JP2002272737A - 超音波受信装置及びそれを用いた超音波診断装置 - Google Patents

超音波受信装置及びそれを用いた超音波診断装置

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JP2002272737A
JP2002272737A JP2001079774A JP2001079774A JP2002272737A JP 2002272737 A JP2002272737 A JP 2002272737A JP 2001079774 A JP2001079774 A JP 2001079774A JP 2001079774 A JP2001079774 A JP 2001079774A JP 2002272737 A JP2002272737 A JP 2002272737A
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Masahiro Toida
昌宏 戸井田
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  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波の受信に光を用いる2次元センサアレ
イを有する超音波受信装置等において、環境変動や各レ
ーザ素子間の個体差による超音波受信感度の変化を少な
くする。 【解決手段】 複数の光ファイバーレーザ4と、複数の
光ファイバーレーザ4の先端部にそれぞれ形成され、超
音波を受信することにより入射光を変調して反射する複
数の超音波検出素子14と、複数の超音波検出素子14
からの反射光を検出する光検出器8とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を受信する
ための超音波受信装置に関する。さらに、本発明は、そ
のような超音波受信装置を用いて被検体中を伝搬した超
音波を受信することにより医療診断を行うために用いる
超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波を用いて3次元画像を取得
する際には、位置センサ付きの1次元センサアレイをス
キャンさせて深度方向の断面に関する2次元画像を取得
し、さらに、このようにして取得した複数の2次元画像
を合成して3次元画像を実現していた。
【0003】しかしながら、この手法によれば、1次元
センサアレイのスキャン方向にタイムラグがあるため、
異なる時刻における断面像を合成することになるので、
合成画像がぼけたものとなってしまう。従って、生体の
ような、動きを伴う被写体のイメージングには適してい
ない。
【0004】リアルタイムで3次元画像を取得するため
には、センサアレイをスキャンさせることなく2次元画
像を取得することができる2次元センサアレイの開発が
望まれている。
【0005】超音波診断装置において、超音波の送受信
を行う素子(振動子又は探触子)としては、PZT(チ
タン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、
PVDF(高分子圧電素子)等の圧電素子を用いるのが
一般的であり、これらの素子を用いて2次元アレイを作
製する手法が検討されている。しかし、上述のPZTや
PVDFを用いる場合には、素子の微細加工と、多数の
微細素子への配線が必要であり、現状以上の微細化と素
子集積は困難である。また、それらが解決されたとして
も、素子間のクロストークが増大したり、微細配線によ
る電気的インピーダンスの上昇によりSN比が劣化した
り、微細素子の電極部が破壊し易くなるといった問題が
あるので、PZTやPVDFを用いた2次元センサアレ
イの実現は困難である。
【0006】ところで、特表平10−501893に
は、電気的に励起(ポンピング)された垂直空洞表面放
出レーザ(VCSEL)のアレイを含む超音波検出装置
が開示されている。各レーザのキャビティ長は、被検体
から伝搬する音響場によって変調される。その結果、得
られるレーザ出力は、音響場によって周波数変調され
る。この変調は、検出器ヘッドで振幅変調に変換され、
その後、CCDアレイで検出されて情報が電気的に信号
処理アセンブリーに伝えられ処理される。この超音波検
出装置によって、高度の周波数帯域幅検出、高空間分解
能、及び電気配線の簡略化を達成できるとされている。
【0007】また、IEEE超音波、強誘電体及び周波
数制御会報(TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELEC
TRICS, AND FREQUENCY CONTROL)VOL. 45, NO. 3(19
98年5月)には、ジェームス D.ハミルトン(James
D. Hamilton)らによる、「能動光検出器を用いる高周
波超音波画像(High Frequency Ultrasound ImagingUsi
ng an Active Optical Detector)」と題する文が掲載
されている。この文中には、ネオジウム・ドープ・ガラ
スからなる導波路を有するレーザ及び光変調器を備える
超音波検出器が開示されている。
【0008】つまり、上記両文献には超音波によりレー
ザ発振周波数を変調させ、その光をファブリーペロー干
渉計により光強度変調として超音波を検出する方法が開
示されている。また、そのような検出原理のセンサをア
レイ化することが開示されている。しかしながら、超音
波によるレーザ共振器長の変位を利用する方法は、もと
もと変位に対する感度が高いため、温度変化など温度変
動に対する補償ができないと実用化できない。またアレ
イ化にする場合には、各レーザ素子の発振周波数にバラ
ツキが生じるのは避けがたく、各レーザ素子の発振周波
数にバラツキがあっても影響を受けない計測法でなけれ
ば、アレイとしての実用化は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記の点に鑑
み、本発明は、超音波の受信に光を用いる2次元センサ
アレイを有する超音波受信装置において、環境変動や各
レーザ素子間の個体差による超音波受信感度の変化を少
なくすることを目的とする。さらに、本発明は、そのよ
うな超音波受信装置を用いて被検体中を伝搬した超音波
を検出することにより医療診断を行うための超音波診断
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、本発明に係る超音波受信装置は、光を伝送する光導
波路の一部にレーザ共振器が形成された複数の導波路レ
ーザと、複数の導波路レーザの超音波受信側の端部にそ
れぞれ形成され、超音波を受信することにより入射光を
変調して反射する複数の超音波検出素子と、複数の超音
波検出素子からの反射光を検出する光検出器とを具備す
る。
【0011】ここで、複数の導波路レーザと、複数の超
音波検出素子とが、同じ材質のファイバーブラックグレ
ーティングをそれぞれ含むことが望ましい。さらに、光
検出器が、複数の導波路レーザの超音波受信側と反対側
の端部からの出射光を受光する複数の第1の受光素子
と、複数の超音波検出素子からの反射光を受光する複数
の第2の受光素子と、複数の第1の受光素子の出力信号
と、各々の第1の受光素子に対応する複数の第2の受光
素子の出力信号との差分信号をそれぞれ生成し増幅して
出力する複数の差動増幅器とを含むことが望ましい。
【0012】また、本発明に係る超音波診断装置は、上
記のような超音波受信装置と、超音波受信装置の出力信
号を画像処理して表示する画像処理表示部とを具備す
る。
【0013】本発明によれば、複数の導波路レーザにお
いて発生させた光を複数の超音波検出素子に入射させ
る。複数の超音波検出素子は、超音波を受信することに
より入射光を変調して反射し、複数の超音波検出素子か
らの反射光が光検出器に検出される。このため、導波路
レーザと超音波検出素子との環境特性(例えば、温度特
性)が揃っていれば、環境変動(例えば、温度変化)に
よる超音波受信感度の変化を少なくすることが可能であ
る。さらに、光検出器が、導波路レーザからの出射光
と、超音波検出素子からの反射光とを検出してこれらの
光の差分を出力するようにすれば、各レーザ素子間の個
体差(例えば、発振周波数のバラツキ)による超音波受
信感度の変化を少なくすることも可能である。従って、
超音波受信装置や超音波診断装置において、環境変動や
各レーザ素子間の個体差に影響されることなく、超音波
を安定して受信する2次元センサアレイを実現すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基いて本発明の実施
の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同
一の参照番号を付して、説明を省略する。図1に、本発
明の第1の実施形態に係る超音波受信装置の全体構成を
示す。この超音波受信装置は、980nmの波長を有す
る光を発生させるための光源1を有する。本実施形態に
おいては、光源1として980nm帯半導体レーザを用
いている。光源1から発生した光は、ハーフミラー又は
光サーキュレーター又は偏光ビームスプリッター等を用
いて構成される分波器2に入射する。分波器2は、第1
の方向から入射した光を第2の方向に通過させると共
に、第2の方向から戻って来た光を第1の方向とは別の
第3の方向に通過させる。本実施形態においては、分波
器2として偏光ビームスプリッターを用いている。偏光
ビームスプリッターは、図中左側から入射した光を図中
右側に透過し、図中右側から戻って来た光を図中下側に
反射する。
【0015】光源1を出て分波器2を通過した光は、光
ファイバーアレイ3に入射する。光ファイバーアレイ3
は、複数の微細な光ファイバーレーザ4を束ねたもので
ある。なお、光源1と分波器2との間に焦点距離の異な
る2つのコリメートレンズ5、6を配置して、光ファイ
バーアレイ3に入射する光の口径を拡大しても良い。こ
のようなコリメートレンズは、分波器2と光ファイバー
アレイ3との間に配置させても良い。また、複数の光フ
ァイバーレーザ4に対して、光源1からの光を時系列に
スキャンしながら入射させても良いし、複数の光ファイ
バーレーザ4に対応する複数の光源を設けても良い。
【0016】図2に、図1に示す光ファイバーレーザの
一部構成を示す。本実施形態においては、光ファイバー
レーザ4の原材料として、石英(SiO2)光ファイバ
ーを用いている。図2に示すように、光ファイバーレー
ザ4は、コア9と、コア9を被覆する第1クラッド10
と、第1クラッド10を被覆する第2クラッド11とに
分かれたダブルクラッド構造を有している。コア9に
は、屈折率増大のための二酸化ゲルマニウム(Ge
2)がドープされている。また、第1クラッド10に
は、コア9よりも少量のGeO2がドープされている。
一方、第2クラッド11には、GeO2がドープされて
いない。本実施形態においては、コア9及び第1クラッ
ド10の各々におけるGeO2のドープ量を調整するこ
とで、図3に示すような屈折率分布を光ファイバーレー
ザ4に持たせている。これにより、光は、コア9又は第
1クラッド10を進行し、第2クラッド11は、第1ク
ラッド10における光損失を少なくする。
【0017】また、光ファイバーレーザ4のコア9に
は、980nmの波長を有する光に励起されるエルビウ
ム(Er)イオンもドープされている。これにより、コ
ア9において、Erイオンが光源1からの光L0(一点
鎖線の矢印)により励起して、1550nmの波長を有
する光を自然放出する。
【0018】光ファイバーレーザ4は、その先端部(図
中右側)に設けられたエアギャップ12を境にして、光
を伝送する光伝送部13と、超音波を受信することによ
り入射光を変調して反射する超音波検出素子14とに分
かれている。光伝送部13側のコア9の中間部には、2
つの短周期型のファイバーブラックグレーティング(以
下、FBGと略称する)15、16が形成されている。
【0019】ここで、FBGについて説明する。FBG
とは、屈折率の異なる2種類の材料層(光伝搬媒質)
を、ブラックの反射条件を満たすピッチ(間隔)で屈折
率が周期的に変化するように、数千層交互に重ねたもの
である。任意の自然数をn、各層の周期構造のピッチを
d、入射光の波長をλ、視射角(入射角の余角)をθと
すると、ブラックの反射条件は、次の式(1)によって
表される。 2d・sinθ=nλ …(1) 特に、視射角が90゜であるときには、式(1)がさら
に次の式(2)に書き換えられる。 2d=nλ …(2) FBGは、ブラック反射の作用により、式(2)の条件
を満たす波長(ブラック波長)の光を選択的に反射し、
ブラック波長以外の波長の光を透過させる。
【0020】FBGは、例えば図4に示す方法に従っ
て、光ファイバー30におけるGeO 2のドープ部位に
形成される。即ち、位相格子31を用いて、光ファイバ
ー30におけるGeO2のドープ部位に紫外レーザ光の
干渉縞を形成する。紫外レーザ光を照射されたGeO2
のドープ部位では、酸素欠陥として生じるGe−Si結
合が紫外レーザ光のエネルギーにより切断される。この
ときに放出される電子がGeにトラップされることによ
り、GeO2の結合(ボンド)が変化する。このように
して、屈折率の周期的構造を有するFBG32が、光フ
ァイバー30の所望の部位(例えば、コア)に形成され
る。なお、光ファイバーにFBGを形成するより詳細な
方法については、例えば、金森弘雄氏による「ファイバ
ーグレーティング」(電子情報通信学会誌 Vol. 82 No.
7 pp. 731-739 1999年7月)等を参照されたい。
【0021】再び図2を参照すると、本実施形態におい
ては、FBG15、16の両方に図5に示すような反射
特性を持たせているため、FBG15、16は、λ
0(=1550nm)を発振波長とするファイバーレー
ザ共振器17を構成する。これにより、ファイバーレー
ザ共振器17は、光源1(図1参照)からの光L0を基
にして、1550nmの単一波長を有するレーザ光L1
(実線の矢印)を発生する。なお、第1クラッド10に
もGeO2がドープされているので、光伝送部13側の
第1クラッド10の中間部にも、2つの短周期型のFB
G18、19が形成される。第1クラッド10における
GeO2のドープ量は、コア9におけるよりも少ない。
このため、FBG18、19は、図5に示すように、F
BG15、16の反射特性を低波長側にシフトさせたよ
うな反射特性を有することとなる。本実施形態において
は、図5に示すように、FBG18、19の反射率が1
550nmの波長においてゼロとなっているため、15
50nmの単一波長を有する光の大部分は、FBG1
8、19を透過する。
【0022】光伝送部13側のコア9におけるエアギャ
ップ12の近傍部には、長周期型のFBG20が形成さ
れている。FBG20は、図6に示すような反射特性を
有しており、その反射率は、1550nmの波長におい
てゼロとなっている。このため、ファイバレーザ共振器
17から図中右側に出たレーザ光L1の大部分は、FB
G20を透過して第1クラッド10に漏れる。なお、先
に述べたのと同様の理由から、光伝送部13側の第1ク
ラッド10におけるエアギャップ12の近傍部にも、図
6に示すような反射特性を有する長周期型のFBG21
が形成される。本実施形態においては、図6に示すよう
に、FBG21は、1550nmの波長において高い反
射率(低い透過率)を有するため、第1クラッド10に
漏れたレーザ光L1がFBG21を通してコア9に戻る
ことは、ほとんどない。
【0023】超音波検出素子14側の第1クラッド10
には、図7に示すような反射特性を有するFBG22が
形成されている。FBG22は、図7に示すように、1
550nmの波長において、反射率が急峻に変化する反
射特性を示す。これにより、超音波検出素子14側の第
1クラッド10に入射したレーザ光L1の一部が、FB
G22により光伝送部13側の第1クラッド10に反射
される。FBG22からの反射光L2(二点鎖線の矢
印)は、光伝送部13側の第1クラッド10を伝送され
て分波器2(図1参照)に出射される。なお、先に述べ
たのと同様の理由から、超音波検出素子14側のコア9
にも、図7に示すような反射特性を有するFBG23が
形成される。本実施形態においては、図7に示すよう
に、FBG23の反射率が1550nmの波長において
ゼロとなっているため、超音波検出素子14側のコア9
に入射したレーザ光L1の大部分は、FBG23を透過
する。
【0024】超音波検出素子14の先端(図中右側)に
は、音響インピーダンスの整合を図るのための音響整合
層24が設けられている。音響整合層24は、超音波を
伝え易いパイレックス(登録商標)ガラスや金属粉入り
エポキシ樹脂等により構成できる。なお、超音波検出素
子14側のコア9と音響整合層24との間に、エアギャ
ップ25を設けることが望ましい。このようにすると、
超音波検出素子14の受信した超音波が、超音波検出素
子14側のコア9に達する前に、エアギャップ25に吸
収される。このため、受信した超音波によりファイバー
レーザ共振器17の共振器長が伸縮して、その発振波長
が変わるのを防止することができる。
【0025】ここで、超音波検出素子のFBGは、受信
した超音波の音圧だけでなく、環境変動(例えば、温度
変化)によっても反射光の中心波長を変えてしまう。こ
のため、単一波長のレーザ光を発生する光源を用いる
と、超音波検出素子の感度が、温度変化等の環境変動に
よって大きく変化してしまうという問題があった。
【0026】しかしながら、本実施形態においては、フ
ァイバーレーザ共振器17において、光源1からの光L
0を基に単一波長のレーザ光L1を発生させて、超音波検
出素子14に入射させることにより、温度変化等の環境
変動による超音波受信装置の感度の変化を低減してい
る。
【0027】即ち、本実施形態においては、超音波検出
素子14とファイバーレーザ共振器17とを同じ材質で
形成すると共に、コア9をこれらの間で共有させること
により、超音波検出素子14とファイバーレーザ共振器
17との間の熱的結合等が図られている。なお、熱的結
合は、例えば、超音波検出素子14とファイバーレーザ
共振器17とを熱伝導率の高い材料で結合したり、超音
波検出素子14とファイバーレーザ共振器17とを物理
的に近接させることによっても実現される。また、超音
波検出素子14とファイバーレーザ共振器17との間を
ヒートパイプで接続することによっても、熱的結合を実
現できる。ヒートパイプを使用する場合には、対流して
熱を伝導させる流体をヒートパイプの中に封入する。
【0028】これにより、超音波検出素子14とファイ
バーレーザ共振器17とがほぼ同一の環境下(例えば、
温度がほぼ等しい)に置かれるので、温度変化等の環境
変動によって超音波検出素子14の反射特性がシフトし
ても、超音波検出素子14に入射する光の波長も同様に
シフトして、超音波検出素子14の感度の変化を低減す
ることができる。
【0029】例えば、初期状態において、図8に示すよ
うに、ファイバーレーザ共振器17の出力光、即ち、超
音波検出素子14への入射光の中心波長がλ0であり、
超音波検出素子14の反射特性が、中心波長λ0の入射
光の波長変化を検出するのに適した状態(中心波長
λ1)であるとする。時間が経過して超音波検出素子1
4の置かれる環境が変化(例えば、超音波検出素子14
の温度が上昇)し、その反射特性が図9に示すように中
心波長λ1’の状態に変化したとしても、入射光の中心
波長もλ0’に変化するので、入射光の波長変化を検出
するのに適した状態を維持することができる。ここで、
超音波検出素子14の中心波長のシフト量(λ1’−
λ1)と、ファイバーレーザ共振器17からの出力光の
中心波長のシフト量(λ0’−λ0)とは、略等しい。
【0030】一方、超音波検出素子14が超音波を受信
すると、それに含まれるFBG22が超音波の音圧方向
に伸縮してピッチを変えるので、選択的に反射する光の
波長λ1がλ1”に変化する。しかしながら、超音波検出
素子14側のコア9と音響整合層24との間にエアギャ
ップ25を設けているので、ファイバーレーザ共振器1
7の出力光の中心波長は、λ0に保たれる。FBG22
は、図7に示すように、波長λ0の前後において、反射
率が急峻に変化する反射特性を示す。このため、超音波
の音圧に応じた反射光の強度変化を観測することがで
き、この光の強度変化を換算することにより超音波の強
度を計測することができる。
【0031】再び図1を参照すると、光ファイバーアレ
イ3から出て分波器2に入射した光は、進路を変更され
て光検出器8に入射する。ここで、光ファイバーアレイ
3から出て分波器2に入射した光は、直接あるいは光フ
ァイバ等を通して光検出器8に入射するようにしても良
いし、分波器2の後段にレンズ等で構成される結像系7
を設け、結像系7を介して光検出器8に結像するように
しても良い。
【0032】光検出器8は、2次元状に並べられた複数
の光電変換素子(フォトダイオード)を含んでいる。な
お、複数のフォトダイオードの替わりに、CCD(電荷
結合素子:Charge Coupled Device)を用いても良い。
本実施形態においては、図1に示すように、光ファイバ
ーレーザ4のコアからの出射光を1つの受光素子26で
受光し、同じ光ファイバーレーザ4の第1クラッドから
の出射光を、受光素子26の周囲に配置された6つの受
光素子27で受光する。受光素子26と各受光素子27
との間には、差動増幅器28が1つずつ接続されてい
る。差動増幅器28は、受光素子26の出力信号と、受
光素子27の出力信号との差分信号を生成して増幅して
出力する。これにより、各光ファイバーレーザ4間の個
体差(例えば、発振周波数のバラツキ)による超音波受
信感度の変化を低減できる。
【0033】次に、本発明の第2の実施形態に係る超音
波受信装置について、図11を参照しながら説明する。
図11に示すように、この超音波受信装置においては、
光源1が分波器2に隣接して配置されている。本実施形
態においては、光源1として、複数の980nm帯半導
体レーザをz軸方向に積層したものを用いている。分波
器2を挟んで光源1の反対側には、図1に示した光ファ
イバーアレイの替わりに、光導波路アレイスタック50
が配置されている。光源1から出て分波器2を通過した
光は、光導波路アレイスタック50に入射する。
【0034】光導波路アレイスタック50は、複数のプ
レナー光波回路(Planar LightwaveCircuit)51をz
軸方向に積層することで構成される。プレナー光波回路
51は、y軸方向に延びる複数の光導波路レーザ52
を、各断面がx軸方向に1列に並ぶように配置すること
で構成される。光導波路レーザ52は、その断面形状を
除いて、図2に示した光ファイバーレーザの構造と同様
の構造を有している。
【0035】光導波路レーザ52からの出射光は、光検
出器8に含まれる複数の受光素子で受光される。本実施
形態においては、図11に示すように、光導波路レーザ
52のコアからの出射光を1つの受光素子53で受光
し、同じ光導波路レーザ52の第1クラッドからの出射
光を、受光素子53の周囲に配置された8つの受光素子
54で受光する。受光素子53と各受光素子54との間
には、差動増幅器55が1つずつ接続されている。差動
増幅器55は、受光素子53の出力信号と、受光素子5
4の出力信号との差分信号を生成して増幅して出力す
る。
【0036】次に、以上の各実施形態において述べたよ
うな超音波受信装置の探触子の構造について、図12を
参照しながら説明する。図12に示すように、ハウジン
グ60の中に、光ファイバーアレイ3又は光導波路アレ
イスタック50が収納されている。隣接する光ファイバ
ーレーザ4又は光導波路レーザ52の間隔は、サイドロ
ーブを抑圧するために、受信する超音波の波長の半分以
下にすることが望ましい。
【0037】光ファイバーアレイ3又は光導波路アレイ
スタック50は、超音波検出素子14の設けられた部分
とその近傍とを除き、樹脂61で固められている。ま
た、超音波検出素子14とハウジング60との間には、
音響整合層24が設けられている。なお、ハウジング6
0の表面には、超音波検出素子14を保護することも兼
ねて、シリコンゴム等の音響レンズ材62を設けること
が望ましい。また、隣接する光ファイバーレーザ4又は
光導波路レーザ52の間は、超音波のクロストークを低
減するために、吸音材63で満たすことが望ましい。吸
音材63としては、金属粉入りエポキシ樹脂や、フェラ
イト粉入りゴム等が適している。
【0038】次に、本発明の第1の実施形態に係る超音
波診断装置について、図13を参照しながら説明する。
この超音波診断装置においては、先に述べたような超音
波受信装置の探触子を超音波受信部(センサ)として用
い、超音波送信部を別途設けている。
【0039】図13に示すように、この超音波診断装置
は、駆動信号を発生する駆動信号発生回路70と、この
駆動信号に基づいて超音波を送信する超音波送信部80
とを含んでいる。超音波送信部80は、PZTやPVD
F等を材料とする圧電素子を用いた振動子又は探触子
(1次元アレイ)で構成される。被検体に向けて送信さ
れた超音波は、被検体から反射されて超音波受信部(セ
ンサ)90に受信される。センサ90は、図1に示した
光ファイバーアレイ、又は、図11に示した光導波路ア
レイスタックを含んでいる。
【0040】また、この超音波診断装置は、先に述べた
ような光源1と、分波器2と、結像系7と、光検出器8
とを含んでいる。光検出器8から出力される検出信号
は、信号処理手段100に含まれる信号処理部101に
入力され、さらに、A/D変換器102においてデジタ
ル信号に変換される。
【0041】A/D変換器102には1次記憶部110
が接続されており、取得された複数の2次元データ(被
検体の断層面に関するデータ)が1次記憶部110に記
憶される。それらのデータに基づいて、画像処理部12
0が、2次元データ又は3次元データを再構成する。再
構成されたデータは、補間、レスポンス変調処理、階調
処理等の処理を受け、画像表示部130に表示される。
さらに、画像処理部120において処理されたデータ
は、2次記憶部140に記憶される。
【0042】タイミングコントロール部150は、所定
のタイミングで駆動信号を発生するように駆動信号発生
回路70を制御すると共に、送信から一定時間経過後
に、光検出器8から出力される検出信号を取り込むよう
に信号処理部101を制御する。
【0043】次に、本発明の第2の実施形態に係る超音
波診断装置について、図14を参照しながら説明する。
本実施形態においては、先に述べたような超音波受信装
置の探触子によって構成される超音波受信部90を超音
波送信部80と組み合わせ、これを超音波送受信部16
0として用いている。その他の点については、第1の実
施形態に係る超音波診断装置と同様である。
【0044】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、超音
波の受信に光を用いる2次元センサアレイを有する超音
波受信装置等において、環境変動や各レーザ素子間の個
体差による超音波受信感度の変化を少なくすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る超音波受信装置
の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す光ファイバーレーザの一部構成を示
す図である。
【図3】図2に示す光ファイバーレーザにおける屈折率
分布を示す図である。
【図4】光ファイバーにファイバーブラックグレーティ
ングを形成する方法を説明するための図である。
【図5】図2に示すファイバーブラックグレーティング
(短周期型)の反射特性を示す図である。
【図6】図2に示すファイバーブラックグレーティング
(長周期型)の反射特性を示す図である。
【図7】図2に示すファイバーブラックグレーティング
(光変調用)の反射特性を示す図である。
【図8】図2に示す超音波検出素子の入射光と反射特性
との関係(初期状態)を示す図である。
【図9】図2に示す超音波検出素子の入射光と反射特性
との関係(環境変動後)を示す図である。
【図10】図2に示す超音波検出素子の入射光と反射特
性との関係(超音波受信中)を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る超音波受信装
置の全体構成を示す図である。
【図12】本発明に係る超音波受信装置の探触子の構造
を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る超音波診断装
置を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る超音波診断装
置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光源 2 分波器 3 光ファイバーアレイ 4 光ファイバーレーザ 8 光検出器 9 コア 10 第1クラッド 11 第2クラッド 24 音響整合層 12、25 エアギャップ 13 光伝送部 14 超音波検出素子 15、16、18〜23 ファイバーブラックグレーテ
ィング 17 ファイバーレーザ共振器 24 音響整合層 26、27、53、54 受光素子 28、55 差動増幅器 50 光導波路アレイスタック 51 プレナー光波回路 52 光導波路レーザ 80 超音波送信部 90 超音波受信部 100 信号処理手段 101 信号処理部 102 A/D変換器 120 画像処理部 130 画像表示部 160 超音波送受信部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を伝送する光導波路の一部にレーザ共
    振器が形成された複数の導波路レーザと、 前記複数の導波路レーザの超音波受信側の端部にそれぞ
    れ形成され、超音波を受信することにより入射光を変調
    して反射する複数の超音波検出素子と、 前記複数の超音波検出素子からの反射光を検出する光検
    出器と、を具備する超音波受信装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の導波路レーザが、 レーザ共振器を含むコアと、 対応する超音波検出素子からの反射光を超音波受信側と
    反対側に伝送するクラッドと、を含むことを特徴とする
    請求項1記載の超音波受信装置。
  3. 【請求項3】 前記コアが、前記レーザ共振器において
    発振したレーザ光を隣接するクラッドに進入させるため
    の光結合部をさらに含むことを特徴とする請求項2記載
    の超音波受信装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の導波路レーザにおけるレーザ
    発振に用いる光を発生させるための光源をさらに具備す
    る請求項1〜3のいずれか1項記載の超音波受信装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の導波路レーザと、前記複数の
    超音波検出素子とが、同じ材質のファイバーブラックグ
    レーティングをそれぞれ含むことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の超音波受信装置。
  6. 【請求項6】 前記光検出器が、 前記複数の導波路レーザの超音波受信側と反対側の端部
    からの出射光を受光する複数の第1の受光素子と、 前記複数の超音波検出素子からの反射光を受光する複数
    の第2の受光素子と、 前記複数の第1の受光素子の出力信号と、各々の第1の
    受光素子に対応する複数の第2の受光素子の出力信号と
    の差分信号をそれぞれ生成し増幅して出力する複数の差
    動増幅器と、を含むことを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の超音波受信装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の導波路レーザと、前記複数の
    超音波検出素子とが、熱的に結合していることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項記載の超音波受信装
    置。
  8. 【請求項8】 前記光結合部が、前記複数の超音波検出
    素子のファイバーブラックグレーティングと同じ材質の
    ファイバーブラックグレーティングを含むことを特徴と
    する請求項7記載の超音波受信装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の導波路レーザが、前記クラッ
    ドを被覆する第2のクラッドであって、前記クラッドの
    屈折率よりも小さい屈折率を有する前記第2のクラッド
    をさらに含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか
    1項記載の超音波受信装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の導波路レーザが、各々のコ
    アにEr(エルビウム)イオンを含有し、 前記光源が、980nm帯半導体レーザを含むことを特
    徴とする請求項6〜9のいずれか1項記載の超音波受信
    装置。
  11. 【請求項11】 受信した超音波の振動が前記レーザ共
    振器に伝搬するのを防止するための吸収層をさらに具備
    する請求項6〜10のいずれか1項記載の超音波受信装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項記載の
    超音波受信装置と、前記超音波受信装置の出力信号を画
    像処理して表示する画像処理表示部と、を具備する超音
    波診断装置。
  13. 【請求項13】 被検体に超音波を送信する超音波送信
    手段をさらに具備する請求項12記載の超音波診断装
    置。
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