JP2003339707A - 超音波受信装置 - Google Patents

超音波受信装置

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JP2003339707A
JP2003339707A JP2003036037A JP2003036037A JP2003339707A JP 2003339707 A JP2003339707 A JP 2003339707A JP 2003036037 A JP2003036037 A JP 2003036037A JP 2003036037 A JP2003036037 A JP 2003036037A JP 2003339707 A JP2003339707 A JP 2003339707A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光検出方式の超音波受信装置において、超音
波の多重反射を抑制し、超音波画像の画質を向上させ
る。 【解決手段】 受信される超音波に基づいて光を変調す
る超音波検出素子20と、超音波検出素子に直接又は間
接的に接続され、超音波検出素子によって受信される超
音波を伝搬させるバッキング部であって、光透過性を有
すると共に、超音波の検出に用いられる光を導光するバ
ッキング部13と、超音波検出素子から出力される光を
検出する光電変換部15とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を受信する
超音波受信装置に関し、さらに、そのような超音波受信
装置を用いて超音波を受信することにより医療診断や非
破壊検査を行うために用いる超音波撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波撮像装置においては、超音
波の送信及び受信を行う素子(振動子)としてPZT
(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(lead) zirconate titanat
e)に代表される圧電セラミックや、PVDF(ポリフ
ッ化ビニリデン:polyvinyl difluoride)等の高分子圧
電素子を含む圧電素子を用いた1次元センサアレイが一
般的に用いられていた。そのような1次元センサアレイ
を機械的に移動させながら、被検体の複数の断面におけ
る2次元画像を取得し、さらに、それらの2次元画像を
合成することにより3次元画像を得ていた。
【0003】しかしながら、この手法によれば、1次元
センサアレイの移動方向にタイムラグがあるので、異な
る時刻における断面像を合成することになり、合成画像
がぼけたものとなってしまう。そのため、このような手
法は、超音波エコー観察等のように、被写体として生体
を撮像する場合には適していない。
【0004】超音波を用いて高品位な3次元画像を取得
するためには、センサアレイを移動させることなく2次
元画像を取得できる2次元センサが必要である。しかし
ながら、上記PZTやPVDFを用いて2次元センサア
レイを作製する場合には、素子の微細加工と、多数の微
細素子への配線が必要であり、現状以上の微細化と素子
集積は困難である。また、それらが解決されたとして
も、素子間のクロストークが増大したり、微細配線によ
る電気的インピーダンスの上昇によりSN比が劣化した
り、微細素子の電極部が破壊し易くなるといった問題が
あるので、PZTやPVDFを用いた2次元センサアレ
イの実現は困難である。
【0005】一方、受信した超音波信号を光信号に変換
して検出する方式のセンサも知られている。このような
光検出方式の超音波センサとして、ファイバブラッググ
レーティング(FBGと略称)を用いるもの(非特許文
献1参照)や、ファブリーペロー共振器(FPRと略
称)構造を用いるもの(非特許文献2参照)が報告され
ている。このような超音波センサを用いて2次元センサ
アレイを作製すると、多数の微細素子への電気的配線が
不要で、且つ、良好な感度が得られるという利点があ
る。
【0006】また、2次元の検出面を有する光検出方式
の超音波センサも知られている。非特許文献3には、フ
ァブリーペロー構造を有するポリマー膜を超音波の検出
に用いることが記載されている。このような膜状の超音
波センサは、多数の微細素子に対する加工が不要である
ために、コストを抑制することができる。
【0007】ところで、このような光検出方式の超音波
センサにおいては、超音波受信面の裏側において超音波
の多重反射が生じてしまうという問題がある。ここで、
超音波の多重反射について、光検出方式による2次元面
センサを例に取って説明する。図15に示すように、超
音波検出素子100は、基材101及び超音波有感部1
02を含んでいる。この例において、超音波有感部10
2は、全反射ミラー103、ハーフミラー104、及
び、全反射ミラー103とハーフミラー104との間に
形成されるキャビティ105を含むファブリーペロー共
振器構造を有している。キャビティ105を形成する部
材は、超音波が印加されることにより幾何学的変位を受
ける。
【0008】この超音波検出素子100の受信面102
aに、基材101側から光を入射させながら超音波を印
加する。すると、超音波の音圧変化により、キャビティ
105の光路長Lが受信面102aの位置に応じて変化
し、超音波有感部102から反射される光の強度が位置
に応じて変化する。この反射光の強度を超音波の強度に
換算することにより、受信面102aの位置に応じた超
音波の強度を検出することができる。
【0009】ここで、図16及び図17の(a)を参照
すると、媒質から伝搬し、被検体に関する情報を含む超
音波は、位置Aにおいて振動を発生させると共に超音波
検出素子100の内部に伝搬する(超音波US1)。続
いて、超音波US1は、受信面102aとは反対側の境
界面(位置B)によって反射され、その際に、位置Bに
おいて振動を発生させ、再び受信面102a方向に戻っ
てくる(超音波US2)。さらに、超音波US2は、受
信面102aによって反射され、その際に、位置Cにお
いて振動を発生させ、再び受信面102aの裏面に伝搬
する(超音波US3)。このように、超音波検出素子1
00においては、伝搬した超音波が減衰するまで反射が
繰り返される。この現象により、図17の(b)に示す
ように、超音波検出素子100からは、本来検出すべき
被検体に関する信号(位置Aにおける検出信号)の他
に、多重反射して生じた信号(位置Cや位置Eにおける
検出信号)が混入してしまう。
【0010】このような超音波の多重反射が、超音波画
像におけるSN比を低下させ、画質を悪化させる一因と
なっている。そのため、例えば、超音波の送受信に圧電
素子を用いる超音波受信装置においては、圧電素子にフ
ェライトコア等を含むバッキング材を接続することによ
り、超音波を減衰させている。しかしながら、光検出方
式の超音波受信装置においては、光透過性を考慮しなく
てはならないので、従来と同様のバッキング材を用いる
ことはできない。
【0011】
【非特許文献1】タカハシ(TAKAHASHI)、他2名、
「ファイバブラッググレーティングを用いた水中音響セ
ンサ(Underwater Acoustic Sensor with Fiber Bragg
Grating)」、オプティカルレビュー(OPTICAL REVIE
W), Vol. 4, No. 6 (1997),P. 691-694
【非特許文献2】ウノ(UNO)、他1名、「メガヘルツ
超音波領域測定のためのファイバーオプティックマイク
ロプローブの制作と性能(Fabrication and Performanc
e of a Fiber Optic Micro-Probe for Megahertz Ultra
sonic Field Measurement)」, 電学論(T. IEE Japa
n), Vol. 118-E, No. 11 (1998), P. 487-492
【非特許文献3】ベアード(Beard)、他2名、「広帯
域な超音波検出のためのファブリーペローポリマーフィ
ルムセンシングコンセプトの処理機構(Transduction M
echanisms of the Fabry-Perot Polymer Film Sensing
Concept for Wideband Ultrasound Detection)」 アイ
・イー・イー・イー会報(IEEE TRANSACTIONS ONULTRAS
ONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL), VO
L. 46, NO. 6 (NOVEMBER 1999), P.1575-1582
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の点に鑑
み、本発明は、光検出方式の超音波受信装置において、
超音波の多重反射を抑制し、超音波画像の画質を向上さ
せることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明の第1の観点に係る超音波受信装置は、受信
される超音波に基づいて光を変調する超音波検出素子
と、該超音波検出素子に直接又は間接的に接続され、該
超音波検出素子に受信される超音波を伝搬させるバッキ
ング部であって、光透過性を有すると共に、超音波の検
出に用いられる光を導光するバッキング部と、超音波検
出素子から出力される光を検出する光電変換部とを具備
する。ここで、上記超音波検出素子は、受信される超音
波に応じて伸縮し、伸縮に応じて光反射率が変動するこ
とにより、入射される光を強度変調する超音波有感部を
含み、上記光電変換部が、該超音波検出素子において強
度変調された光を検出しても良い。
【0014】本発明の第1の観点によれば、受信した超
音波をバッキング部に伝搬させることにより超音波を減
衰させるので、超音波の多重反射による影響を避けるこ
とができる。また、光透過性を有するバッキング部によ
って検出に用いられる光が導光されるので、超音波検出
素子から出力された光信号の減衰を抑制し、SN比を低
下させることなく光電変換部に導くことができる。
【0015】また、本発明の第2の観点に係る超音波受
信装置は、受信される超音波に応じて伸縮し、伸縮に応
じて光反射率が変動することにより、入射される光を強
度変調する超音波有感部を含む超音波検出素子と、超音
波検出素子に光を導くと共に、超音波検出素子によって
受信される超音波を伝搬させる光伝送路と、光伝送路に
よって導かれた光を超音波検出素子に対してコリメート
するコリメート部と、超音波検出素子から反射される光
を検出する光電変換部とを具備する。
【0016】本発明の第2の観点によれば、超音波検出
素子に光を導く光伝送路に受信した超音波を伝搬させる
ことにより、超音波の多重反射による影響を避けること
ができる。また、超音波検出素子と光伝送路とをコリメ
ート部を介して接続するので、超音波検出素子に平行光
を導光できると共に、超音波を光ファイバ等の光伝送路
に伝搬させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の構
成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置
を示す図である。この超音波受信装置は、光源11と、
分波器12と、光伝送路13と、コリメート部14と、
受信される超音波に基づいて光を変調する超音波検出素
子20と、光検出器15と、結像系16〜18とを含ん
でいる。
【0018】光源11としては、所定の帯域(例えば、
1.55μm)を有するチューナブルLD(レーザダイ
オード)が用いられる。分波器12は、ハーフミラー、
光サーキュレータ、又は、偏光ビームスプリッター等に
よって構成され、第1の方向から入射した入射光を第2
の方向に反射すると共に、第2の方向から戻ってくる反
射光を第1の方向とは別の第3の方向に通過させる。本
実施形態においては、分波器12としてハーフミラーを
用いている。ハーフミラーは、入射光を入射方向とほぼ
90°の角度をなす方向に反射して、入射方向とほぼ9
0°の角度をなす方向から戻ってくる光を透過する。本
実施形態においては、ハーフミラーの前段及び後段に、
結像系16〜18としてレンズを設けている。
【0019】光伝送路13は、分波器12を通過した光
を超音波検出素子20に導く。光伝送路13としては、
多数の(例えば、1024本)光ファイバを束ねたバン
ドルファイバが用いられる。本実施形態において、多数
のファイバは、超音波検出素子の受信面の形状(例え
ば、円状)に合わせて束ねられている。
【0020】光伝送路13の先端部は、コリメート部1
4を介して超音波検出素子20に、光軸を合わせて接続
されている。コリメート部14は、例えば、コリメート
レンズがアレイ化されたコリメートレンズアレイを含ん
でいる。光伝送路13及びコリメート部14の構成につ
いては、後で詳しく説明する。
【0021】超音波検出素子20は、伝搬する超音波に
よって歪みを生じる2次元の受信面20aと、受信面2
0aによって受信される超音波に応じて伸縮する超音波
有感部とを有している。この伸縮に応じて超音波有感部
の光反射率が変動するので、光伝送路13及びコリメー
ト部14を通って超音波検出素子20に入射した光は強
度変調を受けて反射される。超音波検出素子20から反
射された光は、再びコリメート部14及び光伝送路13
を通り、分波器12を通過して複数の画素を有する光検
出器15に入射する。
【0022】光検出器15は、PDA(フォトダイオー
ドアレイ)やMOS型センサ等を含む2次元アレイ光電
変換器である。光検出器15は、超音波検出素子20の
対応する位置から分波器12を介して入射した光を複数
の画素ごとに検出し、それぞれの画素における光強度に
応じた検出信号を出力する。ここで、反射光は、直接あ
るいは光ファイバー等を通して光検出器15に入射する
ようにしても良いし、分波器12の後段に結像系18を
設け、これを介して光検出器15に結像するようにして
も良い。
【0023】次に、図2を参照しながら、超音波検出素
子20の構造及び超音波の検出原理について詳しく説明
する。超音波検出素子20は、基板21と、該基板の上
に積層された多層膜22とを含む多層膜センサである。
この多層膜22が、ブラッググレーティング構造を構成
し、超音波有感部として働く。
【0024】基板21は、超音波を受信することによっ
て歪みを生じる膜状の基板であり、例えば、直径2cm
程度の円か、それ以上の面積を有している。基板21に
は、異なる屈折率を有する2種類の材料層を交互に積層
することにより、ブラッググレーティング構造を有する
多層膜22が形成されている。図2には、屈折率n1
有する材料層Aと、屈折率n2を有する材料層Bとが示
されている。
【0025】多層膜22の周期構造のピッチ(間隔)を
dとし、入射光の波長をλとすると、ブラッグの反射条
件は次の式で表される。ただし、mは任意の整数であ
る。 2d・sinθ=mλ ・・・(1) ここで、θは入射面と入射光とのなす角であり、θ=π
/2とすると次の式のようになる。 2d=mλ ・・・(2) ブラッググレーティングは、ブラッグの反射条件を満た
す特定の波長の光を選択的に反射し、その他の波長の光
を透過させる。
【0026】超音波検出素子20に超音波を伝搬させる
と、超音波の伝搬に伴い基板21が歪み、多層膜22の
各位置において周期構造のピッチdが変化する。これに
伴い、選択的に反射される光の波長λが変化する。ブラ
ッググレーティングの反射特性においては、最も光反射
率の高い(透過率の低い)中心波長の前後に光反射率の
変化する傾斜帯域があり、この傾斜帯域の範囲に中心波
長を有する光を多層膜22に入射させながら基板21に
超音波を加える。すると、受信面の各位置における超音
波の強さに応じた反射光(又は透過光)の強度変化を観
測できる。この光の強度変化を超音波の強度に換算する
ことにより、超音波の2次元強度分布情報を取得でき
る。ここで、反射特性とは、超音波検出素子20におけ
る光の波長と反射強度との関係のことをいう。
【0027】基板21の材料としては、石英ガラス(S
iO2)やBK7(ショット社の製品)等の光学ガラス
等が用いられる。また、材料層A及びBに用いられる物
質としては、屈折率が互いに10%以上異なる物質の組
み合わせが望ましい。これには、例えば、SiO2と酸
化チタン(Ti23)との組み合わせや、SiO2と酸
化タンタル(Ta25)との組み合わせ等が挙げられ
る。材料層A及びBは、基板21上に、真空蒸着やスパ
ッタリング等の方法によって形成される。
【0028】ところで、超音波の多重反射を抑制するた
めには、超音波が伝搬する距離を長くすることが有効で
ある。超音波は、伝搬する際に少なからず減衰し、その
伝搬距離が長いほど減衰量は大きくなる。そこで、十分
な伝搬距離を取れば、一端に伝搬した超音波が他端にお
いて反射して戻る間に、超音波を十分に減衰させること
ができるからである。このため、本実施形態において
は、光伝送路として光ファイバを用い、受信した超音波
を光ファイバに伝搬させている。即ち、光伝送路に、光
を通過させる機能と共に超音波を減衰させるバッキング
部としての機能を持たせている。
【0029】図3は、図1に示す光伝送路13、コリメ
ート部14、及び、超音波検出素子20の一部を拡大し
て示す断面図である。図3に示すように、光伝送路(バ
ンドルファイバ)13に含まれる複数の光ファイバ13
aと、コリメート部(コリメートレンズアレイ)14に
含まれる複数のコリメートレンズ14aとは、それぞれ
光軸を合わせて接続され、さらに、超音波検出素子20
に2次元状に配置されて接続されている。複数の光ファ
イバ13aは、接着剤25を用いて束ねられている。
【0030】光ファイバ13aは、例えば、2m程度の
長さを有するシングルモード又はマルチモードファイバ
であり、樹脂系材料を含む粘度の低い部材(被覆材23
a)で覆われている。光ファイバを伝搬する間に超音波
を減衰させるために、光ファイバを上記の部材で被覆す
ることにより、超音波の伝搬エネルギー損失をさらに大
きくして超音波減衰を早めることができる。
【0031】ここで、光ファイバ13a中を伝送される
光は、該光ファイバから出射する際に回折する。このた
め、光ファイバ13aを超音波検出素子20に直接接続
すると、光が拡散して超音波検出素子の光反射特性が著
しく乱れ、超音波検出素子内で十分な干渉が生じなくな
る。このため、超音波検出素子の検出感度が著しく悪く
なってしまう。この現象を避けるため、光ファイバ13
aの一端には、出射光の拡散を防止するためにコリメー
トレンズ14aが接続されている。コリメートレンズア
レイに含まれる複数のコリメートレンズ14aは、それ
ぞれの光ファイバによって導かれた光を超音波検出素子
20の超音波受信面における複数の位置に対してコリメ
ートする。
【0032】コリメートレンズ14aとしては、グラデ
ィアントインデックスレンズ(gradient index lens、
以下GRINレンズと略す)が用いられる。GRINレ
ンズは、例えば、セルフォック(Selfoc:日本板
硝子株式会社の登録商標)レンズという製品名で知られ
ている。GRINレンズは、位置によって異なる屈折率
を有する屈折率分布型レンズであり、その長さを変える
ことによって光学特性が変化する。例えば、GRINレ
ンズを物体像面間距離(光が正立に結像するピッチ)の
1/4の長さにすると、入射光が平行光となって出射さ
れる。
【0033】本実施形態においては、セルフォックレン
ズが多数配列されたセルフォックレンズアレイNA0.
46(日本板硝子株式会社の製品)を、0.25Lの長
さ(Lは、物体像面間距離)で使用し、それぞれのセル
フォックレンズをコリメートレンズ14aとして光ファ
イバに接続している。図3に示すように、コリメートレ
ンズ14aを被覆材23aによって覆っても良い。光フ
ァイバ13aにおけるものと同様に、超音波を早く減衰
させるためである。
【0034】光ファイバとコリメートレンズ、又は、コ
リメートレンズと超音波検出素子は、融着又は接着剤を
用いて接続される。接着剤を用いる場合には、エポキシ
系を含む樹脂系接着剤を用いることが望ましい。このよ
うな接着剤においては、音響インピーダンスが光ファイ
バ及びコリメートレンズの部材や超音波検出素子の基板
と近似しているので、超音波が伝搬する際にそれぞれの
部材の境界において反射するのを抑制できるからであ
る。また、複数の光ファイバを束ねるための接着剤25
としても、エポキシ系を含む樹脂系接着剤を用いること
が望ましい。超音波を減衰させ、隣接する光ファイバ間
における超音波のクロストークを防ぐと共に、ケーブル
としての柔軟性を保つことができるからである。本実施
形態においては、このような接着剤として、STYCA
ST(Emerson & Cuming社の製品)を用いている。
【0035】本実施形態によれば、受信された超音波が
光ファイバを伝搬する間に減衰して消滅するので、超音
波検出素子における超音波の多重反射を防ぐことができ
る。このため、超音波画像におけるSN比を高め、画質
を向上させることができる。また、光ファイバと超音波
検出素子とを、長さが数mm程度のセルフォックレンズ
を介して接続するため、超音波受信装置を小型化するこ
とができる。
【0036】本実施形態の変形例について、図4を参照
しながら説明する。この例は、図1における超音波検出
素子20の替わりに、図4に示す超音波検出素子(エタ
ロンセンサ)30を用いている。その他の構成について
は、図1及び図3を用いて説明したのと同様である。図
4に示すように、基板31は、超音波によって変形する
膜状の基板である。基板31に対向して、基板32が配
置されており、これらはエタロンと同様の構造を形成し
ている。
【0037】基板31及び32の光反射率をR、これら
の基板の間隔をdとし、入射光の波長をλとすると、エ
タロンの透過率は次のように表される。ただし、nは任
意の整数である。 T={1+4R/(1−R)2・sin2(φ/2)}-1 …(3) φ=2π/λ・2nd・cosθ …(4) ここで、θは出射面の垂線から測った出射角であり、θ
=0とすると次の式のようになる。 φ=4πnd/λ …(5) エタロンは、波長λの光を光透過率Tで透過し、光反射
率R=(1−T)で反射する。
【0038】超音波検出素子30に超音波を伝搬させる
と、基板31が歪み、受信面の各位置において基板31
及び32の間隔dが変化するので、波長λの光に対する
反射率が変化する。エタロンの反射特性は、波長変化に
対して周期的に変化する。反射特性の変化率の大きい領
域に中心波長を有する光を基板31に入射させながら超
音波を印加すると、受信面の各位置における超音波の強
さに応じた反射光の強度変化を観測できる。この反射光
の強度変化を超音波の強度に換算することにより、超音
波の強度を2次元的に計測することができる。
【0039】次に、本発明の第2の実施形態に係る超音
波受信装置について、図5の(a)及び(b)を参照し
ながら説明する。本実施形態においては、図1に示す超
音波検出素子20、光伝送路13、及び、コリメート部
14の替わりに、図5の(a)に示すように、超音波有
感部を有するバンドルファイバ40を用いている。その
他の構成については、第1の実施形態におけるものと同
様である。
【0040】図5の(b)に、バンドルファイバ40に
含まれるファイバ40aの構成を示す。ファイバ40a
は、光ファイバ41とコリメートレンズ42とを含んで
いる。本実施形態においては、第1の実施形態における
ものと同様に、コリメートレンズ42として、0.25
Lの長さを有するセルフォックレンズを用いている。ま
た、両者は、融着又はエポキシ系を含む樹脂系接着剤に
よって接続されている。
【0041】コリメートレンズ42の一端には、2種類
の材料層が交互に積層された多層膜43が形成されてい
る。この多層膜43が、ブラッググレーティング構造を
構成し、超音波有感部として働く。多層膜43の材料と
しては、例えば、SiO2と酸化チタン(Ti23)と
の組み合わせや、SiO2と酸化タンタル(Ta25
との組み合わせ等が用いられる。このような材料層は、
コリメートレンズ42上に、真空蒸着やスパッタリング
等の方法によって形成されている。
【0042】ファイバ40aは、ファイバ40aの一端
に伝搬した超音波が他端において反射する前に、超音波
が減衰してしまうように、粘度の低い部材(被覆材4
4)によって覆われている。さらに、図5の(b)に示
すように、被覆材44がコリメートレンズ42まで覆う
ようにしても良い。これにより、ファイバ40aに伝搬
した超音波のエネルギー損失を大きくすることができる
ので、超音波を早く減衰させてバッキング部としての効
果を上げることができる。
【0043】このようなファイバ40aを、エポキシ系
を含む樹脂系接着剤を用いて多数束ねることにより、超
音波有感部を有するバンドルファイバ40が作製され
る。本実施形態によれば、コリメートレンズに直接多層
膜が形成されるので、コリメートレンズと超音波検出素
子との接続部分における強度が増す。また、この接続部
分における超音波の反射がより抑制されるので、超音波
をファイバ部分に逃がしやすくなり、効果的に多重反射
を抑制することができる。
【0044】次に、本発明の第3の実施形態に係る超音
波受信装置について、図6を参照しながら説明する。図
6に示す超音波受信装置は、図1における光伝送路13
及びコリメート部14の替わりに、バッキング部50を
有している。その他の構成については、第1の実施形態
と同様である。
【0045】バッキング部50は、検出に用いられる光
を透過する光伝送部51と、超音波を減衰させるための
被覆部52とを含んでいる。光伝送部51には、光学ガ
ラス等の部材が用いられる。また、被覆部52には、樹
脂、ゴム、液体等の粘度の低い部材が用いられる。この
ようなバッキング部50と、超音波検出素子20とは、
エポキシ系等の樹脂系接着剤によって接続される。
【0046】図6の超音波受信装置において、光源11
から発生した光は、レンズ16を通過し、分波器12に
よって方向を変えられた後、レンズ17及び光伝送部5
1を通過し、超音波検出素子20に入射する。超音波検
出素子20においては、受信面20aにおいて受信され
る超音波に応じて伸縮した部分の光反射率が変動する。
これにより、超音波検出素子20に入射した光は、強度
変調を受けて反射される。さらに、反射された光は、レ
ンズ17、分波器12、及び、結像系18を通過し、光
検出器15に入射して検出される。
【0047】一方、超音波検出素子20に印加された超
音波は、超音波検出素子20の内部及びバッキング部5
0に伝搬する。バッキング部50において、超音波は、
光伝送部51を伝搬する際にエネルギーを損失すると共
に、被覆部52によってエネルギーを吸収されて急速に
減衰する。これにより、超音波の多重反射による影響を
低減することができる。
【0048】本実施形態によれば、それぞれの画素に対
応する複数の光ファイバによって超音波検出素子に導光
するのと異なり、超音波検出素子の反射面に対して所定
の太さ(照射面積)を有する光を導光するので、超音波
受信装置の構成を簡単にすることができる。なお、本実
施形態においては、図6に示すレンズ17を通過した光
を直接光伝送部に入射させているが、図1に示すような
光ファイバやコリメート部を介して光伝送部に入射させ
ても良い。また、光伝送部51と超音波検出素子20と
の間に、光伝送部51から出射した光を平行光にして超
音波検出素子20に入射させるコリメート部を挿入して
も良い。さらに、本実施形態においては、超音波検出素
子として、図2に示す多層膜センサを用いているが、図
4に示すエタロンセンサを用いても良い。
【0049】以上説明した第1〜第3の実施形態におい
ては、光増幅器を付加することによって超音波検出性能
を向上させることができる。この変形例について、図7
を参照しながら説明する。図7に示す超音波受信装置
は、図1に示す超音波受信装置に、光増幅器91と光増
幅器92との内の少なくとも一方を追加したものであ
る。光増幅器91は、光源11と分波器12の間、若し
くは、レンズ16と分波器12の間に配置され、光源1
1から入射した光を増幅して分波器12に出射する。一
方、光増幅器92は、分波器12と結像系18の間に配
置され、分波器12から入射した光を増幅して結像系1
8に出射する。結像系18を用いない場合には、光増幅
器92は、分波器12と光検出器15との間に配置さ
れ、分波器12から入射した光を増幅して光検出器15
に出射する。
【0050】光増幅器としては、例えば、エルビウム
(Er)をドープした光ファイバ増幅器EDFA(Er-d
oped optical fiber amplifier)を使用する。このED
FAは、光の強度を約1桁から2桁上昇させることがで
きる。このような光増幅器を、光源11と超音波検出素
子20との間に配置した場合には、超音波検出素子20
に入射する入射光の強度が増幅される。また、光増幅器
を超音波検出素子20と光検出器15との間に配置した
場合には、超音波検出素子20に入射する入射光の強度
は変化しないが、光検出器15に入射する反射光の強度
が増幅される。この場合には、受信した超音波によって
変調された反射光の強度変化も増幅されることになる。
【0051】いずれにしても、光の状態で強度を増幅す
ることにより光検出器15に入射する反射光の光量が増
加するので、光検出器15における電気的なノイズの影
響を低減し、超音波受信装置のSN比を向上させること
ができる。さらに、両者を併用する場合には、より一層
のSN比の向上が実現可能である。
【0052】また、第1〜第3の実施形態においては、
光源として、チューナブルLDの替わりにブロードバン
ド光源を用いることができる。この変形例について、図
8及び図9を参照しながら説明する。図8においては、
ブロードバンド光源から発生する光を、狭帯域化フィル
タにより狭帯域化して用いている。ブロードバンド光源
としては、例えば、増幅された自然放出光を放出するA
SE(amplified spontaneous emission)光源や、ブロ
ードバンドファイバ光源を用いることができる。図8に
おいては、ブロードバンド光源として、ASE光源93
を使用している。ASE光源93は、広帯域光増幅器
(broadband optical fiber amplifier)の構造を、増
幅された自然放出光を発生できるように変えたものであ
る。広帯域光増幅器の詳細については、例えば、大越春
喜氏による「広帯域光増幅器」(電子情報通信学会誌V
ol.82、No.7、p.718〜724、1999
年7月)を参照されたい。
【0053】ここで、図9は、図8に示すASE光源9
3の原理を説明するための図である。ASE光源93
は、光増幅用の光ファイバ96を含んでいる。光ファイ
バ96の一方の端部にはレンズ97が取り付けられてお
り、他方の端部には励起光反射用のブラッググレーティ
ング部98が形成されている。レンズ97の図中左側に
は、レーザ発振器99が励起光源として配置されてい
る。レーザ発振器99において発生した光は、レンズ9
7を介して光ファイバ96に入射して増幅され、増幅さ
れた光の一部は、自然放出光としてブラッググレーティ
ング部98を透過する。
【0054】再び図8を参照すると、ASE光源93が
発生した光は、分波器94に入射する。分波器94は、
第1の方向から入射した光を第2の方向に通過させると
共に、第2の方向から戻ってくる反射光を第1の方向と
は別の第3の方向に通過させる。図8においては、分波
器94としてハーフミラーを用いているが、この他、光
サーキュレータや偏光ビームスプリッタを用いても良
い。
【0055】ASE光源93を出た光が分波器94を通
過する方向(図の下側)には、超音波検出素子20と同
じ材料で構成される狭帯域フィルタ95が設けられてい
る。狭帯域フィルタ95に入射した光は、狭帯域フィル
タ95に含まれるブラッググレーティング構造を有する
多層膜によって反射され、再び分波器94に入射する。
ASE光源93から発生した自然放出光は、狭帯域フィ
ルタ95を通過することにより、狭帯域化される。
【0056】狭帯域フィルタ95に反射された光は、再
び分波器94に入射し、進路を変更されて分波器12に
入射する。分波器12を通過した光は、受信される超音
波に応じて伸縮することにより超音波有感部の光反射率
が変動する超音波検出素子20に入射し、強度変調を受
けて反射される。
【0057】ここで、ブラッググレーティング部は、温
度の変化によって反射光の中心波長が0.01nm/℃
の割合で変化する。そのため、単一波長のレーザ光を発
生する光源を用いると、ブラッググレーティング部によ
って構成された超音波検出素子20の感度が、温度の変
化によって大きく変化してしまうという問題があった。
しかしながら、図8に示すように、ASE光源93から
発生した自然放出光を狭帯域フィルタ95によって狭帯
域化することにより、単一波長のレーザ光に近い帯域を
確保できると共に、温度の変化による超音波受信装置の
感度の変化を低減することができる。
【0058】即ち、狭帯域フィルタ95と超音波検出素
子20とを同一の材料で形成し、狭帯域フィルタ95と
超音波検出素子20とを、例えば、熱伝導率の高い材料
で結合したり、狭帯域フィルタ95と超音波検出素子2
0とを物理的に近接させることにより、熱的結合を図っ
ている。又は、狭帯域フィルタ95と超音波検出素子2
0との周りにヒートパイプを配置しても良い。
【0059】これにより、狭帯域フィルタ95のブラッ
ググレーティング部と超音波検出素子20のブラッググ
レーティング部とがほぼ同じ温度となるので、温度によ
って超音波検出素子20の反射特性がシフトしても、超
音波検出素子20に入射する光の波長も同様にシフトし
て、超音波受信装置の感度の変化を低減することができ
る。
【0060】以上において述べたような超音波受信装置
を適用した超音波撮像装置について、図10を参照しな
がら説明する。図10に示す超音波検出部60は、第1
〜第3の実施形態における超音波検出素子を含んでお
り、コリメート部や光伝送路を介してレンズ17や分波
器12に接続されている。
【0061】また、この超音波撮像装置は、超音波送信
部70と駆動信号発生回路71とを含んでいる。超音波
送信部70は、駆動信号発生回路71から発生する駆動
信号に基づいて超音波を送信する。超音波送信部70か
ら送信された超音波は、被検体によって反射され、超音
波検出部60に受信される。このとき、超音波検出部6
0の超音波有感部は、印加される超音波に応じて伸縮
し、その伸縮に応じて超音波有感部の光反射率が変動す
る。一方、超音波検出部60には、光源から発生し、分
波器12を通過した光が入射している。この光は、超音
波検出部60の超音波有感部における光反射率の変動に
より強度変調を受け、反射される。反射された光は、分
波器12や結像系18を介して光検出器15に入射し、
2次元的に検出される。
【0062】また、この超音波撮像装置は、信号処理部
81と、A/D変換器82と、1次記憶部83と、画像
処理部84と、画像表示部85と、2次記憶部86と、
タイミングコントロール部72とを含んでいる。光検出
器15から出力される検出信号は、信号処理部81にお
いて位相調整、対数増幅、検波等の処理を施され、さら
に、A/D変換器82においてディジタル信号に変換さ
れる。
【0063】1次記憶部83は、変換されたデータに基
づく複数枚の面データを記憶する。画像処理部84は、
それらのデータに基づいて、2次元データ又は3次元デ
ータを再構成すると共に、補間、レスポンス変調処理、
階調処理等の処理を施す。画像表示部85は、例えば、
CRTやLCD等のディスプレイ装置であり、これらの
処理を施された画像データに基づいて画像を表示する。
さらに、2次記憶部86は、画像処理部84において処
理されたデータを記憶する。
【0064】タイミングコントロール部72は、所定の
タイミングで駆動信号を発生するように駆動信号発生回
路71を制御すると共に、送信時刻から一定時間経過後
に光検出器15から出力される検出信号を取り込むよう
に、信号処理部81を制御する。このようにして、被写
体の特定の深さから反射された超音波を検出することが
できる。ここで、超音波検出部60と超音波送信部70
とは、別々に設けても良いし、超音波送信部70と超音
波検出素子とを組み合わせることにより、超音波用探触
子(超音波送受信部)1を形成しても良い。
【0065】超音波送信部70と超音波検出素子とを組
み合わせる場合における超音波用探触子の構成につい
て、図11及び図12を参照しながら説明する。図11
に示す超音波用探触子1において、超音波検出素子20
の周囲には、複数の超音波送信素子10が配置されてい
る。超音波送信素子10は、圧電素子7及び電極8を含
んでおり、配線9を介して駆動信号発生回路71に接続
されている。なお、図11においては、簡単のために、
1組のみの配線を示す。
【0066】圧電素子7は、PZT(チタン酸ジルコン
酸鉛:Pb(lead) zirconate titanate)に代表される圧
電セラミックや、PVDF(ポリフッ化ビニリデン:po
lyvinyl difluoride)等の高分子圧電素子によって構成
される。このような圧電素子に、駆動信号発生回路71
からパルス状の電気信号或いは連続波電気信号を送って
電圧を印加すると、圧電素子は圧電効果により伸縮す
る。これにより、超音波パルス或いは連続波超音波が発
生し、媒質中を超音波ビームとして伝搬する。
【0067】図12は、超音波用探触子1のハウジング
内の正面図である。超音波用探触子1のハウジング35
内には、圧電素子7及び電極8を含む超音波送信素子1
0と、コリメータ部14を介して光伝送部13に接続さ
れている超音波検出素子20とが収納されている。
【0068】超音波送信素子10及び超音波検出素子2
0とハウジング35との間には、音響インピーダンスの
整合を図るために音響整合層36を設けることが望まし
い。音響整合層36は、超音波を伝え易いパイレックス
(登録商標)ガラスや金属粉入りエポキシ樹脂等により
構成することができる。また、ハウジング35の表面に
は、超音波送信素子10や超音波検出素子20を保護す
ることも兼ねて、シリコンゴム等の音響レンズ材37を
設けることが望ましい。なお、ハウジング35内は、超
音波送信素子10及び超音波検出素子20が設けられた
部分の近傍を除き、樹脂38で固められている。
【0069】図13は、超音波用探触子1の平面図を示
している。本実施形態においては、図13の(a)に示
すように、超音波検出素子20の周囲に複数の超音波送
信素子10を配置しているが、図13の(b)又は
(c)に示すように、超音波検出素子20の受信面が1
つ又は複数の超音波送信素子10を囲むように配置する
ことも可能である。図13の(b)に示すように、超音
波検出素子20の中心に1つの超音波送信素子10を配
置する場合には、送信波のビームスキャンはできないの
で、無指向性の超音波送信素子を用いることが望まし
い。一方、図13の(a)又は(c)に示すように、複
数の超音波送信素子10を1次元又は2次元的に配置す
る場合には、1次元又は2次元的なビームスキャン送信
が可能になる。なお、図13の(a)〜(c)におい
て、超音波送信素子10や超音波検出素子20の周囲
を、超音波のクロストークを低減させるために、吸音材
39で満たしても良い。吸音材39としては、金属粉入
りエポキシ樹脂や、フェライト粉入りゴム等が適してい
る。
【0070】超音波送信素子10と超音波検出素子20
とを図13(c)に示すように配置する場合には、例え
ば、次のように超音波用探触子を作製することができ
る。図14は、超音波用探触子の作製方法の例を説明す
るための図である。図14の(a)〜(d)は、図13
の(c)のA−A’面における断面を示している。ま
ず、図14の(a)に示すように、光学ガラス等を材料
とする基板21に、複数の開口を形成する。次に、図1
4の(b)に示すように、基板21の図中下側の面上
に、異なる屈折率を有する2種類の材料層を交互に積層
することにより、ブラッググレーティング構造を有する
多層膜22を形成する。次に、図14の(c)に示すよ
うに、基板21の開口内に、圧電素子7及び電極8を含
む超音波送信素子10を挿入する。これにより、超音波
検出素子20の受信面が、超音波送信素子10を囲むよ
うに形成される。なお、この際に、超音波送信素子10
と超音波検出素子20との隙間に吸音材39やエポキシ
系の接着剤等を充填してもよい。さらに、図14の
(d)に示すように、超音波送信素子10に配線9を接
続し、超音波検出素子20にコリメート部14及び光伝
送路13を接続する。
【0071】このように、異なる方式を用いた超音波送
信部と超音波検出部とを一つの探触子にまとめると、従
来の送受同一方式を用いた探触子と同様の操作感で超音
波診断を行うことができる。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、受
信した超音波を光伝送路に伝搬させることにより、超音
波の多重反射を抑制することができる。これにより、S
N比の高い信号を得ることができ、画質の良い超音波画
像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置
の構成を示す図である。
【図2】図1に示す超音波検出素子の超音波検出原理を
説明するための図である。
【図3】図1に示す超音波検出素子、コリメート部、及
び、光伝送路の接続部分を拡大して示す断面図である。
【図4】図1に示す超音波受信装置の変形例を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装置
の一部を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る超音波受信装置
を示す図である。
【図7】本発明の第1〜第3の実施形態に係る超音波受
信装置の変形例を示す図である。
【図8】本発明の第1〜第3の実施形態に係る超音波受
信装置の別の変形例を示す図である。
【図9】図8に示すASE光源の構成を示す図である。
【図10】本発明に係る超音波受信装置を適用した超音
波撮像装置を示すブロック図である。
【図11】図10の超音波撮像装置に含まれる超音波用
探触子の構成を示す模式図である。
【図12】図11に示す超音波用探触子の構造を示す正
面図である。
【図13】超音波検出素子と超音波送信素子の配置例を
示す図である。
【図14】超音波検出素子が超音波送信素子を囲むよう
に配置されている超音波用探触子の作製方法の例を示す
図である。
【図15】ファブリーペロー共振器構造を有する2次元
面センサの構成を示す図である。
【図16】光検出方式の超音波検出素子における超音波
の多重反射を説明するための図である。
【図17】図17の(a)は、超音波検出素子における
位置A〜Eにおいて生じた振動を示す波形図であり、図
17の(b)は、超音波検出素子によって検出された位
置A、C、Eにおける検出信号を示す波形図である。
【符号の説明】
1 超音波用探触子(超音波送受信部) 7 圧電素子 8 電極 9 配線 10 超音波
送信素子 11 光源 13 光伝送
路 13a、96 光ファイバ 14 コリメ
ート部 14a コリメートレンズ 15 光検出
器 16、17、97 レンズ 18 結像系 20、30、100 超音波検出素子 20a、102a 受信面 21、31、
32 基板 22、43 多層膜 23a 被覆
材 25 接着剤 35 ハウジ
ング 36 音響整合層 37 音響レ
ンズ 38 樹脂 39 吸音材 40 超音波有感部を有するバンドルファイバ 40a ファイバ 41 光ファ
イバ 42 コリメートレンズ 44 被覆材 50 バッキング部 51 光伝送
部 52 被覆部 60 超音波
検出部 70 超音波送信部 71 駆動信
号発生回路 72 タイミングコントロール部 81 信号処
理部 82 A/D変換器 83 1次記
憶部 84 画像処理部 85 画像表
示部 86 2次記憶部 91、92
光増幅器 93 ASE光源 94、12
分波器 95 狭帯域フィルタ 98 ブラッ
ググレーティング部 99 レーザ発振器 101 基材 102 超音波有感部 103 全反
射ミラー 104 ハーフミラー 105 キャ
ビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 AC13 BC07 CA01 EA04 GB23 GF25 GH06 4C301 AA03 EE07 GB08 GB10 GB20 JB03 LL05 5D019 AA21 DD00 FF04 FF05 GG06 GG11 5J083 AB17 AB18 AC16 AC19 AC29 AD01 AD13 CA12 CB02 CB30

Claims (6)

    【整理番号】 502059 【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信される超音波に基づいて光を変調す
    る超音波検出素子と、 前記超音波検出素子に直接又は間接的に接続され、前記
    超音波検出素子に受信される超音波を伝搬させるバッキ
    ング部であって、光透過性を有すると共に、超音波の検
    出に用いられる光を導光する前記バッキング部と、 前記超音波検出素子から出力される光を検出する光電変
    換部と、を具備する超音波受信装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波検出素子が、受信される超音
    波に応じて伸縮し、伸縮に応じて光反射率が変動するこ
    とにより、入射される光を強度変調する超音波有感部を
    含み、 前記光電変換部が、前記超音波検出素子において強度変
    調された光を検出することを特徴とする、請求項1記載
    の超音波受信装置。
  3. 【請求項3】 前記バッキング部が、超音波を減衰させ
    る部材を含む、請求項1又は2記載の超音波受信装置。
  4. 【請求項4】 受信される超音波に応じて伸縮し、伸縮
    に応じて光反射率が変動することにより、入射される光
    を強度変調する超音波有感部を含む超音波検出素子と、 前記超音波検出素子に光を導くと共に、前記超音波検出
    素子によって受信される超音波を伝搬させる光伝送路
    と、 前記光伝送路によって導かれた光を前記超音波検出素子
    に対してコリメートするコリメート部と、 前記超音波検出素子から反射される光を検出する光電変
    換部と、を具備する超音波受信装置。
  5. 【請求項5】 前記光伝送路と前記コリメート部との内
    の少なくとも一方が、光透過性を有すると共に超音波を
    減衰させる部材を含む、請求項4記載の超音波受信装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光伝送路と前記コリメート部との内
    の少なくとも一方が、超音波を減衰させる部材によって
    被覆されている、請求項4又は5記載の超音波受信装
    置。
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