JP2001323953A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

Info

Publication number
JP2001323953A
JP2001323953A JP2000144372A JP2000144372A JP2001323953A JP 2001323953 A JP2001323953 A JP 2001323953A JP 2000144372 A JP2000144372 A JP 2000144372A JP 2000144372 A JP2000144372 A JP 2000144372A JP 2001323953 A JP2001323953 A JP 2001323953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
caliper
disk rotor
brake pad
key member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000144372A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Toriyama
典之 鳥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP2000144372A priority Critical patent/JP2001323953A/ja
Publication of JP2001323953A publication Critical patent/JP2001323953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にアウタブレーキパッドの引き摺りを解消
し、しかも耐久性に富む、キャリパの反作用部の振動抑
制手段を得ること。 【解決手段】 キャリパ40の反作用部40bと、該反
作用部40b側のアウタブレーキパッド30とを凹凸係
合して実質的に一体化し、かつキャリア10と前記アウ
タブレーキパッド30との各対向面の夫々に形成した両
溝10c,31cに亙ってキー部材70を介挿する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキパッドの
両被支承部がディスクロータの両回転方向において、キ
ャリアで以って支承される(両被支承部がプッシュ−プ
ルの両方向で支承される)形式のディスクブレーキ装置
に関し、詳しくは、前記ブレーキ装置を構成するキャリ
パの反作用部の振動を抑制する手段に係わるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の従来技術として、例えば、特許
公報第2779027号に開示されているディスクブレ
ーキ装置が知られており、その一例を、図9および図1
0に基づいて説明する。車体の静止部に固定されるキャ
リア10には、一点鎖線で図示するディスクロータの周
方向に離間し、該ディスクロータの外周を横切る方向に
延設する一対の腕部10a,10aが形成されている。
そして、この腕部10a,10aの図10における下方
の対向する内側の夫々の部位には、上向きに略コ字形を
呈するレール10b,10b(実際の夫々のレール10
b,10bは、ディスクロータの外周部を受容する部分
で分断されている)が形成されている。
【0003】前記ディスクロータの両摺動面に対向して
配設される一対のブレーキパッド20,30は、夫々の
裏板21,31にライニング22,32を貼着して構成
されている。そして、この裏板21,31のディスクロ
ータ周方向の両端部には、図10において、前記キャリ
ア10のレール10b,10bに嵌合する下向きの台形
突起(夫々のブレーキパッド20,30の片方のみを図
示)21a,31aが形成されている。しかして、夫々
の台形突起21a,31aがレール10b,10bに嵌
合することにより、一対のブレーキパッド20,30の
被支承部である夫々の台形突起21a,31aは、ディ
スクロータの両回転方向に支承されると共に、ディスク
ロータ軸線と平行な方向に可動的に横架されている。
【0004】前記ディスクロータと前記両ブレーキパッ
ド20,30の外周を跨ぎ、これらに被さるようにコ字
形のキャリパ40が配設される。そして、このキャリパ
40には、その一側である前記キャリア10の腕部10
a,10aから離れる側にシリンダ部40aが形成され
ていると共に、他側である前記キャリヤ10の腕部10
a,10a側に反作用部40bが形成されている。前記
シリンダ部40aには、流体圧により作動するピストン
50が滑動可能に嵌合されて作動機構を構成している。
そして、このピストン50の前端面がインナブレーキパ
ッド20の裏板21の裏面に当接している。一方、キャ
リパ40の反作用部40b側のアウタブレーキパッド3
0には、その裏板31の裏面から二つの突起(一方のみ
図示)31bが突出し、該突起31bに前記反作用部4
0bの切り欠き部が係合してディスクロータ周方向と半
径方向の内向きの振動が抑制されている。
【0005】また、キャリパ40のシリンダ部40aの
外周から、前記ディスクロータ周方向に離間する一対の
翼部40c,40cが突出形成されている。そして、こ
の翼部(図9において一方のみ図示)40cには貫通穴
40dが穿設され、該貫通穴40dにラバーブッシュ5
2が一体的に嵌着されている。一方、前記キャリア10
には、前記ラバーブッシュ52が相対摺動可能に弾接嵌
合する一対のガイドピン51が植設されている。しかし
て、前記キャリア10から反ディスクロータ側に立設す
るガイドピン51と、該ガイドピン51上を摺動するラ
バーブッシュ52を嵌着した前記キャリパ40の翼部4
0cとで以って案内機構を構成している。言い換える
と、前記キャリア10に対するキャリパ40は前記した
案内機構により、ディスクロータ軸線と平行な方向に可
動的に枢支されているものである。尚、ラバーブッシュ
52の反ディスクロータ側はキャップで以って封止されて
ダスト等の侵入が防止されている。
【0006】前記キャリア10とキャリパ40の反作用
部40bとの間に線ばね60が配設されている(図10
において左半のみ図示)。この線ばね60はキャリア1
0の両レール10b,10b部の裏面間に亙って延設さ
れ、その両端部の相近よる方向に折り返された折曲部6
0aが前記レール10b部の裏面に当接し、更に、その
先端60bが前記反作用部40bに穿設された穴に弾支
されている。これにより、キャリパ40の反作用部40
bがディスクロータ半径方向の内方に向かって付勢さ
れ、該反作用部40bのディスクロータ半径方向の外向
きの振動が抑制されると共に、両ブレーキパッド20,
30の台形突起21aと31aがキャリア10のレール
10b,10bに弾接されている。従って、走行中にお
けるキャリパ40の反作用部40bの振動を抑制でき
る。
【0007】次に、前記した構成におけるブレーキ作動
を説明する。今、流体が加圧され、ピストン50が前進
してインナブレーキパッド20をディスクロータの一方
の面に押圧すると、その反力によりキャリパ40が後退
し、該キャリパ40の反作用部40bがアウタブレーキ
パッド30をディスクロータの他方の面に押圧する。す
ると、両ブレーキパッド20,30がディスクロータを
挟圧して制動作用を成す。この制動作用時におけるブレ
ーキパッド20,30の挙動について説明すると、所定
の制動力に達するまでは、図10における左右の台形突
起21a,31aのいずれかの内面または外面がいずれ
か一方のレール10bに支承される(これはレール10
bと台形突起21a,31aの幅寸法およびディスクロ
ータ周方向のピッチ寸法により決まる)。すなわち、台
形突起21a,31aの内面が支承される場合にはプル
の方向であり、また、その外面が支承される場合にはプ
ッシュの方向である。次いで、所定の制動力を超える
と、キャリパ40がその前記案内機構部のラバーブッシ
ュ52を僅かに撓ませて傾動し、前記夫々の台形突起2
1aと31aのいずれか一方の内面と、いずれか他方の
外面とが両レール10b,10bに支承される。すなわ
ち、各ブレーキパッド20と30は夫々プッシュ−プル
の両方向で支承されるから、各レール10b,10b部
は制動力の半分づつを受け持つこととなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術に
は、次のような問題点が存在する。 <イ>キャリパの反作用部の振動を抑制するために、該
反作用部とキャリアのレール部の裏面との間に張力を作
用させる線ばねを設け、アウタブレーキパッドを常にレ
ールに押圧している。従って、ブレーキ作動の度に、線
ばねはその折曲部がキャリアのレール部の裏面に弾接し
た状態で摺動するものであるから、その摩滅やヘタリな
どの面から耐久性に劣る。特に、前記レール部の裏面が
鋳肌のままの場合には余計に耐久性の問題が生ずる。
【0009】<ロ>前記した通り、アウタブレーキパッ
ドは線ばねの付勢力により常にキャリアのレールに押圧
されている。従って、ブレーキ開放時におけるアウタブ
レーキパッドの戻りを阻害して引き摺りを誘発し、燃費
を悪化させる恐れがある。前記したと同様、レール部の
裏面が鋳肌のままの場合には、アウタブレーキパッドの
戻り抵抗が一層大きくなって引き摺りのみならず、温度
上昇を招いてライニングの早期摩耗を惹起したり、ゴム
部品が熱劣化する恐れがある。
【0010】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところはブレーキパッドの引き摺り
がなく、しかも耐久性に富む、キャリパの反作用部の振
動抑制手段を備えるディスクブレーキ装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明
は、ディスクロータの両摺動面に対向して配設された一
対のブレーキパッドの両被支承部が、キャリアのディス
クロータ周方向に離間した夫々のレールに、ディスクロ
ータの両回転方向に支承されると共に、ディスクロータ
軸線方向に可動的に横架され、前記ディスクロータと前
記両ブレーキパッドの外周を跨ぐキャリパの一側に作動
機構が設けられると共に、他側に反作用部が設けられ、
該キャリパが前記キャリアに対して、前記ディスクロー
タ周方向に離間した案内機構により、前記ディスクロー
タ軸線方向に可動的に支持されている、ディスクブレー
キ装置において、前記キャリパの反作用部と、該反作用
部側のアウタブレーキパッドとを実質的に一体化し、か
つ前記キャリアの夫々のレールに隣接して、該キャリア
と前記アウタブレーキパッドとの各対向部の夫々に形成
した両溝に亙ってキー部材を介挿し、前記キャリパの反
作用部のディスクロータ半径方向の振動を、前記アウタ
ブレーキパッドおよび前記キー部材を介して前記キャリ
アで抑制するよう構成したことを特徴とする、ディスク
ブレーキ装置である。
【0012】請求項2に係わる発明は、請求項1におい
て、前記キー部材が折り返した対向片を有する板状部材
から成り、該キー部材の対向片の一方を前記キャリアま
たは前記アウタブレーキパッドのいずれか一方の溝底に
当接して装着すると共に、前記対向片の他方をいずれか
他方の部材の溝底に弾接し、前記キャリパの反作用部の
ディスクロータ半径方向の振動を、前記対向片の幅方向
の端縁で抑制するよう構成したことを特徴とする、ディ
スクブレーキ装置である。
【0013】請求項3に係わる発明は、請求項1におい
て、前記キー部材が連設して折曲形成した板状部材から
成り、該キー部材の折曲部の半半の一方を前記キャリア
または前記アウタブレーキパッドのいずれか一方の溝内
に嵌合して装着すると共に、前記連設片の半半の他方を
いずれか他方の部材の溝内に嵌合し、前記キャリパの反
作用部のディスクロータ半径方向の振動を抑制するよう
構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置であ
る。
【0014】請求項4に係わる発明は、請求項1におい
て、前記キー部材が中実の柱状体から成り、該柱状体の
半半の一方を前記キャリアまたは前記アウタブレーキパ
ッドのいずれか一方の溝内に嵌合して装着すると共に、
前記柱状体の半半の他方をいずれか他方の部材の溝内に
嵌合し、前記キャリパの反作用部のディスクロータ半径
方向の振動を抑制するよう構成したことを特徴とする、
ディスクブレーキ装置である。
【0015】請求項5に係わる発明は、請求項2乃至4
のいずれか1項において、前記キャリパの作動機構側の
インナブレーキパッドと前記キャリアとの各対向部の夫
々にも溝を形成し、前記キー部材をディスクロータ軸線
方向の両溝に亙って一体的に介挿し、該キー部材を前記
キャリアに装着したことを特徴とする、ディスクブレー
キ装置である。
【0016】請求項6に係わる発明は、ディスクロータ
の両摺動面に対向して配設された一対のブレーキパッド
の両被支承部が、キャリアのディスクロータ周方向に離
間した夫々のレールに、ディスクロータの両回転方向に
支承されると共に、ディスクロータ軸線方向に可動的に
横架され、前記ディスクロータと前記両ブレーキパッド
の外周を跨ぐキャリパの一側に作動機構が設けられると
共に、他側に反作用部が設けられ、該キャリパが前記キ
ャリアに対して、前記ディスクロータ周方向に離間した
案内機構により、前記ディスクロータ軸線方向に可動的
に支持されている、ディスクブレーキ装置において、前
記キャリパの反作用部と、該反作用部側のアウタブレー
キパッドとを実質的に一体化し、かつ前記キャリアの夫
々のレールに隣接して、該キャリアとアウタブレーキパ
ッドとの各対向部の夫々を凹凸係合し、前記キャリパの
反作用部のディスクロータ半径方向の振動を、前記アウ
タブレーキパッドを介して前記キャリアで抑制するよう
構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置であ
る。
【0017】請求項7に係わる発明は、請求項6におい
て、前記キャリアとアウタブレーキパッドとの凹凸係合
間に板状部材を介挿すると共に、該板状部材を前記キャ
リアまたはアウタブレーキパッドのいずれか一方に装着
したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置である。
【0018】請求項8に係わる発明は、請求項7におい
て、前記キャリパの作動機構側のインナブレーキパッド
と前記キャリアとの各対向面の夫々も凹凸係合し、前記
板状部材をディスクロータ軸線方向の両凹凸係合部に亙
って一体的に介挿し、該板状部材を前記キャリアに装着
したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置である。
【0019】請求項9に係わる発明は、請求項1乃至8
のいずれか1項において、前記キャリパの反作用部と、
該反作用部側のアウタブレーキパッドとを凹凸係合によ
り実質的に一体化したことを特徴とする、ディスクブレ
ーキ装置である。
【0020】請求項10に係わる発明は、請求項1乃至
9のいずれか1項において、前記キャリアに対する前記
キャリパの案内機構が、該キャリアから前記キャリパの
作動機構側に向かって立設するガイドピンと、ラバーブ
ッシュおよび該ラバーブッシュより硬質のガイドブッシ
ュを介在して可動的に枢支される前記キャリパの翼部と
から成り、前記ラバーブッシュがブレーキ作動時に圧縮
され、かつブレーキ不作動時に圧縮されないよう構成し
たことを特徴とする、ディスクブレーキ装置である。
【0021】請求項11に係わる発明は、請求項10に
おいて、前記ラバーブッシュを前記キャリパの翼部に穿
設した穴に装着すると共に、前記ガイドブッシュを前記
ガイドピンとの間に隙間を存してキャリアに固定し、前
記ラバーブッシュが前記ガイドブッシュ上を摺動するよ
う構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態に係わるディスクブレーキ装置について
説明する。尚、前述した従来技術と同一機能を有する部
品については、同一の符号を付して説明する。また、ブ
レーキ作動については、前述した従来例と同じにつきそ
の説明は省略する。
【0023】本発明の実施例1に係わる構造を、キャリ
パ40の反作用部40b方向から見た図1と、図1のII
−II断面で示す図2に基づいて説明する。本構造の説明
に当たってその右半と左半は対称につき、ここでは左半
を中心に説明する。しかして、キャリア10のレール1
0b部に隣接して、該キャリア10と両ブレーキパッド
20,30との各対向面の夫々にコ字形の凹溝10cと
21c,31cとが形成され、キャリパ40の反作用部
40b方向から見ると四角形の穴を呈する。そして、板
状部材から成るキー部材70の中間の平板状部70aが
前記キャリア10の凹溝10c底の全長に亙って当接
し、その両端部はキャリア10の腕部10aの両端縁に
掛止し得るよう折曲され、該両折曲部70b,70bか
ら相近よる方向に向かってそれぞれ略V字形を呈する先
端部70c,70cが伸長し、この両先端部70c,7
0cの中間部が夫々のブレーキパッド20,30の凹溝
21c,31c底に弾接している。これにより、ブレー
キ開放時における両ブレーキパッド20,30に戻し方
向の作用力を付与することもできる。また、アウタブレ
ーキパッド30の裏板31の裏面には突起31dが突設
され、この突起31dがキャリパ40の反作用部40b
の穴に僅かな隙間(ブレーキ作動時に干渉しない程度の
隙間)を存して嵌合し、両者は実質的に一体化されてい
る。
【0024】前述した構成において、キャリパ40の反
作用部40bのディスクロータ半径方向への振動は、前
記アウタブレーキパッド30および前記キー部材70を
介してキャリア10で以って抑制される。すなわち、キ
ャリア10に対するキャリパ40の反作用部40bの振
動は、該キャリパ40の反作用部40bとアウタブレー
キパッド30とは両者の凹凸係合により、また、アウタ
ブレーキパッド30とキャリア10とはキー部材70の
対向片の幅方向の端縁で以って抑制されるものである。
尚、前記したキー部材70は、その左右のキー部材70
を共通化できるから使い勝ってがよいが、これに限定さ
れるものではなく、例えばインナブレーキパッド20側
とアウタブレーキパッド30側とに分割することも可能
であるし、この場合にはキー部材をブレーキパッド2
0,30に装着してもよい。また、アウタブレーキパッ
ド30側のみにキー部材を装着しても、キャリパ40の
反作用部40bの振動を抑制する目的を達成し得るか
ら、インナブレーキパッド20側のキー部材は必須でな
いこと明らかである。
【0025】引き続いて、前記キャリア10に対するキ
ャリパ40の案内機構を説明する。前述した従来技術の
案内機構ではキャリア10やキャリパ40などの加工公
差により、ラバーブッシュ52が局部的に圧縮された状
態で組付けられてしまう。そのため、前記ラバーブッシ
ュ52の摺動抵抗が大きくなって、この面からも、ブレ
ーキ開放時におけるキャリパ40の戻りを悪化させ、そ
の結果としてアウタブレーキパッド30の引き摺りを惹
起する恐れがあったが、この不具合を解消する案内機構
を採用している。
【0026】本案内機構の一例を図2に基づいて説明す
る。該案内機構はキャリア10に植設したヘッド付きガ
イドピン53と、キャリパ40の翼部40cの貫通穴4
0dに嵌着したラバーブッシュ54との間に、該ラバー
ブッシュ54より硬質の鉄製などのガイドブッシュ55
を介在して構成されている。そして、前記ガイドピン5
3とガイドブッシュ55との間に加工公差を吸収すべく
隙間を設けて、該ガイドブッシュ55をガイドピン53
で以ってキャリア10に固定したものである。すなわ
ち、ガイドブッシュ55上を前記翼部40cに嵌着した
ラバーブッシュ54が円滑に摺動し得る状態下で固定す
れば、ブレーキ開放時におけるキャリパ40の戻り抵抗
を極めて小さく抑えることができる。
【0027】次に、本発明に係わる実施例2の構造を、
キャリパ40の反作用部40b方向から見た図3および
図4の(イ)に基づいて説明するが、前述した実施例1
と異なる点はキー部材71のみであるから、ここではキ
ー部材71のみについて説明する。すなわち、本実施例
2のキー部材71も板状部材から成るが、少なくともキ
ャリア10の凹溝10cと両ブレーキパッド20,30
の凹溝21c,31cとの間に嵌合する部分が折曲形成
されて連設する四角形を呈している。この四角形部71
aは、その前記ディスクロータ軸方向から見た半半の一
方がキャリア10の凹溝10cに、他方がブレーキパッ
ド20,30の凹溝21c,31cに夫々嵌合し、両ブ
レーキパッド20,30間の両四角形部71aを一体に
連結して、その両端部に折曲形成した爪71bをキャリ
ア10の腕部10aの両端面に掛止して装着した例であ
る。これに代えて、前述した実施例1と同じように、前
記四角形部71aを分割して両ブレーキパッド20,3
0部の夫々に装着したり、アウタブレーキパッド30側
のみに設けるようにしてもよい。また、前記キャリパ4
0の反作用部40b方向から見たキー部材71の四角形
の嵌合部は、45度回転させた菱形でもよいし、前記四
角形部71aの形状を図4の(ロ)に示す如く、円筒状
にしても良い。更に、図5に示すような中実の柱状体の
キー部材72を採用し、これをキャリア10の凹溝10
cに圧入してもよい。尚、前述した実施例1および実施
例2は共に、キー部材70,71,72とブレーキパッ
ド20,30の凹溝21c,31cとの幅方向の嵌合部
に僅かな隙間を設定することにより、ブレーキ開放時に
おけるブレーキパッド20,30の引き摺りが起きるこ
とはない。また、前述した説明から明らかな通り、本実
施例2のキー部材71,72は前述した実施例1のキー
部材70に対して剛性が向上するも、その作用と効果は
ほぼ同じであるから説明を省略する。
【0028】次いで、本発明に係わる実施例3の構造
を、前述した実施例1で示す図1および図2に相当する
図6および図7を参照しながら説明する。本実施例3の
キー部材73は、アウタブレーキパッド30をキャリパ
40の反作用部40bに保持する従来公知のパッドクリ
ップを流用したものである。この板状部材から成るパッ
ドクリップは、その中央部がアウタブレーキパッド30
の裏板31の裏面に加締めや小ねじで以って固定され、
該中央部から伸長する部分が前記キャリパ40の反作用
部40bの外面に弾接しているものである。しかして、
本例のキー部材73は前記パッドクリップの伸長する部
分を、さらに延設してアウタブレーキパッド30の凹溝
31c底に当接させ、その折り返した先端部73aをキ
ャリア10の凹溝10c底に弾接したものである。本実
施例3のキー部材73と前述した実施例1のキー部材7
0は、夫々の先端部73aと70cの折り返し方向が異
なるが、両者の作用効果は同等である。
【0029】前述した実施例1乃至実施例3は、キー部
材70,71,72,73を用いてキャリパ10の反作
用部40bの振動を抑制する手段を例示したが、以下
に、他の振動抑制手段を用いた本発明の実施例4につい
て、図8を参照しながら説明する。本実施例4に係わる
構造は、前述した実施例1乃至実施例3におけるアウタ
ブレーキパッド30の凹溝31cに代えて突起31eを
形成し、該突起31eをキャリア10の凹溝10cに嵌
合して凹凸係合したものである。そして、少なくとも突
起31eの上面とキャリア10の凹溝10cの内壁面1
0dとの隙間を小さく設定する。これにより、アウタブ
レーキパッド30のディスクロータ半径方向の振動は、
前記キャリア10の凹溝10cの内壁面10dとレール
10bとで以って抑制される。従って、前記キャリパ4
0の反作用部40bのディスクロータ半径方向の振動
は、前記アウタブレーキパッド30のみを介して抑制さ
れることとなる。尚、前記したように、アウタブレーキ
パッド30の突起31eの上面とキャリア10の凹溝1
0cの内壁面10dとの隙間を小さくしておけば、打音
の発生は殆ど心配ないが、図示の如く、キャリア10の
凹溝10c底にコ字形のクリップ74を装着すれば、該
クリップ74が緩衝材となってより万全となる。また、
アウタブレーキパッド30の突起31eとキャリア10
の凹溝10は、これに代えて、アウタブレーキパッド3
0に凹溝を形成し、キャリア10に突起を形成してもよ
い。
【0030】
【発明の効果】本発明は、次のような効果を得ることが
できる。 <イ>キャリパの反作用部の振動を抑制するための、キ
ャリアとブレーキパッドとの間に介挿するキー部材やキ
ャリアとブレーキパッドとの凹凸係合部は、何ら偏倚力
を作用させずに嵌合するだけであるから、長期に亙って
品質が安定すると共に、その耐久性に富む。
【0031】<ロ>前記キャリアとブレーキパッドとの
間に介挿するキー部材やキャリアとブレーキパッドとの
凹凸係合部は、キャリパの摺動に悪影響となる抵抗を与
えないから、ブレーキパッドの引き摺りを大幅に低下し
得、燃費の向上やライニングおよびゴム部品の寿命の向
上が図れる。
【0032】<ハ>更に、キャリアに対するキャリパの
案内機構にガイドブッシュを追加して、該ガイドブッシ
ュとガイドピンとの間でキャリアやキャリパの加工公差
を吸収するようにすれば、ブレーキ開放時におけるキャ
リパの翼部に嵌着したラバーブッシュの摺動部の抵抗が
なくなるから、ブレーキパッドの引き摺りを完全に解消
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わるディスクブレーキ装
置をキャリパの反作用部方向から見た図で右半を断面し
た図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】本発明の実施例2に係わるディスクブレーキ装
置をキャリパの反作用部方向から見た図。
【図4】図3のキー部材の例を示す斜視図で、(イ)は
図3のキー部材を示し、(ロ)は図3のキー部材の変形
例を示す。
【図5】図3のキー部材の他の変形例を示す斜視図。
【図6】本発明の実施例3に係わるディスクブレーキ装
置をキャリパの反作用部方向から見た図。
【図7】図6のVII−VII断面図。
【図8】本発明の実施例4に係わるディスクブレーキ装
置をキャリパの反作用部方向から見た図。
【図9】本発明が前提とするディスクブレーキ装置の縦
断面図。
【図10】本発明が前提とするディスクブレーキ装置を
キャリパの反作用部方向から見た図で、右半を断面した
図。
【符号の説明】
10 キャリア 10a キャリアの腕部 10b キャリアのレール 10c キャリアの凹溝 10d レールの内壁面 20 インナブレーキパッド 21 パッドの裏板 21a 裏板の台形突起 21c 裏板の凹溝 22 ライニング 30 アウタブレーキパッド 31 パッドの裏板 31a 裏板の台形突起 31b 裏板の突起 31c 裏板の凹溝 31d 裏板の突起 31e 裏板の突起 32 ライニング 40 キャリパ 40a キャリパのシリンダ部 40b キャリパの反作用部 40c キャリパの翼部 40d 翼部の貫通穴 50 ピストン 51 ガイドピン 52 ラバーブッシュ 53 ヘッド付きガイドピン 54 ラバーブッシュ 55 ガイドブッシュ 60 線ばね 60a 線ばねの折曲部 60b 線ばねの先端 70 キー部材 70a キー部材の平板状部 70b キー部材の折曲部 70c キー部材の先端部 71 キー部材 71a キー部材の四角形部 71b キー部材の爪 72 キー部材 73 キー部材 73a キー部材の先端部 74 クリップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの両摺動面に対向して配
    設された一対のブレーキパッドの両被支承部が、キャリ
    アのディスクロータ周方向に離間した夫々のレールに、
    ディスクロータの両回転方向に支承されると共に、ディ
    スクロータ軸線方向に可動的に横架され、前記ディスク
    ロータと前記両ブレーキパッドの外周を跨ぐキャリパの
    一側に作動機構が設けられると共に、他側に反作用部が
    設けられ、該キャリパが前記キャリアに対して、前記デ
    ィスクロータ周方向に離間した案内機構により、前記デ
    ィスクロータ軸線方向に可動的に支持されている、ディ
    スクブレーキ装置において、 前記キャリパの反作用部と、該反作用部側のアウタブレ
    ーキパッドとを実質的に一体化し、かつ前記キャリアの
    夫々のレールに隣接して、該キャリアと前記アウタブレ
    ーキパッドとの各対向部の夫々に形成した両溝に亙って
    キー部材を介挿し、前記キャリパの反作用部のディスク
    ロータ半径方向の振動を、前記アウタブレーキパッドお
    よび前記キー部材を介して前記キャリアで抑制するよう
    構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記キー部材が折り
    返した対向片を有する板状部材から成り、該キー部材の
    対向片の一方を前記キャリアまたは前記アウタブレーキ
    パッドのいずれか一方の溝底に当接して装着すると共
    に、前記対向片の他方をいずれか他方の部材の溝底に弾
    接し、前記キャリパの反作用部のディスクロータ半径方
    向の振動を、前記対向片の幅方向の端縁で抑制するよう
    構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記キー部材が連設
    して折曲形成した板状部材から成り、該キー部材の折曲
    部の半半の一方を前記キャリアまたは前記アウタブレー
    キパッドのいずれか一方の溝内に嵌合して装着すると共
    に、前記連設片の半半の他方をいずれか他方の部材の溝
    内に嵌合し、前記キャリパの反作用部のディスクロータ
    半径方向の振動を抑制するよう構成したことを特徴とす
    る、ディスクブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記キー部材が中実
    の柱状体から成り、該柱状体の半半の一方を前記キャリ
    アまたは前記アウタブレーキパッドのいずれか一方の溝
    内に嵌合して装着すると共に、前記柱状体の半半の他方
    をいずれか他方の部材の溝内に嵌合し、前記キャリパの
    反作用部のディスクロータ半径方向の振動を抑制するよ
    う構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれか1項におい
    て、前記キャリパの作動機構側のインナブレーキパッド
    と前記キャリアとの各対向部の夫々にも溝を形成し、前
    記キー部材をディスクロータ軸線方向の両溝に亙って一
    体的に介挿し、該キー部材を前記キャリアに装着したこ
    とを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 ディスクロータの両摺動面に対向して配
    設された一対のブレーキパッドの両被支承部が、キャリ
    アのディスクロータ周方向に離間した夫々のレールに、
    ディスクロータの両回転方向に支承されると共に、ディ
    スクロータ軸線方向に可動的に横架され、前記ディスク
    ロータと前記両ブレーキパッドの外周を跨ぐキャリパの
    一側に作動機構が設けられると共に、他側に反作用部が
    設けられ、該キャリパが前記キャリアに対して、前記デ
    ィスクロータ周方向に離間した案内機構により、前記デ
    ィスクロータ軸線方向に可動的に支持されている、ディ
    スクブレーキ装置において、 前記キャリパの反作用部と、該反作用部側のアウタブレ
    ーキパッドとを実質的に一体化し、かつ前記キャリアの
    夫々のレールに隣接して、該キャリアとアウタブレーキ
    パッドとの各対向部の夫々を凹凸係合し、前記キャリパ
    の反作用部のディスクロータ半径方向の振動を、前記ア
    ウタブレーキパッドを介して前記キャリアで抑制するよ
    う構成したことを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記キャリアとアウ
    タブレーキパッドとの凹凸係合間に板状部材を介挿する
    と共に、該板状部材を前記キャリアまたはアウタブレー
    キパッドのいずれか一方に装着したことを特徴とする、
    ディスクブレーキ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記キャリパの作動
    機構側のインナブレーキパッドと前記キャリアとの各対
    向面の夫々も凹凸係合し、前記板状部材をディスクロー
    タ軸線方向の両凹凸係合部に亙って一体的に介挿し、該
    板状部材を前記キャリアに装着したことを特徴とする、
    ディスクブレーキ装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか1項におい
    て、前記キャリパの反作用部と、該反作用部側のアウタ
    ブレーキパッドとを凹凸係合により実質的に一体化した
    ことを特徴とする、ディスクブレーキ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1項におい
    て、前記キャリアに対する前記キャリパの案内機構が、
    該キャリアから前記キャリパの作動機構側に向かって立
    設するガイドピンと、ラバーブッシュおよび該ラバーブ
    ッシュより硬質のガイドブッシュを介在して可動的に枢
    支される前記キャリパの翼部とから成り、前記ラバーブ
    ッシュがブレーキ作動時に圧縮され、かつブレーキ不作
    動時に圧縮されないよう構成したことを特徴とする、デ
    ィスクブレーキ装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記ラバーブッ
    シュを前記キャリパの翼部に穿設した穴に装着すると共
    に、前記ガイドブッシュを前記ガイドピンとの間に隙間
    を存してキャリアに固定し、前記ラバーブッシュが前記
    ガイドブッシュ上を摺動するよう構成したことを特徴と
    する、ディスクブレーキ装置。
JP2000144372A 2000-05-17 2000-05-17 ディスクブレーキ装置 Pending JP2001323953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000144372A JP2001323953A (ja) 2000-05-17 2000-05-17 ディスクブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000144372A JP2001323953A (ja) 2000-05-17 2000-05-17 ディスクブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001323953A true JP2001323953A (ja) 2001-11-22

Family

ID=18651037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000144372A Pending JP2001323953A (ja) 2000-05-17 2000-05-17 ディスクブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001323953A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6059830U (ja) * 1983-09-30 1985-04-25 アイシン精機株式会社 デイスクブレ−キ
JPS62251530A (ja) * 1985-04-22 1987-11-02 アルフレツド・テヴエス・ゲ−エムベ−ハ− 棒状部品のダストカバー

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6059830U (ja) * 1983-09-30 1985-04-25 アイシン精機株式会社 デイスクブレ−キ
JPS62251530A (ja) * 1985-04-22 1987-11-02 アルフレツド・テヴエス・ゲ−エムベ−ハ− 棒状部品のダストカバー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6261289B2 (ja) ディスクブレーキ用パッドスプリング
JP4477540B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4713651B2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JP4653010B2 (ja) ディスクブレーキ
JP5184693B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4039753B2 (ja) ディスクブレーキ
JP6189718B2 (ja) ディスクブレーキ用パッド及びディスクブレーキ装置
JP5016492B2 (ja) 摩擦部材及びディスクブレーキ
JP6501907B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2012189188A (ja) ディスクブレーキ用パッドの戻し装置
JP4819711B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4335344B2 (ja) ディスクブレーキ
JP6746789B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2001336554A (ja) ディスクブレーキ
JP2007155024A (ja) フローティングキャリパ型ディスクブレーキ
JPH10110756A (ja) ディスクブレーキ
JP2001323953A (ja) ディスクブレーキ装置
JP4332049B2 (ja) ディスクブレーキ
JP2008138737A (ja) ディスクブレーキ
JP6149273B2 (ja) ディスクブレーキ
JP4077090B2 (ja) ディスクブレーキ
WO2024116541A1 (ja) ディスクブレーキ
JP7361653B2 (ja) ディスクブレーキ
JP7356939B2 (ja) ディスクブレーキ
JP3566560B2 (ja) ディスクブレーキ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100607

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101013