JP4698941B2 - 目標類別装置 - Google Patents
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Description
このような従来の技術の参考例として、文献Li,H., Yang,S., “Using Range Profiles as Feature Vectors to Identify Aerospace Objects,” IEEE TRANS. ON ANTENNAS AND PROPAGATION, Vol.41, pp261-268, Mar.1993がある。この文献では、広帯域な電波の送受信を行って得られる、高分解能なレンジプロフィールを類別に用いている。
しかし、これらは広帯域な送受信を必要とするので、適用機種が限定されるという問題があった。
また、クロスレンジプロフィールを用いて目標類別を行う場合、目標のクロスレンジプロフィールは、アスペクト角により大きく変化する。したがって、この発明では、目標のクロスレンジプロフィールから得られる特徴量を用いて目標類別を行う際に、目標の特徴量がアスペクト角により大きく変化することを考慮した類別手法を与えることを目的とする。
ドップラープロフィール生成部で生成したドップラープロフィールを、目標の運動から算出されるアスペクト角に基づいてクロスレンジプロフィールに変換するクロスレンジスケーリング部と、
クロスレンジスケーリング部から出力されるクロスレンジプロフィールから、クロスレンジ切り出し処理部で目標の存在するクロスレンジを切り出し、特徴量算出部でこの切り出されたクロスレンジプロフィールから特徴量を算出し、算出された特徴量を、判定部で、予め定められた特徴量の閾値による判定基準と比較して目標類別を行う類別処理部を有する。
以下、図1〜図5に従いこの発明の実施の形態1について説明する。
図1は、この発明の実施の形態1によるレーダ装置の構成を示す図、
図2は、図1における特徴量算出部の構成を示す図、
図3は、この発明の実施の形態1による観測のジオメトリを示す図、
図4は、この発明の実施の形態1によるクロスレンジ幅推定方法を示す図、
図5は、この発明の実施の形態1による閾値Twの決定方法を示す図である。
7はクロスレンジスケーリング部、8は類別処理部でクロスレンジ切り出し部8a、特徴量算出部8b、判定部8cを有する。9は判定基準作成処理部、10は判定基準ライブラリである。
なお、特徴量算出部8bは図2に示すようにこの実施の形態ではクロスレンジ幅算出部8b-1で構成される。
(1)送信機3で生成した送信信号を、サーキュレータ2を通じてアンテナ1から目標へ送信するとともに、目標で散乱した送信信号を受信信号として再びアンテナ1で受信する。アンテナ1で受信された受信信号は、サーキュレータ2を通じて受信機4にて受信・分析される。その結果が目標アスペクト角推定部5とドップラープロフィール生成部6に送られる。
ここで、図3のジオメトリにおいて、目標の機首方向と、目標位置を基準としたレーダのなす角θをアスペクト角とよぶ。ここで、アスペクト角θは、アジマス方向とエレベーション方向の2つの成分であることに注意する必要がある。合成開口中のアスペクト角の変化量は図3中に角度Δθで表される。Δθに関しては、例えば、追尾処理部5aにより得られた観測開始時間の目標の位置ベクトルをR0、収集終了時の位置ベクトルをR1とすると、アスペクト角の変化量Δθは、目標が直線運動を行うという仮定の下に次式で与えられる。
前述したように、ドップラープロフィールをドップラーセル番号nに対応する分布として与えているので、Dp(n)の各nを次式で与えられる係数α’倍することで、クロスレンジプロフィールに換算できる。
上記実施の形態では、特徴量算出部8bは、式(7)〜式(9)で示した方法により目標のクロスレンジ幅を算出しているが、このとき、サイドローブを含めた大きさを目標のクロスレンジ幅として算出してしまう可能性がある。そこで、フーリエ変換部6bにおいて、受信信号g(h)(h=0,1,…,H−1)に窓関数をかけた結果をフーリエ変換してドップラープロフィールを生成すれば、サイドローブを抑圧することができ、上記の問題を解決することができる。
図6は、この発明の実施の形態2によるレーダ装置の構成を示し、図7は、アスペクト角に依存した閾値を決定する概念を示す。
図6において、8dは判定基準読み取り部、11はアスペクト角考慮型判定基準作成処理部、12はアスペクト角考慮型判定基準ライブラリであり、これら以外の構成は図1に示す実施の形態1のものと同様である。
事前の数値計算により、各カテゴリに属する目標のクロスレンジ幅のアスペクト角特性を計算する。ここでは、実施の形態1と同じく、検出した目標をミサイルと航空機に類別する場合を例に述べる。図7の例では、図5と同様に●と■が航空機カテゴリに属する目標のクロスレンジ幅を表し、○と□がミサイルカテゴリに属する目標のクロスレンジ幅を表す。アスペクト角考慮型判定基準作成処理部11では、各カテゴリのクロスレンジ幅のアスペクト角特性に従ってクロスレンジ幅の閾値をアスペクト角θごとに変化させる。クロスレンジ幅がアスペクト角により変化することを考慮して決定された閾値Twは、アスペクト角考慮型判定基準ライブラリ12にて保持される。
上記実施の形態では、アスペクト角考慮型判定基準作成処理部11は、事前の数値計算により、各カテゴリに属する目標のクロスレンジ幅のアスペクト角特性を計算するようにしたが、アスペクト角推定部5bから目標のアスペクト角の情報を得るようにして、アスペクト角の情報を得たのちにシミュレーションを行い、閾値Twを決定するようにしてもよい。
図8は、この発明の実施の形態3によるレーダ装置の構成を示す図である。
図8において、13はアスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部で、アスペクト角に推定誤差が存在することを想定して閾値を決定する。14はアスペクト角推定誤差考慮型判定基準ライブラリであり、アスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13が決定した閾値を保存する。これら以外の構成は図6に示す実施の形態2と同様である。
実施の形態2では、アスペクト角ごとに閾値を変えているため、アスペクト角の推定誤差が存在する場合には問題となる。そこで、実施の形態3ではアスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13を設け、アスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13がアスペクト角に推定誤差が存在することを想定して閾値を決定する方法である。
さて、上記qp1n(w|θc)、qmis(w|θc)で条件付確率密度分布が与えられる航空機とミサイルにおいて、アスペクト角の推定値がθcの条件におけるクロスレンジ幅の閾値をTw0とする。この時に、航空機を航空機と正しく類別できる条件付確率をpp1n−p1n(Tw0|θc)、ミサイルをミサイルと正しく類別できる条件付確率をpmis−mis(Tw0|θc)とすると、これらはそれぞれ次式で表される。
この発明の実施の形態4によるレーダ装置の構成は、図9に示す特徴量算出部8bを除き図6に示す実施の形態2と同様である。図9において、8b-2は平均値算出部、8b-3はモーメント算出部である。
ミサイルでは、大きな反射を生じる部分が先端部分や翼などに限られるのに対して、航空機のような固定翼機では、構造の複雑さから、大きな反射を生じる部分が複数存在するので、両者のクロスレンジプロフィールのパターンが異なることが期待される。そこで、実施の形態1〜3では、目標のクロスレンジ幅のみを用いて目標類別を行っていたが、この実施の形態では目標のクロスレンジ幅に加えて、切り出したクロスレンジでの電力の平均値とモーメントを用いて目標類別を行うようにする。
クロスレンジ切り出し処理部8aからクロスレンジを切り出した結果Cp(m) (m=0,1, …,M−1)が特徴量算出部8bに送られたとき、平均電力Pは次式から得られる。
実施の形態4のアスペクト角考慮型判定基準作成処理部11は、事前の数値計算により、各カテゴリに属する目標のクロスレンジ幅と平均電力とモーメントのアスペクト角特性を計算するようにしたが。アスペクト角推定部5bから目標のアスペクト角の情報を得るようにして、アスペクト角の情報を得たのちにシミュレーションを行い、目標を類別するための特徴量ベクトルνp(ψ)、νm(ψ)を算出するようにしてもよい。
この発明の実施の形態5によるレーダ装置の構成は特徴量算出部8bが異なる以外は図8に示す実施の形態3と同様である。特徴量算出部8bにおける構成部分は図9に示す実施の形態4と同様であるが、各構成要素の機能動作は異にする。
実施の形態4では、アスペクト角ごとに目標を類別するためのクロスレンジ幅W、平均電力P、モーメントZgからなる特徴量ベクトルを変えているため、アスペクト角の推定誤差が存在する場合には問題となる。そこで、アスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13が、アスペクト角に推定誤差が存在することを想定して目標を類別するための特徴量を算出する。
各カテゴリに属する目標について、アスペクト角ごとに各特徴量の平均値を計算する処理、すなわち、航空機のカテゴリについて式(31)〜式(33)を、そしてミサイルのカテゴリについて式(34)〜式(36)を得るまでは、実施の形態4で示したアスペクト角考慮型判定基準作成処理部11の処理と同じである。
各カテゴリについて決定されたアスペクト角ごとの特徴量ベクトルνp(θ)、νm(θ)は、アスペクト角推定誤差考慮型判定基準ライブラリ14にて保持される。
実施の形態5のアスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13は、式(41)、(42)によりアスペクト角θごとにθ−Δθ≦θ≦θ+Δθの範囲内で各特徴量の平均値を計算し、アスペクト角推定誤差考慮型判定基準ライブラリ14に送るようにしたが、実施の形態4のアスペクト角考慮型判定基準作成処理部11と同じく、式(37)、(38)のデータをアスペクト角推定誤差考慮型判定基準ライブラリ14に送り、判定基準読み取り部8dがアスペクト角推定誤差考慮型判定基準ライブラリ14からθ−Δθ≦θ≦θ+Δθの範囲の特徴量ベクトルを読み出して、判定部8cで式(41)、(42により目標を類別するための特徴量ベクトルνp(θ)、νm(θ)を算出するようにしてもよい。
実施の形態5のアスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部13は、事前の数値計算により、各カテゴリに属する目標のクロスレンジ幅と平均電力とモーメントのアスペクト角特性を計算するようにしたが。アスペクト角推定部5bから目標のアスペクト角の情報を得るようにして、アスペクト角の情報を得たのちにシミュレーションを行い、目標を類別するための特徴量ベクトルνp(θ)、νm(θ)を算出するようにしてもよい。
図10は、この発明の実施の形態6による特徴量算出部の構成を示す図である。
図11は、閾値を変化させて複数のクロスレンジ幅を得る概念を示す。
図10において、8b-4は複数閾値型クロスレンジ算出部であり、特徴量算出部8bはこの複数閾値型クロスレンジ算出部8b-4で構成される。
上記実施の形態1〜5では、特徴量算出部8bは、式(8)と式(9)により振幅の閾値Tampを用いて1つのクロスレンジ幅を算出するが、目標のクロスレンジ幅を算出する際に、振幅の閾値を変化させて複数のクロスレンジ幅を得、それらを特徴量として類別に用いるようにしてもよい。
ここでは、実施の形態4の特徴量として、振幅の閾値を変化させて得た複数のクロスレンジ幅を用いる方法を示す。
各カテゴリについて決定されたアスペクト角ごとの特徴量ベクトルνp(θ)、νm(θ)は、アスペクト角考慮型判定基準ライブラリ12にて保持される。
航空機カテゴリに属する候補目標の数がNであるとき、航空機カテゴリに属する各目標の、振幅の閾値がTi (i=1,2,...,NT)であるときに算出されるクロスレンジ幅のアスペクト角特性をそれぞれ式(44)〜式(46)で定義する。
は、アスペクト角考慮型判定基準ライブラリ12にて保持される。
Claims (8)
- 送信信号を生成して目標へ送信するとともに、目標で散乱した送信信号を受信信号として受信・処理して目標を検出するレーダ装置により検出された目標を類別する目標類別装置において、
受信信号を処理してドップラープロフィールを生成するドップラープロフィール生成部と、
ドップラープロフィール生成部で生成したドップラープロフィールを、目標の運動から算出されるアスペクト角に基づいてクロスレンジプロフィールに変換するクロスレンジスケーリング部と、
クロスレンジスケーリング部から出力されるクロスレンジプロフィールから、クロスレンジ切り出し処理部で目標の存在するクロスレンジを切り出し、特徴量算出部でこの切り出されたクロスレンジプロフィールから特徴量を算出し、算出された特徴量を、判定部で、予め定められた特徴量の閾値による判定基準と比較して目標類別を行う類別処理部を有することを特徴とする目標類別装置。 - 特徴量算出部により算出された特徴量は、
クロスレンジプロフィールから得られる目標のクロスレンジ幅であることを特徴とする請求項1記載の目標類別装置。 - 特徴量算出部は、
目標のクロスレンジ幅を算出するクロスレンジ幅算出部と、
切り出したクロスレンジでの電力の平均値を算出する平均値算出部と、
切り出したクロスレンジでのモーメントを算出するモーメント算出部を有し、上記各算出部の算出した値をクロスレンジプロフィールからの特徴量とすることを特徴とする請求項1記載の目標類別装置。 - 特徴量算出部は
クロスレンジプロフィールからの特徴量として、振幅の閾値を変化させて複数のクロスレンジ幅を算出することを特徴とする請求項1記載の目標類別装置。 - 受信信号から目標の位置、移動方向および速度を計測する追尾処理部と、
追尾処理部よりの目標の移動方向から目標のアスペクト角を算出するアスペクト角推定部と、
アスペクト角推定部で算出したアスペクト角ごとに異なる判定基準を算出するアスペクト角考慮型判定基準作成処理部とを有し、
類別処理部は、上記アスペクト角ごとにクロスレンジプロフィールからの特徴量を算出し、この特徴量とアスペクト角考慮型判定基準作成処理部が算出した判定基準を用いて目標類別を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の目標類別装置。 - アスペクト角考慮型判定基準作成処理部は、アスペクト角推定部で算出したアスペクト角ごとにレーダ装置のアスペクト角推定誤差を踏まえて異なる判定基準を算出するアスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部で構成してなることを特徴とする請求項5記載の目標類別装置。
- アスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部が、既知のアスペクト角推定誤差の確率分布を用いて特徴量ベクトルの確率密度関数を算出し、類別成功確率を最大化するように目標を類別するための判定基準を算出することを特徴とする請求項6記載の目標類別装置。
- アスペクト角推定誤差考慮型判定基準作成処理部が、アスペクト角に推定誤差が存在することを想定して、推定されたアスペクト角から所定範囲内に含まれるアスペクト角での候補目標の特徴量ベクトルの分布から目標を類別するための判定基準を算出することを特徴とする請求項6記載の目標類別装置。
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