JP2001323865A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
内燃機関用点火装置Info
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Abstract
ンが生じるのを防止することができる内燃機関用点火装
置を提供する。 【解決手段】パルサ1が機関の回転に同期して基準位置
で発生する基準位置検出パルスP1 の発生間隔を回転速
度計測時間Tnとして基準位置検出パルスが発生する毎
に検出する。各基準位置検出パルスが発生したときに検
出した回転速度計測時間Tnが1回転前に検出した回転
速度計測時間Tn-1 の1/m(m>1)未満であるとき
に点火回路3に点火信号を与えるのを禁止して機関の点
火を禁止する。基準位置検出パルスが発生したときに検
出した回転速度計測時間TnがTn-1 /m以上であると
きに点火回路3に点火信号を与えるのを許可して機関の
点火を許可する。
Description
ータを用いて点火位置を制御する内燃機関用点火装置に
関するものである。
位置(点火動作が行われるクランク軸の回転角度位置)
で点火信号を発生する点火制御部と、前記点火信号が発
生したときに点火用の高電圧を発生する点火回路とによ
り構成される。
の発生位置の「位置」は、機関のクランク軸の回転角度
位置を意味する。
制御する点火制御部は、内燃機関の低速時の点火位置と
して適した位置に設定された固定点火位置よりも進角し
た回転角度位置に設定された基準位置で一方の極性の基
準位置検出パルスを発生し、固定点火位置で他方の極性
の固定点火位置検出パルスを発生するパルサと、基準位
置検出パルスが検出される毎に基準位置検出パルスの発
生間隔Tnを内燃機関の回転速度の情報を含む回転速度
計測時間(クランク軸が1回転するのに要した時間)と
して検出するパルス発生間隔検出手段と、内燃機関が基
準位置から点火位置まで回転するのに要する時間を点火
位置計測時間Δtとして所定の制御条件に対して演算す
る点火位置計測時間演算手段と、基準位置検出パルスが
検出されたときに検出された回転速度計測時間が設定時
間を超えているときには固定点火位置で点火信号を発生
する第1の点火信号発生手段と、回転速度計測時間が設
定時間以下であるときには点火位置計測時間演算手段に
より演算された点火位置計測時間Δtの計測を開始する
点火位置計測手段と、点火位置計測手段が点火位置計測
時間Δtを計測した時に点火信号を発生する第2の点火
信号発生手段とにより構成される。
答して点火コイルの一次電流を制御する一次電流制御回
路とを備えていて、上記点火制御部から一次電流制御回
路に点火信号が与えられたときに点火コイルの一次電流
に急激な変化(一次電流の急激な通電または遮断)を生
じさせることにより、点火コイルの二次コイルに点火用
の高電圧を誘起させる。この高電圧は機関の気筒に取り
つけられた点火プラグに印加され、該高電圧により点火
プラグに生じる火花放電により機関が点火される。
イミングを示したもので、同図(A)はパルサが発生す
るパルス信号の波形を示し、(B)はCPUの内部タイ
マの計数値を示している。また図5(C)は点火制御部
から点火回路に与えられる点火信号を示し、(D)は点
火コイルの一次電圧の波形を示している。
転させると、パルサが図5(A)に示すように、基準位
置検出パルスP1 と固定点火位置検出パルスP2 とを発
生する。この例では、基準位置検出パルスP1 及び固定
点火位置検出パルスP2 がそれぞれ負極性及び正極性の
パルスからなっている。本明細書では、これらのパルス
がしきい値(点火制御部を構成する回路が認識し得るレ
ベル)Vt に達したときのクランク軸の回転角度位置ま
たはタイミングをパルスの発生位置または発生タイミン
グとする。
設けられたリラクタ(誘導子)の回転方向の前端側のエ
ッジ及び後端側のエッジをそれぞれ検出して極性が異な
るパルス信号を発生するもので、リラクタに対向する磁
極部を先端に有する鉄心と、該鉄心に巻回された信号コ
イルと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とにより構成
される。このパルサは、機関が正回転する際も、逆回転
する際も、リラクタの回転方向の前端側のエッジを検出
した時に一方の極性のパルス(図5に示した例では負極
性のパルス)を発生し、続いてリラクタの回転方向の後
端側のエッジを検出した時に他方の極性のパルス(図5
に示した例では正極性パルス)を発生する。
の回転が安定せず、行程変化に伴って脈動するため、マ
イクロコンピュータにより演算した点火位置を正確に検
出することが困難である。そのため、機関の始動時及び
低速時(機関の回転速度が設定値以下の時)には、マイ
クロコンピュータにより演算された点火位置(点火時
期)で点火動作を行わせるのではなく、予め機関の低速
時の点火位置として適した位置に設定された固定の点火
位置で点火を行わせるようにしている。本明細書ではこ
の点火位置を固定点火位置と呼んでいる。
コンピュータに上記固定点火位置を検出させるためのパ
ルスで、パルサは、クランク軸の回転角度位置が固定点
火位置に一致した時にパルスP2 を発生する。図5で
は、パルサが固定点火位置を発生する時刻(タイミン
グ)を固定点火時期t2 としている。固定点火位置は、
機関のピストンが上死点に達した時のクランク軸の回転
角度位置(以下上死点位置という。)付近の回転角度位
置、例えば上死点位置よりも僅かな角度(例えば5°)
進角した位置に設定される。
進角した位置に設定された基準位置で基準位置検出パル
スP1 を発生する。基準位置は、機関の点火位置の計測
を開始する位置で、上死点位置よりも点火位置の最大進
角度以上進角した位置に設定される。図5においては、
基準位置検出パルスが発生する時刻を基準タイミングt
1 としている。
よりマイクロコンピュータが認識し得る波形の信号に変
換されてCPUに入力される。
(B)に示すように、上記基準位置検出パルスP1 が発
生する毎にクロックパルスを計数している内部タイマの
計数値を読み込むとともに、該タイマをリセットしてそ
の計数動作を再スタートさせる。基準位置検出パルスP
1 が発生した時にCPUが読み込んだタイマの計数値は
基準位置検出パルスの発生間隔であり、機関が1回転す
るのに要した時間Tn(n=1,2,…)である。この
時間Tnを回転速度計測時間と呼ぶ。CPUはこの回転
速度計測時間Tnから機関の回転速度(1回転の平均回
転速度)の情報を得る。
定のプログラムを実行させることにより、上記パルスP
1 及びP2 から機関の回転情報を得て、回転速度の検出
や、点火位置の演算を行う。点火位置は、上記基準位置
から点火位置まで機関が回転するのに要する時間Δtの
形で演算される。この時間Δtを点火位置計測時間と呼
ぶ。
ンピュータが実行するプログラムのメインルーチンを示
し、図4は従来の点火装置において基準位置検出パルス
が発生した時に実行される割り込みルーチンのアルゴリ
ズムを示している。
と、CPUは、ステップ1において各部の初期化を行
い、次いでステップ2において点火位置計測時間Δtを
演算した後、ステップ3においてその他の必要な処理を
行う。
1 を発生する毎にメインルーチンに割り込みをかけて、
図4に示す割り込みルーチンを実行する。この割り込み
ルーチンでは、まずステップ1において、回転速度計測
時間Tnを読込んでRAMに格納する。次いで、ステッ
プ2において、回転速度計測時間Tnを回転速度の設定
値を与える設定時間Tns(機関の回転速度が設定値に等
しい時に機関が1回転するのに要する時間)と比較し、
その結果、Tns<Tnである時(機関の回転速度が設定
値未満の時)にステップ3に進んで点火位置計測時間Δ
tにより点火位置を定めるのを禁止し、固定点火位置パ
ルスP2 の発生位置で点火動作を行わせる固定点火モー
ドとする。またステップ2において回転速度計測時間T
nが設定時間Tns以下であると判定された時(Tns≧T
nと判定された時)には、ステップ4に進んで固定点火
位置検出パルスP2 の発生位置での点火を禁止し、演算
された点火位置計測時間Δtにより点火位置を定める演
算点火モードとする。次いでステップ5で点火位置計測
時間Δtを点火用タイマにセットして、その計測を開始
させ、メインルーチンに戻る。
は、図5(C)の左端寄りに示したように、固定点火位
置検出パルスP2 が発生するタイミングt2 で点火信号
Viを点火回路に与えて点火動作を行わせる。また点火
モードが演算点火モードであるときには、図5(C)の
右端寄りに示したように、基準位置が検出されたタイミ
ングt1 から点火位置計測時間Δtが経過したときの時
刻(点火タイミング)ti において点火が行われる。
極低速回転時にはその回転速度が脈動するため、回転速
度が落ち込んで、機関の慣性が小さくなっている状態で
点火が行われることがある。このような状態で点火が行
われると、ピストンが上死点を越えることができなくな
って、機関の始動に失敗する。特に、2サイクル機関の
場合は、正逆いずれの方向にも回転し得るため、始動時
に回転方向が反転すると、機関が逆転したままで回転を
継続するおそれがある。
点火される2サイクル内燃機関が始動に失敗して逆転し
た場合の、回転速度N[rpm]の実測値と、機関に取
り付けられたパルサが発生するパルサ信号Pの波形と、
点火動作が行われる際に点火コイルの一次コイルに誘起
する電圧V1 の波形とを時間tに対して示したものであ
る。
の1回転毎に順次変化する回転速度計測時間を示したも
ので、T1 ,T2 ,…,T4 の実測値はそれぞれ図6の
余白に付記された通り、T1 =70[msec],T2 =6
4[msec],T3 =63[msec],T4 =26[msec]
である。これらの回転速度計測時間T1 〜T4 からそれ
ぞれ演算される機関の回転速度は、857[rpm ],9
37[rpm ],952[rpm ],2307[rpm ]であ
る。
その回転速度が上昇しなかったために、点火をしてもピ
ストンが上死点を越えることができなくなり、時刻ta
において、機関の回転速度が反転している。機関の回転
方向が反転すると、パルサがリラクタの回転方向の後端
側のエッジを検出した直後に同じエッジを今度は回転方
向の前端側のエッジとして検出するため、機関の回転方
向が反転した直後に計測される回転方向計測時間T4
が、その前の回転で検出された回転方向計測時間T3 に
比べて著しく短くなり、この回転方向計測時間T4 に対
応する回転速度は実際の回転速度に比べて大幅に高い速
度となってしまう。図6に示した例では、機関の回転方
向が反転した直後に、きわめて短い回転方向計測時間T
4 =26[msec]が検出されているが、この回転方向計
測時間T4 は、機関の回転速度に換算すると2307
[rpm ]になる。マイクロコンピュータは、機関が反転
したことを検出できないため、回転方向計測時間T4 を
読み込んだときに、機関の回転速度が進角開始回転速度
よりも高い速度まで上昇したと誤認して、点火位置をパ
ルサP2 により定まる固定点火位置から、演算された点
火位置計測時間Δtにより定められる点火位置まで急に
進角させてしまう。このとき、機関の実際の回転速度は
きわめて低い状態にあるため、進角した位置での点火に
より、機関のピストンは再び押し戻されてしまう。この
現象はケッチンと呼ばれる。キックスタータ等の人力に
より操作する始動装置により内燃機関を始動する場合に
このケッチンが生じると、その反動で運転者に大きな力
が作用するため、運転者が怪我をしたり、恐怖感を抱い
たりするおそれがあり、好ましくない。
が生じて、運転者に危害を加えることがないようにした
内燃機関用点火装置を提供することにある。
用いて点火位置を制御する内燃機関用点火装置は、通
常、内燃機関の回転情報を与えるパルスを発生するパル
サと、パルサが発生するパルスから得た回転情報に基づ
いて点火位置を制御する点火制御部と、点火制御部から
与えられる点火信号に応じて点火動作を行う点火回路と
により構成される。
ロータに設けられたリラクタの回転方向の前端縁及び後
端縁をそれぞれ検出してパルスを発生するもので、内燃
機関の低速時の点火位置として適した位置に設定された
固定点火位置よりも進角した回転角度位置に設定された
基準位置で一方の極性の基準位置検出パルスを発生し、
固定点火位置で他方の極性の固定点火位置検出パルスを
発生する。
する毎に基準位置検出パルスの発生間隔(前回基準位置
検出パルスが発生した時の時刻から今回基準位置検出パ
ルスが発生した時刻までの時間)Tnを内燃機関の回転
速度の情報を含む回転速度計測時間として検出するパル
ス発生間隔検出手段と、内燃機関が基準位置から点火位
置まで回転するのに要する時間を点火位置計測時間Δt
として所定の制御条件に対して演算する点火位置計測時
間演算手段と、基準位置検出パルスが発生した際に検出
された回転速度計測時間が設定時間を超えている場合に
固定点火位置で点火信号を発生する第1の点火信号発生
手段と、基準位置検出パルスが発生した際に検出された
回転速度計測時間が設定時間以下である場合に前記基準
位置で点火位置計測時間演算手段により演算された点火
位置計測時間Δtの計測を開始する点火位置計測手段
と、点火位置計測手段が点火位置計測時間Δtを計測し
た時に点火信号を発生する第2の点火信号発生手段とを
備えている。
発生したときに点火用の高電圧を発生する回路で、この
点火回路としては、コンデンサ放電式の回路や、電流遮
断式の回路などが知られている。
本発明で用いる点火許否手段は、基準位置検出パルスが
発生したときに検出された回転速度計測時間Tnが1回
転前に検出された回転速度計測時間Tn-1 の1/m(m
は1を超える正の数)未満であるときには点火信号の発
生を禁止し、基準位置検出パルスが発生したときに検出
された回転速度計測時間TnがTn-1 /m以上であると
きに点火信号の発生を許可するように構成される。
度上昇すると、回転方向が反転するおそれはなくなるの
で、上記点火許否手段は、基準位置検出パルスが発生し
たときに検出された回転速度計測時間Tnが設定値以上
で、かつ基準位置検出パルスが発生したときに検出され
た回転速度計測時間Tnが1回転前に検出された回転速
度計測時間Tn-1 の1/m(m>1)未満であるときに
点火信号の発生を禁止し、回転速度計測時間TnがTn-
1 /m以上であるときに点火信号の発生を許可するよう
に構成してもよい。
を発生するパルサの出力パルスの発生間隔を回転速度計
測時間Tnとして用いる場合、機関の始動時に、機関の
回転方向が反転すると、その直後に得られる回転速度計
測時間Tnは、1回転前に得られた回転速度計測時間T
n-1 に比べて大幅に短くなる。
る毎にその長さTnを1回転前に検出された回転速度計
測時間Tn-1 と比較して、今回検出された回転速度計測
時間Tnが1回転前に検出された回転速度計測時間Tn-
1 の1/m未満に短くなったか否かを判定することによ
り、機関の回転方向が反転したか否かを判定することが
できる。そして、機関の回転方向が反転したと判定され
た時に、点火信号の発生を禁止するようにすれば、機関
を失火させることができるため、ケッチンが生じて運転
者に危害が及ぶのを防ぐことができる。
値に設定するが、通常はm≧2に設定するのが好まし
い。図6に示した機関の場合には、例えば、m=2に設
定することにより、機関の反転を確実に検出することが
でき。機関の回転方向が反転しない状態でもTn-1 /T
n≧2となることがあり得る機関の場合には、mの値を
更に大きな値(例えばm=3または4)に設定すればよ
い。
用点火装置のハードウェアの構成例を示したもので、同
図において、1はパルサ、2は点火制御部、3はコンデ
ンサ放電式の点火回路、4は点火回路の点火用コンデン
サを充電するための電圧を発生する点火コンデンサ充電
用電源である。
付けられたロータ11の外周に設けられたリラクタ12
に対向する磁極部を先端に有する鉄心と、該鉄心に巻回
された信号コイル1aと、該鉄心に磁気結合された永久
磁石とを備えた公知のもので、リラクタ12の回転方向
の前端側のエッジを検出した際、及び該リラクタの回転
方向の後端側のエッジを検出した際にそれぞれ極性が異
なるパルスP1 及びP2 を発生する。
として適した位置に設定された固定点火位置よりも進角
した回転角度位置に設定された基準位置で一方の極性の
基準位置検出パルスP1 を発生し、固定点火位置で他方
の極性の固定点火位置検出パルスP2 を発生するように
設けられている。
Aと、パルサ1が発生するパルスP1 をマイクロコンピ
ュータが認識し得る波形に変換する第1の波形整形回路
2Bと、固定点火位置検出パルスP2 を点火回路3に与
えるのに適した立上がりが速いパルス波形の点火信号V
p に変換する第2の波形整形回路2Cと、マイクロコン
ピュータ2Aが発生する点火信号Vi 、及び第2の波形
整形回路2Cが出力する点火信号Vp を点火回路3に入
力するオア回路2Dと、固定点火禁止回路2Eとからな
っている。
形整形回路2Cの非接地側出力端子と接地間にコレクタ
エミッタ間回路が接続されたトランジスタTR1 と、ト
ランジスタTR1 のベースとマイクロコンピュータ2A
のポートに接続された抵抗R2 と、トランジスタTR1
のベースエミッタ間に接続された抵抗R3 と、抵抗R2
のマイクロコンピュータ側の端子と接地間に接続された
抵抗R4 とからなっている。マイクロコンピュータ2A
は、固定点火位置での点火を禁止する条件が成立した時
にトランジスタTR1 にベース電流(禁止指令信号)を
与え、該トランジスタTR1 をオン状態にする。このト
ランジスタTR1 の導通により、第2の波形整形回路2
Cが出力する点火信号Vp を点火回路3から側路して、
該点火信号Vp が点火回路3に与えられるのを阻止し、
点火動作を禁止する。
0と、CPUが演算した点火位置計測時間Δtを記憶す
るメモリ201と、第1の波形整形回路2Bの出力が割
り込み信号INTとして入力された割り込み制御回路2
02と、割り込み制御回路202により制御されるタイ
マ203と、タイマ203が計測する時間をCPUによ
り演算された点火位置計測時間Δtと比較するコンパレ
ータ204とを備えている。
火信号入力端子に共通接続され、アノードが第2の波形
整形回路2C及びマイクロコンピュータ2Aの出力端子
にそれぞれ接続されたダイオードD1 及びD2 からなっ
ていて、固定点火位置検出パルスP2 が発生したときに
第2の波形整形回路2Cが出力する点火信号Vp 及び、
マイクロコンピュータ2Aが演算した点火位置を検出し
た時に出力する点火信号Vi がそれぞれダイオードD1
及びD2 を通して点火回路3に入力されている。
イルW2 の一端が接地された点火コイル3Aと、点火コ
イル3Aの一次コイルW1 の非接地側の端子に一端が接
続された点火コンデンサC1 と、カソードを接地側に向
けて、点火コイルの一次コイルに並列に接続されたダイ
オードD3 と、コンデンサC1 の他端と接地間にカソー
ドを接地側に向けて接続されたサイリスタTh1と、サイ
リスタTh1のゲートカソード間に接続された抵抗R1
と、コンデンサC1 の他端にカソードが接続されたダイ
オードD4 と、図示しない内燃機関の気筒に取り付けら
れて点火コイルの二次コイルに接続された点火プラグ3
Bとを備えた回路からなっている。
デンサC1 を充電するための電圧を出力する電源で、2
00[V]以上の電圧を出力する。この電源4としてし
は、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に充分に多
くの巻数を持って設けられたエキサイタコイルや、該磁
石発電機内に設けられた比較的巻数が少ない発電コイル
と、該発電コイルの出力電圧を昇圧するチョッパ回路
(昇圧回路)とを備えたものや、バッテリの電圧を昇圧
するDCコンバータ等を用いることができる。
は、前記ダイオードD4 を通して点火コンデンサC1 と
点火コイルの一次コイルW1 との直列回路の両端に印加
されている。
デンサ充電用電源4が電圧を出力すると、電源4−ダイ
オードD4 −点火コンデンサC1 −一次コイルW1 −電
源4の充電回路を通して電流が流れて点火コンデンサC
1 が図示の極性に充電される。サイリスタTh1のゲート
(点火信号入力端子)に点火信号Vp またはVi が与え
られると、サイリスタTh1がオン状態になるため、点火
コンデンサC1 に蓄積された電荷がサイリスタTh1と点
火コイルの一次コイルW1 とを通して放電する。この放
電により点火コイルの二次コイルW2 に点火用高電圧が
誘起する。この高電圧は点火プラグ3Bに印加されるた
め、該点火プラグで火花放電が生じて機関が点火され
る。
ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、
機関の点火位置を制御する。図1に示したマイクロコン
ピュータ2Aが実行するプログラムのメインルーチンの
アルゴリズムを示すフローチャートを図2に示し、パル
サ1が基準位置検出パルスP1 を発生する毎に実行され
る割込みルーチンのアルゴリズムを示すフローチャート
を図3に示した。
火装置のそれと同様であり、そのステップ2により、内
燃機関が基準位置から点火位置まで回転するのに要する
時間を点火位置計測時間Δtとして所定の制御条件に対
して演算する点火位置計測時間演算手段が実現される。
形整形回路2Bが割込み制御回路202に割込み信号I
NTを与えると、メインルーチンが中断されて図3に示
す割込みルーチンが実行される。この割り込みルーチン
のステップ1では、先ずタイマ203の計測値を回転速
度計測時間Tnとして読込む。次いでステップ2では、
前の回転で検出された回転速度計測時間Tn-1 の1/2
と今回検出された回転速度計測時間Tnとを比較し、そ
の結果Tn-1 /2≦Tnであるときには、ステップ3で
機関が正回転していることを示すフラグを立て、ステッ
プ4で今回検出された回転速度計測時間TnをRAMに
格納する。次いでステップ5において今回検出された回
転速度計測時間Tnと設定値Tnsとを比較し、Tns<T
nであるときには、ステップ6に進む。ステップ6で
は、演算された点火位置計測時間Δtにより点火位置を
定めることを禁止し、次に発生する固定点火位置検出パ
ルスP2 を点火信号とすることを許可してメインルーチ
ンに戻る。ステップ5において、Tns≧Tnであると判
定された時には、ステップ7に進んで固定点火位置検出
パルスP2 を点火信号とすることを禁止するとともに、
演算された点火位置計測時間Δtにより点火位置を定め
ることを許可し、ステップ8で既に演算されてRAMに
格納されている点火位置計測時間Δtをコンパレータ2
04にセットしてメインルーチンに戻る。コンパレータ
204はタイマ203の計数値が点火位置計測時間Δt
に一致した時に点火回路3に点火信号Viを与える。
/2未満である(Tn-1 /2>Tn)と判定された時に
は、ステップ9で機関が逆転していることを示すフラグ
を立て、ステップ10において、演算された点火位置計
測時間Δtにより点火位置を定めること、及び固定点火
位置検出パルスP2 を点火信号とすることを禁止し(固
定点火禁止回路2EのトランジスタTR1 にベース電流
を与え)、点火回路3への点火信号の供給を禁止してメ
インルーチンに戻る。これにより点火回路3が点火動作
を行うのを禁止し、機関を失火させる。
02と、タイマ203とにより、基準位置検出パルスが
発生する毎に基準位置検出パルスの発生間隔Tnを内燃
機関の回転速度の情報を含む回転速度計測時間として検
出するパルス発生間隔検出手段が構成されている。
プ2により、内燃機関が基準位置から点火位置まで回転
するのに要する時間を点火位置計測時間Δtとして所定
の制御条件に対して演算する点火位置計測時間演算手段
が構成される。
り、検出された回転速度計測時間が設定時間を超えてい
る状態で基準位置検出パルスが検出されたときに固定点
火位置で点火信号を発生する第1の点火信号発生手段が
構成され、図3のステップ5とステップ6とにより、基
準位置検出パルスが発生した際に検出された回転速度計
測時間が設定時間以下である場合に基準位置で点火位置
計測時間演算手段により演算された点火位置計測時間Δ
tの計測を開始する点火位置計測手段が構成される。
火位置計測手段が点火位置計測時間Δtを計測した時に
点火信号を発生する第2の点火信号発生手段が構成され
ている。
より、基準位置検出パルスが発生したときに検出された
回転速度計測時間Tnが1回転前に検出された回転速度
計測時間Tn-1 の1/m(mは1を超える正の実数)未
満であるときには点火信号の発生を禁止し、基準位置検
出パルスが発生したときに検出された回転速度計測時間
TnがTn-1 /m以上であるときに点火信号の発生を許
可する点火許否判定手段が構成される。
間隔を回転速度計測時間Tnとして、この時間Tnのデ
ータを機関の回転速度を示すデータとして扱っている
が、上記時間Tnから演算した機関の回転速度のデータ
を用いて、回転速度の高低の判定を行ったり、回転速度
に対する点火位置の演算を行ったりしても同じことであ
る。即ち、回転速度計測時間Tnを設定値Tnsと比較す
ることは、回転速度計測時間Tnから演算した回転速度
と設定値とを比較することと等価である。したがって、
例えば、回転速度計測時間Tnから演算した回転速度を
設定値と比較して、演算された回転速度が設定値未満の
ときに固定点火位置で点火信号を発生するように構成さ
れた点火信号発生手段は、回転速度計測時間が設定時間
を超えている場合に固定点火位置で点火信号を発生する
本発明の第1の点火信号発生手段に包含される。
転速度を設定値と比較して、演算した回転速度が設定値
以上である場合に、基準位置で点火位置計測時間の計測
を開始させるようにした手段は、回転速度計測時間が設
定時間以下である場合に基準位置で点火位置計測時間演
算手段により演算された点火位置計測時間Δtの計測を
開始する本発明の点火位置計測手段に包含される。
めた回転速度計測時間Tnから演算した回転速度Nn
が、1回転前に基準位置検出パルスを検出した時に求め
た回転速度計測時間Tn-1 から演算した回転速度Nn-1
のm倍を超えている時に、点火信号の発生を禁止し、上
記回転速度Nnが1回転前の回転速度Nn-1 のm倍以下
の時に点火を許可するように構成された点火許否手段
も、基準位置検出パルスが発生したときに検出された回
転速度計測時間Tnが1回転前に検出された回転速度計
測時間Tn-1 の1/m(m>1)未満であるときには点
火信号の発生を禁止し、基準位置検出パルスが発生した
ときに検出された回転速度計測時間TnがTn-1 /m以
上であるときに点火信号の発生を許可する点火許否判定
手段に包含される。
度計測時間が検出される毎にその長さTnを1回転前に
検出された回転速度計測時間Tn-1 と比較して、今回検
出された回転速度計測時間Tnが1回転前に検出された
回転速度計測時間Tn-1 の1/m未満に短くなったか否
かを判定することにより、機関の回転方向が反転したか
否かを判定して、機関の回転方向が反転したと判定され
た時に、点火信号の発生を禁止するようにしたので、機
関の始動時にケッチンが生じて運転者に危害が及ぶのを
防ぐことができる利点がある。
ェアの構成例を示した回路図である。
コンピュータが実行するプログラムのメインルーチンの
アルゴリズムを示したフローチャートである。
するプログラムの割り込みルーチンのアルゴリズムを示
したフローチャートである。
するプログラムの割り込みルーチンのアルゴリズムを示
したフローチャートである。
ングチャートである。
ケッチンが生じた際の回転速度の時間的変化と、パルサ
の出力波形と、点火コイルの一次電圧の波形とを示した
線図である。
イクロコンピュータ、200…CPU、203…タイ
マ、204…コンパレータ、P1 …基準位置検出パル
ス、P2 …固定点火位置検出パルス。
Claims (2)
- 【請求項1】 内燃機関の低速時の点火位置として適し
た位置に設定された固定点火位置よりも進角した回転角
度位置に設定された基準位置で一方の極性の基準位置検
出パルスを発生し、前記固定点火位置で他方の極性の固
定点火位置検出パルスを発生するパルサと、前記基準位
置検出パルスが発生する毎に該基準位置検出パルスの発
生間隔Tnを前記内燃機関の回転速度の情報を含む回転
速度計測時間として検出するパルス発生間隔検出手段
と、前記内燃機関が前記基準位置から点火位置まで回転
するのに要する時間を点火位置計測時間Δtとして所定
の制御条件に対して演算する点火位置計測時間演算手段
と、前記基準位置検出パルスが発生した際に検出された
回転速度計測時間が設定時間を超えている場合に前記固
定点火位置で点火信号を発生する第1の点火信号発生手
段と、前記基準位置検出パルスが発生した際に検出され
た回転速度計測時間が前記設定時間以下である場合に前
記基準位置で前記点火位置計測時間演算手段により演算
された点火位置計測時間Δtの計測を開始する点火位置
計測手段と、前記点火位置計測手段が点火位置計測時間
Δtを計測した時に点火信号を発生する第2の点火信号
発生手段とを備えた点火制御部と、前記点火制御部が点
火信号を発生したときに点火用の高電圧を発生する点火
回路とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記基準位置検出パルスが発生したときに検出された回
転速度計測時間Tnが1回転前に検出された回転速度計
測時間Tn-1 の1/m(mは1を超える正の数)未満で
あるときには前記点火信号の発生を禁止し、前記基準位
置検出パルスが発生したときに検出された回転速度計測
時間TnがTn-1 /m以上であるときに前記点火信号の
発生を許可する点火許否判定手段が設けられていること
を特徴とする内燃機関用点火装置。 - 【請求項2】 内燃機関の低速時の点火位置として適し
た位置に設定された固定点火位置よりも進角した回転角
度位置に設定された基準位置で一方の極性の基準位置検
出パルスを発生し、前記固定点火位置で他方の極性の固
定点火位置検出パルスを発生するパルサと、前記基準位
置検出パルスが発生する毎に前記基準位置検出パルスの
発生間隔Tnを前記内燃機関の回転速度の情報を含む回
転速度計測時間として検出するパルス発生間隔検出手段
と、前記内燃機関が前記基準位置から点火位置まで回転
するのに要する時間を点火位置計測時間Δtとして所定
の制御条件に対して演算する点火位置計測時間演算手段
と、前記基準位置検出パルスが発生した際に検出された
回転速度計測時間が設定時間を超えている場合に前記固
定点火位置で点火信号を発生する第1の点火信号発生手
段と、前記基準位置検出パルスが発生した際に検出され
た回転速度計測時間が前記設定時間以下である場合に前
記基準位置で前記点火位置計測時間演算手段により演算
された点火位置計測時間Δtの計測を開始する点火位置
計測手段と、前記点火位置計測手段が点火位置計測時間
Δtを計測した時に点火信号を発生する第2の点火信号
発生手段とを備えた点火制御部と、前記点火制御部が点
火信号を発生したときに点火用の高電圧を発生する点火
回路とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記基準位置検出パルスが発生したときに検出された回
転速度計測時間Tnが設定値以上で、かつ前記基準位置
検出パルスが発生したときに検出された回転速度計測時
間Tnが1回転前に検出された回転速度計測時間Tn-1
の1/m(mは1を超える正の数)未満であるときには
前記点火信号の発生を禁止し、前記回転速度計測時間T
nがTn-1 /m以上であるときに前記点火信号の発生を
許可する点火許否判定手段が設けられていることを特徴
とする内燃機関用点火装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000140698A JP3674457B2 (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 内燃機関用点火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000140698A JP3674457B2 (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 内燃機関用点火装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001323865A true JP2001323865A (ja) | 2001-11-22 |
JP3674457B2 JP3674457B2 (ja) | 2005-07-20 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3674457B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007016679A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Kokusan Denki Co Ltd | 内燃機関用点火装置 |
-
2000
- 2000-05-12 JP JP2000140698A patent/JP3674457B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007016679A (ja) * | 2005-07-07 | 2007-01-25 | Kokusan Denki Co Ltd | 内燃機関用点火装置 |
JP4622709B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-02-02 | 国産電機株式会社 | 内燃機関用点火装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3674457B2 (ja) | 2005-07-20 |
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