JP2001317352A - 排気用消音器 - Google Patents

排気用消音器

Info

Publication number
JP2001317352A
JP2001317352A JP2000136686A JP2000136686A JP2001317352A JP 2001317352 A JP2001317352 A JP 2001317352A JP 2000136686 A JP2000136686 A JP 2000136686A JP 2000136686 A JP2000136686 A JP 2000136686A JP 2001317352 A JP2001317352 A JP 2001317352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case material
case
sound
vacuum
outer case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000136686A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Shiotani
嘉宏 塩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000136686A priority Critical patent/JP2001317352A/ja
Publication of JP2001317352A publication Critical patent/JP2001317352A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】自動車のマフラー等の消音器のケースや隔壁に
真空体を用いることにより、従来の消音器の性能に加え
て、低音域の音を吸収して騒音を小さくする。 【構成】ケース材1を隙間を設けて2枚合わせとし、外
側ケース材2と内側ケース材3において、中央部は該内
側ケース材3を該外側ケース材2と略平行面に、周囲1
4は該外側ケース材2と密着するように成形し、該密着
部を気密接合して内部を真空にした排気用消音器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車や移動用発電機など
の内燃機関や圧縮空気を利用した産業用機械の排気用消
音器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】車の排気用消音器であるマフラーを例にす
ると、外側ケース材は金属板1枚を成形加工したもので
あるため、材料による音の減衰は音の質量法則に基づく
性能しかなく小さい。そのため膨張、共鳴、干渉、吸収
となる方法を組み合わせて中音域から高音域については
性能の良い消音器となっている。
【0004】しかし、大排気量車である大型トラックな
どの排気音は低音域のエネルギーが大きくまた波長が長
いため、消音器だけでは性能が不足して十分な消音がで
きず、道路騒音となって環境公害の大きな原因になって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、排気用消音器に低音域の音を吸収する性能がない
点にある。
【課題を解決するための手段】本発明は消音器のケース
又は側壁や隔壁に真空体を用いることにより、真空層へ
放散される音エネルギーを吸収して低音域を含めた排気
音を消音するためのものである。
【0006】
【実施例】「請求項1」「請求項2」 図1は消音器の内部を示す斜視図、図2(a)は側壁の
断面図、図2(b)は隔壁の断面図、図2(c)はケー
スを筒状とした斜視図である。構成は上下のケースと側
壁と隔壁とパイプからなっており、各部材は密着して接
合される。
【0007】ケース1は外側のケース材2と内側のケー
ス材3からなり、内側のケース材3は外側のケース材2
と隙間を設けて平行な面となるように、周囲14は外ケ
ース材と密着するようにプレス成形し、気密接合して隙
間部分を真空にしている。
【0008】側壁4は排気管と接続するパイプ5が貫通
する孔6があり、外側気密材2の端部に内接して取り付
けられる大きさで、隙間を設けた2枚の気密材材8,9
からなり、周囲14aとパイプ貫通孔6の周囲14bを
気密接合し隙間7を真空にしている。外側の気密材8は
平面、内側の気密材9はパイプ貫通部6および周囲が外
側の気密材と密着するようにプレス成形されている。
【0009】隔壁10はケース1の内側ケース材3に内
設する大きさで、パイプ貫通孔が3個ある。図2(b)
のように周囲14cとパイプ貫通部11は、左右の気密
材12が密着して気密接合されており、中央部分13は
隙間となるように成形して真空となっている。隔壁10
の位置は吸収する波長と密接に関係するため、最も効率
良く消音する位置に固定する。
【0010】パイプは各膨張室間を連結するために3本
あり、パイプ5は流入口から膨張室19に、パイプ15
は膨張室19から膨張室17に、パイプ16は膨張室1
7から排出口20に開放されており、膨張室17ではパ
イプ15に、膨張室18では3本のパイプ全てに干渉に
よる消音のための孔21が設けられている。矢印22,
23は排気ガスの流れを示す。
【0011】図2(c)は上下のケースを分割せず一体
にして筒状にしたケース25で、内側のケース材26と
外側のケース材27の端部29が密着し、中央部に真空
層28ができるように成形して気密接合する。組み立て
は隔壁とパイプを予め接合しておき、挿入した後側壁を
取り付けて一体化する。
【0012】「請求項3」図3は消音器の大きさが大き
くなりケース30が大気圧により変形するのを防止する
ための方法である。外側のケース材31には長さ方向に
真空層側に凸形状となったリブ33を、内側のケース材
32には湾曲に沿って真空層側に凸形状となったリブ3
4を設け、組み合わせたときにリブ33,34が交差
し、真空層の隙間間隔と同じとなる高さにプレス成形さ
れている。凸形状の断面は半円形や山型など、交差部の
接触が点状となる形状とする。尚、リブの方向は内外ケ
ース材で逆にしたり、斜め方向に設けて点状接触として
もよい。
【0013】「請求項4」図4は請求項2と同様に、ケ
ース35が大気圧により変形するのを防止するために、
内外ケース材36,37のリブ38,39間に間隔保持
材として引張材40を挟持して真空層を保持する方法で
ある。内外ケース材36、37のリブ38、39を同方
向にして、内側のケース材37のリブが外側のケース材
36のリブ38の中間になる位置に成形してある。引張
材40は金属の薄板、カーボンファイバーなど耐熱性と
強度のある材料を帯状としたものやワイヤを使用し、両
端部41を外側のケース材36に接合している。
【0014】また、図示はしていないが、内外ケース材
のいずれかをリブ付きとし、このリブに交差するように
ワイヤや断面山形の平板の成形材を、内外ケース材が大
気圧により変形しない間隔に配してもよい。接合方法
は、溶接や接着のほか、カーボンファイバーの場合は外
側のカバー材に取付けた金属の別部材による圧着挟持に
よる。
【0015】図5は内外ケース材にリブを設けず、真空
層を保持する場合に用いる間隔保持材である。挿入する
場所は全面とする必要はなく、大気圧荷重により変形し
やすい中央部に用いる。間隔保持材には図5(a)のエ
キスパンドメタル、図5(c)のワイヤメッシュ、図5
(d)の舌状片を成形した平板などを用い、ケースに合
わせて湾曲させる。挿入する場所は全面とする必要はな
く、大気圧荷重により変形しやすい中央部に用いる。
【0016】図5(a)はエキスパンドメタル43の斜
視図、図5(b)は同材の拡大斜視図である。平板に横
方向のストランドとなる部分に凹凸のある刻み45を設
けて引き伸ばしたもので、一つのメッシュ44は六角形
になっている。
【0017】メッシュの大きさは、大気圧などの荷重に
よるケース材の撓みが、凹凸のあるストランド間で許容
できる範囲である。ストランドの上側の凸部46と、下
側の凸部47は表裏面のケース材とそれぞれ点状に接
し、斜めのストランド48はケース材と接触しない。
尚、メッシュ形状を四角形にした場合は、たて横方向ス
トランドとも凹凸が形成される。
【0018】図5(c)はワイヤメッシュ49の斜視図
で、ワイヤ50を交差させて点状接触となった交点を接
合したものである。
【0019】図5(d)は基板53をコ型に切り抜き、
ケース材と接する先端部間が真空層の厚みとなるように
水平部分を残して交互に表裏方向に曲折させて舌状片5
2とした間隔保持材51である。基板53との延設部の
一部に、断面半円形のリブ54をプレス成型している。
【0020】真空体に用いるケース材や気密材は、長期
間にわたって真空時のガスの透過及び発生がないこと、
凸形状間や間隔保持材間で設定以上の撓みを生じないこ
とが必要で、鉄・ステンレス・制振合金などの金属を用
いる。
【0021】真空体の密封方法について。ケース材間や
気密材間の接合はろう付け、溶接等により気密接合す
る。
【0022】真空度は10-2パスカル以下の真空域とす
る。真空引きについては、ケース材に孔を設けて封止が
容易に出来る部品を取り付けて行う。尚、大型真空炉内
で気密接合する場合は、封止用部品は不要である。
【0023】「効果」従来の消音器のケース材から放散
する音は、消音器の構成による消音効果は大きいが、低
い周波数の音に対しては、エネルギーが大きく波長が長
いため吸収しきれず、又ケース材も音の質量法則に沿っ
た遮音性能に基づくため効果が小さい。
【0024】これに対し、ケースや側壁に真空層を設け
ると、消音器の構成による消音効果に加えて、真空層は
厚みや周波数に関係なく音を伝達しないため、低音域に
著しい効果のあるより静かな排気音となる消音器とする
ことが可能になる。
【0025】真空体の音エネルギーの変化について、排
気音は内側のケース材を振動させた後、真空層への振動
エネルギーの放散と、内側のケース材の接触部材への伝
達に分かれる。真空部分は、伝達物質である空気がなく
音エネルギーは伝達されないため、真空層を保持する材
料を伝達する振動の伝達量が遮音性能を左右する。一
方、吸音は入射音から反射音を差し引いた分であるた
め、真空体ではケース材の振動によるエネルギー減衰、
真空層へのエネルギーの放出、間隔保持材への振動伝達
分が吸音性能となる。
【0026】具体的には、消音器のケース材は縁端部が
接合しており、この部分から内側のケース材から外側の
ケース材に音エネルギーは伝達するが、内側のケース材
から真空中へ放散するエネルギーは全く伝達されず吸収
される。また、側壁及び隔壁は、音エネルギーの真空層
へ放散分が吸収され、側壁では音としての放散、隔壁で
はケース材への振動伝達量の減少となる。
【0027】外ケース材を上下に分けずに筒状としたケ
ースは、真空体の形状保持のため消音器の大きさに限度
があるが、外側ケース材へのエネルギー伝達は両端部か
らのみとなるため、より高い消音効果のある消音器とな
る。
【0028】「請求項2」について、ケースの周囲から
のエネルギー伝達及び真空部の音の吸収については前述
と同じである。リブの接触部の音の伝達について、同一
部材の断面に急激な変化がある場合の振動伝達は、断面
積比の大きさに比例して振動が減衰することは下記の数
式が示すように既に知られている。
【0029】 「数式1」 L=10LOG(α-0.5+α0.52−6 L:減衰量(縦波) α:断面積の変化率
【0030】この数式は後述のワイヤの交差部の減衰に
ついても同様であり、例えば、ワイヤの直径を5mmと
し、点状接触面積を0.01mm2とすると、1963
分の1の面積比率となり、接触点一箇所当りでは約43
デシベルの減衰が得られる。
【0031】本請求項のリブは大気圧に押圧された異部
材の接触であるため、上記数式と同等以上に大きく減衰
して振動は伝達するため、この部分からの音の伝達は小
さい。
【0032】「請求項3」について、ケースの周囲から
のエネルギー伝達及び真空部の音の吸収については前述
と同じである。図4の実施例は真空層を保持するため
に、帯状の引張材を使用し、表裏にケース材の凸形状が
交互に接するように配置してある。
【0033】凸形状からの振動は、振動しやすい引張材
に伝わることにより大きく減衰し、外側ケースの凸形状
へ伝達した後、さらにケース材が振動してエネルギーを
吸収し、残りを音として放散するため、高性能な消音器
となる。又、カーボンやグラスファイバーのように柔ら
かい材料の方が大きな振動減衰を得られる。
【0034】図5のエキスパンドメタル、ワイヤメッシ
ュ、舌状片は、ケース材と間隔保持材又は間隔保持材間
のいずれかの位置に点状や線状接触となるカ所を設ける
ことにより、振動伝達量が著しく小さくなることを利用
するもので、伝達を減衰させ消音性能を向上させてい
る。
【0035】以上が真空体による効果であるが、エンジ
ンからの排気管による膨張室の排ガスの循環は、二輪車
用など長さがあり径が小さい消音器では膨張室17で排
気ガスを膨張させ、膨張室17、膨張室19、膨張室1
8、排気の順となるように循環パイプを設けるなど、物
理的条件に合わせて循環パイプを配置する。
【図面の簡単な説明】
【図1】消音器の内部斜視図
【図2】側壁と隔壁の断面図、及び筒状ケース材の一部
断面斜視図。
【図3】リブを成形したケース。
【図4】引張材を用いたケース。
【図5】間隔保持材の斜視図。
【符号の説明】
1:ケース 2:外側のケース材
3:内側のケース材 4:側壁 5:パイプ
6:貫通孔 7:隙間 8:外側の気密材
9:内側の気密材 10:隔壁 11:貫通部
12:気密材 13:中央部分 15:パイプ
16:パイプ 17:膨張室 18:膨張室
19:膨張室 20:排出口 21:孔
22:排ガスの流れ 23:排ガスの流れ 25:ケース
26:内側のケース材 27:外側のケース材 28:真空部
30:ケース 31:外側のケース材 32:内側のケース材
33:リブ 34:リブ 35:ケース
36:外側のケース 37:内側のケース材 38:リブ
39:リブ 40:引張材 41:端部 43:エキスパンドメタル
44:メッシュ 45:凹凸の刻み 46:上側の凸部
47:下側の凸部 48:ストランド 49:ワイヤメッシュ
50:ワイヤ 52:舌状片 53:基板
54:リブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月12日(2001.1.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 排気用消音器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車や移動用発電機など
の内燃機関や圧縮空気を利用した産業用機械の排気用消
音器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】車の排気用消音器であるマフラーを例にす
ると、外側ケース材は金属板1枚を成形加工したもので
あるため、材料による音の減衰は音の質量法則に基づく
性能しかなく小さい。そのため膨張、共鳴、干渉、吸収
となる方法を組み合わせて中音域から高音域については
性能の良い消音器となっている。
【0004】しかし、大排気量車である大型トラックな
どの排気音は低音域のエネルギーが大きくまた波長が長
いため、消音器だけでは性能が不足して十分な消音がで
きず、道路騒音となって環境公害の大きな原因になって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、排気用消音器に低音域の音を吸収する性能がない
点にある。
【課題を解決するための手段】本発明は消音器の胴部の
ケース又は側壁や隔壁を二重にして隙間を設け、周囲が
密着する形状に成形して気密接合し、内部を真空にして
真空体とし、側壁および隔壁を貫通する吸気管と排気管
を設けることにより排気音がケース及び側壁、隔壁の排
ガスに接する材を振動させ、真空層へ放散される音エネ
ルギーを吸収して低音域を含めた排気音を消音して高い
防音性能を得るものである。
【0006】
【実施例】図1は消音器の内部を示す斜視図、図2
(a)は側壁の断面図、図2(b)は隔壁の断面図、図
2(c)はケースを筒状とした斜視図である。構成は上
下のケースと側壁と隔壁とパイプからなっており、各部
材は密着して接合される。
【0007】ケース1は外側のケース材2と内側のケー
ス材3からなり、内側のケース材3は外側のケース材2
と隙間を設けて平行な面となるように、周囲14は外ケ
ース材と密着するようにプレス成形し、気密接合して隙
間部分を真空にしている。
【0008】側壁4は排気管と接続するパイプ5が貫通
する孔6があり、外側気密材2の端部に内接して取り付
けられる大きさで、隙間を設けた2枚の気密材8,9か
らなり、周囲14aとパイプ貫通孔6の周囲14bを気
密接合し隙間7を真空にしている。外側の気密材8は平
面、内側の気密材9はパイプ貫通部6および周囲が外側
の気密材と密着するようにプレス成形されている。
【0009】隔壁10はケース1の内側ケース材3に内
設する大きさで、パイプ貫通孔が3個ある。図2(b)
のように周囲14cとパイプ貫通部11は、左右の気密
材12が密着して気密接合されており、中央部分13は
隙間となるように成形して真空となっている。隔壁10
の位置は吸収する波長と密接に関係するため、最も効率
良く消音する位置に固定する。
【0010】パイプは各膨張室間を連結するために3本
あり、パイプ5は流入口から膨張室19に、パイプ15
は膨張室19から膨張室17に、パイプ16は膨張室1
7から排出口20に開放されており、膨張室17ではパ
イプ15に、膨張室18では3本のパイプ全てに干渉に
よる消音のための孔21が設けられている。矢印22,
23は排気ガスの流れを示す。
【0011】図2(c)は上下のケースを分割せず一体
にして筒状にしたケース25で、内側のケース材26と
外側のケース材27の端部29が密着し、中央部に真空
層28ができるように成形して気密接合する。組み立て
は隔壁とパイプを予め接合しておき、挿入した後側壁を
取り付けて一体化する。
【0012】図3は本発明の別の態様に関するもので、
消音器の大きさが大きくなりケース30が大気圧により
変形するのを防止するための方法である。外側のケース
材31には長さ方向に真空層側に凸形状となったリブ3
3を、内側のケース材32には湾曲に沿って真空層側に
凸形状となったリブ34を設け、組み合わせたときにリ
ブ33,34が交差し、真空層の隙間間隔と同じとなる
高さにプレス成形されている。凸形状の断面は半円形や
山型など、交差部の接触が点状となる形状とする。尚、
リブの方向は内外ケース材で逆にしたり、斜め方向に設
けて点状接触としてもよい。
【0013】図4は本発明の別の態様に関するもので、
請求項2と同様に、ケース35が大気圧により変形する
のを防止するために、内外ケース材36,37のリブ3
8,39間に間隔保持材として引張材40を挟持して真
空層を保持する方法である。内外ケース材36、37の
リブ38、39を同方向にして、内側のケース材37の
リブが外側のケース材36のリブ38の中間になる位置
に成形してある。引張材40は金属の薄板、カーボンフ
ァイバーなど耐熱性と強度のある材料を帯状としたもの
やワイヤを使用し、両端部41を外側のケース材36に
接合している。
【0014】また、図示はしていないが、内外ケース材
のいずれかをリブ付きとし、このリブに交差するように
ワイヤや断面山形の平板の成形材を、内外ケース材が大
気圧により変形しない間隔に配してもよい。接合方法
は、溶接や接着のほか、カーボンファイバーの場合は外
側のカバー材に取付けた金属の別部材による圧着挟持に
よる。
【0015】図5は内外ケース材にリブを設けず、真空
層を保持する場合に用いる間隔保持材である。挿入する
場所は全面とする必要はなく、大気圧荷重により変形し
やすい中央部に用いる。間隔保持材には図5(a)のエ
キスパンドメタル、図5(c)のワイヤメッシュ、図5
(d)の舌状片を成形した平板などを用い、ケースに合
わせて湾曲させる。挿入する場所は全面とする必要はな
く、大気圧荷重により変形しやすい中央部に用いる。
【0016】図5(a)はエキスパンドメタル43の斜
視図、図5(b)は同材の拡大斜視図である。平板に横
方向のストランドとなる部分に凹凸のある刻み45を設
けて引き伸ばしたもので、一つのメッシュ44は六角形
になっている。
【0017】メッシュの大きさは、大気圧などの荷重に
よるケース材の撓みが、凹凸のあるストランド間で許容
できる範囲である。ストランドの上側の凸部46と、下
側の凸部47は表裏面のケース材とそれぞれ点状に接
し、斜めのストランド48はケース材と接触しない。
尚、メッシュ形状を四角形にした場合は、たて横方向ス
トランドとも凹凸が形成される。
【0018】図5(c)はワイヤメッシュ49の斜視図
で、ワイヤ50を交差させて点状接触となった交点を接
合したものである。
【0019】図5(d)は基板53をコ型に切り抜き、
ケース材と接する先端部間が真空層の厚みとなるように
水平部分を残して交互に表裏方向に曲折させて舌状片5
2とした間隔保持材51である。基板53との延設部の
一部に、断面半円形のリブ54をプレス成型している。
【0020】真空体に用いるケース材や気密材は、長期
間にわたって真空時のガスの透過及び発生がないこと、
凸形状間や間隔保持材間で設定以上の撓みを生じないこ
とが必要で、鉄・ステンレス・制振合金などの金属を用
いる。
【0021】真空体の密封方法について。ケース材間や
気密材間の接合はろう付け、溶接等により気密接合す
る。
【0022】真空度は10-2パスカル以下の真空域とす
る。真空引きについては、ケース材に孔を設けて封止が
容易に出来る部品を取り付けて行う。尚、大型真空炉内
で気密接合する場合は、封止用部品は不要である。
【0023】
【発明の効果】 従来の消音器のケース材から放散する音
は、消音器の構成による消音効果は大きいが、低い周波
数の音に対しては、エネルギーが大きく波長が長いため
吸収しきれず、又ケース材も音の質量法則に沿った遮音
性能に基づくため効果が小さい。
【0024】これに対し、ケースや側壁に真空層を設け
ると、消音器の構成による消音効果に加えて、真空層は
厚みや周波数に関係なく音を伝達しないため、低音域に
著しい効果のあるより静かな排気音となる消音器とする
ことが可能になる。
【0025】真空体の音エネルギーの変化について、排
気音は内側のケース材を振動させた後、真空層への振動
エネルギーの放散と、内側のケース材の接触部材への伝
達に分かれる。真空部分は、伝達物質である空気がなく
音エネルギーは伝達されないため、真空層を保持する材
料を伝達する振動の伝達量が遮音性能を左右する。一
方、吸音は入射音から反射音を差し引いた分であるた
め、真空体ではケース材の振動によるエネルギー減衰、
真空層へのエネルギーの放出、間隔保持材への振動伝達
分が吸音性能となる。
【0026】具体的には、消音器のケース材は縁端部が
接合しており、この部分から内側のケース材から外側の
ケース材に音エネルギーは伝達するが、内側のケース材
から真空中へ放散するエネルギーは全く伝達されず吸収
される。また、側壁及び隔壁は、音エネルギーの真空層
へ放散分が吸収され、側壁では音としての放散、隔壁で
はケース材への振動伝達量の減少となる。
【0027】外ケース材を上下に分けずに筒状としたケ
ースは、真空体の形状保持のため消音器の大きさに限度
があるが、外側ケース材へのエネルギー伝達は両端部か
らのみとなるため、より高い消音効果のある消音器とな
る。
【0028】「請求項2」について、ケースの周囲から
のエネルギー伝達及び真空部の音の吸収については前述
と同じである。リブの接触部の音の伝達について、同一
部材の断面に急激な変化がある場合の振動伝達は、断面
積比の大きさに比例して振動が減衰することは下記の数
式が示すように既に知られている。
【0029】 「数式1」 L=10LOG(α-0.5+α0.52−6 L:減衰量(縦波) α:断面積の変化率
【0030】この数式は後述のワイヤの交差部の減衰に
ついても同様であり、例えば、ワイヤの直径を5mmと
し、点状接触面積を0.01mm2とすると、1963
分の1の面積比率となり、接触点一箇所当りでは約43
デシベルの減衰が得られる。
【0031】本請求項のリブは大気圧に押圧された異部
材の接触であるため、上記数式と同等以上に大きく減衰
して振動は伝達するため、この部分からの音の伝達は小
さい。
【0032】「請求項3」について、ケースの周囲から
のエネルギー伝達及び真空部の音の吸収については前述
と同じである。図4の実施例は真空層を保持するため
に、帯状の引張材を使用し、表裏にケース材の凸形状が
交互に接するように配置してある。
【0033】凸形状からの振動は、振動しやすい引張材
に伝わることにより大きく減衰し、外側ケースの凸形状
へ伝達した後、さらにケース材が振動してエネルギーを
吸収し、残りを音として放散するため、高性能な消音器
となる。又、カーボンやグラスファイバーのように柔ら
かい材料の方が大きな振動減衰を得られる。
【0034】図5のエキスパンドメタル、ワイヤメッシ
ュ、舌状片は、ケース材と間隔保持材又は間隔保持材間
のいずれかの位置に点状や線状接触となるカ所を設ける
ことにより、振動伝達量が著しく小さくなることを利用
するもので、伝達を減衰させ消音性能を向上させてい
る。
【0035】以上が真空体による効果であるが、エンジ
ンからの排気管による膨張室の排ガスの循環は、二輪車
用など長さがあり径が小さい消音器では膨張室17で排
気ガスを膨張させ、膨張室17、膨張室19、膨張室1
8、排気の順となるように循環パイプを設けるなど、物
理的条件に合わせて循環パイプを配置する。
【図面の簡単な説明】
【図1】消音器の内部斜視図
【図2】側壁と隔壁の断面図、及び筒状ケース材の一部
断面斜視図。
【図3】リブを成形したケース。
【図4】引張材を用いたケース。
【図5】間隔保持材の斜視図。
【符号の説明】 1:ケース 2:外側のケース材
3:内側のケース材 4:側壁 5:パイプ
6:貫通孔 7:隙間 8:外側の気密材
9:内側の気密材 10:隔壁 11:貫通部
12:気密材 13:中央部分 15:パイプ
16:パイプ 17:膨張室 18:膨張室
19:膨張室 20:排出口 21:孔
22:排ガスの流れ 23:排ガスの流れ 25:ケース
26:内側のケース材 27:外側のケース材 28:真空部
30:ケース 31:外側のケース材 32:内側のケース材
33:リブ 34:リブ 35:ケース
36:外側のケース 37:内側のケース材 38:リブ
39:リブ 40:引張材 41:端部 43:エキスパンドメタル
44:メッシュ 45:凹凸の刻み 46:上側の凸部
47:下側の凸部 48:ストランド 49:ワイヤメッシュ
50:ワイヤ 52:舌状片 53:基板
54:リブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケース材を隙間を設けて2枚合わせとし、
    外側ケース材と内側ケース材において、中央部は該内側
    ケース材を該外側ケース材と略平行面に、周囲は該外側
    ケース材と密着するように成形し、該密着部を気密接合
    して内部を真空にした排気用消音器。
  2. 【請求項2】消音器の側壁又は隔壁の気密材を隙間を設
    けて2枚合わせとし、該2枚の気密材の中央部は略平行
    面に、周囲及びパイプ貫通部は密着するように成形し、
    該密着部を気密接合して内部を真空にした排気用消音
    器。
  3. 【請求項3】内側と外側のケース材に所定間隔に方向の
    異なる凸形状を真空層側に成形し、凸形状が交差して点
    状接触となる請求項1の排気用消音器。
  4. 【請求項4】内側と外側のケース材間に、点状又は線状
    に接触した部分のある間隔保持材を用いた請求項1の排
    気用消音器。
JP2000136686A 2000-05-10 2000-05-10 排気用消音器 Pending JP2001317352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000136686A JP2001317352A (ja) 2000-05-10 2000-05-10 排気用消音器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000136686A JP2001317352A (ja) 2000-05-10 2000-05-10 排気用消音器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001317352A true JP2001317352A (ja) 2001-11-16

Family

ID=18644588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000136686A Pending JP2001317352A (ja) 2000-05-10 2000-05-10 排気用消音器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001317352A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003166298A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 遮音パネル
JP2006152913A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Nissan Motor Co Ltd 消音器構造
US8905188B2 (en) 2012-11-23 2014-12-09 Hyundai Motor Company Muffler for motor vehicle
CN114233456A (zh) * 2021-11-23 2022-03-25 柳州利和排气控制系统有限公司 汽车排气系统隔热罩

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003166298A (ja) * 2001-12-03 2003-06-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 遮音パネル
JP2006152913A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Nissan Motor Co Ltd 消音器構造
JP4586513B2 (ja) * 2004-11-29 2010-11-24 日産自動車株式会社 消音器構造
US8905188B2 (en) 2012-11-23 2014-12-09 Hyundai Motor Company Muffler for motor vehicle
CN114233456A (zh) * 2021-11-23 2022-03-25 柳州利和排气控制系统有限公司 汽车排气系统隔热罩

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2587683Y2 (ja) 能動型消音器
JPH0647928B2 (ja) 音減衰装置
JPS58217889A (ja) 消音流路及びその製法
JP2007182878A (ja) オートバイ用マフラー
JP2001317352A (ja) 排気用消音器
US4596306A (en) Exhaust silencing system
CN110789466B (zh) 基于海螺仿生的梯度孔隙率微结构汽车内前围声学包结构
WO2007074503A1 (ja) 真空パネル
JPS59218323A (ja) 密閉形圧縮機の吸込マフラ
JP2000355992A (ja) 真空防音断熱材
JPH1113450A (ja) 車両用マフラ
US3823796A (en) Mufflers for internal combustion engines
JPH06280553A (ja) 消音器
JPH0122445B2 (ja)
JP2001320854A (ja) 集塵機用消音器
JPH07229415A (ja) 吸音材を有する消音器
JP2001051684A (ja) 真空体の構成
JP3800456B2 (ja) 車両用排気消音装置
CN216429725U (zh) 一种紧凑型柔性消声器
JPH03286947A (ja) ダクト形サイレンサー
CN219575164U (zh) 一种散吸式消音器
CN218816702U (zh) 一种车辆进气系统的消声装置及车辆
US11788448B2 (en) Vehicle exhaust system with silencer having exhaust jet deflector
JPH0122888Y2 (ja)
KR101845785B1 (ko) 머플러용 배플 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040120