JP2001316778A - 加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
製造方法を提供する。 【解決手段】 mass%で、Si:4%以下、Mn:2%以下、
sol.Al:0.1〜2 %、S:0.03%以下、P:0.2%以下、
N:0.01%以下を含み、C含有量と結晶粒径d(μm)が
[%C]/d2/3<1.3×10-4を満たし、残部実質的にFeから
なる無方向性電磁鋼板。また、前記鋼板を製造する方法
においては、0.4%以上の伸長率でスキンパス圧延を施
す。
Description
鉄心材料等に使用される電磁鋼板に関する。
いは自動車電装品の小型・高効率化の動きを受けて、こ
れまで冷延鋼板(以下、SPCCと略す)が使用されてきた
小型モータや小型発電機(オルタネータ)等の用途に、
電磁鋼板の適用が検討されつつある。このような用途に
は、例えば、クロー型PMステッピングモータのようにヨ
ーク部をプレス加工するものや、オルタネータのように
ステータ部を板面方向に曲げ加工(ヘリカル積層)する
ものがあり、電磁鋼板を適用するにあたっては、磁気特
性だけでなく、SPCCと同等の優れた加工性も要求されて
いる。さらに、最近ではモータコアの新しい組立工法も
開発されつつあり、例えばサーボモータでは、ポキポキ
コアとも呼ばれる、ステータの一部を曲げ加工してコア
形状に成形するものもある。
用品種の拡大、あるいは新たな組立工法の導入に伴い、
打ち抜き加工が主流であった電磁鋼板において曲げ加工
性、プレス成形性といった新たな鋼板性能が要求されつ
つある。これに対し、特開平09-256119号公報では、成
分と製造条件の適正化により曲げ加工時の腰折れの原因
となる降伏伸び(以下、YPELと称す)を低減する工夫が
なされており、具体的には、Nを固定するためにAlを0.1
5〜0.50%含有した電磁鋼板にスキンパス圧延を施す方
法が開示されている。
磁気特性とプレス成形性を付与するために、脱酸形態と
析出物の種類を適正化して、面内異方性、降伏強度(以
下、YSと称す)、YPELを低減する技術が開示されてい
る。
09-256119号公報では、鋼板を製造した直後には優れた
加工性を発揮するものの、時効によりYPELが再発現して
加工性の劣化が生じる問題を有している。さらには、加
工性を向上させる手段として0.8%以上の伸長率のスキン
パス圧延を必要とするので、磁気特性の劣化を招く。
の低減は十分とはいえず、さらなる加工性の向上が望ま
れていた。
のであり、加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその
製造方法を提供することを目的とする。
と加工性に優れた無方向性電磁鋼板を得るために、磁気
特性の劣化を極力抑えながら加工性劣化の原因となるYP
ELを低減する手法について鋭意研究を重ねた。
YPELは、固溶元素であるC、Nの大幅な低減と結晶粒径の
適正化を同時に図ることにより、格段に低減できること
を見い出した。また、脱炭焼鈍によりCの低減を行う場
合や脱窒素焼鈍によりNの低減を行う場合は、微量のSb
及び/又はSnを添加することで磁気特性がさらに向上す
ること、さらには0.4%以上の伸長率でスキンパス圧延
を施すことにより、YPELは一層低減されることも見い出
した。さらに、このようにして得られた電磁鋼板はスキ
ンパス圧延を実施してYPELを低減した場合、耐時効性が
従来鋼より格段に優れていることも見い出した。
で、以下のような構成を有する。 [1] mass%で、Si:4%以下、Mn:2%以下、sol.Al:0.
1〜2 %、S:0.03%以下、P:0.2%以下、N:0.01%以
下を含み、C含有量[%C]と結晶粒径d(μm)が下式を満
たし、残部実質的にFeからなることを特徴とする加工性
に優れた無方向性電磁鋼板。 [%C]/d2/3<1.3×10-4 ・ ・ ・ (1)式
下、sol.Al:0.005 %以下、S:0.03%以下、P:0.2%
以下を含み、(C含有量とN含有量)[%C+%N]と結晶粒
径d(μm)が下式を満たし、残部実質的にFeからなるこ
とを特徴とする加工性に優れた無方向性電磁鋼板。 [%C+%N]/d2/3<1.3×10-4 ・ ・ ・ (2)式
をSb+Sn/2として0.002〜0.15%含むことを特徴とする上
記[1]または[2]記載の加工性に優れた無方向性電磁鋼
板。
する方法において、0.4%以上の伸長率でスキンパス圧
延を施すことを特徴とする加工性に優れた無方向性電磁
鋼板の製造方法。
的にFe」とは、本発明の作用効果を無くさない限り、不
可避不純物をはじめ、他の微量元素を含有するものが本
発明の範囲に含まれ得ることを意味する。また、本明細
書において、鋼の成分を示す%はすべてmass%である。
由とともに説明する。電磁鋼板では通常3〜6%のYPELが
存在しており、このYPELの存在は曲げ加工時の腰折れや
プレス加工時のしわ模様を発生させる原因となる。ま
た、腰折れが発生した部分では局部的に大きな塑性変形
が加わるのでコア材の一部に破断を引き起こす場合もあ
る。
在により発生すると考えられており、電磁鋼板では、通
常0.0015〜0.0050%のCを含有するのでYPELを低減する
のは容易ではなかった。例えば、0.0015〜0.0050%のC
を焼鈍時にカーバイトとして析出させることは極めて難
しく、またスキンパス圧延を実施しても固溶Cは存在し
たままなので、この場合には時効で加工性の劣化が生じ
る。また、TiやNb等の炭窒化物形成元素を添加してIF系
の鋼とした場合、集合組織の著しい劣化や、析出物の形
成による鉄損の劣化が生じる。
の加工性を向上させる手段として、固溶Cの低減および
結晶粒径の適正化について検討を行った。すなわち、ま
ず固溶Cを大幅に低減することにより、磁気特性に悪影
響を及ぼすことなくYPELを低減でき、なおかつ時効性も
改善できると考えた。また、結晶粒の粗大化も歪の伝播
性を高めるため、YPELを低減する有効な手段であると考
えた。
をうまく組み合わせることにより曲げ加工性に優れた鋼
板が得られる可能性があると考え、最初に、YPELに及ぼ
す固溶Cと結晶粒径の影響を調査した。
P:0.1%、S:0.003%、sol.Al:0.2%、N:0.0025%と
した鋼を溶解し、熱間圧延を施して、板厚2mmの熱間圧
延板を得た。なお、ここではYPELに及ぼす固溶Nの影響
をなくすために、Alを0.1%以上含有した鋼を選定し
た。
し、C含有量を0〜0.0040%の範囲で変化させた。この時
の脱炭焼鈍は、10%H2-90%N2、露点:20℃のウェット
雰囲気中にて720℃で0〜5時間実施し、次いで、雰囲気
を10%H2-90N2、露点:-20℃以下のドライ雰囲気に切り替
えて1時間行った。その後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、
10%H2-90%N2雰囲気で680℃〜950℃×3〜30minの仕上焼
鈍を行い、結晶粒径が10〜100μmの範囲の供試材を得
た。
うち、結晶粒径が18μmの供試材のC含有量とYPELの関係
を示す。ここで、YPELの測定はJIS5号引張試験片にて行
った。
は低下していき、C含有量が0.0012%近辺でYPELの低下の
割合が大きくなっている。そして、C含有量が0.0008%
以下ではYPELが格段に低減されて2%以下となることが
わかる。
量及び結晶粒径の関係を調査するため、上記で得られた
供試材のYPELについてC含有量と結晶粒径で整理した。
図2にC含有量と結晶粒径及びYPELの関係を示す。なお、
図2において、YPELが2%以下であった供試材を■で、YP
ELが2%超えであった供試材を△で示す。
m)が[%C]/d2/3<1.3×10-4の関係を満たすときに、Y
PELが効果的に低減され、2%以下となることがわかる。
ち、C含有量が0.0003%で結晶粒径が18μm、C含有量が
0.0012%で結晶粒径が18μmの供試材について耐時効性
と磁気特性を調査した結果を表1に示す。さらに、C含有
量が0.0012%で結晶粒径が18μmの供試材については仕
上焼鈍後に伸長率1%のスキンパス圧延を実施し、スキ
ンパス圧延材の時効性も調査した。
90日保持することにより調査した。また、磁気特性の測
定は25cmエプスタイン法により行った。
m)が[%C]/d2/3<1.3×10-4の関係を満たすときは、Y
PEL、YS共に低く、時効によるYPEL、YSの増加も共に生
じておらず、耐時効性に優れていることがわかる。さら
に、磁気特性も優れていることがわかる。
[%C]/d2/3≧1.3×10-4の場合は、YPEL、YS共に高く、
磁気特性も劣っている。スキンパス圧延を施した供試材
では、時効によりYPEL、YS共に増加している。以上の理
由により、固溶Nの影響を受けない、すなわちAlを0.1%
以上含有した鋼板の場合においては、C含有量[%C]と結
晶粒径d(μm)は、[%C]/d2/3<1.3×10-4を満たすも
のとする(ただし、C含有量は0%の場合を含む)。
固溶Nの影響が考えられる。そこで、次に、固溶Cと固溶
Nが共存する鋼板についてYPELに及ぼす固溶Cと固溶N及
び結晶粒径の影響を調査した。
P:0.1%、S:0.003%、sol.Al:0.001%、N:0.0025%
とした鋼を溶解し、熱間圧延を施して、板厚2mmの熱間
圧延板を得た。なお、ここではAlNの生成を防止するた
めに、Alを0.001%とした。引き続きこの熱間圧延板に
脱炭・脱窒処理を施し、C+N含有量を0.0003〜0.0050%
の範囲で変化させた。この時の脱炭・脱窒処理は、水素
分圧を調整した10〜100%H2-N2、露点:20℃のウェット
雰囲気中にて720℃で0〜5時間の焼鈍を実施し、次い
で、雰囲気を10%H2-90%N2、露点:-20℃以下のドライ
雰囲気に切り替えて1時間の焼鈍を行った。その後、板
厚0.5mmまで冷間圧延し、10%H2-90%N2雰囲気で680℃
〜950℃×3〜30minの仕上焼鈍を行い、結晶粒径が10〜1
00μmの範囲の供試材を得た。
結晶粒径と(C含有量+N含有量)及びYPELとのの関係を
示す。ここで、YPELの測定は、図1と同様の方法で行っ
た。なお、図3において、YPELが2%以下であった供試材
を■で、YPELが2%超えであった供試材を△で示す。
N]と結晶粒径d(μm)が[%C+%N]/d2/3<1.3×10-4
の関係を満たすときにYPELが効果的に低減され、2%
以下となることがわかる。
る鋼板、すなわちAlを0.005%以下含有した鋼板の場合
においては、(C含有量+N含有量)[%C+%N]と結晶粒
径d(μm)は、[%C+%N]/d2/3<1.3×10-4 を満た
すものとする(ただし、C含有量とNの含有量がこれらの
総量で0%の場合を含む)。
やNを低減した場合に、鋼板の表層10〜20μmに酸化や窒
化の生じた領域が観察された。この酸化や窒化は、磁気
特性の劣化の原因となり、これらを防止すればさらに磁
気特性が向上すると考えられる。
に、酸化および窒化の防止について検討した。その結
果、本発明者らは、Sb、Snの微量添加が酸化および窒化
の防止に有効なのではという着想を抱き、酸化および窒
化の防止を目的として、Sb、Snを微量添加し、磁気特性
に及ぼすこれらの元素の影響を調査した。
P:0.1%、S:0.003%、sol.Al:0.2%、N:0.0025%を
含み、SbまたはSnを0〜0.27%の範囲で変化させた鋼を
溶製し、熱間圧延を行った。得られた熱間圧延板に10%
H2-90%N2、ウェット雰囲気中で720℃×3時間、10%H2-9
0%N2、ドライ雰囲気中で720℃×1時間の脱炭焼鈍を施し
てC含有量を0.0003%に調整した。その後、板厚0.5mmま
で冷間圧延を施し、さらに仕上焼鈍を施して結晶粒径20
μmの供試材を得た。
含有量と磁気特性の関係を示す。なお、磁気特性の測定
は25cmエプスタイン法により行った。
加することにより鉄損がさらに低減することがわかる。
また、SnもSbと同様の性質を有しておりSnの添加によ
り、鉄損が低減されることが確認された。ただし、Sbと
同等の効果を得るためには2倍の含有量が必要であっ
た。
を施す場合には、Sb、Snの一種または二種をSb+Sn/2で
0.002〜0.15%の範囲で含有させることが望ましい。オ
ルタネータコア材のように極めて高い曲げ成形性が要求
される用途では、ユーザでの加工性、生産性向上の観点
から、磁気特性をある程度犠牲にしてもYPELのさらなる
低減が望まれる。そこで、さらなる加工性の向上、すな
わちより一層のYPELの低減を目的に、スキンパス圧延の
実施を検討した。
P:0.1%、S:0.003%、sol.Al:0.2%、N:0.0025%と
した鋼を溶解し、熱間圧延を施して板厚2mmの熱間圧延
板を得た。この熱間圧延板に板厚0.5mmまで冷間圧延を
施した。次いで、脱炭焼鈍を施すことにより、C含有量
および結晶粒径を調整した。さらに、脱炭焼鈍後、伸長
率0〜2.5%の範囲でスキンパス圧延を行い、供試材を得
た。また、得られた供試材に25℃×90日の時効試験も行
った。なお、脱炭焼鈍は10%H2-90%N2、露点:20℃雰
囲気中にて750℃で2〜3時間行った後に、さらに雰囲気
を10%H2-90%N2、露点:-30℃のドライ雰囲気に切り替
えて2〜4時間行った。得られた供試材のC含有量は0.000
6%、0.0015%であり、結晶粒径はともに23μmであっ
た。
0.0006%と0.0015%の各供試材のYPELとスキンパス圧延
での伸長率の関係を示す。ここで、YPELは図1と同様の
方法で測定した。
量と結晶粒径との関係が本発明範囲内に適正化されてい
ない供試材では、YPELをほぼ完全に消失させるには1%
程度の伸長率が必要であり、耐時効性が劣るので25℃で
90日保持した後ではYPELが再発現することがわかる。
結晶粒径との関係が本発明範囲内に適正化されている供
試材では、0.4%のわずかな伸長率でも十分YPELを低減
することができ、さらに25℃×90日の時効試験後にもYP
ELの再発現がほとんど見られない。
キンパス圧延での伸長率と磁気特性を調査した結果を表
2に示す。ここで、磁気特性の測定は表1と同様の方法で
行った。
量と結晶粒径との関係が本発明範囲内に適正化されてい
る供試材では、歪の導入量が少なくてもYPELが十分低減
できるので、スキンパス圧延を実施しても磁気特性はあ
まり劣化しないことがわかる。
結晶粒径との関係が本発明範囲内に適正化されていない
供試材では、YPELを十分低減するには多量の歪みの導入
を必要とするので、スキンパス圧延実施により磁気特性
が著しく劣化している。以上の理由により、本発明鋼の
YPELをさらに低減する手段として、伸長率0.4%以上で
スキンパス圧延を実施することが望ましい。
する。Siは鋼板の固有抵抗を上げて鉄損を低減するのに
有効な元素である。しかしながら、4%超えで添加して
も鉄損の低減効果は小さく、YSの上昇やELの低下による
加工性の劣化を招く恐れがあるため、Siの含有量は4%
以下(但し、0%の場合を含む)とする。
長性向上の目的で添加されるが、2%超になると磁気特
性が劣化し、YSの上昇やELの低下により加工性も劣化す
る。以上より、Mn の含有量は2%以下(但し、0%の場
合を含む)とする。sol.Alは上記のように、固溶Nが存
在せず固溶Cのみ存在する鋼板の場合と、固溶Cと固溶N
が共存する鋼板の場合とでは、添加量が異なる。そのた
め、それぞれに分けて記載する。
鋼板の場合には、Nを固定するとともに粒成長性も確保
する必要があるので、sol.Alの含有量は0.1%以上とす
る。ただし、sol.Alを2%超えで含有させても鉄損の低
減効果は小さく、いたずらに強度上昇を招くので2%以
下とする。固溶Cと固溶Nが共存する鋼板の場合は、粒成
長性を確保するために、sol.Alの含有量は0.005%以下
とする。
び延性の低下を招くため0.03%以下(但し、0%の場合
を含む)とする。
損を低減する元素である。ただし、0.2%を超えて添加
するとYSの上昇、ELの低下による加工性の著しい劣化を
招くため、P の含有量は0.2%以下(但し、0%の場合を
含む)とする。Nは、まず固溶Nが存在せず固溶Cのみ存
在する鋼板の場合、その含有量が多いとAlNの析出量が
多くなり、磁気特性の劣化や加工性の劣化を招くため、
Nの含有量は0.01%以下とする。また、固溶Cと固溶Nが
共存する鋼板の場合は、上記のように結晶粒径との関係
で規定する[%C+%N]/d2/3<1.3×10-4 式を満たす
ものとする。
鋼板の製造方法について説明する。本発明においては、
本発明で規定する成分、結晶粒径が本発明の範囲内であ
れば、製造方法は通常の方法でかまわない。すなわち、
転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理し所定の成分に調整
し、引き続き鋳造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上
焼鈍温度、巻取り温度は特に規定する必要はなく、通常
でかまわない。また、熱間圧延後の熱延板焼鈍は行って
も良いが必須ではない。次いで一回の冷間圧延、もしく
は中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧延により所定の
板厚とした後に、最終焼鈍を行う。さらに、YPELのさら
なる低減を目的に、伸長率0.4%以上のスキンパス圧延
を施すことが望ましい。
真空脱ガス、熱延板や冷延板へ脱炭・脱窒焼鈍を適用し
調整することにより、本発明の範囲とすることができ
る。
厚方向に切断した面内に存在する結晶粒の平均径であ
り、例えば、最終焼鈍における焼鈍温度、焼鈍時間を調
整するることにより本発明で規定する範囲とすることが
できる。
き性や絶縁性を向上する目的で、有機/無機混合被膜が
塗布される場合がある。しかし、本発明の効果は被膜の
塗布に拘わりなく得られるものであり、被膜を塗布した
場合にも同様の効果が得られる。
成分に鋳造後、1200℃×1hrのスラブ加熱を行った後、
板厚2.0mmまで熱間圧延、次いで酸洗を行った。引き続
き、一部については、10〜100%H2-N2、露点:20℃のウ
ェット雰囲気中で720℃×0〜5時間の焼鈍と、10%H2-90
%N2、露点:-20℃以下のドライ雰囲気で720℃×1時間
の熱延板焼鈍を実施し、C含有量および(C含有量+N含
有量)を調整した。その後、板厚0.50mmまで冷間圧延を
行い、10%H2-90%N2雰囲気で680℃〜950℃×30〜2min
の仕上焼鈍を行った。
ては、板厚0.50mmまで冷間圧延後に10%H2-90%N2、露
点:20℃のウェット雰囲気中で、740℃×4時間の焼鈍
と、10%H2-90%N2、露点:-20℃以下のドライ雰囲気で
740℃×1時間の焼鈍を実施し、C含有量を調整した。仕
上げ焼鈍後もしくは冷延板の脱炭焼鈍後の鋼板の化学成
分を表3に示す。
めに、一部については、仕上げ焼鈍後にスキンパス圧延
を実施した。
を表4に示す。また、得られた各鋼板の機械特性及び磁
気特性を表4に併せて示す。
引張試験片にて行い、スキンパス圧延を実施しないもの
については仕上焼鈍直後のYPELと25℃の恒温槽にて90日
保持した後のYPELを、スキンパス圧延を実施したものに
ついてはスキンパス圧延直後のYPELと25℃の恒温槽にて
90日保持した後のYPELを測定した。また、磁気測定は25
cmエプスタイン試験片を用いて行った。なお、No.10の
鋼板については冷延後に脱炭焼鈍を施したので、脱炭焼
鈍後直後のYPELと25℃の恒温槽にて90日保持した後のYP
ELを測定した。
囲に制御した本発明例においては、YPELが低く、磁気特
性に優れていることがわかる。また、25℃×90日の時効
後のYPELも焼鈍後もしくはスキンパス圧延後のYPELとほ
ば変わらず、時効によるYPELの劣化も生じないことがわ
かる。さらに、スキンパス圧延を行った実施例では、YP
ELがより低減されていることがわかる。
[%C]/d2/3≧1.3×10-4 もしくは[%C+%N]/d2/3≧
1.3×10-4 と本発明の範囲を外れているので、YPELが
高くなっている。
比較例は、スキンパス圧延直後のYPELに比べ時効後のYP
ELが高くなっており、時効後のYPELの劣化が認められ
る。また、鉄損も劣っている。
工性に優れた無方向性電磁鋼板を得ることができる。さ
らに本発明により得られる鋼板は、磁気特性にも優れて
いるので、加工性向上によるユーザーでの生産性、作業
性の向上、ならびに鉄損低減によるモータや発電器の効
率の向上に寄与することができ、モータや発電機の鉄心
材料等に使用される材料として最適である。
フ。
関係を示すグラフ。
ラフ。
Claims (4)
- 【請求項1】 mass%で、Si:4%以下、Mn:2%以下、s
ol.Al:0.1〜2 %、S:0.03%以下、P:0.2%以下、N:
0.01%以下を含み、C含有量[%C]と結晶粒径d(μm)が
下式を満たし、残部実質的にFeからなることを特徴とす
る加工性に優れた無方向性電磁鋼板。 [%C]/d2/3<1.3×10-4 ・ ・ ・ (1)式 - 【請求項2】 mass%で、Si:4%以下、Mn:2%以下、so
l.Al:0.005 %以下、S:0.03%以下、P:0.2%以下を
含み、(C含有量とN含有量)[%C+%N]と結晶粒径d
(μm)が下式を満たし、残部実質的にFeからなること
を特徴とする加工性に優れた無方向性電磁鋼板。 [%C+%N]/d2/3<1.3×10-4 ・ ・ ・ (2)式 - 【請求項3】 mass%で、SnおよびSbの1種または2種をS
b+Sn/2として0.002〜0.15%含むことを特徴とする請求
項1または2記載の加工性に優れた無方向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載の電磁鋼板を製造する
方法において、0.4%以上の伸長率でスキンパス圧延を
施すことを特徴とする加工性に優れた無方向性電磁鋼板
の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000130326A JP2001316778A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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JP2000130326A JP2001316778A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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JP2000130326A Pending JP2001316778A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 加工性に優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
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