JP2001319640A - 非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池

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JP2001319640A
JP2001319640A JP2000135683A JP2000135683A JP2001319640A JP 2001319640 A JP2001319640 A JP 2001319640A JP 2000135683 A JP2000135683 A JP 2000135683A JP 2000135683 A JP2000135683 A JP 2000135683A JP 2001319640 A JP2001319640 A JP 2001319640A
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negative electrode
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battery
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Junichi Yamaura
純一 山浦
Masaki Hasegawa
正樹 長谷川
Shuji Tsutsumi
修司 堤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質がLiCoO2等のリチウム含有複合酸
化物であり、負極活物質にリチウム含有複合窒化物と放
電に寄与しない不可逆容量を有する無機材料との混合体
を使用する非水系電解質二次電池において、サイクル特
性の向上を図ることを目的とする。 【解決手段】 負極として、無機材料のもつ不可逆容量
よりもリチウム含有複合窒化物が電気化学的に吸蔵放出
できるリチウムイオン量の方が大となるように両者を配
合した複合負極を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル特
性に優れた非水系電解質二次電池、特に正極にコバルト
酸リチウムやニッケル酸リチウムなどのリチウム含有複
合酸化物を用いた電池の負極の構成材料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】非水系電解質二次電池としては、リチウ
ムイオン(以下、Liイオンという)を可逆的に吸蔵放出
可能な黒鉛等の炭素質材料を負極に用いたいわゆるリチ
ウムイオン電池が実用化された。
【0003】この電池は正極にリチウム含有複合酸化物
であるLiCoO2を用いており、正極に予め含まれているLi
イオンが負極の炭素質材料との間で可逆的に挿入脱離さ
れることで充放電を行う仕組みになっている。このよう
な正極としては、LiCoO2以外にLiNiO2、LiMn2O4やこれ
らの複合体などがあり、これらは金属リチウム電位基準
で約+4Vの高い電極電位を示しその可逆容量も大きく、
高電圧高容量を実現できるものである。
【0004】一方、負極材料の炭素質材料として一般的
でもあり、高容量を有するといわれる黒鉛でもその充放
電容量は理論値の372mAh/gが上限である。そこで、
リチウムイオン電池のさらなる高容量化を目指して数多
くの取り組みがなされている。これらのうちLi含有複合
酸化物正極と組み合わせて使う負極材料として、黒鉛以
外の化合物を用いる提案が有望視されている。
【0005】その中でとりわけ酸化物は極めて高容量と
なるものが多く、1000mAh/gを超える充放電容量を示す
ものさえ報告されている。これまでの酸化物負極に関す
る提案として、例えば、酸化タングステンや酸化鉄のリ
チウム化合物(特開平3-112070号公報)、酸化ニオブ
(特開平2-82447号公報)、酸化鉄、酸化コバルト(特開
平3-291862号公報)、リチウムを含有する珪素の酸化物
(特開平6-325765号公報)、バナジウムを含む酸化物
(特開平7-14580号公報)、錫、ゲルマニウム、または
珪素などを含む複合酸化物(特開平7-201318号公報)、
錫、鉛、または珪素などを含む非晶質の酸化物(特開平
7-288123号公報)などが有望な負極材料として報告され
ている。
【0006】また、炭素質材料の改良で高容量化を図る
提案もなされており、難黒鉛性の非晶質炭素や易黒鉛性
の低結晶性炭素に属する炭素材料の中に黒鉛の理論容量
を大きく上回るとりわけ高容量を示すものがあるという
報告もなされている。
【0007】しかしながら、高容量が期待できる多くの
酸化物や炭素材料は高い可逆容量を示すものの、これら
のほとんどの材料が大きな不可逆容量も同時にもってい
るという問題があり、これが実用化を妨げてきた。この
不可逆容量とは負極材料に吸蔵されたイオンの一部が結
晶中に捕捉されるなどして放電に寄与しなくなる容量を
指し、これによって正極のリチウム含有複合酸化物か
ら、電池の最初の充電で供給されたLiイオンがその後の
放電で一部しか戻れないため、電池の容量を著しく損な
うというものである。
【0008】例えば酸化物では、充放電可逆容量が大き
くリチウム二次電池用の負極活物質として有望な素材で
ありながら、上記の不可逆容量の問題を抱える材料とし
て以下に示すようなものがある。
【0009】例えば、WO3、WO2等の一般式WOx(xは組
成を決める変数)で表されるタングステンの酸化物、Sn
Oxで表される錫の酸化物、SiOxで表されるシリコンの酸
化物、FeOxで表される鉄の酸化物、NbOxで表されるニオ
ブの酸化物、PbOxで表される鉛の酸化物、VOxで表され
るバナジウムの酸化物CoOxで表されるコバルトの酸化
物、また、SnSiO3、SnSi2O5、SnGe2O5、SnPb2O5、PbGeO
3等の複数の金属からなる複合酸化物、さらには、これ
ら酸化物、複合酸化物にNa,Li,K,Rbなどのアルカリ金
属、Ca,MgSr,Baなどのアルカリ土類金属を添加した複合
酸化物などである。
【0010】また、炭素材料では、充放電可逆容量が大
きくリチウム二次電池用の負極活物質として有望な素材
でありながら不可逆容量の問題を抱える材料として、石
油ピッチ、石油コークス等を炭素化する際に2000℃以下
の比較的低温(2000℃以上の高温で焼成すると高結晶性
の黒鉛となる)で焼成した易黒鉛性の低結晶性炭素や、
ポリイミド、ポリアミド等の樹脂を高温(2000℃〜3000
℃)で焼成した難黒鉛性の非晶質炭素などがある。
【0011】このような高容量でありながら不可逆容量
を有する素材を負極材料として用いる場合の不可逆容量
の対応策として、不可逆容量分を予め電気化学的に充電
しておく電極化成法や負極に金属リチウムを貼り付けて
不可逆容量を補う方法などがある。例えば、上述のリチ
ウムを含有する珪素の酸化物などはその製造法として酸
化珪素を電気化学的に処理してLiを含ませる技術で得ら
れた材料である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】電極化成法は、通電電
気量を制御することで目的に応じた量の化成が可能な点
が優れているが、一度電極を充電した後に再び電池とし
て組み直すため煩雑で生産性も悪い。金属リチウム貼付
け法は電解液を注液することで短絡状態にある不可逆容
量を有する無機材料と金属リチウム間で自動的にLiイオ
ンの移動を行うというものである。ところが、この方法
の場合、極板形態によってはLiイオンの移動が不十分で
金属リチウムが残存し、特性ばらつきの発生や安全性に
問題が生じるなどの品質上に問題があった。
【0013】以上のような工法上の理由で、電池として
有望な電池材料であるにもかかわらず、酸化物等の素材
を負極に用いた非水電解質二次電池の実用化は進んでい
なかった。
【0014】本発明者らもこれまで高容量の酸化物等の
素材を負極材料として用いるための検討を鋭意行ってき
た。特に、不可逆容量を補う効果的な方法を検討し、画
期的な方法を見いだした。
【0015】その方法とは、負極活物質に用いる不可逆
容量を有する酸化物等の素材とともに負極中に、(化
2)の一般で表されるリチウム含有複合窒化物を含有さ
せるものである。
【0016】
【化2】
【0017】元来、上述のリチウム含有複合窒化物は、
非水系電解質二次電池の有望な負極活物質として検討し
てきた材料であった。ところが、Liイオンを吸蔵した状
態で合成されるため、LiCoO2などのリチウム含有複合酸
化物正極と組み合わせる場合は、事前に正負極のいずれ
かからLiイオンを脱離する方向の化成処理を行う必要が
あった。
【0018】そこで、酸化物等の固有の不可逆容量を有
する素材とリチウム含有複合窒化物のようなLiイオンを
脱離すべき素材を混合すれば、リチウム含有複合窒化物
中のLiイオンで酸化物等の不可逆容量を補充することが
できると考えた。予想通り、不可逆容量を有する素材へ
のLiイオンを補充する方向の化成と、リチウム含有複合
窒化物のLiイオンを脱離する方向の化成が互いを相殺す
る形で機能し、実際にLiCoO2などのリチウム含有複合酸
化物正極を組み合わせた場合、全くの化成レスで高容量
の電池を構成することができた。
【0019】ところが、電池として化成レスが実現でき
たものの、充放電を繰り返すと容量が徐々に減少するこ
と、すなわちサイクル特性が不十分であることがわかっ
た。
【0020】本発明の課題は、このサイクル特性を向上
させることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極活物質に
Liイオンを吸蔵放出可能なリチウム含有複合酸化物を用
い、負極活物質にLiイオンを吸蔵放出可能な(化2)で
表されるリチウム含有複合窒化物と、Liイオンを吸蔵放
出可能でありかつ前記の不可逆容量をもった無機材料と
の混合体を使用する非水電解質二次電池に関するもの
で、上述の課題を解決する有効な手段を提案するもので
ある。
【0022】詳しくは、負極活物質の一つである不可逆
容量を有する無機材料のその不可逆容量よりも、リチウ
ム含有複合窒化物が電気化学的に吸蔵放出できるLiイオ
ンリチウムリチウム量の方が大となるように負極中の不
可逆容量を有する無機材料とリチウム含有複合窒化物の
配合比率を定めたものである。
【0023】言い換えれば、上述の不可逆容量を補填で
きる量以上に過剰のリチウム含有複合窒化物を負極に与
えた設計とすることである。
【0024】なお、上記の不可逆容量を有する無機材料
としては、高容量が期待できるという点で、酸化物、難
黒鉛性の非晶質炭素、または易黒鉛性の低結晶性炭素が
好ましい。
【0025】また、正極のリチウム含有複合酸化物とし
ては、とりわけ高電圧が期待できるコバルト酸リチウム
( LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、及びそ
の複合体(LiCoxNiyO2、x+y=1)、ならびにマンガン酸
リチウム(LiMn2O4)の中の少なくとも一種が好ましい。
【0026】また、負極の構成材料中に含まれるリチウ
ム含有複合窒化物としては、これを構成する遷移金属M
がコバルト(Co)であることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】基本的にこの電池の負極の極板を
構成する材料は、Liイオンを吸蔵放出可能でありかつ不
可逆容量を有する無機材料(以下単に無機材料という)
の粉末、リチウム含有複合窒化物粉末、導電剤の炭素材
粉末および結着剤樹脂からなり、これらを混合した合剤
によって負極板が形成される。
【0028】これら合剤は溶剤で混練したペーストを銅
箔等の金属箔上に塗布して圧延加工した塗布型極板や直
接プレスして加圧成形極板にするなど、通常の製法で所
望の形態にすることができる。
【0029】次いで、無機材料とリチウム含有複合窒化
物を所定量含む負極を、リチウム含有複合酸化物からな
る正極と組み合わせて通常の製法で電池を構成すること
ができる。
【0030】通常、負極中に存在させた無機材料の不可
逆容量分へのリチウム含有複合窒化物からのLiイオンの
補填は、電池構成後の電解液の存在下で電気化学的作用
によってなされる。負極中では導電剤を介して無機材料
とリチウム含有複合窒化物は局部電池を構成しているの
で、無機材料がリチウム含有複合窒化物の反応電位より
貴な反応電位領域を有している場合は、その電位差によ
り自動的にLiイオンはリチウム含有複合窒化物から無機
材料へ移動する。また、無機材料がリチウム含有複合窒
化物の反応電位より卑な反応電位領域を有している場合
も、電位差により自動的にLiイオンが移動することはな
いが、基本的に電池の最初の充電で無機材料中に正極か
らLiイオンが供給され、次の放電で正極へ戻るLiイオン
の不足分(不可逆容量分)はリチウム含有複合窒化物か
ら正極に供給されるため、最終的に不可逆容量は完全に
リチウム含有複合窒化物により補充されることになる。
さらに、この時点では、正極はLiイオンが満状態の初期
の放電状態に戻っており、また、負極においても無機材
料は不可逆容量分が既に補充された放電状態であり、リ
チウム含有複合窒化物もLiイオンを放出(上記不可逆容
量分だけ)した後の放電状態となっている。
【0031】本発明の構成の場合、リチウム含有複合窒
化物にも高容量で充放電可逆性の優れたものを利用する
と、その後の充放電に無機材料とリチウム含有複合窒化
物の両者が活物質として働くので、更なる電池の高容量
化が可能となる。
【0032】なお、リチウム含有複合窒化物を電池の活
物質として用いる技術は比較的新しく、例えば特開平7-
78609号公報において、「電気化学素子の電極材料とし
てリチウムニトリド金属化合物(リチウム含有複合窒化
物に同じ)を用いる」という形で開示されている。ここ
で、高容量で充放電可逆性に優れたリチウム含有複合窒
化物としては、窒化リチウムLi3NのLiの一部を銅、鉄、
マンガン、コバルト、ニッケルなどの遷移金属に置換し
た一般式が(化2)で表わされるものである。中でもそ
の置換量(式中のx値)が0.2<X≦0.8のものが高容量
を示す。さらに、その中でも特に置換する遷移金属がコ
バルトであるリチウム含有複合窒化物が特に優れた充放
電可逆性を示す。
【0033】本発明の電池は基本的にはこのようなリチ
ウム含有複合窒化物を負極材料に用いるものである。
【0034】しかしながら、この電池系の開発を推進し
ていく過程で、電池のサイクル特性が無機材料とリチウ
ム含有複合窒化物の配合比率に大きく依存することがわ
かってきた。
【0035】特に、リチウム含有複合窒化物が無機材料
に対してわずかに足りず、不可逆容量をわずかに残すよ
うな場合は著しいサイクル劣化を示した。
【0036】このような電池設計上のわずかなずれが大
きな性能不良を招くメカニズムを解明し、その条件の最
適化を図ることが重要である。
【0037】いくつかの実験と分析の結果、劣化メカニ
ズムが以下のようになることが判明した。
【0038】無機材料とリチウム含有複合窒化物を配合
した負極(以下、複合負極という)と、リチウム含有複
合酸化物正極を用いた電池の電位挙動を、正、負極それ
ぞれ単極での充放電挙動のモデル図を用いて説明する。
【0039】図1のモデル図は、正負極の容量バランス
設計を正極容量=負極容量と仮定し、負極内充填容量設
計を“窒化物充放電容量=無機材料の不可逆容量”と仮
定した場合である。
【0040】なお、上記窒化物充放電容量は、実施例に
も述べるが、金属リチウムを対極とした単極モデルセル
で容易に求めることができる。
【0041】また、無機材料の不可逆容量も、金属リチ
ウムを対極とした単極モデルセルで容易に求めることが
できる。
【0042】図1に示すように、この複合負極を用いた
電池系では、リチウム含有複合酸化物正極が当初放電状
態にあるので正負極とも放電状態が出発点となる。
【0043】まず最初に図中出発点から充電を開始する
と、負極は無機材料のLiイオン吸蔵反応によって曲線1
を辿り卑な方向へ、正極は貴な方向へ電位が変化する。
【0044】図中充電終点で充電は終了し、次いで放電
すると、無機材料の不可逆容量のために負極容量は曲線
2のように途中で切れるが、次にそれを補う形で曲線3の
窒化物による放電が始まる。
【0045】最終的には、無機材料の不可逆容量分だけ
窒化物を配合しているので、元の出発点と同位置の放電
終点で窒化物の放電終了とともに全放電は終了する。サ
イクルを繰り返すと原理的には充電終了点と放電終了点
の間で曲線4のように充放電する仕組みである。
【0046】しかしながら、この設計で作製した電池は
サイクル特性の劣化が大きかった。
【0047】そこでこの原因を解析したところ、放電終
点付近で負極が貴な電位まで放電に関与することが問題
であることがわかった。
【0048】特に、この放電終点付近で負極が貴な電位
に到達すると、リチウム含有複合窒化物が自己分解して
容量劣化することがわかった。
【0049】そして、この負極の容量劣化で放電終点付
近での放電が負極支配的になり、ますます放電終点にお
ける負極の電位は貴な方向へシフトし、サイクル劣化も
加速されることがわかった。
【0050】次いで、当初から正負極バランス設計を正
極容量>負極容量とした場合も検討したが、出発点が同
じく放電終点位置に固定されているので、最初の充電方
向への操作から充填量の少ない負極が大きく卑な方向へ
分極し、早くにLiイオンを吸蔵できる容量も尽き、金属
Li析出によるものと思われる電位挙動と著しいサイクル
劣化を示した。
【0051】現行のリチウムイオン電池もそうである
が、正負極容量バランスは、充電終点において負極にLi
イオンの吸蔵できる容量を残した正極容量支配(正極容
量<負極容量)とすることが、基本的要件と考えられ
る。
【0052】ただし、正極容量支配でも正負極容量バラ
ンス設計を過度に正極容量<負極容量とした場合は、正
負極とも放電状態で電池が構成されているため、出発点
は図1と同様に放電終点位置で変わらないため、充電方
向の操作を行うと、正極が今度は大きく分極し、充電終
止電圧が同じなら、正極の充電深度が過度に深くなると
いう結果になり、基本的にはサイクル劣化が大きくな
る。
【0053】従って、少なくとも基本は負極にLiイオン
の吸蔵できる容量を残す正極容量<負極容量ではある
が、正極と負極の充填容量バランスと充電終止電圧を適
合化することで、正負極の充電負荷を調整することが好
ましい。
【0054】次に、放電終点付近の電位挙動を正極支配
的、すなわち負極を貴の方向にシフトさせずに正極の電
位降下で放電終了とする設計を実現する手段について述
べる。
【0055】図2は、正負極容量バランス設計を正極容
量=負極容量と仮定し、負極内充填容量設計を“窒化物
充放電容量>無機材料の不可逆容量”とした場合のモデ
ル図である。
【0056】この設計の場合も充電方向から操作を開始
するが、出発点はこれまでと同じである。
【0057】図1と同様に曲線1を辿り図中充電終点で充
電は終了し、次いで放電すると、無機材料の不可逆容量
のために負極容量が曲線2のように途中で切れ、次にそ
れを補う曲線3の窒化物の初期の放電が始まる。
【0058】しかしながら、この場合は窒化物を無機材
料の不可逆容量相当分より多く加えた設計なので、元の
出発点まで戻ってもなお窒化物中に放電可能なLiイオン
を残した形となる。そのため、実際の放電終点は正極の
放電終了点(正極の放電末期は大きな電位降下を伴うの
で、放電終点と出発点は殆ど同位置)となる。
【0059】例えば、本来なら負極単独では図2中5で示
す位置まで放電できるものを、図中の放電終点で止める
ことになるので、基本的に放電終点付近で正極支配によ
る放電終了が実現できたことになる。
【0060】この場合は、実質上の放電終点での負極の
電位が比較的卑に抑えられるため、リチウム含有複合窒
化物が自己分解して容量劣化する領域に入ることがな
く、サイクル性は良好であった。
【0061】言い換えれば、負極充填容量設計を“窒化
物充放電容量>無機材料の不可逆容量”とした場合の
み、正極支配による放電終了が実現でき、かつサイクル
特性の劣化も抑制可能である。
【0062】従って、本電池系において理想的な設計
は、正負極の充填容量バランス設計を充電終止電圧の制
御とともに、負極にLiイオンの吸蔵できる容量を残す正
極容量<負極容量とする従来の条件を基本とし、負極充
填容量設計を“窒化物充放電容量>無機材料の不可逆容
量”とするものである。
【0063】本発明は、負極に二種類以上の活物質を配
合し、かつそれぞれの活物質においてこれまで問題とさ
れてきた欠点を効果的に相互補完するという新規な負極
構成を基礎とするものである。
【0064】そして、このような新規な負極構成である
が故に発生する新規な課題を、効果的に解決するもので
ある。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施の形態について実施例で
詳細に説明する。
【0066】本発明は負極活物質の一つに不可逆容量を
有する無機材料を用いるが、その素材の反応電位はなる
べく卑で、かつ充放電可逆容量の大きいものであること
が好ましい。例えば、酸化物では上述の酸化タングステ
ン、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化コバルト、珪素の酸化
物、バナジウムを含む酸化物、錫、ゲルマニウム、珪素
などを含む複合酸化物、錫、鉛、または珪素などを含む
非晶質の酸化物などである。
【0067】本実施例では、その代表として珪素の酸化
物、SiOを用いた場合について説明する。
【0068】酸化物のSiOは試薬として市販されている
ので、この粉末を入手して用いた。
【0069】また、事前に使用する酸化物SiOの充放電
性能を確認(金属リチウムを対極としたモデルセルによ
る容量特性の確認)したところ、最初の充電でSiOは約2
500mAh/g分のLiイオンを吸蔵したが、次の放電で約1500
mAh/gしか放電せず、約1000mAh/gの不可逆容量を示し
た。
【0070】一方、リチウム含有複合窒化物としては、
やはり反応電位が卑で可逆性に富む素材が好ましい。
【0071】本実施例では、その代表として化2で示し
た一般式Li3-XMXNの遷移元素Mにコバルトを用い、x=
0.5となるように調製したLi2.5Co0.5Nを用いた場合につ
いて説明する。
【0072】このリチウム含有複合窒化物は、以下に示
すように合成した。
【0073】市販試薬の窒化リチウム(Li3N)粉末と市
販試薬の金属コバルト(Co)粉末を所定量混合し、その混
合物を銅製の容器に入れ、窒素雰囲気中700℃で8時間焼
成した。反応後、黒灰色の化合物が焼結体として得られ
る。これが目的のリチウム含有複合窒化物である。
【0074】さらにこれを粉砕しリチウム含有複合窒化
物粉末とした。なお、混合から粉砕までの一連の工程は
低湿度(露点−20℃以下)の高純度窒素雰囲気(酸素、
水分量は100ppm以下)中で行った。
【0075】得られたリチウム含有複合窒化物Li2.5Co
0.5Nの粉末X線回折測定を行った結果、窒化リチウム
(Li3N)と同じ六方晶パターンが現れており、不純物ピ
ークもなく、期待通りの材料が得られていることを確認
した。
【0076】また、事前に使用するリチウム含有複合窒
化物Li2.5Co0.5Nの充放電性能を確認(金属リチウムを
対極としたモデルセルによる容量特性の確認)したとこ
ろ、最初の放電でLi2.5Co0.5Nは約800mAh/g分のLiを放
出したが、次の充電でも約800mAh/g分充電し、不可逆容
量は殆どなかった。
【0077】図3は本発明によるリチウム二次電池のサ
イクル特性を比較検討するためのテストセルとして作製
したボタン形電池の断面図である。図3において、1は
ステンレス製の封口板であり,その内面に2のニッケル
網を溶接で固定した。3はSiOとLi2.5Co0.5Nとを含む負
極で4の銅箔上に形成したもので,銅箔4とニッケル網
2を圧着することで集電を可能にしている。5は有機電
解液でEC(炭酸エチレン)とDEC(炭酸ジエチル)
の体積比1:1の混合溶媒に,LiPF6を1モル/リ
ットル溶解したものである。
【0078】6は多孔性ポリエチレンフィルムからなる
セパレータである。7はLiCoO2を活物質として用いた正
極で,8のアルミニウム箔上に形成した後に円盤状に打
ち抜いたものである。9はステンレス製の正極ケースで
あり,内面に10のステンレス網を溶接で固定してい
る。
【0079】この場合も正極のアルミ箔8と正極ケース
9内のステンレス網10を圧着することで集電を可能に
させた。11はガスケットであり,封口板1と正極ケー
ス9との間の電気的絶縁を保つとともに,正極ケース開
口縁が内側に曲げられ,かしめられることによって,電
池内容物を密閉,封止した。
【0080】上記電池において,SiOとLi2.5Co0.5Nとを
含む負極は次のように作製した。
【0081】活物質粉末であるSiO粉末とLi2.5Co0.5N粉
末と導電剤の炭素粉末と結着剤としてのスチレンブタジ
エン合成ゴム(SBR樹脂)を,重量混合比35:4
5:18:2で混合し,これらを脱水トルエンに分散さ
せてスラリーを作製し,負極集電体の銅箔(厚み18μ
m)上にドクターブレードを用い塗布し,乾燥後圧延し
て負極シートとした。その後この負極シートから、直径
16mmの円盤状に打ち抜き、電極とした。上述のSiO
粉末とLi2.5Co0.5N粉末の配合比率は、SiOの不可逆容量
分をちょうどLi2.5Co0.5Nの放電容量分で補填するよう
に設定した。これは、負極充填容量バランスが“窒化物
充放電容量=無機材料の不可逆容量”となる設計であ
る。
【0082】一方,正極は次のようにして作製した。活
物質粉末であるコバルト酸リチウム粉末と導電剤の炭素
粉末と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂を,重量混合
比85:10:5で混合し,これらを脱水N-メチルピロ
リジノドンに分散させてスラリーを作製し,正極集電体
のアルミニウム箔(厚み20μm)上にドクターブレー
ドを用い塗布し,乾燥後圧延して正極シートとした。そ
の後,この正極シートから,直径15mmの円盤状に打
ち抜き、としたものである。
【0083】なお、この電池においては、正極活物質の
コバルト酸リチウムは約0.5g含むものとし、この正極が
120mAh/gの理論容量をもつと仮定して負極活物質のSiO
とLi2 .5Co0.5Nはそれぞれ0.024gと0.030gずつ用いた。
【0084】以上のように作製した電池の充放電試験は
1mAの定電流で、その充電終止電圧を4.1V、その放電終
止電圧を2.0Vとして行った。
【0085】この電池の充放電電圧挙動は、放電平均電
圧が約3.2Vで初期の放電容量は約60mAhであった。ま
た、この電池の充放電は充電から開始するが、その1サ
イクル目の充電容量と1サイクル目の放電容量に殆ど差
はなく、SiOの不可逆容量分がLi2. 5Co0.5Nから効果的に
補完されていた。すなわちいかなる化成もなしに充放電
が可能であることが立証された。
【0086】なお、この電池における正、負極それぞれ
の活物質の単位重量当たりの容量を計算した結果、正極
のコバルト酸リチウムは活物質として予定通り約120mAh
/gの容量で反応しており、一方、複合負極のSiOとLi
2.5Co0.5Nからなる混合活物質はこれを一つの活物質と
してみなして約1110mAh/gの容量が得られた。
【0087】現在実用化されているリチウムイオン電池
の負極の炭素材料が300〜370mAh/g程度の単位重量当
たりの容量であることを考えると、本発明の電池は極め
て高容量の負極を実現したことになる。
【0088】なお、比較のためにSiOのみを負極活物質
としてコバルト酸リチウム正極と組み合わせた電池、な
らびにLi2.5Co0.5Nのみを負極活物質としてコバルト酸
リチウムと組み合わせた電池も試作してみたが、SiOの
みを用いた電池では極めて大きい不可逆容量のためにそ
の充放電可逆容量は極めて小さく、またLi2.5Co0.5Nの
みを用いた電池では状態不適合のため充放電が不可能で
あった。
【0089】ただし、これらSiOとLi2.5Co0.5Nを単独で
用いた電池も電気化学的に予め不可逆容量を補填して用
いたり、予めLiイオンの電気化学的脱離処理をして用い
れば使うことができる。しかしこれらは製造上極めて煩
雑で、かつ品質の確保も難しい。
【0090】次に、充放電を100サイクル目まで繰り返
した場合のこの電池のサイクル特性は図4の曲線1のよ
うになる。
【0091】図4の曲線1を見ると、サイクルとともに容
量が徐々に低下して行くことがわかる。
【0092】サイクル特性劣化の程度を示す平均サイク
ル劣化率σは、Xサイクルまで充放電したとして、次の
(数1)で表される。
【0093】
【数1】
【0094】この電池の場合、初期容量が60mAhで100サ
イクル目の容量が44mAhなのでサイクル劣化率は計算上
σ=0.267%/サイクルとなる。
【0095】しかし、従来のリチウムイオン電池のサイ
クル特性(品種によって多少変わるが、サイクル劣化率
は概ね0.1%/サイクル以下)に比べて十分なものでは
ない。
【0096】また、この電池ではサイクルの進行ととも
に電池の膨れも確認された。
【0097】そこで、100サイクル終了後、この電池を
分解して調べたところ、電池内部でガスが発生している
こと、また分析でそのガスが窒素であることが確認され
た。
【0098】電池内の窒素源としてはリチウム含有複合
窒化物以外にはないので、このサイクルに伴うガス発生
は、リチウム含有複合窒化物の分解によるものであると
いえる。
【0099】リチウム含有複合窒化物がどのような状況
で分解し、窒素ガスを出すのかを調査した結果、負極の
電位が放電末期において貴の方向にシフトし、Liの電位
に対して1.4Vを超えるとリチウム含有複合窒化物の分
解が始まることがわかった。
【0100】従って、この電池では放電末期において負
極が明らかにこのリチウム含有複合窒化物の分解電位ま
で使用されていたことになり、活物質を分解しながらサ
イクルが進行するので、サイクル特性の劣化が起こるこ
とは当然であった。
【0101】従って、先に詳しく説明したように、放電
末期における負極の電位の貴な方向へのシフトを抑制
し、リチウム含有複合窒化物の自己分解を抑えること
で、サイクル性の向上が期待できる。
【0102】その手段は、負極内の無機材料とリチウム
含有複合窒化物の充填容量バランスを”窒化物充放電容
量>無機材料の不可逆容量”とする本発明の骨子でもあ
る設計条件とすることである。そこで、サイクル性とそ
の設計条件の関連性を実証するための試験を行った。
【0103】図4の曲線1で示した電池の負極はSiOの不
可逆容量分をちょうどLi2.5Co0.5Nの放電容量分で補充
するように設定したもので、負極充填容量バランスが
“窒化物充放電容量=無機材料の不可逆容量”となる設
計であった。これを基準設計として、SiOを相対的に多
めに充填した設計の負極を用いた電池、Li2.5Co0.5Nを
相対的に多めに充填した設計の負極を用いた電池を試作
し、上の基準設計の電池も含めた3種の電池の特性比較
を行った。
【0104】具体的には、SiOを多めに充填した負極は
基準設計の充填量からSiOのみを20重量%増量したもの
で、Li2.5Co0.5Nを多めに充填した負極は基準設計の充
填量からLi2.5Co0.5Nのみを20重量%増量した。
【0105】これら3種の設計の異なる電池で、正極は
上記と同じ物を使用し、図3に示した形態の電池を構成
し、上記と同じ充放電条件でサイクル特性を確認した。
【0106】図4は、これら3種の電池の100サイクルま
での充放電サイクル特性を比較したものである。
【0107】図4において、Li2.5Co0.5Nを増量した負極
設計の電池のサイクル特性は曲線2であり、SiOを増量し
た負極設計の電池のサイクル特性は曲線3である。
【0108】図4を見ても明らかなように、Li2.5Co0.5N
を増量した負極設計の電池のサイクル特性が最もすぐれ
ており、次に基準となる電池で、SiOを増量した負極設
計の電池が最も大きなサイクル劣化を示した。
【0109】なお、これらのサイクル特性の劣化率を求
めると、基準の電池は上述のσ=0.267%/サイクル、L
i2.5Co0.5Nを増量した負極設計の電池はσ=0.103%/
サイクル、SiOを増量した負極設計の電池はσ=0.417%
/サイクルであった。
【0110】この結果は、上記の説明に則った当然の結
果といえるが、少なくとも本発明の主旨が実験的に証明
された。
【0111】本実施例では不可逆容量を有する無機材料
としてSiOを用いる電池について述べたが、SiOの代わり
にSiSnO3、Sr0.1Ba0.9SnO3、ポリイミド樹脂を2700℃で
焼成した難黒鉛性の非晶質炭素、石油ピッチを1100℃で
焼成した易黒鉛性の低結晶性炭素についても上記と同様
の負極容量バランスを変えた電池を試作し、そのサイク
ル特性を比較してみた。
【0112】なお、無機材料に配合するリチウム含有複
合窒化物については、上記と同じLi 2.5Co0.5Nを使用し
た。
【0113】(表1)に、各無機材料とLi2.5Co0.5Nを混
合した複合負極を用いて試作した上述の3種の設計条件
(Li2.5Co0.5Nを20重量%増量した設計、“不可逆容量
=Li2. 5Co0.5N充放電容量”、および無機材料を20重量
%増量した設計)の電池のサイクル劣化率(1〜100サイ
クル)を示す。
【0114】それぞれ固有のサイクル劣化率を示すが、
基本的にいずれの場合もLi2.5Co0.5Nを20重量%増量し
た設計がすぐれたサイクル特性を示した。
【0115】
【表1】
【0116】これまでは、Li2.5Co0.5Nを20重量%増量し
た設計について述べてきたが、その増量分の程度につい
ても試験した。
【0117】その結果、Li2.5Co0.5Nの増量分を5重量%
まで下げても良好なサイクル劣化率を示した。
【0118】しかしながら、3重量%あたりまで下げる
とサイクル劣化が大きくなる電池の頻度が上がった。
【0119】これは、負極での無機材料の不可逆容量の
補填と、サイクルに伴う容量補完の問題であると考えら
れる。
【0120】従って、基本は“不可逆容量<Li2.5Co0.5N
充放電容量”という、本発明の設計条件は有効であるこ
とを物語っている。
【0121】負極での無機材料とリチウム含有複合窒化
物との配合比率は、無機材料の種類や構造等によって、
その不可逆容量の大きさが変動し、一定量に定められな
いが、用いる無機材料の不可逆容量を把握して、その補
填に足る量だけリチウム含有複合窒化物を配合するとよ
い。
【0122】そのリチウム含有複合窒化物の具体的な配
合量は、無機材料の不可逆容量の補填に足る量を1とし
たとき、それよりも大きく、かつ上限をその1.2〜
1.4倍とするのが好ましい。
【0123】なお、本発明はその他の不可逆容量がある
が故にこれまで利用できなかった多くの材料、例えば上
述の酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化コバ
ルト、珪素の酸化物、バナジウムを含む酸化物、錫、ゲ
ルマニウム、珪素などを含む複合酸化物、錫、鉛、また
は珪素などを含む非晶質の酸化物等にも基本的に適用で
きる技術である。またこれまで、酸化物以外の不可逆容
量が大きい故に利用できなかった材料、例えばハロゲン
化物、硫化物などにも適用可能であると思われる。
【0124】上記の実施例ではリチウム含有複合窒化物
としてLi2.5Co0.5Nを用いる電池について述べたが,同
様の試験をその他のリチウム含有複合窒化物を用いた場
合についても行った結果,(化2)の一般式Li3-XX
(Mは遷移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含
有複合窒化物の多くで本発明が適用できることがわかっ
た。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように,正極活物質にリチ
ウム含有複合酸化物を用い、負極活物質に不可逆容量を
有する無機材料とリチウム含有複合窒化物とを配合した
ものを使用する非水系電解質二次電池において、無機材
料とリチウム含有複合窒化物との配合比率を最適化する
ことにより、高容量でサイクル可逆性に優れ、かつ高品
質の電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】充放電電位挙動を示すモデル図
【図2】単極での充放電電位挙動を示すモデル図
【図3】ボタン形試験電池の断面略図
【図4】試験電池のサイクル特性図
【符号の説明】
1 封口板 2 ニッケル網 3 負極 4 銅箔 5 電解液 6 セパレータ 7 正極 8 アルミニウム箔 9 正極ケース 10 ステンレス網 11 ガスケット
フロントページの続き (72)発明者 堤 修司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AK03 AL01 AL02 AL07 AL08 AL18 AM03 AM05 AM07 BJ03 HJ02 5H050 AA08 BA17 CA08 CA09 CB01 CB02 CB08 CB09 CB29 DA03 EA03 EA04 EA08 EA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質がリチウムイオンを吸蔵放出
    可能なリチウム含有複合酸化物であり、負極活物質がリ
    チウムイオンを吸蔵放出可能で(化1)に示す一般式 【化1】 (ただしMは遷移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチ
    ウム含有複合窒化物と、リチウムイオンを吸蔵放出可能
    で、かつ不可逆容量(吸蔵したリチウムイオンの一部が
    材料中に捕捉されて放電に寄与しないリテンション容
    量)を有する無機材料との混合体からなる非水電解質二
    次電池において、負極は、不可逆容量を有する無機材料
    のその不可逆容量分よりもリチウム含有複合窒化物の電
    気化学的に吸蔵放出できるリチウムイオン量の方が大と
    なるように無機材料とリチウム含有複合窒化物とが配合
    されていることを特徴とする非水系電解質二次電池。
  2. 【請求項2】 上記負極活物質の一つである不可逆容量
    を有する無機材料が、酸化物であることを特徴とする請
    求項1記載の非水系電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 上記負極活物質の一つである不可逆容量
    を有する無機材料が、難黒鉛性の非晶質炭素、または易
    黒鉛性の低結晶性炭素であることを特徴とする請求項1
    記載の非水系電解質二次電池。
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