JP2001324606A - 積層光拡散性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
積層光拡散性フィルムおよびその製造方法Info
- Publication number
- JP2001324606A JP2001324606A JP2000142858A JP2000142858A JP2001324606A JP 2001324606 A JP2001324606 A JP 2001324606A JP 2000142858 A JP2000142858 A JP 2000142858A JP 2000142858 A JP2000142858 A JP 2000142858A JP 2001324606 A JP2001324606 A JP 2001324606A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- diffusing film
- laminated
- light diffusing
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Abstract
性、機械的強度、および生産性に優れた積層光拡散性フ
ィルム、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも光拡散層を有する光拡散性フィ
ルムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含ま
れる熱可塑性樹脂よりも高い融点をもつ熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層が積層されていることを特徴とする積層光
拡散性フィルムである。また、この積層光拡散性フィル
ムの製造方法においては、表層の熱可塑性樹脂の融点を
T1、ガラス転移点をTg1、内部の光拡散フィルムに
用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性
樹脂の融点をT2とするとき、T1>Ta>T2かつT
a>Tg1を満たす温度Taで熱処理する工程を含む。
Description
のバックライトや照明装置などに好適に用いられる積層
光拡散性フィルム、およびその製造方法に関するもので
ある。
の表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多
く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ
自体は発光体でないために、裏側からバックライトを使
用して光を照射することにより表示が可能となってい
る。また、バックライトは、単に光を照射するだけでな
く、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に
応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる
面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が
望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディ
スプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し
側面から光を照射するタイプのバックライトが適用され
ている。一般的に、このサイドライト型バックライトに
は、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディ
スプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されて
いる。この導光板には、側面から入射した光を垂直方向
に出射するようにパターンが刻まれており、そのパター
ンによる不均一な光の分布を有する。従って、この液晶
ディスプレイにおいて、面内均一性を高めて高品質の画
像を得るため、導光板上に光拡散性フィルムを設置し
て、光を均一にすることが必要となる。
には、光拡散性が大きいことはもとより、光透過性が極
めて高いことが挙げられる。光透過性を高くすることに
より、バックライトからの光を効率よく利用することが
できるため、高輝度化・低消費電力化を達成することが
できる。
としては、例えば、(1)特開平4−275501号公
報等に記載の、透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、
表面に物理的に凹凸を付ける加工を施して得られた拡散
シート(光拡散性フィルム)、または、(2)特開平6
−59108号公報等に記載の、ポリエステル樹脂等透
明基材フィルム上に、微粒子を含有した透明樹脂からな
る光拡散層をコーティングして得られた光拡散性フィル
ム、または(3)特開平6−123802号公報等に記
載の、透明樹脂中にビーズを溶融混合し、これを押出し
成形して得られた光拡散板(光拡散性フィルム)などが
挙げられる。上記(1)および(2)の光拡散性フィル
ムは、フィルム表面に形成した凹凸またはコーティング
した光拡散層により光拡散効果を得る、いわゆる表面光
拡散性フィルムである。一方、上記(3)の光拡散性フ
ィルムは、少なくとも基材内部にも光拡散成分を有する
光拡散性フィルムである。
(1)及び(2)によって得られる光拡散性フィルム
は、表面の凹凸が大きく、他のフィルム等の材料との接
着や重ね合わせの際に困難を要する。また、上記(3)
によって得られる光拡散性フィルムの場合も、上記
(1)や(2)によって得られるフィルムよりは表面は
平坦であるが、表層付近に存在するビーズによる凹凸が
存在し、依然としてなお不十分である。
べく鋭意検討を行なった結果、表面が平滑でありなが
ら、光透過性、光拡散性、機械的強度、および生産性に
優れた光拡散性フィルム、およびその製造方法を見出す
ことができ、本発明に到達した。 本発明の目的は、表
面が平滑で、かつ光透過性、光拡散性、機械的強度、お
よび生産性に優れた積層光拡散性フィルムとその製造方
法を提供することにある。
ィルムは、少なくとも光拡散層を有する光拡散性フィル
ムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含まれ
る熱可塑性樹脂より高い融点をもつ熱可塑性樹脂からな
る樹脂層が積層されていることを特徴とする積層光拡散
性フィルムである。
全光線透過率が70%以上であり、ヘイズが70%以上
であることが好ましく、また表層側の熱可塑性樹脂から
なる樹脂層が実質的に非光拡散性であることが好まし
い。
造方法は、上記樹脂層の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガ
ラス転移温度をTg1、該光拡散フィルムに用いられる
熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点
をT2とするとき、T1>Ta>T2かつTa>Tg1
を満たす温度Taで熱処理する工程を含むことを特徴と
する積層光拡散性フィルムの製造方法である。
は、少なくとも光拡散層を有する光拡散性フィルムの片
側または両側に、該光拡散性フィルム中に含まれる熱可
塑性樹脂よりも高い融点をもつ熱可塑性樹脂からなる樹
脂層が積層されていることを特徴とする積層光拡散性フ
ィルムである。
光拡散性フィルムは、少なくとも光拡散層を有するフィ
ルムである。
(a)熱可塑性樹脂中に光拡散成分が分散した光拡散層
のみからなるフィルム、(b)フィルム基材上に光拡散
成分を含有する層(光拡散層)を塗布したフィルム、
(c)基材表面を凹凸加工(光拡散層)したフィルム等
が挙げられる。例えば、(a)の光拡散性フィルムの例
としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑
性樹脂中に、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン等の無機微粒子、またはアクリル樹
脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂、ホ
ルムアルデヒド縮合物等からなる有機微粒子、または気
泡等を分散させてフィルム状に成形した光拡散性フィル
ムが挙げられる。また、(b)の光拡散性フィルムの例
としては、ポリエステル樹脂等からなる透明支持体基板
上に、(a)で示したような無機または有機微粒子を分
散させた透明熱可塑性樹脂をコーティングして光拡散層
を形成した光拡散性フィルムの等が挙げられる。また、
(c)の光拡散性フィルムの例としては、ポリカーボネ
ート等透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、エンボス
加工によって物理的に表面に凹凸を形成する方法、凹凸
形状を有する金型に流し込んで成形加工する方法当によ
り得られる光拡散性フィルム等が挙げられる。
く、少なくとも光拡散機能を有する層を含有するもので
あればよい。よって、本発明においては、光拡散性以外
の機能を付加する別の層を積層することも可能である。
ムの基体は、少なくとも熱可塑性樹脂からなるものであ
る。本発明で好ましく用いられる熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プレピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエー
テル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステルおよびこれら
を主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合
物等を好適に用いることができる。なかでも、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン、及びこれらを主たる成分とする
共重合体またはこれら樹脂の混合物からなることがより
好ましい。
は、可視光領域の光線に関し透明であることが好まし
い。ここでいう透明とは、それら樹脂のみからなる膜厚
500μmのフィルムの全光線透過率が70%以上であ
る樹脂のことを指す。
性フィルムの片側または両側に、光拡散性フィルムに含
まれる熱可塑性樹脂よりも高い融点をもつ熱可塑性樹脂
が積層されている。ここで、表層側の樹脂層の熱可塑性
樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg1、内部側の
光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のうち最も
融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とする。本発明で
は、このようにT1>T2であることにより、T1>T
a>T2かつTa>Tg1を満たす温度Taで熱処理す
ることにより、内部側の形状等に拘わらず容易に表面の
平坦性を確保することができる。ここで、T1<T2で
ある場合、Tb<T1を満たす温度Tbで処理した場
合、内部側の樹脂を加工できないため表面の平坦化が達
成できないことがあり、また、T1<Tbを満たす温度
Tbでの熱処理においても表面の粘着等の問題が生じる
ため好ましくない。
は、少なくとも光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性
樹脂より高融点の熱可塑性樹脂であれば特に限定されな
い。例えば、光拡散性フィルムに用いられる樹脂として
挙げたものと同様のものを使用することができ、好まし
く用いられる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミ
ド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタ
クリル酸エステルおよびこれらを主たる成分とする共重
合体、またはこれら樹脂の混合物等が挙げられる。なか
でもポリエステルテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート等のポリエステル、またはこれらを主
たる成分とする共重合体、またはこれらの混合物を好ま
しく用いることができる。
融点は、内部側の光拡散性フィルムに用いられる熱可塑
性樹脂の融点より高いことが必要であるが、好ましくは
10℃以上、さらに好ましくは20℃以上高いことが望
ましい。
走査熱量計(DSC)を用い、結晶融解に基づく吸熱曲
線のピーク値として、簡便に測定することができる。ま
た、このとき同時にガラス転移温度(Tg)も測定する
ことができる。ガラス転移温度は、樹脂がガラス状態か
らゴム状態へ転移する時に比熱変化が生じるため、測定
曲線のベースラインの平行移動という形により感知され
る。
れる熱可塑性樹脂は、光拡散性能を向上させる目的で、
内部側に用いられる光拡散性フィルムの熱可塑性樹脂と
屈折率を異にする樹脂を用いることもできる。例えば、
光拡散性フィルムとして表面凹凸加工した光拡散層を用
いるような場合に、屈折率を異にする熱可塑性樹脂層を
積層することにより光拡散性能を保持または向上させる
ことができることがある。
的に非光拡散性であることが望ましい。非光拡散性であ
ることにより、積層後も全光線透過率を低下させること
なく平坦性を確保することが可能である。ここでいう非
光拡散性であるとは、そのフィルムのみのヘイズを測定
した場合に、その値が10%以下であることを示す。
フィルムの少なくとも片面に積層されるが、両面に積層
する方が、フィルム全体としての平坦性を確保できるた
め好ましい。
脂層が積層されていない場合や、本発明記載の性能範囲
外の樹脂を積層した場合などにおいては、表面の平坦性
に劣るフィルムが得られる。例えば、これらフィルムは
数%程度の光線反射率を有するが、屋内の照明器具等の
電灯を反射させた場合に、フィルム表面にその電灯の像
が確認できない等の現象が見受けられる。これに対し、
本発明の積層光拡散性フィルムでは、電灯像の輪郭がは
っきりと確認できる。
樹脂層の積層方法としては、シート状に成形した光拡散
性フィルムに、予めシート状に加工しておいた熱可塑性
樹脂からなる樹脂層を接着層を介して貼着する方法、光
拡散性フィルムと熱可塑性樹脂からなる樹脂層を密着さ
せて加熱圧着させる方法、光拡散性フィルムと熱可塑性
樹脂からなる樹脂層を共押出する方法などが挙げられる
が、本発明では特にこれらに限定されるものではない。
また、本発明では、必要により、両者を積層した後に延
伸工程を施すこともできる。
は、上記のようにして光拡散性フィルムの少なくとも片
面に熱可塑性樹脂からなる樹脂層を積層した後、表層側
の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg
1、内部側の光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹
脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とす
るとき、T1>Ta>T2かつTa>Tg1を満たす温
度Taで熱処理する工程を含むことを特徴とするもので
ある。T1より低い温度で熱処理することにより、処理
工程中の粘着等の作業上の問題を起こすことがなく、T
2より高い温度で熱処理することにより内部の積層ムラ
等の欠陥を解消して表面の平坦化が可能となる。また、
Tg1より高い温度で熱処理することにより、表層の熱
可塑性樹脂の流動性が増加し、表層の平坦化処理が容易
となる。ここで、T2とTg1の大小関係については特
に限定されない。
面の熱処理が可能であるが、好ましくはT1>Ta+1
0(℃)、さらに好ましくはT1>Ta+20(℃)を
満たす温度Taで処理することが好ましい。また、内部
の欠陥を効果的に解消するために、好ましくはTa>T
2+10(℃)、さらに好ましくはTa>T2+20
(℃)であることが好ましい。
端部を把持したまま上記温度Ta雰囲気内で保持する方
法、表面温度Taを有する平坦な板をフィルム表層に押
し当てる方法などが挙げられるが、他の方法を用いるこ
とも可能である。本発明における熱処理は、通常、少な
くとも光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂層とが上記の積
層方法で積層された状態において行なわれる。これによ
り積層光拡散性フィルム表層の平坦性を確保することが
できる。
膜厚は特に限定されないが、薄膜用途や作業性等を考慮
すると、10〜500μmが好ましく、20〜300μ
mがさらに好ましい。また、これら全膜厚のうちの、表
層側の樹脂層が占める割合は、特に限定されないが、通
常は1〜50μmの範囲で選択され、好ましくは1〜3
0μmである。
透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%
以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過
率が70%未満の場合には、積層光拡散性フィルムをデ
ィスプレイに組み込んだ際に、輝度が不十分となる傾向
にあり、高輝度を得るためには低消費電力化が望めな
い。また、本発明の積層光拡散性フィルムのヘイズは、
好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さ
らに好ましくは90%以上である。ヘイズが70%未満
の場合には、平行光の透過率が高くなる傾向にあり、こ
の場合も輝度に斑が生じやすくなる。
して積層前の光拡散性フィルムの性能によるところが大
きい。積層前の光拡散性フィルムの光拡散性をコントロ
ールする手段としては、フィルム表面の凹凸をコントロ
ールし、より表面を粗く、より溝を深く険しくすること
により所望の光拡散性が得られる(上記a、bの光拡散
性フィルム)。またもう一方は、マトリックス樹脂中に
光拡散成分を分散させる方法であり、ここでは例えば、
マトリックス−分散相の屈折率差、分散相の径、混合比
率等の選択により所望の光拡散性が得られる(上記cの
光拡散性フィルム)。本発明において、後者の手段によ
り得られた光拡散性フィルムを用いた場合、積層前後で
の光拡散性能が前者と比較して変化が小さく、内部の光
拡散性フィルムを作成した時点で光拡散性能が把握でき
るため、より効果的である。
本工業規格JIS K7105「プラスチックの光学的
特性試験方法」に準拠し、積分球式光線透過率測定装置
(ヘイズメーター)により測定することが出来る。
は、本発明の効果が失われない範囲内で各種の添加剤を
加えることができる。添加剤を添加する層は、光拡散
層、表層側の熱可塑性樹脂からなる樹脂層、またはその
他の層であってもよい。添加配合する添加剤の例として
は、例えば、顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐
熱剤、耐光剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤などを挙げ
ることができる。
ィスプレイのバックライトや照明装置等に好適に用いら
れる。
るが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
テレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を25m
ol%共重合させたポリエステル樹脂(融点195℃、
ガラス転移温度70℃)に平均粒径5μmの真球状シリ
カ微粒子を体積比率で10%になるように配合したペレ
ットを供給し、また別に副押出し機に、微粒子を含有し
ないPET(融点265℃)を供給して、所定の方法に
より両側表層にPETを有する溶融3層共押出を行な
い、静電印可法により鏡面のキャストドラム上で冷却し
て3層積層シートを作製した。このようにして得られた
3層積層シートを90℃にて長手方向に3倍延伸し、続
いてテンターで90℃の予熱ゾーンを通して95℃で幅
方向に3倍延伸し、さらに230℃で30秒間熱処理
し、全膜厚100μmの積層光拡散性フィルムを得た。
表面層の厚さは片側5μmであった。
全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(スガ
試験機(株)製)を用いて全光線透過率とヘイズを測定
した。全光線透過率は89%であり、ヘイズは85%で
あった。
灯の像がフィルム表面にどのように映るかで判断した。
蛍光灯の像がはっきり見えるものを○、像が拡散反射し
て見えないものを×とした。ここで、得られた積層光拡
散性フィルムは、その表面に蛍光灯の輪郭をはっきりと
確認することができ、平坦性が良好であることがわかっ
た。
散性能を実際に目視で評価するため、次のような実験を
行なった。すなわち、可視光レーザー(He−Neレー
ザー、波長632.8nm)を、得られた積層光拡散性
フィルムに照射し、透過した光線をスクリーンに投影し
て、入射光線がどの程度の拡がりを示すか観察して評価
した。強度分布が見られず均一で広い拡散範囲をもつも
のを○、著しい強度分布または狭い拡散範囲のものまた
は透過光量が少なく暗いものを×とした。レーザー光線
は、フィルムを通ることにより拡がっており良好に拡散
性能を示すことが分かった。結果を表1に示す。
テレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を17m
ol%共重合させたポリエステル樹脂(融点215℃、
ガラス転移温度70℃)を用いた以外は、実施例1と同
様にして3層積層シートを作製し、延伸、熱処理を行な
い、全膜厚100μmの積層光拡散性フィルムを得た。
表面層の厚さは片側5μmであった。得られた積層光拡
散性フィルムの全光線透過率は85%であり、ヘイズは
84%で、目視による観察結果も良好な拡散性能を発揮
していることがわかった。また、表面の平坦性も優れて
いた。結果を表1に示す。
ETを積層しない粒子含有層のみの単膜を用い、延伸後
の熱処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして製
膜した。なお、延伸後の熱処理温度を融点(195℃)
以上の温度(230℃)で行なうと、熱処理時にフィル
ムが溶けるため製膜は不可能であった。結果を表1に示
す。
の175℃での熱処理を行なった。フィルム中の粒子の
周囲に空孔が生成してしまい、透過率が35%と著しく
低下した。また、平坦性にも劣る結果となった。結果を
表1に示す。
ら、光透過性、光拡散性、機械的強度、および生産性に
優れた積層光拡散性フィルムが得られる。
平滑で高光透過性・高光拡散性を有するため、液晶ディ
スプレイ部材においてバックライト等に用いることによ
り、高輝度でかつ均一な高品質画像を提供することが可
能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも光拡散層を有する光拡散性フ
ィルムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含
まれる熱可塑性樹脂より高い融点をもつ熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層が積層されていることを特徴とする積層光
拡散性フィルム - 【請求項2】 熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、実質的
に非光拡散性であることを特徴とする請求項1記載の積
層光拡散性フィルム。 - 【請求項3】 全光線透過率が70%以上である請求項
1または2記載の積層光拡散性フィルム。 - 【請求項4】 ヘイズが70%以上である請求項1〜3
のいずれかに記載の積層光拡散性フィルム。 - 【請求項5】 少なくとも光拡散層を有する光拡散性フ
ィルムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含
まれる熱可塑性樹脂より高い融点をもつ熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層を積層する積層光拡散性フィルムの製造方
法であって、該樹脂層の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガ
ラス転移温度をTg1、該光拡散フィルムに用いられる
熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点
をT2とするとき、T1>Ta>T2かつTa>Tg1
を満たす温度Taで熱処理する工程を含むことを特徴と
する積層光拡散性フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000142858A JP4560890B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 積層光拡散性フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000142858A JP4560890B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 積層光拡散性フィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001324606A true JP2001324606A (ja) | 2001-11-22 |
JP4560890B2 JP4560890B2 (ja) | 2010-10-13 |
Family
ID=18649759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000142858A Expired - Fee Related JP4560890B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 積層光拡散性フィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4560890B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007304553A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Lg Electronics Inc | プリズムシート、それを備えたバックライトユニット及び液晶表示装置 |
US7480097B2 (en) | 2004-08-04 | 2009-01-20 | Sony Corporation | Light diffusion sheet and method of producing the light diffusion sheet, and screen |
US8798425B2 (en) | 2007-12-07 | 2014-08-05 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Decoupled holographic film and diffuser |
US8872085B2 (en) | 2006-10-06 | 2014-10-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Display device having front illuminator with turning features |
US9019590B2 (en) | 2004-02-03 | 2015-04-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Spatial light modulator with integrated optical compensation structure |
US9019183B2 (en) | 2006-10-06 | 2015-04-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Optical loss structure integrated in an illumination apparatus |
US9025235B2 (en) | 2002-12-25 | 2015-05-05 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Optical interference type of color display having optical diffusion layer between substrate and electrode |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000506989A (ja) * | 1996-02-29 | 2000-06-06 | ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー | 光学フィルムの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3921790B2 (ja) * | 1998-03-19 | 2007-05-30 | 東レ株式会社 | 光拡散ポリエステルフィルム |
-
2000
- 2000-05-16 JP JP2000142858A patent/JP4560890B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000506989A (ja) * | 1996-02-29 | 2000-06-06 | ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー | 光学フィルムの製造方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9025235B2 (en) | 2002-12-25 | 2015-05-05 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Optical interference type of color display having optical diffusion layer between substrate and electrode |
US9019590B2 (en) | 2004-02-03 | 2015-04-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Spatial light modulator with integrated optical compensation structure |
US7480097B2 (en) | 2004-08-04 | 2009-01-20 | Sony Corporation | Light diffusion sheet and method of producing the light diffusion sheet, and screen |
JP2007304553A (ja) * | 2006-05-09 | 2007-11-22 | Lg Electronics Inc | プリズムシート、それを備えたバックライトユニット及び液晶表示装置 |
US8872085B2 (en) | 2006-10-06 | 2014-10-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Display device having front illuminator with turning features |
US9019183B2 (en) | 2006-10-06 | 2015-04-28 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Optical loss structure integrated in an illumination apparatus |
US8798425B2 (en) | 2007-12-07 | 2014-08-05 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Decoupled holographic film and diffuser |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4560890B2 (ja) | 2010-10-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4517442B2 (ja) | 積層光拡散性フィルムの製造方法 | |
TW521159B (en) | Light-diffusive film and process for producing the same | |
TW200807032A (en) | Multi-layered light diffusion plate and liquid crystal display device comprising the same | |
TWI437278B (zh) | 異向性光擴散薄膜、其積層薄片及其製造方法 | |
TW200424655A (en) | Light diffusing plate | |
JP4300826B2 (ja) | 光拡散性フィルムおよびそれを用いた直下型面光源 | |
JP3921790B2 (ja) | 光拡散ポリエステルフィルム | |
KR100994909B1 (ko) | 내열성이 향상된 다층구조 광확산판 및 그를 포함하는 액정디스플레이 장치 | |
JP2010044270A (ja) | 光拡散板、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 | |
JP2002372606A (ja) | 積層光拡散性フィルム | |
JP2001324606A (ja) | 積層光拡散性フィルムおよびその製造方法 | |
JP5359275B2 (ja) | 光拡散フィルムおよびそれを用いた液晶バックライトユニット | |
JP2010044269A (ja) | 光拡散板、光学シート、バックライトユニット及びディスプレイ装置 | |
JP2002196113A (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP2002162508A (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP2010032864A (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP2001354792A (ja) | 光界面フィルム | |
JP2003344613A (ja) | 面光源用光拡散性フィルムおよび面光源 | |
KR100858136B1 (ko) | 액정표시장치의 백라이트 유닛용 광확산판 | |
JP2004219438A (ja) | 光拡散性フィルム | |
JP2016206581A (ja) | 光拡散フィルム | |
JP2000015712A (ja) | 採光用複合フレネルプリズム板及びその製造方法 | |
KR101068635B1 (ko) | 인각율이 향상된 고휘도 확산필름 및 이의 제조방법 | |
JP5332469B2 (ja) | 光学部品、バックライトユニット及び表示装置 | |
JP2015031893A (ja) | 照明装置用レンズフィルム積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070515 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091027 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100706 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100719 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |