN液晶1
5によって偏光方向が90゜捻られて紙面垂直方向の直
線偏光となり、偏光分離フィルム12で紙面垂直方向の
直線偏光のまま反射されて、TN液晶15によって偏光
方向が90゜捻られて紙面平行方向の直線偏光となり、
青カラー偏光板11から紙面平行方向の直線偏光として
出射する。これは白表示となる。
【0090】一方、紙面垂直方向の直線偏光Qは、TN
液晶15によって偏光方向が90゜捻られて紙面平行方
向の直線偏光となり、偏光分離フィルム12を通過して
バックライト18の表面に到達し、そこで散乱、吸収等
され,カラー偏光板11にはほとんど戻ってこない。以
上の結果、反射表示時の電圧無印加(OFF)部は白表
示となる。
【0091】次に、電圧印加(ON)部においては、外
部光が液晶表示素子に入射すると、その外部光は青系カ
ラー偏光板11によって、紙面平行方向の直線偏光Rと
紙面垂直方向の直線偏光Sとに分けられる。本実施例で
は第3図の場合と異なり、紙面平行方向の直線偏光Rは
可視光のほぼ全波長域を含む白色光となり、一方、紙面
垂直方向の直線偏光Sは可視光の短波長域、特に青に相
当する波長部分だけを含む光となる。
【0092】紙面垂直方向の直線偏光Sは、TN液晶1
5を偏光方向を変えずに透過して偏光分離フィルム12
に到達し、波長成分ごとに偏光分離フィルム12の各層
境界面で反射する。この反射光は、TN液晶15を偏光
方向を変えずに透過してカラー偏光板11から紙面垂直
方向の直線偏光として出射する。これは青表示となる。
【0093】一方、紙面平行方向の直線偏光Rは、TN
液晶15を偏光方向を変えずに透過し、さらに偏光分離
フィルム12を透過してバックライト18に到達して、
そこで散乱、吸収等され,カラー偏光板11にはほとん
ど戻ってこない。以上の結果、反射表示時の電圧印加
(ON)部は青表示となる。
【0094】以上のように、液晶表示素子に外部光が入
射した場合の反射型の表示については、電圧無印加(O
FF)部では白表示となり、電圧印加(ON)部では青
表示となる。そして、いずれの場合でも、液晶表示素子
に入射した外部光は、偏光分離フィルム12によって吸
収されずに反射されるので極めて明るい表示が得られ
る。
【0095】(バックライトを用いた透過型の表示)次
に、赤系のELバックライト18からの光による透過型
のマルチカラー表示について説明する。電圧無印加(O
FF)部においては、ELバックライト18からの光T
は偏光分離フィルム12に入射し、紙面平行方向の直線
偏光となり、その後、TN液晶15によって偏光方向が
90゜捻られて紙面垂直方向の直線偏光となり、よっ
て、その進行が青系カラー偏光板11で遮断される。こ
れは、青系カラー偏光板11が紙面垂直方向の直線偏光
を青の波長域のみ透過させるように配置されているため
である。つまり、赤の波長域の光は吸収され、それ故、
該部に黒表示が得られる。
【0096】他方、電圧印加(0N)部においては、赤
系のELバックライト18からの光Uは偏光分離フィル
ム12に入射し、紙面平行方向の直線偏光となり、光散
乱体10を透過し、その後、TN液晶15を偏光方向を
変えずに透過して、さらに青系カラー偏光板11を透過
する。これは、青系カラー偏光板11が紙面平行方向の
直線偏光を可視光のほぼ全域にわたって透過させるよう
に配置されているためである。カラー偏光板11を透過
したバックライト18からの赤色光により、該部に赤表
示が得られる。
【0097】以上のように、赤系ELバックライト18
からの光による透過型の表示については、バックライト
18からの赤い着色光は、電圧無印加(OFF)部では
青系カラー偏光板11によって吸収されて黒表示とな
り、一方、電圧印加(ON)部では青系カラー偏光板1
1を透過してELバックライト18の色表示、すなわち
赤表示となる。
【0098】従って、本液晶表示素子は、外部光がある
場所においては、その外部光の反射を利用した明るい反
射型のマルチカラー表示を実現でき、一方、外部光がな
い場所においては着色ELバックライト18からの光に
よる透過型のマルチカラー表示を実現できる。つまり、
本液晶表示素子は、いわゆる半透過型の機能を備えた反
射型の液晶表示素子となる。なお、以上の説明では、電
圧印加(ON)部と電圧無印加(OFF)部との2つの
状態を例示したが、中間調表示も可能である。
【0099】(第3実施例の変形例)第17図は、第6
図において、カラー偏光板11として紫カラー偏光板を
用い、バックライト18として面発光型の薄緑色のEL
素子や,サイドライト型の緑色のLED素子(LED素
子は図示していない)を用いた例を模式的に示す図であ
る。光学素子16は設けても設けなくてもよく、また、
光散乱体10は設けても設けなくてもよい。光学素子1
6として,光散乱層または光拡散層または光吸収層を設
けた場合、バックライト18オフでの外部光のバックラ
イト18面での反射光とバックライト18オンでのバッ
クライト発光光を減衰することができる。また、光散乱
体10を設けた場合、偏光分離フィルム12での鏡面反
射を和らげ、梨地状とすることができる。
【0100】この場合、外部光を用いたときは,セグメ
ントオフ(電圧OFF,地の色)が白色表示となり,セ
グメントオン(電圧ON)が紫色表示となる。
【0101】また、バックライト光を用いたときは、セ
グメントオフ(地の色)が黒色となり,セグメントオン
(即ち、7セグメントの色)が、薄緑色(EL)または
緑色(LED)となる。
【0102】この変形例では、バックライト18の偏光
分離フィルム12と対向する面(EL素子ではその発光
面,LED素子では導光板の発光面)での,外部光の一
部反射を利用してもよい。
【0103】バックライト18の面での反射がある場
合、バックライトを利用せず外部光を利用したときを考
える。
【0104】まず,電圧オフ部(地)では、紙面平行偏
光軸の白色光は,紫カラー偏光板11を透過(入射)し
た後、偏光分離フィルム12で反射し、紙面平行光の白
色光として,紫カラー偏光板11から出射してくる。ま
た、紙面垂直偏光軸の紫色光は、紫カラー偏光板11を
透過した後、偏光分離フィルム12を上側から透過し、
バックライト18面で一部が反射され、再び偏光分離フ
ィルム12を下側から透過して紙面垂直偏光の紫色光と
して紫カラー偏光板11から出射してくる。この紙面垂
直偏光の紫色は、バックライト18面ですべて吸収また
はすべて反射されるわけではなく、一部が反射され、さ
らに,偏光分離フィルム12を2回通過しているため、
出射光は入射光より弱くなる。従って、電圧オフ部の色
は、白色に弱い紫色が混じり、薄紫色となる。この紫色
をより弱くするためには、光を散乱または吸収する光学
素子16を設け、バックライト18面からの反射光を減
衰させることが望ましい。
【0105】また、電圧オン部(セグメント)では,紙
面垂直偏光軸の紫色は偏光分離フィルム12で反射し、
紙面垂直偏光の紫色として紫カラー偏光板11から出射
してくる。また、紙面水平偏光軸の白色は偏光分離フィ
ルム12を透過した後,バックライト18面で一部反射
され、偏光分離フィルム12を再透過して,紙面水平偏
光白色光として紫カラー偏光板11から出射する。この
紙面水平偏光の白色は、バックライト18面ですべて吸
収またはすべて反射されるわけではなく、一部が反射さ
れさらに,偏光分離フィルム12を2回通過しているた
め、出遮光は入射光より弱くなる。従って、電圧オン部
の色は、紫色に弱い白色が混じるが、紫色が強い。この
白色をより弱くするためには、光を散乱または吸収する
光学素子16を設け、バックライト18面からの反射光
を減衰させることが望ましい。
【0106】まとめると前述したように、ユーザーは、
薄紫地に紫の文字を見ることになるが、純白の地に紫の
文字より、薄い紫の地に紫の文字の方がより美しく見
え、見やすいという効果がある。
【0107】(第4実施例)第7図は、本発明に係る液
晶表示素子のさらに他の実施例を示している。第3実施
例までの発光素子としては,導光板の横に置くLED
は,単数でも複数でもよく,同色のLEDであり、導光
板としては、1枚のものを使用していた。また、EL素
子の場合は、面発光型で導光板は不要である。一方、第
4実施例では、異なる複数のLEDを異なる効果のため
に用いている。
【0108】液晶パネル28は、カラー偏光板21と偏
光分離フィルム22との間に配置されると共に、符号2
8a及び28bで示す部分にキャラクタ表示をすること
ができる。これらのキャラクタ表示部28a及び28b
に対応して、それぞれ、導光板23a及び23bが配設
され、それらの導光板のそれぞれに対して異なるLED
光源24a及び24bが配設される。導光板23a及び
23bの境界部には、それぞれの光源からの光が交じり
合わないようにするための反射板27が配設される。偏
光分離フィルム22と導光板23a,23bとの間,ま
たは液晶パネル28と偏光分離フィルム22の間には、
それらの導光板から出射するバックライト光を散乱させ
るための光散乱板26が配設される。
【0109】なお、LED光源24a,bの光を導光板
23a,bにそれぞれ導光する際、LED24a,bの
位置はそのままで、導光板の底部を斜めにして、カラー
偏光板21側に光が平行に反射させる構造でもよい。
【0110】(外部光を用いた反射型の表示)まず、外
部光が液晶表示素子に入射した場合の反射型マルチカラ
ー表示について説明する。電圧無印加(OFF)部にお
いては、外部光が入射すると、その外部光はカラー偏光
板21によって第3図又は第6図の場合と同様に2つの
直線偏光となり、その後、それぞれが液晶パネル28に
よって偏光方向が90゜捻られた直線偏光となり、偏光
分離フィルム22で2つのうちの一方が反射されて、再
び液晶パネル28によって偏光方向が90゜捻られてカ
ラー偏光板21を透過して外部へ出射する。例えば、こ
れが白表示になる。
【0111】このように電圧無印加(OFF)時におい
ては、入射した外部光は偏光分離フィルム22によって
吸収されるのではなくて反射されるので、非常に明るい
反射型の表示が得られる。なお、光散乱板26は、偏光
分離フィルム22と液晶パネル28との間に光散乱体を
設けることができ、こうすれば、偏光分離フィルム22
からの反射光が鏡面状から白色状(梨地;satin finis
h)になる。この場合,鏡面反射を和らげ、見やすくな
るという効果を奏する。
【0112】他方、電圧印加(ON)部においては、外
部光が液晶表示素子に入射すると、その外部光はカラー
偏光板21によって2つの直線偏光となり、その後、そ
れぞれが液晶パネル28を偏光方向を変えずに透過し、
一方の直線偏光は偏光分離フィルム22を偏光方向を変
えずに透過し、その後、光散乱板26によって散乱及び
偏光解消が生じ、ほとんど液晶パネル28側に光が戻ら
なくなる。そしてもう一方の直線偏光は偏光分離フィル
ム22で反射した後、カラー偏光板21を透過して外部
へ出射する。例えば、これがカラー偏光板21による色
表示となる。
【0113】(バックライトを用いた透過型の表示)次
に、バックライト、すなわち導光板23a及び23bか
らの光を用いた透過型の表示について説明する。電圧無
印加(0FF)部においては、導光板23a及び23b
からの光は偏光分離フィルム22に入射して直線偏光と
なり、その後、液晶パネル28によって偏光方向が90
゜捻られて、カラー偏光板21によって吸収されて黒表
示となる。
【0114】一方、電圧印加(ON)部においては、導
光板23a及び23bからの光は偏光分離フィルム22
に入射して直線偏光となり、光散乱体26によって散乱
光となり、その後、液晶パネル28を偏光方向を変えず
に透過し、カラー偏光板21も透過して着色層に対応し
た色表示となる。キャラクタ表示部28a及び28bに
対応して、導光板23a及び23bが異なるLED光源
24a及び24bを備えているので、それぞれのキャラ
クタ表示部を異なる色で表示できる。
【0115】従って、この液晶表示素子では、外部光が
ある場所においては、外部光の反射を利用した明るい反
射型の表示をすることができると共に、外部光がない場
所においても光源24a及び24bからの光による透過
型の表示をすることができ、いわゆる半透過型の機能を
備えた反射型の液晶表示素子となる。また、異なる発色
をする光源によって多色表示が可能になる。
【0116】(第5実施例)第8図は、本発明に係る液
晶表示素子のさらに他の実施例を示している。この実施
例が第7図に示した先の実施例と異なる点は、第7図で
示した異なる導光板23a,23bを持つLED光源に
代えて、複数のLED光源34a及び34bを直下式の
光源として用いたことである。この実施例でも両光源3
4a及び34bの間には、それぞれの光源からの光が交
じり合わないようにするための反射板27を配設した。
なお、第8図に示す各部材であって第7図と同一の符号
で示すものは同一の部材を示しており、よって、それら
についての詳しい説明は省略する。
【0117】一方のLED光源34aは赤を発色するL
ED素子の集合であり、他方のLED光源34bは青を
発色するLED素子の集合である。これらの各光源部分
に対応するキャラクタ表示部28a及び28bは透過表
示時に互いに異なる色で表示できる。具体的には、キャ
ラクタ表示部28aは赤色で表示でき、キャラクタ表示
部28bは青色で表示できる。なお、反射表示時は第7
図の場合と同様の原理で表示が行われる。また、青色L
ED素子34bの代わりに青色EL素子を用いることも
できる。
【0118】(第6実施例)第9図は、本発明に係る液
晶表示素子のさらに他の実施例を示している。この実施
例が第7図に示した先の実施例と異なる点は、第7図で
示した異なる導光板23a,23bを持つLED光源に
代えて、赤に発色するEL素子44aと緑に発色するE
L素子44bとを直下式の光源として用いたことであ
る。各EL素子44a及び44bは、それぞれ、キャラ
クタ表示部28a及び28bに位置的に対応している。
なお、第9図に示す各部材であって第7図と同一の符号
で示すものは同一の部材を示しており、よって、それら
についての詳しい説明は省略する。
【0119】各光源部分44a及び44bに対応するキ
ャラクタ表示部28a及び28bは、透過表示時に互い
に異なる色で表示できる。具体的には、キャラクタ表示
部28aは赤色で表示でき、キャラクタ表示部28bは
緑色で表示できる。なお、反射表示時は第7図の場合と
同様の原理で表示が行われる。
【0120】(第7実施例)第10図は、本発明に係る
液晶表示素子のさらに他の実施例を示している。第7図
の実施例では偏光分離フィルム22と導光板23a,2
3bとの間に光散乱板26を配設したが、本実施例で
は、偏光分離フィルム22と1個の導光板23との間
に、赤の着色部分47a及び青の着色部分47bを有す
る着色フィルム47を配設する。第10図に示す各部材
であって第7図と同一の符号で示すものは同一の部材を
示しており、よって、それらについての詳しい説明は省
略する。
【0121】着色フィルム47の各着色部分47a及び
47bに対応するキャラクタ表示部28a及び28b
は、透過表示時に異なる色で表示できる。具体的には、
キャラクタ表示部28aは赤色で表示でき、キャラクタ
表示部28bは青色で表示できる。なお、反射表示時は
第7図の場合と同様の原理で表示が行われる。
【0122】(第8実施例)第11図は、本発明に係る
液晶表示素子のさらに他の実施例を示している。第10
図の実施例では偏光分離フィルム22と導光板23との
間に着色フィルム47を配設したが、本実施例ではその
構造に加えて、偏光分離フィルム22と着色フィルム4
7との間に灰色の半透過状態の光吸収板46を配設し
た。第11図に示す各部材であって第7図と同一の符号
で示すものは同一の部材を示しており、よって、それら
についての詳しい説明は省略する。
【0123】本実施例では、灰色の半透過状態の光吸収
板46の働きにより、反射表示時において偏光分離フィ
ルム22を通過した光が導光板23や着色フィルム47
で反射するのを抑えることができる。なお、この光吸収
板46に代えて、開口部を有する光吸収体や、偏光分離
フィルム22に対して透過軸をずらした偏光板等を用い
ることができる。
【0124】(第9実施例)第12図は、本発明に係る
液晶表示素子のさらに他の実施例を示している。本実施
例では、カラー偏光板31が色の異なる2つの部分31
a及び31bに分割されている。その他の構成は第11
図の場合と同じであるので、それらについての詳しい説
明は省略する。本実施例によれば、カラー偏光板31を
2つに分割することで、キャラクタ表示部28a及び2
8bをそれらの各部に対応した異なる色で発色させるこ
とができる。
【0125】(第10実施例)第13図は、本発明に係
る液晶表示素子のさらに他の実施例を示している。本実
施例では、バックライト54と着色フィルム47との間
にプリズムシート43を配設する。その他の部材で第7
図と同一符号で示すものは、それと同じ部材を示してい
るので、詳しい説明は省略する。本実施例では、プリズ
ムシート43を用いることにより、バックライト54か
らの光を液晶表示素子の正面に向かって集光することが
でき、それ故、透過表示時の明るさをさらに一層明るく
することができる。なお、プリズムシート43として
は、例えば、3M社製のDEF−90(商品名)等を用
いることができる。
【0126】(第11実施例)第14図は、本発明に係
る電子時計の一実施例の断面構造を示している。この腕
時計は、例えばプラスチック製のケーシング1と、その
ケーシング1の内部に格納されたムーブメント2と、ケ
ーシング1に固定されていてムーブメント2の上に位置
するガラス板3と、そして、ムーブメント2を固定する
裏ぶた4とを含んで構成される。符号6は、腕バンドを
示している。
【0127】ムーブメント2は、第16図に示すよう
に、パネル枠7と、そのパネル枠7に支持された表示素
子5と、そしてその表示素子5の裏側に配置された電池
9とを有する。表示素子5は、例えば第3図に示す構造
のものが用いられ、従って、この表示素子5は、パネル
枠7に支持された透過偏光軸可変手段としての液晶パネ
ル8と、その液晶パネル8の外側表面(図の上側表面)
に貼着された第1偏光分離手段としてのカラー偏光板1
1と、液晶パネル8を挟んで偏光板11の反対側に配置
された第2偏光分離手段としての偏光分離フィルム12
と、その偏光分離フィルム12の底面側に配設されたバ
ックライト18とを含んで構成される。偏光分離フィル
ム12と液晶パネル8との間には光散乱体10が配設さ
れる。
【0128】液晶パネル8は、互いに対向する一対の透
明ガラス基板13a及び13bを有し、それらのガラス
基板の間に形成された間隙、いわゆるセルギャップ内に
液晶、例えばTN液晶15が封入される。ガラス基板1
3a及び13bのそれぞれには、第15図に示すように
数字、文字等の情報を表示するための複数の透明電極1
4が両基板間で互いに対向するように形成される。本実
施例では、1桁の数字を表示するための透明電極として
7セグメントに分割された透明電極を用いている。
【0129】互いに対向するこれら一対のセグメント透
明電極14の間には所定の電圧を印加でき、そのように
電圧を印加(ON)するか、あるいは電圧を印加しない
(OFF)かによって、液晶15の配向を2つの状態の
うちのいずれかに設定できる。本実施例の液晶は、それ
がON状態のときにその液晶を通過する直線偏光の偏光
軸を変化させず、一方、それがOFF状態のときにその
液晶を通過する直線偏光の偏光軸を90゜だけ捻るよう
に設定される。
【0130】表示素子5に表示される数字等といった情
報の表示のされ方は第3図に関連して既に説明した通り
であるのでここでは省略するが、結論として、数字、文
字等といった時計表示を半透過及び反射型のマルチカラ
ー表示で表示でき、しかも非常に明るい表示状態で表示
できる。
【0131】カラー偏光板の透過軸と、偏光分離フィル
ムの透過軸との関係と,カラー偏光板の外部に見える色
との関係をまとめると、次ページの表のようになる。
【0132】
【表1】 (注)バックライトの発光する光に、カラー偏光板の透
過する特定波長が含まれる場合は、その特定波長の色と
なるが、本発明では、バックライトの光がカラー偏光板
を透過しないように構成したため、黒色となる。
【0133】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
ルチカラー表示が可能な表示素子およびそれを用いた電
子時計が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示素子の一実施例を模式的に示
す図である。
【図2】第1図の表示素子で用いるカラー偏光板の機能
を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係る表示素子の他の実施例を模式的に
示す図である。
【図4】第3図の表示素子で用いる偏光分離フィルムの
機能を模式的に示す図である。
【図5】第4図の偏光分離フィルムの断面図である。
【図6】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を模
式的に示す図である。
【図7】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を模
式的に示す斜視図である。
【図8】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を模
式的に示す斜視図である。
【図9】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を模
式的に示す斜視図である。
【図10】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を
模式的に示す斜視図である。
【図11】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を
模式的に示す斜視図である。
【図12】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を
模式的に示す斜視図である。
【図13】本発明に係る表示素子のさらに他の実施例を
模式的に示す斜視図である。
【図14】本発明に係る電子時計の一実施例を示す断面
図である。
【図15】第14図の電子時計の要部を示す平面図であ
る。
【図16】第15図の構造の断面図である。
【図17】第6図において、カラー偏光板として紫カラ
ー偏光板を用いた例である。
【符号の説明】
8 液晶パネル 11 カラー偏光板 15 TN液晶 10 光散乱体 12 偏光分離フィルム 16 光学素子 18 バックライト 21 カラー偏光板 22 偏光分離フィルム 28 液晶パネル 26 光散乱体 34 LED 44 EL 23 導光板 46 光吸収板 47 着色フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 324 G09F 9/00 324 336 336F

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過偏光軸を変化させることができる透
    過偏光軸可変手段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んでその表裏両側に配置さ
    れた第1偏光分離手段及び第2偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置された光源とを有する表示素子であっ
    て、 前記第1偏光分離手段は、第1方向の直線偏光成分に関
    しては可視光域の全波長成分を透過させると共に、上記
    第1方向と直交する第2方向の直線偏光成分に関しては
    可視光域の特定波長成分を透過させるがそれ以外の波長
    成分を透過させない機能を有し、 前記第2偏光分離手段は、第3方向の直線偏光成分を透
    過させると共に前記第3方向と直交する方向の直線偏光
    成分を反射する機能を有し、そして前記光源は着色光を
    発光することを特徴とする表示素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記透過偏光軸可変
    手段と前記光源との間に光学素子を少なくとも1つ備え
    たことを特徴とする表示素子。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記光学素子は光散
    乱体,または灰色の半透過状態の光吸収散乱体であるこ
    とを特徴とする表示素子。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記光学素子は、可
    視光領域のほぼ全波長範囲の光に対して、10%以上8
    0%以下の透過率であることを特徴とする表示素子。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記光学素子は、前
    記透過偏光軸可変手段と前記第2偏光分離手段との間に
    設けられ、前記第2偏光分離手段からの外部光反射光を
    和らげる機能を有することを特徴とする表示素子。
  6. 【請求項6】 請求項2において、前記光学素子は、前
    記第2偏光分離手段と前記光源との間に設けられ、前記
    第2偏光分離手段側からの光を吸収すると共に、前記光
    源からの発光光を前記第2偏光分離手段側へ向けて透過
    し,前記光源での外部反射光を減衰させる機能を有する
    ことを特徴とする表示素子。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記光源は、少なく
    とも1つのLED素子または,少なくとも1つのEL
    (エレクトロルミセンス)素子を含むことを特徴とする
    表示素子。
  8. 【請求項8】 請求項2において、 前記光学素子は着色層を含むことを特徴とする表示素
    子。
  9. 【請求項9】 請求項2において、 前記光学素子は、灰色の半透過状態の光吸収散乱体また
    は開口部を有した光吸収体または前記第2偏光分離手段
    に対して透過軸をずらした偏光板と,着色層とを積層し
    た構造であることを特徴とする表示素子。
  10. 【請求項10】 請求項2において、 前記光学素子が、着色層と開口部を持つ鏡面反射板とが
    第2偏光分離手段側から順次形成されていることを特徴
    とする表示素子。
  11. 【請求項11】 第1の偏光軸と平行の偏光成分では特
    定波長を透過させ,前記第1の偏光と直交する偏光成分
    ではほぼ可視全波長域透過させるカラー偏光板と、 電圧非印加状態では入射光の偏光軸を90度回転させ、
    電圧印加状態では入射光の偏光軸を回転させない液晶
    と、 前記第1の偏光透過軸と平行の偏光成分を透過させ,前
    記第1の偏光透過軸と直交する偏光成分を反射させる偏
    光分離手段と、 前記特定波長と異なる色を発光する発光手段とを備えた
    ことを特徴とする表示素子。
  12. 【請求項12】 第1の偏光軸と直交する偏光成分では
    特定波長を透過させ,前記第1の偏光と平行の偏光成分
    ではほぼ可視全波長域透過させるカラー偏光板と、 電圧非印加状態では入射光の偏光軸を90度回転させ、
    電圧印加状態では入射光の偏光軸を回転させない液晶層
    と、 前記第1の偏光透過軸と平行の偏光成分を透過させ,前
    記第1の偏光透過軸と直交する偏光成分を反射させる偏
    光分離手段と、 前記特定波長と異なる色を発光する発光手段とを備えた
    ことを特徴とする表示素子。
  13. 【請求項13】 請求項11において、 前記発光手段は、外部光を反射する反射面を有すること
    を特徴とする表示素子。
  14. 【請求項14】 請求項12において、 前記発光手段は、外部光を反射する反射面を有すること
    を特徴とする表示素子。
  15. 【請求項15】 請求項11において、 前記液晶層と前記発光手段との間に光散乱体を設けたこ
    とを特徴とする表示素子。
  16. 【請求項16】 請求項12において、 前記液晶層と前記発光手段との間に光散乱体を設けたこ
    とを特徴とする表示素子。
  17. 【請求項17】 請求項13において、 前記発光手段を発光させないとき,電圧非印加状態の色
    光は特定波長の色が表示され、電圧印加状態の色光はほ
    ぼ全波長域の色にて表示され、 前記発光手段を発光させるとき、電圧非印加状態の色光
    は発光手段による発光色であり、電圧印加状態の色光は
    黒であることを特徴とする表示素子。
  18. 【請求項18】 請求項14において、 前記発光手段を発光させないとき,電圧非印加状態の色
    光は可視光域ほぼ全域の色が表示され、電圧印加状態の
    色光は特定波長の色にて表示され、 前記発光手段を発光させるとき、電圧非印加状態の色光
    は黒であり、電圧印加状態の色光は発光手段による発光
    色であることを特徴とする表示素子。
  19. 【請求項19】 請求項18において、 前記カラー偏光板の特定波長は紫色系であり,前記発光
    手段による発光色は緑色系であり,前記電圧非印加状態
    での外部光による色光は薄い紫色であり、前記電圧印加
    状態での外部光による色光は濃い紫色であることを特徴
    とする表示素子。
  20. 【請求項20】 時を計数して表示する電子時計であっ
    て、 透過偏光軸を変化させることができる透過偏光軸可変手
    段と、 その透過偏光軸可変手段を挟んでその表裏両側に配置さ
    れた第1偏光分離手段及び第2偏光分離手段と、 その第2偏光分離手段を挟んで上記透過偏光軸可変手段
    の反対側に配置された光源とを有し、 前記第1偏光分離手段は、第1方向の直線偏光成分に関
    しては可視光域の全波長成分を透過させると共に前記第
    1方向と直交する第2方向の直線成分に関しては可視光
    域の特定波長成分を透過させるがそれ以外の波長成分を
    透過させない機能を有し、 前記第2偏光分離手段は、第3方向の直線偏光成分を透
    過させると共に前記第3方向と直交する方向の直線偏光
    成分を反射する機能を有し、そして前記光源は着色光を
    発光することを特徴とする電子時計。
  21. 【請求項21】 第1の偏光方向と平行の偏光成分では
    特定波長を透過させ,前記第1の偏光方向と直交する偏
    光成分ではほぼ可視全波長域透過させるカラー偏光板
    と、 電圧非印加状態では入射光の偏光軸を90度回転させ、
    電圧印加状態では入射光の偏光軸を回転させない液晶
    と、 第2の偏光方向の偏光成分を透過させ,前記第2の偏光
    方向と直交する偏光成分を反射させる偏光分離手段と、 前記特定波長と異なる色を発光する発光手段とを備え,
    前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とが平行のと
    き、電圧非印加状態での外部光による色光は前記特定波
    長の色であり、電圧印加状態での外部光による色光はほ
    ぼ可視全波長域の色であり、 前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とが平行のと
    き、電圧非印加状態での発光手段の発光による色光は発
    光色であり、電圧印加状態での発光手段の発光による色
    光は黒であり、 前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とが直交する
    とき、電圧非印加状態での外部光による色光はほぼ可視
    全波長域の色であり、電圧印加状態での外部光による色
    光は前記特定波長の色であり、 前記第1の偏光方向と前記第2の偏光方向とが直交する
    とき、電圧非印加状態での発光手段の発光による色光は
    黒であり、電圧印加状態での発光手段の発光による色光
    は発光色であることを特徴とする電子時計。
  22. 【請求項22】 請求項21において、 前記カラー偏光板と、前記液晶層と,前記偏光分離手段
    と,をこの順で積層し、 さらに、前記液晶層と前記偏光分離手段との間に光散乱
    手段を設け、 さらに、前記偏光分離手段の下に弱反射手段を設け、 弱反射手段は、前記発光手段がEL素子のときはその発
    光面であり、前記発光手段がLEDのときはその導光板
    の発光面であることを特徴とする電子時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192961A (ja) * 2008-02-16 2009-08-27 Seiko Instruments Inc 液晶表示装置
CN112987546A (zh) * 2019-12-13 2021-06-18 斯沃奇集团研究和开发有限公司 包括叠置的两个显示单元的数字显示装置和包括该显示装置的钟表

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JP2021096459A (ja) * 2019-12-13 2021-06-24 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 2つの重なり合った表示セルを備えるデジタル表示デバイス、及びこのような表示デバイスを備える計時器
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