JP2001323289A - 酸性ガス除去装置及びこれを備えたガスハイドレート製造システム - Google Patents

酸性ガス除去装置及びこれを備えたガスハイドレート製造システム

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JP2001323289A
JP2001323289A JP2000140844A JP2000140844A JP2001323289A JP 2001323289 A JP2001323289 A JP 2001323289A JP 2000140844 A JP2000140844 A JP 2000140844A JP 2000140844 A JP2000140844 A JP 2000140844A JP 2001323289 A JP2001323289 A JP 2001323289A
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natural gas
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JP2000140844A
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English (en)
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Kozo Yoshikawa
孝三 吉川
Yoshihiro Kita
吉博 北
Haruhiko Ema
晴彦 江間
Masaharu Watabe
正治 渡部
Yuichi Kondo
雄一 近藤
Hisayoshi Fujita
尚義 藤田
Takahiro Kimura
隆宏 木村
Hitoshi Endo
仁 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ薬品等の危険物を用いることなく、
酸性ガスの分離速度及び分離純度を安定して高め、天然
ガスの処理効率を高めて労力及びコストを低減すること
ができる酸性ガス除去装置、及びこれを備えたガスハイ
ドレート製造システムを提供する。 【解決手段】 天然ガス中に存在する酸性ガスを除去す
るための酸性ガス除去装置2の構成を、天然ガス中の酸
性ガスを水和させて酸性ガスハイドレートを生成する生
成容器21と、生成容器21内に酸性ガスを含む天然ガ
スを導入するガス導入管路22と、酸性ガスハイドレー
トを生成容器21外に抜き出すハイドレート抜出管路2
3と、酸性ガスが除去された天然ガスを回収するガス回
収管路24と、を備えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ガス中に存在
している酸性ガス(例えば二酸化炭素)を除去するため
の酸性ガス除去装置、及びこれを備えたガスハイドレー
ト製造システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、メタンを主成分とする天然ガスを
貯蔵・輸送する方法としては、ガス田から天然ガスを採
取した後液化温度まで冷却し、液化天然ガス(LNG)
とした状態で貯蔵・輸送する方法が一般的である。しか
し、例えばメタンの場合、液化させるには−162℃と
いった極低温条件が必要であり、こうした条件を維持し
ながら貯蔵・輸送を行うためには、専用の貯蔵装置や、
LNG船等といった専用の輸送手段が必要となる。こう
した装置等の製造及び維持・管理には非常に高いコスト
を要するため、上記方法に代わる低コストの貯蔵・輸送
方法が、鋭意研究されてきた。こうした研究の結果、天
然ガスを水和させて固体状態の水和物(ハイドレート)
を生成し、この固体状態のまま貯蔵・輸送するとする方
法が見出され、近年特に有望視されている。この方法で
は、LNGを取扱う場合のような極低温条件は必要とさ
れず、また固体とするためその取扱いも比較的容易で、
既存の冷凍装置あるいは既存のコンテナ船を若干改良し
たものを各々貯蔵装置あるいは輸送手段として利用可能
とでき、大幅な低コスト化が図れるものとして期待が寄
せられている。
【0003】この天然ガスの水和物(以下、「ガスハイ
ドレート」と記す)とは、包接化合物(クラスレート化
合物)の一種である。図5(a)及び(b)には、一例
としてメタンハイドレートMHを示す。これらの図に示
すように、複数の水分子(H 2O)により形成された立
体かご型の包接格子(クラスレート)の中に、天然ガス
成分を構成するハイドレート形成物質、すなわちメタン
(CH4)等の分子が入り込み包接された結晶構造をな
すものである。なお、図5(a)は、水分子Wが12面
体を形成した場合を、図5(b)は、14面体を形成し
た場合を、各々示している。また、メタン分子を符号M
として示している。クラスレートに包接された天然ガス
構成分子同士の分子間距離は、天然ガスが高圧充填され
た場合のガスボンベ中における分子間距離よりも短くな
る。これは、天然ガスが緊密充填された固体を生成し得
ることを意味し、例えばメタンハイドレートが安定に存
在し得る条件下、すなわち−30℃・大気圧下(約0.
1MPa)においては、気体状態と比較して約1/17
0の体積とできるものである。このように、ガスハイド
レートは、比較的容易に得られる温度・圧力条件下にお
いて製造可能で、かつ安定した保存が可能なものであ
る。
【0004】上記方法においては、ガス田から採取した
後の天然ガスは、酸性ガス除去工程にて二酸化炭素(C
2)等の酸性ガスを除去された後、低温・高圧状態と
され、ハイドレート製造工程にて水和され、ガスハイド
レートとなる。このガスハイドレートは、続く脱水工程
にて、混在している未反応の水が除去され、更に冷却工
程及び減圧工程を経て、所定の温度・圧力に調整された
状態でコンテナ等の容器に封入され、貯蔵装置内で貯蔵
される。輸送時には、この容器のままコンテナ船等の輸
送手段に積み込み、目的地まで輸送する。目的地での陸
揚げ後、ガスハイドレートは、ハイドレート分解工程を
経て天然ガスの状態に戻され、各供給地へと送られる。
【0005】上記の通り、ガス田から採取した天然ガス
中の殆どを占める成分はメタンであるが、僅かながら酸
性ガスも含まれている。この酸性ガスのうちの殆ど全て
はCO2である。こうした酸性ガスは、燃料として利用
する天然ガスとしては不要な成分であるだけでなく、配
管や容器等に用いられている金属を腐食させるおそれが
あるため、予め充分に除去しておくことが好ましい。従
来は、生石灰(CaO)等のアルカリ薬品の水溶液中に
天然ガスを導入し、CO2をアルカリ薬品に吸収させる
ことで天然ガス中から除去するように、処理を行ってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように酸性の気体
をアルカリ薬品に吸収させるといった中和反応の場合、
水溶液温度等の変動によって吸収速度は著しく変動する
ため条件設定が難しく、天然ガス中からのCO2の分離
速度や分離純度を安定して高めるには限界があった。つ
まり、天然ガスの処理速度を高めることが困難であり、
そのため、ガスハイドレートの製造効率を高めようとし
ても、酸性ガス除去工程がネックとなって、充分な効率
化を図り得なかった。また、こうしたアルカリ薬品は非
常に刺激性の強い物質であり、人体に対しては皮膚を冒
す等といった悪影響を及ぼす危険物である。このため、
作業者がこうしたアルカリ薬品を取り扱う際には、防護
用の衣服や眼鏡等を着用しなければならず、安全管理面
で多大な労力やコストを要するとともに、作業性も良好
ではなかった。更に、生石灰に二酸化炭素(CO2)を
吸収させると、反応生成物として炭酸カルシウム(Ca
CO3)が生成されるが、この炭酸カルシウムの処理は
一般に焼成によって行う。すなわち、950〜1100
℃の温度で分解させて、CO2とCaOとを生成するよ
うに処理するが、このような高温条件が必要となるた
め、多大なエネルギーやコストを要していた。本発明者
らは鋭意研究の結果、メタンとCO2とのハイドレート
生成条件の違いを利用して、CO2のみを水和させてC
2ハイドレート(酸性ガスハイドレート)を生成し、
これを天然ガス中から除去することで、天然ガスを高効
率で処理できることを見出した。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、アルカリ薬品等の危険物を用いることなく、酸性ガ
スの分離速度及び分離純度を安定して高め、天然ガスの
処理効率を高めて労力及びコストを低減することができ
る酸性ガス除去装置、及びこれを備えたガスハイドレー
ト製造システムを提供すること、を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、天然ガス中に存在する酸性ガスを除去するための装
置であって、天然ガス中の酸性ガスを水和させて酸性ガ
スハイドレートを生成する生成容器と、酸性ガスを含む
天然ガスを前記生成容器内に導入するガス導入管路と、
前記酸性ガスハイドレートを前記生成容器外に抜き出す
ハイドレート抜出管路と、酸性ガスが除去された天然ガ
スを回収するガス回収管路と、を備えていることを特徴
とする。
【0009】このような構成としたことで、酸性ガスを
固体としてから気体である天然ガスと分離することがで
きるので、気体を中和反応させる場合と比較して、分離
速度を高めるとともに、分離純度も高めることができ
る。また、刺激性の強いアルカリ薬品を不要とできる。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の請求項1に記載の酸性ガス除去装置であって、前記生
成容器内の水相に天然ガスを気泡として導入することを
特徴とする。
【0011】このように、天然ガスを気泡として水相に
導入することにより、水と天然ガスとの気液接触面積、
すなわち気液界面を大きくとることができ、酸性ガスハ
イドレートを短時間且つ高生成率で生成することができ
る。このため、酸性ガスの分離速度及び分離純度を更に
高めることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、ガスハイドレー
ト製造システムであって、請求項1又は請求項2に記載
の酸性ガス除去装置と、該酸性ガス除去装置から回収さ
れた天然ガスを水和させてガスハイドレートを製造する
ガスハイドレート製造装置と、を備えている。
【0013】このような構成としたことで、ガスハイド
レートの製造を円滑かつ高効率で行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る酸性ガス除去
装置及びこれを備えたガスハイドレート製造システムの
実施の形態を、図面を用いて説明する。先ず、ガスハイ
ドレート製造システムを用いた、天然ガスを製品ハイド
レートとするまでの一連の流れについて、図2を用いて
説明する。このガスハイドレート製造システム100
は、図2に示すように、天然ガス受入タンク1と、酸性
ガス除去装置2と、ガスハイドレート製造装置3と、脱
水手段としての遠心分離器4と、冷却装置5と、を備え
ている。
【0015】ガス田から受け入れられた天然ガスは、先
ず天然ガス受入タンク1に受け入れられ、一旦貯蔵され
る。ここから、酸性ガス除去装置2に送られ、ガス中に
存在する酸性ガス、すなわち二酸化炭素(CO2)を除
去される。次に、ハイドレート製造装置3に導入され、
低温・高圧のメタンハイドレート生成条件となるように
圧縮及び冷却され、水和されて、ガスハイドレートとな
る。ここでいうハイドレート生成条件とは、メタンハイ
ドレートが生成し得る条件下、すなわち2〜10℃程度
の温度であって、圧力が4MPa以上となるような温度
・圧力条件である。このガスハイドレートは、未反応の
水が残存したスラリー状となっているので、遠心分離器
4で余分な水分を除去した後、冷却装置5で冷却され、
減圧装置6で減圧され、低温・常圧のハイドレート貯蔵
条件とされる。このハイドレート貯蔵条件とは、−20
〜−40℃程度の温度であって、圧力が大気圧(0.1
MPa程度)となるような温度・圧力条件である。この
状態で、製品ガスハイドレートとしてコンテナ等の容器
に封入され、図示しない貯蔵装置内に送られ、そこで貯
蔵される。
【0016】酸性ガス除去装置2は、図1に示すよう
に、天然ガス中の酸性ガスを水和させて酸性ガスハイド
レートを生成する生成容器21と、生成容器21内に酸
性ガスを含む天然ガスを導入するガス導入管路22と、
生成された酸性ガスハイドレートを生成容器21外に抜
き出すハイドレート抜出管路23と、酸性ガスが除去さ
れた天然ガスを回収するガス回収管路24と、生成容器
21内に水を導入する水導入管路25と、を備えてい
る。
【0017】生成容器21は、密閉された耐圧容器であ
り、所定量注入された水と天然ガス中に存在するCO2
(酸性ガス)とを反応させ、すなわち水和させて、CO
2ハイドレートを生成するものである。この生成容器2
1内に注入された水は水相W21を形成し、この水相W
21の上部は気相G21を形成している。なお、図示は
省略するが、生成容器21内を所定の温度・圧力に調整
するための、温度・圧力調整手段が設けられている。
【0018】ガス導入管路22は、天然ガス受入タンク
1から生成容器21内に天然ガスを導入するためのもの
である。このガス導入管路22は、水相W21内に天然
ガスを気泡として導入できるように、生成容器21の中
間部近傍に連結されている。また、このガス導入管路2
2の管路途中には、ガス供給ポンプ22a及びガス供給
制御弁22bが設けられている。ガス供給制御弁22b
は、生成容器21内の温度・圧力条件等によって、生成
容器21内に導入する天然ガスの流量を自動的に制御で
きるようになっている。
【0019】ハイドレート抜出管路23は、生成容器2
1内で生成されたCO2ハイドレートを水とともに抜き
出しハイドレート分解装置23bに送るためのもので、
生成容器21の底部側に連結されている。このハイドレ
ート抜出管路23の管路途中には、ハイドレート抜出ポ
ンプ23aが設けられている。ガス回収管路24は、C
2が除去された天然ガスを生成容器21外へ取り出し
回収するためのもので、生成容器21の頂部側に連結さ
れている。水導入管路25は、水槽26から生成容器2
1内に水を導入するためのものである。この水導入管路
25の管路途中には、水供給ポンプ25a及び水供給制
御弁25bが設けられている。水供給制御弁25bは、
水相W21の水位によって、生成容器21内に導入する
水量を自動的に制御できるようになっている。つまり、
CO2を水和することにより水相W21の水量が減少し
ても、適宜水を補充して、水相W21の水位を一定に維
持することができるようになっている。
【0020】この酸性ガス除去装置2の運転は、次のよ
うに行う。先ず、生成容器21内を、CO2ハイドレー
トが生成する条件で且つメタンハイドレートが生成しな
い条件としておいて、ガス供給制御弁22bを開とする
とともにガス供給ポンプ22aを起動して、ガス導入管
路22から生成容器21内の水相W21に天然ガスを気
泡として導入する。
【0021】ここで、天然ガス中の各成分のハイドレー
ト生成条件について説明する。図3には、メタンと二酸
化炭素(CO2)のハイドレート生成平衡線を示してい
る。この図において、各々の生成平衡線よりも上側の斜
線を付した領域は、ハイドレート生成領域(ハイドレー
ト生成条件)である。この図から明らかなように、温度
条件が同じであれば、メタンハイドレートと比較してC
2ハイドレートの方がより低圧で生成する。例えば、
生成容器21内の温度・圧力条件を、5℃(278K)
・2〜4MPaに設定すれば、CO2ハイドレートのみ
が生成され、メタンは気体状態を維持することができ
る。
【0022】これら天然ガスの気泡は、その大部分を占
めるメタンの浮力によって水相W21内を上昇する。そ
して、上昇しながら気泡中のCO2は、気泡表面、すな
わち水相W21との気液界面において水和され、CO2
ハイドレートが生成する。数秒、通常は約2秒程度で、
各々の気泡表面はCO2ハイドレートで覆われるように
なる。CO2は水よりも比重が重いため、CO2ハイドレ
ートは沈降しようとする。すなわち、気泡には上方向へ
の力が働いており、CO2ハイドレートには下方向への
力が働いている。このため、気泡の上昇に伴ってCO2
ハイドレートは気泡表面から剥離し、水相W21の底部
へと沈降する。
【0023】生成容器21の底部に沈降したCO2ハイ
ドレートは、ハイドレート抜出管路23から水とともに
生成容器21外へと抜き出され、ハイドレート分解装置
23bへと送られる。ハイドレート分解装置23b内
は、ハイドレート分解条件に維持されており、ここでC
2ハイドレートは分解処理されて、CO2及び水として
外部に取り出される。この「ハイドレート分解条件」と
は、図3におけるCO2ハイドレートの生成平衡線の下
側を意味する。例えば、温度・圧力条件を、5℃・2M
Pa未満に設定すれば、CO2ハイドレートは分解す
る。なお、水を抜き出すことで水相W21の水量は減少
するが、水導入管路25から適宜水を補充することで、
水相W21の水位は一定に維持される。この「一定の水
位」とは、少なくとも気泡の水相W21内での滞留時間
が数秒となる、すなわちCO2ハイドレートが生成し得
るに充分な水位を意味する。
【0024】一方、CO2ハイドレートが剥離された気
泡は、自らの浮力によって水相W21内を上昇してい
き、水相W21の水面から気相G21へと浮上する。す
なわち、気相Gには、CO2が除去された天然ガス、す
なわちメタンが充満することとなる。この気相G21内
のメタンガスは、ガス回収管路24から生成容器21外
へと抜き出され、回収される。回収されたメタンガス
は、直接あるいはバッファータンクを経て、ハイドレー
ト製造装置3へと送られる。
【0025】本実施形態に係る酸性ガス除去装置におい
ては、CO2を含む天然ガスを生成容器21内に導入
し、天然ガス中のCO2を水和させてCO2ハイドレート
を生成し、このCO2ハイドレートを生成容器21外に
抜き出しハイドレート分解装置23bで分解処理すると
ともに、CO2が除去された天然ガス、すなわちメタン
ガスを回収するようにしている。このため、固体となっ
たCO2ハイドレートを気体である天然ガスから分離す
ることができるので、分離作業を容易にできるととも
に、気体を中和反応させる場合と比較して、分離速度及
び分離純度の双方を高めることができる。これにより、
天然ガスの処理効率を高め、その結果ガスハイドレート
の製造効率を高めることができ、ガスハイドレートの製
造における労力及びコストを低減することができる。ま
た、生石灰のように刺激性の強いアルカリ薬品を不要と
できるため、安全管理を簡略化できるとともに、作業性
を良好にでき作業者の負担を低減させることができる。
そして、生成物であるCO2ハイドレートは、比較的容
易に得られる温度・圧力条件下で容易に分解させること
ができるため、装置構成を簡易なものとでき、またエネ
ルギー消費量も抑制でき、装置の製造コストや運転コス
トを低減することができる。
【0026】更に、生成容器21内の水相W21に、天
然ガスを気泡として導入するようにしているので、水と
天然ガスとの気液界面を大きくとることができ、CO2
ハイドレートを短時間且つ高生成率で生成することがで
きる。このため、酸性ガスの分離速度及び分離純度を更
に高めることができ、ガスハイドレートの製造における
労力及びコストを更に低減することができる。更に、こ
の酸性ガス除去装置2を備えたガスハイドレート製造シ
ステム100においては、ガスハイドレートの製造を円
滑かつ高効率で行うことができるため、製品ガスハイド
レートの純度を高めて、製品としての信頼性を一層向上
させることができる。
【0027】なお、上記酸性ガス除去装置には、水相を
攪拌することで気泡をより細かく分断し、気液界面を更
に大きくするための攪拌手段が設けられていてもよい。
また、気相中のメタン濃度を一定とする、あるいはCO
2の分離純度を更に高めるように、循環管路を設けて、
気相中のガスの一部を再度水相中に導入するようにして
もよい。
【0028】次に、ガスハイドレート製造システム10
0に用いられるガスハイドレート製造装置3の一例につ
いて、図4を用いて説明する。
【0029】ガスハイドレート製造装置3は、図4に示
すように、メタンガスを水和させてメタンハイドレート
(ガスハイドレート)を生成する製造容器31と、この
製造容器31に天然ガスを導入するガス導入管路32
と、生成されたメタンハイドレートを製造容器31外に
抜き出すハイドレート抜出管路33と、を備えている。
【0030】製造容器31は、密閉された耐圧容器であ
り、所定量注入された水と天然ガスとを反応させ、すな
わち水和させて、ガスハイドレートを生成するものであ
る。注入された水は水相W31を形成しており、その上
部側にはメタンガスが充満された気相G31が形成され
ている。すなわち、水相W31と気相G31との接触部
分である気液界面においてメタンは水と反応し水和され
て、メタンハイドレートが生成されるようになってい
る。この気液界面の近傍には、ハイドレート抜出管33
が連結されており、メタンハイドレートを水とともに製
造容器31外へ抜き出せるようになっている。なお、図
示は省略するが、製造容器31には、水相W31を攪拌
して気液界面での水和を促進させる攪拌装置、製造容器
31内の圧力を調整する圧力調整手段、及び製造容器3
1内に水を導入する水導入管が設けられている。攪拌装
置で水相を攪拌することにより、気相中のガスを水相W
中に分散させ、気液界面(気液接触面積)を増加させる
ことで、ガスハイドレートを効率よく生成を行うことが
できるようになっている。また、ガスを水和することに
より水相Wの量が減少しても、水注入管から適宜水を補
充し、気液界面の高さを一定に維持することができるよ
うになっている。
【0031】この製造容器31には、内部を、特に水相
W31を冷却するための水相熱交換器31aが設けられ
ている。この水相熱交換器31は、製造容器31内を貫
通するように設けられた冷媒管路35の一部分である。
この冷媒管路35は、後述するガス熱交換器32cとも
連結されており、冷却器36から供給される冷媒によっ
て、製造容器31内及び製造容器31に導入されるメタ
ンガスの双方を冷却できるようになっている。
【0032】ガス導入管路32は、酸性ガス除去装置2
のガス回収管路24と直接あるいはバッファータンクを
介して連結されている。このガス導入管路32の管路途
中には、ガス供給ポンプ32a、ガス供給制御弁32b
及びガス熱交換器32cが設けられている。ガス供給ポ
ンプ32aは、ガス導入管路32を通って流れてくるメ
タンガスを圧縮し、製造容器31へと送るものである。
また、ガス供給制御弁32bは、製造容器31内の温度
・圧力条件によりその開度を制御され、メタンガスの生
成容器31内への流入量を変化させるものである。ガス
熱交換器32cは、ガス供給ポンプ32aで圧縮されて
高温・高圧となったメタンガスを冷却するものである。
【0033】このガスハイドレート製造装置3の運転
は、次のように行う。先ず、製造容器31内を、メタン
ハイドレートの生成条件として運転を開始する。例え
ば、製造容器31内の温度及び圧力が、10℃・8MP
aとなるようにする。こうしておいて、攪拌装置を起動
させると共に、ガス供給制御弁332bを開とし、ガス
供給ポンプ32aを起動させて、ガス導入管路32から
製造容器31内にメタンガスを送り込む。圧縮されて高
温・高圧となったメタンガスは、ガス熱交換器32cに
よって予冷され、適正温度となって製造容器31内に導
入される。製造容器31内に導入されたメタンは、水相
W31の水面、すなわち水相W31と気相G31との気
液界面において水和され、メタンハイドレートが生成
し、ハイドレート抜出管12から水とともに抜き出され
る。なお、水和時に発生する水和熱は、水相熱交換器3
1aによって製造容器31内から外部へと移動され、製
造容器31内は冷却され、温度条件を一定に維持するこ
とができる。水とともに抜き出されたメタンハイドレー
トは、遠心分離器4に送られる。
【0034】なお、この例におけるガスハイドレート製
造装置は、製造容器内において水相を攪拌することによ
り気相中のガスを水相中に分散させ、気液界面(気液接
触面積)を増加させることでガスハイドレートを効率よ
く生成を行うとする、いわゆる攪拌型の製造容器を構成
しているが、これに限定されるものではない。例えば、
水相の下側からガスを気泡として供給し、気泡と水相と
の気液界面で反応を起こさせる、いわゆるバブリング型
製造容器や、製造容器の上部から気相に向けて水を噴射
し、水滴と気相との気液界面で反応を起こさせる、いわ
ゆるスプレー型製造容器等が用いられても、差し支えな
い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る酸性
ガス除去装置及びこれを備えたガスハイドレート製造シ
ステムにおいては、上記の如き構成としているので、ア
ルカリ薬品等の危険物を用いることなく、酸性ガスの分
離速度及び分離純度を安定して高め、天然ガスの処理効
率を高めて労力及びコストを低減することができる酸性
ガス除去装置、及びこれを備えたガスハイドレート製造
システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る酸性ガス除去装置の一実施形
態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明に係るガスハイドレート製造システ
ムの一実施形態を示すブロック図である。
【図3】 ハイドレートの生成平衡線図である。
【図4】 図2におけるガスハイドレート製造装置の
一例を示す概略構成図である。
【図5】 ガスハイドレートの分子構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 酸性ガス除去装置 3 ガスハイドレート製造装置 21 生成容器 22 ガス導入管路 23 ハイドレート抜出管路 24 ガス回収管路 100 ガスハイドレート製造システム W21 水相 G21 気相
フロントページの続き (72)発明者 江間 晴彦 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 渡部 正治 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 近藤 雄一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 藤田 尚義 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 木村 隆宏 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 遠藤 仁 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 4D047 AA10 AB08 BA02 BA07 BA08 BB05 DA10 EA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ガス中に存在する酸性ガスを除去
    するための装置であって、 天然ガス中の酸性ガスを水和させて酸性ガスハイドレー
    トを生成する生成容器と、 酸性ガスを含む天然ガスを前記生成容器内に導入するガ
    ス導入管路と、 前記酸性ガスハイドレートを前記生成容器外に抜き出す
    ハイドレート抜出管路と、 酸性ガスが除去された天然ガスを回収するガス回収管路
    と、 を備えていることを特徴とする酸性ガス除去装置。
  2. 【請求項2】 前記生成容器内の水相に天然ガスを気
    泡として導入することを特徴とする請求項1に記載の酸
    性ガス除去装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の酸性ガ
    ス除去装置と、 該酸性ガス除去装置から回収された天然ガスを水和させ
    てガスハイドレートを製造するガスハイドレート製造装
    置と、 を備えたガスハイドレート製造システム。
JP2000140844A 2000-05-12 2000-05-12 酸性ガス除去装置及びこれを備えたガスハイドレート製造システム Withdrawn JP2001323289A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010275399A (ja) * 2009-05-27 2010-12-09 Ihi Plant Construction Co Ltd 天然ガスからの重質炭化水素分離方法及びその装置
JP2013108023A (ja) * 2011-11-24 2013-06-06 Ihi Plant Construction Co Ltd 天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法及びその装置
JP2014018776A (ja) * 2012-07-23 2014-02-03 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 二酸化炭素分離システムおよび二酸化炭素分離方法

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