JP2001318248A - 高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

高分子光導波路の製造方法

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JP2001318248A
JP2001318248A JP2000139682A JP2000139682A JP2001318248A JP 2001318248 A JP2001318248 A JP 2001318248A JP 2000139682 A JP2000139682 A JP 2000139682A JP 2000139682 A JP2000139682 A JP 2000139682A JP 2001318248 A JP2001318248 A JP 2001318248A
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JP2000139682A
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Motomu Yoshimura
求 吉村
Teruhiko Kumada
輝彦 熊田
Seiki Hiramatsu
星紀 平松
Shintarou Minami
伸太朗 南
Yukiyasu Nakao
之泰 中尾
Takahiro Nishioka
孝博 西岡
Tetsuyuki Kurata
哲之 蔵田
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子導波路の原材料の塗布過程が同一の高
分子を用いて2回で済み、作製工程を効率化させ製作コ
ストの低減化を図る。シングルモードとマルチモードの
導波路の作製が精度よく容易にできるようにするととも
に、多機能・多層化の光導波路を容易に提供できるよう
にする。 【解決手段】 基板上にシラノール型有機シロキサン系
高分子を塗布し、パターニングしたのちに、アルキル化
ゲルマニウムアミンまたはアルキル化シリコンアミンと
アルキル化ゲルマニウムアミンとの蒸気に曝すことによ
り、コア部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路およびそ
の製造方法に関し、くわしくは光情報通信機器におい
て、光ファイバと連結させて光ファイバより送られてき
た光情報を適宜処理して再び光ファイバに光情報を出力
する機能を有する光導波路およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の光導波路には、石英ガラスおよび
半導体などの無機材料系がよく用いられている。無機系
光導波路、とくに石英系では、光ファイバとの結合損失
が少なく、光通信に用いられている1.3μm帯および
1.55μm帯の光の導波特性がとくに優れている。し
かしながら、材質が脆いために物理的に破損しやすく、
また、加工性にもおとり、大面積化も困難である(特開
平10−3013号公報)。
【0003】無機材料では材料自身が重いこと、加工が
容易でないこと、破損し易いことなどの問題から、有機
材料を光導波路に用いる研究開発も行なわれている。有
機材料としては、アクリレート系高分子、カーボネート
系高分子、アミド系高分子、イミド系高分子、ウレタン
系高分子およびエポキシ系高分子などが検討されている
(特開平11−133254号公報、特開平11−23
871号公報、特開平10−170739号公報、特開
平10−332962号公報)。有機材料では、加工性
が容易である、大面積化が可能であるなどの利点を有し
ている(今村、高分子、43巻、4号、p.271(1
994))。また、柔軟性に富み形状も種々なものが考
えられる(特開平11−38241号公報)。
【0004】しかしながら、高分子を構成している分子
自身のC−H結合の赤外域での光吸収と、有機高分子導
波路に吸着する水分によるO−H結合の赤外域での光吸
収のために、光通信に用いられている1.3μm帯およ
び1.55μm帯の光の導波特性が無機材料に比べて劣
っている(特開平6−109936号公報)。また、石
英光ファイバとの結合特性もわるく、結合損失が大き
い。また、クラッド部とコア部とを形成するために、少
なくとも2種類の高分子を用意する必要がある。さら
に、集積基板との結合にははんだが用いられるがそのは
んだ温度に耐えることが困難である(今村、高分子、4
3巻、4号、p.271(1994))。また、基板と
の馴染みもわるい(特開昭61−240207号公
報)。そのために、高分子導波路が基板から剥離する欠
点がある。
【0005】この欠点を解決するために、有機シリコン
系高分子を導波路材料にする研究が行なわれている(特
開平6−109936号公報、特開平6−172533
号公報、特開平5−66301号公報、特開平3−18
8402号公報、特開昭61−240207号公報)。
シリコン系材料を基板に用いる場合には、導波路も同じ
シリコン系材料なのでお互いに馴染みがよく、剥離が起
こり難く密着性がよくなる。また、シリコン系材料であ
るので、耐熱性もよく、有機シリコン系高分子を用いて
いるために脆弱性も解決される。
【0006】このシリコン系材料の場合でもコア部とク
ラッド部との屈折率差を生じさせるために、種々の検討
がなされている。代表的な方法は、化学構造の異なる2
種類のシリコン系高分子を用いる方法である。たとえ
ば、置換基の有機性の部分を変えることである(特開平
10−36511号公報)。もう一つには、有機シリコ
ン系高分子の骨格のシリコン元素を他の3価および4価
の金属元素で置き換えた有機置換基を有する高分子をコ
ア材料に用いる方法である(特開平5−66301号公
報)。この場合には、有機シリコン系高分子と他の金属
元素を有する化合物とを反応させて、骨格のシリコン元
素を他の金属元素に置換した別の高分子を作成して、こ
の高分子をコア材料として用いる。このために有機シリ
コン系高分子の骨格を形成するシリコンを他の金属元素
に置換する化学合成が必要になる。
【0007】さらに、このような材料系では、光導波路
の作成は、基板上にまず有機シリコン系高分子を塗布
し、その上に、コア材として用いる別の高分子を塗布
し、コアパターンを形成し、さらにその上に、上部クラ
ッドとして、有機シリコン系高分子を塗布することにな
る。すなわち、少なくとも、高分子の塗布過程が3回必
要である。また、シリコンを置換させた別の金属系の高
分子を合成する必要がある。
【0008】これまでの有機高分子系材料を用いた光導
波路には、前述のような種々の問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の有
機高分子系材料を用いた光導波路では、有機シリコン系
高分子以外を用いた場合には、基板との馴染みがわる
く、化学構造上のC−H結合と、材料に吸着する水分の
O−H結合の近赤外域における吸収があるために、光通
信で用いられる1.3μm域と1.55μm域での導波
損失が大きくなる。また、対はんだ熱特性もわるく、さ
らに、石英ファイバとの結合損失も大きくなる。また、
これらの問題点を解決するために有機シリコン系高分子
を用いても、少なくとも2種類の高分子をコア材とクラ
ッド材として用いる必要がある。最低でも、下部クラッ
ド、コア、上部クラッドの形成のために最低3回の高分
子の塗布過程とコア部のエッチング工程が必要となる。
【0010】本発明では、基板上にシラノール型有機シ
ロキサン系高分子を塗布し、その上にレジストパターン
を形成したのちに、アルキル化シリコンアミンとアルキ
ル化ゲルマニウムアミンとの混合物の蒸気に曝す方法に
より高分子材料系の光導波路を形成し、前述した従来の
技術の欠点を解決しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
板上にシラノール型有機シロキサン系高分子を塗布し、
その上にレジストを塗布してパターニングしたのちに、
アルキル化ゲルマニウムアミンまたはアルキル化シリコ
ンアミンとアルキル化ゲルマニウムアミンとの混合物の
蒸気(ベーパー)に曝すことを特徴とする光導波路の製
造方法(請求項1)、請求項1記載の工程を2回以上行
ない、その都度、常に同じ像様の光照射を行なうことを
特徴とする光導波路の製造方法(請求項2)、請求項1
記載の工程を2回以上行ない、そのうちの少なくとも一
度は他と異なる像様の光照射を行なうことを特徴とする
光導波路の製造方法(請求項3)、シラノール型有機シ
ロキサン系高分子に式(1)で表わされる高分子を用い
た光導波路の製造方法(請求項4)、シラノール型有機
シロキサン系高分子に式(2)で表わされる繰り返し単
位を有する高分子を用いた光導波路の製造方法(請求項
5)、シラノール型有機シロキサン系高分子に式(1)
で表わされる繰り返し単位と式(2)で表わされる繰り
返し単位を有する共重合体高分子を用いた光導波路の製
造方法(請求項6)、シラノール型有機シロキサン系高
分子に式(1)で表わされる繰り返し単位および/また
は式(2)で表わされる繰り返し単位と、式(3)で表
わされる繰り返し単位、式(4)で表わされる繰り返し
単位、式(5)で表わされる繰り返し単位、式(6)で
表わされる繰り返し単位、式(7)で表わされる繰り返
し単位および式(8)で表わされる繰り返し単位からな
る群から選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を有す
る共重合体高分子を用いた光導波路の製造方法(請求項
7)、アルキル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニ
ウムアミンとの混合比率を適宜変化させることを特徴と
する光導波路の製造方法(請求項8)、前記の方法によ
って製造される光導波路(請求項9)ならびにクラッド
部がシラノール型有機シロキサン系高分子からなり、コ
ア部がトリアルキルゲルマノキシ基を側鎖に有する有機
シロキサン系高分子からなる光導波路(請求項10)に
関する。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】式(1)〜(8)においてRはハロゲンを
有することができるアルキル基またはアルキル基もしく
はハロゲンを有することができるフェニル基を表わす。
【0015】
【発明の実施の形態】一般に、光導波路としては、屈折
率の大きいコア部と、コア部を取り囲む屈折率の低いク
ラッド部を有する光導波路がある。本発明の光導波路
は、クラッド部が、シラノール型有機シロキサン系高分
子からなり、コア部が、シラノール型有機シロキサン系
高分子の水酸基の一部または全部をトリアルキルゲルマ
ノキシ基またはトリアルキルシロキシ基とトリアルキル
ゲルマノキシ基とで置換した構造を有する高分子からな
る。
【0016】本発明の製造方法では、シラノール型有機
シロキサン系高分子を母体高分子として光導波路を製造
する。本発明によれば、シラノール型有機シロキサン系
高分子を母体高分子として、コア部を形成する高分子の
OH基がアルキル化ゲルマノキシ基(トリアルキルゲル
マノキシ基)で置換された光導波路を得ることができ
る。
【0017】基板上にシラノール型有機シロキサン系高
分子を塗布し、その上にレジストを塗布してパターニン
グ(パターンを形成)したのち、アルキル化ゲルマニウ
ムアミンまたはアルキル化シリコンアミンとアルキル化
ゲルマニウムアミンとの混合物の蒸気に曝すことによ
り、シラノール型有機シロキサン系高分子の側鎖(OH
基)にゲルマニウム元素(トリアルキルゲルマノキシ
基)を置換させた成分からなる部分を形成させることが
できる。この部分は、屈折率が大きく、コア部とするこ
とができる。
【0018】基板としては、たとえば、石英、シリコ
ン、酸化シリコン、ガラス、セラミックス、ガリウム砒
素などを用いることができる。
【0019】基本材料(母体材料)となるシラノール型
有機シロキサン系高分子としては、たとえば、直鎖状高
分子、ラダー型高分子を用いることができる。シラノー
ル型有機シロキサン系高分子の分子量としては、100
00〜100000が好ましい。分子量が10000未
満では高分子膜としての製膜性が不良になる傾向があ
り、100000をこえると高分子膜の膜質が不均一に
なる傾向がある。シラノール型有機シロキサン系高分子
としては、たとえば、式(1)の繰り返し単位を有する
高分子、式(2)の繰り返し単位を有する高分子、式
(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返し単位を有す
る共重合体高分子、式(1)の繰り返し単位および/ま
たは式(2)の繰り返し単位と、式(3)〜式(8)の
いずれかの繰り返し単位の少なくとも1つを有する共重
合体高分子をあげることができる。すなわち、式(1)
〜式(8)で表わされる繰り返し単位およびその他の繰
り返し単位を適宜組み合わせて得られるシラノール型有
機シロキサン系高分子を用いることができる。式(1)
〜式(8)中、Rはアルキル基とすることができるが、
アルキル基の炭素数は1〜7であることが好ましく、よ
り好ましくは1〜5である。炭素数が5をこえると高分
子のガラス転移点が低くなる傾向がある。
【0020】レジストの厚さは、通常3〜10μmであ
り、5μm前後が好ましい。
【0021】アルキル化シリコンアミンとしては、たと
えば、式(9)で表わされるトリアルキルシリコンアミ
ンを用いることができる。アルキル化ゲルマニウムアミ
ンとしては、たとえば、式(10)で表わされるトリア
ルキルゲルマニウムアミンを用いることができる。式
(9)および式(10)中、Rはアルキル基を表わし、
好ましくは、炭素数が1〜6、より好ましくは1〜3の
アルキル基を表わす。炭素数が6をこえると気相反応で
置換を起こす反応効率が落ちる。 (SiR32NH 式(9) (GeR32NH 式(10)
【0022】アルキル化ゲルマニウムアミンまたはアル
キル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムアミン
との混合物の蒸気の曝露は、たとえば、窒素気流中で行
なうことができる。
【0023】蒸気の曝露は、通常蒸気圧が100〜10
パスカルの間で行なうことができるが、30パスカル付
近が好ましい。蒸気圧が100パスカルをこえるとアル
キル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムアミン
が気化しにくくなる傾向があり、逆に10パスカル未満
では気化しすぎ、反応効率が落ちる傾向がある。
【0024】蒸気温度は、通常150〜250℃とする
ことができるが、200℃付近が好ましい。蒸気温度が
150℃未満ではアルキル化シリコンアミンとアルキル
化ゲルマニウムアミンが気化しにくくなる傾向があり、
逆に250℃をこえると気化しすぎ、反応効率が落ちる
傾向がある。
【0025】蒸気の曝露は、通常は、30〜60分間行
なうことが好ましい。曝露時間が30分未満ではアルキ
ル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムアミンに
よる置換反応が完了しない傾向があり、60分をこえる
と置換反応がコア形成部以外でも起こる傾向がある。
【0026】蒸気の曝露によってレジストが除去された
部分のシラノール型有機シロキサン系高分子の側鎖(O
H基)のHをアルキル化ゲルマニウムに置換することが
でき、その部分の屈折率を大きくすることができ、コア
部とすることができる。この置換反応により、シラノー
ル型有機シロキサン系高分子のシラノール部位がアルキ
ル化シリコンアミンまたはアルキル化ゲルマニウムアミ
ンと反応して、トリアルキルシロキシ基またはトリアル
キルゲルマノキシ基となる。これらの置換基により、こ
れらの部分の屈折率を元のシラノール型有機シロキサン
系高分子部の屈折率よりも大きくすることができる。す
なわち、コア部とすることができ、元のシラノール型有
機シロキサン系高分子部をクラッド部とすることができ
る。
【0027】さらにこの上に、元のシラノール型有機シ
ロキサン系高分子を溶媒に溶解させたものを塗布するこ
とにより、上部クラッド部を形成することができる。
【0028】すなわち、1種類の高分子のみを基本材料
(母体高分子)として導波路を形成することができると
ともに、高分子の塗布過程も2回で済む。さらに、コア
部のエッチング工程も省くことができる。すなわち、コ
ア部を形成するために屈折率の異なる別の高分子を新し
く作成する必要もなく、その高分子を下部クラッド部の
上に塗布し、かつ、導波路形状に露光・エッチングする
必要もない。
【0029】シラノール型有機シロキサン系高分子を溶
解させる溶媒としては、たとえば、メチルイソブチルケ
トンなどを用いることができる。メチルイソブチルケト
ンに溶解させるときのシラノール型有機シロキサン系高
分子の濃度としては10〜15重量%が好ましい。10
重量%未満では粘度が低すぎるためにスピンコート製膜
が困難になる傾向があり、15重量%をこえると粘度が
高くなりすぎるためにスピンコート製膜が困難になる傾
向がある。
【0030】上部クラッドの厚さは、10〜25μmで
あることが好ましい。上部クラッドの厚さが10μm未
満では導波光が漏れ出て導波損失が大きくなる傾向があ
り、25μmをこえるとクラッド層内部にクラックが生
じて導波光の散乱が大きくなり、導波損失が大きくなる
傾向がある。
【0031】クラッド部とコア部との屈折率の違い、い
わゆる比屈折率差は、光導波路の特性として極めて重要
である。比屈折率差は、通常は、0.1〜1.0%とす
る。比屈折率差を0.3%以下とすることにより、シン
グルモードの光を導波させることができる。比屈折率差
を1.0%以下とすることにより、マルチモードの光を
導波させることができる。クラッド部とコア部の屈折率
の制御は側鎖をゲルマニウム元素に置換する割合を制御
することにより行なうことができる。
【0032】置換割合の制御は、たとえば、アルキル化
シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムアミンとの混
合物において、それぞれのアミンの混合比を制御するこ
とにより行なうことができる。アルキル化シリコンアミ
ンとアルキル化ゲルマニウムアミンの混合比率はモル比
で1:2〜1:20の間で変化させることができる。ア
ルキル化シリコンアミンを1としたときのアルキル化ゲ
ルマニウムの比率が2より小さいとコア部の屈折率が充
分には大きくならない傾向があり、20より大きいとコ
ア部の屈折が大きくなりすぎる傾向がある。
【0033】また、側鎖にシラノール基を有しない繰り
返し単位とシラノール基を有する繰り返し単位を有する
共重合体高分子を基本材料(母体高分子)として、シラ
ノール基を有する繰り返し単位の割合を制御して、側鎖
のゲルマニウム置換を行なうことにより、行なうことが
できる。
【0034】比屈折率差の特性以外に、コア部の形状を
制御することにより、シングルモードとマルチモードの
光をそれぞれ導波させることができる。コアの形状を7
μm角程度とすることにより、シングルモードの光を導
波させることができる。一方、マルチモードの光は数十
μm角の大きさのコアでも導波させることができる。コ
ア部の形成および形状制御はレジストパターンの像様を
制御することにより行なう。一方、深さについては、ア
ルキル化ゲルマニウムアミンの曝露量により制御するこ
とができる。コアの深さを数十μmにまで深くするに
は、基板上にシラノール型有機シロキサン系高分子を塗
布し、常に同じレジストパターンを用いて、アルキル化
ゲルマニウムアミンまたはアルキル化シリコンアミンと
アルキル化ゲルマニウムアミンとの混合物の蒸気に曝す
工程を少なくとも2回以上行なうことにより、達成する
ことができる。この工程の繰り返し回数は所望するコア
の厚さにより決定することができる。
【0035】さらに、各導波路層でのコア形状を変える
ことにより、導波特性を変えることができる。基板上に
シラノール型有機シロキサン系高分子を塗布し、レジス
トパターン形成後、アルキル化ゲルマニウムアミンまた
はアルキル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウム
アミンとの混合物の蒸気に曝す工程を少なくとも2回以
上行ない、各工程ごとのレジストパターンの像様を変え
て行なうことにより達成することができる。すなわち、
多層化光導波路を形成することができる。
【0036】基本材料のシラノール型有機シロキサン系
高分子のアルキル基の水素原子をハロゲン元素で置換す
ることにより、本発明の高分子光導波路の1.3μmと
1.55μmの波長域での光導波特性をより向上させる
ことができる。ハロゲン置換率は、70〜100%であ
ることが好ましく、より好ましくは、85〜100%で
ある。置換率が70%未満ではC−H結合による近赤外
領域での吸収が増大する傾向があり、光通信で用いられ
る1.3μmおよび1.5μmの光の導波損失が大きく
なる傾向がある。また、ハロゲン化フェニル基で置換す
ることにより、耐熱性をより向上させることができる。
ハロゲンとしてはフッ素が有効であるが、他のハロゲン
元素でもよい。耐熱性を向上させることにより、チップ
化する場合の耐はんだ特性を向上させることができる。
本発明では、250℃程度以上の耐熱性を確保できるこ
とが期待される。
【0037】
【実施例】実施例1 図1に示すようにシリコン基板の上に、式(1)で表わ
される繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサ
ン系高分子(母体高分子)を塗布し(a)、その上に、
5μm厚さになるように感光性レジスト膜を塗布し、こ
のレジスト膜を通常の方法で7μm幅で5μmの深さの
パターニングを行なった。そののち、100℃の雰囲気
中で10分間ベーキングを行なった。つぎに、アルキル
化シリコンアミン((Si(CH332NH)とアル
キル化ゲルマニウムアミン((Ge(CH332
H)との混合物の蒸気に、上記の材料を、窒素気流下3
0パスカルの条件で曝した(b)。蒸気温度195℃で
50分間行なった。アルキル化シリコンアミンとアルキ
ル化ゲルマニウムアミンとの混合物の比率は、1対10
にした。
【0038】その結果、8μmの深さにまで母体高分子
のOH基のHが1対5の割合でSi(CH33とGe
(CH33に置換された(c)。置換割合はIR分析と
NMR分析により求めた。また、式(1)で表わされる
繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサン系高
分子の屈折率が1.562であったのが、1.566に
まで向上した。この結果、コア部とクラッド部との比屈
折率差は0.3%以下になりシングルモードの光導波路
を形成できることが示された。
【0039】つぎに、通常の方法で、前記レジストを除
去したのちに、この上にメチルイソブチルケトンに溶解
させた式(1)のシラノール型有機シロキサン系高分子
をスピンコート法により10μm厚さになるように塗布
して(d)、図1に示すような光導波路を得た。このも
のは、250℃まで熱的に安定であった。
【0040】実施例2 実施例1と同様にして光導波路を形成した。ただし、基
板には石英基板を、母体高分子には式(2)で表わされ
る繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサン系
高分子を用いた。曝露条件は、窒素気流下28パスカ
ル、蒸気温度200℃で45分間行なった。アルキル化
シリコンアミン((Si(C2532NH)およびア
ルキル化ゲルマニウムアミン((Ge(C2532
H)を1対12の混合比率で用いた。
【0041】その結果、8μmの深さにまで母体高分子
のOH基のHが1対6の割合でSi(C253とGe
(C253に置換された。また、式(2)で表わされ
る繰り返し単位を有する有機シロキサン系高分子の屈折
率が1.563であったのが、1.567にまで向上し
た。この結果、コア部とクラッド部との比屈折率差は
0.3%以下になりシングルモードの光導波路を形成で
きることが示された。
【0042】レジストを除去したのち、この上にメチル
イソブチルケトンに溶解させた式(2)で表わされる繰
り返し単位を有する有機シロキサン系高分子をスピンコ
ート法により10μm厚さになるように塗布して、図1
に示すような光導波路を得た。このものは、252℃ま
で熱的に安定であった。
【0043】実施例3 実施例1と同様にして光導波路を形成した。ただし、基
板には酸化シリコン基板を、母体高分子には構造が式
(1)で表わされる繰り返し単位と式(2)で表わされ
る繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサン系
高分子を用いた。曝露条件は、窒素気流下31パスカ
ル、蒸気温度210℃で40分間行なった。アルキル化
シリコンアミン((Si(C3732NH)およびア
ルキル化ゲルマニウムアミン((Ge(C3732
H)を1対4の混合比率で用いた。
【0044】その結果、8μmの深さにまで母体高分子
のOH基のHが1対2の割合でSi(C373とGe
(C373に置換された。また、式(1)と式(2)
で表わされる繰り返し単位を有する有機シロキサン系高
分子の屈折率が1.563であったのが、1.565に
まで向上した。この結果、コア部とクラッド部との比屈
折率差は0.3%以下になりシングルモードの光導波路
を形成できることが示された。
【0045】そこで、レジスト除去後、この上にメチル
イソブチルケトンに溶解させた式(1)で表わされる繰
り返し単位と式(2)で表わされる繰り返し単位を有す
る有機シロキサン系高分子をスピンコート法により10
μm厚さになるように塗布して、図1に示すような光導
波路を得た。このものは、255℃まで熱的に安定であ
った。
【0046】実施例4 実施例1と同様にして光導波路を形成した。ただし、基
板には酸化シリコン基板を用いた。母体高分子(基本材
料)には、構造が式(1)で表わされる繰り返し単位と
式(3)で表わされる繰り返し単位を有する共重合体を
用いた。曝露条件は、窒素気流下31パスカル、蒸気温
度210℃で40分間行なった。アルキル化シリコンア
ミン((Si(C3732NH)およびアルキル化ゲ
ルマニウムアミン((Ge(C3732NH)を1対
14の混合比率で用いた。
【0047】その結果、8μmの深さに母体高分子のO
H基のHが1対7の割合でSi(C 373とGe(C3
73に置換された。また、式(1)で表わされる繰り
返し単位と式(3)で表わされる繰り返し単位を有する
有機シロキサン系高分子の屈折率が1.564であった
のが、1.566にまで向上した。この結果、コア部と
クラッド部との比屈折率差は0.3%以下になりシング
ルモードの光導波路を形成できることが示された。
【0048】そこで、レジストを除去したのち、この上
にメチルイソブチルケトンに溶解させた式(1)で表わ
される繰り返し単位と式(3)で表わされる繰り返し単
位を有する有機シロキサン系高分子をスピンコート法に
より10μm厚さになるように塗布して、図1に示すよ
うな光導波路を得た。このものは、255℃まで熱的に
安定であった。
【0049】実施例5〜9 実施例4の式(3)で表わされる繰り返し単位の代わり
に、式(4)、(5)、(6)、(7)または(8)で
表わされる繰り返し単位を用いても同様の結果が得られ
た。すなわち、アルキル化シリコンアミンとアルキル化
ゲルマニウムアミンによる置換反応によって、置換部の
屈折率が、実施例5では1.562から1.564に、
実施例6では1.562から1.565に、実施例7で
は1.563から1.566に、実施例8では1.56
2から1.564、実施例9では1.563から1.5
65に向上した。また、得られた光導波路の耐熱温度
は、実施例5では254℃、実施例6では252℃、実
施例7では249℃、実施例8では251℃、実施例9
では252℃であった。各実施例の母体高分子の組成比
と作成条件は表1に示す。
【0050】実施例10〜15 実施例4〜9の式(1)で表わされる繰り返し単位の代
わりに式(2)で表わされる繰り返し単位を用いても同
様の結果が得られた。各実施例の母体高分子の組成比と
作成条件は表1に示す。
【0051】実施例16 実施例1と同様にして光導波路を形成した。ただし、基
板にはアルミナセラミクス基板を用いた。母体高分子に
は、構造が式(1)で表わされる繰り返し単位と式
(2)で表わされる繰り返し単位と式(8)で表わされ
る繰り返し単位を有する共重合体高分子を用いた。曝露
条件は、31パスカル、蒸気温度220℃で50分間行
なった。アミンはメチル化ゲルマニウムアミン((Ge
(CH32NH)のみを用いた。
【0052】その結果、8μmの深さにまで母体高分子
のOH基のHの70%がGe(CH 33に置換された。
また、式(1)で表わされる繰り返し単位と式(2)で
表わされる繰り返し単位と式(8)で表わされる繰り返
し単位を有する共重合体高分子の屈折率が1.564で
あったのが、1.567にまで向上した。この結果、コ
ア部とクラッド部との比屈折率差は0.3%以下になり
シングルモードの光導波路を形成できることが示され
た。
【0053】レジストを除去後、この上にメチルイソブ
チルケトンに溶解させた式(1)で表わされる繰り返し
単位と式(2)で表わされる繰り返し単位と式(8)で
表わされる繰り返し単位を有する共重合体高分子をスピ
ンコート法により10μm厚さになるように塗布して、
図1に示すような光導波路を得た。このものは、260
℃まで熱的に安定であった。
【0054】実施例17〜21 実施例16の式(8)で表わされる繰り返し単位の代わ
りに、式(3)で表わされる繰り返し単位、(4)で表
わされる繰り返し単位、(5)で表わされる繰り返し単
位、(6)で表わされる繰り返し単位または(7)で表
わされる繰り返し単位を有する共重合体高分子を用いて
も同様の結果が得られた。すなわち、メチル化ゲルマニ
ウムアミンによる置換反応によって、置換部の屈折率
が、実施例17では1.561から1.564に、実施
例18では1.562から1.564に、実施例19で
は1.563から1.565に、実施例20では1.5
63から1.565に、実施例21では1.562から
1.564に向上した。また、得られた光導波路の耐熱
温度は、実施例17では255℃、実施例18では25
3℃、実施例19では253℃、実施例20では255
℃、実施例21では253℃であった。各実施例の母体
高分子の組成比と作成条件は表1に示す。
【0055】実施例22 実施例1とほぼ同様に行なった。図2に示すように、ガ
リウム砒素基板の上に、構造が式(1)で表わされる繰
り返し単位を有するシラノール型有機シロキサン系高分
子をメチルイソブチルケトンに溶解させてスピンコート
法により15μm厚さになるように塗布し(a)、その
上に通常の方法で、パターン幅30μm、厚さ5μmの
レジストパターンを塗布した。そののち、100℃の雰
囲気中で10分間ベーキングを行なった。つぎに、アル
キル化シリコンアミン((Si(CH332NH)と
アルキル化ゲルマニウムアミン((Ge(CH332
NH)との混合物の蒸気に、上記の材料を曝した
(b)。曝露条件は、31パスカル、蒸気温度210℃
で40分間行なった。アルキル化シリコンアミンおよび
アルキル化ゲルマニウムアミンの混合比率は、1対16
にした。
【0056】その結果、10μmの深さにまで母体高分
子のOH基のHが1対8の割合でSi(CH33とGe
(CH33に置換された(c)。また、式(1)で表わ
される繰り返し単位を有する有機シロキサン系高分子の
屈折率が1.563であったのが、1.570にまで向
上した。この結果、コア部とクラッド部との比屈折率差
は1.0%以下になりマルチモードの光導波路を形成で
きることが示された。
【0057】そこで、レジストを除去したのち、さら
に、構造が式(1)で表わされる繰り返し単位を有する
シラノール型有機シロキサン系高分子をメチルイソブチ
ルケトンに溶解させてスピンコート法により10μm厚
さになるように塗布し、その上に、再び、パターン幅3
0μm、厚さ5μmのレジストパターンを塗布し、さら
にアルキル化シリコンアミンおよびアルキル化ゲルマニ
ウムアミンとの蒸気に曝す、前述と同様の工程を2回繰
り返し行なった(d、e)。
【0058】そののち、最終工程のレジストを除去し、
この上にメチルイソブチルケトンに溶解させた式(1)
で表わされる繰り返し単位を有するシラノール型有機シ
ロキサン系高分子をスピンコート法により10μm厚さ
になるように塗布して(f)、図2に示すような光導波
路を得た。ここでは、コアの幅と深さがそれぞれ30μ
mのマルチモードの光導波路を得た。このものは、25
2℃まで熱的に安定であった。
【0059】実施例23および24 実施例22の母体高分子(式(1)で表わされる繰り返
し単位を有するシラノール型有機シロキサン系高分子)
の代わりに、式(2)で表わされる繰り返し単位を有す
るシラノール型有機シロキサン系高分子、または式
(1)で表わされる繰り返し単位と式(2)で表わされ
る繰り返し単位を有する共重合体を用いたときも同様の
結果を得た。すなわち、アルキル化シリコンアミンとア
ルキル化ゲルマニウムアミンによる置換反応によって、
置換部の屈折率が、実施例23では1.564から1.
571に、実施例24では1.563から1.570に
向上した。また、得られた光導波路の耐熱温度は、実施
例23では250℃、実施例24では251℃であっ
た。作成条件は表1に示す。
【0060】実施例25 図3に示すようにシリコン基板の上に、式(1)で表わ
される繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサ
ン系高分子をメチルイソブチルケトンに溶解させてスピ
ンコート法により15μm厚さになるように塗布し
(a)、その上に幅7μm、厚さ5μmのレジストパタ
ーンを塗布した。そののち、100℃の雰囲気中で10
分間ベーキングを行なった。つぎに、アルキル化シリコ
ンアミン((Si(CH332NH)とアルキル化ゲ
ルマニウムアミン((Ge(CH332NH)との混
合物の蒸気に、上記の材料を曝した(b)。曝露条件
は、ここでは31パスカル、蒸気温度210℃で40分
間行なった。
【0061】アルキル化シリコンアミンとアルキル化ゲ
ルマニウムアミンとの混合物比率は、1対10にした。
【0062】その結果、8μmの深さにまで母体高分子
のOH基のHが1対5の割合でSi(CH33とGe
(CH33に置換された(c)。また、式(1)で表わ
される有機シロキサン系高分子の屈折率が1.563で
あったのが、1.567にまで向上した。この結果、コ
ア部とクラッド部との比屈折率差は0.3%以下になり
シングルモードの光導波路を形成できることが示され
た。
【0063】そこで、レジストを除去したのち、この上
にメチルイソブチルケトンに溶解させた式(1)で表わ
される繰り返し単位を有する有機シロキサン系高分子を
スピンコート法により10μm厚さになるように塗布し
て、図3に示す第一層目の光導波路を得た。
【0064】さらに、この上に、第一層目と同じ混合組
成である、式(1)で示される有機シロキサン系高分子
をメチルイソブチルケトンに溶解させてスピンコート法
により15μm厚さになるように塗布し、第一層目とは
異なるレジストパターンを塗布した。また、そののち、
100℃の雰囲気中で10分間ベーキングを行なった。
つぎに、アルキル化シリコンアミン((Si(C
332NH)とアルキル化ゲルマニウムアミン
((Ge(CH332NH)との混合物の蒸気に、上
記の材料を第一層目と同様の条件で曝した(d)。その
結果、この層でも8μmの深さにまで式(1)のOH基
のHが1対5の割合でSi(CH33とGe(CH 33
に置換された(e)。また、式(1)で表わされる繰り
返し単位を有するラノール型有機シロキサン系高分子の
屈折率が1.563であったのが、1.567にまで向
上した。この結果、コア部とクラッド部との比屈折率差
は0.3%以下になりシングルモードの光導波路を形成
できることが示された。
【0065】そこで、レジスト除去したのち、この上に
メチルイソブチルケトンに溶解させた式(1)で表わさ
れる繰り返し単位を有するシラノール型有機シロキサン
系高分子をスピンコート法により10μm厚さになるよ
うに塗布して(f)、図3に示す多形状・多層型の光導
波路を得た。このものは、251℃まで熱的に安定であ
った。
【0066】実施例26〜48 実施例2〜24で示したシラノール型有機シロキサン系
高分子を実施例25で示した1層目と2層目に用いて作
製したものを実施例26〜48としたところ、同様に、
多形状・多層構造の光導波路を得た。
【0067】置換反応による屈折率の変化は、実施例2
6では1.562から1.564、実施例27では1.
563から1.565、実施例28では1.562から
1.564、実施例29では1.563から1.56
5、実施例30では1.561から1.564、実施例
31では1.562から1.565、実施例32では
1.562から1.564、実施例33では1.563
から1.565、実施例34では1.562から1.5
65、実施例35では1.563から1.565、実施
例36では1.562から1.564、実施例37では
1.563から1.565、実施例38では1.562
から1.564、実施例39では1.561から1.5
63、実施例40では1.562から1.565、実施
例41では1.563から1.565、実施例42では
1.564から1.567、実施例43では1.562
から1.565、実施例44では1.563から1.5
65、実施例45では1.562から1.565、実施
例46では1.563から1.565、実施例47では
1.564から1.566、実施例48では1.563
から1.565であった。
【0068】得られた光導波路の耐熱温度は、実施例2
6では253℃、実施例27では255℃、実施例28
では256℃、実施例29では251℃、実施例30で
は252℃、実施例31では253℃、実施例32では
249℃、実施例33では251℃、実施例34では2
52℃、実施例35では251℃、実施例36では25
0℃、実施例37では252℃、実施例38では259
℃、実施例39では250℃、実施例40では252
℃、実施例41では251℃、実施例42では258
℃、実施例43では252℃、実施例44では251
℃、実施例45では250℃、実施例46では251
℃、実施例47では250℃、実施例48では251℃
であった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明(請求項1〜8)によれば、従来
の作製方法とは異なり、図1に示すように高分子導波路
の原材料の塗布過程が1層の導波路を得るために同一の
高分子を2回塗布するだけで済む。従来の高分子導波路
の作製方法では、図4に示すように、異なる高分子を用
いて、かつ、少なくとも3回以上の塗布過程((a)で
のクラッドを形成する有機高分子の塗布過程、(b)で
のコアを形成する有機高分子の塗布過程、(c)での上
部クラッドを形成する有機高分子の塗布過程)が必要と
なる。以上より、本発明では、作製工程を効率化でき製
作コストの低減が可能となる。
【0071】さらに、本発明(請求項6および7)によ
れば、母体のシラノール型有機シロキサン系高分子を種
々の共重合体として、クラッド部とコア部の屈折率を精
度よく容易に制御することが可能になる。すなわち、シ
ングルモードとマルチモードの光導波路の作製が精度よ
く容易にできる。
【0072】さらに、本発明(請求項7)によれば、母
体のシラノール型有機シロキサン系高分子を2種類以上
の繰り返し単位を有する共重合体とし、少なくとも1つ
の水酸基(OH)を全く有さない繰り返し単位を用いれ
ば、アルキル化ゲルマニウムアミンのみで、クラッド部
とコア部の屈折率を精度よく容易に制御することが可能
になる。すなわち、シングルモードとマルチモードの光
導波路の作製が容易にできる。
【0073】さらに、本発明(請求項8)によれば、ク
ラッド部とコア部の屈折率を、アルキル化シリコンアミ
ンとアルキル化ゲルマニウムアミンとの混合比により容
易に制御することが可能になる。すなわち、シングルモ
ードとマルチモードの光導波路の作製が容易にできる。
【0074】さらに、本発明(請求項2〜8)によれ
ば、シラノール型有機シロキサン系高分子を塗布し、同
じレジストパターンを用いて、または異なるレジストパ
ターンを用いて、アルキル化ゲルマニウムアミンまたは
アルキル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムア
ミンとの混合物を曝す工程を少なくとも2回以上繰り返
すことにより、コア部を深くしてシングルモードとマル
チモードの光導波路を精度よく容易に作製でき、また、
多機能化・多層化の光導波路を容易に作製できる。
【0075】さらに、本発明(請求項9および10)に
よれば、母体高分子の共重合体組成によって、またトリ
アルキルゲルマノキシ基の置換率によって、シングルモ
ードとマルチモードの光導波路を提供することができ、
また2層構造にすることによって、多機能化・多層化の
光導波路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシングルモード高分子光導波路の構
造断面図による作製工程図である。
【図2】 本発明のマルチモード高分子光導波路の構造
断面図による作製工程図である。
【図3】 本発明の多形状・多層型高分子光導波路の構
造断面図による作製工程図である。
【図4】 従来法の高分子光導波路の構造断面図による
作製工程図である。
【符号の説明】
1 基板、2 シラノール型有機シロキサン系高分子、
3 レジストパターン、4 アルキル化シリコンアミン
とアルキル化ゲルマニウムアミンの蒸気、5 コア、6
クラッド、7 有機高分子、8 マスク、9 平面照
射紫外光線。
フロントページの続き (72)発明者 平松 星紀 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 南 伸太朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 中尾 之泰 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 西岡 孝博 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 蔵田 哲之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 PA24 PA28 QA05 QA07 TA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にシラノール型有機シロキサン系
    高分子を塗布し、その上にレジストを塗布してパターニ
    ングしたのちに、アルキル化ゲルマニウムアミンまたは
    アルキル化シリコンアミンとアルキル化ゲルマニウムア
    ミンとの混合物の蒸気に曝すことを特徴とする光導波路
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の工程を2回以上行ない、
    その都度、常に同じレジストパターンを用いることを特
    徴とする光導波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の工程を2回以上行ない、
    そのうちの少なくとも一度は他と異なるレジストパター
    ンを用いることを特徴とする光導波路の製造方法。
  4. 【請求項4】 シラノール型有機シロキサン系高分子が
    式(1)で表わされる繰り返し単位を有する高分子であ
    る請求項1、2または3記載の光導波路の製造方法。 【化1】 (式(1)中、Rはハロゲンを有することができるアル
    キル基またはアルキル基もしくはハロゲンを有すること
    ができるフェニル基を表わす)
  5. 【請求項5】 シラノール型有機シロキサン系高分子が
    式(2)で表わされる繰り返し単位を有する高分子であ
    る請求項1、2または3記載の光導波路の製造方法。 【化2】 (式(2)中、Rはハロゲンを有することができるアル
    キル基またはアルキル基もしくはハロゲンを有すること
    ができるフェニル基を表わす)
  6. 【請求項6】 シラノール型有機シロキサン系高分子が
    式(1)で表わされる繰り返し単位と式(2)で表わさ
    れる繰り返し単位を有する共重合体高分子である請求項
    1、2または3記載の光導波路の製造方法。
  7. 【請求項7】 シラノール型有機シロキサン系高分子が
    式(1)で表わされる繰り返し単位および/または式
    (2)で表わされる繰り返し単位と、式(3)で表わさ
    れる繰り返し単位、式(4)で表わされる繰り返し単
    位、式(5)で表わされる繰り返し単位、式(6)で表
    わされる繰り返し単位、式(7)で表わされる繰り返し
    単位および式(8)で表わされる繰り返し単位からなる
    群から選ばれた少なくとも1つの繰り返し単位を有する
    共重合体高分子である請求項1、2または3記載の光導
    波路の製造方法。 【化3】
  8. 【請求項8】 アルキル化シリコンアミンとアルキル化
    ゲルマニウムアミンとの混合比率を適宜変化させること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の光導波路の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の方法によって製造される光導波路。
  10. 【請求項10】 クラッド部が、シラノール型有機シロ
    キサン系高分子(母体高分子)からなり、コア部が、有
    機シロキサン系高分子の水酸基の一部または全部をトリ
    アルキルゲルマノキシ基またはトリアルキルシロキシ基
    とトリアルキルゲルマノキシ基とで置換した構造を有す
    る高分子からなる光導波路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100444180B1 (ko) * 2002-10-29 2004-08-11 한국전자통신연구원 핫엠보싱 공정을 이용하여 2차원 고분자 광도파로를제작하는 방법
WO2005085922A1 (ja) * 2004-03-09 2005-09-15 Jsr Corporation 光導波路チップの製造方法
JP4849799B2 (ja) * 2002-06-24 2012-01-11 ダウ・コーニング・コーポレイション 平面光学導波管組み立て品、およびこれの製造方法

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