JP2001318460A - 除去可能な積層体を含む自蔵式像形成媒体 - Google Patents

除去可能な積層体を含む自蔵式像形成媒体

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JP2001318460A JP2001121087A JP2001121087A JP2001318460A JP 2001318460 A JP2001318460 A JP 2001318460A JP 2001121087 A JP2001121087 A JP 2001121087A JP 2001121087 A JP2001121087 A JP 2001121087A JP 2001318460 A JP2001318460 A JP 2001318460A
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ワン ヤンカイ
Charles Chester Anderson
チェスター アンダーソン チャールズ
Terry Allan Heath
アラン ヒース テリー
Kristine B Lawrence
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿度抵抗性があり、像形成集成体への加圧手
段に変動なく一貫して応答しプリントする自蔵式光硬化
可能な像形成集成体を提供する。 【解決手段】 順に、厚さが12〜250μmであり且つ波長
550nmで少なくとも80%の光透過性を有するの透明第一
支持体、同じ又は隣接する像形成層内の現像剤材料と反
応することができる色前駆体をカプセル封入している複
数の光硬化可能なマイクロカプセルを含む少なくとも1
つの像形成層、及び透明又は不透明であることができる
第二支持体を含んでなる自蔵式光硬化可能な像形成集成
体であって、前記第一支持体及び前記第二支持体の少な
くとも一方がバリア層を含み且つ0.77g/m2/日未満の水
蒸気透過率を有する自蔵式光硬化可能な像形成集成体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化可能なマイ
クロカプセル封入された着色剤を含む像形成集成体に関
する。現像は、像形成集成体に均一な圧力を加えること
によって達成される。一定のバリア特性に合致する支持
体を使用することによって、圧力に応答する像形成集成
体に関して、改善された性能が得られる。
【0002】
【従来の技術】本発明は、自蔵式(self-containing)
像形成集成体の形態をした像形成媒体に関し、より詳細
には、第一透明支持体と不透明又は透明であることがで
きる第二支持体との間に配置された、色材をカプセル封
入した光硬化可能なマイクロカプセル、及び該マイクロ
カプセルの外側に現像剤材料を含んでいる層を備えてい
る改善された自蔵式像形成集成体に関する。この集成体
はフィルムが行うように画像(元の像又は電子的複製)
を捕獲すること、そしてさらにプリントのように画像を
表示することの両方に役立つので、この像形成媒体又は
集成体は記録媒体とも称され、該像形成層は記録層とも
称される。この事実から、この像形成集成体はポジ像を
形成することができる。
【0003】感光性の像形成層(マイクロカプセルを含
有)は、画像情報に基づく輻射線に曝露された後、圧力
現像によって着色される。露光されるとその力学的強度
が変化する(増加する)マイクロカプセルは、圧力現像
によって破壊され、その時点でマイクロカプセルに封入
された色材及び他の物質が外へ流出し(露光量に基づき
量は変動する)、そして現像が起きる。例えば実質的に
無色の発色剤であるような色材は、現像剤材料へと移動
し、これと反応し、そして着色が生じ、ここで色像が現
像される。
【0004】マイクロカプセルの「破壊」は、有か無か
の事象ではない。むしろ、光に曝されたマイクロカプセ
ルは、露光された領域の色調の深さを実現するために、
差別的に光硬化され、異なる量の発色剤を放出する。こ
の差別的な露光により、光硬化可能な組成物の粘度が比
例して増加し、その結果露光領域の所望の色調の深さに
比例して発色剤を固定する。マイクロカプセルの破壊及
び発色剤の放出は、均一な加圧によって達成される。感
光性の像形成層の現像は、例えば、上側及び下側の一対
のニップローラー間を像形成集成体が通過することによ
って達成することができる。
【0005】マイクロカプセル封入された感光性の組成
物を使用する光硬化可能な像形成システムは、米国特許
第4,399,209号、第4,416,966号、第4,440,846号、第4,7
66,050号、第5,783,353号及び第5,916,727号を含む、様
々な特許の主題である。例えば、像形成装置(プリンタ
ーとも称される)が米国特許第4,740,809号に開示され
ており、ここで露光は、複数の色の光源からの光が感光
性の記録媒体を横切って導かれることによって生じる。
米国特許第4,992,822号は、感光性記録媒体中の同じピ
クセルを繰り返して露光するために、多角形のミラーを
介して複数の色を生成することが可能な像形成装置を開
示している。米国特許第5,893,662号は、装置をコンピ
ューターベイに組み込むことができる画像印刷用装置を
開示している。米国特許第4,648,699号は、一対のニッ
プローラーの代わりに、感光性の記録媒体に相対して移
動する点接触ボールを用いる現像技法を開示している。
【0006】最も典型的な態様では、光硬化可能な組成
物は、ポリエチレン系不飽和化合物及び光開始剤を含有
する光重合可能な組成物であり、発色剤と共にカプセル
封入されている。化学線に曝露することにより、マイク
ロカプセルの内側相を硬くする。その後前述のように、
曝露後に、シートの形状の像形成媒体を、一対の加圧ロ
ーラーの間のニップを通過させることによって均一な破
壊力を受けることができる。
【0007】高品質プリントを提供する自蔵式像形成集
成体を提供することの問題点のひとつは、湿度感受性に
よって影響を受ける像の安定性又は「保存性」である。
プリント品質、特に化学線へのセンシトメトリーレスポ
ンスが、周囲の湿度及び相対湿度に対する感受性により
著しく影響を受けることが知られている。媒体が、プリ
ント品質にとって最適である特定の湿度で製造され、包
装されたとしても、様々な後環境への馴化後のこの媒体
の変動は、センシトメトリー特性に悪影響を及ぼす場合
がある。これは、像形成媒体に使用される材料、特にマ
イクロカプセルの内側相の硬化の程度、及びその後の湿
度の変化に伴う粘度増加に起因すると考えられている。
それらの結果として、感度、最大濃度及びカブリ濃度の
ような写真特性は、当初の最適値から変化する。さら
に、フルカラー像形成は、有害な影響を受ける。
【0008】フルカラー像の形成では、イエロー、マゼ
ンタ及びシアンの色を発色するカラー前駆体並びに青、
緑及び赤の光に対応する光開始剤を、マイクロカプセル
の内側相にカプセル封入し、そしてこの3セットのマイ
クロカプセルは混合され、現像剤を含有しているフルカ
ラー像形成材を調製する。それぞれのマイクロカプセル
の写真特性は、様々な程度に湿度が変化することによっ
て変動し、混濁した色又は不正確もしくは最適状態に及
ばない色を生じる。例えば、イエロー色が現像されるこ
とが望ましい場合、シアン及びマゼンタカプセルは赤光
及び緑光によって硬化され、そしてイエロー発色剤だけ
が破壊されたカプセルから外に出てカラー現像剤と反応
し、像を形成する。しかし、シアン又はマゼンタカプセ
ルが湿度変化のために不充分に硬化されるならば、結果
は、シアン又はマゼンタがある程度まではイエローと配
合された混濁した色となることがある。湿度の変化に起
因したそのような混濁した色又は他のセンシトメトリー
現象は、重要な問題点であった。
【0009】湿度の問題について対処し且つ媒体安定性
を改善するために使われてきたひとつの技法は、現像剤
及びマイクロカプセルを含んでいる層を、相対湿度(RH)
約10〜40%、好ましくは約20%に調節することである。
例えば、米国特許第5,916,727号及び第5,783,353号は、
集成体の通常の保存寿命の間、層が相対的に水分を含ま
ないことを確実にするために、周囲温度で、約2〜12時
間又はそれ以上の時間、ほぼ20%RHで層を調節し、そし
てその後、この低RHレベルでの集成体を封止して集成体
の通常の保存寿命中に当該層が相対的に水分無しである
ことを確実にすることを開示している。
【0010】米国特許第5,996,793号は、湿度調整材料
と共に像形成材料を貯蔵することを開示している。さら
にこの特許明細書は、透湿性が低いフィルムから製造さ
れた包装の中で像形成成材料と湿度調整材料とを貯蔵す
ることを開示している。この透湿性が低いフィルムは、
金属が付着されたプラスチックフィルムであることがで
きる。言及されている他の低透湿性フィルムには、フッ
素化樹脂、例えばポリテトラクロロエチレン、ポリトリ
フルオロエチレン、塩化ゴム、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニリデン及びアクリロニトリルのコポリマー、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、並びに
アルミニウム及び酸化ケイ素のような金属酸化物を付着
することによって得られるフィルムを含まれる。
【0011】残念ながら、像形成媒体をすぐに使用しな
い場合、特に複数の媒体が像形成する前に印刷装置内に
しばらくの間貯蔵される場合、とりわけ非常に乾燥して
いるか又は非常に湿気がある気候においては、この媒体
は、周囲湿度に順応する機会を有し、媒体のRHは短い期
間に大きく低下又は上昇する場合がある。一旦像形成媒
体が包装から取り出されると、周囲の湿度が媒体に影響
を及ぶすのにあまり時間はかからない。周囲湿度は、直
ちに媒体の両側の外面支持体に浸透し、媒体内の含水率
の変化を引き起こす。
【0012】大規模な研究の後、出願人らは、像形成層
の光硬化時に、材料の反応特性と比べて、湿度が像形成
層の力学的特性に影響を及ぼすことを見出した。この力
学的特性への作用は、現像時に媒体が加圧される場合
に、マイクロカプセルの破壊の程度において望ましくな
い変動を生じる。理論によって限定されることを意図す
るものではないが、これは、カプセルの破壊強さを変化
させる湿度によるもの、及び/又は、後のマイクロカプ
セルに加えられた応力を増加させるような像層の剛性変
化によるカプセルに加えられる圧力変化によるものかで
あり、恐らく後者の可能性が高いであろう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、湿度の影響に対して抵抗性があり、像形成集成体へ
の加圧手段に変動なく一貫して応答しプリントする自蔵
式光硬化可能な像形成集成体を提供することである。
【0014】感度、Dmax、Dmin、色調スケール及びフル
カラー補正に基づき、相対湿度によるセンシトメトリー
特性の著しい変化がないような改善された媒体を得るこ
とが望ましい。
【0015】製造から使用まで、改善された「原料保管
特性(Raw Stock Keeping)(RSK)」を有する改善された
媒体を得ることが望ましい。これらの目的が、マイクロ
カプセル及び現像剤に関する従来の像形成試薬において
大きな変化を必要とせずに達成されるならば、それが特
に望ましい。これらの目的が、製造が経済的で且つ購入
する顧客にとって安価な製品において達成されることが
できるならば、それは利点となるであろう。
【0016】先行技術は、像を視認するとき良好な写真
品質を提供するフィルムが選択され、それが好ましくは
黄変に抵抗性がある限りは、それを通して像が視認され
るような透明支持体を、任意の透明高分子フィルムから
形成できることを教示する。この透明支持体は、典型的
には透明なポリエチレンテレフタレート(PET)支持体
である。ポリエチレンテレフタレート(PET)を使用す
る先行技術は、ある程度の水蒸気透過へのバリアを提供
しかつ透明であるが、非常に低いレベルにまで水蒸気透
過を減少させると同時に所望の厚さ及び高レベルの透明
性を維持することが、圧力現像に対する媒体の性能の予
想外の改善を提供することがわかった。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の自蔵式像形成集
成体では、現像剤及び光硬化可能なマイクロカプセルを
含有する像形成層を、2つの支持体部材間に配置し、一
体式ユニットを形成する。ここで少なくとも1つの支持
体は透明であり、少なくとも1つの支持体は、0.77g/m2
/日(0.05g/100in2/日)未満の水蒸気透過率を示す。好
適には、この透明支持体は550nmの波長で少なくとも約8
0%の光透過率を有す。好ましくはバリア層も両面上に
封止して、像形成層の外から浸透する水蒸気をさらに防
止する。当該明細書で用いる用語「封止」は、一時的で
ないように設計されている封止をいう。この封止は一時
的な包装と比べると、像のプリント時、及び最終の像形
成された製品において維持される。
【0018】本発明の像形成集成体において、第一支持
体は透明であり、第二支持体は透明又は不透明であるこ
とができる。後者の場合、画像は、透明な方の支持体を
通して見られるので、実質的に白い背景に対して提供さ
れ、前者の場合、画像は、好ましくはオーバーヘッド又
はスライドプロジェクターを使用する透明画として視認
される。本願明細書では、第一支持体を、「前部」支持
体といい、第二支持体を「後部」支持体ということがあ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、像現像及び像プリント
の両方のための自蔵式像形成集成体に関し、この集成体
は、周囲の相対湿度の変化によって引き起こされた媒体
のセンシトメトリーレスポンスにおける変動を減らすこ
とによって改善された画質を提供する。用語「原料保管
特性(RSK)」は、製造時点から顧客による使用時点まで
の製品の安定性を意味する。重要なもう1つの測定基準
は、媒体を含んだあらかじめ封止した包装を開封した時
点から、媒体の消費(プリンティング)の時点までの、
製品の安定性として定義される「媒体保存寿命」であ
る。典型的には、1包装は複数の媒体、例えば20個の媒
体を含むことができる。
【0020】前述のように、自蔵式の像形成集成体は、
その中で発色現像剤材料(または発色現像剤とも称す)
がマイクロカプセル内の色素前駆体(または発色剤とも
称す)と反応するような、像形成層又は一連の層を含ん
でいる。典型的には、該マイクロカプセルは、感光性開
始剤、及びあらかじめ決められた波長の光で照射される
とき力学的強度の変化を被る硬化可能な材料を含む光硬
化可能な組成物をカプセル封入していて、そしてそこで
は、複数のマイクロカプセルは、発色現像剤材料と接触
させると着色するような少なくとも1種の色素前駆体を
封入している。
【0021】複数のマイクロカプセルは、マイクロカプ
セルの3種の異なるタイプを含む。マイクロカプセルの3
種のタイプは、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色を
生成するために、重合開始剤、光硬化可能な樹脂(各
々、光の三原色のひとつの光の照射により光硬化され
る)、及び無色の色素前駆体をカプセル封入している。
例えば、青光(およそ470nmの波長)で自蔵式の像形成
集成体を照射すると、イエローの色素前駆体のみを含有
しているマイクロカプセルの光硬化可能な樹脂が光硬化
され、これらのマイクロカプセル(イエロー)は自蔵式
像形成集成体の圧力現像時に、差別的に破壊(部分的破
壊、即ち全部は破壊されない)する;しかし、光硬化さ
れなかったマイクロカプセル(マゼンタ及びシアン)は
破壊され、マゼンタ及びシアン色素前駆体はマイクロカ
プセルから外へ強制的に放出され、発色現像剤材料と反
応し、その時点で着色が生じ、これらの色は混合し、青
色となり、この青色を光透過性の支持体を通じて見るこ
とができる。
【0022】さらに、緑光(およそ525nmの波長)で自
蔵式の像形成集成体を照射すると、マゼンタの色素前駆
体のみを含有しているマイクロカプセルの光硬化可能な
樹脂が光硬化され、イエロー及びシアンのマイクロカプ
セルは圧力現像により破壊され、発色現像剤材料とイエ
ロー及びシアン色素前駆体との反応の結果、各々の着色
が生じ、そこでこれらの色は混合し、緑色となる。さら
に、赤光(およそ650nmの波長)で自蔵式の像形成集成
体を照射すると、シアンの色素前駆体のみを含有してい
るマイクロカプセルの光硬化可能な樹脂が光硬化され、
イエロー及びマゼンタのマイクロカプセルは圧力現像に
より破壊され、発色現像剤材料とイエロー及びマゼンタ
色素前駆体との反応の結果、各々の着色が生じ、その時
点でこれらの色は混合し、赤色となる。
【0023】さらに、全てのマイクロカプセルが、前述
の3種のマイクロカプセルタイプに対応している光への
曝露により最大硬度まで光硬化されると、それらは圧力
現像によっても破壊されない。従って、着色は起こら
ず、不透明支持体の表面は光透過性の支持体を通して視
認することができ、すなわち不透明支持体の表面色(本
態様では白)が背景色となる。要するに、マイクロカプ
セルが破壊されたとき、着色反応が起こった領域にだけ
色像が形成される。この発色原理は、「自己発色(self
-coloring)」と呼ばれることもある。
【0024】先行技術の像集成体は、図1に示している
が、これは、像形成集成体1が、下記の順番で構成され
ている:第一透明支持体2、下引き層3、光硬化可能なマ
イクロカプセル5及び現像剤材料6を含有している像形成
層4、接着剤層8、並びに不透明化剤12を含んでも含まな
くてもよい第二支持体10。このユニットを化学線に像様
に曝露することによって、マイクロカプセルは、曝露さ
れた領域において差別的に硬化され、曝露されたユニッ
トは、次にマイクロカプセルを破壊するために圧力が加
えられる。
【0025】図2は、露光及びマイクロカプセル5の破壊
後の図1の先行技術の像形成集成体を示している。破壊
されたマイクロカプセル16は、色形成剤を放出し、この
時点で現像剤材料6は、色形成剤と反応し像14を形成す
る。形成された像は、白色顔料を含むことができる支持
体10に対して、透明支持体2を通して見ることができ
る。典型的には、前述のように、マイクロカプセルは、
それぞれ赤光、緑光及び青光に対し感光性であり、各々
シアン、マゼンタ及びイエロー発色剤を含有しているマ
イクロカプセルの3種のセットから成り、これは米国特
許第4,772,54号及び米国特許第4,440,846号に開示され
ている。
【0026】像形成層4は、典型的には、約20〜80%
(乾量)の現像剤、約80〜20%(乾量)のマイクロカプ
セル、及び0〜20%の結合剤を含む。この層は、典型的
には乾燥コート質量約8〜50g/m2で塗布されている。こ
のようなコーティング配合物の例は、米国特許第5,916,
727号の実施例1に開示されている。
【0027】先行技術は、図1に示すような、自蔵式の
光硬化可能な像形成集成体を示し、画像がそれを通して
視認される第一透明支持体2は、画像を視認する際に良
好な写真品質を提供し、黄変に対する抵抗性が好ましい
フィルムが選ばれる限りは、透明な高分子フィルムから
形成することができる。第一支持体2は、典型的には光
−透過性又は透明支持体としての透明ポリエチレンテレ
フタレート(PET)又はポリ塩化ビニルである。PETは、
ある程度の水蒸気透過のバリアを提供し且つ透明であ
る。当然、コーティングが厚くなるほど、蒸気透過に対
しより大きなバリアを提供するが、しかし、いくつかの
点で、層が厚くなるほど、透明度、加工性、可撓性など
の低下によって不利となり始める。
【0028】本発明は、支持体の少なくとも一方、好ま
しくは両方において、バリア層を有する自蔵式像形成集
成体に向けられている。さらに、本発明は透明支持体
が、厚み5〜250μm、好ましくは、12〜250μmを有
し、好ましくは、10〜125μmを有し、そして、550nmの
波長で少なくとも約80%の光透過性、好ましくは、450
〜800nmの波長で少なくとも約80%の光透過性、より好
ましくは、550nmの波長で、最も好ましくは、450〜800n
mの波長で、少なくとも約90%の光透過性を有すること
を要する。特に本発明は、二つの支持体のうち少なくと
も一方が、好ましくは両方が、0.77g/m2/日(0.05g/100
in2/日)未満の水分透過率、好ましくは0.47g/m2/日
(0.03g/100in2/日)以下の水分透過率を有することを
要する。水蒸気透過率は、ASTM F-1249試験(引用する
ことにより本明細書の内容とする)に従って測定する。
厚みが増加すると水蒸気透過率は低下するが、厚みが増
加すると支持体の透明性に悪影響を与え始める。
【0029】用語「支持体」は、像形成層への接着を促
進するための接着層を含まないこと以外は、底部側から
であっても上部側からであっても、該集成体の外側から
像形成層までにわたる材料を意味している。上述のよう
に、少なくとも一方の支持体は、少なくとも1つのバリ
ア層を有する。この支持体は1つ以上のバリア層を含む
積層体となることができ、又は全体がバリア層からなる
ことができる。
【0030】用語「バリア層」又は「バリア材料」は、
ASTM F-1249試験によって材料厚み25μm当たり、0.77g
/m2/日(0.05g/100in2/日)未満の水蒸気透過率を有す
る材料を意味する。バリア層は支持体の一部であるの
で、この支持体は、「上部」支持体全体、好ましくは、
両方の支持体の水蒸気透過率が0.77g/m2/日(0.05g/100
in2/日)未満である限りは、バリア層よりもより高い水
蒸気透過性を提供する別の層を含むことができる。バリ
ア層を含む支持体を「バリア支持体」と称することがで
きる。例えば本、発明に用いるために市販の材料を称す
る場合、バリア層を有するバリア支持体の分離可能な部
分を「バリアシート」と称することができる。
【0031】好ましくは、上部透明支持体はバリア材料
からなる少なくとも1つの層を有する。この場合、この
バリア材料は、厚さ(厚すぎると曇り過ぎであり、薄過
ぎると、十分支持できない)及び光学的性質を含む、あ
らかじめ選択された特性の組み合わせを有さなければな
らない。バリア材料は、非常に透明で、無色で、実用的
且つ経済的であり、製造可能又は市販可能であり、コー
ティング又は積層により適用可能であり、そして安定
(非黄変)でなければならない。これらの特性の組み合
わせは、単独の材料で見つけることが難しい。これまで
に包装におけるバリアの形成に使用される多くの材料、
例えばナイロン(ポリアミド系の合成高分子化合物)、
PC、PET、ポリオレフィン及びサランポリマーが単独又
は全部で、全ての必要基準に合致するというわけではな
い。後者の材料群は、本発明において非実用的である厚
い層を生成しなければ、十分なバリア特性を提供しな
い。例えば酸化ケイ素で被覆されたポリエステルフィル
ムのような、いくつかの材料は、良好な水分バリア特性
を持つと同時に、容認できない色味も有している。優れ
た水分バリア特性を備えたいくつかの材料は透明でな
い。例としてアルミニウム金属化フィルム又は紙があ
る。
【0032】このように、本発明のある態様は、市販の
ために包装された自蔵式光硬化可能な集成体に関し、該
集成体は、順に、厚さ5〜250μmであり、550nmの波長で
少なくとも約80%の光透過性及び0.77g/m2/日(0.05g/1
00in2/日)未満の水蒸気透過率を有する第一透明支持
体;光硬化可能な組成物及び同じ又は隣接する像形成層
内の現像剤材料と反応することができる色前駆体をカプ
セル封入した複数のマイクロカプセルを含む1つ以上の
像形成層;並びに、透明又は不透明であることができ、
厚さ5〜250μmである、第二支持体を含んでなる。
【0033】本発明の好ましい態様では、集成体は封止
され、当該集成体は、約40〜90%の範囲の相対湿度像形
成層を維持するように予備調整される。集成体は熱又は
他の手段によって封止することができる。
【0034】また本発明の別の態様では、自蔵式の光硬
化可能な像形成集成体は、さらに相対的な弾性材料(第
一透明支持体と比較して)を含有する中間層を含み、こ
の弾性材料のヤング率は0.138〜69MPa(0.02〜10ksi)
である。これが、現像時にマイクロカプセルに加えられ
る圧力をより良く分配させるのに有益であることがわか
った。
【0035】透明支持体のためのバリアシートとして使
うことができる材料は、フッ素化ポリマー、セラミック
被覆されたポリマー、例えば、酸化アルミニウム、酸化
インジウムスズ又は窒化ケイ素で被覆されたポリエステ
ルか他の透明なポリマー基体、並びに上記の制限に合致
する他のシート材料を含むが、これらに限定されるもの
ではない。特に好ましいものはポリエステルフィルム上
のAl2O3真空溶着コーティング(例えば、Toppan(登録
商標)GL-AE(Toppan Printing Co.から入手可能))及
びクロロトリフルオロエチレンホモポリマーフィルム及
びコポリマーフィルム(例えばハネウェル社から入手可
能なACLAR(登録商標)フィルム)である。
【0036】集成体内の相対湿度を維持するために、バ
リア層が像形成層の両側にあるのが好ましい。本発明の
一つの態様では、集成体内の相対湿度(特に少なくとも
1つの像形成層内)を、像形成層が所望の相対湿度と平
衡した後、両面上にある前部支持体と後部支持体を封止
することによって、40%より高く、好ましくは50%より
高く維持する。
【0037】特に好ましい態様では、上部又は第一支持
体は、ポリエステル層及び比較的低い透湿率を有する材
料、例えば、セラミックバリア層又はハロゲン化ポリマ
ーバリア層で被覆されたポリエステル層を含む積層体で
ある。ポリエステル層は、バリア層の、外側もしくは内
側、又は内側及び外側の両側にあってもよい。好ましい
ポリエステルフィルムは、ポリ(エチレンテレフタレー
ト)、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト)、ポリ(エチレン1,2-ジフェノキシエタン-4,4’-ジ
カルボキシレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、
ポリ(エチレンナフタレート)など;及び、それらの他の
ポリマーとの混合物又は積層体を含むが、これらに限定
されるものではない。特に好ましい態様は、ポリ(エチ
レンテレフタレート)及びポリ(エチレンナフタレート)
である。ポリマーフィルムは紫外線(UV)吸収剤を含
有することができる。
【0038】図3は、本発明の像形成集成体の積層構造
の第一の態様を示している。透明支持体19は、セラミッ
ク材料、例えば、酸化アルミニウム、酸化インジウムス
ズ又は窒化ケイ素のバリア層で被覆されたポリエステル
基体を含む。図3の態様では、ポリエステル基体20(こ
こでは12μm厚である)が酸化アルミニウムバリア層22
でコートされている。酸化アルミニウムは本発明での好
ましバリア材料である。酸化アルミニウムは、絶縁体で
あり、可視光に対し透明である。これは、強力な硬質材
料であり、大部分の化学物質の攻撃に対し抵抗性があ
る。酸化アルミニウムバリア層22は、化学真空溶着、電
子ビーム蒸着、プラズマ型スパッタリング法を含む真空
溶着、イオンメッキのようなイオンによる方法、さらに
は真空コーティング又は蒸着の当業者に周知のその他の
方法によって、高分子フィルム基体に付着させることが
できる。酸化アルミニウムバリア層22を、UV吸収下び
き層24でオーバーコートしてもよい。透明支持体19(層
20から24を含む)は、像形成層26に対する透明側を形成
する。不透明側は、接着層28によって像形成層26に取り
付けられているアルミニウムバリア層32を備えた白色支
持体30である。
【0039】図4は、本発明の像形成集成体のための積
層構造の第二の態様を示している。透明支持体は、図3
と同じセラミック材料のバリア層を有するが、追加の層
も有する。ポリエステル基体36(例えば、この場合12μ
m厚である)が酸化アルミニウムバリア層38でコートさ
れ、バリアシート又は複合フィルム40を形成する。この
バリア複合フィルム40は、プライマー層44とUV吸収下
びき層46を有することができる透明ポリエステルフィル
ム42に積層されている。バリア複合フィルム40は接着層
(示されてない)によって透明ポリエステルフィルム42
に積層されている。透明支持体35(層36から46を含む)
は、像形成層48に対する透明側を形成する。不透明側
は、接着層50によって像形成層48に取り付けられている
アルミニウムバリア層54を備えた白色支持体52である。
【0040】図5は、本発明の像形成集成体のための積
層構造のもう一つの態様を示している。透明支持体は、
セラミックバリア材料からなる二重層を有する。ポリエ
ステル基体56(この例では、12μm厚である)が酸化ア
ルミニウムバリア層58でコートされ、バリア複合フィル
ム60を形成する。このバリア複合フィルム60は、接着層
62を介して第二ポリエステル基体64と第二アルミニウム
バリア層66を有する第二バリア複合フィルム68に積層さ
れている。この二重バリア積層体もプライマー層70とU
V吸収下びき層72を有することができる。透明支持体55
(層56から72を含む)は、像形成層74に対する透明側を
形成する。不透明側は、接着層76によって像形成層74に
取り付けられているアルミニウムバリア層80を備えた白
色支持体78である。
【0041】図6は、本発明の像形成集成体のための積
層構造のさらに別の態様を示している。透明支持体は、
ハロゲン化ポリマーであるバリア層を有する。既に述べ
たように、好ましいハロゲン化ポリマーは、クロロトリ
フルオロエチレンホモポリマーフィルム及びコポリマー
フィルム(例えばハネウェル社から入手可能なACLAR
(登録商標)フィルム)である。透明支持体81は接着層
84を使ってクロロトリフルオロエチレンポリマーバリア
層86で積層されているポリエステル基体82を有する。透
明支持体81もプライマー層88とUV吸収下びき層90を有
することができる。透明支持体81(層82から90を含む)
は、像形成層92に対する透明側を形成する。不透明側
は、接着層94によって像形成層92に取り付けられている
アルミニウムバリア層96を備えた白色支持体98である。
【0042】底部支持体(透明支持体場合は本発明のバ
リア支持体である)は、バリア支持体であってもよく、
また、通常のものとなることができる。例えば一般的且
つ常用の支持体のひとつは、不透明化剤を含んでいるポ
リエチレンテレフタレート(PET)、紙、もしくはポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、その他のフ
ィルムで裏打ちされた紙である。不透明なフィルムは、
ポリマー及び単層中の不透明化剤又は顔料の複合材又は
混合材となることができる。あるいは、不透明化剤を、
PETのようなポリマーフィルムの下側又は上側にある別
個の層中に提供することができる。これらの材料で使用
される不透明化剤は、白色の不透明な背景を示す、不活
性の光反射材料である。不透明化剤として有用な材料
は、二酸化チタン、炭酸マグネシウム又は硫酸バリウム
のような不活性で、光散乱性の白色顔料を含む。好まし
い態様では、不透明化剤は二酸化チタンである。例え
ば、不透明支持体は、明るい白色を提供する約10%の二
酸化チタンを含有しているポリエチレンテレフタレート
支持体であることができる。このような支持体は、製品
名Melinex(登録商標)でデュポン社から市販されてい
る。
【0043】本発明のある態様において、第二支持体
は、厚さは12〜250μmであって、0.77g/m2/日(0.05g/1
00in2/日)未満の水蒸気透過率を有する不透明バリア支
持体であり、この第二支持体は、集成体の外側から始ま
り順に以下を含む:裏打ち層、アルミニウム金属化バリ
ア層、繋ぎ(すなわち接着)層、紙層、繋ぎ層、及び二
軸延伸の微小空隙のある(microvoided)ポリオレフィン
又は樹脂コート着色ポリオレフィン層。金属化バリア層
を着色層と一緒に積層又はコートして審美的に心地よく
ないか見慣れない金属色を減少させることができる。好
適には、像形成層に最も近い面である不透明支持体の表
面は、90%を超える、好ましくは95%を超える光反射率
を有する。
【0044】さらに別の本発明の態様において、第二支
持体は不透明であり、厚さは12〜250μmであって、0.77
g/m2/日(0.05g/100in2/日)未満の水蒸気透過率を有す
る不透明バリア支持体であり、集成体の外部から始まり
順に以下を含む:裏打ち層、非電導バリア層(例えば、
透明支持体のものと同じバリア材料となることができ
る)、繋ぎ層、紙層、繋ぎ層、及び二軸延伸の微小空隙
のあるポリオレフィン又は樹脂コート着色ポリオレフィ
ン層。同じく、不透明支持体の表面は、90%を超える、
好ましくは95%を超える光反射率を有する。
【0045】黄味がかった色を持つ傾向があるフェノー
ル樹脂を使用する場合、不透明体の色彩は、現像剤の黄
味がかった色を補償するために変更することができる。
【0046】第二支持体が透明であるような場合では、
前述の第一支持体と同じである光透過性を有することが
好ましく、この光透過性は波長500nmで少なくとも約80
%である。この場合、同じ材料を、上側及び下側支持体
に使用することができる。上側及び下側の支持体に同じ
材料を使うことは、自蔵式集成体のカールを減少すると
いう長所がある。一方、第二支持体が不透明な場合は、
本発明の所望の低水蒸気透過率を達成するために、より
経済的にアルミナ又は他の金属箔を含む積層体を使用す
ることができる。
【0047】好ましくは、上部及び底部支持体の両方は
バリア支持体である。この場合、自蔵式集成体の周縁部
を封止して側面端部を通る水蒸気透過を防止することも
好ましい(任意である)が、像形成集成体の前面及び後
面に比べて表面積が小さいという観点から問題はほとん
どない。フィルムの縁を一緒に加熱封止してもよく、も
しくは、その他のいずれの技法によっても封止すること
ができる。
【0048】第二支持体をエマルジョン層又は像形成層
に接着するのに有用な材料は、良好な接着性を有する一
般的な「改質されたポリアクリレート」類から選択する
ことができ、これは接着性付与性樹脂又は他の化学添加
剤を添加することにより、改善された「接着性」を有す
るように配合される。有用な接着剤は、高い初期接着性
のために、またポリエステルのようなプラスチック基体
への接着のために設計されなければならない。これは、
多孔質材料(像形成層)に積層するために速く流れる能
力を持たなければならず、そしてさらに像形成層に関し
て不活性でなければならない。例えば本発明において有
用な非常に強力な接着剤は、3M社のフィルムラベルス
トック接着剤(3M社の#300及び#310接着剤配合を含
む)であり、これらは像形成層に対して「不活性」を示
す。本発明において有用な接着剤の別の例は、アシュラ
ンド・ケミカル社から市販されているAeroset(登録商
標)2177又はAeroset(登録商標)t2550、3240及び3250
のような水性接着剤、H. B.フラー社から入手可能なPD
0681、AP 6903及びW 3320、又はアルドリッヒケミカル
社から市販されているPS 508のような溶剤系感圧性接着
剤がある。接着剤は単独で又は組み合わせて使用するこ
ともできる。好ましくは、接着剤は、透明であるか半透
明であり、最も好ましくは、集成体を化学線及び像様の
曝露に必要な圧力に曝し、マイクロカプセルを破壊した
後にさえ透明なままである透明な接着剤である。接着剤
の量は、接着剤及び支持体の性質によって変動する。一
般に接着剤は、約0.5〜20g/m2の量で適用される。
【0049】透明支持体及び像形成層の間の接着を促進
するための下引き層は、像形成層と良好な適合性を持た
ねばならず、透明でなければならず、像形成層とセンシ
トメトリーレスポンスを生じてはならず、且つ化学的に
安定していなければならない。水性分散液として塗布す
ることができる非晶質ポリエステルは、下引き層材料と
して良好に作用することがわかっている。例えば、イー
ストマンケミカル社からのAQポリマーのような、より具
体的にはAQ38及びAQ55のような、低いヒドロキシル数及
び低い酸価を有する分子量5,000〜15,000のポリマーを
使用することができる。この下引き層を、乾燥コーティ
ング質量約0.1〜約5.0g/m2で、好ましくは乾燥コーティ
ング質量約0.5〜2.0g/m2で、透明支持体上にコートす
る。
【0050】好ましい下引き層は、紫外線(UV)吸収剤
も含有する。多くの種類のUV吸収材が、米国特許第3,21
5,530号、第3,707,375号、第3,705,805号、第3,352,681
号、第3,278,448号、第3,253,921号、第3,738,837号、
第4,045,229号、第4,790,959号、第4,853,471号、第4,8
65,957号及び第4,752,298号、第5,977,219号、第5,538,
840号及び英国特許第1,338,265号を含む先行技術文献に
おいて開示されている。最も好ましいUV吸収剤は、米国
特許第4,496,650号、第4,431,726号、第4,464,462号及
び第4,645,735号、第5,620,838号、欧州特許第0 190 00
3号、米国特許第3,761,272号、第3,813,255号、第4,43
1,726号、第4,455,368号及び第4,645,735号に開示され
た方法によって調製されるポリマーUV吸収剤である。
【0051】好適な光硬化可能な組成物、光開始剤、発
色材料、キャリヤー油及びマイクロカプセル層のカプセ
ル封入技法は、米国特許第4,440,846号;第4,772,541
号;及び第5,230,982号において開示されている。後者
の光硬化可能な組成物は非−銀系であるが、富士フィル
ム社に譲渡された米国特許第4,912,011号;第5,091,280
号及び第5,118,590号及びその他の特許に開示されてい
るような、銀ベースの光硬化可能なマイクロカプセル封
入されたシステムも、本発明での使用に好適である。
【0052】本発明の好ましい態様では、マイクロカプ
セルが各々赤光、緑光及び青光に感光性があるようなフ
ルカラー像形成システムが提供される。少なくとも1種
及び好ましくは3種全てのマイクロカプセルセット中の
光硬化可能な組成物を、カチオン性色素−ホウ酸アニオ
ン複合体、例えば米国特許第4,772,541号に開示されて
いるようなシアニン/ホウ酸塩複合体によって増感する
ことができる。最適な色バランスのためには、各マイク
ロカプセルは、各々およそ450nm、540nm及び650nmで感
光性(ラムダ最大)を有する。このようなシステムは、
直接透過又は反射像形成における可視光源に対して有用
である。このような材料は、カラー写真スライドの接触
プリント又は投影プリントの製造に有用である。これら
は、さらに適当な波長のレーザー、発光ダイオード、液
晶ディスプレイ又はペンシルライト光源を使っている電
子画像システムにおいても有用である。
【0053】カチオン性色素−ホウ酸アニオン複合体
は、400nmより大きい波長を吸収するので、それらは着
色される。低濃度像領域のマイクロカプセル中に存在す
る未反応の色素複合体は、最終写真の背景に望ましくな
い着色を生じることがあり、例えばマイクロカプセルの
混合は、わずかな緑がかった低濃度像領域を与える場合
がある緑になる傾向がある。現像された像に加え低濃度
像領域における望ましくない着色を減少させる方法は、
使われる光開始剤の量を減らすか、シアン、マゼンタ及
びイエローのマイクロカプセルの相対量を調節するか、
又は白色の不透明支持体中の色味補正を提供することを
含む。
【0054】マイクロカプセルで使われる光硬化可能な
組成物は、また、ジスルフィド共開始剤(coinitiator)
を含有することができる。有用なジスルフィド類の例
は、米国特許第5,230,982号に開示されている。そのよ
うなジスルフィド類を随意選択的に使用することによ
り、マイクロカプセルで使われる光開始剤の量を、背景
着色又は残留汚染が0.3濃度単位未満、好ましくは0.25
濃度単位未満になるようなレベルまで減少することがで
きる。
【0055】本発明の光硬化可能な組成物は、コアセル
ベーション、界面重合、油中での1種以上のモノマーの
重合に加え、様々な溶融、分散及び冷却法を含む、常用
の技法を用いる種々の壁形成によりカプセル化すること
ができる。最大感度を達成するために、それらの破壊能
力に関して、内側相の粘度の変化に応答する高品質カプ
セルを提供するようなカプセル封入技法を使用すること
が重要である。ホウ酸塩は酸感受性となる傾向があるの
で、より高いpH(例えば約6を超える)で実施されるカ
プセル封入法がむしろ好ましい。メラミン−ホルムアル
デヒドカプセルは特に有用である。米国特許第4,962,01
0号は、マイクロカプセルがシステム改質剤としてペク
チン及びスルホン化されたポリスチレンの存在下で形成
される本発明において有用な通常のカプセル封入法を開
示している。光減衰を最小にするカプセルサイズを選択
するのがよい。本発明において使用されるカプセルの平
均直径は、典型的には、ほぼ1〜25μmまで変動する。一
般な原則として、カプセルサイズが減少すると、像の解
像は改善される。しかし技術的には、カプセルは、1μm
又はそれ以上から、それが人間の目で認められるように
なりはじめるサイズまで変動することができる。
【0056】無カーボン紙技法で使用される現像剤材料
は本発明において有用である。具体的な例は、酸性クレ
ー、活性クレー、アタパルジャイトなどのようなクレー
鉱物材料;タンニン酸、没食子酸、没食子酸プロピルな
どのような有機酸;フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール−アセチレン縮合樹脂、少なくとも1つ
のヒドロキシル基を有する有機カルボン酸とホルムアル
デヒドの間の縮合などのような酸ポリマー;芳香族カル
ボン酸の金属塩又はそれらの誘導体、例えばサリチル酸
亜鉛、サリチル酸スズ、2-ヒドロキシナフトエ酸亜鉛、
3,5ジ-tertブチルサリチル酸亜鉛、3,5-ジ-(α-メチル
ベンジル)サリチル酸亜鉛、油溶性金属塩又はフェノー
ル−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(例えば米国特許
第3,672,935号及び第3,732,120号を参照のこと)、例え
ば、米国特許第3,732,120号に開示された、亜鉛改質さ
れた油溶性フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、炭酸亜
鉛等並びにその他の混合物がある。現像剤材料の粒径
は、像の品質に影響を及ぼす場合がある。ある態様にお
いて、現像剤粒子は、約0.2〜3μmの範囲、好ましくは
約0.5〜1.5μmの範囲で選択される。ポリエチレンオキ
シド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ア
クリル系ラテックス、ネオプレンエマルジョン、ポリス
チレンエマルジョン及びニトリルエマルジョンなどから
選ばれる一種以上の適当な結合剤が、現像剤及びマイク
ロカプセルと、典型的には約1〜8質量%の量で混合さ
れ、コーティング組成物が調製される。好ましい現像剤
材料は、例えば、Schenectady International樹脂HRJ-4
250溶液のような、マイクロカプセルスラリー溶液に優
れた適合性を提供するものである。
【0057】感光性の記録媒体として使われる自蔵式像
形成集成体は、前述の態様に限られるものではないが、
それらの様々な変更又は修飾が可能である。例えば、自
蔵式像形成集成体のマイクロカプセルの中に、光硬化可
能な樹脂及び重合開始剤をカプセル封入する代わりに、
光硬化可能な樹脂及び重合開始剤を、マイクロカプセル
を構成している材料中に導入することもできる。さら
に、光硬化可能なマイクロカプセルの代わりに、自蔵式
像形成集成体は、光−軟化性マイクロカプセル、例えば
露光されていない状態で十分な強度を持ち、あらかじめ
定められた波長の光に曝露されると軟化するようなマイ
クロカプセルを含むことができる。この場合、熱−定着
による熱硬化を実行することが望ましい。
【0058】当該像形成層において像を捕らえるために
赤光、緑光及び青光を使う必要はなく、感光性の記録媒
体の特性によって、様々な波長の光を選択することがで
きる。例えば、赤外光、赤光、及び緑光を生じる発光素
子、又は赤外光及び遠赤外光及び赤光を生じる発光素子
を選択することができる。紫外光及び遠紫外光も、発光
素子における有効な色選択の有益な例である。さらに、
発光素子の色数は、赤・緑・青の3色に限られていな
い。1、2色だけを使うか、又は、イエロー、マゼンタ、
シアン及びブラックを使用する典型的なカラープリンタ
の場合のような4色、又はそれ以上の色を選択するか
は、可能性は同等である。さらに、発光素子の選択は、
LED、エレクトロルミネセントランプ(EL)、プラズマ
及びレーザー装置、及びその他の発光素子を含むが、こ
れらに限定されるものではない。
【0059】本発明の集成体を本発明に従う典型的な構
造を用いて次のように製造することができる。透明支持
体を3種類の別個の材料、セラミックコートされた第一
積層体層、ポリエステル層及びセラミックコートされた
第二積層体層を積層することによって半製造することが
できる。これらの3種類の材料を追加のUV吸収下びき
層と一緒に透明支持体に形成することができる。同時に
不透明支持体を、3種類の別個の材料、ポリオレフィン
系材料、ペーパーストック、及びアルミニウムコートさ
れたバリアシートの積層体によって半製造することがで
きる。これらの3種類の材料を、裏打ち/艶消層を追加
することにより、不透明支持体に形成することができ
る。その後エマルジョン又は像層を、透明支持体に適用
し、集成体の2つの最終構成部分の第一構成部分、エマ
ルジョン含有構成部分を形成できる。これは、その後、
前記不透明支持体と組み合わせて、一定の相対湿度に予
備調節できる最終積層体を形成する。最終積層体を、切
断し、縁部を封止し、その後包装し、バーコードを付す
ことができる。
【0060】像形成システムが支持体間で効果的に封止
されることを確実にするために、下引き層を、透明支持
体を像形成層と接着するために提供し、接着剤を後部支
持体と像形成層との間に提供する。光学透明度のため
に、下引き層は、典型的には第一支持体と像形成層との
間に配置される。しかし、どの支持体が下引き層を受
け、どの支持体が接着剤を受けるかは、どの支持体が湿
式像形成層組成物により被覆され、そしてどちらが被覆
され乾燥された像形成層共に組み立てられるかの作用で
ある。像形成層組成物で被覆された支持体(これは概し
て前部支持体である)は、下引き層と共に提供され、組
み立てられる支持体は接着剤を受け入れるであろう。本
発明の好ましい態様において、下引き層は、マイクロカ
プセルと反応して結合するヒドロキシ基のような化学基
を有する化合物から形成される。
【0061】本発明の像形成集成体は、像を提供するた
めの好適なカメラ又はその他の露光装置内で露光するこ
とができる。本発明の像形成集成体は、特にビデオカセ
ットレコーダー、カムコーダーなどからの像再現のため
に、コンピューター作製した信号又はビデオ信号により
駆動される液晶アレイ又は発光ダイオードを使う露光に
適している。例えば、現行の技法では、Compact Flash
(登録商標)カードインターフェースを用いるデジタル
カメラから直接印刷し、連続階調と250以上の階調レベ
ルを伴う、150ppi以上の解像度を提供するような、質量
500g未満でサイズが100,000mm3未満の非常に経済的な小
型プリンターを利用することが可能である。
【0062】選択的に光硬化されたマイクロカプセル封
入された発色剤、加圧又は加熱及び加圧によって形成さ
れた「潜像」を基に、プリントが「現像される」。例え
ば、Iwasakiの米国特許第.5,884,114号に開示された像
形成装置を参照されたい。ここで感光式及び感圧式プリ
ンターは、プリンターハウジングの前部において、感光
性の像形成媒体の供給と排出を提供しする。この装置
は、パーソナルコンピューターのようなその他の装置に
容易に組み込まれるという更なる利点を有する。この特
定の装置において、潜像は、LED-型露光ヘッドが主走査
方向に移動することによって形成される。その後、現像
機構上の上側ニップローラーを、離れた位置から加圧位
置に移動する。光硬化されていないカプセルは圧力によ
り破壊され、フルカラー像がシート上に形成され、熱−
定着(これは本発明においては任意選択である)が、フ
ィルムヒーターにより行われ、像形成された集成体は、
当該装置又はプリンターのハウジングの前部から排出さ
れる。
【0063】典型的な加圧型像形成装置(これはプリン
ターと称することができる)は、容易に分離可能なよう
に、プリンターハウジングの前端に装着された、感光性
の像形成媒体(あるいは記録媒体と称される)を収容す
るため耐光性カートリッジを備えたプリンターハウジン
グを有する。一部の装置において、感光性の像形成媒体
を予熱するためにプレヒーターが使用される。典型的露
光機構は、描画の表面に対し垂直方向の露光と同時にス
キャニングのための露光ヘッド及び一組の上側及び下側
のニップローラーにより圧力現像するための現像機構を
含むことができる。このローラーは、ばねにより圧力下
に維持することができる。現像した感光性の像形成媒体
を熱−定着するための任意選択の定着ヒーターを使用す
ることができる。排出トレーを、プリンターハウジング
の後部に用意することができる。感圧式プリンターは、
プリンターハウジングの前部でシートの供給及び排出の
両方が行われるように設計することができる。
【0064】像形成媒体の処理のための像形成装置は、
例えば、画像情報を基に露光時に像形成媒体上に潜像を
形成するための露光手段、該露光手段により潜像が形成
された感光性像形成媒体に圧力が加えられた時にマイク
ロカプセルから出る色材による潜像を現像するための現
像手段を含む。該現像手段は、互いに向かい合い且つ感
光性の像形成媒体の運搬経路を挟んでいる一組の上側及
び下側のニップローラー、一方のニップローラーを他方
のニップローラーに対して加圧するための加圧手段、一
方のニップローラーが他方のニップローラーに圧力接触
をもたらす加圧位置と、一方のニップローラーが他方の
ニップローラーから離れているような分離位置の間で交
互にスイッチするローラースイッチ手段を備え、そし
て、感光性の像形成媒体を輸送するための運搬経路は、
入口側に感光性の像形成媒体を供給するための供給経
路、記録された感光性像形成媒体を排出するための排出
経路を含むことができる。
【0065】1つの態様において、現像機構は、一組の
上側及び下側のニップローラー、ニップローラーを支持
するためにプリンターハウジングを内部に固定された矩
形の外枠、上側ニップローラーのローラー軸の両端を下
側ニップローラーへ向けて押すための一対の圧縮ばね、
及び上側のニップローラーが下側のニップローラーに圧
力接触をもたらす加圧位置と、これが下側のニップロー
ラーから離れているような分離位置との間で交互にスイ
ッチングするローラースイッチ機構を含むことができ
る。各ばねの加圧力が1470Pa(150kgf)であるならば、上
側のニップローラーが合計力2940Pa(300kgf)で下側ニッ
プローラーを押す。しかし、例えば圧力針のような、加
圧する別の手段を用いることもできる。
【0066】像形成装置のための制御装置は、CPU、ROM
及びRAM、I/Oインターフェイス、及び駆動回路を含むこ
とができ、ここで紙送りのためのステップモーター、ス
イッチ板を駆動するためのソレノイド作動装置、フィル
ムヒーター、ローラーをスイッチするためのモーター、
カートリッジを駆動するためのステップモーター、露光
ヘッドなどが各々駆動回路に接続されている。コネクタ
及びコントロールパネルも制御回路に連結することがで
きる。1つの態様では、外部ホストコンピュータからの
画像データ(RGB画像データ)を、コネクタを介して制
御装置に供給することができる。
【0067】ROMは、プリンターの全ての操作を制御す
るために制御プログラム、入力された画像データから、
露光ヘッドのLEDを点灯する期間及び時機を計算するた
めの制御プログラム、緑光、赤光及び青光への露光と同
期するシート輸送用のステップモーターの制御による自
蔵式の像形成集成体の運搬を制御するための制御プログ
ラム、緑光、赤光及び青光への露光と同期するようにキ
ャリッジを駆動するためのステップモーターを制御する
ことによる露光ヘッドの走査を制御する制御プログラム
などを記憶することができる。制御プログラムを走らせ
るために必要な様々なバッファー及びメモリータイプは
RAMの中にある。コンントロールパネルへの操作者によ
る、プリントされるコピー数、画像の拡大又は縮小比、
像形成集成体の像形成領域のサイズ等の入力を、RAMメ
モリーに記憶することができる。ステップモーターのた
めに駆動条件の計算時に露光を行うことができる。
【0068】ある種の像形成装置では、像の画像データ
が制御装置に送られると、この画像データは、R画像デ
ータ、G画像データ及びB画像データに分解され、RAMの
バッファーに保存される。各LEDの露光加熱を、ケーブ
ルを介した駆動回路によって電気的に駆動することがで
きる。
【0069】本発明を実施するひとつの態様において、
像形成媒体シートは、プリンターに入るシートの束とし
て包装することができる。個々のシートは、シートの束
から取り上げられ、プリンターの「プリント経路」に送
ることができる。しかし、同時に2枚以上のシートが取
られ、プリンターのプリント経路に供給されると、プリ
ンターは紙詰まりを生じ、ユーザーは分解することが必
要となる。この問題を避けるために、包装する直前にシ
ートの静電気を減少又は除去してもよく、またプリンタ
ーフィルムカセット又はトレーの精密蝶番を使用しても
よい。同じく、プリンターへのシート供給をさらに補助
する方法は、像形成媒体に「裏面コート」又は裏打ち層
を追加することである。これは、第二支持体(それは反
対側に接着剤を有する)の底の外側表面上、典型的には
白色支持体層にコートされることが好ましい。この裏面
コート材料は、知覚される審美的価値(例えば書くこと
ができるか印刷できるコーティング)を有するように配
合することができるが、これらの層が互いに接着するこ
とがないような隣接するシート表面と若干の相対差を有
さなければならない。好ましい裏打ち層材料は、シート
のプリンターへの移動を開始する「プリンターのピック
アップローラー」を補助するために、3M社のラベルスト
ック材料上の標準の表面マットコーティングのように、
例えば、150-180シェフィールド単位のシェフィールド
平滑度のような、わずかな粗度を有する。他の市販又は
公知のマットコーティングも使用することができる。一
般に、これらのコーティングは、結合剤及びシリカのよ
うな粗粒又は研磨剤を含有することができる。好ましく
は、第一支持体の前面及び第二支持体の後面は0.4未満
の摩擦係数を持つ。
【0070】
【実施例】本発明を、下記の限定的でない例により具体
的に説明する。例1 この例は、光硬化可能なマイクロカプセルを含んでいる
像形成集成体のセンシトメトリーレスポンスに対する、
水分バリアの効果を具体的に説明する。サイカラー社
(Cycolor, Inc,)から市販されている光硬化可能なマイ
クロカプセルを像形成層中に含んでいる像形成媒体を、
プラスチック製のカートリッジ内に包装された形で得
た。カートリッジ内の媒体を、相対湿度80%/21℃(70
°F)で3日間、予備調節した。その後これらの予備調節
された媒体にVivtar VPP-150(登録商標)Photo Printe
rを用いてプリントを作製した。これらのプリントは、
新鮮な媒体に対するセンシトメトリーレスポンスを提供
した。
【0071】次に残っている予備調節した媒体を、カー
トリッジから取り出し、暗室で2群、即ち、I群及びII群
に分けた。I群の個々の媒体の試料を、相対湿度80%の
暗室において、水蒸気透過率約0.47g/m2/日(0.03g/100
in2/日)を有するバリア材料で形成されたバッグ内に個
別に詰めた。このバッグは、実質的に媒体と同じ寸法に
製造し(長さ×幅)、熱により縁を封止した。II群の媒
体を対照として使った。両群の媒体は、相対湿度40%/
21℃(70°F)で暗室に静置し、Vivtar VPP-150(登録
商標)Photo Printerを用いて、所定の時間間隔0、2、
4、7、14、28、35、42及び49日目にプリントを作成し、
センシトメトリーレスポンスに対するより低い湿度の作
用を測定した。I群の媒体は、プリントの直前に、密封
されたバッグから取り出し、プリント直前に空のカート
リッジに入れた。両群のプリントの個々の光学最小色濃
度(Dmin)を、それぞれ、シアン色素、マゼンタ色素及
びイエローの色素についてのDminを得るために、X-Rite
820TR(商標)デンシトメータを使って測定した。結果
を、図7〜9について示した。
【0072】図7は、様々な時点で測定した、相対湿度4
0%に曝露した、群I及び群II(対照)からの媒体から製
造したプリントについてのイエロー色素におけるDminを
示す。図8は、様々な時点で測定した、相対湿度40%に
曝露した、群I及び群II(対照)からの媒体から製造し
たプリントについてのマゼンタ色素におけるDminを示
す。図9は、様々な時点で測定した、相対湿度40%に曝
露した、群I及び群II(対照)からの媒体から製造した
プリントについてのシアン色素におけるDminを示す。
【0073】これらの実験は、対照(群IIの媒体)のDm
inが、わずか2日後にかなり増加したことを示してい
る。他方、群Iの水分バリアされた媒体は、最大35日間
相対湿度40%に曝した後でも、Dminの変化を示さなかっ
た。この試験結果は、本発明に従いバリア材料で媒体を
積層することが、湿度変化に起因する像形成集成体のセ
ンシトメトリーレスポンスの変動を最小限にすることを
証明している。
【0074】本発明は、その好ましい態様を参照にして
詳細に説明したが、請求項に規定された本発明の範囲か
ら逸脱しない限りは、改造及び変更が可能であることは
明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、先行技術の像形成システムの断面図で
ある。
【図2】図2は、露光後及びマイクロカプセル破壊後の
図1の先行技術の像形成システムの断面図である。
【図3】図3は、本発明のバリア層を有している像形成
システムの断面図である。
【図4】図4はバリア層の下にポリエステル層をさらに
含むバリア層を有する像形成システムのもう一つの態様
の断面図である。
【図5】図5は二つのバリア層が存在する本発明の像形
成システムのもう一つの態様の断面図である。
【図6】図6はフッ素化ポリマーバリア層がポリエステ
ル層の上に積層されている、本発明の像形成システムの
もう一つの態様の断面図である。
【図7】図7は例1の結果を基にした、イエロー色素にお
ける時間の関数として、相対湿度40%及び21℃で本発明
において使用するバリア処理した媒体のDminの変化を示
す。
【図8】図8は、例1の結果を基にした、マゼンタ色素に
おける時間の関数として、相対湿度40%及び21℃で本発
明において使用するバリア処理した媒体のDminの変化を
示す。
【図9】図9は、例1の結果を基にした、シアン色素にお
ける時間の関数として、相対湿度40%及び21℃で本発明
において使用するバリア処理した媒体のDminの変化を示
す。
【符号の説明】
2…第一透明支持体 3…下引き層 4…像形成層 5…光硬化可能なマイクロカプセル 8…接着層 10…第二支持体 20…ポリエステル基体 22…アルミニウムバリア層 24…UV下びき層 26…像形成層 28…接着層 30…支持体 32…バリア層 40…バリア複合フィルム 42…透明ポリエステルフィルム 44…プライマー層 46…UV下びき層 48…像形成層 50…接着層 52…白色支持体 55…透明支持体 78…白色支持体 81…透明支持体 98…白色支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テリー アラン ヒース アメリカ合衆国,ニューヨーク 14423, カレドニア,バーチ レーン 47 (72)発明者 クリスティン ビー.ローレンス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14616, ロチェスター,モロー ドライブ 204 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB00 AC01 AD01 AD03 CC16 DA03 DA10 DA18 DA40 FA03 FA26 2H096 AA00 BA20 CA05 CA20 EA02 EA14 GA55

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順に、 厚さが12〜250μmであり且つ波長550nmで少なくとも80
    %の光透過性を有するの透明第一支持体、 同じ又は隣接する像形成層内の現像剤材料と反応するこ
    とができる色前駆体をカプセル封入している複数の光硬
    化可能なマイクロカプセルを含む少なくとも1つの像形
    成層、及び透明又は不透明であることができる第二支持
    体を含んでなる自蔵式光硬化可能な像形成集成体であっ
    て、 前記第一支持体及び前記第二支持体の少なくとも一方が
    バリア層を含み且つ0.77g/m2/日未満の水蒸気透過率を
    有する自蔵式光硬化可能な像形成集成体。
  2. 【請求項2】 順に、 厚さが12〜250μmであり且つ波長450nm〜800nmで少なく
    とも80%の光透過性を有し、そして0.77g/m2/日未満の
    水蒸気透過率を有する透明第一支持体、 同じ又は隣接する像形成層内の現像剤材料と反応するこ
    とができる色前駆体をカプセル封入している複数の光硬
    化可能なマイクロカプセルを含む少なくとも1つの像形
    成層、及び厚さが12〜250μmであり且つ0.77g/m2/日未
    満の水蒸気透過率を有する、透明又は不透明であること
    ができる第二支持体を含んでなる自蔵式光硬化可能な像
    形成集成体。
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