JP2001317122A - 建築物 - Google Patents

建築物

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JP2001317122A
JP2001317122A JP2000136568A JP2000136568A JP2001317122A JP 2001317122 A JP2001317122 A JP 2001317122A JP 2000136568 A JP2000136568 A JP 2000136568A JP 2000136568 A JP2000136568 A JP 2000136568A JP 2001317122 A JP2001317122 A JP 2001317122A
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昭 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築コストの低減を図りつつ、梁の強度向上
を図る。 【解決手段】 基礎部BS1に垂直に立設されると共に
その上端部が小屋梁12によって相互に連結された少な
くとも2×(N+1(Nは自然数))本の主柱11と、
一端部が主柱11の側面に固定された複数の第1の梁1
5と、各第1の梁15の他端部および主柱11の上端部
を相互に連結する複数の吊り斜材18とを含み、かつ側
面視形状および上面視形状が左右ほぼ対称に形成された
軸組2を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鉄骨材で構
成された軸組を備えた建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の建築物として、図4に示す建築
物31が従来から知られている。この建築物31では、
基礎部BS31上に組み立てられた軸組32(図5参
照)に各種建築部材を組み付けることにより、一階居住
部LS31a、二階居住部LS31bおよび屋根部RF
31が形成されている。この場合、建築物31は、二階
居住部LS31bが側方に突き出した形状に形成されて
いる。したがって、二階居住部LS31bは、一階居住
部LS31aよりも広い床面積となっている。また、図
5に示すように、軸組32は、基礎部BS31上に垂直
に立設された4本の通し柱41,41・・と、隣り合う
通し柱41,41の上端部を相互に連結する大梁42,
42・・と、大梁42の下方に配設されて通し柱41,
41の中間部位を相互に連結する大梁43,43・・
と、大梁42の延在方向に配設されて一端部が通し柱4
1の上端部側面に固定された片持ち梁44,44と、大
梁43の延在方向に配設されて一端部が通し柱41の中
間部側面に固定された片持ち梁45,45と、片持ち梁
44,45の他端部同士を上下方向で相互に連結する連
結材46,46と、大梁42,42・・上に垂直に立設
されたつか47,47・・と、つか47,47の上端部
を相互に連結する小屋梁48,48・・とを備えてい
る。この場合、各部材には、鉄骨材が用いられており、
各鉄骨材の接合部には、固定用ボルトをボルト締め可能
なボルト孔がそれぞれ形成されている。なお、同図で
は、紙面手前側の通し柱41,41、大梁42,43お
よび片持ち梁44,45や、紙面に垂直な方向に配設さ
れた大梁42,43および小屋梁48,48などの図示
を省略する。
【0003】この建築物31の建築に際しては、まず、
基礎部BS31上に通し柱41,41・・を垂直に立設
する。次に、隣り合う通し柱41,41の上端部間に大
梁42,42・・を掛け渡してボルト締めすることによ
り、各通し柱41,41・・の上端部を相互に連結す
る。次いで、大梁43,43・・を通し柱41,41間
の所定位置にボルト締めする。続いて、片持ち梁44,
44,45,45を柱41,41の側面における所定位
置にボルト締めした後に、その接合部位をそれぞれ剛溶
接する。次に、片持ち梁44,45の他端部同士を連結
材46によって相互に連結する。次いで、大梁42,4
2・・の上につか47,47・・を垂直に立設してボル
ト締めする。続いて、つか47,47の上端部間に小屋
梁48,48・・を掛け渡してボルト締めすることによ
り、各つか47,47の上端部を相互に連結する。これ
により、軸組32が完成する。この後、片持ち梁44,
44の他端部間に掛け渡された小梁(図示せず)と、紙
面に垂直な方向に配設された小屋梁48との間に複数の
垂木49,49・・を斜めに掛け渡し、さらに、屋根
材、外壁材、床材および建具などの建築部材を所定の手
順で軸組32に組み付けることにより、図4に示すよう
に、建築物31が完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の建築
物31には、以下の問題点がある。すなわち、従来の建
築物31では、二階居住部LS31bが側方に突き出し
ているため、鉄骨材や、その他の建築部材の自重によっ
て、図5の矢印A1で示すように、通し柱41に固定さ
れた側の端部を中心として斜め下向きに他端部を押し下
げるモーメントが片持ち梁45に作用する。同時に、片
持ち梁45に加わるモーメントによって片持ち梁44の
他端部を引き下げる向きの力が連結材46を介して片持
ち梁44に作用する。このため、矢印A2で示すよう
に、片持ち梁44にも、通し柱41に固定された側の端
部を中心として斜め下向きに他端部を引き下げるモーメ
ントが作用する。したがって、従来の建築物31では、
片持ち梁44,45と通し柱41とをそれぞれボルト締
めし、かつ剛溶接することによって、片持ち梁44,4
5に作用するモーメントに対する強度向上を図ってい
る。このため、剛溶接用に片持ち梁44,45を加工す
る作業のコストが建築物31の材料コストを上昇させる
要因になっているという問題点がある。また、軸組32
の組立に際して高所での溶接作業を強いられる結果、組
立コストを上昇させる要因になっているという問題点が
ある。
【0005】さらに、片持ち梁44,45と通し柱41
とをボルト締めおよび剛溶接によっていかに強固に固定
したとしても、片持ち梁44,45や、他の建築部材の
自重に起因して片持ち梁44,45が撓み、その他端部
が矢印A1,A2の向きで押し下げられてしまう。この
結果、軸組32に歪みが生じるという問題点もある。こ
の場合、図5に破線で示すように、支柱50,50によ
って片持ち梁45の他端部を支持することにより、簡易
な構成で片持ち梁45を通し柱41に固定しつつ、片持
ち梁45の撓みを防止することも可能ではある。しか
し、かかる場合には、支柱50が邪魔となり、二階居住
部LS31bにおける突き出し部位の下方空間を有効に
利用できなくなるという問題が発生する。
【0006】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、建築コストの低減を図りつつ、梁の強度向
上を図り得る建築物を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の建築物は、基礎部に垂直に立設されると共
にその上端部が小屋梁によって相互に連結された少なく
とも2×(N+1(Nは自然数))本の主柱と、一端部
が主柱の側面に固定された複数の第1の梁と、各第1の
梁の他端部および主柱の上端部を相互に連結する複数の
吊り斜材とを含み、かつ側面視形状および上面視形状が
左右ほぼ対称に形成された軸組を備えていることを特徴
とする。なお、本発明における軸組とは、建築物の主要
部分を構成するための主要骨格をいう。すなわち、玄関
や出窓などの付帯物を組み付けるための柱材や梁材など
は、本発明における軸組の構成に含まれないものとす
る。
【0008】請求項2記載の建築物は、請求項1記載の
建築物において、軸組は、一端部が主柱の側面に固定さ
れると共に第1の梁の下方に配設される第2の梁と、第
1および第2の梁の他端部同士を相互に連結する吊り材
とをさらに備えていることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の建築物は、請求項1または
2記載の建築物において、軸組は、鉄骨材で構成されて
いることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る建築物の好適な発明の実施の形態について説明
する。
【0011】最初に、建築物1の構成について、図1か
ら3を参照して説明する。
【0012】この建築物1では、図3に示すように、基
礎部BS1の上に組み立てられた軸組2(図1参照)に
各種建築部材を組み付けることにより、一階居住部LS
1a、二階居住部LS1bおよび屋根部RF1が形成さ
れている。この場合、軸組2は、図1に示すように、建
築物1の水平方向における中心を示す中心線X1を基準
として側面視形状が左右方向に線対称に形成されると共
に、図2に示すように、建築物1の水平方向における中
心を示す中心線X2を基準として上面視形状が左右方向
に線対称に形成されている。このため、二階居住部LS
1bは、一階居住部LS1aに対して水平方向に均等に
突き出して形成されている。
【0013】軸組2は、図1,2に示すように、通し柱
11,11・・、小屋梁12,12・・、大梁13,1
3・・,14,14・・、梁15,15・・,16,1
6・・、吊り材17,17・・、吊り斜材18,18・
・および小梁19,19・・を備えて構成されている。
この場合、各部材は、鉄骨材を用いて構成され、各部材
の接合部には、固定用ボルトをボルト締め可能なボルト
孔が形成されている。通し柱11は、本発明における主
柱に相当し、基礎部BS1の上に垂直に立設されてい
る。小屋梁12は、隣り合う通し柱11,11の上端部
間に掛け渡されて固定され、両通し柱11,11を相互
に連結する。大梁13は、図1に示すように、二階居住
部LS1bの最上部に配設され、通し柱11,11の中
間部位を連結する。大梁14は、一階居住部LS1aの
最上部に配設され、通し柱11,11の中間部位を連結
する。
【0014】梁15は、本発明における第1の梁に相当
し、大梁13の延在方向に配設されて一端が通し柱11
の中間部にボルト締めによって固定されている。また、
梁16は、本発明における第2の梁に相当し、大梁14
の延在方向に配設されて一端が通し柱11の中間部にボ
ルト締めによって固定されている。吊り材17は、上下
方向に配置されている梁15,16の他端部同士を相互
に連結する。吊り斜材18は、梁15の他端部と通し柱
11の上端部とを相互に連結する。小梁19は、図2に
示すように、梁15,15の他端部同士、および梁1
6,16の他端部同士(図示せず)を相互に連結する。
【0015】次に、建築物1の建築方法について、図面
を参照して説明する。
【0016】まず、基礎部BS1の四隅に、4本の通し
柱11,11・・を垂直に立設した後、基礎部BS1に
予め埋設されているアンカーボルトにナット締めするこ
とにより、各通し柱11,11・・を基礎部BS1に固
定する。次に、各通し柱11,11・・の上端部間に小
屋梁12,12・・を掛け渡してボルト締めすることに
より、各通し柱11,11を相互に連結する。次いで、
大梁13,13・・,14,14・・を通し柱11,1
1の間の所定位置に水平に配置して、その両端部を通し
柱11,11にボルト締めする。続いて、梁15,15
・・,16,16・・を通し柱11,11・・の側面に
ボルト締めする。次に、上下に配設されている梁15,
16の他端部同士を吊り材17によって相互に連結す
る。次いで、梁15の他端部および通し柱11の上端部
の間に吊り斜材18を配設してボルト締めすることによ
り、梁15および通し柱11を相互に連結する。続い
て、梁15,15の他端部同士を小梁19によって相互
に連結すると共に、梁16,16の他端部同士を小梁1
9によって相互に連結する。これにより、軸組2が完成
する。この後、屋根材、外壁材、床材および建具などの
建築部材を所定の手順で軸組2に組み付けることによ
り、図3に示すように、建築物1が完成する。
【0017】この建築物1では、各鉄骨材や建築部材の
自重および荷重によって、図1の矢印A1,B1で示す
ように、通し柱11,11に固定された側の端部を中心
として斜め下向きに他端部を押し下げるモーメントが梁
16,16に作用すると、梁15,15の他端部を下方
に引き下げる向きの力が吊り材17,17を介して梁1
5,15に作用する。この結果、矢印A2,B2で示す
ように、通し柱11に固定された側の端部を中心として
斜め下向きに他端部を引き下げるモーメントが梁15,
15に作用する。この場合、この建築物1では、梁15
の他端部が吊り斜材18によって通し柱11の上端部に
連結されている。したがって、この吊り斜材18,18
によって梁15,15が水平状態に保持されるため、梁
16,16も吊り材17,17によって水平状態に保持
される。これにより、梁15,16を水平状態に維持す
るための剛溶接が不要となる結果、梁15,16を剛溶
接用に加工する必要がなくなると共に、高所での溶接作
業を不要とすることができる。この結果、鉄骨材の材料
コスト、並びに軸組2の加工および組立のコストを低減
することができる。これにより、建築物1の建築コスト
を低減することができる。
【0018】また、図1,2に示すように、この建築物
1では、軸組2の側面視形状および上面視形状が、中心
線X1,X2を基準として左右対称に形成されている。
このため、各鉄骨材や、その他の建築部材の重量配分
が、ほぼ左右均等になる。したがって、中心線X1,X
2を挟んで対向配置されている梁15,15を引き下げ
る力がほぼ等しくなる。この結果、矢印C1,C2で示
すように、通し柱11,11には、水平方向において相
反する向きで斜め下向きに等しく引き下げる力が作用す
る。この場合、この建築物1では、通し柱11,11の
上端部が小屋梁12によって相互に連結されている。し
たがって、通し柱11,11に作用する力のうち、水平
方向で相反する向きに作用する力が相殺される結果、通
し柱11,11には、垂直方向に引き下げる力のみが作
用する。これにより、通し柱11,11が垂直状態に維
持される結果、鉄骨材や建築部材の自重に起因する軸組
2の歪みが防止される。
【0019】なお、本発明は、上記本発明の実施の形態
に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の
形態では、基礎部BS1の上にN=1とする2×(N+
1)=4本の通し柱11,11・・を立設して形成した
軸組2を例に挙げて説明したが、本発明における主柱の
本数は、これに限定されず、一階居住部LS1aおよび
二階居住部LS1bの床面積に応じて、N≧2とする2
×(N+1)本の通し柱11,11・・を立設して軸組
2を構成することができる。また、本発明の実施の形態
では、二階居住部LS1bを2方向に突き出した建築物
1の例に挙げて説明したが、本発明における建築物の構
成はこれに限定されず、図2に示す左右方向に加えて上
下方向にも二階居住部LS1bを突き出させることによ
り、軸組2の上面視形状が「井」字状となるように構成
することもできる。さらに、本発明における主柱は、1
本の鉄骨材で構成された通し柱に限定されず、例えば、
上下に2分割可能な連結柱を用いてもよい。この場合に
は、分割状態において鉄骨材が短尺となるため、建築現
場への運搬および搬入が容易となる。さらに、3階以上
の建築物に本発明を適用して第1および第2の梁の下方
に第3〜第M(Mは自然数)の梁を配設することもでき
る。
【0020】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の建築物に
よれば、第1の梁の他端部と主柱の上端部とを吊り斜材
によって相互に連結したことにより、この吊り斜材によ
って第1の梁を水平状態に保持することができる。この
結果、簡易な構成で第1の梁を主柱に固定することがで
きるため、材料コスト、加工コストおよび組立コストを
低減することができる。これにより、建築物の建築コス
トを低減することができる。また、側面視形状および上
面視形状が左右ほぼ対称に形成された軸組を備えたこと
により、主柱に作用する水平方向への力が相殺されて垂
直方向への力のみが主柱に作用するため、鉄骨材や建築
部材の自重および荷重に起因する軸組の歪みを防止する
ことができると共に、建築物の長寿命化を図ることがで
きる。
【0021】また、請求項2記載の建築物によれば、第
1および第2の梁の他端部同士を吊り材によって連結し
たことにより、この吊り材によって第2の梁を水平に保
持することができる。この結果、簡易な構成で第2の梁
を主柱に固定することができるため、材料コストおよび
組立コストを低減することができ、これにより、建築コ
ストを低減することができる。
【0022】さらに、請求項3記載の建築物によれば、
鉄骨材を用いて軸組を構成したことにより、例えば木材
を用いた軸組と比較して、容易に組み立てることができ
るため、工期を短縮することができる。また、鉄骨材自
体が強固かつ長寿命であるため、強固かつ長寿命な建築
物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る建築物1における軸
組2の構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る建築物1における軸
組2の構成を示す上面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る建築物1の側面外観
図である。
【図4】従来の建築物31の側面外観図である。
【図5】従来の建築物31における軸組32の構成を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 建築物 2 軸組 11 通し柱 12 小屋梁 15,16 梁 17 吊り材 18 吊り斜材 BS1 基礎部 RF1 屋根部 X1,X2 中心線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎部に垂直に立設されると共にその上
    端部が小屋梁によって相互に連結された少なくとも2×
    (N+1(Nは自然数))本の主柱と、一端部が前記主
    柱の側面に固定された複数の第1の梁と、当該各第1の
    梁の他端部および前記主柱の上端部を相互に連結する複
    数の吊り斜材とを含み、かつ側面視形状および上面視形
    状が左右ほぼ対称に形成された軸組を備えていることを
    特徴とする建築物。
  2. 【請求項2】 前記軸組は、一端部が前記主柱の側面に
    固定されると共に前記第1の梁の下方に配設される第2
    の梁と、前記第1および第2の梁の他端部同士を相互に
    連結する吊り材とをさらに備えていることを特徴とする
    請求項1記載の建築物。
  3. 【請求項3】 前記軸組は、鉄骨材で構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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