JP2001324567A - レーダによる目標の識別装置 - Google Patents

レーダによる目標の識別装置

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JP2001324567A JP2000140104A JP2000140104A JP2001324567A JP 2001324567 A JP2001324567 A JP 2001324567A JP 2000140104 A JP2000140104 A JP 2000140104A JP 2000140104 A JP2000140104 A JP 2000140104A JP 2001324567 A JP2001324567 A JP 2001324567A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現行の捜索レーダのように狭帯域の送信パル
スで運用され、分解能が低い場合において目標の認識・
識別処理を実現するものでは、高分解能画像を得ること
が困難であった。 【解決手段】 未知の目標のレーダ断面積(RCS)を
抽出する特徴量抽出手段17と、複数の候補目標の統計
量をアスペクト角ごとに出力する辞書データ作成部21
と、目標の実際のアスペクト角に対応する統計量を複数
の候補目標ごとに読み出す統計量データベース検索手段
16と、未知の目標のRCSと検索された統計量とに基
づき未知の目標が候補目標である確率を算出する単一特
徴量確率密度算出手段18と、候補目標のうちで未知の
目標に最も近いものを選択する目標識別手段19とを備
え、分解能の低いレーダにおいても目標の認識・識別を
可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダを用いて取
得したレーダ断面積RCS(Radar Cross
Section)等の特徴量に基づき目標の認識・識別
を行うレーダによる目標の識別装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】通常のレーダ装置は、航空機、船舶、車
両等の目標を検出するとともに、その方位及び距離を測
定し、目標の位置を特定する。さらに、目標の速度を測
定することもある。通常のレーダ装置は目標を検出でき
るものの、目標が何であるか、例えば、目標が航空機で
あるとき、それが大型機であるか、小型機であるか、さ
らにその機種は何であるか等について知ることはできな
い。しかし、このような目標の認識及び識別を可能にす
ることについて要求されることがあり、認識・識別機能
を備えるレーダ装置が提案されている。
【0003】図29は、例えば特開平6−174838
号公報に示された、従来のレーダによる目標の識別装置
の構成を示すブロック図である。
【0004】同図において、1は送信機、2は送受切換
器、3は送受信アンテナ、4は受信機である。送信機1
の送信信号は送受切換器2を経由して送受信アンテナ3
に供給される。また、送受信アンテナ3の受信信号は送
受切換器2を経由して受信機4に入力される。
【0005】5は受信機4の出力に対して逆合成開口処
理(Inversed Synthetic Aper
ture Radar:ISAR)を行いレーダ画像を
再生するレーダ画像再生手段である。このレーダ画像再
生手段5は、レンジ方向の分解能を向上するためのレン
ジ圧縮手段51、目標の動きを補償するための動き補償
手段52、レンジ方向と交差する方向のクロスレンジ方
向の分解能を向上するためのクロスレンジ圧縮手段5
3、これらの処理を行うためにレンジ圧縮手段51の出
力を記憶する2次元記憶手段54からなる。
【0006】6はレーダ画像再生手段5の出力画像及び
後述の畳み込み積分回路11の出力画像(辞書画像)を
表示するレーダ画像表示手段である。このレーダ画像表
示手段6は、2次元表示バッファ6001やモニタTV
6002等を備える。
【0007】7は反射波中の目標を追尾する目標追尾手
段、8は目標追尾手段7の出力に基づき点像応答を推定
する点像応答推定手段、9は目標追尾手段7の出力に基
づき目標のアスペクト角を推定する目標アスペクト角推
定手段、10は目標アスペクト角推定手段9の出力に基
づき目標のRCSを算出するRCS算出手段、11は点
像応答推定手段8の出力信号とRCS算出手段10の出
力信号とにより畳み込み積分を行う畳み込み積分手段、
12はRCSを算出するためのデータを形状毎に蓄積し
ている目標形状データ蓄積手段である。
【0008】目標追尾手段7から目標形状データ蓄積手
段12は、レーダ画像再生手段5とは異なるレーダ画像
を作成する。
【0009】また、13はレーダ画像表示手段6のモニ
タTV画像を監視するオペレータを示す。
【0010】図30は観測時の目標とレーダとの位置関
係及び目標の運動を示す説明図である。図中、501は
航空機等の目標、502は図29のレーダ装置を示す。
【0011】次に図面に従って動作について説明する。
【0012】図29の送信機1で発生した高周波信号
は、送受切換器2を経て送受信アンテナ3から図30の
目標501に向け放射される。目標501に照射された
高周波信号の一部がレーダ装置502の方向に反射し送
受信アンテナ3で受信される。受信された信号は、送受
切換器2を経て受信機4で増幅・検波された後、レーダ
画像再生手段5によって目標501のRCS分布を示す
レーダ画像に変換され、レーダ画像表示手段6により表
示される。
【0013】以下に、画像再生の動作について詳しく説
明する。
【0014】受信機4から出力された受信信号は、レー
ダ画像再生手段5へ入力され、まず、レンジ圧縮手段5
1でレンジ分解能を向上させる処理、即ちパルス圧縮が
行われる。レンジ圧縮後の受信信号は2次元記憶手段5
4にレンジビン番号m及びパルスヒット番号nに応じて
格納される。目標501の動きから画像再生に有害なラ
ンダム成分を除去するために、動き補償手段52は、2
次元記憶手段54から受信信号を読み出し、目標501
の中心点のドップラー周波数が0となるように、動き補
償手段52により位相補償及びレンジビンの並べ換えが
行われる。その後、受信信号は、再び2次元記憶手段5
4に格納される。
【0015】今、図30に示すように目標501が、ヨ
ー運動(進行方向に対する左右の動き)による回転運
動、あるいは直進運動をしているものと仮定する。この
とき、同一レンジビン内に存在する目標上の相異なる点
がそれぞれ異なるドップラー周波数の反射波を発生す
る。これを利用して、クロスレンジ圧縮手段53では、
動き補償手段52による位相補償後の受信信号をレンジ
ビン毎にFFT(FastFourier Trans
form)を行うことにより、クロスレンジ分解能の向
上を図る。以上、レンジ圧縮手段51、クロスレンジ圧
縮手段53により、レンジ及びクロスレンジの両方向に
ついて高分解能化される。このように目標の運動により
生じるドップラー効果を利用してその形状の画像を得る
処理はISAR(Inversed Syntheti
c Aperture)処理と呼ばれるものであり、公
知のものである。
【0016】レーダ画像再生手段5により得られた、目
標の各点のRCS分布を表すレーダ画像はレーダ画像表
示手段6へ送られる。そして、2次元表示バッファ60
01に一旦格納された後、モニタTV6002に画像と
して表示される。
【0017】以上のように、レーダ画像再生手段6によ
りレーダ画像が得られるが、モニタTV6002に表示
される、もう一つの画像(辞書画像)を得るための処理
について説明する。
【0018】受信機4で得られる受信信号は目標追尾手
段7にも供給される。目標追尾手段7は、目標501の
進行方向、位置、速度、加速度等の運動特性を推定す
る。
【0019】点像応答推定手段8は、目標追尾手段7の
結果と、既知であるレーダ装置の諸元からレーダ装置5
02のインパルスレスポンスに相当する点像応答関数を
算出する。
【0020】また同時に、目標アスペクト角推定手段9
は、目標追尾手段7の結果に基づき得られる目標501
の位置及び進行方向と、既知のレーダ装置502の位置
とから目標のアスペクト角を推定する。
【0021】RCS算出手段10は、目標形状データ蓄
積手段12に格納された3次元形状データを順次読みだ
し、目標アスペクト角推定手段9により推定された目標
のアスペクト角に基づいて目標のRCS分布を算出す
る。目標形状データ蓄積手段12には、目標毎の3次元
形状データが予め格納されている。RCS分布の計算に
は、例えばGTD(Geometrical Theo
ry of Diffraction)やPTD(Ph
ysical Theory of Diffract
ion)など良く知られた手法が利用できる。RCS算
出手段10の処理の際に、目標の形状データの分解能と
レーダ装置の分解能とは必ずしも一致しない。そこで、
これらを整合させるため、畳み込み積分手段11が、R
CS算出手段10によるRCS分布と点像応答推定手段
8による点像応答関数との畳み込み積分を行う。
【0022】以上のように、目標追尾手段7乃至目標形
状データ蓄積手段12により、認識・識別用の辞書画像
を生成する。
【0023】このようにして生成されたレーダ画像及び
辞書画像は、レーダ画像表示手段6上で表示される。従
って、オペレータ13はこれら2種類の画像を同時に見
ることができ、たとえレーダ画像再生手段5により再生
されたレーダ画像が日常見慣れた可視光による目標の画
像と異なっていても、辞書画像と比較することにより、
容易に認識及び識別することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来のレーダに
よる目標の識別装置は以上のように構成されているの
で、ISAR処理を行い、目標の形状に関する情報が得
られる程度の高分解能画像を得ている。この高分解能画
像を得るためには、広帯域の送信信号で、かつ、長時間
観測しなければならない。従って、分解能が低い場合に
おいて目標の認識・識別処理を実現するのは困難である
などの課題があった。
【0025】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、分解能が低いレーダ装置において
も、目標の認識及び識別を可能にするレーダによる目標
の識別装置を提供することを目的とする。
【0026】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明に係るレーダによる目標の識別
装置は、レーダ受信機が出力する目標からの反射信号に
基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標追尾手段
と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標のレーダ
に対する向きを示すアスペクト角を推定する目標アスペ
クト角推定手段と、予め定められた複数の候補目標につ
いての統計量データをアスペクト角毎に出力する統計量
データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手段によ
り推定されたアスペクト角の統計量データを前記統計量
データ作成手段から読み出して前記複数の候補目標毎に
出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段の出力
及び前記統計量検索手段の出力に基づき前記目標の確率
密度値を前記複数の候補目標毎に算出する確率密度算出
手段と、前記確率密度値に基づき前記目標に近い候補目
標を選択し、選択された候補目標を前記目標の識別結果
として出力する目標識別手段とを備えたことを特徴とし
ている。
【0028】本願請求項2の発明に係るレーダによる目
標の識別装置は、請求項1において、レーダ送信機から
の目標に対するレーダ送信波を送信する送信アンテナ
と、この送信アンテナと離れた位置に設置され、前記目
標からの反射波を受信し前記レーダ受信機へ出力する受
信アンテナとを備え、前記統計量データ作成手段は、予
め定められた複数の候補目標についての統計量データ
を、前記目標と前記送信アンテナとの間の送信アスペク
ト角、及び前記目標と前記受信アンテナとの間の受信ア
スペクト角によって特定される角度毎に出力し、前記目
標アスペクト角推定手段は、前記目標追尾手段の出力に
基づき前記送信アスペクト角及び前記受信アスペクト角
を推定し、前記統計量検索手段は、前記目標アスペクト
角推定手段により推定された送信アスペクト角及び受信
アスペクト角に基づき、前記統計量データを前記統計量
データ作成手段から読み出して前記複数の候補目標毎に
出力することを特徴としている。
【0029】本願の請求項3の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、目標に対するレーダ送信波の偏波及
び受信波の偏波の組合せからの反射信号の偏波の種類を
選択する選択手段と、前記選択手段の出力に基づき前記
目標の特徴量を前記偏波の組合せ毎に抽出する特徴量抽
出手段と、前記受信波に基づき前記目標を追尾する目標
追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標
のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目
標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補
目標についての統計量データをアスペクト角及び前記偏
波の組合せ毎に出力する統計量データ作成手段と、前記
目標アスペクト角推定手段により推定されたアスペクト
角の統計量データを前記統計量データ作成手段から読み
出して前記複数の候補目標及び前記偏波の組合せ毎に出
力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段の出力及
び前記統計量検索手段の出力に基づき前記目標の確率密
度値を前記複数の候補目標及び前記偏波の組合せ毎に算
出する確率密度算出手段と、前記確率密度算出手段によ
り得られた確率密度値を前記偏波の組合せ毎にまとめて
前記複数の候補目標毎の確率密度値とする特徴空間確率
密度算出手段と、前記確率密度値に基づき前記目標に近
い候補目標を選択し、選択された候補目標を前記目標の
識別結果として出力する目標識別手段とを備えたことを
特徴としている。
【0030】本願請求項4の発明に係るレーダによる目
標の識別装置は、請求項3において、偏波の組合せ毎の
重み係数を予め格納する重みデータベースを備え、前記
特徴空間確率密度算出手段は、確率密度値を前記偏波の
組合せ毎にまとめるときに前記重み係数に基づき重み付
けを行うことを特徴としている。
【0031】本願の請求項5の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、目標に対するレーダ送信波の周波数
及び受信波の周波数の種類を選択する選択手段と、前記
選択手段の出力に基づき前記目標の特徴量を前記周波数
の種類毎に抽出する特徴量抽出手段と、前記受信波に基
づき前記目標を追尾する目標追尾手段と、前記目標追尾
手段の出力に基づき前記目標のレーダに対する向きを示
すアスペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段
と、予め定められた複数の候補目標についての統計量デ
ータをアスペクト角及び前記周波数の種類毎に出力する
統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手
段により推定されたアスペクト角の統計量データを前記
統計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補目
標及び前記周波数の種類毎に出力する統計量検索手段
と、前記特徴量抽出手段の出力及び前記統計量検索手段
の出力に基づき前記目標の確率密度値を前記複数の候補
目標及び前記周波数の種類毎に算出する確率密度算出手
段と、前記確率密度算出手段により得られた確率密度値
を前記周波数の種類毎にまとめて前記複数の候補目標毎
の確率密度値とする特徴空間確率密度算出手段と、前記
確率密度値から前記目標に近い候補目標を選択し、選択
された候補目標を前記目標の識別結果として出力する目
標識別手段とを備えたことを特徴としている。
【0032】本願の請求項6の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、請求項5において、周波数の種類毎
に重み係数を予め格納する重みデータベースを備え、前
記特徴空間確率密度算出手段は、確率密度値を前記周波
数の種類毎にまとめるときに前記重み係数に基づき重み
付けを行うことを特徴としている。
【0033】本願の請求項7の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、請求項1乃至6のいずれかにおい
て、前記統計量データ作成手段に、候補目標毎の形状を
予め格納する目標形状データ蓄積手段と、前記候補目標
毎の形状に基づきレーダ断面積を算出するRCS算出手
段と、前記RCS算出手段の出力に基づき統計量を前記
候補目標毎に算出する統計量算出手段と、前記統計量算
出手段により得られた統計量を格納するとともに、前記
統計量検索手段の指定に基づき対応する統計量データを
出力する統計量データベースとを備えたことを特徴とし
ている。
【0034】本願の請求項8の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、請求項1,3,4,5又は6におい
て、前記統計量データ作成手段に、候補目標毎の形状を
予め格納する目標形状データ蓄積手段と、前記候補目標
毎の形状に基づきレーダ断面積を算出するRCS算出手
段と、前記RCS算出手段の出力に基づき統計量を前記
候補目標毎に算出する統計量算出手段と、前記候補目標
のうちで互いに近似するもの同士をカテゴリにまとめる
カテゴリ分離手段と、前記カテゴリ毎の統計量を算出す
るとともに、前記カテゴリに含まれない候補目標の統計
量を出力するカテゴリ別統計量算出手段と、前記カテゴ
リ毎の統計量及び前記カテゴリに含まれない候補目標の
統計量を格納するとともに、前記統計量検索手段の指定
に基づき対応する統計量データを出力する統計量データ
ベースとを備えたことを特徴としている。
【0035】本願の請求項9の発明に係るレーダによる
目標の識別装置は、請求項8において、前記目標識別手
段は、選択された候補目標がカテゴリであるときに、前
記カテゴリ及びこれに含まれる複数の候補目標を表示す
ることを特徴としている。
【0036】本願の請求項10の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項7又は8において、前記統
計量検索手段により指定されたアスペクト角に対応する
統計量データが存在しないときに近傍の統計量データを
前記統計量データベースから読み出すとともに、前記近
傍の統計量データに基づき補間処理を行い、前記指定さ
れたアスペクト角に対応する統計量データを算出して出
力するデータベース補間手段を備えたことを特徴として
いる。
【0037】本願の請求項11の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項10において、前記統計量
データベースが、方位角及び仰角それぞれについて統計
量データを格納し、前記データベース補間手段は、方位
角及び仰角それぞれについて補間処理を行うとともに、
前記データベース補間手段により得られた方位角の統計
量と仰角の統計量とを融合し、融合された統計量データ
を前記統計量検索手段に出力するアジマス・エレベーシ
ョン独立統計量融合手段を備えたことを特徴としてい
る。
【0038】本願の請求項12の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項1,3,4,5又は6にお
いて、前記目標アスペクト角推定手段により推定された
アスペクト角に基づき特徴量を算出するアスペクト角範
囲を決定するアスペクト角決定手段を備えるとともに、
前記統計量データ作成手段に、候補目標毎の形状を予め
格納する目標形状データ蓄積手段と、前記アスペクト角
範囲内において前記候補目標毎の形状に基づきレーダ断
面積を算出するRCS算出手段と、前記RCS算出手段
の出力に基づき統計量を前記候補目標毎に算出して統計
量検索手段に出力する統計量算出手段とを備えたことを
特徴としている。
【0039】本願の請求項13の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項7,8又は12において、
前記統計量データ作成手段に、複数の分布モデルを予め
格納する分布モデルデータベースと、前記RCS算出手
段の出力の分布を前記複数の分布モデルと比較すること
により分布を検定する分布検定手段とを備えるととも
に、前記統計量算出手段は、前記分布検定手段により定
められた分布に基づき統計量を算出することを特徴とし
ている。
【0040】本願の請求項14の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、レーダ受信機が出力する目標から
の反射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量
抽出手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する
目標追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記
目標のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定す
る目標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の
候補目標についての統計量データをアスペクト角毎に出
力する統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角
推定手段により推定されたアスペクト角の統計量データ
を前記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の
候補目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽
出手段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検
索手段の出力した前記統計量に基づき、各観測において
前記目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す
確率値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率
値算出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候
補目標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確
率値蓄積手段と、前記単一スキャン確率値蓄積手段から
読み出した前記各候補目標毎の前記確率値を基にした値
の複数回の観測における値の平均操作をすることによ
り、前記複数回の観測に亘る複数スキャン確率平均値を
算出する複数スキャン確率平均値算出手段と、前記複数
スキャン確率平均値に基づき、前記目標に近い候補目標
を選択し、選択された前記候補目標を前記目標の識別結
果として出力する目標識別手段とを備えたことを特徴と
している。
【0041】本願の請求項15の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項14において、前記統計量
算出手段は、特徴量がガウス分布しているものとみなし
て統計量として特徴量の平均値及び標準偏差を求め、前
記単一スキャン確率値算出手段は、確率値として、前記
平均値及び前記標準偏差を有するガウス分布における、
前記特徴量抽出手段の出力した特徴量に対応する確率密
度を算出することを特徴としている。
【0042】本願の請求項16の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項14又は15において、各
観測における各候補目標の確率値を全候補目標の確率値
の総和により規格化した単一スキャン関連確率を算出す
る単一スキャン関連確率算出手段を備え、複数スキャン
確率平均値算出手段は、確率値を基にした値として、前
記単一スキャン関連確率算出手段が算出した前記単一ス
キャン関連確率を用いることを特徴としている。
【0043】本願の請求項17の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項15において、前記複数ス
キャン確率平均値算出手段は、確率値を基にした値の複
数回の観測における相加平均をとることを特徴としてい
る。
【0044】本願の請求項18の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、請求項15において、複数スキャ
ン確率平均値算出手段は、確率値を基にした値の複数回
の観測における相乗平均をとることを特徴としている。
【0045】本願の請求項19の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、レーダ受信機が出力する目標から
の反射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量
抽出手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する
目標追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記
目標のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定す
る目標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の
候補目標についての統計量データをアスペクト角毎に出
力する統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角
推定手段により推定されたアスペクト角の統計量データ
を前記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の
候補目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽
出手段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検
索手段の出力した前記統計量に基づき、各観測において
前記目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す
確率値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率
値算出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候
補目標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確
率値蓄積手段と、前記単一スキャン確率値蓄積手段から
読み出した各候補目標の確率値を基にして前記目標であ
ると考えられる候補目標を選択した結果を表す単一スキ
ャン選択目標を算出する単一スキャン選択目標算出手段
と、前記単一スキャン選択目標算出手段が算出した前記
単一スキャン選択目標を用い、前記単一スキャン選択目
標を前記各候補目標毎に複数回の観測で平均操作した複
数スキャン目標選択率を複数スキャン確率平均値として
算出する複数スキャン確率平均値算出手段とを備えたこ
とを特徴としている。
【0046】本願の請求項20の発明に係るレーダによ
る目標の識別装置は、レーダ受信機が出力する目標から
の反射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量
抽出手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する
目標追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記
目標のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定す
る目標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の
候補目標についての統計量データをアスペクト角毎に出
力する統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角
推定手段により推定されたアスペクト角の統計量データ
を前記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の
候補目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽
出手段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検
索手段の出力した前記統計量に基づき、各観測において
前記目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す
確率値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率
値算出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候
補目標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確
率値蓄積手段と、事前のシミュレーションから、各アス
ペクト角毎の識別率を計算し、これを各アスペクト角毎
の重み係数とする重みデータベース生成手段と、前記重
みデータベース生成手段で計算された各アスペクト角毎
の重み係数を蓄積する重みデータベースと、目標アスペ
クト角推定手段において各観測に対して得られる目標の
推定アスペクト角を用いて重みデータベースを検索し、
その回の観測結果に対する重み係数を出力する重みデー
タベース検索手段と、複数回の観測における各候補目標
毎の確率値と、前記重みデータベース検索手段から出力
された各観測に対する重み係数を用いて、前記候補目標
毎に複数回の観測における前記確率値を加重平均した複
数スキャン重み付き確率平均値を複数スキャン確率平均
値として算出する複数スキャン確率平均値算出手段と、
前記複数スキャン確率平均値に基づき、前記目標に近い
候補目標を選択し、選択された前記候補目標を前記目標
の識別結果として出力する目標識別手段とを備えたこと
を特徴としている。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るレーダによる
目標の識別装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0048】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0049】同図において、1は送信機、2は送受切換
器、3は送受信アンテナ、4は受信機である。送信機1
の送信信号は送受切換器2を経由して送受信アンテナ3
に供給される。また、送受信アンテナ3の受信信号は送
受切換器2を経由して受信機4に入力される。
【0050】7は受信機4が出力する反射信号中の目標
を追尾する目標追尾手段、9は目標追尾手段7の出力に
基づき目標のアスペクト角を推定する目標アスペクト角
推定手段、16は後述する辞書データ作成部21の統計
量データベース214に基づき、目標のアスペクト角に
対応する候補目標毎の統計量データμS(n),σS
(n)(nが候補目標を意味する)を検索する統計量デ
ータベース検索手段(統計量検索手段)、17は受信機
4が出力する反射信号中の目標の特徴量SUNKNOW
Nを抽出する特徴量抽出手段、18は統計量データμS
(n),σS(n)及び特徴量SUNKNOWNに基づ
き候補目標毎の確率密度値を算出する単一特徴量確率密
度算出手段(確率密度算出手段)、19は単一特徴量確
率密度算出手段18による候補目標毎の確率密度値のう
ちの最大のものを選択することにより、目標に最も近い
候補目標を選択する目標識別手段、20は目標識別手段
19の識別結果を表示する識別結果表示手段である。
【0051】21は辞書データ作成部であり、候補目標
についての手本となる辞書データを出力するもので、統
計量データ作成手段に対応する。この辞書データ作成部
21は、RCS(Radar Cross Secti
on)を算出するための形状データを候補目標毎に予め
蓄積している目標形状データ蓄積手段211と、目標形
状データ蓄積手段211から目標形状データを読み出し
て目標のRCSを候補目標毎に算出するRCS算出手段
212と、目標のRCSに基づき候補目標毎の統計量デ
ータμS(n),σS(n)を算出する統計量算出手段
213と、統計量データμS(n),σS(n)を格納
する統計量データベース214とからなる。統計量デー
タベース214は、アスペクト角推定誤差の影響を考慮
に入れたデータベースである。なお、目標形状データ蓄
積手段211、RCS算出手段212は、従来例の目標
形状データ蓄積手段12、RCS算出手段10に相当す
る。
【0052】また、13は識別結果表示手段20を監視
するオペレータを示す。
【0053】特徴量とは、目標を特徴づける物理量のこ
とである。たとえば、目標からの反射信号の振幅、その
変化、周波数(ドップラー周波数を含む)、その変化、
時間遅れ(つまり目標の位置)、その変化等である。こ
れらはレーダの送受信周波数あるいは偏波により変化す
る。また、これら特徴量から得られる目標のレーダ断面
積(Radar Cross Section:RC
S)、目標の速度、飛行経路等の運動性等も特徴量であ
る。
【0054】統計量とは、候補目標の特徴量の分布を示
すパラメータ、例えば、平均、分散等である。この統計
量は、仮定する分布の種類によりさまざまなものがあ
る。例えば次のようなものがある。 ・ガウス分布(詳細は後述する)の平均、標準偏差。 ・レイリー分布 P(R)=(R/σ2 )exp{−(R2 /2σ2 )}の標準 偏差σ。 ・ワイブル分布 P(R)=(c/b)(R/b)c-1 exp{−(R/b)c } の尺度パラメータb、構造パラメータc。 ・一様分布 P(R)=1/(e−d) (d≦R≦e) P(R)=0 (otherwise)の分布領域を表す パラメータd,e。
【0055】確率密度値とは、レーダで観測された目標
が、ある候補目標である確率に相当する値である。全く
誤差がないと仮定すると、特徴量抽出手段による特徴量
と、辞書データベースに格納されたある候補目標の特徴
量とが一致することもあり得るが、このようなケースは
実際にはありえない。そこで、辞書データの特徴量に統
計的な分布の広がりを考え、上記確率密度値を導入する
ことにより実用性を高めた。
【0056】図2は本実施の形態1における辞書データ
作成部21の処理内容を示すフローチャート(流れ図)
である。図3はRCS算出手段212で計算されたRC
S分布の一例である。図4はアスペクト角推定誤差の確
率密度分布の一例である。図5はあるアスペクト角にお
ける特徴量の確率密度分布の一例である。
【0057】図1の装置は、レーダ装置の受信信号中で
検出された未知の目標の認識・識別を行う装置である。
図1の装置の動作について説明する前に、目標の認識・
識別の意味について説明する。
【0058】通常のレーダ装置は、受信信号中の目標を
検出すること、検出された目標の位置(方位、距離、高
度)を測定することができる。しかし、検出された目標
が何であるか、例えば、航空機を目標とする通常のレー
ダ装置の場合、目標の機種まではわからない。一方、目
標が何であるか知ることができれば、適切な対応をとる
ことができるので、目標が何であるかを知りたいという
要求がある。本発明の装置は、係る要求に応えるもので
ある。すなわち、この装置が行う認識・識別とは、レー
ダ装置の受信信号中で検出された未知の目標がどのよう
なものであるのか、例えば、航空機を対象にしている場
合、目標がヘリコプターであるのか、小型の単発機であ
るのか、中型の双発機であるのか、大型のジェット機で
あるのか、大型のジェット機であればその機種はB74
7,B777,MD81,DC10,A300のいずれ
であるのか等を判定することである。
【0059】この装置の認識・識別処理は次のような原
理に基づいている。すなわち、得られた目標の情報を、
予め予想される目標である候補目標の情報、すなわち
「辞書データ」の情報と比較し、これら比較結果のうち
でもっとも似ているものを選択することにより目標がそ
の候補目標であると判定する。「辞書データ」には、予
め複数の候補目標に関する情報が記憶されている。
【0060】次に、実施の形態1の装置の動作を、図1
乃至図5、及び図30を用いて説明する。
【0061】送信機1で発生した高周波信号は、送受切
換器2を経て送受信アンテナ3から図30に示した目標
501に向け放射される。目標501に照射された高周
波信号の一部がレーダ装置502の方向に反射され、送
受信アンテナ3で受信される。この受信信号は、送受切
換器2を経て受信機4で増幅・検波された後、目標追尾
手段7及び特徴量抽出手段17に送られる。
【0062】目標追尾手段7は、目標501の進行方
向、位置、速度、加速度等の運動特性を推定する。目標
アスペクト角推定手段9は、目標追尾手段7の結果に基
づき得られる目標501の位置及び進行方向と、既知の
レーダ装置502の位置とから目標のアスペクト角{ア
ジマス角(方位角)θAZI、エレベーション角(仰角)
θELE}を推定する。
【0063】統計量データベース検索手段16は、目標
のアスペクト角に基づき統計量データベース214に蓄
積された認識・識別用データを検索する。この処理内容
の詳細については後述する。
【0064】一方、特徴量抽出手段17は、受信信号の
強度を測定して未知目標のRCSを特徴量SUNKNO
WNとして得て、次段の単一特徴量確率密度算出手段1
8に送る。この処理内容についての詳細は、後述する。
【0065】単一特徴量確率密度算出手段18は、統計
量データベース検索手段16の出力μS(n),σS
(n)及び特徴量抽出手段17の出力SUNKNOWN
に基づき単一特徴量確率密度を算出する。この処理内容
の詳細については後述する。
【0066】次に、認識・識別用データの内容、作成動
作、蓄積動作について詳しく説明する。
【0067】[辞書データ作成部21の処理内容]ま
ず、辞書データ作成部21の処理内容について、図2の
フローチャートを用いて、それぞれのステップ毎に項分
けして説明する。
【0068】[ST1]候補機種の決定を行う。まず、
このレーダシステムの運用形態に基づいた候補機種を予
め決定しておき、従来例と同様に各候補機種の3次元形
状データを目標形状データ蓄積手段211に蓄積する。
目標形状データ蓄積手段211に蓄積されるデータは、
例えば、ヘリコプター、小型の単発機、中型の双発機、
大型のジェット機、大型のジェット機であればその機種
B747,B777,MD81,DC10,A300等
毎の形状データである。なお、対象となる目標は航空機
に限らず、航空機以外の船舶、車両等であってもよい。
【0069】[ST2]考慮アスペクト角範囲の決定を
行う。ST1と同じく、システムの運用要求に従った考
慮すべきアスペクト角範囲を予め決定しておく。アスペ
クト角範囲は、目標とレーダシステムとの関係がいかな
る場合に認識・識別を行うかを決めるためのものであ
る。目標とレーダシステムの関係によってアスペクト角
が変わるからである。目標とレーダシステムの関係と、
アスペクト角との組み合わせとして次のようなケースが
考えられる。
【0070】(1)目標がレーダ設置場所の方向に向か
ってくるときにのみ、認識・識別を行うという運用にお
いて、目標とレーダシステムとはほぼ正対するため、考
慮すべきアスペクト角範囲は、0°を中心とした比較的
狭い範囲である。たとえば、0°±5〜10°である。 (2)目標がレーダ設置場所の方向から遠ざかるときに
のみ、認識・識別を行うという運用において、目標はレ
ーダシステムとはほぼ反対方向を向くため、考慮すべき
アスペクト角範囲は、180°を中心とした比較的狭い
範囲である。 (3)目標がレーダ設置場所に対して側面を見せつつ遠
ざかるとき、つまり遠方を通過するときにのみ、認識・
識別を行うという運用において、考慮すべきアスペクト
角範囲は、0°を中心とした比較的狭い範囲である。 (4)上記(1)〜(3)の組み合わせ。
【0071】[ST4]各候補機種において、各アスペ
クト角での特徴量S(θa,θe)を計算する。RCS
算出手段212により、各目標の考慮アスペクト角範囲
内のRCS分布S(θa,θe)を算出する。ここで、
θa,θeは、それぞれ、考慮アスペクト角範囲内の目
標に対する、レーダのアンテナのアジマス、エレベーシ
ョン角を表す。このS(θa,θe)が特徴量となる。
RCS算出手段212によるRCS分布の計算には、例
えばGTD(Geometrical Theory
of Diffraction)やPTD(Physi
cal Theory of Diffractio
n)など良く知られた手法が利用できる。
【0072】RCS算出手段212により得られた特徴
量S(θa,θe)の分布の一例を図3に示す。図3
は、横方向がアジマス角(Azimuth)、奥行き方
向がエレベーション角(Elevation)を示す。
高さ方向は、デシベル表示の特徴量RCSの値を示して
いる。
【0073】[ST3]アスペクト角推定誤差の標準偏
差σAZI,σELEを与える。目標アスペクト角推定手段9
により得られるアスペクト角にはある程度の推定誤差が
含まれる。従って、認識・識別を正確に行うためには、
辞書データについても推定誤差を考慮した方がよい。こ
の推定誤差はガウス分布に従うと仮定すると、その統計
量は平均と標準偏差で与えられる。ところで、アスペク
ト角推定誤差は使用するレーダシステムの性能に依存す
るので、推定誤差を予め知ることは可能である。そこで
アジマス方向の誤差の標準偏差をσAZI、エレベーショ
ン方向の誤差の標準偏差をσELEを予め求めておく。す
なわち、目標アスペクト角推定手段9で得られたアジマ
ス、エレベーション角の誤差の標準偏差は、それぞれσ
AZI,σELEである。
【0074】[ST5]観測アスペクト角が[θAZI,
θELE]の時の推定誤差の確率密度分布P(θAZI,θEL
E,θa,θe)を計算する。観測されたアスペクト
角、すなわち観測アジマス、観測エレベーション角が、
それぞれθAZI,θELEで与えられたとき、アジマス角θ
a、エレベーション角θeのアスペクト角の確率密度分
布は次式のように表せる。
【数1】
【0075】確率密度分布の一例を図示したものが図4
である。平面上の2つの軸がアジマスとエレベーション
の角度、縦軸が確率密度を表す。このようにアスペクト
角、すなわち観測アジマスθAZI、観測エレベーション
角θELEが、式(1)により確率密度分布に変換され
る。これに伴い、観測アスペクト角に対する特徴量RC
Sの値も確率密度分布で与えられることとなる。
【0076】[ST6]考慮アスペクト角[θAZI,θE
LE]における各候補目標の確率密度分布を計算する。式
(1)により得られたアスペクト角の分布に基づき、図
3のS(θa,θe)を変換する。ここでは取り扱いの
簡単のために、あるアスペクト角[θAZI,θELE]につ
いてのS(θa,θe)の分布は、図5のようにある特
徴量を中心に概ねガウス分布をなすと見做すこととす
る。
【0077】[ST7]各アスペクト角[θAZI,θEL
E]における各候補目標の特徴量Sの確率密度分布をガ
ウス分布とみなし、その平均値μS、標準偏差σSを計
算する。観測アスペクト角θAZI,θELEにおける、ある
候補目標の特徴量の平均値μS、標準偏差σSの値はそ
れぞれ次式に示すものとなる。
【数2】
【0078】ここで、Da,Deはそれぞれ、ST2で
定められた考慮すべきアジマス、エレベーションの範囲
である。また、S(θa,θe)は特徴量のアスペクト
角特性である。このST7の処理は、統計量算出手段2
13で行われる。
【0079】[ST8]各候補目標、各アスペクト角毎
にμS,σSを格納する。すなわち、式(2),(3)
により得られたμS,σSを統計量データベース214
に格納する。統計量データベース214に蓄積されるデ
ータは、ST1で決定された候補機種毎に関するアスペ
クト角毎のμS,σSのデータである。
【0080】例えば、次のようなものである。 候補機種1:B747 アスペクト角[θAZI,θELE] 特徴量Sの平均値μS,標準偏差σS θAZI(1,1) ,θELE(1,1) μS(1,1) ,σS(1,1) θAZI(1,2) ,θELE(1,2) μS(1,2) ,σS(1,2) θAZI(1,3) ,θELE(1,3) μS(1,3) ,σS(1,3) ・ ・ ・ ・ θAZI(1,m) ,θELE(1,m) μS(1,m) ,σS(1,m) 候補機種2:B777 アスペクト角[θAZI,θELE] 特徴量Sの平均値μS,標準偏差σS θAZI(2,1) ,θELE(2,1) μS(2,1) ,σS(2,1) θAZI(2,2) ,θELE(2,2) μS(2,2) ,σS(2,2) θAZI(2,3) ,θELE(2,3) μS(2,3) ,σS(2,3) ・ ・ ・ ・ θAZI(2,m) ,θELE(2,m) μS(2,m) ,σS(2,m)
【0081】以下、同様に、候補目標3:MD81,候
補目標4:DC10,候補目標5:A300,・・・,
候補目標N:XXXXについてのデータが統計量データ
ベース214に格納される。
【0082】以上の処理は、予めバッチ処理で行ってお
いてもよいし、レーダの動作とともにリアルタイム処理
で行ってもよい。
【0083】[その他の構成要素の処理内容]統計量デ
ータベース検索手段16は、目標アスペクト角推定手段
9で得られた、未知目標のアスペクト角θAZI,θELEに
基づいて、統計量データベース214を検索し、このア
スペクト角θAZI,θELEにもっとも近いデータμS
(i,j),σS(i,j)を取り出す。ただし、候補
目標の数をN、各候補目標におけるアスペクト角の数を
mとして、i=1,2,...,N,j=1,
2,...,mである。従って、統計量データベース検
索手段16により、N種類の候補目標についての特徴量
の平均値μS(n) (n=1,2,...,N)、標
準偏差σS(n) (n=1,2,...,N)が得ら
れる。
【0084】特徴量抽出手段17は、検出された目標の
特徴量RCSを受信信号に基づき求める。公知のレーダ
方程式レーダによれば、得られた受信信号強度は目標の
RCSに比例する。従って、受信信号の強度を測定する
ことにより目標の特徴量RCSを求めることができる。
特徴量抽出手段17は、この求めた目標の特徴量RCS
を特徴量SUNKNOWNとして出力する。
【0085】単一特徴量確率密度算出手段18は、未知
目標の特徴量SUNKNOWNに対する各候補目標の確
率密度PS(n)を求める。確率密度PS(n)は、次
式に基づいて求められる。
【数3】
【0086】式(4)により求められた確率密度PS
(n)は、目標の特徴量がSUNKNOWNである場合
において、それがある候補目標である確率密度を意味す
る。例えば、次のような関係がある。 候補機種1:B747の確率密度=PS(1) 候補機種2:B777の確率密度=PS(2) 候補目標3:MD81の確率密度=PS(3) 候補目標4:DC10の確率密度=PS(4) 候補目標5:A300の確率密度=PS(5) ・ ・ ・ 候補目標N:XXXXの確率密度=PS(N)
【0087】ところで、単一特徴量確率密度算出手段1
8で求められた確率密度PS(n)は、特徴量SUNK
NOWNをもつ未知の目標と候補目標1〜Nとの関連性
を示す。確率密度PS(n)が大きい程、関連性は高い
と考えられる。
【0088】そこで、目標識別手段19は、次式により
未知目標の機種番号nUNKNOWNを決定する。ここ
にargmax( )は、括弧内を最大とするnを選択す
る処理を示す。
【数4】
【0089】この式(5)の処理により、特徴量SUN
KNOWNをもつ未知の目標は、nUNKNOWN番目
の候補目標にもっとも近いことがわかる。
【0090】識別結果表示手段20は、nUNKNOW
Nに対応する候補機種を識別結果として表示する。
【0091】オペレータ13は、識別結果表示手段20
を監視することにより識別結果を知ることができる。
【0092】以上の構成とする事により、高分解能画像
を得られないレーダにおいても目標の認識・識別が可能
である。さらに、認識・識別の際に、アスペクト角の推
定誤差に伴い発生するRCSの変動を考慮して目標を認
識・識別することができる。
【0093】ここで、特徴量抽出手段17で得られた特
徴量と、目標アスペクト角推定手段9で得られたアスペ
クト角を用いて、図3に示す特徴量分布と直接比較し、
値の最も近い候補目標を識別結果とする手法も考えられ
るが、一般に航空機等のRCSは、アスペクト角のわず
かな変化に対して大きく変化することが知られている。
さらに、目標アスペクト角推定手段9の推定結果には精
度の誤差が生じることは避けられない。従って、RCS
データベースと観測RCS値の直接比較による識別方式
では識別率が低くなってしまう。この実施の形態1の装
置では、認識・識別用の辞書データをアスペクト角の誤
差を考慮に入れた確率密度分布とし、これを用いて認識
・識別することにより、このアスペクト角推定誤差の影
響を解決している。
【0094】以上のように、この実施の形態1によれば
次のような効果がある。 (1)高分解能画像を得られないレーダにおいても目標
の認識・識別が可能である。 (2)認識・識別の際に、アスペクト角の推定誤差に伴
い発生するRCSの変動を考慮して目標を認識・識別す
ることができる。 (3)未知の目標が候補目標のいずれであるか直接表示
するので、オぺレータは判断する必要がなく、負担が軽
減されるとともに、オぺレータの熟練度に影響されない
客観的な認識・識別結果が得られる。 (4)統計量データベース検索手段16は単純なデータ
ベースの検索処理を行い、単一特徴量確率密度算出手段
18は検索により得られたデータにより比較的簡単な関
数計算を行い、目標識別手段19は得られた結果の最大
値を選択する。これらの処理は、画像処理と比べて簡単
で、かつ、データ量もそれほど多くない。従って、比較
的少ない演算量で認識・識別処理が可能である。
【0095】実施の形態2.図6は発明の実施の形態2
の装置の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、
215は予め与えられた条件により、統計量データベー
ス214にデータを格納する際のアスペクト角間隔を制
御するアスペクト角間隔制御手段である。
【0096】また、216は目標アスペクト角推定手段
9により得られるアスペクト角の間隔が、アスペクト角
間隔制御手段215のアスペクト間隔よりも小さいとき
に、統計量データベース214のデータを補間すること
により測定されたアスペクト角に対応する統計量を求め
るデータベース補間手段である。
【0097】辞書データ作成部21の他の構成要素や、
送信機1から識別結果表示手段20は図1のものと同一
である。
【0098】図7はデータベース補間手段216で行う
補間処理を説明するための説明図である。図中、121
は目標アスペクト角推定手段9で得られた目標のアスペ
クト角推定値、122は格納データの取り得るアスペク
ト角の点、123は取り得る推定アスペクト角の点を示
す。
【0099】実施の形態1の装置においては、目標アス
ペクト角推定手段9で得られた推定アスペクト角を用い
て直接統計量データベース214を検索するため、デー
タベースの密度をアスペクト角推定の分解能程度まで高
くする必要がある。考慮すべきアスペクト角の範囲が広
かったり、アスペクト角推定の分解能が非常に高いとき
には、大容量のデータベースが必要となることがある。
そこで、この実施の形態2においては、データベース容
量が十分に確保できない場合に少ない容量で認識・識別
できるように、データベースを補間して容量が少なくて
すむ構成について述べる。
【0100】目標アスペクト角推定手段9で目標のアス
ペクト角推定値θAZI,θELEを得るまでの動作、特徴量
抽出手段17で特徴量SUNKNOWNを得るまでの動
作は実施の形態1の場合と同一である。また、目標形状
データ蓄積手段211、RCS算出手段212から各候
補目標の特徴量を計算する動作も実施の形態1と同一で
ある。
【0101】アスペクト角間隔制御手段215は、統計
量データベース214において、データを所有するアス
ペクト角間隔を、予め与えられるパラメータ、例えば、
装置の規模、考慮するアスペクト角範囲等に従って決定
する。従って、統計量データベース214に格納されて
いるデータベースの分解能は、アスペクト角間隔制御手
段215により決定される。
【0102】統計量算出手段213は、アスペクト角間
隔制御手段215により定まるアスペクト角の間隔に従
い、実施の形態1の場合と同様に特徴量の平均値、標準
偏差を計算し、統計量データベース214に格納する。
【0103】ところで、この実施の形態2において、統
計量データベース214に格納されているデータベース
の分解能が、目標アスペクト角推定手段9による測定ア
スペクト角の分解能よりも低い場合を考える。従って、
目標アスペクト角推定手段9による測定アスペクト角に
直接対応する統計量が統計量データベース214にない
ことがある。
【0104】この状態を図示したのが図7である。図7
は、アジマス−エレベーション平面を示す。同図におい
て、大きな黒点122(たとえば、S00,S01,S10,
S11)は、統計量データベース214に格納されている
データベースの取り得るアスペクト角の点を示すもの
で、格納データのアスペクト角度と呼ぶ。格納データの
アスペクト角度122の間隔(Δθa=θa1−θa0,Δ
θe=θe1−θe0)はデータベースの分解能に対応す
る。また、小さな黒点123は、目標アスペクト角推定
手段9による測定アスペクト角の取り得る点を示すもの
で、取り得る推定アスペクト角度と呼ぶ。従って、この
取り得る推定アスペクト角度123の間隔Δθamin,
Δθeminは測定アスペクト角の分解能に対応する。図
7において、Δθa=10・Δθamin,Δθe=10
・Δθeminである。
【0105】取り得る推定アスペクト角123に対し
て、統計量データベース214は、アスペクト角間隔制
御手段215の指示に従い、格納データのアスペクト角
122に示すようなアスペクト角において統計量データ
を格納する。従って、目標のアスペクト角推定値121
(θAZI,θELE)の値が、格納データのアスペクト角1
22に一致しないことがある。この場合は何らかの補間
を必要とする。
【0106】そこで、データベース補間手段216が、
公知の線形補間を行う。目標のアスペクト角推定値12
1及び、その周辺の格納データのアスペクト角122
が、図7に示すような角度位置関係の場合を考える。式
の簡単化のため以下のような数値の置き換えをする。
【数5】
【0107】つまり、S00=(μ00,σ00),S01=
(μ01,σ01),S10=(μ10,σ10),S11=(μ1
1,σ11)である。
【0108】このとき、目標のアスペクト角推定値12
1(θAZI,θELE)における特徴量の平均値μASP、標
準偏差σASPは、それぞれ次式で表せる。
【数6】
【0109】データベース補間手段216は、式
(9),(10)の処理を行う。以上の処理により、目
標のアスペクト角推定値121に対する各候補目標の特
徴量の平均値μASP、標準偏差σASPを得ることができ
る。
【0110】なお、補間として線形補間を例にとり説明
したが、これに限らずラグランジュ補間、ニュートン補
間を用いてもよい。
【0111】辞書データ作成部21以外の部分の構成、
動作は実施の形態1と同様である。
【0112】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、データベース補間手段216を設けたので、統計量
データベース214に格納されているデータベースの分
解能が、目標アスペクト角推定手段9による測定アスペ
クト角の分解能よりも低い場合にも対応できる。従っ
て、データベース容量が小さいときでも目標の識別が可
能である。
【0113】実施の形態3.図8は発明の実施の形態3
の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、217
は方位角(アジマス)、仰角(エレベーション)それぞ
れについて独立に候補目標の統計量を格納するアジマス
・エレベーション独立統計量データベースである。
【0114】218はデータベース補間手段216によ
りアジマス・エレベーションそれぞれ独立に得られた統
計量をひとつにまとめるアジマス・エレベーション独立
統計量融合手段である。
【0115】送信機1からデータベース補間手段216
の構成部分は、図6で示されたものと同一又は相当部分
である。
【0116】図9は特徴量の平均、標準偏差を格納する
アスペクト角範囲を示す。同図(a)中、実線で示す1
31はエレベーション角が一定の領域A、点線で示す1
32はアジマス角が一定の領域Eである。同図(b)は
円で囲った部分133の拡大図であり、134は拡大図
におけるデータを格納しているアスペクト角を示す。
【0117】図10はデータベース補間手段216、ア
ジマス・エレベーション独立統計量融合手段218の処
理内容を説明する説明図である。図中、135は目標の
アスペクト角推定値、136は格納データの取り得るア
スペクト角の点、137は取り得る推定アスペクト角の
点を示す。
【0118】以下に、図8,図9及び図10を用いて本
実施の形態3の動作を説明する。
【0119】本実施の形態3の装置は、実施の形態2と
同様に、統計量データベース214の容量を小さくする
ことを目的とするが、それとともに、計算に多大な時間
を要するRCS算出手段212におけるRCSを計算す
るアスペクト角の数を減らすことにより演算量を減ら
し、計算時間を短縮することも目的とする。なお、実施
の形態2においては、統計量データベース214におい
て記憶するアスペクト角の数を減らして統計量データベ
ース214の容量を少なくしていたが、統計量を算出す
るために行われる、RCS算出手段212におけるRC
Sデータの計算のアスペクト角の数は減らなかった。
【0120】目標アスペクト角推定手段9で目標のアス
ペクト角推定値135(θAZI,θELE)を得るまでの動
作、及び、特徴量抽出手段17で特徴量SUNKNOW
Nを得るまでの動作は実施の形態1の場合と同一であ
る。統計量データベース検索手段16は、目標アスペク
ト角推定手段9で得られた目標の推定アスペクト角θAZ
I,θELEを用いて、辞書データ作成部21を検索する。
【0121】RCS算出手段212が、目標形状データ
蓄積手段211のデータに基づき、各候補目標の特徴量
を計算する動作も実施の形態1の場合と同一であるが、
RCSを計算するアスペクト角は、アスペクト角間隔制
御手段215によって決定される。
【0122】図9(a)に、本実施の形態3でRCS計
算を行うアスペクト角の範囲を示す。同図は、横軸、縦
軸がそれぞれアジマス角、エレベーション角を表してい
る。実線131a〜131f及び点線132a〜132
fにより碁盤目状に領域が区切られている。RCS計算
は、実線131a〜131f及び点線132a〜132
fに沿ってアスペクト角を変えつつ行われる。
【0123】この碁盤の一部分を拡大したのが、図9
(b)である。拡大図の中の133中のアスペクト角1
34毎に特徴量計算が行われ、データが格納される。な
お、実施の形態2の場合は、RCS計算は図9(a)の
平面のうち、実線131a,131f及び、点線132
a,132fで囲まれる長方形の領域全体について行わ
れ、実線131a〜131f及び点線132a〜132
fの線上以外の部分についてもなされていた。すなわ
ち、実施の形態3では線上でRCS計算を行い、実施の
形態2では面上でRCS計算を行っていた。従って、実
施の形態3の場合、実施の形態2の場合に比べて、RC
Sを計算するアスペクト角数が著しく減少するため、デ
ータベースを作成するために行うRCS算出手段212
の計算時間が大幅に短縮される。
【0124】実線131a〜131fには、エレベーシ
ョン角が一定でアジマス角方向に並ぶデータ列、一方、
点線132a〜132fには、アジマス角一定でエレベ
ーション角方向に並ぶデータ列が含まれるので、それぞ
れ、アジマス方向のみに成分を持つアスペクト角推定誤
差、エレベーション方向のみに成分を持つアスペクト角
推定誤差の影響のみしか考慮できない。アジマス方向の
誤差の標準偏差をσAZI、エレベーション方向の誤差の
標準偏差をσELEとした場合、アジマス角θa、エレベ
ーション角θeにおけるアジマス、エレベーション方向
のアスペクト角推定誤差の確率密度Pは、それぞれ次式
で表せる。
【数7】
【0125】従って、実線131a〜131fに関する
特徴量の平均μS(θAZI)、標準偏差σS(θAZI)
は、次式で表せる。
【数8】
【0126】また、点線132a〜132fに関する特
徴量の平均μS(θELE)、標準偏差σS(θELE)は、
次式で表せる。
【数9】
【0127】統計量算出手段213は、上記の処理を行
うことにより認識・識別用データを作成し、アジマス・
エレベーション独立統計量データベース217にそれぞ
れを格納する。
【0128】次に、データベース補間手段216、アジ
マス・エレベーション独立統計量融合手段218の動作
を説明する。
【0129】アジマス−エレベーション平面における目
標のアスペクト角推定値135が、図10に示すような
関係にある場合について考える。ここで、(θAZI,θe
0)における平均値をμa0、標準偏差をσa0、(θAZI,
θe1)における平均値をμa1、標準偏差をσa1、(θa
0,θELE)における平均値をμe0、標準偏差をσe0、
(θa1,θELE)における平均値をμe1、標準偏差をσe
1とする。
【0130】これらの値は、データベース補間手段21
6において、アジマス・エレベーション独立統計量デー
タベース217に蓄えられた統計量を、実施の形態2の
場合と同様に、それぞれの格子線上で線形補間すること
により得られる。この場合、目標のアスペクト角推定値
135(θAZI,θELE)における、アジマス及びエレベ
ーションの両方向のアスペクト角推定誤差を考慮した特
徴量の平均値μASP、標準偏差σASPは、それぞれ、次式
で表せる。
【数10】
【0131】式(17),(18)の処理はアジマス・
エレベーション独立統計量融合手段218においてなさ
れる。
【0132】統計量データベース検索手段16は、アジ
マス・エレベーション独立統計量融合手段218が出力
する推定アスペクト角に対する各候補目標の特徴量の平
均値、標準偏差を受ける。
【0133】単一特徴量確率密度算出手段18から識別
結果表示手段20までの処理は、実施の形態1の場合と
同じであり、オペレータ13は最終的に識別結果を得る
事ができる。すなわち、高分解能画像を得られないレー
ダにおいてアスペクト角推定誤差を考慮して、目標の認
識・識別を行うことができ、さらに認識・識別に用いる
参照用のデータベースを短時間で小容量で構成する事が
できる。
【0134】以上のように、この実施の形態3の装置に
よれば、RCSの計算をアジマス−エレベーション平面
における考慮アスペクト角範囲全体について行う必要は
なく、この範囲を格子状に区切る線上においてのみ行え
ばよい。従って、RCSの計算量は著しく減少するの
で、計算時間を短縮することができる。
【0135】実施の形態4.図11は発明の実施の形態
4の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、26
は目標アスペクト角推定手段9で推定されたアスペクト
角に基づき特徴量を算出すべきアスペクト角範囲を決定
するアスペクト角決定手段である。他の構成要素は、図
1に示されたものと同一あるいは相当部分である。
【0136】次に、図11を用いて本実施の形態4の内
容を説明する。
【0137】目標アスペクト角推定手段9で目標のアス
ペクト角を推定するまでの動作、及び、特徴量抽出手段
17で特徴量Sを得るまでの処理は実施の形態1の場合
と同様である。
【0138】図11の装置においては、アスペクト角決
定手段26が、目標アスペクト角推定手段9で推定され
たアスペクト角から、アスペクト角推定誤差の影響を考
慮して特徴量を算出するアスペクト角範囲を決定する。
そして、RCS算出手段212が、アスペクト角決定手
段26が求めた範囲において、目標形状データ蓄積手段
211のデータに基づきRCS算出及びその統計量の算
出を行い、その範囲の特徴量を計算する。
【0139】なお、実施の形態1乃至3においては、事
前に認識・識別用の統計量データベース214を構築
し、統計量データベース検索手段16によりデータベー
スにアクセスするという形式であった。しかし、本実施
の形態4においては、統計量算出手段213が、式
(1)〜(3)を用いて、各候補目標の特徴量の平均値
及び標準偏差を算出し、これを、単一特徴量確率密度算
出手段18に直接送る。
【0140】単一特徴量確率密度算出手段18乃至識別
結果表示手段20の処理は実施の形態1の場合と同じで
あり、オペレータ13は最終的に識別結果を得る事がで
きる。
【0141】以上のように、本発明の実施の形態4によ
れば、特徴量を算出すべきアスペクト角の範囲を定め、
この範囲において統計量を算出するようにしたので、統
計量データベース及びその検索手段が不要となり、構成
が簡単になる。すなわち、高分解能画像を得られないレ
ーダにおいて、データベースを事前に用意することなし
に認識・識別を行える。
【0142】実施の形態5.図12は本発明の実施の形
態5の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、2
19は統計量算出手段213が出力する複数の統計量が
互いに分離できるかどうか判断し、分離できないものに
ついてカテゴリを形成するカテゴリ分離手段、220は
カテゴリ分離手段219が出力するカテゴリ毎に統計量
を算出するカテゴリ別統計量算出手段である。辞書デー
タ作成部21の他の構成要素や、送信機1から識別結果
表示手段20の構成部分は図1と同一である。
【0143】ここでカテゴリとは、統計量算出手段21
3により得られた複数の統計量がつくる、互いに近似す
るものの集まりのことである。一般に、複数の統計量は
複数のカテゴリを形成する。カテゴリの数は候補目標の
数よりも少ない。すなわち、一つのカテゴリに複数の候
補目標が含まれる。
【0144】図13はカテゴリ分離手段219が行うカ
テゴリ分離の説明図である。図13(a)において、縦
軸はカテゴリ分離前の各候補目標の確率密度関数、横軸
は特徴量である。153は候補目標1の確率密度関数、
154は候補目標2の確率密度関数、155は候補目標
3の確率密度関数、156は候補目標4の確率密度関数
である。また、図13(b)において、縦軸はカテゴリ
分離後の各カテゴリの確率密度関数、横軸は特徴量であ
る。157はカテゴリ1の確率密度関数、158はカテ
ゴリ2の確率密度関数である。
【0145】図14はカテゴリ分離の基準になる分離度
の説明図である。図中、159は候補目標1の確率密度
関数、160は候補目標2の確率密度関数、251は2
つの確率密度関数の重ならない領域である。
【0146】次に、図12乃至図14に従って、本実施
の形態5の動作を説明する。
【0147】目標形状データ蓄積手段211、RCS算
出手段212を経て統計量算出手段213で統計量を算
出するまでの動作、目標アスペクト角推定手段9で目標
のアスペクト角を推定するまでの動作、及び、特徴量抽
出手段17で特徴量を得るまでの動作は実施の形態1の
場合と同じである。
【0148】ここで、例えば、あるアスペクト角におい
て、候補目標1〜4の確率密度関数が図13(a)のよ
うになったとする。これらは、カテゴリ分離前の各候補
目標の確率密度関数である。図13(a)からわかるよ
うに候補目標1と2、候補目標3と4の分布は非常に近
似しているので、候補目標1の確率密度関数153と候
補目標2の確率密度関数154とを分離すること、及
び、候補目標3の確率密度関数155と候補目標4の確
率密度関数156とを分離することは困難である。この
ため、未知目標が例えば候補目標1であった場合に、推
定結果を候補目標2と誤識別する確率が増加してしま
う。
【0149】そこで、カテゴリという概念を導入し、カ
テゴリ毎に統計量を求めることを考える。図13(b)
のカテゴリ分離後の各カテゴリの確率密度関数に示すよ
うに、候補目標1と候補目標2を含む新しいカテゴリ1
の確率密度関数157と、候補目標3と候補目標4を含
む新しいカテゴリ2の確率密度関数158を新たに作成
する。この処理には公知のクラスタリング処理を用い
る。
【0150】ここで、二つの候補目標を一つのカテゴリ
にまとめるかどうかの判断の基準として、分離度という
ものを導入する。図14にカテゴリ分離の基準になる分
離度の説明図を示す。図中の候補目標1の確率密度関数
159、候補目標2の確率密度関数160より、2つの
確率密度関数の重ならない領域251の面積が決定され
る。この面積をSとすると、二つの候補目標の分離度P
sepaを次式で表す。
【数11】
【0151】Psepaが1の時は、2つの候補目標は完全
に分離している。Psepaが0の時は、2つの候補目標は
完全に一致している。ここで、このPsepaに対してある
スレッショルドを設けて、分離度がスレッショルド以下
の値になった場合に、カテゴリ分離手段219は、これ
ら2目標(候補目標1と候補目標2)は分離してないと
みなす。カテゴリ分離手段219が分離度に基づき統計
量算出手段213が出力する統計量を分離することによ
り、複数のカテゴリが得られる。これら複数のカテゴリ
の一つ一つと、一つ又は複数の候補目標とがそれぞれ対
応する。
【0152】なお、スレッショルドは候補目標の確率密
度関数の分布状況に応じて設定される。候補目標の確率
密度関数同士の間隔は比較的広いときはスレッショルド
は大きくなり、逆に比較的狭いときにはスレッショルド
は小さくなる。また、スレッショルドは最終的に得られ
る識別結果に対する要求によっても決まる。目標が候補
目標のどれであるか特定したいときには、スレッショル
ドは小さくなる。また、目標が候補目標のいずれである
か大まかに知りたいときには、スレッショルドは大きく
なる。前者の場合、誤り率は高くなり、後者の場合、誤
り率は低くなる。
【0153】カテゴリ別統計量算出手段220は次のよ
うな計算を行う。例えば、候補目標1の平均値μ1、標
準偏差σ1、候補目標2の平均値μ2、標準偏差σ2と
する。このとき、未知目標が、候補目標1あるいは候補
目標2のいずれかである確率密度関数P1U2(x)を
次式により計算する。
【数12】
【0154】新しく作成されたカテゴリ1の平均値μC
1、標準偏差σC1はそれぞれ、次式で表される。
【数13】
【0155】他の候補目標と重ならず、分離している候
補目標については、もとの確率密度関数をそのままカテ
ゴリの確率密度関数とみなす。
【0156】統計量データベース214は、カテゴリ別
統計量算出手段220で得られた各カテゴリの統計量
を、各カテゴリの認識・識別用データとして格納する。
統計量データベース214には、分離できない候補目標
についてはカテゴリ毎に統計量が格納され、分離してい
る候補目標については、候補目標毎に統計量が格納され
る。
【0157】統計量データベース検索手段16以降、目
標識別手段19までの動作は実施の形態1の場合と同一
である。ただし、未知目標が複数の候補目標を含むカテ
ゴリに属すると判定されたときには、識別結果表示手段
20は、未知目標の推定結果として1機種の名前のみを
表示するのではなく、そのカテゴリに含まれる機種すべ
てを表示する。従って、例えば近接したカテゴリの2つ
の目標について、「未知目標は、少なくともこれら2目
標のいずれかである」という答えを出すことが可能とな
る。
【0158】以上のように、本発明の実施の形態5によ
れば、カテゴリ毎に統計量をデータベースに格納し、カ
テゴリ毎に識別するので、複数の候補目標の統計量が互
いに近似して分離できないときでも誤った識別を行うこ
とがない。このような構成を採用しない認識・識別装置
は、本来、分離できない複数の候補目標のいずれかに属
すると、無理な識別を行い誤った答えを出しがちであ
る。この実施の形態の装置によれば、係る誤識別を回避
することができる。
【0159】この実施の形態5を図6の実施の形態2や
図8の実施の形態3のデータベース補間手段を有する構
成に適用することも可能である。
【0160】実施の形態6.図15は本発明の実施の形
態6の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、2
21は複数の確率密度分布のモデルが予め格納されてい
る分布モデルデータベース、222は計算された特徴量
のアスペクト角分布が、分布モデルデータベース221
に予め蓄積された各種分布モデルのどれに一番合うかを
検定する分布検定手段である。他の構成要素は、実施の
形態1あるいは4で説明したものと同一又は相当部分で
ある。
【0161】次に、図15を用いて本実施の形態6を説
明する。RCS算出手段212は、各候補目標につい
て、推定アスペクト角により定まる考慮アスペクト角に
おける特徴量を得る。この動作は実施の形態4の場合と
同じである。分布検定手段222は、計算された特徴量
のアスペクト角分布から、特徴量の値の確率密度分布
が、分布モデルデータベース221に予め蓄積された各
種分布モデルのどれに一番合うかを検定する。分布モデ
ルとして、ガウス分布、レイリー分布などがある。この
ように分布検定を行うことにより、分布が上記のいずれ
であっても対応できる。検定の方法は、一般的に知られ
た赤池情報量基準(AIC)による分布検定などを採用
する。
【0162】分布検定手段222において、各候補目標
毎に確率密度分布を検定した結果は、統計量算出手段2
13に送られる。統計量算出手段213は、平均、分散
の統計量に加えて、分布を特徴づける特徴量を算出す
る。例えば、 ・ガウス分布の平均、標準偏差。 ・レイリー分布の標準偏差σ。 ・ワイブル分布の尺度パラメータb、構造パラメータ
c。 ・一様分布の分布領域を表すパラメータd,e。
【0163】単一特徴量確率密度算出手段18は、特徴
量抽出手段17により得られた未知目標の特徴量と、統
計量算出手段213で得られた各候補目標の確率密度関
数毎の統計量から候補目標の確率密度を計算する。
【0164】分布モデルとは、候補目標がとるであろう
分布のモデルであり、予め定められている。例えば次の
ような分布である。ガウス分布についてはすでに述べ
た。他に次のような式に従い確率密度を計算する。 ・レイリー分布 P(R)=(R/σ2 )exp{−(R2 /2σ2 )} ・ワイブル分布 P(R)=(c/b)(R/b)c-1 exp{−(R/b)c } ・一様分布 P(R)=1/(e−d) (d≦R≦e) P(R)=0 (otherwise) 目標識別手段19は、実施の形態1と同じ動作で目標の
識別を行い、識別結果表示手段20は、オペレータ13
に識別結果を表示する。なお、図15の装置は統計量デ
ータベースを備えていないが、これを備えてもよい。
【0165】以上のように、本発明の実施の形態6によ
れば、分布検定手段により分布検定を行ってから統計量
を算出するので、各候補目標の特徴量の分布の種類にか
かわらず適切な識別を行うことができる。すなわち、辞
書データ作成部21において事前に各候補目標の特徴量
の確率密度関数が何であるか推定し、その後、未知目標
の観測特徴量に対する確率密度を計算するため、各候補
目標の特徴量がどのような確率密度分布をとっても識別
率の劣化を防ぐことができる。
【0166】なお、実施の形態6の構成を図12の実施
の形態5に適用することもできる。
【0167】実施の形態7.図16は本発明の実施の形
態7の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、3
1は水平偏波(H偏波)の電波を送受信するH偏波送受
信アンテナ、32は垂直偏波(V偏波)の電波を送受信
するV偏波送受信アンテナ、33は選択手段としての特
徴空間制御手段34の制御出力により送受切換器2をH
偏波送受信アンテナ31又はV偏波送受信アンテナ32
のいずれか、あるいは両方に接続するアンテナ切換器で
あり、上記特徴空間制御手段34は特徴空間毎のデータ
を得るために偏波を切り替える制御信号を出力する。3
5は特徴空間制御手段34で選択された特徴空間につい
て確率密度を算出する特徴空間確率密度算出手段であ
る。他の構成要素である送信機1から辞書データ作成部
21は図1に示されたものと同一あるいは相当部分であ
る。
【0168】偏波には、水平偏波(H偏波)、垂直偏波
(V偏波)、円偏波、楕円偏波がある。
【0169】特徴空間とは、偏波の組合せにより形成さ
れる空間である。たとえば、(1−1)送信:H偏波、
(1−2)送信:V偏波、(1−3)送信:円偏波、
(1−4)送信:楕円偏波、及び、(2−1)受信:H
偏波、(2−2)受信:V偏波、(2−3)受信:円偏
波、(2−4)受信:楕円偏波のケースが考えられる
が、可能な組合せとして、(1−1)に(2−1)〜
(2−4)の組合せ、(1−2)に(2−1)〜(2−
4)の組合せ、(1−3)に(2−1)〜(2−4)の
組合せ、(1−4)に(2−1)〜(2−4)の組合せ
がある。これらの組合せそれぞれについて1つの特徴空
間が形成される。
【0170】次に、図16を用いて、本実施の形態7の
動作を説明する。
【0171】本実施の形態7では、H偏波とV偏波の複
数偏波の送受信で得られる、H偏波とV偏波それぞれの
複数の特徴量を特徴空間ベクトルというベクトルとして
取り扱い、これと、同じくベクトルで与えられる認識・
識別用データを比較することにより認識・識別を行う。
上記実施の形態1〜6は、偏波の切換を行っていなかっ
たので特徴空間は一次元であったが、この実施の形態7
は、偏波の組合せ毎に特徴空間が得られる。
【0172】特徴空間制御手段34において、例えば、
一つの特徴空間は、(1)H偏波送信・H偏波受信のデ
ータ、(2)H偏波送信・V偏波受信のデータ、(3)
V偏波送信・V偏波受信のデータからなる3次元のベク
トルを用いるというように、様々な種類の特徴空間ベク
トルを保存している。
【0173】特徴空間制御手段34は、特徴空間ベクト
ルの内容によりアンテナ切換器33を切換える。例え
ば、一回目の送信時にH偏波送受信アンテナ31を用
い、受信時にH偏波送受信アンテナ31、V偏波送受信
アンテナ32を両方用いる。これにより、上記の例の
(1)及び(2)のデータが得られる。二回目の送信時
にV偏波送受信アンテナ32を用い、受信時にV偏波送
受信アンテナ32を用いる。これにより、上記の例の
(3)のデータが得られる。特徴空間制御手段34は、
上記の命令をアンテナ切換器33に送る。
【0174】送受切換器2から単一特徴量確率密度算出
手段18にかけての処理は、基本的に、実施の形態1の
場合と同じである。
【0175】辞書データベース作成部21は、各偏波に
対応する認識・識別用データを作成、蓄積する。統計量
データベース検索手段16は、N種類の目標、M種類の
偏波の特徴量の平均値μS(n,m)、標準偏差σS
(n,m)(n = 1,2,...,N, m =
1,2,...,M)を得る。
【0176】また、特徴量抽出手段17は、M種類の偏
波の特徴量S(m) (m = 1,2,...,M)
を得る。また、単一特徴量確率密度算出手段18は、各
候補目標、各偏波に対する確率密度PS(n,m)を次
式で得る。
【数14】
【0177】特徴空間確率密度算出手段35は、特徴空
間制御手段34からの指示に従い、各候補目標の確率密
度を次式のような各特徴量に対する確率密度の積で計算
する。
【数15】
【0178】目標識別手段19は、次式に基づき未知目
標の候補機種番号nUNKNOWNを得る。
【数16】
【0179】識別結果表示手段20は、実施の形態1の
場合と同様に、オペレータ13に目標識別手段19で得
られた識別結果を表示する。
【0180】以上のように、本発明の実施の形態7によ
れば、送受信の偏波を切り替えて観測するので特徴空間
が広がり、識別に使用する情報が増加するので、より正
確な識別を行うことができる。これは、目標の形状によ
りRCSの偏波特性が異なるために、水平偏波による情
報と垂直偏波による情報とは同じ目標についての異なる
複数の情報として扱うことができるからである。従っ
て、上記のように異なる偏波で得られたRCSを用いた
識別方式は、偏波を用いない識別方式に比べて多くの情
報を用いて識別することになり結果として識別率が向上
する。
【0181】なお、実施の形態7において、辞書データ
作製部として実施の形態2,3,4,5,6の構成を適
用することもできる。
【0182】実施の形態8.図17は本発明の実施の形
態8の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、3
6は特徴空間制御手段34の制御出力により送受切換器
2に接続する送信機37,38を切り替える送信切換
器、37はLバンドの送信信号を発生するL帯送信機、
38はCバンドの送信信号を発生するC帯送信機、39
は送信切換器36に同期して送受切換器2に接続する受
信機40,41を切り替える受信切換器であり、受信機
40はLバンドの受信信号を処理するL帯受信機、受信
機41はCバンドの受信信号を処理するC帯受信機であ
る。他の構成要素は図16に示されたものと同一あるい
は相当部分である。
【0183】次に、図17を用いて、本実施の形態8の
動作を説明する。
【0184】先の実施の形態7では偏波を切り替えて識
別のための情報量を増やしたが、本実施の形態8では、
複数の周波数バンドで送受信を行い、そこで得られる複
数の特徴量を特徴空間ベクトルにして取り扱い、これと
同じくベクトルで与えられる認識・識別用データを比較
することにより情報量を増やして認識・識別を行う。
【0185】特徴空間制御手段34では、例えば、一つ
の特徴空間は、(1)Lバンド送受信のデータ、(2)
Cバンド送受信のデータからなる2次元のベクトルを用
いるというように、様々な種類の特徴空間ベクトルを保
存している。特徴空間ベクトルの内容により、特徴空間
制御手段34は、送信切換器36、受信切換器39を切
換える。例えば、上記の例では、一回目は、送信機にL
帯送信機37、受信機にL帯受信機40を選択する。こ
れにより上記(1)のデータが得られる。二回目は、送
信機にC帯送信機38、受信機にC帯受信機41を選択
する。これにより上記(2)のデータが得られる。
【0186】L帯受信機40、C帯受信機41から識別
結果表示手段20にかけての処理は、扱う特徴量ベクト
ルが偏波特性から、周波数特性を表すベクトルに変わる
点を除き、実施の形態7の場合と同様である。
【0187】以上のように、本発明の実施の形態8によ
れば、送受信の周波数を切り替えて観測するので特徴空
間が広がり、識別に使用する情報が増加するので、より
正確な識別を行うことができる。これは、目標の形状に
よりRCSの周波数特性が異なるために、ある周波数に
よる情報と他の周波数による情報とは同じ目標について
の異なる複数の情報として扱うことができるからであ
る。
【0188】周波数は、レーダにより目標を検出でき、
かつ、何らかの特徴量を抽出できればいかなる値であっ
てもよい。レーダに一般的に用いられる、L,S,C,
X,Kバンドはもちろん、目標が大きければ波長が長い
メートル波を使用することができる。また、目標が小さ
ければ波長が短いミリ波、さらには、赤外線等の光につ
いても適用は可能である。
【0189】なお、本実施の形態8においては、例とし
て、L帯とC帯の2次元の場合を示したが、他のS,
K,X等のバンドを用いてもよい。また、バンド種類の
数は2以上であってもよいのは言うまでもない。
【0190】なお、実施の形態8において、辞書データ
作製部として実施の形態2,3,4,5,6の構成を適
用することもできる。
【0191】実施の形態9.図18は本発明の実施の形
態9の機能構成を示す機能ブロック図である。図中、1
〜35は図16に示されたものと同一あるいは相当部分
であり、36〜41は図17に示されたものと同一ある
いは相当部分である。
【0192】次に、図18を用いて、本実施の形態9の
動作を説明する。
【0193】本実施の形態9の装置は、偏波を切り替え
る実施の形態7の装置と、周波数を切り替える実施の形
態8の装置とを組み合わせたものである。
【0194】本実施の形態9の装置は、複数の偏波、複
数の周波数バンドで送受信を行い、そこで得られる複数
の特徴量を特徴空間ベクトルにして取り扱い、これと認
識・識別用データを比較することにより、認識・識別を
行う。
【0195】特徴空間制御手段34によりアンテナ切換
器33を切換える操作は実施の形態7の場合と同じであ
る。特徴空間制御手段34により送信切換器36、受信
切換器39を切換える操作は実施の形態8の場合と同様
である。L帯受信機40、C帯受信機41から識別結果
表示手段20にかけての処理は、扱う特徴量ベクトルが
周波数特性から、偏波特性と周波数特性の両方を含むベ
クトルに変わる点を除き、実施の形態8の場合と同様で
ある。
【0196】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、目標の形状によりRCSの偏波特性と周波数特性が
異なり、それぞれの特性は、目標の形状に従い独立に変
化するため、上記のように、異なる偏波、周波数バンド
で得られたRCSを用いた識別方式は、これらいずれか
の特性のみを用いる方式や、どちらの特性も用いない方
式に比べて、多くの情報を用いて識別することになり結
果として識別率が向上する。
【0197】実施の形態10.図19は本発明の実施の
形態10の機能構成を示す機能ブロック図である。図
中、42は各特徴量毎の重みw(m)(m= 1,
2,...,M)を予め格納する重みデータベースを示
す。他の構成要素、送信機1からアンテナ切換器33は
図16と同一あるいは相当部分である。
【0198】次に、図19を用いて、本実施の形態10
の動作を説明する。
【0199】単一特徴量確率密度算出手段18で、各候
補目標n(n = 1,2,...,N)、各特徴量m
の確率密度PS(n,m)(n = 1,2,...,
N)(m = 1,2,...,M)を得るまでの処理
は実施の形態7の場合と同様である。しかし、特徴空間
確率密度算出手段35は、実施の形態7〜9とは異な
り、重みデータベース42に蓄積された各特徴量毎の重
みw(m)(m= 1,2,...,M)を得る。そし
て、次式により各候補目標の確率密度PTOT(n)を
算出する。
【数17】
【0200】すなわち、各特徴量に対する確率密度PS
(n,m)をw(m)で重み付けして加算した結果を各
候補目標の確率密度とする。この重み付けについては、
すべて1にしても良いし、過去の経験もしくは、推定ア
スペクト角に対する各候補機種の認識・識別用データを
各特徴量毎に比較し、今回のアスペクト角での識別に対
する信頼度というものを事前に算出し、その結果に従っ
て重み付けしても良い。
【0201】目標識別手段19は、特徴空間確率密度算
出手段35の出力PTOT(n)から、式(25)を用
いて、未知目標の機種を推定する。識別結果表示手段2
0は、目標識別手段19の結果をオペレータ13に表示
する。
【0202】以上のように、本発明の実施の形態10に
よれば、それぞれの特徴量より得られる確率密度を重み
付けして考慮するので、各特徴量どうしの優劣が分かれ
ばそれを考慮しつつ識別を行うことができ、それぞれを
平等に扱う方式に比較してより識別率が向上するという
利点がある。
【0203】なお、本実施の形態10では、実施の形態
7を変形して適用した例を示したが、これは、実施の形
態1〜実施の形態9のいずれを変形して重み付け処理を
適用した場合でも有用であるということは言うまでもな
い。例えば、図17の実施の形態8に重み付け処理を適
用する場合、周波数の種類毎に重み係数を予め格納する
重みデータベースを備えるようにし、特徴空間確率密度
算出手段は、確率密度値を前記周波数の種類毎にまとめ
るときに前記重み係数に基づき重み付けを行うようにす
ればよい。
【0204】実施の形態11.図20は発明の実施の形
態11の機能構成を示す機能ブロック図である。同図に
おいて、601は送信機1に接続され、受信アンテナ6
02とは離れた場所に設置された送信アンテナ、602
は受信機4に接続され、送信アンテナ601から送信さ
れた電波が目標物によって反射した反射波を受信する受
信アンテナ、91は目標追尾手段7の出力に基づき目標
のアスペクト角を送信アンテナ601及び受信アンテナ
602のそれぞれについて推定する目標アスペクト角推
定手段、161は目標アスペクト角推定手段91より送
信アスペクト角及び受信アスペクト角を受け取り、後述
する辞書データ作成部21の統計量データベース214
1に基づき、目標の送信及び受信アスペクト角に対応す
る候補目標毎の統計量データμS(n),σS(n)
(nが候補目標を意味する)を検索する統計量データベ
ース検索手段である。2121は目標形状データ蓄積手
段211に記憶された目標形状より、複数の受信アスペ
クト角と複数の送信アスペクト角とによって構成される
配列の各要素それぞれについてRCSを算出するRCS
算出手段である。
【0205】2141は、送信アスペクト角と受信アス
ペクト角とによって特定されるアスペクト角の推定誤差
の影響を考慮に入れた統計量データベースである。この
統計量データベース2141と図1の統計量データベー
ス214の記憶内容は、候補目標毎の統計量データμS
(n),σS(n)を記憶する点では同じであるが、こ
の統計量データベース2141では送信アスペクト角と
受信アスペクト角とで各統計量データμS(n),σS
(n)が2次元配列を形成し、図1の統計量データベー
ス214では、送受信アンテナ3に対するアスペクト角
毎に各統計量データμS(n),σS(n)が記憶さ
れ、1次元配列となっている点で異なる。表1に統計量
データベース2141の記憶内容の例を示す。この表1
において、各μSIK(n),σSIK(n) (送信アスペ
クト角I=A,B,C,D; 受信アスペクト角K=
a,b,c,d)は、ある目標nに対する統計量データ
を表しており、統計量データベース2141は、複数の
目標のそれぞれについて表1のような統計量データのテ
ーブルを持っている。
【表1】
【0206】ここで、送信アスペクト角とは、送信アン
テナ601に対する目標のアスペクト角であり、受信ア
スペクト角とは、受信アンテナ602に対する目標のア
スペクト角である。
【0207】また、他の構成要素は、実施の形態1で説
明したものと同一又は相当する部分である。
【0208】次に、図20を用いて本実施の形態11の
動作について説明する。
【0209】送信アンテナ601は、受信アンテナ60
2から、ある距離離れた場所に設置され、そこから高周
波信号を放射する。放射された高周波信号は目標物で反
射し、反射した高周波信号が受信アンテナ602によっ
て受信される。このとき、目標物が特殊な形状によって
構成され、高周波信号が到来した方向へ反射しないよう
に設計されたものの場合であっても、反射した高周波を
受信できる。すなわち、送信アンテナ601から目標物
へ高周波信号を照射する方向と、目標物から受信アンテ
ナ602へ高周波信号が反射する方向との差は180度
ではなくズレがあるため、照射された高周波信号が照射
方向に対して180度の方向で反射しない形状の目標物
に対しても反射波を受信できる。
【0210】また、このように送信アンテナ601と受
信アンテナ602とを離して設置しているため、統計量
データベース2141に記憶されるデータも特殊な構造
を持っている。すなわち、同じ受信アスペクト角を持つ
同一の目標物からの反射波であっても、送信アスペクト
角が異なればRCSが異なる。すなわち、送信アスペク
ト角が異なれば、反射波の反射の仕方も異なるため、R
CSも異なる値を示す。そのため、目標を認識するため
には、統計量データベースに記憶される統計量データμ
S(n),σS(n)を1つの受信アスペクト角に対し
て、複数の送信アスペクト角における統計量データμS
(n),σS(n)をそれぞれ用意する必要がある。
【0211】そこで、まず統計量データベース2141
に記憶される辞書データの作成処理について説明する。
【0212】RCS算出手段2121は、図1を用いて
説明したRCS算出手段212の複数の受信アスペクト
角毎に複数の送信アスペクト角を想定し、それらの受信
アスペクト角及び送信アスペクト角よりRCSを算出す
る。
【0213】算出された各RCSは統計量算出手段21
3へ出力され、統計量算出手段213によって統計量デ
ータμS(n),σS(n)が算出される。この算出さ
れた統計量データμS(n),σS(n)は、μSIK
(n),σSIK(n)として統計量データベース214
1に上記表1のように記憶される。
【0214】次に、認識動作について説明する。
【0215】上述のように送信アンテナ601から送信
された高周波信号は、目標物で反射し、受信アンテナ6
02によって受信された反射波は、受信機4に受信され
る。反射波中の目標は目標追尾手段7によって追尾さ
れ、目標アスペクト角推定手段91は目標追尾手段7の
出力に基づいて受信アスペクト角及び送信アスペクト角
を推定する。受信アスペクト角の算出は、受信アンテナ
602について上記実施の形態1で説明したアスペクト
角の計算動作と同様に行われる。また、送信アスペクト
角の算出も送信アンテナについて実施の形態1で説明し
たアスペクト角の計算方法と同様に行われる。ここで、
目標アスペクト角推定手段91には、送信アンテナ60
1及び受信アンテナ602の位置が予め設定されてい
る。
【0216】このとき、受信アスペクト角は、受信アン
テナ602と目標間のアジマス角θAZI1及びエレベー
ション角θELE1とによって規定され、送信アスペクト
角は、送信アンテナ601と目標間のアジマス角θAZI
2及びエレベーション角θELE2とによって規定され
る。従って、目標アスペクト角推定手段91は、θAZI
1,θELE1,θAZI2,θELE2という4つの角度を出
力する。
【0217】目標アスペクト角推定手段91から受信ア
スペクト角θAZI1,θELE1と送信アスペクト角θAZI
2,θELE2とを受け取った統計量データベース検索手
段161は、受信アスペクト角θAZI1,θELE1と送信
アスペクト角θAZI2,θELE2とをキーとして統計量デ
ータμS(n),σS(n)を検索し、単一特徴量確率
密度算出手段18へ出力する。
【0218】以降、実施の形態1と同様に動作し、識別
結果を出力する。
【0219】以上のように、本発明の実施の形態11に
よれば、送信アンテナと受信アンテナとを離れた地点に
設置することにより、例えば、目標の正面方向から照射
された電波を、その方向に反射させないように設計され
た特殊形状の目標についても、目標に照射されて側方に
反射する電波を用いて識別できるため、認識率を向上す
ることができる。
【0220】また、送信アンテナと受信アンテナとを異
なる位置に配置することによって生じるRCSの変化
を、各送信アスペクト角及び各受信アスペクト角毎に設
定された統計量データを用いることにより吸収し、かか
るアンテナを用いても良好に目標を認識できる。
【0221】実施の形態12.図21は本発明の実施の
形態12の機能構成を示す機能ブロック図であり、図に
おいて、17は特徴量であるレーダ断面積(RCS)を
抽出する特徴量抽出手段、61は単一スキャン確率密度
算出手段(単一スキャン確率値算出手段)、62は単一
スキャン確率密度蓄積手段、63は複数スキャン確率密
度平均値算出手段(複数スキャン確率平均値算出手
段)、64は目標識別手段、65は識別結果表示手段で
あり、上記各構成要素は、CPU、ROM、RAM等に
より構成されるコンピュータ装置、ハードディスク装
置、光磁気ディスク装置等の記憶装置、モニタ等の表示
装置、及びソフトウェア等により実現されている。
【0222】なお、図中の送信機1から統計量データベ
ース検索手段16までの構成及び動作は実施の形態1の
場合と同じである。
【0223】次に動作について説明する。
【0224】まず、実施の形態12の装置において認識
・識別を行う際に必要となる、認識・識別用データの内
容、作成動作及び蓄積動作について詳細に説明する。
【0225】認識・識別処理の内容 次に、認識・識別処理の内容を図21及び図22のフロ
ーチャートを用いて説明する。
【0226】本実施の形態の装置では、複数回の観測で
得られた特徴量Sの観測値を前述の統計量データベース
214に格納された「辞書データ」と照合することによ
り目標の認識・識別を行う。ここで、複数回の観測を複
数スキャン、複数スキャンのうちの各回の観測を単一ス
キャンと呼ぶこととする。認識に用いる総スキャン数を
Nとする。
【0227】図22は実施の形態12の認識・識別処理
を示すフローチャートである。ステップST11におい
て最初にスキャン番号nを1に設定し、ステップST1
2において未知目標の観測を行う。送信機1で高周波信
号を発生させ、送受切換器2を経て送受信アンテナ3か
ら図30に示す目標501に向け放射する。目標501
に照射された高周波信号の一部がレーダ装置502の方
向に反射され、これを送受信アンテナ3で受信する。こ
の受信信号を、送受切換器2を経て受信機4で増幅・検
波した後、目標追尾手段7、及び特徴量抽出手段17に
送る。
【0228】ステップST13においては、特徴量抽出
手段17が公知の方法より、受信信号をRCSに変換
し、第nスキャンにおける未知目標の特徴量S(n)を
得る。
【0229】一方、ステップST14において、目標追
尾手段7は、受信機4で増幅・検波された信号から、目
標501の進行方向、位置、速度、加速度等の運動特性
を推定する。
【0230】ステップST15においては、目標アスペ
クト角推定手段9が従来例と同様の方法により、目標追
尾手段7の結果に基づき得られる目標501の位置及び
進行方向と、既知のレーダ装置502の位置とから、第
nスキャンにおける目標のアスペクト角{アジマス角θ
AZI(n)、エレベーション角θELE(n)}を推定す
る。
【0231】ステップST16においては、統計量デー
タベース検索手段16が、目標のアスペクト角θAZI
(n),θELE(n)に基づき統計量データベース16
に蓄積された認識・識別用データを検索し、θAZI
(n),θELE(n)に最も近いアスペクト角θa,θ
eに格納された、各候補目標kの統計量データμS
(k,n),σS(k,n) (k=1,2,…,K)
を得る。
【0232】ステップST17においては、単一スキャ
ン確率密度算出手段61が、各候補目標kの第nスキャ
ンにおける単一スキャン確率密度p(k,n)(k=
1,2,…,K)(確率値、確率値を基にした値)を、
未知目標の特徴量S(n)、各候補目標kの統計量デー
タμS(k,n),σS(k,n) (k=1,2,
…,K)より、式(28)により得る。
【数18】
【0233】単一スキャン確率密度算出手段61で得ら
れた式(28)で表される単一スキャン確率密度p
(k,n)は、S(n)を変数として見る場合には、平
均値μS(k,n)、標準偏差σS(k,n)としたS
(n)の確率分布であり、例えば、異なる2つの候補目
標k1とk2に対する単一スキャン確率密度p(k1,
n)とp(k2,n)を図示すると図23に示すように
なる。また、特定のS(n)に対して見ると、単一スキ
ャン確率密度p(k,n)は、特徴量S(n)をもつ未
知目標と候補目標1〜Kとの関連性を表すものとして捉
えることができる。未知目標の特徴量が図23に破線で
示したS(n)である場合には、このS(n)に対し
て、単一スキャン確率密度p(k1,n)の値の方が単
一スキャン確率密度p(k2,n)の値より大きいた
め、未知目標と候補目標k1との関連性がより大きいと
いうことができる。このように、式(28)で表される
単一スキャン確率密度p(k,n)は、未知目標と候補
目標kとの関連性の評価式として用いることができ、確
率密度p(k,n)の値が大きい候補目標Kほど未知目
標との関連性が高いと考えることができる。
【0234】ステップST18においては、単一スキャ
ン確率密度算出手段61で得られた第nスキャンにおけ
る、各候補目標の確率密度p(k,n) (k=1,
2,…,K)を、単一スキャン確率密度蓄積手段62に
蓄積する。
【0235】ステップST19においては、スキャン番
号nを総スキャン数Nと比較し、n=NならステップS
T21、それ以外ならステップST20に処理を進め
る。ステップST20では、スキャン番号nの値を1増
やしてステップST12に処理を戻す。
【0236】ステップST21においては、複数スキャ
ン確率密度平均値算出手段63が、単一スキャン確率密
度蓄積手段62に蓄積された、Nスキャン分の単一スキ
ャン確率密度p(k,n)(k=1,2,…,K)(n
=1,2,…,N)から、各目標毎に、各スキャンにお
ける確率密度を平均した、複数スキャン確率密度平均値
PP(k) (k=1,2,…,K)を次の式(29)
により算出する。
【数19】
【0237】ステップST22においては、目標識別手
段64が、複数スキャン確率密度平均値算出手段63で
得られた複数スキャン確率密度平均値PP(k)を用い
て、未知目標の機種を候補目標1〜Kの中より選択す
る。ここで、複数スキャン確率密度平均値PP(k)は
単一スキャン確率密度p(k,n)の平均値であること
から、この値が大きい目標ほど未知目標との関連性が高
いと考え、未知目標KTを式(30)により決定する。
【数20】
【0238】ステップST23においては、識別結果表
示手段65が、目標識別手段64において得られた候補
目標KTを、未知目標の識別結果として表示し、オペレ
ータ13は、識別結果表示手段65を監視することによ
り、目標の識別結果を知る事ができる。
【0239】以上の構成とする事により、高分解能画像
を得られないレーダにおいても、目標の認識・識別が可
能となる。
【0240】また、認識・識別の際に、アスペクト角の
推定誤差に伴い発生するRCSの変動を考慮して目標を
認識・識別することができる。
【0241】さらに、複数回の観測結果を用いて情報量
を増やして識別を行うことにより、一回の観測結果を用
いて識別する場合に比較して、識別率の向上を図ること
ができる。
【0242】ここで、特徴量抽出手段17で得られた特
徴量と、目標アスペクト角推定手段9で得られたアスペ
クト角を用いて、図23に示す特徴量分布と直接比較
し、値の最も近い候補目標を識別結果とする手法も考え
られるが、一般に航空機等のRCSは、アスペクト角の
わずかな変化に対して大きく変化することが知られてお
り、さらに、目標アスペクト角推定手段9の推定結果に
誤差が生じることは避けられない。従って、RCSデー
タベースと観測RCSの直接比較による識別方式では識
別率が低くなってしまう。この実施の形態12の装置で
は、認識・識別用の辞書データをアスペクト角の誤差を
考慮に入れた確率密度分布とし、これを用いて認識・識
別することにより、このアスペクト角推定誤差の影響を
解決している。また、このような観測を複数回繰り返す
ことにより、情報量を増加させ、未知目標の識別率向上
を達成できる。
【0243】以上のように、この実施の形態12の装置
によれば、高分解能画像を得られないレーダにおいて
も、目標を認識・識別することが可能となる。また、認
識・識別の際に、アスペクト角の推定誤差に伴い発生す
るRCSの変動を考慮して目標を認識・識別することが
できる。
【0244】さらに、観測回数を増加させることによ
り、情報量を増やして識別をすることができ、一回の観
測結果を用いて識別する場合に比較して識別率の向上を
図ることができる。
【0245】さらに、未知目標が候補目標のいずれであ
るかを直接識別結果表示手段65に表示するため、レー
ダ画像の比較により判断するなどのオペレータによる判
断が不要となり、オペレータの負担が軽減されるととも
に、オペレータの熟練度に影響されない客観的な認識・
識別結果が得られる。
【0246】さらに、この実施の形態12における処理
は、画像処理と比べて簡単で、かつ、データ量も少ない
ため、比較的少ない演算量による認識・識別処理が可能
である。
【0247】なお、上記においては、RCSがガウス分
布しているものとみなして、統計量算出手段213が、
RCSの平均値及び標準偏差を統計量として求め、単一
スキャン確率密度算出手段61が、上記平均値及び上記
標準偏差を有するガウス分布における、特徴量抽出手段
17の出力したRCSに対応する式(28)で表される
確率密度pを確率値として算出する例を示したが、これ
に限る必要はなく、統計量及び確率値として、他の統計
分布における統計量及び確率値を用いることも任意であ
ることはいうまでもない。
【0248】実施の形態13.図24は本発明の実施の
形態13の機能構成を示す機能ブロック図であり、図に
おいて、66は単一スキャン関連確率算出手段、67は
複数スキャン関連確率平均値算出手段(複数スキャン確
率平均値算出手段)である。なお、図21に示した部分
と同一又は相当の部分については同一符号を付して重複
説明を省略する。
【0249】次に動作について説明する。
【0250】図24を用いて実施の形態13の動作を説
明する。単一スキャン確率密度蓄積手段62にK種類の
目標、N回のスキャンの単一スキャン確率密度p(k,
n)を蓄積するまでの処理は、実施の形態12と同一で
ある。
【0251】実施の形態12では、未知目標と各候補目
標の関連の度合いを、確率密度p(k,n)で表し、こ
の値の複数スキャンの平均値の大小で識別を行った。こ
の実施の形態13においては、確率密度p(k,n)の
代わりに、新たに関連確率q(k,n)(単一スキャン
関連確率、確率値を基にした値)というものを定義し、
この値の複数スキャンの平均値の大小で識別を行う。
【0252】関連確率q(k,n)は、各スキャン毎
に、各候補目標の確率密度p(k,n)を、そのスキャ
ンにおける全候補目標の確率密度の総和で規格化した値
として式(31)で定義する。
【数21】
【0253】すなわち、この関連確率q(k,n)は、
各スキャン毎における、未知目標の各候補目標らしさを
表すものである。ただし、各スキャン毎の全候補目標の
関連確率の総和が1になることからも分かるように、こ
の関連確率q(k,n)を用いた識別では、未知目標が
候補機種以外の場合を考えていない。逆に言うと、未知
目標が必ず候補機種の中に含まれるという場合には、関
連確率q(k,n)を用いた方が、確率密度p(k,
n)を用いる場合より、識別率が高くなる場合が多い。
【0254】単一スキャン関連確率算出手段66では、
単一スキャン確率密度蓄積手段62に蓄えられた単一ス
キャン確率密度p(k,n)から単一スキャン関連確率
q(k,n) (k=1,2,…,K) (n=1,
2,…,N)を算出する。
【0255】複数スキャン関連確率平均値算出手段67
では、式(31)に従い単一スキャン関連確率算出手段
66で得られた単一スキャン関連確率q(k,n)を各
候補目標毎に全スキャンで平均した複数スキャン関連確
率平均値QQ(k) (k=1,2,…,K)を得る。
ここで、複数スキャン関連確率平均値QQ(k)は、式
(29)において、右辺の単一スキャン確率密度p
(k,n)を単一スキャン関連確率q(k,n)に代え
ることにより得られる。
【0256】目標識別手段64では、複数スキャン関連
確率平均値算出手段67で得られた複数スキャン関連確
率平均値QQ(k)を用いることにより、未知目標の機
種を候補機種1〜Kの中から決定する。ここで、機種番
号を表す数値KTは、前記式(30)で定義する。
【0257】識別結果表示手段65では、目標識別手段
64で得られた候補目標KTを、未知目標の識別結果と
して表示し、オペレータ13は、識別結果表示手段65
を監視することにより、目標の識別結果を知る事ができ
る。
【0258】以上のように、この実施の形態13によれ
ば、実施の形態12で述べた効果に加えて、目標が必ず
候補目標に含まれるという仮定のもとでは、実施の形態
12の装置に比較して識別率を向上することができる。
【0259】実施の形態14.図25は本発明の実施の
形態14の機能構成を示す機能ブロック図であり、図に
おいて、68は単一スキャン選択目標算出手段、69は
複数スキャン目標選択率算出手段(複数スキャン確率平
均値算出手段)である。なお、図21に示した部分と同
一又は相当の部分については同一符号を付して重複説明
を省略する。
【0260】次に動作について説明する。
【0261】図25を用いて実施の形態14の動作を説
明する。単一スキャン確率密度蓄積手段62にK種類の
目標、N回のスキャンの単一スキャン確率密度p(k,
n)を蓄積するまでの処理は、実施の形態12と同一で
ある。
【0262】実施の形態12では、未知目標と各候補目
標の関連の度合いを、単一スキャン確率密度p(k,
n)で表し、この値の複数スキャンの平均値の大小で識
別を行った。実施の形態14では、この単一スキャン確
率密度p(k,n)の代わりに、新たに単一スキャン選
択目標r(k,n)(確率値を基にした値)というもの
を定義し、この値の複数スキャンの平均値の大小により
識別を行う。
【0263】単一スキャン選択目標r(k,n)は、各
スキャン毎に得られた各候補目標の確率密度p(k,
n)から、次の式(32)で示すようにして得られる。
【数22】
【0264】すなわち、この単一スキャン選択目標r
(k,n)は、各スキャン毎に目標識別を行い、その結
果選択された目標に対する値を1、それ以外の目標に対
する値を0としたものに対応する。従って、この選択目
標r(k,n)により、各スキャン毎に個別に識別結果
を出すこともできる。
【0265】単一スキャン選択目標算出手段68では、
単一スキャン確率密度蓄積手段62に蓄えられた単一ス
キャン確率密度p(k,n)から単一スキャン選択目標
r(k,n)(k=1,2,…,K) (n=1,2,
…,N)を算出する。
【0266】複数スキャン目標選択率算出手段69で
は、単一スキャン選択目標算出手段68で得られた単一
スキャン選択目標r(k,n)を各候補目標毎に全スキ
ャンで平均した複数スキャン目標選択率RR(k)
(k=1,2,…,K)(複数スキャン確率平均値)を
得る。ここで、複数スキャン目標選択率RR(k)は、
式(31)において、右辺の単一スキャン確率密度p
(k,n)を単一スキャン選択目標r(k,n)に代え
ることにより得られる。
【0267】目標識別手段64では、複数スキャン目標
選択率算出手段69で得られた複数スキャン目標選択率
RR(k)を用いることにより、未知目標の機種を候補
機種1〜Kの中から決定する。ここで、機種番号を表す
数値KTは、式(29)において、右辺の複数スキャン
確率密度平均値PP(k)を複数スキャン目標選択率R
R(k)に代えることにより得られる。
【0268】識別結果表示手段65では、目標識別手段
64で得られた候補目標KTを、未知目標の識別結果と
して表示し、オペレータ13は、識別結果表示手段23
を監視することにより、目標の識別結果を知る事ができ
る。
【0269】以上のように、この実施の形態14によれ
ば、実施の形態12の効果に加えて、各スキャンにおけ
る個別の識別結果を得るとともに、これを全スキャンN
で総合することにより目標の識別を行うことが可能とな
る。
【0270】実施の形態15.図26は本発明の実施の
形態15の機能構成を示す機能ブロック図であり、図に
おいて、70は重みデータベース生成手段、71は重み
データベース、72は重みデータベース検索手段、73
は複数スキャン重み付き確率密度平均値算出手段(複数
スキャン確率平均値算出手段)である。なお、図21に
示した部分と同一又は相当の部分については同一符号を
付して重複説明を省略する。
【0271】図27は重みデータベース生成手段70の
詳細構成を示すブロック図であり、図において、701
は目標形状データ蓄積手段、702はRCS算出手段、
703はRCSデータベース、704は統計量データベ
ース、705は単一スキャン確率密度算出手段、706
は目標識別手段、707は識別結果蓄積手段、708は
識別率算出手段である。
【0272】次に動作について説明する。
【0273】図26及び図27を用いて、実施の形態1
5の動作を説明する。単一スキャン確率密度蓄積手段6
2にK種類の目標、N回のスキャンの単一スキャン確率
密度p(k,n)を蓄積するまでの処理は、実施の形態
12と同一である。
【0274】本実施の形態15を用いた識別では、各ス
キャンで得られた結果を同一に扱うのではなく、各スキ
ャン毎に重み付けをして識別を行う。まず、重み付けの
際に用いる重みデータベース71を生成するための重み
データベース生成手段70の動作を図27を用いて説明
する。
【0275】ここでは、事前の計算機シミュレーション
により、各アスペクト角における識別率を計算し、これ
を各アスペクト角の重み係数とする。
【0276】RCS算出手段702は、目標形状データ
蓄積手段701に蓄えられた候補目標1〜Kの形状デー
タから、考慮するアスペクト角1〜Mにおける各候補目
標のRCSとして、RCS(k,m) (k=1,2,
…,K) (m=1,2,…,M)を算出し、RCSデ
ータベース703に蓄える。
【0277】単一スキャン確率密度算出手段705は、
各アスペクト角1〜M、各候補目標1〜K毎に、その候
補目標kinがそのアスペクト角minに未知目標として到
来したとして、RCSデータベース703から読み出さ
れたRCS(kin,min)と、統計量データベース70
4に蓄えられた全目標の統計量データμS0(k,mi
n),σS0(k,min) (k=1,2,…,K)か
ら、各候補目標に対する確率密度pd(k) (k=
1,2,…,K)を式(28)と同様の方法により計算
する。ここで、RCS(kin,min)は式(28)のS
(n)に、μS0(k,min)は式(28)のμS(k,
n)に、σS0(k,min)は式(28)のσS(k,
n)に対応する。
【0278】目標識別手段706は、式(30)と同様
の方法により識別を行い、目標kinを入力した場合の識
別結果koutを得る。ここで、識別結果Result(kin,
min)(kin=1,2,…,K)(min=1,2,…,
M)を次式(33)により算出して識別結果蓄積手段7
07に格納する。
【数23】
【0279】すなわち、このResult(kin,min)
は、各候補目標、各アスペクト角毎に識別が正しく行え
たか、つまり(1)又は、行えなかった、つまり(0)
かを示している。識別率算出手段708は、次式(3
4)により、各アスペクト角m毎のResultの平均値R
P0(m)(m=1,2,…,M)を得る。
【数24】
【0280】この値は、候補目標のいずれかが同じ確率
で到来すると仮定した場合のそのアスペクト角における
識別率の期待値である。従って、この値が大きいほど、
識別率が高いと期待できる。
【0281】このRP0(m)は考慮するアスペクト角
範囲内のアジマス角θa、エレベーション角θeに対す
る値である。よって、これをRP0(θa,θe)と書
き換えても構わない。アスペクト角番号mのアジマス
角、エレベーション角をそれぞれ、θam,θemとす
ると、アスペクト角推定誤差を考慮した識別率RP
(m) (m=1,2,…,M)は、式(1)で示した
アスペクト角推定誤差分布Pを用いて次式(35)で表
される。
【数25】
【0282】すなわち、このRP(m)の値が大きいほ
ど、そのアスペクト角での識別結果に信頼が置けるとい
うことになる。従って各スキャン毎にアスペクト角が変
わる場合は、このRP(m)の値で各スキャン結果の重
み付けを行うことができるので、これを重みとして採用
し、重みデータベース71に重み係数w(m)(m=
1,2,…,M)として格納する。
【0283】図26の重みデータベース検索手段72
は、目標アスペクト角推定手段9で得られた未知目標の
アスペクト角から重みデータベース71の検索を行い、
複数スキャン重み付き確率密度平均値算出手段73は、
各スキャン1〜N毎の重み係数w(n)(n=1,2,
…,N)を読み出し、複数スキャン重み付き確率密度平
均値WPP(k) (k=1,2,…,K)(複数スキ
ャン確率平均値)を次式(36)により得る。
【数26】
【0284】以下、目標識別手段64では、WPP
(k)の値より識別を行い、識別結果KTを得て、識別
結果表示手段65により識別結果を表示する。オペレー
タ13は、識別結果表示手段65を監視することによ
り、目標の識別結果を知る事ができる。
【0285】以上のように、この実施の形態15によれ
ば、実施の形態12の効果に加えて、各スキャンの観測
結果に信頼性の重み付けを行って識別することができる
ため、実施の形態12に比べて目標の識別率を向上させ
ることができる。なお、ここでは、実施の形態12の変
形例を示したが、ここで述べた重み付けを実施の形態1
3,14に適用することも可能であることは言うまでも
ない。
【0286】実施の形態16.図28は本発明の実施の
形態16の機能構成を示す機能ブロック図であり、図に
おいて、74は複数スキャン確率密度相乗平均値算出手
段(複数スキャン確率平均値算出手段)である。なお、
図21に示した部分と同一又は相当の部分については同
一符号を付して重複説明を省略する。
【0287】次に動作について説明する。
【0288】図28を用いて実施の形態16の動作を説
明する。単一スキャン確率密度蓄積手段62にK種類の
目標、N回のスキャンの単一スキャン確率密度p(k,
n)を蓄積するまでの処理は、実施の形態12と同一で
ある。
【0289】この実施の形態16では、実施の形態12
で述べた複数スキャン確率密度平均値PP(k)の代わ
りに、複数スキャン確率密度相乗平均PP2(k)を用
いて識別を行う。複数スキャン確率密度相乗平均値算出
手段74はこの値を次式(37)により得る。
【数27】
【0290】以下、目標識別手段64は、PP2(k)
の値より識別を行い、識別結果KTを得て、識別結果表
示手段65により結果を表示する。オペレータ13は、
識別結果表示手段65を監視することにより、目標の識
別結果を知る事ができる。
【0291】以上のように、この実施の形態16によれ
ば、実施の形態12とは異なる平均操作により同様の効
果を得る事ができる。
【0292】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能であり、例
えば実施の形態1乃至実施の形態16のうち、動作原理
上組み合わせ可能なものであれば、それら実施の形態を
互いに組み合わせた装置とすることができる。
【0293】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1の発
明によれば、レーダ受信機が出力する目標からの反射信
号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出手段
と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標追尾
手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標のレ
ーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目標ア
スペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補目標
についての統計量データをアスペクト角毎に出力する統
計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手段
により推定されたアスペクト角の統計量データを前記統
計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補目標
毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段の
出力及び前記統計量検索手段の出力に基づき前記目標の
確率密度値を前記複数の候補目標毎に算出する確率密度
算出手段と、前記確率密度値に基づき前記目標に近い候
補目標を選択し、選択された候補目標を前記目標の識別
結果として出力する目標識別手段とを備える構成とした
ので、高分解能画像を得られないレーダにおいても、ア
スペクト角の推定誤差に伴い発生するRCSの変動を考
慮した目標の認識・識別を行うことにより、未知目標が
どのようなものであるのか、例えば航空機の場合、ヘリ
コプタ、小型単発機、中型双発機、大型ジェット機のい
ずれであるのか、また、機種は何であるのか等を認識・
識別し、判定することが可能となるという効果がある。
【0294】本願請求項2の発明によれば、目標に対す
るレーダ送信波を送信する送信アンテナと、この送信ア
ンテナと離れた位置に設置され、前記目標からの反射波
を受信し前記レーダ受信機へ出力する受信アンテナとを
備え、統計量データ作成手段は、予め定められた複数の
候補目標についての統計量データを、前記目標と前記送
信アンテナとの間の送信アスペクト角、及び前記目標と
前記受信アンテナとの間の受信アスペクト角によって特
定される角度毎に出力し、目標アスペクト角推定手段
は、目標追尾手段の出力に基づき前記送信アスペクト角
及び前記受信アスペクト角を推定し、統計量検索手段
は、前記目標アスペクト角推定手段により推定された送
信アスペクト角及び受信アスペクト角に基づき、統計量
データを前記統計量データ作成手段から読み出して前記
複数の候補目標毎に出力するように構成したので、電波
が照射された方向に反射しない形状を持つ目標を観測す
る場合であっても、目標の認識・識別を行えるという効
果がある。
【0295】本願請求項3の発明によれば、目標に対す
るレーダ送信波の偏波及び受信波の偏波の組合せからの
反射信号の偏波の種類を選択する選択手段と、前記選択
手段の出力に基づき前記目標の特徴量を前記偏波の組合
せ毎に抽出する特徴量抽出手段と、前記受信波に基づき
前記目標を追尾する目標追尾手段と、前記目標追尾手段
の出力に基づき前記目標のレーダに対する向きを示すア
スペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段と、予
め定められた複数の候補目標についての統計量データを
アスペクト角及び前記偏波の組合せ毎に出力する統計量
データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手段によ
り推定されたアスペクト角の統計量データを前記統計量
データ作成手段から読み出して前記複数の候補目標及び
前記偏波の組合せ毎に出力する統計量検索手段と、前記
特徴量抽出手段の出力及び前記統計量検索手段の出力に
基づき前記目標の確率密度値を前記複数の候補目標及び
前記偏波の組合せ毎に算出する確率密度算出手段と、前
記確率密度算出手段により得られた確率密度値を前記偏
波の組合せ毎にまとめて前記複数の候補目標毎の確率密
度値とする特徴空間確率密度算出手段と、前記確率密度
値に基づき前記目標に近い候補目標を選択し、選択され
た候補目標を前記目標の識別結果として出力する目標識
別手段とを備えるように構成したので、異なる偏波毎に
得られた特徴空間において識別し、多くの情報量を識別
に用いることができ、識別率が向上するという効果があ
る。
【0296】本願請求項4の発明によれば、偏波の組合
せ毎の重み係数を予め格納する重みデータベースを備
え、特徴空間確率密度算出手段は、確率密度値を前記偏
波の組合せ毎にまとめるときに前記重み係数に基づき重
み付けを行うように構成したので、特徴量の性質を考慮
した重み付けを行って識別を行い、識別率が向上すると
いう効果がある。
【0297】本願請求項5の発明によれば、目標に対す
るレーダ送信波の周波数及び受信波の周波数の種類を選
択する選択手段と、前記選択手段の出力に基づき前記目
標の特徴量を前記周波数の種類毎に抽出する特徴量抽出
手段と、前記受信波に基づき前記目標を追尾する目標追
尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標の
レーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目標
アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補目
標についての統計量データをアスペクト角及び前記周波
数の種類毎に出力する統計量データ作成手段と、前記目
標アスペクト角推定手段により推定されたアスペクト角
の統計量データを前記統計量データ作成手段から読み出
して前記複数の候補目標及び前記周波数の種類毎に出力
する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段の出力及び
前記統計量検索手段の出力に基づき前記目標の確率密度
値を前記複数の候補目標及び前記周波数の種類毎に算出
する確率密度算出手段と、前記確率密度算出手段により
得られた確率密度値を前記周波数の種類毎にまとめて前
記複数の候補目標毎の確率密度値とする特徴空間確率密
度算出手段と、前記確率密度値から前記目標に近い候補
目標を選択し、選択された候補目標を前記目標の識別結
果として出力する目標識別手段とを備えるように構成し
たので、異なる周波数毎に得られた特徴空間において識
別し、多くの情報量を識別に用いることができ、識別率
が向上するという効果がある。
【0298】本願請求項6の発明によれば、周波数の種
類毎に重み係数を予め格納する重みデータベースを備
え、特徴空間確率密度算出手段は、確率密度値を前記周
波数の種類毎にまとめるときに前記重み係数に基づき重
み付けを行うように構成したので、特徴量の性質を考慮
した重み付けを行って識別を行い、識別率が向上すると
いう効果がある。
【0299】本願請求項7の発明によれば、統計量デー
タ作成手段に、候補目標毎の形状を予め格納する目標形
状データ蓄積手段と、前記候補目標毎の形状に基づきレ
ーダ断面積を算出するRCS算出手段と、前記RCS算
出手段の出力に基づき統計量を前記候補目標毎に算出す
る統計量算出手段と、前記統計量算出手段により得られ
た統計量を格納するとともに、前記統計量検索手段の指
定に基づき対応する統計量データを出力する統計量デー
タベースとを備えるように構成したので、統計量データ
を予め作成し、蓄積することができて、実際の処理の時
の演算量が少なくなり、装置の構成が容易になるという
効果がある。
【0300】本願請求項8の発明によれば、統計量デー
タ作成手段に、候補目標毎の形状を予め格納する目標形
状データ蓄積手段と、前記候補目標毎の形状に基づきレ
ーダ断面積を算出するRCS算出手段と、前記RCS算
出手段の出力に基づき統計量を前記候補目標毎に算出す
る統計量算出手段と、前記候補目標のうちで互いに近似
するもの同士をカテゴリにまとめるカテゴリ分離手段
と、前記カテゴリ毎の統計量を算出するとともに、前記
カテゴリに含まれない候補目標の統計量を出力するカテ
ゴリ別統計量算出手段と、前記カテゴリ毎の統計量及び
前記カテゴリに含まれない候補目標の統計量を格納する
とともに、前記統計量検索手段の指定に基づき対応する
統計量データを出力する統計量データベースとを備える
ように構成したので、予め候補目標をクラスタリングし
て分類に適したカテゴリに再配置できて、識別の精度が
向上するという効果がある。
【0301】本願請求項9の発明によれば、目標識別手
段は、選択された候補目標がカテゴリであるときに、前
記カテゴリ及びこれに含まれる複数の候補目標を表示す
るように構成したので、目標がカテゴリに属すると識別
されたときに、その候補目標を具体的に知ることができ
るという効果がある。
【0302】本願請求項10の発明によれば、統計量検
索手段により指定されたアスペクト角に対応する統計量
データが存在しないときに近傍の統計量データを統計量
データベースから読み出すとともに、前記近傍の統計量
データに基づき補間処理を行い、指定されたアスペクト
角に対応する統計量データを算出して出力するデータベ
ース補間手段を備えるように構成したので、データベー
ス容量を小さくして、目標の識別を行えるという効果が
ある。
【0303】本願請求項11の発明によれば、統計量デ
ータベースは、方位角及び仰角それぞれについて統計量
データを格納し、データベース補間手段は、方位角及び
仰角それぞれについて補間処理を行うとともに、前記デ
ータベース補間手段により得られた方位角の統計量と仰
角の統計量とを融合し、融合された統計量データを前記
統計量検索手段に出力するアジマス・エレベーション独
立統計量融合手段を備えるように構成したので、データ
ベース容量を小さくして、目標の識別を行えるという効
果がある。
【0304】本願請求項12の発明によれば、目標アス
ペクト角推定手段により推定されたアスペクト角に基づ
き特徴量を算出するアスペクト角範囲を決定するアスペ
クト角決定手段を備えるとともに、統計量データ作成手
段に、候補目標毎の形状を予め格納する目標形状データ
蓄積手段と、前記アスペクト角範囲内において前記候補
目標毎の形状に基づきレーダ断面積を算出するRCS算
出手段と、前記RCS算出手段の出力に基づき統計量を
前記候補目標毎に算出して統計量検索手段に出力する統
計量算出手段とを備えるように構成したので、統計量デ
ータベースが不要となり、装置の構成が簡単になるとい
う効果がある。
【0305】本願請求項13の発明によれば、統計量デ
ータ作成手段に、複数の分布モデルを予め格納する分布
モデルデータベースと、RCS算出手段の出力の分布を
前記複数の分布モデルと比較することにより分布を検定
する分布検定手段とを備えるとともに、統計量算出手段
は、前記分布検定手段により定められた分布に基づき統
計量を算出するように構成したので、各候補目標のRC
S分布を予め検定し、適当な確率分布モデルを当てはめ
ることができて、識別率が向上するという効果がある。
【0306】本願請求項14の発明によれば、特徴量抽
出手段の出力及び統計量データベース検索手段の出力に
基づき、各観測において目標が各候補目標である確率に
関する量を表す確率値を前記各候補目標毎に算出する単
一スキャン確率値算出手段と、前記各候補目標毎の前記
確率値を基にした値の複数回の観測における値の平均操
作をすることにより、前記複数回の観測に亘る複数スキ
ャン確率平均値を算出する複数スキャン確率平均値算出
手段と、前記複数スキャン確率平均値に基づき、前記目
標に近い目標を選択し、選択された前記候補目標を前記
目標の識別結果として出力する目標識別手段とを備える
ように構成したので、観測回数を増加させて、情報量を
増やした識別が可能となり、一回の観測結果を用いて識
別する場合に比較して識別率の向上を図ることができる
との効果がある。また、未知目標が候補目標のいずれで
あるかを直接に目標識別手段の出力によりオペレータに
知らせることができるため、レーダ画像の比較により判
断するなどのオペレータによる判断が不要となり、オペ
レータの負担が軽減されるとともに、オペレータの熟練
度に影響されない客観的な認識・識別結果が得られるよ
うになる効果がある。さらに、画像処理と比べて簡単
で、かつ、データ量も少ないため、比較的少ない演算量
による認識・識別処理が可能になるという効果がある。
【0307】本願請求項15の発明によれば、統計量算
出手段において、特徴量がガウス分布しているものとみ
なして統計量として特徴量の平均値及び標準偏差を求
め、単一スキャン確率値算出手段において、確率値とし
て、前記平均値及び前記標準偏差を有するガウス分布に
おける、前記特徴量抽出手段の出力した特徴量に対応す
る確率密度を算出するように構成したので、単純な統計
モデルに基づいた処理により、高分解能画像を得られな
いレーダにおいても、目標の認識・識別を行えるという
効果がある。
【0308】本願請求項16の発明によれば、各観測に
おいて、各候補目標の確率値を全候補目標の確率値の総
和により規格化した単一スキャン関連確率を算出する単
一スキャン関連確率算出手段を備えるようにし、複数ス
キャン確率平均値算出手段が、確率値を基にした値とし
て、前記単一スキャン関連確率算出手段が算出した前記
単一スキャン関連確率を用いるように構成したので、目
標が必ず候補目標に含まれるという状況において、識別
率の向上を図ることができるという効果がある。
【0309】本願請求項17の発明によれば、複数スキ
ャン確率平均値算出手段が、確率値を基にした値の複数
回の観測における相加平均をとるように構成したので、
一般的な相加平均による平均操作により複数回の観測に
亘る複数スキャン確率平均値を算出し、これにより目標
の識別を行うことができるという効果がある。
【0310】本願請求項18の発明によれば、複数スキ
ャン確率平均値算出手段が、確率値を基にした値の複数
回の観測における相乗平均をとるように構成したので、
相乗平均による平均操作により複数回の観測に亘る複数
スキャン確率平均値を算出し、これにより目標の識別を
行うことができるという効果がある。
【0311】本願請求項19の発明によれば、単一スキ
ャン確率値算出手段において得られる各候補目標の確率
値を基にして目標であると考えられる候補目標を選択し
た結果を表す単一スキャン選択目標を算出する単一スキ
ャン選択目標算出手段を備えるようにし、複数スキャン
確率平均値算出手段が、確率値を基にした値として、前
記単一スキャン選択目標算出手段が算出した前記単一ス
キャン選択目標を用い、前記単一スキャン選択目標を前
記各候補目標毎に複数回の観測で平均操作した複数スキ
ャン目標選択率を複数スキャン確率平均値として算出す
るように構成したので、各観測における個別の識別結果
を得るとともに、これを全観測で総合することにより目
標の識別を行うことが可能となるという効果がある。
【0312】本願請求項20の発明によれば、事前のシ
ミュレーションから、各アスペクト角毎の識別率を計算
し、これを各アスペクト角毎の重み係数とする重みデー
タベース生成手段と、前記重みデータベース生成手段で
計算された各アスペクト角毎の重み係数を蓄積する重み
データベースと、目標アスペクト角推定手段において各
観測に対して得られる目標の推定アスペクト角を用いて
重みデータベースを検索し、その回の観測結果に対する
重み係数を出力する重みデータベース検索手段とを備え
るようにし、複数スキャン確率平均値算出手段が、複数
回の観測における各候補目標毎の確率値と、前記重みデ
ータベース検索手段から出力された各観測に対する重み
係数を用いて、前記候補目標毎に複数回の観測における
前記確率値を加重平均した複数スキャン重み付き確率平
均値を複数スキャン確率平均値として算出するように構
成したので、各回の観測結果に信頼性の重み付けを行っ
て識別を行うことができるため、目標の識別率を向上さ
せることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態1のレーダによる目標
の識別装置の機能ブロック図である。
【図2】実施の形態1における辞書データ作成部の処理
内容を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1において計算されたRCS分布の
一例を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1において計算されたアスペクト角
推定誤差の確率密度分布の一例を示す斜視図である。
【図5】実施の形態1において計算されたあるアスペク
ト角における特徴量の確率密度分布を示す説明図であ
る。
【図6】実施の形態2のレーダによる目標の識別装置の
機能ブロック図である。
【図7】実施の形態2のデータベース補間手段の動作の
説明図である。
【図8】実施の形態3のレーダによる目標の識別装置の
機能ブロック図である。
【図9】実施の形態3における特徴量の平均、標準偏差
を格納するアスペクト角範囲を示す説明図である。
【図10】実施の形態3における認識・識別用データベ
ース補間手段の動作の説明図である。
【図11】実施の形態4のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図12】実施の形態5のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図13】実施の形態5におけるカテゴリ分離を説明す
る説明図である。
【図14】実施の形態5におけるカテゴリ分離の基準に
なる分離度の説明図である。
【図15】実施の形態6のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図16】実施の形態7のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図17】実施の形態8のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図18】実施の形態9のレーダによる目標の識別装置
の機能ブロック図である。
【図19】実施の形態10のレーダによる目標の識別装
置の機能ブロック図である。
【図20】実施の形態11のレーダによる目標の識別装
置の機能ブロック図である。
【図21】実施の形態12によるレーダによる目標の識
別装置の機能ブロック図である。
【図22】実施の形態12における認識・識別処理を示
すフローチャートである。
【図23】実施の形態12における単一スキャン確率密
度p(k,n)の説明図である。
【図24】実施の形態13によるレーダによる目標の識
別装置の機能ブロック図である。
【図25】実施の形態14によるレーダによる目標の識
別装置の機能ブロック図である。
【図26】実施の形態15によるレーダによる目標の識
別装置の機能ブロック図である。
【図27】実施の形態15の重みデータベース生成手段
の構成を示す機能ブロック図である。
【図28】実施の形態16によるレーダによる目標の識
別装置の機能ブロック図である。
【図29】従来のレーダによる目標の識別装置の機能ブ
ロック図である。
【図30】目標とレーダ装置のジオメトリを示す説明図
である。
【符号の説明】
1 送信機 2 送受切換器 3 送受信アンテナ 4 受信機 5 レーダ画像再生手段 6 レーダ画像表示手段 7 目標追尾手段 8 点像応答推定手段 9 目標アスペクト角推定手段 11 畳み込み積分手段 13 オペレータ 16 統計量データベース検索手段(統計量検出手段) 17 特徴量抽出手段 18 単一特徴量確率密度算出手段 19,64 目標識別手段 20,65 識別結果表示手段 21 辞書データ作成部(統計量データ作成手段) 26 アスペクト角決定手段 31 H偏波送受信アンテナ 32 V偏波送受信アンテナ 33 アンテナ切換器 34 特徴空間制御手段 35 特徴空間確率密度算出手段 36 送信切換器 37 L帯送信機 38 C帯送信機 39 受信切換器 40 L帯受信機 41 C帯受信機 42 重みデータベース 61 単一スキャン確率密度算出手段(単一スキャン確
率値算出手段) 62 単一スキャン確率密度算出手段 63 複数スキャン確率密度平均値算出手段(複数スキ
ャン確率平均値算出手段) 66 単一スキャン関連確率算出手段 67 複数スキャン関連確率平均値算出手段(複数スキ
ャン確率平均値算出手段) 68 単一スキャン選択目標算出手段 69 複数スキャン目標選択率算出手段(複数スキャン
確率平均値算出手段) 70 重みデータベース生成手段 71 重みデータベース 72 重みデータベース検索手段 73 複数スキャン重み付き確率密度平均値算出手段
(複数スキャン確率平均値算出手段) 74 複数スキャン確率密度相乗平均値算出手段(複数
スキャン確率平均値算出手段) 91 目標アスペクト角推定手段 121,135 目標のアスペクト角推定値 122,136 格納データのアスペクト角 123,137 取り得る推定アスペクト角 131 領域A 132 領域E 134 拡大図におけるデータを格納しているアスペク
ト角 153 候補目標1の確率密度関数 154 候補目標2の確率密度関数 155 候補目標3の確率密度関数 156 候補目標4の確率密度関数 157 カテゴリ1の確率密度関数 158 カテゴリ2の確率密度関数 159 候補目標1の確率密度関数 160 候補目標2の確率密度関数 161 統計量データベース検索手段 211,701 目標形状データ蓄積手段 212,702,2121 RCS算出手段 213 統計量算出手段 214,704 統計量データベース 215 アスペクト角間隔制御手段 216 データベース補間手段 217 アジマス・エレベーション独立統計量データベ
ース 218 アジマス・エレベーション独立統計量融合手段 219 カテゴリ分離手段 220 カテゴリ別統計量算出手段 221 分布モデルデータベース 222 分布検定手段 251 2つの確率密度関数の重ならない領域 501 目標 502 レーダ装置 601 送信アンテナ 602 受信アンテナ 703 RCSデータベース 705 単一スキャン確率密度算出手段 706 目標識別手段 707 識別結果蓄積手段 708 識別率算出手段 2141 統計量データベース 6001 2次元表示バッファ 6002 モニタTV
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤坂 貴彦 神奈川県鎌倉市大船五丁目1番1号三菱電 機株式会社情報技術総合研究所内 Fターム(参考) 5J070 AB01 AC19 AD02 AD14 AE04 AH19 AK13 AK22 BB04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーダ受信機が出力する目標からの反射
    信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出手
    段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標追
    尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標の
    レーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目標
    アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補目
    標についての統計量データをアスペクト角毎に出力する
    統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手
    段により推定されたアスペクト角の統計量データを前記
    統計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補目
    標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段
    の出力及び前記統計量検索手段の出力に基づき前記目標
    の確率密度値を前記複数の候補目標毎に算出する確率密
    度算出手段と、前記確率密度値に基づき前記目標に近い
    候補目標を選択し、選択された候補目標を前記目標の識
    別結果として出力する目標識別手段とを備えたレーダに
    よる目標の識別装置。
  2. 【請求項2】 レーダ送信機からの目標に対するレーダ
    送信波を送信する送信アンテナと、この送信アンテナと
    離れた位置に設置され、前記目標からの反射波を受信し
    前記レーダ受信機へ出力する受信アンテナとを備え、前
    記統計量データ作成手段は、予め定められた複数の候補
    目標についての統計量データを、前記目標と前記送信ア
    ンテナとの間の送信アスペクト角、及び前記目標と前記
    受信アンテナとの間の受信アスペクト角によって特定さ
    れる角度毎に出力し、前記目標アスペクト角推定手段
    は、前記目標追尾手段の出力に基づき前記送信アスペク
    ト角及び前記受信アスペクト角を推定し、前記統計量検
    索手段は、前記目標アスペクト角推定手段により推定さ
    れた送信アスペクト角及び受信アスペクト角に基づき、
    前記統計量データを前記統計量データ作成手段から読み
    出して前記複数の候補目標毎に出力することを特徴とす
    る請求項1記載のレーダによる目標の識別装置。
  3. 【請求項3】 目標に対するレーダ送信波の偏波及び受
    信波の偏波の組合せからの反射信号の偏波の種類を選択
    する選択手段と、前記選択手段の出力に基づき前記目標
    の特徴量を前記偏波の組合せ毎に抽出する特徴量抽出手
    段と、前記受信波に基づき前記目標を追尾する目標追尾
    手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標のレ
    ーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目標ア
    スペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補目標
    についての統計量データをアスペクト角及び前記偏波の
    組合せ毎に出力する統計量データ作成手段と、前記目標
    アスペクト角推定手段により推定されたアスペクト角の
    統計量データを前記統計量データ作成手段から読み出し
    て前記複数の候補目標及び前記偏波の組合せ毎に出力す
    る統計量検索手段と、前記特徴量抽出手段の出力及び前
    記統計量検索手段の出力に基づき前記目標の確率密度値
    を前記複数の候補目標及び前記偏波の組合せ毎に算出す
    る確率密度算出手段と、前記確率密度算出手段により得
    られた確率密度値を前記偏波の組合せ毎にまとめて前記
    複数の候補目標毎の確率密度値とする特徴空間確率密度
    算出手段と、前記確率密度値に基づき前記目標に近い候
    補目標を選択し、選択された候補目標を前記目標の識別
    結果として出力する目標識別手段とを備えたレーダによ
    る目標の識別装置。
  4. 【請求項4】 偏波の組合せ毎の重み係数を予め格納す
    る重みデータベースを備え、前記特徴空間確率密度算出
    手段は、確率密度値を前記偏波の組合せ毎にまとめると
    きに前記重み係数に基づき重み付けを行うことを特徴と
    する請求項3記載のレーダによる目標の識別装置。
  5. 【請求項5】 目標に対するレーダ送信波の周波数及び
    受信波の周波数の種類を選択する選択手段と、前記選択
    手段の出力に基づき前記目標の特徴量を前記周波数の種
    類毎に抽出する特徴量抽出手段と、前記受信波に基づき
    前記目標を追尾する目標追尾手段と、前記目標追尾手段
    の出力に基づき前記目標のレーダに対する向きを示すア
    スペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段と、予
    め定められた複数の候補目標についての統計量データを
    アスペクト角及び前記周波数の種類毎に出力する統計量
    データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定手段によ
    り推定されたアスペクト角の統計量データを前記統計量
    データ作成手段から読み出して前記複数の候補目標及び
    前記周波数の種類毎に出力する統計量検索手段と、前記
    特徴量抽出手段の出力及び前記統計量検索手段の出力に
    基づき前記目標の確率密度値を前記複数の候補目標及び
    前記周波数の種類毎に算出する確率密度算出手段と、前
    記確率密度算出手段により得られた確率密度値を前記周
    波数の種類毎にまとめて前記複数の候補目標毎の確率密
    度値とする特徴空間確率密度算出手段と、前記確率密度
    値から前記目標に近い候補目標を選択し、選択された候
    補目標を前記目標の識別結果として出力する目標識別手
    段とを備えたレーダによる目標の識別装置。
  6. 【請求項6】 周波数の種類毎に重み係数を予め格納す
    る重みデータベースを備え、前記特徴空間確率密度算出
    手段は、確率密度値を前記周波数の種類毎にまとめると
    きに前記重み係数に基づき重み付けを行うことを特徴と
    する請求項5記載のレーダによる目標の識別装置。
  7. 【請求項7】 前記統計量データ作成手段に、候補目標
    毎の形状を予め格納する目標形状データ蓄積手段と、前
    記候補目標毎の形状に基づきレーダ断面積を算出するR
    CS算出手段と、前記RCS算出手段の出力に基づき統
    計量を前記候補目標毎に算出する統計量算出手段と、前
    記統計量算出手段により得られた統計量を格納するとと
    もに、前記統計量検索手段の指定に基づき対応する統計
    量データを出力する統計量データベースとを備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のレーダ
    による目標の識別装置。
  8. 【請求項8】 前記統計量データ作成手段に、候補目標
    毎の形状を予め格納する目標形状データ蓄積手段と、前
    記候補目標毎の形状に基づきレーダ断面積を算出するR
    CS算出手段と、前記RCS算出手段の出力に基づき統
    計量を前記候補目標毎に算出する統計量算出手段と、前
    記候補目標のうちで互いに近似するもの同士をカテゴリ
    にまとめるカテゴリ分離手段と、前記カテゴリ毎の統計
    量を算出するとともに、前記カテゴリに含まれない候補
    目標の統計量を出力するカテゴリ別統計量算出手段と、
    前記カテゴリ毎の統計量及び前記カテゴリに含まれない
    候補目標の統計量を格納するとともに、前記統計量検索
    手段の指定に基づき対応する統計量データを出力する統
    計量データベースとを備えたことを特徴とする請求項
    1,3,4,5又は6記載のレーダによる目標の識別装
    置。
  9. 【請求項9】 前記目標識別手段は、選択された候補目
    標がカテゴリであるときに、前記カテゴリ及びこれに含
    まれる複数の候補目標を表示することを特徴とする請求
    項8記載のレーダによる目標の識別装置。
  10. 【請求項10】 前記統計量検索手段により指定された
    アスペクト角に対応する統計量データが存在しないとき
    に近傍の統計量データを前記統計量データベースから読
    み出すとともに、前記近傍の統計量データに基づき補間
    処理を行い、前記指定されたアスペクト角に対応する統
    計量データを算出して出力するデータベース補間手段を
    備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のレーダに
    よる目標の識別装置。
  11. 【請求項11】 前記統計量データベースは、方位角及
    び仰角それぞれについて統計量データを格納し、前記デ
    ータベース補間手段は、方位角及び仰角それぞれについ
    て補間処理を行うとともに、前記データベース補間手段
    により得られた方位角の統計量と仰角の統計量とを融合
    し、融合された統計量データを前記統計量検索手段に出
    力するアジマス・エレベーション独立統計量融合手段を
    備えたことを特徴とする請求項10記載のレーダによる
    目標の識別装置。
  12. 【請求項12】 前記目標アスペクト角推定手段により
    推定されたアスペクト角に基づき特徴量を算出するアス
    ペクト角範囲を決定するアスペクト角決定手段を備える
    とともに、前記統計量データ作成手段に、候補目標毎の
    形状を予め格納する目標形状データ蓄積手段と、前記ア
    スペクト角範囲内において前記候補目標毎の形状に基づ
    きレーダ断面積を算出するRCS算出手段と、前記RC
    S算出手段の出力に基づき統計量を前記候補目標毎に算
    出して統計量検索手段に出力する統計量算出手段とを備
    えたことを特徴とする請求項1,3,4,5又は6記載
    のレーダによる目標の識別装置。
  13. 【請求項13】 前記統計量データ作成手段に、複数の
    分布モデルを予め格納する分布モデルデータベースと、
    前記RCS算出手段の出力の分布を前記複数の分布モデ
    ルと比較することにより分布を検定する分布検定手段と
    を備えるとともに、前記統計量算出手段は、前記分布検
    定手段により定められた分布に基づき統計量を算出する
    ことを特徴とする請求項7,8又は12記載のレーダに
    よる目標の識別装置。
  14. 【請求項14】 レーダ受信機が出力する目標からの反
    射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出
    手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標
    追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標
    のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目
    標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補
    目標についての統計量データをアスペクト角毎に出力す
    る統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定
    手段により推定されたアスペクト角の統計量データを前
    記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補
    目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手
    段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検索手
    段の出力した前記統計量に基づき、各観測において前記
    目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す確率
    値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率値算
    出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候補目
    標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確率値
    蓄積手段と、前記単一スキャン確率値蓄積手段から読み
    出した前記各候補目標毎の前記確率値を基にした値の複
    数回の観測における値の平均操作をすることにより、前
    記複数回の観測に亘る複数スキャン確率平均値を算出す
    る複数スキャン確率平均値算出手段と、前記複数スキャ
    ン確率平均値に基づき、前記目標に近い候補目標を選択
    し、選択された前記候補目標を前記目標の識別結果とし
    て出力する目標識別手段とを備えたレーダによる目標の
    識別装置。
  15. 【請求項15】 前記統計量算出手段は、特徴量がガウ
    ス分布しているものとみなして統計量として特徴量の平
    均値及び標準偏差を求め、前記単一スキャン確率値算出
    手段は、確率値として、前記平均値及び前記標準偏差を
    有するガウス分布における、特徴量抽出手段の出力した
    特徴量に対応する確率密度を算出することを特徴とする
    請求項14記載のレーダによる目標の識別装置。
  16. 【請求項16】 各観測において、各候補目標の確率値
    を全候補目標の確率値の総和により規格化した単一スキ
    ャン関連確率を算出する単一スキャン関連確率算出手段
    を備え、複数スキャン確率平均値算出手段は、確率値を
    基にした値として、前記単一スキャン関連確率算出手段
    が算出した前記単一スキャン関連確率を用いることを特
    徴とする請求項14又は15記載のレーダによる目標の
    識別装置。
  17. 【請求項17】 前記複数スキャン確率平均値算出手段
    は、確率値を基にした値の複数回の観測における相加平
    均をとることを特徴とする請求項15記載のレーダによ
    る目標の識別装置。
  18. 【請求項18】 複数スキャン確率平均値算出手段は、
    確率値を基にした値の複数回の観測における相乗平均を
    とることを特徴とする請求項15記載のレーダによる目
    標の識別装置。
  19. 【請求項19】 レーダ受信機が出力する目標からの反
    射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出
    手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標
    追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標
    のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目
    標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補
    目標についての統計量データをアスペクト角毎に出力す
    る統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定
    手段により推定されたアスペクト角の統計量データを前
    記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補
    目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手
    段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検索手
    段の出力した前記統計量に基づき、各観測において前記
    目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す確率
    値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率値算
    出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候補目
    標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確率値
    蓄積手段と、前記単一スキャン確率値蓄積手段から読み
    出した各候補目標の確率値を基にして前記目標であると
    考えられる候補目標を選択した結果を表す単一スキャン
    選択目標を算出する単一スキャン選択目標算出手段と、
    前記単一スキャン選択目標算出手段が算出した前記単一
    スキャン選択目標を用い、前記単一スキャン選択目標を
    前記各候補目標毎に複数回の観測で平均操作した複数ス
    キャン目標選択率を複数スキャン確率平均値として算出
    する複数スキャン確率平均値算出手段とを備えたレーダ
    による目標の識別装置。
  20. 【請求項20】 レーダ受信機が出力する目標からの反
    射信号に基づき前記目標の特徴量を抽出する特徴量抽出
    手段と、前記反射信号に基づき前記目標を追尾する目標
    追尾手段と、前記目標追尾手段の出力に基づき前記目標
    のレーダに対する向きを示すアスペクト角を推定する目
    標アスペクト角推定手段と、予め定められた複数の候補
    目標についての統計量データをアスペクト角毎に出力す
    る統計量データ作成手段と、前記目標アスペクト角推定
    手段により推定されたアスペクト角の統計量データを前
    記統計量データ作成手段から読み出して前記複数の候補
    目標毎に出力する統計量検索手段と、前記特徴量抽出手
    段の出力した特徴量及び前記統計量データベース検索手
    段の出力した前記統計量に基づき、各観測において前記
    目標が前記各候補目標である確率に関する量を表す確率
    値を前記各候補目標毎に算出する単一スキャン確率値算
    出手段と、前記単一スキャン確率値算出手段で各候補目
    標毎に算出された確率値を格納する単一スキャン確率値
    蓄積手段と、事前のシミュレーションから、各アスペク
    ト角毎の識別率を計算し、これを各アスペクト角毎の重
    み係数とする重みデータベース生成手段と、前記重みデ
    ータベース生成手段で計算された各アスペクト角毎の重
    み係数を蓄積する重みデータベースと、目標アスペクト
    角推定手段において各観測に対して得られる目標の推定
    アスペクト角を用いて重みデータベースを検索し、その
    回の観測結果に対する重み係数を出力する重みデータベ
    ース検索手段と、複数回の観測における各候補目標毎の
    確率値と、前記重みデータベース検索手段から出力され
    た各観測に対する重み係数を用いて、前記候補目標毎に
    複数回の観測における前記確率値を加重平均した複数ス
    キャン重み付き確率平均値を複数スキャン確率平均値と
    して算出する複数スキャン確率平均値算出手段と、前記
    複数スキャン確率平均値に基づき、前記目標に近い候補
    目標を選択し、選択された前記候補目標を前記目標の識
    別結果として出力する目標識別手段とを備えたレーダに
    よる目標の識別装置。
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