JP2001319882A - 真空処理装置および真空処理方法 - Google Patents

真空処理装置および真空処理方法

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JP2001319882A
JP2001319882A JP2000133588A JP2000133588A JP2001319882A JP 2001319882 A JP2001319882 A JP 2001319882A JP 2000133588 A JP2000133588 A JP 2000133588A JP 2000133588 A JP2000133588 A JP 2000133588A JP 2001319882 A JP2001319882 A JP 2001319882A
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gas
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leak
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JP2000133588A
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English (en)
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Yukihiro Abe
幸裕 阿部
Tatsuyuki Aoike
達行 青池
Takashi Otsuka
崇志 大塚
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Hitoshi Murayama
仁 村山
Kazuto Hosoi
一人 細井
Daisuke Tazawa
大介 田澤
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リークが発生した場合に、真空処理ガスの装
置外部への漏出を防止し、更なる安全性の向上を図ると
ともに、リーク箇所から侵入する大気に起因する、意図
しない異常反応を抑制して、装置損傷の軽減をも図るこ
とを可能とする手段を具えた真空処理装置の提供。 【解決手段】 装置内部と外部の間におけるリークを検
出する外部リーク検知器(113)と、不活性ガスを供
給して真空処理ガスを希釈する真空処理ガス希釈手段
(114、117)と、外部リーク検知器がリークを検
知した際、外部リーク検知器から出力されるリーク信号
に基づいて、自動的に真空処理ガス希釈手段により供給
される不活性ガスの流量を増加させる手段(115)と
を有することを特徴とする真空処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気密構造の反応容
器内において、真空処理ガスを用いた処理を行なう用途
の真空処理装置、ならびに、前記真空処理装置を用いた
真空処理方法に関する。より具体的には、前記気密構造
の反応容器などにおいて、外部との間でリークが発生し
た際、前記リーク箇所から反応容器などの内部へ侵入す
る大気に起因する、真空処理ガスの意図しない異常な反
応を抑制しつつ、装置の内部に残存する真空処理ガスを
排気することを可能とした真空処理装置、および前記真
空処理装置を用いた真空処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空処理に際して、原料ガスやエッチン
グガスなどなんらかのガスを使用するものに、熱CVD
法、光CVD法、プラズマCVD法、ドライエッチング
法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などが
ある。これら真空処理に利用されるガスには、大気に含
まれる成分と反応するものも多い。この種の反応性をも
つガスを利用する装置は、ガス配管や反応容器などは、
本来の真空処理を行う際、外部とのガス流通がない気密
な構造とされている。
【0003】真空処理に際して、ガスを使用する真空処
理装置の従来構造について、プラズマCVD装置を例に
採り説明する。プラズマCVD装置は、例えば、非晶質
薄膜等を形成する時に使用される真空処理装置である。
例えば、真空処理ガスとして、原料ガスであるシランガ
スを用いることで、アモルファスシリコン薄膜の形成を
行う装置などがある。ところで、原料ガスに用いる前記
シランガスは、毒性を持ち、その許容濃度は5ppmで
ある。さらに、大気に含まれる酸素などの支燃性ガスと
反応し、その反応は混合するのみで進行する、危険性の
高いガスである。従って、このシランガスを用いるプラ
ズマCVD装置では、ガスの漏洩、大気のリークに対す
る安全対策が必須である。
【0004】従来のプラズマCVD装置でも、シランガ
スなどの反応ガス、毒性ガスを真空処理ガスとして使用
する際には、前記真空処理ガスと反応する支燃性ガスの
リークなどに起因する、意図しない異常な反応が起きな
いように、ガス供給装置、反応容器自体、排気配管、さ
らには、排ガス処理装置に工夫して施している。例え
ば、特許掲載公報第2658643号には、装置排気配
管内に酸素濃度検出器を設置し、その検出器で測定した
酸素濃度が0.8%を超えたら、シランガスの供給を停
止する機構を具えた装置が開示されている。また、特開
平7−283164号公報には、反応容器および真空処
理ガス配管の接合部分を不活性ガス雰囲気にした排気室
で取り囲み、例え、リークが発生した際にも、支燃性ガ
スと可燃性ガスが混合することを防止する装置および方
法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば、プラズマCV
D成膜装置を用いて半導体薄膜を成膜する場合、一般的
に、原料ガスを装置に供給する前に、装置全体にリーク
がないことを、事前のリークチェックによって確認す
る。しかしながら、事前のリークチェック時には異常が
ない場合でも、成膜途中でリークが発生してしまうこと
がある。このような不測の事態に際して、リークの発生
は、例えば、成膜を行っている反応容器の内圧が急に上
昇することなどの変化・異常によって発見される。リー
クの発生を発見したならば、通常、直ちにシランガスの
供給を停止し、成膜を中断する。一方、リークの発生箇
所から、シランガスが大気中に放出されることを避ける
ため、排気は継続される。しかし、リークの発生した状
態で排気を継続すると、当然、リーク箇所から大気が反
応容器内へ流れ込むため、大気に含まれる酸素に因っ
て、反応容器や排気配管に残存しているシランガスと意
図しない異常な反応を起こすこのがある。
【0006】装置内に残存しているシランガスを十分に
排気した後、反応容器内および排気配管内を調べると、
反応容器や排気配管内の内壁に、例えば、酸化シリコン
の堆積等、シランガスと混入した大気中の酸素などと反
応の痕跡が見られる。この反応容器や排気配管の内壁に
残される、例えば、酸化シリコンのような反応残留物
は、除去クリーニングに手間を要する。また、酸化シリ
コンのような反応残留物自体、微細な粒子となってお
り、飛散し易いため、除去クリーニングを一層厄介なも
のとしている。加えて、装置の構造によっては、排気配
管の内壁を完全に洗浄することは困難となっているもの
も多い。
【0007】十分なクリーニングができていないと、排
気配管内に残存している反応残留物の微細な粒子は、飛
散・浮遊しやすく、例えば、成膜を行う際、排気配管か
ら反応容器内へと逆拡散を起こすこともある。クリーニ
ング後に行う数回の成膜においては、逆拡散した、この
反応残留物の微細な粒子が被処理物(基体)の表面に付
着し、膜中に不純物として取り込まれてしまい、得られ
る堆積膜の膜質悪化が発生することもある。
【0008】上述するとおり、真空処理ガスとして反応
性ガスを用いる場合に、リークの発生に際し、安全性を
高めたり、装置損傷の軽減を図る手段が提案されてい
る。それぞれ有効な手段ではあるものの、幾つか改善す
べき課題を残している。例えば、特許掲載公報第265
8632号公報に開示されている手段では、シランガス
の供給を停止することで、危険の拡大は確実に阻止され
る。加えて、シランガスなどの有毒なガスが、リーク箇
所から装置外部へ漏洩することを防止するため、装置内
に残存しているシランガスなどは排気を継続して排除さ
れる。しかし、排気を継続することに伴い、外部リーク
によって流れ込む大気中の酸素と、反応容器や排気配管
などに残されたシランガスとが反応してしまう可能性が
あり、この問題の回避が望まれている。
【0009】一方、特開平7−283164号公報に開
示される手段は、ガスのリーク箇所から外界への漏出、
ならびに大気のリーク箇所から装置内への流入を防止す
る有効な手段ではあるものの、装置の形態は大掛かりに
なってしまう。さらには、リークチェック等のメンテナ
ンス作業を煩雑なものとし、装置の複雑化に伴い、装置
コストを高くしてしまうという課題を残している。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するもので、
本発明の目的は、真空処理ガスとして、例えば、反応性
ガスを使用している際、リークが発生した場合に、装置
内の真空処理ガスの装置外部への漏出を防止し、更なる
安全性の向上を図るとともに、リーク箇所から侵入する
大気に起因する、真空処理ガスの意図しない異常反応を
抑制して、前記異常反応により引き起こされる装置損傷
の軽減をも図ることを可能とする手段を具えた真空処理
装置を提供することにある。加えて、前記の真空処理装
置を利用して、真空処理を行う際、外部リークが発生し
た際、装置内の真空処理ガスの装置外部への漏出を防止
し、また、リーク箇所から侵入する大気に起因する、真
空処理ガスの意図しない異常反応を抑制することが可能
な操作手順を含む真空処理方法の提供を最終的な目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、鋭意検討を進めた結果、減圧下で処
理を行っている状態においては、外部リークの発生に伴
い、外部の大気がリーク箇所から装置内部に漏入するの
で、例えば、圧力変化、酸素濃度変化、窒素濃度変化、
水分濃度変化などにより外部リークの発生を速やかに検
知できることを見出した。そして、この外部リークを検
知した際、真空処理ガスを希釈する不活性ガス流量の増
加、真空処理ガスの供給停止、反応容器内にプラズマを
誘起している電力供給の停止、などの操作を必要に応じ
て実施することにより、装置内の真空処理ガスの装置外
部への漏出を防止し、また、リーク箇所から侵入する大
気に起因する、真空処理ガスの意図しない異常反応を抑
制できることを見出した。さらには、前記の外部リーク
を検知した際に実施する種々の措置を、検知に連動さ
せ、自動的に行うことができる装置の構成とする真空処
理装置とすると、上記の課題を解決することできること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の真空処理装置は、真空
処理ガスを用いて、その内部に設置する被処理物に対し
て処理を施す真空排気可能な反応容器と、前記反応容器
に真空処理ガスを供給するためのガス供給手段と、前記
反応容器内を排気するための排気手段と、真空処理に利
用後、排気される真空処理ガスを含む排気ガスを導く排
気配管とを少なくとも備えてなる真空処理装置であっ
て、さらに、前記装置内部と外部の間におけるリークを
検出する外部リーク検知器と、不活性ガスを供給して前
記真空処理ガスを希釈する真空処理ガス希釈手段と、前
記外部リーク検知器がリークを検知した際、前記外部リ
ーク検知器から出力されるリーク信号に基づいて、自動
的に前記真空処理ガス希釈手段により供給される前記不
活性ガスの流量を増加させる手段とを有することを特徴
とする真空処理装置である。
【0013】前記本発明の真空処理装置では、外部リー
ク検知器が外部リークを検知した際、前記外部リーク検
知器から出力されるリーク信号に基づいて、自動的に真
空処理ガスの供給を停止することが可能な真空処理ガス
供給制御機能を有することを特徴とする真空処理装置と
すると好ましい。
【0014】加えて、真空処理において、前記反応容器
内にプラズマを生成する電力を供給する電力供給手段を
備え、外部リーク検知器が外部リークを検知した際、前
記外部リーク検知器から出力されるリーク信号に基づい
て、自動的に前記電力供給手段からの電力供給を停止す
る機能を有することを特徴とする真空処理装置とすると
より好ましい。
【0015】一方、本発明の真空処理装置において、外
部リーク検知器は、外部リークを検知する手段として、
前記反応容器内の圧力変化、酸素濃度変化、窒素濃度変
化、水分濃度変化、あるいは、前記排気配管内の圧力変
化、酸素濃度変化、窒素濃度変化、水分濃度変化のう
ち、少なくとも一つの変化を検知することが可能な機能
を有することを特徴とする真空処理装置とするとよい。
【0016】本発明の真空処理装置において、例えば、
真空処理ガス希釈手段は、真空処理ガスを希釈する不活
性ガスの流量調整用のマスフローコントローラーを具え
ていることを特徴とする真空処理装置とすることがで
き、好ましい構成ともなる。
【0017】本発明の真空処理装置では、真空処理ガス
の少なくとも一つは、反応性ガスであることを特徴とす
る真空処理装置とすると一層好ましく、またより目的に
合致する構成となる。
【0018】さらに、本発明の真空処理方法は、上述す
る本発明の真空処理装置を用いる際に、最も好適に実施
できる方法でる。すなわち、本発明の真空処理方法は、
真空処理装置の反応容器内において、減圧下、真空処理
ガスを供給して、被処理物に処理を施す真空処理方法で
あって、真空処理に際して、前記反応容器内を排気する
ための排気手段により所定の圧力に減圧を行い、前記反
応容器に真空処理ガスを供給するためのガス供給手段に
より真空処理ガスを所定の流量で供給し、前記真空処理
ガスは真空処理ガス希釈手段により供給する所定流量の
不活性ガスにより希釈し、真空処理に利用後の真空処理
ガスを含む排気ガスは排気配管に導き、前記減圧下にあ
る装置部分において外部リークを検知した際、真空処理
ガスを希釈する前記不活性ガスの流量を増加することを
特徴とする真空処理方法である。
【0019】本発明の真空処理方法においては、さら
に、外部リークを検知した際に、さらに、真空処理ガス
の供給を停止することを特徴とする真空処理方法とする
と好ましい。
【0020】本発明の真空処理方法においては、加え
て、真空処理の際、反応容器内に電力を供給してプラズ
マを生成し、真空処理に前記プラズマを用い、外部リー
クを検知した際に、プラズマを生成するための前記電力
供給を停止することを特徴とする真空処理方法とするこ
ともでき、また、より好ましい。
【0021】一方、外部リークの検知は、前記反応容器
内の圧力変化、酸素濃度変化、窒素濃度変化、水分濃度
変化、あるいは、排気配管内の圧力変化、酸素濃度変
化、窒素濃度変化、水分濃度変化のうち、少なくとも一
つの変化を検知するによりなすことを特徴とする真空処
理方法とするとよい。
【0022】本発明の真空処理方法は、真空処理ガスに
反応性ガスを使用することを特徴とする真空処理方法と
すると一層好ましく、またより目的に合致する構成とな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の真空処理装置は、真空処
理ガスを用いて、減圧下、被処理物に処理を施す目的の
装置であり、それに必要な装置要素として、少なくと
も、被処理物を内部に設置することが可能な反応容器
と、真空処理ガス供給手段と、反応容器内を排気する排
気手段と、排気される真空処理ガスなどを導く排気配管
を備えている。本発明の真空処理装置では、外部リーク
の発生に対処するため、外部リーク検知器、真空処理ガ
ス希釈手段、および、その制御手段を備えた真空処理装
置である。本発明の装置では、真空処理ガスを使用中、
何らかの理由で反応容器、または、排気配管で外部リー
クが発生した際、外部リーク検知器が外部リークを検知
し、そのリーク信号に基づいて制御手段が自動的に反応
容器内、および/または、排気配管内に残存する真空処
理ガスを不活性ガスによって希釈するものである。本発
明では、前記の対応操作を実施する手段を備えた装置で
あるので、外部リーク発生時においても、侵入した大気
に起因する真空処理ガスの意図しない異常な反応を抑制
しながら、排気を継続することが可能となる。排気を継
続することで、真空処理ガスが装置外部へ漏洩すること
を防止でき、安全性を保つと同時に、前記の意図しない
異常な反応の結果として生じる装置への損傷をも軽減さ
せることができる。なお、外部リークの発生に対応する
ために行う、これらの制御自体は、自動的に行う装置構
成とされるが、同じ操作を人為的に行っても、得られる
効果は同じものとなる。
【0024】さらに、本発明においては、好ましくは、
真空処理装置、具体的には、反応容器または排気配管な
どで外部リークが発生した際、外部リーク検知器が外部
リークを検知した際に発するリーク信号に基づいて、自
動的に真空処理ガスの供給を停止することが可能な制御
機能を付加する。前記の制御機能を利用して、素早くガ
ス供給停止を行うのことによって、反応容器や排気配管
などに残留している真空処理ガス濃度を更に迅速に低下
することができる。すなわち、希釈のために導入される
不活性ガスの流量を増して、希釈率を高め濃度を下げる
上、供給をも停止ので、一層希釈の効果は高くなる。従
って、外部リークに伴い、大気の侵入が僅かにあって
も、この大気中に含まれるガス成分など(酸素、水分な
ど)と真空処理ガスの意図しない異常な反応も、この反
応が生じない程度まで、更に迅速に真空処理ガス濃度を
低下できるので、異常な反応の発生自体をも抑えること
ができる。
【0025】また、本発明の真空処理装置では、反応容
器内にプラズマを生成する電力を供給する電力供給手段
を備えて、放電によってプラズマを発生させ、真空処理
ガスの活性化をしている装置構成をとることもある。こ
のとき、発生しているプラズマ中には、高い反応性を有
するイオンや、中性活性種が多く存在している。従っ
て、外部リーク箇所における大気の侵入が僅かであって
も、前記の高い反応性を有するイオンや中性活性種と、
大気中の成分との意図しない異常な反応が起こり易い。
この点を考慮して、前記のリーク信号に基づいて、プラ
ズマ生成用電力の供給を停止して、真空処理ガスに由来
する反応性のイオン、中性活性種の新たな生成を止め
る。また、希釈用の不活性ガスの流量を増しており、既
に存在している反応性のイオン、中性活性種も急速に希
釈され、あるいは、失活させることができる。これらの
結果、反応性のイオン、中性活性種の密度を迅速に減ら
し、真空処理ガスの意図しない異常な反応を抑える効果
をより高くすることができる。
【0026】そして、本発明の真空処理装置ならびに真
空処理方法においては、外部リークの検知に用いる、外
部リーク検知器には、使用する真空処理ガスの種類や装
置構成に応じて適宜選択するとよい。なかでも、外部リ
ークに伴い、減圧下の装置内へ侵入する大気に起因する
圧力変化、大気成分の酸素、窒素に由来する酸素濃度変
化、窒素濃度変化、さらには、大気中に含まれる水分に
由来する水分濃度変化は、使用する真空処理ガスの種類
や装置構成が異なっても、共通する変化であるので、外
部リーク検知器として、圧力計、酸素濃度検知器、窒素
濃度検知器、水分濃度検知器のうち、少なくとも一つ以
上を適宜選択することが望ましい。また、これらの検知
器を設置する場所としては、反応容器、および/また
は、排気配管を選択すると、様々な処理条件ならにに装
置構成にも対応することができ、より汎用性が高いもの
となる。
【0027】そして、本発明の真空処理装置および真空
処理方法においては、希釈用の不活性ガス流量増加の制
御は、リーク発生時に増加させる流量を予め設定してお
き、一定の流量で供給してもよいし、あるいは、自動的
に、リーク量に応じて希釈ガス流量の増加量を決定し
て、供給してもよい。また、設定流量値まで増加させる
際、その流量変化に関しては、設定流量に達するまで、
不連続的に変化させてもよいし、あるいは、段階的に、
または連続的に変化させて設定流量にしてもよい。一
方、希釈用不活性ガス流量自体は、排気ポンプの排気能
力、除害装置の処理能力をも考慮した上で、少なくと
も、希釈用不活性ガス流量を増加した後も、反応容器お
よび排気配管の内圧は大気圧以下になるような流量の範
囲で適宜設定すればよい。
【0028】なお、希釈用不活性ガスの流量調整には、
目的とする流量をより確実に達成するため、マスフロー
コントローラーや、他の流量計を用いることが望まし
い。なお、真空処理を行う際、通常時においても、所定
の流量で希釈ガスを流している場合でも、外部リーク発
生した際、上述する手順に従って、希釈用の不活性ガス
流量を増加することにより、上で説明した本発明の効果
は同じく得られる。
【0029】以下に本発明の真空処理装置について、そ
の実施の形態をより詳しく説明する。以下の説明では、
一例として、プラズマCVD半導体成膜装置に適用する
例を採って、本発明を説明する。
【0030】図1は、本発明をプラズマCVD半導体成
膜装置に適用した一例であり、その装置構成を模式的に
示す図である。図1を参照しつつ、前記プラズマCVD
半導体成膜装置の装置構成を説明する。装置は、以下の
要素で構成されている。
【0031】(1) 反応容器(103)は、内部を真空
排気可能な構造とされている。薄膜を形成する基板(1
01)をその内部に設置でき、真空処理ガスを導入する
ガス供給口並びに排ガスを排気するための排気口と、前
記ガス供給口から供給される真空処理ガスのプラズマを
生成するために高周波電力を放出するカソード(10
2)を備えている。
【0032】(2) 真空処理ガス供給手段として、ボン
ベ貯蔵庫(104)に貯蔵された真空処理ガスボンベ
(105)から、前記反応容器(103)まで真空処理
ガスを供給するための真空処理ガス供給配管(106)
を設けている。なお、通常、複数種の真空処理ガスを用
いる構成とされ、図1に示す真空処理ガスボンベ(10
5)は必要な複数の真空処理ガスボンベを模式的に示し
たものである。各真空処理ガスは、それぞれ個別に設け
る真空処理ガス供給配管(106)を通じて、真空処理
ガス供給バルブ(111)を制御することにより、反応
容器(103)へ供給することができる。
【0033】(3) 排気手段として、排気用ポンプ(1
07)を用い、排ガスを反応容器(103)から排気す
る。
【0034】(4) 排ガス処理手段として、除害装置
(108)を設け、反応容器(103)から排気された
排ガスを処理する。
【0035】(5) 排気配管(109)は、反応容器
(103)の排気口と除害装置(108)との間に気密
な構造に設け、反応容器(103)から排気ポンプ(1
07)を経由して除害装置(108)まで排ガスを導
く。
【0036】(6) スロットルバルブ(110)は、反
応容器(103)の排気口と排気ポンプ(107)間の
排気配管(109)に設け、排気ポンプ(107)によ
る排気速度を調節する。
【0037】(7) 真空処理ガス供給バルブ(111)
は、真空処理ガスの供給と、その停止を選択できる開閉
弁であり、本発明において、真空処理ガス供給制御機能
を達成する。
【0038】(8) 高周波電源(112)は、反応容器
(103)内にプラズマを生成するため高周波電力を供
給する電源として、反応容器内に設置するカソード(電
極)102と電気的に接続され、電力供給手段を構成す
る(112)。
【0039】(9) 外部リーク検知器(113)は、図
1に示す装置では、反応容器(103)と、スロットル
バルブ(110)の下流の排気配管(109)、ならび
に排気ポンプ(107)と除害装置(108)間の排気
配管(109)の計3箇所に設けている。
【0040】(10) 真空処理ガス希釈手段は、不活性ガ
スボンベ(116)と、不活性ガスの供給を制御するた
め不活性ガス供給バルブ(114)を途中に設ける不活
性ガス供給配管(117)とで構成されており、真空処
理ガス供給配管(106)の真空処理ガス供給バルブ
(111)直後に、不活性ガス供給配管(117)の一
端は連結され、真空処理ガスを希釈する不活性ガスを供
給する。
【0041】(11) 制御手段(115)は、外部リーク
検知器(113)からリーク検知信号を受信して、真空
処理ガス供給バルブ(111)、高周波電源(11
2)、不活性ガス供給バルブ(114)に対して、それ
ぞれ制御信号を送信する。
【0042】図1に示す、上記の構成要素からなる装置
において、真空処理ガスボンベ(105)を貯蔵するボ
ンベ貯蔵庫(104)には、不活性ガスボンベ(11
6)も併せて貯蔵されており、装置本体と離れた位置に
設置されている。
【0043】図1に示す装置構成例では、希釈用の不活
性ガスは、反応容器(103)に真空処理ガスを供給す
る真空処理ガス供給配管(106)のみにおいて供給さ
れる構成とされているが、さらに、反応容器(103)
自体、排気配管(109)にも供給する構成をとること
もできる。加えて、図1には明示されないが、真空処理
ガスの流量調整、ならびに、不活性ガスの流量調整を行
う手段として、マスフローコントローラーや、他の流量
計を用いる。通常、これらマスフローコントローラーな
どは、真空処理ガス供給バルブ(111)の上流側、な
らびに、不活性ガス供給バルブ(114)の上流側にそ
れぞれ設置する。
【0044】次に、本発明の真空処理方法について、一
例として、図1に示すプラズマCVD半導体成膜装置を
用いて、アモルファスシリコン膜を形成する場合を例に
とり、より具体的に説明する。アモルファスシリコン膜
を形成する際には、図1に示すプラズマCVD半導体成
膜装置において、真空処理ガスの一つとしてシランガス
を使用する。アモルファスシリコン膜を形成している最
中に、外部リークが発生したと仮定して、以下の説明を
行う。
【0045】初めに、アモルファスシリコン膜を堆積さ
せる基板(101)を反応容器(103)に設置する。
反応容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を
徐々に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ
(107)により、排気配管(109)を通じて排気す
る。スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容
器(103)内を所望の圧力(真空度)まで排気する。
【0046】その後、排気を継続しながら、真空処理ガ
ス供給バルブ(111)を開き、真空処理ガス供給配管
(106)を通じて、Arガスを所定流量で反応容器
(103)内に導入する。続いてスロットルバルブ(1
10)の開度を調整することによって、反応容器(10
3)の内圧を所定の圧力に設定する。ヒーター(不図
示)によって基体(101)を所定の温度まで加熱し、
基板を所定の温度に保持し続ける。真空処理ガス供給バ
ルブ(111)を閉じ、Arガスの供給を停止する。再
び、スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容
器(103)内を、所望の圧力(真空度)まで排気す
る。
【0047】排気は継続したまま、真空処理ガス供給バ
ルブ(111)を開き、反応容器内へシランガスを所定
流量で反応容器(103)へ導入する。スロットルバル
ブ(110)の開度を調整することによって、反応容器
(103)の内圧を所定値に設定する。さらに、反応容
器(103)に設置しているカソード(102)に高周
波電源(112)から高周波電力を供給し、カソード
(102)から反応容器へ電力を導入することによっ
て、シランガスのプラズマを生成する。生成されたプラ
ズマ中の活性種を基板(101)上に堆積させて、アモ
ルファスシリコン膜は形成される。
【0048】上記の堆積膜の形成過程において、真空処
理ガスを使用している間、反応容器(103)および排
気配管(109)に設置した3つの外部リーク検知器
(113)は、常にリーク量をモーターする。そして、
外部リークが発生し、いずれか一つの外部リーク検知器
(113)の測定値が規定値を超えたら、そのリーク検
知器(113)は制御手段(115)へ外部リーク信号
を発信する。リーク信号を受信した制御手段(115)
は、外部リークの発生を認識する。場合によっては、複
数の外部リーク検知器(113)の測定値が規定値を超
えて、その複数のリーク検知器がそれぞれ発するリーク
信号複数を制御手段(115)が受信することによっ
て、外部リークの発生を認識する形式を採用してもよ
い。
【0049】外部リークの発生を認識した制御手段(1
15)は、排気ポンプ(107)による反応容器(10
3)の排気は継続しながら、真空処理ガス希釈用の不活
性ガス供給バルブ(114)を開き、不活性ガス供給配
管(117)を通じて、予め設定された流量で不活性ガ
スを供給し、真空処理ガスの希釈を行う。なお、真空処
理ガスを希釈する不活性ガスには、N2、He、Arの
いずれかが好ましい。不活性ガスの流量は、反応容器
(103)および排気配管(109)の内圧が大気圧以
下となる流量の範囲に選択し、また、排気ポンプ(10
7)の排気能力、除害装置(108)の処理能力をも考
慮して、適宜決定される。
【0050】また、不活性ガスの流量を増加して、真空
処理ガスの希釈を行う処置をとった後、または、この処
置と並行して、真空処理ガスの供給停止、高周波電力の
供給停止の操作を行う。また、併せて、基板加熱用ヒー
ターによる基板加熱も停止するとよい。
【0051】以上の操作を行うことで、外部リークの発
生があった際にも、真空処理ガスの意図しない異常な反
応を抑制しつつ、装置内に残留する真空処理ガスの排気
が安全に行える。
【0052】なお、これら真空処理ガスの供給停止、高
周波電力の供給停止、基板加熱用ヒーターの出力停止等
の操作は、外部リークが発生した際、外部リーク検知器
(113)からのリーク信号に基づいて、インターロッ
クをかけ自動的にこれらの停止操作を、前記希釈用の不
活性ガス流量の増加操作と併せて実施することが好まし
い。
【0053】例えば、真空処理ガスの供給停止操作は、
外部リークが発生した際に、外部リーク検知器(11
3)からのリーク信号に基づいて、制御手段(115)
の制御信号により真空処理ガス供給バルブ(111)を
閉じることによって、真空処理ガスの供給を停止する構
成とすると、効果的である。これによって、希釈用の不
活性ガス流量の増加操作と真空処理ガスの供給停止操作
を同期させて行うことができ、反応容器(103)およ
び排気配管(109)内の真空処理ガス濃度を迅速に低
下することができ、真空処理ガスの意図しない異常な反
応の抑制をさらに確実なものとすることができる。
【0054】加えて、外部リークが発生した際に、外部
リーク検知器(113)からのリーク信号に基づいて、
制御手段(115)の制御信号により高周波電源(11
2)からカソード(102)へのプラズマ発生用電力供
給を自動的に停止する構成とすると、より効果的であ
る。この高周波電力の供給停止をも同期して行うことに
よって、反応性に満ちたイオンや中性活性種の密度が更
に急速に減少するので、真空処理ガスの意図しない異常
な反応の抑制効果は、さらに速やかに達成される。
【0055】そして、使用する真空処理ガスの種類等の
成膜条件の差異に応じて、外部リーク検知器(113)
を、圧力計、酸素濃度検知器、窒素濃度検知器、水分濃
度検知器の中から適宜選択することが望ましい。外部リ
ークに由来する変化の検知方法は、例えば、絶対値変
化、あるいは、パーセント変化、変化率(傾き)等を測
定し、その測定値を設定値と比較することによって、外
部リーク発生の有無を検知を行う。
【0056】外部リーク発生時に、自動的に流量を増加
させて供給する希釈用不活性ガスの流量調整は、流量増
加の操作開始直後から設定流量で流してもよいし、設定
流量まで、段階的、あるいは連続的に流量変化させなが
ら流量増加を行ってもよい。いずれの流量増加方式を選
択するかは、装置構成、例えば、ポンプの排気能力や、
成膜条件、例えば使用ガス種等を考慮し、より適合する
方式を選択することが望ましい。
【0057】また、自動的に流量を増加させて供給する
希釈用不活性ガスによって、真空処理ガスの希釈を図る
際、真空処理ガスの希釈率は、外部リーク発生箇所、装
置構成、例えばポンプの排気能力など、成膜条件、例え
ば使用ガス種等に依存するが、これらの個別的な条件を
考慮した上で、意図しない異常な反応の抑制に適合する
希釈率の範囲を選択することが望ましい。
【0058】従って、真空処理ガスがシランガスである
場合を例にとると、自動的に流量を増加させて供給する
希釈用不活性ガスによって、例えば、反応容器内に流量
を増加させた希釈用不活性ガスを供給することで、例え
ば、シランガスの濃度を好ましくは5倍以上に希釈す
る、より好ましくは、10〜1000倍に希釈できる範
囲に増加させた希釈用不活性ガス流量を選択することが
好ましい。また、排気配管内に流量を増加させた希釈用
不活性ガスを供給することで、例えば、シランガスの濃
度を好ましくは10倍以上に希釈する、より好ましく
は、20〜5000倍に希釈できる範囲に増加させた希
釈用不活性ガス流量を選択することが好ましい。なお、
反応容器内に流量を増加させた希釈用不活性ガスを供給
することに加えて、排気配管内に流量を増加させた希釈
用不活性ガスを供給すると、排気配管内では、真空処理
ガス濃度の更なる低下がなされ、一層好ましい結果が得
られる。
【0059】
【実施例】以下に、実施例により、本発明ついて具体的
に説明する。これら実施例は、本発明における最良の実
施の形態の一例を示すものであるものの、本発明はこれ
ら実施例により何ら制限されるものではない。
【0060】(実施例1)本実施例は、本発明の真空処
理装置が、外部リークが発生した際、真空処理ガスの意
図しない異常な反応の抑制が効果的に達成できることを
検証した例である。前記の検証を行うため、図2に示す
実験用の装置を用いた。
【0061】図2は、本実施例において利用した実験用
の装置を模式的に示し、この実験用の装置は、プラズマ
CVD半導体成膜装置の構成とっている。具体的には、
先に説明した図1に示す装置を基礎として、実験の目的
に合わせて、若干構成に変更を加えたものである。以下
に、その変更点を記す。
【0062】(1) 外部リーク検知器(113)の設置
場所を反応容器(103)の一ヶ所とした。
【0063】(2) 本検証実験は、反応容器に外部リー
クが発生した場合を前提としたものであるので、反応容
器(103)に擬似的な外部リーク源を設けた。擬似的
な外部リークを発生させるために、反応容器(103)
に大気供給口を設け、大気ガスボンベ(203)から大
気ガス供給配管(202)を通じ、擬似リークバルブ
(201)を開くことによって、所定量の大気ガスを反
応容器(103)内へ供給できる機構を付加した。
【0064】なお、本実施例では、外部リーク検知器に
隔膜真空計を用い、反応容器内圧変化により、前記擬似
的な外部リークの発生を検知する方式を採用した。以下
に、本実施例で行った検証実験の手順を記す。
【0065】先ず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。
【0066】その後、排気ポンプ(107)による反応
容器(103)の排気を継続しながら、真空処理ガス供
給バルブ(111)を開き、真空処理ガス供給配管(1
06)を通じて、真空処理ガスボンベ(105)からシ
ランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を開けて、排気配
管(109)に1000mL/min(normal)のHeガスを供
給した。スロットルバルブ(110)の開度を調整する
ことにより、排気速度を制御して、反応容器(103)
の内圧を100Paに設定した。
【0067】反応容器(103)の内圧が安定したとこ
ろで、擬似リーク用バルブ(201)を開き、大気ガス
供給配管(202)を通じて、大気ガスボンベ(20
3)から前記大気ガスを流量l0mL/min(normal)で3分
間供給した。外部リーク検知器(113)の隔膜真空計
測定値が102Paを超えたら、制御手段(115)
は、排気は継続したまま、直ちに不活性ガス供給バルブ
(204)に付随したマスフローコントローラー(不図
示)により、Heガスの流量を20000mL/min(norma
l)にアップし、排気配管(109)内へ供給した。大気
ガスを3分間供給した後、擬似リークバルブ(201)
を閉じ、大気ガスの供給を停止し、真空処理ガス供給バ
ルブ(lll)を閉じ、シランガスの供給を停止し、続
いて不活性ガス供給バルブ(204)を閉じ、Heガス
の供給を停止した。次いで、スロットルバルブ(11
0)を全開にして、排気ポンプ(107)により、排気
配管(109)を通じて、反応容器(103)を所望の
圧力まで排気し、Heガスで反応容器(103)と排気
配管(109)をパージした後、反応容器(103)を
大気に開放し、反応容器(103)内および排気配管
(109)内を目視によって観察した。
【0068】本実施例では、反応容器(103)内に
は、擬似リークバルブ付近を中心に、シランガスと大気
ガスが反応したものと考えられるガスの吹き出し跡のよ
うな変色が広範囲で見らた。一方、排気配管(109)
の内壁には目視で確認できるレベルの異常は確認されな
かった。上記の不活性ガス流量増加の操作により、排気
配管内での異常反応を抑制できたことは、クリーニング
をする上で、排気配管等まで分解する必要がないため、
メンテナンスをする上で、十分に効果的であった。
【0069】(比較例1)本比較例1でも、図2の装置
を用い、実験を行った。本比較例1の手順は実施例1と
ほぼ同じであるが、外部リーク検知器がリークを検知し
た際に、制御手段(115)が、排気配管(109)内
の真空処理ガスを希釈するHeガスの供給流量を100
0mL/min(normal)に維持して、実験を行った。
【0070】実験終了後、本比較例では、反応容器(1
03)内壁部分の擬似リークバルブ付近を中心に、シラ
ンガスと大気ガスが反応したものと考えられるガスの吹
き出し跡のような変色が広範囲で見らた。また、排気ポ
ンプ(107)と除害装置(108)をつなぐ排気配管
内にも、排気ポンプ(107)側で明らかな反応跡が見
られた。この反応によって、反応炉内および排気配管内
に取り残された反応残留物は通常のクリーニングでは除
去しきれず、特に、排気配管に関しては装置を分解し
て、クリーニングする必要が有った。
【0071】(実施例2)本実施例2でも、図2に示す
構成の装置を用い、実験を行った。
【0072】なお、本実施例2では、外部リーク検知器
(113)に隔膜真空計を用い、反応容器内圧変化によ
り、前記擬似的な外部リークの発生を検知する方式を採
用した。以下に、本実施例で行った検証実験の手順を記
す。
【0073】先ず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。
【0074】その後、排気ポンプ(107)による反応
容器(103)の排気を継続しながら、真空処理ガス供
給バルブ(111)を開き、真空処理ガス供給配管(1
06)を通じて、真空処理ガスボンベ(105)からシ
ランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を事前に開けて、
排気配管に1000mL/min(normal)のHeガスを供給し
た。スロットルバルブ(110)の開度を調整すること
により、排気速度を制御して、反応容器(103)の内
圧を100Paに設定した。
【0075】反応容器(103)の内圧が安定したとこ
ろで、擬似リーク用バルブ(201)を開き、大気ガス
供給配管(202)を通じて、大気ガスボンベ(20
3)から前記大気ガスを流量10mL/min(normal)で3分
間供給した。外部リーク検知器(113)の隔膜真空計
測定値が102Paを超えたら、制御手段(115)
は、排気は継続したまま、直ちに不活性ガス供給バルブ
(114)を開き、不活性ガス供給配管(117)を通
じて、不活性ガスボンベ(116)から、Heガスを流
量5000mL/min(normal)で反応容器(103)内へ供
給した。大気ガスを3分間供給した後、擬似リークバル
ブ(201)を閉じ、大気ガスの供給を停止し、真空処
理ガス供給バルブ(111)を閉じ、シランガスの供給
を停止し、続いて不活性ガス供給バルブ(114,20
4)を閉じ、Heガスの供給を停止した。スロットルバ
ルブ(110)を全開にして、排気ポンプ(107)に
より、排気配管(109)を通じて、反応容器(10
3)を所望の圧力まで排気し、Heガスで反応容器(1
03)と排気配管(109)内をパージした後、反応容
器(103)を大気に開放し、反応容器(103)内お
よび排気配管(109)内を目視によって観察した。
【0076】本実施例では、反応容器(103)内で
は、擬似リークバルブ付近にだけ、シランガスと大気ガ
スが反応したものと考えられるガスの吹き出し跡のよう
な変色が見らた。また、排気ポンプ(107)と除害装
置(108)をつなぐ排気配管(109)内には、若干
ではあるが変色が見られた。ただし、これら反応容器
(103)内と排気配管(109)内に付着する残留物
(変色)量は、通常のクリーニングを行えば容易に除去
できる、問題のないレベルであった。
【0077】従って、本実施例における擬似リーク程度
の外部リークに対しても、外部リーク検知器(103)
に隔膜真空計を用い、反応容器内圧変化により、前記外
部リークの発生を検知する方式は、速やか、かつ高い確
度で外部リークの発生を検出することが可能であること
が確認された。
【0078】(実施例3)本実施例3でも、図2に示す
構成の装置を用い、実験を行った。
【0079】なお、本実施例3では、外部リーク検知器
(113)に窒素濃度検知器計を用い、反応容器内の窒
素濃度変化により、前記擬似的な外部リークの発生を検
知する方式を採用した。以下に、本実施例で行った検証
実験の手順を記す。
【0080】まず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。その後、排気
ポンプ(107)による反応容器(103)の排気を継
続しながら、真空処理ガス供給バルブ(111)を開
き、真空処理ガス供給配管(106)を通じて、前記シ
ランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を開けて、排気配
管(109)に1000mL/min(normal)のHeガスを供
給した。
【0081】スロットルバルブ(110)の開度により
排気速度を制御して、反応容器(103)の内圧を10
0Paに設定し、圧力が安定した時の反応容器内の窒素
濃度が、少なくともシラン分子に対して0.1原子%以
下であることを確認した上で、実験を開始した。擬似リ
ークバルブ(201)を開き、大気ガス供給配管(20
2)を通じて、大気ガスを流量10mL/min(normal)で3
分間、反応容器(103)へ供給した。外部リーク検知
器(113)の窒素濃度検知器計で測定される窒素濃度
が、シラン分子に対して1.6原子%を超えたら、制御
手段(115)は、排気は継続したまま、直ちに不活性
ガス供給バルブ(114)を開き、不活性ガス供給配管
(117)を通じて、Heガスを流量5000mL/min(n
ormal)で反応容器(103)内へ供給する。同時に、真
空処理ガス供給弁(111)を閉じ、シランガスの供給
を停止した。
【0082】大気ガス供給から3分後、擬似リークバル
ブ(201)を閉じ、大気ガスの供給を停止し、続いて
不活性ガス供給バルブ(114,204)を閉じ、希釈
用の不活性ガスとするHeガスの供給を停止した。スロ
ットルバルブ(110)を全開にして、排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて、反応容器
(103)を所望の圧力まで排気し、Heガスで反応容
器(103)と排気配管(109)をパージした後、反
応容器(103)を大気に開放し、反応容器(103)
内および排気配管(109)内を目視によって観察し
た。
【0083】本実施例では、反応容器(103)内に全
く異常は見られなかった。一方、排気ポンプ(107)
と除害装置(108)をつなぐ排気配管内には、前記実
施例2と同じく、若干の変色が見られた。ただし、この
排気配管(109)内に付着する残留物(変色)量は、
通常のクリーニングを行えば容易に除去できる、問題の
ないレベルであった。
【0084】従って、本実施例における擬似リーク程度
の外部リークに対しても、外部リーク検知器(113)
に窒素濃度検知器計を用い、反応容器内の窒素濃度変化
により、前記外部リークの発生を検知する方式は、より
速やか、かつ高い確度で外部リークの発生を検出するこ
とが可能であることが確認された。加えて、大気中の主
成分である窒素分子は、反応性を示さないので、リーク
量とほぼ比例した窒素濃度変化を与えるので、本実施例
のように、外部リークの発生とする判定基準値を比較的
高く設定しても、十分に速やかに外部リークの発生を検
出することが可能であることが確認された。
【0085】(実施例4)本実施例4でも、図2に示す
構成の装置を用い、実験を行った。
【0086】なお、本実施例4では、外部リーク検知器
(113)に酸素濃度検知器計を用い、反応容器内の酸
素濃度変化により、前記擬似的な外部リークの発生を検
知する方式を採用した。以下に、本実施例で行った検証
実験の手順を記す。
【0087】まず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。その後、排気
ポンプ(107)によって、反応容器(103)の排気
を継続しながら、真空処理ガス供給バルブ(111)を
開き、真空処理ガス供給配管(106)を通じて、前記
シランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を開けて、排気配
管に1000mL/min(normal)のHeガスを供給した。ス
ロットルバルブ(110)の開度により排気速度を制御
して、反応容器(103)の内圧を100Paに設定
し、圧力が安定したところで、高周波電源(112)か
ら発振周波数13.56MHzの高周波電力をカソード
(102)に500W導入し、反応容器(103)内に
シランガスのプラズマを生成した。
【0088】この状態で反応容器内の酸素濃度は、少な
くともシラン分子に対して0.05原子%以下であるこ
とを確認した上で、実験を開始した。擬似リーク用バル
ブ(201)を開き、大気ガス供給配管(202)を通
じて、前記大気ガスを流量10mL/min(normal)で3分間
供給した。外部リーク検知器(113)の酸素濃度検知
器計において、酸素濃度測定値がシラン分子に対して
0.4原子%を超えたら、制御手段(115)は、排気
を継続したまま、直ちに不活性ガス供給バルブ(11
4)を開き、不活性ガス供給配管(117)を通じて、
Heガスを流量5000mL/min(normal)で反応容器(1
03)内へ供給した。大気ガス供給開始から3分間経過
したら、真空処理ガス供給バルブ(111)を閉じ、シ
ランガスの供給を停止するとともに、高周波電源(11
2)からの高周波電力の供給を停止し、擬似リークバル
ブ(201)を閉じ、大気ガスの供給を停止した。続い
て、不活性ガス供給バルブ(114,204)を閉じ、
Heガスの供給も停止した。スロットルバルブ(11
0)を全開にして、排気ポンプ(107)により、排気
配管(109)を通じて、反応容器(103)を所望の
圧力まで排気した。Heガスで反応容器(103)をパ
ージした後、反応容器(103)を大気に開放し、反応
容器(103)内および排気配管(109)内を目視に
よって観察した。
【0089】本実施例では、反応容器(103)内の擬
似リークバルブ付近から、擬似リークバルブに近いカソ
ード付近に至る領域おいて、変色が見られた。また、排
気ポンプ(107)と除害装置(108)をつなぐ排気
配管内に関しても、若干の変色が見られた。ただし、反
応容器内に残された反応残留物は、通常のクリーニング
に要する時間の約2倍の時間を掛けることで、完全に除
去、クリーニングができた。一方、排気配管内の残留物
に関しても、通常のクリーニングを行えば十分に除去で
きる、特に問題とはならないレベルであった。
【0090】従って、本実施例における擬似リーク程度
の外部リークに対しても、外部リーク検知器(113)
に酸素濃度検知器計を用い、反応容器内の酸素濃度変化
により、前記外部リークの発生を検知する方式は、十分
に速やかに、かつ高い確度で外部リークの発生を検出す
ることが可能であることが確認された。加えて、大気中
の副成分である酸素分子は、例えば、シランガスに対す
る反応性を有するので、外部リークに伴い流入する酸素
量の相当部分は消費される。しかしながら、小さな変化
ではあるものの、外部リーク量とほぼ比例した酸素濃度
変化を与えるので、本実施例のように、外部リークの発
生とする判定基準値を厳しい値に設定することで、十分
早期に外部リークの発生を検出することが可能であるこ
とが確認された。
【0091】(実施例5)本実施例でも、図2の装置を
用い、前記実施例4と同様に、外部リーク検知器(11
3)に酸素濃度検知器を用いて、実験を行った。本実施
例の手順は以下の通りである。
【0092】まず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。その後、排気
ポンプ(107)によって、反応容器(103)の排気
を継続しながら、真空処理ガス供給バルブ(111)を
開き、真空処理ガス供給配管(106)を通じて、前記
シランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を開けて、排気配
管に1000mL/min(normal)のHeガスを供給した。ス
ロットルバルブ(110)の開度により排気速度を制御
して、反応容器(103)の内圧を100Paに設定
し、圧力が安定したところで、高周波電源(112)か
ら発振周波数13.56MHzの高周波電力をカソード
(102)に500W導入し、反応容器(103)内に
シランガスのプラズマを生成した。
【0093】この状態で反応容器内の酸素濃度は、少な
くともシラン分子に対して0.05原子%以下であるこ
とを確認して実験を開始した。擬似リーク用バルブ(2
01)を開き、大気ガス供給配管(202)を通じて、
前記大気ガスを流量10mL/min(normal)で3分間供給し
た。外部リーク検知器(113)の酸素濃度検知器によ
る酸素濃度測定値が、シラン分子に対して0.4原子%
を超えたら、制御手段(115)は、排気を継続したま
ま、直ちに不活性ガス供給バルブ(114)を開き、不
活性ガス供給配管(117)を通じて、Heガスを流量
5000mL/min(normal)で反応容器(103)内へ供給
した。同時に、高周波電源(112)からの高周波電力
の供給を停止した。
【0094】大気ガス供給開始から3分間経過したら、
真空処理ガス供給バルブ(111)を閉じ、シランガス
の供給を停止するとともに、擬似リークバルブ(20
1)を閉じ、大気ガスの供給を停止し、続いて不活性ガ
ス供給バルブ(114,204)を閉じ、Heガスの供
給も停止した。スロットルバルブ(110)を全開にし
て、排気ポンプ(107)により、排気配管(109)
を通じて、反応容器(103)を所望の圧力まで排気し
た。Heガスで反応容器(103)をパージした後、反
応容器(103)を大気に開放し、反応容器(103)
内および排気配管(109)内を目視によって観察し
た。
【0095】本実施例では、反応容器(103)内の擬
似リークバルブ付近だけ、変色が見られた。また、排気
ポンプ(107)と除害装置(108)をつなぐ排気配
管内に関しては、若干シランガスの反応跡が見られた。
ただし、どちらの反応残留物も、通常のクリーニングを
行えば十分に除去でき、問題のないレベルであった。
【0096】従って、本実施例では、前記実施例4と異
なり、希釈用の不活性ガスの供給開始と同時に、高周波
電力の供給停止も行うことで、反応残留物の生成量を大
幅に減少することができることが確認された。
【0097】(比較例2)本比較例2でも、図2の装置
を用い、実験を行った。本比較例2の手順は実施例4に
おける手順とほぼ同じであるが、外部リーク検知器がリ
ークを検知した際に、制御手段(115)が、真空処理
ガスを希釈する不活性ガスの供給を行わないようにし
て、実験を行った。従って、擬似リーク用バルブ(20
1)を開き、大気ガス供給配管(202)を通じて、前
記大気ガスを流量10mL/min(normal)で3分間供給し、
擬似リーク用バルブ(201)を閉じる間、希釈用の不
活性ガスの供給はなされないが、シランガスの供給と高
周波電力の供給は継続している。
【0098】実験終了後、Heガスで反応容器(10
3)をパージした後、反応容器(103)を大気に開放
し、反応容器(103)内および排気配管(109)内
を目視によって観察した。
【0099】本比較例では、反応容器(103)内壁部
分の擬似リークバルブ付近を中心に、シランガスと大気
ガスが反応したものと考えられるガスの吹き出し跡のよ
うな変色が広範囲に見られ、特に、カソード付近におい
て激しく反応していた。加えて、排気ポンプ(107)
と除害装置(108)をつなぐ排気配管内にも、排気ポ
ンプ(107)側で明らかな反応跡が見られた。これら
の反応残留物は、通常のクリーニングだけでは除去しき
れなかった。
【0100】(実施例6)本実施例では、図2の装置を
用い、実施例2と同様に、外部リーク検知器(113)
に隔膜真空計を用い、反応容器内圧変化により、前記擬
似的な外部リークの発生を検知する方式を採用した。ま
た、実施例2とほぼ同様の手順で実験を行った。ただ
し、実施例2では、擬似的なリークの大気ガス流量を1
0mL/min(normal)、希釈用のHeガス流量を5000mL
/min(normal)とする条件としたが、本実施例6では、擬
似的なリークとして供給した大気ガス流量を、擬似リー
クバルブに付随のマスフローコントローラー(不図示)
によって、6,8、10mL/min(normal)の3条件とし、
各前記大気ガス流量に対応させて、希釈用のHeガス流
量を不活性ガス供給バルブ(114)に付随のマスフロ
ーコントローラー(不図示)によって、3000,40
00,5000mL/min(normal)で供給して実験を行っ
た。
【0101】実験終了後、反応容器(103)内および
排気配管(109)内を目視で確認した。大気ガス流量
6,8,10mL/min(normal)、何れの場合も、擬似リー
クバルブ付近だけに変色が見られた。また、排気ポンプ
(107)と除害装置(108)をつなぐ排気配管内に
関しては、若干の変色が見られたものの、通常のクリー
ニングを行えば問題のないレベルであった。
【0102】従って、希釈用のHeガス流量を擬似的な
リークの大気ガス流量と比例させて増減させる手法をと
っても、本実施例において検証したリーク量程度では、
十分な希釈効果が達成されていることが確認される。
【0103】(実施例7)本実施例では、図2の装置を
用い、外部リーク検知器(113)に水分濃度検知器を
用いて、反応容器内の水分濃度変化により、外部リーク
を検知する方式を採用した。一方、擬似リーク用のガス
には、実際の大気を用いた。なお、本実施例では、大気
雰囲気は、温度20℃、湿度50%であり、適度の水分
(湿気)を含む大気であった。以下に、本実施例の手順
を記す。
【0104】まず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。その後、排気
ポンプ(107)によって、反応容器(103)の排気
を継続しながら、真空処理ガス供給バルブ(111)を
開き、真空処理ガス供給配管(106)を通じて、前記
シランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を開けて、排気配
管に1000mL/min(normal)のHeガスを供給した。ス
ロットルバルブ(110)の開度により排気速度を制御
して、反応容器(103)の内圧を100Paに設定
し、圧力が安定したところで、高周波電源(112)か
ら発振周波数13.56MHzの高周波電力をカソード
(102)に500W導入し、反応容器(103)内に
シランガスのプラズマを生成した。
【0105】この状態で反応容器内の水分濃度は、シラ
ン分子に対して0.001原子%以下であることを確認
した。この確認の後、擬似リーク用バルブ(201)を
開き、大気ガス供給配管(202)を通じて、前記湿気
を含む大気ガスを流量10mL/min(normal)で3分間供給
した。外部リーク検知器(113)に水分濃度検知器に
より測定される水分濃度が、シランガス分子に対して
0.02原子%を超えたら、制御手段(115)は、排
気は継続したまま、直ちに真空処理ガス供給バルブ(l
ll)を閉じ、シランガスの供給を停止し、不活性ガス
供給バルブ(114)を開き、不活性ガス供給配管(1
17)を通じて、Heガスを流量5000mL/min(norma
l)で反応容器(103)内へ供給した。同時に、高周波
電源(112)からカソード(102)への電力供給も
停止した。
【0106】大気ガス供給開始から3分間経過したら、
擬似リークバルブ(201)を閉じ、大気ガスの供給を
停止し、続いて不活性ガスバルブ(114,204)を
閉じ、Heガスの供給を停止した。スロットルバルブ
(110)を全開にして、排気ポンプ(107)によ
り、排気配管(109)を通じて、反応容器(103)
を所望の圧力まで排気した。Heガスで反応容器(10
3)をパージした後、反応容器(103)を大気に開放
し、反応容器(103)内および排気配管(109)内
を目視によって観察した。
【0107】本実施例では、反応容器(103)内に目
視で確認できるレベルの異常は見られなかった。また、
排気ポンプ(107)と除害装置(108)をつなぐ排
気配管内に関しては、若干シランガスの反応跡が見られ
たものの、通常のクリーニングを行えば容易に除去で
き、全く問題のないレベルであった。
【0108】従って、本実施例における擬似リーク程度
の外部リークに対しても、通常の作業環境程度の湿気を
持つ大気のリークであれば、外部リーク検知器(11
3)に水分濃度検知器を用い、反応容器内の水分濃度変
化により、前記外部リークの発生を検知する方式は、十
分に速やかに、かつ高い確度で外部リークの発生を検出
することが可能であることが確認された。
【0109】(実施例8)本実施例でも、図2の装置を
用い、前記の実施例7と同様に外部リーク検知器(11
3)に水分濃度検知器を用いて、反応容器内の水分濃度
変化により、外部リークを検知する方式を採用した。一
方、擬似リーク用のガスには、実際の大気を用いた。な
お、本実施例では、大気雰囲気は、温度20℃、湿度5
0%であり、適度の水分(湿気)を含む大気であった。
以下に、本実施例の手順を記す。
【0110】まず、アモルファスシリコン膜を堆積させ
る基板(101)を反応容器(103)に設置し、反応
容器を密閉した後、スロットルバルブ(110)を徐々
に開きながら、反応容器(103)内を排気ポンプ(1
07)により、排気配管(109)を通じて排気した。
スロットルバルブ(110)を全開にして、反応容器
(103)内を所望の圧力まで排気した。その後、排気
ポンプ(107)によって、反応容器(103)の排気
を継続しながら、真空処理ガス供給バルブ(111)を
開き、真空処理ガス供給配管(106)を通じて、前記
シランガスを流量100mL/min(normal)で供給した。ま
た、不活性ガス供給バルブ(204)を事前に開けて、
排気配管に1000mL/min(normal)のHeガスを供給し
た。排気配管にスロットルバルブ(110)の開度によ
り排気速度を制御して、反応容器(103)の内圧を1
00Paに設定し、圧力が安定したところで、高周波電
源(112)から発振周波数13.56MHzの高周波
電力をカソード(102)に500W導入し、反応容器
(103)内にシランガスのプラズマを生成した。
【0111】この状態で水分濃度がシランガス分子に対
して0.001原子%以下となっていることを確認し
た。次いで、擬似リーク用バルブ(201)を開き、大
気ガス供給配管(202)を通じて、前記大気ガスを流
量10mL/min(normal)で3分間供給した。外部リーク検
知器(113)の水分濃度検知器を用いて、測定された
の水分濃度がシランガス分子に対して0.02原子%を
超えたら、制御手段(115)は、排気は継続したま
ま、直ちに真空処理ガス供給バルブ(lll)を閉じ、
シランガスの供給を停止し、不活性ガス供給バルブ(1
14)を開き、不活性ガス供給配管(117)を通じ
て、Heガスを流量5000mL/min(normal)で反応容器
(103)内へ供給した。加えて、不活性ガス供給バル
ブ(204)に付随したマスフローコントローラ(不図
示)により、排気配管へ供給するHeガスの流量を20
000mL/min(normal)にアップした。同時に、高周波電
源(112)からカソード(102)への電力供給停止
した。
【0112】大気ガス供給開始から3分間経過したら、
擬似リークバルブ(201)を閉じ、大気ガスの供給を
停止し、続いて不活性ガス供給バルブ(114,20
4)を閉じ、Heガスの供給も停止した。スロットルバ
ルブ(110)を全開にして、排気ポンプ(107)に
より、排気配管(109)を通じて、反応容器(10
3)を所望の圧力まで排気した。Heガスで反応容器
(103)をバージした後、反応容器(103)を大気
に開放し、反応容器(103)内および排気配管(10
9)内を目視によって観察した。
【0113】本実施例でも、前記実施例7と同様に、反
応容器(103)内に目視で確認できるレベルの異常は
全く見られなかった。一方、本実施例では、不活性ガス
供給バルブ(204)を介して、排気配管内に供給する
希釈用の不活性ガスの流量を増して供給するので、排気
ポンプ(107)と除害装置(108)をつなぐ排気配
管内に関しても、目視で確認できるレベルの異常は見ら
れなかった。
【0114】従って、反応容器内に供給する希釈用の不
活性ガスの流量を増加する対処に加えて、下流の排気配
管内に供給する希釈用の不活性ガスの流量をも増加させ
る処置も併せてとると、装置全体において、その損傷を
より効果的に防止できることが確認される。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、真空処理装置におい
て、真空処理ガスとして反応性ガスを使用中、万一リー
クが発生しても、安全に、かつ、装置へのダメージを軽
減しながら、真空処理ガスを排気することが可能にな
る。しかも、全ての作業が自動的、かつ、装置単独で行
われるので、より高い安全性が得られる。また、比較
的、装置構造は単純にできるため、気密チェックやリー
クチェック等のメンテナンス性にも優れ、装置コストも
低減できる。更に、リーク発生時に真空処理ガスの供給
を自動的に停止したり、プラズマを生成する電力を自動
的に停止することによって、本発明の効果を相乗的に向
上することができる。しかも、リーク検知器の種類を、
適宜選択することによって、様々な真空処理ガスや、装
置構成に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空処理装置の構成の一例を示し、特
に、反応容器に対する希釈用の不活性ガスの供給手段の
一例を模式的に説明する図である。
【図2】本発明の真空処理装置の構成の他の一例に従
い、実験目的の変更を加え、実施例に用いたプラズマC
VD半導体成膜装置の構成を示し、反応容器ならびに排
気配管の双方に、希釈用の不活性ガスの供給手段それぞ
れを設ける一例を模式的に説明する図である。
【符号の説明】
101 基板 102 カソード 103 反応容器 104 ボンベ貯蔵庫 105 真空処理ガスボンベ 106 真空処理ガス供給配管 107 排気用ポンプ 108 除害装置 109 排気配管 110 スロットルバルブ 111 真空処理ガス供給バルブ 112 高周波電源 113 外部リーク検知器 114 不活性ガス供給バルブ 115 制御手段 116 不活性ガスボンベ 117 不活性ガス供給配管 201 大気ガス供給バルブ 202 大気ガス供給配管 203 大気ガスボンベ 204 不活性ガス供給バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 崇志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 秋山 和敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 村山 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 細井 一人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田澤 大介 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4K030 FA03 HA15 JA06 JA09 JA16 KA39 KA41 5F004 AA16 BA04 BB13 BB18 BC03 CA01 CA02 CA03 CB01 5F045 AA08 AB04 AC01 BB20 EE04 EE12 EE14 EE17 EG02 EG08 EH01 EH14 GB06 GB07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空処理ガスを用いて、その内部に設置
    する被処理物に対して処理を施す真空排気可能な反応容
    器と、前記反応容器に真空処理ガスを供給するためのガ
    ス供給手段と、前記反応容器内を排気するための排気手
    段と、真空処理に利用後、排気される真空処理ガスを含
    む排気ガスを導く排気配管とを少なくとも備えてなる真
    空処理装置であって、 さらに、前記装置内部と外部の間におけるリークを検出
    する外部リーク検知器と、 不活性ガスを供給して前記真空処理ガスを希釈する真空
    処理ガス希釈手段と、 前記外部リーク検知器がリークを検知した際、前記外部
    リーク検知器から出力されるリーク信号に基づいて、自
    動的に前記真空処理ガス希釈手段により供給される前記
    不活性ガスの流量を増加させる手段とを有することを特
    徴とする真空処理装置。
  2. 【請求項2】 外部リーク検知器が外部リークを検知し
    た際、前記外部リーク検知器から出力されるリーク信号
    に基づいて、自動的に真空処理ガスの供給を停止するこ
    とが可能な真空処理ガス供給制御機能を有することを特
    徴とする請求項1に記載の真空処理装置。
  3. 【請求項3】 真空処理において、前記反応容器内にプ
    ラズマを生成する電力を供給する電力供給手段を備え、 外部リーク検知器が外部リークを検知した際、前記外部
    リーク検知器から出力されるリーク信号に基づいて、自
    動的に前記電力供給手段からの電力供給を停止する機能
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の真
    空処理装置。
  4. 【請求項4】 外部リーク検知器は、外部リークを検知
    する手段として、前記反応容器内の圧力変化、酸素濃度
    変化、窒素濃度変化、水分濃度変化、あるいは、前記排
    気配管内の圧力変化、酸素濃度変化、窒素濃度変化、水
    分濃度変化のうち、少なくとも一つの変化を検知するこ
    とが可能な機能を有することを特徴とする請求項1−3
    のいずれかに記載の真空処理装置。
  5. 【請求項5】 真空処理ガス希釈手段は、真空処理ガス
    を希釈する不活性ガスの流量調整用のマスフローコント
    ローラーを具えていることを特徴とする請求項1−4の
    いずれかに記載の真空処理装置。
  6. 【請求項6】 真空処理ガスの少なくとも一つは、反応
    性ガスであることを特徴とする請求項1−5のいずれか
    に記載の真空処理装置。
  7. 【請求項7】 真空処理装置の反応容器内において、減
    圧下、真空処理ガスを供給して、被処理物に処理を施す
    真空処理方法であって、 真空処理に際して、 前記反応容器内を排気するための排気手段により所定の
    圧力に減圧を行い、 前記反応容器に真空処理ガスを供給するためのガス供給
    手段により真空処理ガスを所定の流量で供給し、 前記真空処理ガスは真空処理ガス希釈手段により供給す
    る所定流量の不活性ガスにより希釈し、 真空処理に利用後の真空処理ガスを含む排気ガスは排気
    配管に導き、 前記減圧下にある装置部分において外部リークを検知し
    た際、真空処理ガスを希釈する前記不活性ガスの流量を
    増加することを特徴とする真空処理方法。
  8. 【請求項8】 外部リークを検知した際に、さらに、真
    空処理ガスの供給を停止することを特徴とする請求項7
    に記載の真空処理方法。
  9. 【請求項9】 真空処理の際、反応容器内に電力を供給
    してプラズマを生成し、真空処理に前記プラズマを用
    い、 外部リークを検知した際に、プラズマを生成するための
    前記電力供給を停止することを特徴とする請求項7また
    は8に記載の真空処理方法。
  10. 【請求項10】 外部リークの検知は、前記反応容器内
    の圧力変化、酸素濃度変化、窒素濃度変化、水分濃度変
    化、あるいは、排気配管内の圧力変化、酸素濃度変化、
    窒素濃度変化、水分濃度変化のうち、少なくとも一つの
    変化により検知することを特徴とする請求項7−9のい
    ずれかに記載の真空処理方法。
  11. 【請求項11】 真空処理ガスに反応性ガスを使用する
    ことを特徴とする請求項7−10のいずれかに記載の真
    空処理方法。
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