JP2001323979A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP2001323979A
JP2001323979A JP2000143182A JP2000143182A JP2001323979A JP 2001323979 A JP2001323979 A JP 2001323979A JP 2000143182 A JP2000143182 A JP 2000143182A JP 2000143182 A JP2000143182 A JP 2000143182A JP 2001323979 A JP2001323979 A JP 2001323979A
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power roller
continuously variable
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variable transmission
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JP2000143182A
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English (en)
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Shugo Azuma
秀剛 東
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な突起形状の変更でありながら、干渉が
問題となるロー側変速比位置やハイ側変速比位置にて、
リンクとパワーローラ支持部材との干渉を少なくするこ
とができると共に、パワーローラ支持部材への過大な入
力トルクにより干渉したとしても最大トルク分担を小さ
く抑えることができるトロイダル型無段変速機を提供す
ること。 【解決手段】 トラニオン4,4のストローク中、トラ
ニオン4,4と両リンク5,6との間の交角にかかわら
ず、これらトラニオン4,4と両リンク5,6との間の
接触位置を規定するため両リンク5,6に設けた突起
を、両リンク5,6の球面継手嵌合穴5b,5bの周辺
であって、リンク外側領域に配置し、球面継手嵌合穴5
b,6b部分に曲率中心を持つ円弧状突起5c,6cと
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速制御特性の向
上を狙ったトロイダル型無段変速機の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、トロイダル型無段変速機として
は、例えば、特開平7−174201号公報に記載のも
のが知られている。
【0003】この公報には、パワーローラ支持部材とリ
ンクとの交角発生時も両者の接触位置を不変に保ち、変
速特性のヒステリシスを減ずることを目的とし、パワー
ローラ支持部材のストローク中、パワーローラ支持部材
とリンクとの間の交角にかかわらず、これらパワーロー
ラ支持部材とリンクとの間の接触位置を不変に保つため
の直線状突起をリンクに設けたものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のトロイダル型無段変速機にあっては、パワーローラ
支持部材とリンクとの間の接触位置を規定する突起を、
図7に示すように、リンクの球面継手嵌合穴に近接する
接線方向の直線状突起としているため、パワーローラ支
持部材が変速比1の位置ではパワーローラ支持部材とリ
ンクとが干渉しにくいものの、パワーローラ支持部材が
変速比1の位置から最小変速比側に離れるほど、また、
パワーローラ支持部材が変速比1の位置から最大変速比
側に離れるほど、パワーローラ支持部材とリンクとが干
渉し易くなってしまうという問題がある。
【0005】すなわち、変速比が1である場合、図7に
示すように、パワーローラは入出力ディスクに狭圧さ
れ、αで示すような力がパワーローラ支持部材を経てリ
ンクの球面継手嵌合穴に作用し、結果として、球面継手
嵌合穴への応力分布がβで示すようになることから、パ
ワーローラ支持部材とリンクとの間の交角変化中もリン
クと球面継手間の相対変位を生じさせない揺動中心δ1
は、球面継手の図中左右端位置よりも内側に存在する
(従来公報の段落番号0023参照)。
【0006】よって、変速比1のときは、揺動中心δ1
から干渉接点P1までの距離はmとなり、パワーローラ
支持部材とリンクとが干渉しにくい。しかし、例えば、
変速比が最ロー位置のときは、揺動中心δLOWから干渉
接点PLOWまでの距離はM(>m)となり、パワーロー
ラ支持部材とリンクとが干渉し易くなる。
【0007】この結果、干渉が問題となる確率が高いパ
ワーローラ支持部材が始動時のロー側変速比位置やコー
スト時のハイ側変速比位置にあるときで、入力トルクの
増加によりパワーローラ押付力が増加してパワーローラ
支持部材が変形するような場合、入力トルクが過大トル
クというレベルまで達しないうちにパワーローラ支持部
材とリンクとが干渉してしまい、干渉することでサーボ
ピストンの差圧で発生する力が損失し、それでパワーロ
ーラ支持部材の傾転軸方向移動量が変化する。これが変
速制御系のヒステリシスを発生させる原因となり、変速
精度を低下させる。
【0008】また、従来のトロイダル型無段変速機にあ
っては、リンク揺動中心からパワーローラ支持部材とリ
ンクとの干渉接点までの距離であるアーム長L1を、図
8に示すように、変速比が最ローから最ハイまでの全て
の変速比領域で一定としているため、干渉している側の
リンク揺動中心から干渉接点までのアーム長L1と、干
渉していない側のリンク揺動中心から球面座接触点まで
の基準アーム長L0の比により決まる各パワーローラの
トルク分担に違いが生じる。
【0009】すなわち、パワーローラ支持部材とリンク
とが干渉していないと、全てのアーム長が基準アーム長
L0であり、全てのパワーローラが、同一変速比となる
ように作動して、同一のトルクを分担する。しかし、パ
ワーローラ支持部材とリンクとが干渉すると、干渉の発
生したパワーローラ支持部材で発生した干渉力が、リン
ク揺動中心を介し、干渉していないパワーローラ支持部
材に対しディスク回転方向に対し逆向きに加わり、これ
によって、各パワーローラのトルク分担に違いが生じ
る。
【0010】よって、各パワーローラのトルク分担の違
いを小さく抑えるには、リンク揺動中心から干渉接点ま
でのアーム長L1を、基準アーム長L0に近付けるよう
にすると良いが、従来装置の場合、アーム長L1が変速
比にかかわらず一定であり、干渉が問題となる確率の高
い、例えば、発進加速時等でありロー変速比で大トルク
が入力するような場合、各パワーローラのトルク分担の
違いを小さく抑えることができない。
【0011】この結果、複数あるパワーローラの中で、
最も大きなトルクを分担しているパワーローラが必要と
するトラクション力に対して、発生できるトラクション
力が不足すると滑ってしまう。また、トルク分担が悪い
状態でも滑らないようにするには、最も大きなトルクを
分担しているパワーローラが滑らないように、入出力デ
ィスク間にパワーローラを狭圧する力を加える必要があ
る。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、簡単な
突起形状の変更でありながら、干渉が問題となるロー側
変速比位置やハイ側変速比位置にて、リンクとパワーロ
ーラ支持部材との干渉を少なくすることができると共
に、パワーローラ支持部材への過大な入力トルクにより
干渉したとしても最大トルク分担を小さく抑えることが
できるトロイダル型無段変速機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、同軸に対向配置した入出力ディスクと、前記入出力
ディスク間で摩擦係合により動力の受け渡しを行うよう
に、該入出力ディスクの回転軸線周りに配置された複数
のパワーローラと、各パワーローラを回転自在に支持し
たパワーローラ支持部材と、該パワーローラ支持部材の
隣り合う端部同士を相互に球面継手を介して連結するリ
ンクとを備え、前記パワーローラ支持部材のストローク
により前記パワーローラに首振り軸線周りの傾転を生起
させて変速を行うようにし、前記パワーローラ支持部材
と前記リンクとの間の交角にかかわらず、これらパワー
ローラ支持部材とリンクとの間の接触位置を規定するた
めの突起を前記リンクに設けたトロイダル型無段変速機
において、前記突起を、リンクの球面継手嵌合穴の周辺
であって、リンク外側領域に配置し、球面継手嵌合穴部
分に曲率中心を持つ円弧状突起としたことを特徴とす
る。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
トロイダル型無段変速機において、前記円弧状突起を、
球面継手嵌合穴の半径よりも大きく、円弧状突起と対向
するパワーローラ支持部材肩部の半径、もしくは、リン
ク外径円弧部の半径のいずれかよりも小さい半径で、球
面継手嵌合穴と同心円弧状の突起としたことを特徴とす
る。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2記載のトロイダル型無段変速機において、前記
円弧状突起を形成する角度範囲を、パワーローラ支持部
材の最小変速比から最大変速比までの傾転角範囲とほぼ
一致させたことを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明にあって
は、入出力ディスクの回転軸線周りに配置された複数の
パワーローラにより、入出力ディスク間で摩擦係合によ
り動力の受け渡しが行われる。また、各パワーローラを
回転自在に支持したパワーローラ支持部材をストローク
させると、隣り合うパワーローラ支持部材の端部同士を
相互に球面継手を介して連結するリンクがリンクサポー
トを中心として揺動する。このパワーローラ支持部材の
ストロークにより、パワーローラがディスク回転軸線か
らオフセットし、パワーローラに首振り軸線周りの傾転
を生起させ、入出力ディスクとの接触位置が変化するこ
とで、変速比を無段階に変化させる変速が行われる。上
記パワーローラ支持部材のストローク中、パワーローラ
支持部材とリンクとの間の交角にかかわらず、これらパ
ワーローラ支持部材とリンクとの間の接触位置を規定す
るための突起がリンクに設けられているが、この突起
は、リンクの球面継手嵌合穴の周辺であって、リンク外
側領域に配置し、球面継手嵌合穴部分に曲率中心を持つ
円弧状突起とされる。すなわち、パワーローラ支持部材
とリンクとの間の交角変化中もリンクと球面継手間の相
対変位を生じさせない揺動中心から干渉接点までの距離
は、直線状突起の場合と比較し、円弧状突起であること
により変速比がロー側変速比位置やハイ側変速比位置に
あるときに揺動中心に近づいて短くなり、パワーローラ
支持部材とリンクとが干渉しにくくなる。また、リンク
揺動中心から干渉接点までの距離であるアーム長は、直
線状突起の場合と比較し、円弧状突起であることにより
変速比がロー側変速比位置やハイ側変速比位置にあると
きにリンク揺動中心に近づいて短くなり、干渉している
側のリンク揺動中心から干渉接点までのアーム長と、干
渉していない側のリンク揺動中心から球面座接触点まで
の基準アーム長の比により決まる各パワーローラのトル
ク分担の違いが小さく抑えられる。よって、簡単な突起
形状の変更でありながら、干渉が問題となるロー側変速
比位置やハイ側変速比位置にて、リンクとパワーローラ
支持部材との干渉を少なくすることができると共に、パ
ワーローラ支持部材への過大な入力トルクにより干渉し
たとしても最大トルク分担を小さく抑えることができ
る。
【0017】請求項2記載の発明にあっては、円弧状突
起が、球面継手嵌合穴の半径よりも大きく、円弧状突起
と対向するパワーローラ支持部材肩部の半径、もしく
は、リンク外径円弧部の半径のいずれかよりも小さい半
径で、球面継手嵌合穴と同心円弧状の突起とされる。す
なわち、球面継手嵌合穴と同心の円弧状突起としたこと
で、球面継手嵌合穴の中心から干渉接触点までの半径
が、パワーローラ支持部材の変速比位置にかかわらず一
定長さとなる。よって、パワーローラ支持部材とリンク
との間の交角変化中もリンクと球面継手間の相対変位を
生じさせない揺動中心から干渉接点までの距離も、最ロ
ー位置から最ハイ位置までの全変速比位置で短い一定距
離が保たれることになり、全変速比域で同じようにパワ
ーローラ支持部材とリンクとが干渉しにくくなる。
【0018】請求項3記載の発明にあっては、円弧状突
起を形成する角度範囲が、パワーローラ支持部材の最小
変速比から最大変速比までの傾転角範囲とほぼ一致させ
た範囲とされる。すなわち、突起により干渉接点を積極
的に規定する場合、必要とする突起の範囲は、パワーロ
ーラ支持部材の最小変速比から最大変速比までの傾転角
範囲となる。よって、リンク長手方向の円弧状突起幅
が、半円弧状突起とする場合の突起幅に比べて狭くな
り、余分な円弧状突起部分とパワーローラ支持部材との
干渉がなくなることで、変速ヒステリシスを小さくする
ことができると共に、加工が少なくなるために工具治具
の寿命が延び、コストの削減を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)
【0020】実施の形態1は請求項1,2に記載の発明
に対応するトロイダル型無段変速機である。
【0021】まず、構成を説明する。図1は実施の形態
1におけるトロイダル型無段変速機を示す断面図1にお
いて、1は変速機ケース、2は主軸、3は主軸2を挟ん
でその両側に対向させて配置した一対のパワーローラで
ある。図示しなかったが、主軸2上に入出力ディスクを
対向させて回転自在に支持し、入出力ディスクを動力源
(エンジン)に駆動結合し、出力ディスクを出力軸に駆
動結合する。
【0022】前記パワーローラ3は、これら入出力ディ
スク間で摩擦係合により動力伝達を行うもので、このた
め各パワーローラ3を個々のトラニオン(パワーローラ
支持部材)4に回転自在に支持する。
【0023】両トラニオン4,4は、隣り合う端部同士
が相互に球面継手9及び球面継手11を介してアッパリ
ンク5及びロアリンク6により連結され、アッパリンク
5及びロアリンク6は、リンクサポート7及びリンクサ
ポート8を介して変速機ケース1に支持されている。
【0024】前記アッパリンク5は、図2に示すよう
に、その中央に貫通穴5aが形成され、これに球面嵌合
するリンクサポート7により変速機ケース1に揺動可能
に支持している。ロアリンク6は、その中央に貫通穴6
aが形成され、これに球面嵌合するリンクサポート8に
より変速機ケース1に揺動可能に支持している。
【0025】前記アッパリンク5の両端部には、図3に
示すように、球面継手嵌合穴5b,5bが形成され、こ
れらに球面嵌合する球面継手9及び該球面継手9内に嵌
合する軸受10を介して両トラニオン4,4の上端をア
ッパリンク5の両端部にそれぞれ揺動可能及び回転可能
に支持している。また、前記ロアリンク6の両端部に
は、図3に示すように、球面継手嵌合穴6b,6bが形
成され、これらに球面嵌合する球面継手11及び該球面
継手11内に嵌合する軸受12を介して両トラニオン
4,4の下端部をロアリンク6の両端部にそれぞれ揺動
可能及び回転可能に支持している。なお、軸受10,1
2で規定される各トラニオン4,4の回転軸は、パワー
ローラ3,3の回転軸線と直交させる。
【0026】両トラニオン4,4の下端には、サーボピ
ストン13,13が設けられ、これらピストン13,1
3をコントロールバルブ14により、同時に逆向きにス
トロークさせて周知の変速制御を行うようにしている。
そして、両トラニオン4,4の同期を、両リンク5,6
により補償するようにしている。
【0027】本例においては、図2及び図3に示すよう
に、トラニオン4,4のストローク中、トラニオン4,
4と両リンク5,6との間の交角にかかわらず、これら
トラニオン4,4と両リンク5,6との間の接触位置を
規定するための円弧状突起5c,6cを、両リンク5,
6に設けていて、この円弧状突起5c,6cは、両リン
ク5,6の球面継手嵌合穴5b,5bの周辺であって、
リンク外側領域に配置され、球面継手嵌合穴5b,6b
部分に曲率中心を持つ。
【0028】前記円弧状突起5c,6cは、球面継手嵌
合穴5b,6bの半径R3よりも大きく、円弧状突起5
c,6cと対向するトラニオン肩部4b(図4参照)の
半径R2、もしくは、リンク外径円弧部5d,6dの半
径R1のいずれかよりも小さい半径rで、球面継手嵌合
穴5b,6bと同心円弧状の突起とされる。なお、トラ
ニオン4は、図4に示すように、トラニオン軸部4a
と、トラニオン本体部4cと、トラニオン軸部4aとト
ラニオン本体部4cとの段差部分であるトラニオン肩部
4bを有している。
【0029】次に、作用を説明する。
【0030】[変速作用]図外の入出力ディスクの回転
軸線周りに配置された複数のパワーローラ3,3によ
り、入出力ディスク間で摩擦係合により動力の受け渡し
が行われる。また、各パワーローラ3,3を回転自在に
支持したトラニオン4,4のうち、一方のトラニオン4
をパワーローラ3の回転軸線と直交する首振り軸線一方
向へストロークさせると、隣り合うトラニオン4の端部
同士を相互に球面継手9,11を介して連結するアッパ
リンク5及びロアリンク6がリンクサポート7,8を中
心として揺動し、一方のトラニオン4のストロークに同
期して他方のトラニオン4も首振り軸線他方向へストロ
ークする。このトラニオン4,4のストロークにより、
パワーローラ3,3がディスク回転軸線からオフセット
し、パワーローラ3,3に首振り軸線周りの傾転を生起
させ、入出力ディスクとの接触位置が変化することで、
変速比を無段階に変化させる変速が行われる。そして、
所定の変速比になったら、周知のフィードバック制御に
よりピストン13,13は、トラニオン4,4を介しパ
ワーローラ3,3を、ディスク回転軸線からのオフセッ
トが0となるようなストローク位置に復帰させ、そのと
きの変速比を保つ。
【0031】[リンク干渉回避作用]上記トラニオン
4,4のストローク中、トラニオン4,4と両リンク
5,6との間の交角にかかわらず、これらトラニオン
4,4と両リンク5,6との間の接触位置を規定するた
めの突起が両リンク5,6に設けられているが、この突
起は、両リンク5,6の球面継手嵌合穴5b,6bの周
辺であって、リンク外側領域に配置し、球面継手嵌合穴
5b,6b部分に曲率中心を持つ円弧状突起5c,6c
とされる。
【0032】すなわち、トラニオン4,4と両リンク
5,6との間の交角変化中も両リンク5,6と球面継手
9,10間の相対変位を生じさせない揺動中心δから干
渉接点Pまでの距離は、従来の直線状突起と比較した場
合、変速比が1の位置では従来と同様に距離m(図7を
参照)であるが、円弧状突起5c,6cであることによ
り変速比がロー側変速比位置にあるときには、図5に示
すように、揺動中心δLOWから干渉接点PLOWまでの距離
はmとなり、また、ハイ側変速比位置にあるときにも同
様に揺動中心δHIGHから干渉接点PHIGHまでの距離はm
となるというように、従来の距離Mに比べて短くなり、
トラニオン4,4と両リンク5,6とが干渉しにくくな
る。
【0033】よって、簡単な突起形状の変更でありなが
ら、干渉が問題となるロー側変速比位置やハイ側変速比
位置にて、両リンク5,6とトラニオン4,4との干渉
を少なくすることができる。
【0034】さらに、円弧状突起5c,6cが、球面継
手嵌合穴5b,6bの半径R3よりも大きく、円弧状突
起5c,6cと対向するトラニオン肩部4bの半径R
2、もしくは、リンク外径円弧部5d,6dの半径R1
のいずれかよりも小さい半径rで、球面継手嵌合穴5
b,6bと同心円弧状とされている。
【0035】すなわち、球面継手嵌合穴5b,6bと同
心の円弧状突起5c,6cとしたことで、球面継手嵌合
穴5c,6cの中心から干渉接触点Pまでの半径が、ト
ラニオン4の変速比位置にかかわらず一定長さとなる。
【0036】よって、トラニオン4,4と両リンク5,
6との間の交角変化中も両リンク5,6と球面継手9,
11間の相対変位を生じさせない揺動中心δから干渉接
点Pまでの距離も、最ロー位置から最ハイ位置までの全
変速比位置で短い一定距離mが保たれることになり、全
変速比域で同じようにトラニオン4,4と両リンク5,
6とが干渉しにくくなる。
【0037】[パワーローラのトルク分担作用]リンク
揺動中心から干渉接点Pまでの距離であるアーム長L
は、直線状突起の場合と比較し、円弧状突起5c,6c
であることにより、図5に示すように、変速比がロー側
変速比位置にあるときにはL2となり、同様に、ハイ側
変速比位置にあるときにもL2となり、直線状突起の場
合のアーム長L1に比べリンク揺動中心に近づくことで
短くなる(L2<L1)。よって、干渉している側のリ
ンク揺動中心から干渉接点Pまでのアーム長L2と、干
渉していない側のリンク揺動中心から球面座接触点まで
の基準アーム長L0の比により決まる各パワーローラ
3,3のトルク分担の違いが小さく抑えられる。
【0038】よって、簡単な突起形状の変更でありなが
ら、リンク干渉が問題となるロー側変速比位置やハイ側
変速比位置にて、トラニオン4への過大な入力トルクに
よりリンク干渉が発生したとしても最大トルク分担を小
さく抑えることができる。
【0039】[リンク干渉とトルク分担悪化との関係]
各パワーローラは、入力ディスクのパワーローラとの接
触半径と接触部での回転方向に発生する力の積に相当す
るトルクを分担する。また、パワーローラから出力ディ
スクへ動力を伝達する接触部で、前記接触部での回転方
向に発生する力と等しい力が発生する。パワーローラの
入出力ディスク接触部は、位置が180度ずれているの
で、動力伝達に伴う回転方向の力は、パワーローラに対
して同じ方向になる。すなわち、パワーローラには入力
ディスクのパワーローラ接触部で発生する回転方向の力
に対し2倍の半径方向の力が発生する。
【0040】複数のパワーローラを持つトロイダル型無
段変速機では、パワーローラを支えるトラニオンにサー
ボピストンにて、パスカルの原理を用いて同一の力を与
えて、これと前記のパワーローラのラジアル方向力を釣
り合わせて各パワーローラに働く半径方向の力を同じに
している。サーボピストンの力とパワーローラのラジア
ル力の大きさが異なると、パワーローラはトラニオンと
共にラジアル方向(図中上下方向)に移動して変速す
る。変速方向は、正のトルク伝達状態では、ピストン力
が大きいとハイ側に、反対ではロー側に変速する。複数
のパワーローラを持つ場合、それぞれが微少に変速比が
ずれた場合には、よりハイ側のパワーローラが大きなト
ルクを分担するので、全てのパワーローラが、同一変速
比になるように作動して、同一のトルクを分担する。
【0041】例えば、図1において、右側のトラニオン
4の上端とアッパリンク5とが干渉すると、リンク揺動
中心となるリンクサポート7が支点となり、右側のトラ
ニオン4の上端とアッパリンク5との干渉部が力点とな
り、左側のトラニオン4の上端とアッパリンク5との球
面接触部が作用点となり、支持力と干渉力と傾転軸方向
の摩擦力がアッパリンク5に働く。
【0042】このように、トラニオンとリンクが干渉す
ると、干渉の発生したトラニオンと、干渉していないト
ラニオンで、ディスクの回転方向に対して逆向きの力が
発生する。
【0043】したがって、サーボピストン力を同一にな
るようにし、パワーローラに働くラジアル力を同じにし
て、トルク分担を同一にしているものに対して、トラニ
オンとリンクの干渉力が加わることで、各パワーローラ
に働くラジアル力に違いが生じる。即ち、各パワーロー
ラのトルク分担に違いが生じる。
【0044】伝達トルクに対応して、各パワーローラに
働く、入出力ディスクとパワーローラの接触部での回転
方向の力は、ディスクとパワーローラの接触部のトラク
ション力である。この接触部で発生できるトラクション
力の限界は、接触部に働く垂直方向の力に応じて変わ
る。
【0045】接触部に働く垂直方向の力は、入出力ディ
スク間にパワーローラを狭圧することで、発生させてお
り、全パワーローラの入出力ディスク接触部とも同じに
なるようにしている。このため、複数あるパワーローラ
の中で、最も大きなトルクを分担しているパワーローラ
が必要とするトラクション力に対して、発生できるトラ
クション力が不足すると滑ってしまう。また、トルク分
担が悪い状態でも滑らないようにするには、最も大きな
トルクを分担しているパワーローラが滑らないように入
出力ディスク間にパワーローラを狭圧する力を加える必
要がある。
【0046】次に、効果を説明する。
【0047】(1) トラニオン4,4のストローク中、ト
ラニオン4,4と両リンク5,6との間の交角にかかわ
らず、これらトラニオン4,4と両リンク5,6との間
の接触位置を規定するための突起を両リンク5,6に設
けたトロイダル型無段変速機において、この突起を、両
リンク5,6の球面継手嵌合穴5b,5bの周辺であっ
て、リンク外側領域に配置し、球面継手嵌合穴5b,6
b部分に曲率中心を持つ円弧状突起5c,6cとしたと
したため、簡単な突起形状の変更でありながら、干渉が
問題となるロー側変速比位置やハイ側変速比位置にて、
両リンク5,6とトラニオン4,4との干渉を少なくす
ることができると共に、トラニオン4,4への過大な入
力トルクによりリンク干渉が発生したとしても最大トル
ク分担を小さく抑えることができる。
【0048】(2) 円弧状突起5c,6cを、球面継手嵌
合穴5b,6bの半径R3よりも大きく、円弧状突起5
c,6cと対向するトラニオン肩部4bの半径R2、も
しくは、リンク外径円弧部5d,6dの半径R1のいず
れかよりも小さい半径rで、球面継手嵌合穴5b,6b
と同心円弧状の突起としたため、揺動中心δから干渉接
点Pまでの距離が全変速比位置で短い一定距離mが保た
れることになり、全変速比域で同じようにトラニオン
4,4と両リンク5,6との干渉しにくさを得ることが
できる。
【0049】(実施の形態2)
【0050】この実施の形態2は、図6に示すように、
円弧状突起を形成する角度範囲θを、トラニオン4の最
小変速比から最大変速比までの傾転角範囲とほぼ一致さ
せた範囲とした例である。
【0051】すなわち、突起により干渉接点を積極的に
規定する場合、必要とする突起の範囲は、トラニオン4
の最小変速比から最大変速比までの傾転角範囲となるた
め、円弧状突起5c,6cを形成する角度範囲θをこの
傾転角範囲とほぼ一致させたものである。
【0052】よって、実施の形態2では、リンク長手方
向の円弧状突起幅wが、実施の形態1のような半円によ
る円弧状突起とする場合の突起幅Wに比べて狭くなり、
余分な円弧状突起部分とトラニオン4との干渉がなくな
ることで、上記(1), (2)の効果に加え、下記の効果が得
られる。
【0053】(3) 円弧状突起5c,6cを形成する角度
範囲θを、トラニオン4の最小変速比から最大変速比ま
での傾転角範囲とほぼ一致させたため、干渉による変速
ヒステリシスを小さくすることができると共に、加工が
少なくなるために工具治具の寿命が延び、コストの削減
を図ることができる。
【0054】(その他の実施の形態)実施の形態1,2
では、球面継手嵌合穴5b,6bと同心の円弧状突起5
c,6cとする例を示したが、干渉が問題となるロー側
変速比位置やハイ側変速比位置で揺動中心δから干渉接
点Pまでの距離が短く確保できる形状であれば、同心形
状でなくても良い。
【0055】実施の形態1,2では、円弧状突起を方形
断面とする例を示したが、円弧状突起を逆U字断面と
し、干渉部分をR形状としても良い。
【0056】実施の形態1,2では、球面継手嵌合穴5
b,6bから少し離れた位置に同心の円弧状突起5c,
6cを形成する例を示したが、球面継手嵌合穴5b,6
bと円弧状突起5c,6cの内周を一致させ、球面継手
嵌合穴5b,6bに沿った円弧状突起5c,6cを形成
する例としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機
を示す断面図である。
【図2】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機
の要部を示す断面図である。
【図3】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機
のリンクを示す図である。
【図4】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機
のトラニオンを示す上端部斜視図である。
【図5】実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機
のリンクを示す作用説明図である。
【図6】実施の形態2におけるトロイダル型無段変速機
のリンクを示す図である。
【図7】従来におけるトロイダル型無段変速機のリンク
干渉し易さを説明する図である。
【図8】従来におけるトロイダル型無段変速機の最ロー
位置でのリンク干渉時のアーム長を示す図である。
【符号の説明】
1 変速機ケース 2 主軸 3 パワーローラ 4 トラニオン(パワーローラ支持部材) 5 アッパリンク(リンク) 5c 円弧状突起 6 ロアリンク(リンク) 6c 円弧状突起 7 リンクサポート 8 リンクサポート 9 球面継手 10 軸受 11 球面継手 12 軸受 13ピストン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に対向配置した入出力ディスクと、 前記入出力ディスク間で摩擦係合により動力の受け渡し
    を行うように、該入出力ディスクの回転軸線周りに配置
    された複数のパワーローラと、 各パワーローラを回転自在に支持したパワーローラ支持
    部材と、 該パワーローラ支持部材の隣り合う端部同士を相互に球
    面継手を介して連結するリンクとを備え、 前記パワーローラ支持部材のストロークにより前記パワ
    ーローラに首振り軸線周りの傾転を生起させて変速を行
    うようにし、 前記パワーローラ支持部材と前記リンクとの間の交角に
    かかわらず、これらパワーローラ支持部材とリンクとの
    間の接触位置を規定するための突起を前記リンクに設け
    たトロイダル型無段変速機において、 前記突起を、リンクの球面継手嵌合穴の周辺であって、
    リンク外側領域に配置し、球面継手嵌合穴部分に曲率中
    心を持つ円弧状突起としたことを特徴とするトロイダル
    型無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトロイダル型無段変速機
    において、 前記円弧状突起を、球面継手嵌合穴の半径よりも大き
    く、円弧状突起と対向するパワーローラ支持部材肩部の
    半径、もしくは、リンク外径円弧部の半径のいずれかよ
    りも小さい半径で、球面継手嵌合穴と同心円弧状の突起
    としたことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のトロイダ
    ル型無段変速機において、 前記円弧状突起を形成する角度範囲を、パワーローラ支
    持部材の最小変速比から最大変速比までの傾転角範囲と
    ほぼ一致させたことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013228030A (ja) * 2012-04-25 2013-11-07 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

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