JP2001317914A - 動的変化検出方法、動的変化検出装置及び超音波診断装置 - Google Patents
動的変化検出方法、動的変化検出装置及び超音波診断装置Info
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Abstract
組み合わせ条件を選択することが可能な動的変化検出装
置を提供する。 【手段】 入射する光の波長に応じて透過・反射特性の
異なる透過反射部3の先に、ある厚さの媒質17と全反
射ミラー19とからなる共振部5を接続して検出部1を
構成する。該検出部1に、全反射ミラー19側から被検
体7の超音波9を伝搬させるとともに、透過反射部3側
から、ある波長の検出光LEを入射させる。その間に該
検出光LEの反射光LRを検出し、前記超音波の伝搬に
伴う検出部1の寸法変化に対応した反射光LRの特性変
化から、被検体7の超音波を検出する。
Description
る超音波等の動的変化を検出する方法及び装置に関す
る。また、そのような動的変化検出装置を備える超音波
診断装置に関する。なお、本明細書でいう動的変化に
は、音波、加速度、歪、温度、変位等を含む。
る超音波エコー観察等を行う超音波診断装置は、超音波
センサー部(探触子)に、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)に代表される圧電材料を用いるのが一般的である。
図9は、現在用いられている一般的な探触子の構造を模
式的に示す図である。(A)は全体の斜視図、(B)は
配列振動子を拡大して示す斜視図である。この図の探触
子301は、全体として薄い箱型をしており、細長い長
方形状の探触面302を有する。この探触面302を人
体に当てて超音波を放射し人体の奥部から返ってくる超
音波エコーを受信する。探触子301の図の上側には、
超音波送受信信号を伝えるケーブル307が接続されて
いる。
振子を兼ねる、櫛状の配列振動子303が収められてい
る。配列振動子303は、薄い(例えば厚さ0.2〜
0.3mm)PZTの帯状板に、多数のスリット306
(例えば幅0.1mm)を入れて櫛の歯状の個別振動子3
05(例えば幅0.2mm、長さ20mm)を多数(例えば
256個)配列したものである。図示はされていない
が、各個別振動子305には電極が形成されており、信
号線が接続されている。また、同様に図示はされていな
いが、配列振動子303の表面(図の下面)側には、樹
脂系材料(ゴム含む)からなる音響レンズ層や整合層が
貼られており、裏面側にはバッキング材が貼られてい
る。音響レンズ層は発振する超音波の集束性を良くす
る。整合層は超音波の発振効率を高める。バッキング材
は、振動子を保持する機能を有するとともに、振動子の
振動を早く終了させる。なお、このような超音波探触子
及び超音波診断装置については、東洋出版「超音波観察
法・診断法」や、医歯薬出版「基礎超音波医学」に詳し
く説明されている。
より詳細な体内情報を取得するために、3次元データの
収集が望まれている。それを実現するために、超音波検
出部(センサー)を2次元アレー化することが求められ
ている。しかし、上述のPZTにおいては、現状以上の
微細化と素子集積は、次のような理由により困難であ
る。すなわち、PZT材料(セラミックス)の加工技術
が限界に近くなっており、これ以上の微細化は加工歩留
まりの極端な低下につながる。また、配線数が増大し、
配線の電気的インピーダンスが増大する。さらに、各素
子(個別振動子)間のクロストークが増大する。そのた
め、PZTを用いた2次元アレー探触子の実現は、現状
では困難と考えらている。
は、Duke大学のE.D. LIGHTらによる「Progress in Two-
Dimensional Arrays for Real-Time Volumetric Imagin
g 」と題する文が掲載されている。この文中では、PZ
T超音波センサーの2次元アレーを有する探触子が開示
されている。しかし、同時に次のようにも述べている
(P.2、14〜18行)。「同様の質の画像を得るため
には、2次元アレーのエレメント数は128×128=
16,384が必要である。しかし、そのような多数の
rfチャンネルを作ることは、複雑かつコストがかかる
ので、近い将来には望み薄であろう。また、かくも多数
のエレメントを密に結線することは非常に困難であ
る。」
超音波センサーとして、光ファイバーを利用したセンサ
ーも用いられている。このような光ファイバー超音波セ
ンサーは、電磁界の影響が大きい場所や、狭小な部位で
の計測に適している。
て、光ファイバーブラッググレーティング(FBGと略
称)を用いるものがある(防衛大のTAKAHASHI らによる
「Underwater Acoustic Sensor with Fiber Bragg Grat
ing 」OPTICAL REVIEW Vol.4,No.6 (1997) 691-694 参
照)。FBGとは、屈折率の異なる2種類の材料層(光
伝搬媒質)を、Bragg の反射条件を満たすピッチで屈折
率が周期的に変化するように、数千層交互に重ねたもの
である。各層の周期構造のピッチをΔ、入射光の波長を
λ、Nを任意の整数とすると、Bragg 反射条件とは以下
である。 2NΔ=λ FBGは、Bragg 反射の作用により、上記式の条件を満
たすある特定の波長の光を選択的に反射する(その他は
透過する)。
歪んで上記周期構造のピッチΔが変化するので、選択的
に反射する光の波長λが変化する。実際には、最も反射
率の高い(透過率の低い)中心波長の前後に、反射率の
変化する傾斜帯域があり、この傾斜帯域の検出光をFB
Gに入射させながら、FBGに超音波を加える。する
と、超音波の強さに応じた反射光(又は透過光)の強度
変化を観測できる。この光の強度変化を換算することに
より超音波の強度を計測できる。
して、ファブリーペロー共振器(FPRと略称)構造を
用いるものがある(東工大のUNO らによる「Fabricatio
n and Performance of a Fiber Optic Micro-Probe for
Megahertz Ultrasonic Field Measurements 」T.IEE J
apan, Vol.118-E, No.11, '98参照)。UNO らのセンサ
ーは、シングルモード光ファイバー(λ=1.3μm 、
コア10μm 、クラッド125μm )の先に金蒸着によ
りハーフミラーを形成し、その先にポリエステル樹脂
(n=1.55)からなるcavity(長さ100μm)を
付け、さらにその先に金蒸着により全反射ミラーを形成
したものである。
λの検出光を入射させ、全反射ミラー側から超音波を印
加する。ハーフミラーの反射率をr、シングルパス・ゲ
インをG、cavityの長さをL、屈折率をnとすると、こ
のセンサーの反射率Rは以下の式で与えられる。
復の光路長2Ln、即ち、光路長Lnが変化すると、セ
ンサーからの光反射特性が変化することが分かる。
後に、反射率の変化する傾斜帯域があり、この傾斜帯域
の検出光をFPRに入射させながら、FPRに超音波を
加えると、超音波の強さに応じた反射光の強度変化を観
測できる。この光の強度変化を換算することにより超音
波の強度を計測できる。
る超音波センサーにも欠点がある。すなわち、検出感度
を高くしようとして上記傾斜帯域の特性を急峻に設計す
ると、必然的にダイナミックレンジが狭くなる。その逆
に上記特性をなだらかに設計すると、ダイナミックレン
ジは広くなるが検出感度は落ちる。
ックレンジの組み合わせ条件を選択することが可能であ
るか、あるいは複数の該条件下で並列的に計測可能な動
的変化検出方法及び動的変化検出装置を提供するもので
ある。またそのような動的変化検出装置を有し、3次元
データの収集にも適した超音波診断装置を提供するもの
である。
発明の第1の動的変化検出方法は、 入射する光の波長
に応じて透過・反射特性の異なる透過反射部の先に、あ
る厚さの媒質と全反射ミラーとからなる共振部を接続し
て検出部を構成し、 該検出部に、前記全反射ミラー側
(先端側)から被検体の動的変化を伝搬させるととも
に、反全反射ミラー側(基端側)から前記透過反射部を
通して前記共振部に、ある波長の検出光を入射させ、
その間に該検出光の反射光を検出し、 前記動的変化の
伝搬に伴う前記検出部の寸法変化に対応した前記反射光
の特性変化から、前記被検体の動的変化を検出すること
を特徴とする。
出光を発する光源と、該検出光の入射する、入射する光
の波長に応じて透過・反射特性の異なる透過反射部と、
該透過反射部を透過した検出光の入射する共振部であ
って、検出光入射側から、ある厚さの媒質、及び、該媒
質をはさんで前記透過反射部と対向するとともに被検体
からの動的変化の伝搬する全反射ミラー、を有する共振
部と、 前記透過反射部及び共振部(両者を合わせて検
出部という)からの前記検出光の反射光を検出する光検
出器と、 を具備することを特徴とする。
体としての最小反射率が低くなると同時に反射率特性の
半値幅は狭くなる(数式を用いて後ほど詳述する)。そ
うなると、動的変化検出のダイナミックレンジは狭くな
るが検出感度は高くなる。その逆の場合は、検出部全体
としての最小反射率が高くなると同時に反射率特性の半
値幅は広くなって、検出感度は低くなるがダイナミック
レンジは広くなる。したがって、透過反射部に入射させ
る検出光の波長を調整することによって多様な検出感度
とダイナミックレンジの選択が可能となる。この動的変
化検出装置は、全反射ミラー側から被検体の動的変化を
透過反射部及び共振部に伝搬させて該部に歪みを起こさ
せて光路長を変化させる。この光路長の変化に伴う反射
光の特性変化から、前記被検体の動的変化を検出する。
記検出光として複数の異なる波長成分を含む光を用いる
とともに、該検出光の反射光を分割して該波長成分別に
検出し、 前記反射光の反射率特性曲線の傾斜帯域の半
値幅を異ならせた複数の傾斜帯域を設定し、 該複数の
帯域に対応した複数の検出光を前記検出部に入射させ、
複数の異なる検出感度又はダイナミックレンジにおいて
並列的に測定することを特徴とする。
なる波長成分を含む検出光を発する光源と、 該検出光
の入射する、入射する光の波長に応じて透過・反射特性
の異なる透過反射部と、 該透過反射部を透過した検出
光の入射する共振部であって、検出光入射側から、ある
厚さの媒質、及び、該媒質をはさんで前記透過反射部と
対向するとともに被検体からの動的変化の伝搬する全反
射ミラー、を有する共振部と、 前記透過反射部及び共
振部からの前記検出光の反射光を前記検出光の波長成分
毎に分割する光分割部と、 分割された反射光を検出す
る光検出器と、を具備することを特徴とする。
反射光の反射率特性曲線の傾斜帯域の半値幅を異ならせ
た複数の傾斜帯域を設定し、 該複数の帯域に対応した
複数の検出光を前記検出部に入射させ、 複数の異なる
検出感度又はダイナミックレンジにおいて並列的に測定
しうることが好ましい。
ジで同時に計測可能である。
ァイバーブラッググレーティングからなるものとするこ
とができる。
は、代表的には音である。その他に、加速度、歪、温
度、変位等を検出できる。
列状あるいは行列状にアレー化配置して被検体の動的変
化を検出することができる。アレー化することにより、
被検体内の超音波スキャンや偏向、集束をダイナミック
かつ同時並行的に行うことができ、3次元データの収集
も容易となる。なお、検出部や同部からの信号(反射
光)の導出線は細い光ファイバーであるので、検出部を
高集積アレー化できる。さらに、信号は光であるので、
信号伝達のインピーダンスは増大しない。
成分を含む検出光を、複数の波長の異なる単一波長レー
ザーから発することができる。この場合、狭い波長幅内
に光出力が集中されるため、光検出におけるS/Nの向
上が図れ、検出感度を高くできる。
成分を含む検出光を、スーパールミネッセントダイオー
ド(SLD)等の広帯域な発光波長を有する光源から発
することができる。この場合、光源の構成をシンプルに
できるという利点がある。
波を送信する送信部と、該被検体からの超音波反射エコ
ーを受信し電気信号に変換する受信部と、該受信部の信
号を受け画像化処理して表示する画像処理表示部と、を
備える超音波診断装置であって上記受信器中に、上記の
動的変化検出装置を具備することを特徴とする。この超
音波診断装置は三次元データの収集にも適し、高検出感
度・広ダイナミックレンジで高解像の体内画像の取得を
期待できる。
本発明の第1の実施形態に係る動的変化検出装置の検出
部(センサー部)を模式的に示す図である。(A)は1
個の検出部の横断面図であり、(B)は多数の検出部が
2次元アレーをなして配列されている様子を示す斜視図
である。
ファイバー2の先端に接続された、光ファイバーブラッ
ググレーティングからなる透過反射部3と、その先の共
振部5とからなる。この検出部1には光ファイバー2か
ら検出光LEが入射し、その反対に、検出部1から光フ
ァイバー2には反射光LRが入射する。検出部1の先端
にある共振部5の全反射ミラー19は、被検体7と接し
ており、被検体7中を伝搬する超音波9が印加される。
この透過反射部3(ファイバーブラッググレーティング
(FBG))と共振部5(ファブリーペロー共振器(F
PR))とで光ファイバーブラッググレーティング型フ
ァブリーペロー干渉系が構成されている。
る2つの材料層を、Bragg の反射条件を満たすピッチ
(例えば0.5μm)で屈折率が周期的に変化するよう
に、数千層交互に重ならせたものである(応用物理第6
7巻第9号(1998)P.1029参照)。各層の周
期構造のピッチをΔ、入射光の波長をλ、Nを任意の整
数とすると、Bragg 反射条件とは以下である。 2NΔ=λ このFBGは、Bragg 反射に起因して、上記式の条件を
満たすある特定の波長の光を選択的に反射する(その他
は透過する)。
透過性媒質17と、その先に形成された全反射ミラー1
9からなる。ここで、透過反射部3をハーフミラーと考
え、かつそれが媒質17の端に存在するものと仮定す
る。この共振部5に、透過反射部3側から波長λの検出
光を入射させ、全反射ミラー側から超音波を印加する。
ハーフミラーの反射率をr、シングルパス・ゲインを
G、媒質17の長さをL、屈折率をnとすると、この共
振部5の反射率Rは以下の式で与えられる。
の光路長2Lnが変化すると、共振部5からの光反射特
性が変化することが分かる。
後に、反射率の変化する傾斜帯域があり、この傾斜帯域
の検出光をFPRに入射させながら、FPRに超音波を
加えると、超音波の強さに応じた反射光の強度変化を観
測できる。この光の強度変化を換算することにより超音
波の強度を計測できる。図1の動的変化検出装置の検出
部の詳しい作用については、図3、4、5を参照しつつ
後述する。
音波センサー21は、多数の光ファイバー2と検出部1
が縦・横に行列状に配置されたものである。
的変化検出装置(超音波検出装置)の装置構成を示す系
統図である。図の右端部に図1と同様の検出部1が示さ
れており、この検出部1とつながる光ファイバー51が
図の左へ延びるように示されている。光ファイバー51
の図の左側には、光源部31が示されている。この光源
部31は、3台のレーザー33、35、37を有する。
レーザー(1)33は波長λ 1′のレーザー光LE1を
発し、レーザー(2)35は波長λ2′のレーザー光L
E2を発し、レーザー(3)37は波長λ3′のレーザ
ー光LE3を発する。
が斜め上に向けて配置されており、レーザー光LE3は
図の上方に反射される。レーザー(2)35の出側には
ダイクロイックミラー43が斜め上に向けて配置されて
おり、レーザー光LE2は図の上方に反射される。この
ダイクロイックミラー43を、レーザー光LE3は透過
する。レーザー(1)33の出側にもダイクロイックミ
ラー43が斜め上に向けて配置されている。レーザー光
LE1はこのダイクロイックミラー45を透過するが、
レーザー光LE2及びレーザー光LE3はこのダイクロ
イックミラー45で反射される。結局、ダイクロイック
ミラー45において、3本のレーザー光LE1、2、3
が合波されて、図の右側へ進む。ダイクロイックミラー
45の図の右側にはレンズ47が配置されている。合波
された光はこのレンズ47によって収束されて光ファイ
バー51に入射する。
って図の右方向に延びている。光ファイバー51の先に
は、図1で説明した光ファイバーブラッググレーティン
グ3と共振部5からなる検出部1が接続されている。
光LRが入射する。この反射光LRは、光カプラー53
において光ファイバー81に入射する。光ファイバー8
1は図の下方に延びており、その先に光分割部83が設
けられている。光分割部83はレンズ85と回折格子8
7を有する。レンズ85は光ファイバー81の出口側に
設けられており、光ファイバー81から放射された光L
Rを収束して回折格子87に当てる。回折格子87に当
った光LRは、波長成分毎に回折角の異なる光LR1、
2、3に分割されて図の左方向に向かう。
出器91、93、95が配置されている。それぞれの光
検出器91、93、95は、光分割部83で分割された
光LR1(波長λ1′)、LR2(波長λ2′)、LR3
(波長λ3′)を受け、それぞれの強度を検出する。光
検出器91、93、95は、検出した光の強度を電気信
号として、信号処理部97に送る。信号処理部97は、
受けた信号を画像化処理して表示部99に送る。なお、
信号処理部97における信号処理については、図3〜6
を用いて説明する。なお、当分野における一般的信号処
理についての事項は、東洋出版「超音波観察法・診断
法」や医歯薬出版「基礎超音波医学」を参照されたい。
性を示す模式的なグラフである。縦軸は反射率であり、
横軸は波長である。図には、反射率の1つのピークが示
されている。このピークの中心の波長はλcで、ピーク
から僅かに外れた反射率95%の波長はλ1であり、ピ
ークの右側のスロープ部(傾斜帯域)のほぼ中央部(反
射率50%)の波長はλ2であり、スロープ部の下の方
の部分(反射率20%)の波長はλ3である。
説明するための図である。特に、(A)はハーフミラー
の反射率が90%ときの反射特性を説明するための図で
あり、(B)はハーフミラーの反射率が50%ときの反
射特性を説明するための図であり、(C)はハーフミラ
ーの反射率が20%ときの反射特性を説明するための図
である。縦軸は反射率であり、横軸は波長である。
(A)〜(C)に示されるように、全反射ミラーは、前
記波長λ1、λ2、λ3の全てについて反射率がほぼ10
0%(全反射)である。各図から分かるように、最小反
射率は、周期的に現れると共に、透過反射部3(FB
G)の反射率が高いほど、反射率特性の半値幅は狭くな
る。
射特性、共振部5の反射特性、及び、透過反射部3と共
振部5の間の共振特性から生じるものである。同特性は
以下の式で記述できる。
ーの反射率、GSは共振部5の利得である。
り、横軸は波長である。図には、反射特性の低い3つの
凹部が示されている。一番左の凹部を反射特性a、真ん
中の凹部を反射特性b、右側の凹部を反射特性cと呼
ぶ。これらの凹部の中心の波長は、透過反射部の反射特
性によって、それぞれ、λ1、λ2、λ3に設計されてい
る。
出光のレーザー波長λ1′、λ2′、λ3′を設定する。
例えば図の一番左の傾斜帯域aの中にλ1′を設定す
る。このとき、共振器の全反射膜面に超音波が入射する
と、全反射膜面に微小な変位が生じ、ファブリーペロー
共振器の共振器長は微小変化するため、図5の反射特性
の傾斜帯域aは波長軸(横軸)方向にシフトする。この
状態では、波長λ1′に対する反射率が変化することに
なり、ファブリーペロー共振器から戻ってくる波長
λ1′の光強度が変化し、超音波の検出ができることと
なる。
強度変化が大きくなるように、傾斜帯域aの変化率(傾
き)が急峻になるように、最小反射率を低くかつ反射率
特性の半値幅を狭くする。こうすることで、感度は高く
なるが、一方半値幅が狭くなるため、検出範囲すなわち
ダイナミックレンジは狭くなる。
域では反射率が変わるため、検出部1全体の反射特性
も、図5の反射特性b、反射特性cに示すように異なっ
たものとなる。したがって一台のファブリーペロー共振
器にそれぞれ異なる波長λ1′、λ2′、λ3′の光を用
いることで、それぞれ検出感度とダイナミックレンジの
異なる各測定範囲の検出を同時に行うことができる。こ
れによって、高い検出感度と広いダイナミックレンジを
伴せ持った検出が可能となる。
出装置の構成を示す図である。この動的変化検出装置
は、光源部101を広帯域な波長域を有する光源、例え
ばスーパールミネッセントダイオード(SLD)にした
ものである。その他の構成は図2の場合と同じである。
図7は、SLDの発光特性を示す模式的なグラフであ
る。縦軸は発光強度であり、横軸は波長である。
幅20〜30nm)をもつ。この光が図5の特性を有する
ファブリーペロー共振器で反射されるため、図5の反射
特性a、b、cの重ね合わせのスペクトル特性をもった
光が、光カプラーを介して波長分割部83へ入る。波長
分割部83では、図5の反射特性a、b、cの特性変化
域のλ1 、λ2 、λ3の波長成分のみをそれぞれ選別分
割するため、それぞれの波長成分の光強度は、超音波入
射に伴い生じるファブリーペロー反射特性変化に基づく
変化が生じることとなる。これにより、図2〜5の実施
例と同様の効果が実現される。
音波診断装置の全体構成を示すブロック図である。この
例の超音波診断装置は、送信部201、探触子209、
受信部211、テレビ走査変換部213、表示部(テレ
ビモニター)215等からなる。送信部201は、パル
ス状の超音波発振信号を、PZTやPVDFからなる超
音波送信用トランスジューサ203に送る。トランスジ
ューサ203は送信超音波を発し、被検体206内に超
音波を入射する。なお、トランスジューサ203の下方
には超音波用ハーフミラー205(樹脂性の板等)が配
置されている。被検体206では、超音波エコー207
が図の上方に反射され、該エコーは探触子209内のハ
ーフミラー205で右方に反射され、2次元アレー超音
波検出部208に入射する。同検出部208は、超音波
を光に変換して受診部211に送る。受信部211は、
検出部208からの光信号を電気信号に変換する。テレ
ビ走査変換部213は、受信部211からの信号を増幅
などしたのちに画像化処理を行う。そして画像化処理さ
れた信号は、表示部(モニター)215に送られ画像表
示される。
明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではな
く様々の改変・追加を行うことができる。
的変化検出を検出する際に、さまざまな検出感度とダイ
ナミックレンジの組み合わせ条件を選択できるか、ある
いは複数の該条件下で並列的に計測できる。
置の検出部(センサー部)を模式的に示す図である。
(A)は1本の検出部の横断面図であり、(B)は多数
の検出部が2次元アレーをなして配列されている様子を
示す斜視図である。
置(超音波検出装置)の装置構成を示す系統図である。
の反射特性を示す模式的なグラフである。縦軸は反射率
であり、横軸は波長である。
性を示す模式的なグラフである。縦軸は反射率であり、
横軸は波長である。
率であり、横軸は波長である。
(SLD)を有する他の実施の形態に係る動的変化検出
装置の構成を示す図である。
る。
の全体構成を示すブロック図である。
式的に示す図である。(A)は全体の斜視図、(B)は
配列振動子を拡大して示す斜視図である。
(FBG)) 5 共振部(ファブリーペロー共振器(FPR)) 7 被検体 9 超音波 11 第一媒質 13 第二媒質 15 ハーフミラー 17 第三媒質 19 全反射ミラー
Claims (18)
- 【請求項1】 入射する光の波長に応じて透過・反射特
性の異なる透過反射部の先に、ある厚さの媒質と全反射
ミラーとからなる共振部を接続して検出部を構成し、 該検出部に、前記全反射ミラー側(先端側)から被検体
の動的変化を伝搬させるとともに、反全反射ミラー側
(基端側)から前記透過反射部を通して前記共振部に、
ある波長の検出光を入射させ、 その間に該検出光の反射光を検出し、 前記動的変化の伝搬に伴う前記検出部の寸法変化に対応
した前記反射光の特性変化から、前記被検体の動的変化
を検出することを特徴とする動的変化検出方法。 - 【請求項2】 前記検出光として複数の異なる波長成分
を含む光を用いるとともに、該検出光の反射光を分割し
て該波長成分別に検出し、 この際、前記反射光の反射率特性曲線の傾斜帯域の半値
幅を異ならせた複数の傾斜帯域を設定し、該複数の帯域
に対応した複数の検出光を前記検出部に入射させ、複数
の異なる検出感度又はダイナミックレンジにおいて並列
的に測定することを特徴とする請求項1記載の動的変化
検出方法。 - 【請求項3】 前記透過反射部が光ファイバーブラッグ
グレーティングからなることを特徴とする請求項1又は
2記載の動的変化検出方法。 - 【請求項4】 前記動的変化が前記被検体中を伝搬する
音であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記
載の動的変化検出方法。 - 【請求項5】 前記検出部を複数個、列状あるいは行列
状にアレー化配置して被検体の動的変化を検出すること
を特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の動的変化
検出方法。 - 【請求項6】 前記複数の異なる波長成分を含む検出光
を、複数の波長の異なる単一波長レーザーから発するこ
とを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の動的変
化検出方法。 - 【請求項7】 前記複数の異なる波長成分を含む検出光
を、広帯域な発光波長を有する光源により発することを
特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の動的変化検
出方法。 - 【請求項8】 前記光源がスーパールミネッセントダイ
オード(SLD)であることを特徴とする請求項7記載
の動的変化検出方法。 - 【請求項9】 検出光を発する光源と、 該検出光の入射する、入射する光の波長に応じて透過・
反射特性の異なる透過反射部と、 該透過反射部を透過した検出光の入射する共振部であっ
て、検出光入射側から、ある厚さの媒質、及び、該媒質
をはさんで前記透過反射部と対向するとともに被検体か
らの動的変化の伝搬する全反射ミラー、を有する共振部
と、 前記透過反射部及び共振部からの前記検出光の反射光を
検出する光検出器と、 を具備することを特徴とする動的変化検出装置。 - 【請求項10】 異なる波長成分の光を含む検出光を発
する光源と、 該検出光の入射する、入射する光の波長に応じて透過・
反射特性の異なる透過反射部と、 該透過反射部を透過した検出光の入射する共振部であっ
て、検出光入射側から、ある厚さの媒質、及び、該媒質
をはさんで前記透過反射部と対向するとともに被検体か
らの動的変化の伝搬する全反射ミラー、を有する共振部
と、 前記透過反射部及び共振部からの前記検出光の反射光を
前記検出光の波長成分毎に分割する光分割部と、 分割された反射光を検出する光検出器と、 を具備することを特徴とする動的変化検出装置。 - 【請求項11】 前記反射光の反射率特性曲線の傾斜帯
域の半値幅を異ならせた複数の傾斜帯域を設定し、 該複数の帯域に対応した複数の検出光を前記検出部に入
射させ、 複数の異なる検出感度又はダイナミックレンジにおいて
並列的に測定しうることを特徴とする請求項10記載の
動的変化検出装置。 - 【請求項12】 前記透過反射部が光ファイバーフラッ
ググレーティングからなることを特徴とする請求項9、
10又は11記載の動的変化検出装置。 - 【請求項13】 前記動的変化が前記被検体中を伝搬す
る音であることを特徴とする請求項9〜12いずれか1
項記載の動的変化検出装置。 - 【請求項14】 前記検出部が、複数、列状あるいは行
列状にアレー化配置されていることを特徴とする請求項
9〜13いずれか1項記載の動的変化検出装置。 - 【請求項15】 前記光源が、複数の波長の異なる単一
波長レーザーを含むことを特徴とする請求項10〜14
いずれか1項記載の動的変化検出装置。 - 【請求項16】 前記光源が、広帯域な発光波長を有す
る光源であることを特徴とする請求項10〜14いずれ
か1項記載の動的変化検出装置。 - 【請求項17】 前記光源が、スーパールミネッセント
ダイオード(SLD)であることを特徴とする請求項1
6記載の動的変化検出装置。 - 【請求項18】 被検体に超音波を送信する送信部と、 該被検体からの超音波反射エコーを受信し電気信号に変
換する受信部と、 該受信部の信号を受け画像化処理して表示する画像処理
表示部と、 を備える超音波診断装置であって;上記受信部中に、請
求項9〜17いずれか1項記載の動的変化検出装置を具
備することを特徴とする超音波診断装置。
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