JP2001316325A - 2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の製造方法 - Google Patents

2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の製造方法

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JP2001316325A
JP2001316325A JP2000139394A JP2000139394A JP2001316325A JP 2001316325 A JP2001316325 A JP 2001316325A JP 2000139394 A JP2000139394 A JP 2000139394A JP 2000139394 A JP2000139394 A JP 2000139394A JP 2001316325 A JP2001316325 A JP 2001316325A
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naphthylpyruvate
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hydantoin
naphthylidene
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Kazuhisa Kono
和久 河野
Kenji Tokuhisa
賢治 徳久
Hitoshi Kakiya
均 柿谷
Satoshi Hanzawa
敏 半澤
Masatake Oe
正剛 大江
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩を安価
で大量に製造する方法を提供する。 【解決手段】アルカリ金属水酸化物の共存下、反応混合
物中の濃度が8wt%以下の式[1] 【化1】 で表される5−(2−ナフチリデン)ヒダントインを、
90℃を越え100℃以下の温度で加水分解し、一般式
[2] 【化2】 (式中、Mはアルカリ金属を示す)で表される2−ナフ
チルピルビン酸アルカリ金属塩を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工業的に重要な中間
体である2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩を極め
て純度良く、簡便かつ安価でしかも短時間に製造する方
法に関するものである。本発明の製造方法により得られ
る2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩は、医薬、農
薬、香料等の各種化学原料およびその合成中間体として
使用される等、幅広い分野で用いられる。特にアミノ酸
化合物の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】2−ナフチルピルビン酸は従来、α―ベ
ンズイミノ−β−(ナフチル−(2))−プロピオン酸
の塩基による加水分解(Kikkoji,Bioche
m.Z.,35<1991>,76)、(+−)−2−
オキソ−3−(ナフチル−(2))−3−シアノ−プロ
ピオン酸エチルエステルの硫酸加水分解(Sempro
nj,Gazz.Chim.Ital.,68<193
8>263−268)、2−メチル−4−ナフタレン−
2−イルメチレン−4H−オキサゾル−5−オンの加水
分解(Audia,James E et al.,
J.Med.Chem.,39<1996>14,27
73−2780)等の方法で、合成が行われていた。し
かし、これらの方法においては青酸ソーダなどの毒物を
使用しなくてはならない、工程が多く作業が煩雑、低収
率である、等の工業化に際して環境面、経済面に於いて
困難を有するルートであった。
【0003】5−(置換アリーリデン)ヒダントインの
加水分解による芳香族ピルビン酸誘導体合成の報告はM
onatsh,92,343〜51(1961)のほか
数件がこれまでに示されているのみである(Zhur.
Org.khim,13,9,1970〜1980,
(1977)、特公平5−37134、特公平6−23
131)。しかし、これらの5−(置換アリーリデン)
ヒダントインの加水分解の報告の中に、2−ナフチルピ
ルビン酸塩の合成例は報告が無かった。2−ナフチルピ
ルビン酸の合成に於いては、原料、目的物ともに疎水性
が高く水系での反応が比較的困難である。それゆえに、
反応条件を再検討する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の製造
方法では大量に合成することが困難であり、既報告の5
−(置換アリーリデン)ヒダントイン加水分解条件では
原料と目的物の疎水性の高さにより合成の困難であった
2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の合成条件を検
討し、2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩を安価で
大量に製造する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況に鑑み鋭意研究を行った結果、5−(2−ナフチリデ
ン)ヒダントインをアルカリ金属水酸化物の共存下に加
水分解して2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩を合
成する製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、アルカリ金属水酸化物
の共存下、反応混合物中の濃度が8wt%以下の式
[1]
【0007】
【化3】
【0008】で表される5−(2−ナフチリデン)ヒダ
ントインを、90℃を越え100℃以下の温度で加水分
解することを特徴とする、一般式[2]
【0009】
【化4】
【0010】(式中、Mはアルカリ金属を示す)で表さ
れる2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の製造方法
である。以下本発明について詳細に説明する。
【0011】加水分解に使用するアルカリ金属水酸化物
は、具体的には水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、及
び/または水酸化フランシウムが挙げられるが、安価ゆ
えに水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。使用す
るアルカリ金属水酸化物の量には特に限定はないが、式
[1]で表される5−(2−ナフチリデン)ヒダントイ
ンに対して2当量以上が好ましく、3当量以上が更に好
ましい。また一般式[2]中、Mはアルカリ金属を示す
が、具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム、及び/またはフランシウムである。
【0012】反応溶媒は、水または水とエタノールなど
との混合溶媒を用いることができる。
【0013】加水分解は90℃を越え100℃以下で行
うことが必須である。100℃を超過すると、目的物で
ある2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の分解物生
成を促進せしめるからであり、また90℃以下において
は反応速度の極端な遅延が観測される為である。90℃
以下において反応速度の極端な遅延が観測される原因
は、ナフチル基は脂溶性が高く、式[1]で表される5
−(2−ナフチリデン)ヒダントインの反応溶液に対す
る溶解性が低下するゆえであると考えられる。
【0014】式[1]で表される5−(2−ナフチリデ
ン)ヒダントインは、反応混合物中の濃度は8wt%以
下であり、望ましくは6〜8wt%である。8wt%を
超過する濃度では、仮に反応を行ったとしても目的生成
物である2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩が反応
溶液中で飽和濃度に達し、それ以上反応が進行しなくな
るからである。より希薄な溶液でも反応は進行するが、
反応時間が長くなる。好適反応時間は6〜9時間であ
る。薄層クロマトグラフィーによる反応追跡により、6
時間以下の反応時間では反応が完結せず、9時間を超過
する反応時間では徐々に分解物の生成量増加が観察され
るからである。目的物である一般式[2]で表される2
−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩を反応系中におい
て安定に存在させるためには反応溶媒から可能な限り酸
素を除去し、反応を窒素気流下で行うことがより好まし
い。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は本実施例に制限されるものでは
ない。
【0016】実施例1 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン476g、ソニ
ックおよびアスピレーターで脱気した水6L、およびN
aOH240gを10Lガラス容器に投入し(5−(2
−ナフチリデン)ヒダントイン濃度7.1%)、アルゴ
ン雰囲気下加熱還流し、100℃で7.5時間攪拌し
た。反応終了後反応液を熱時濾過し、氷酢酸120gを
添加した後、4℃で終夜放置した。析出物をろ取した
後、100mlの冷水で2回洗浄し、さらに100ml
のジエチルエーテルで2回洗浄した。30℃で恒量に達
するまで真空乾燥を行い、目的物である2−ナフチルピ
ルビン酸ナトリウム塩を417g(収率88.4%)得
た。
【0017】TLC条件 担体:Silica gel 60 F254(Mer
ck社製) 展開溶媒:CHCl3/MeOH/AcOH=80/2
0/1 目的物(2−ナフチルピルビン酸ナトリウム塩)のR
f:0.28。
【0018】比較例1 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン1.0g、Na
OH4.8g、水40ml、エタノール20mlを20
0ml金属封管に投入し、120℃で6.5時間加熱し
た。放冷後、水250mlを投入した後、ジエチルエー
テル100mlで洗浄する作業を2回行い、3N塩酸5
0mlを投入して溶液を酸性にした後ジエチルエーテル
100mlで抽出する作業を2回行った。抽出した有機
層を飽和食塩水50mlで洗浄後、MgSO4で乾燥、
ろ別後、溶媒留去し、粗収物1.00gを得た。粗収物
を順層の薄層クロマトグラフィーによる分析をCHCl
3:MeOH:AcOH=80:20:1の溶媒系で行
ったところ、2−ナフチルピルビン酸(Rf=0.2
3)と、それより少し疎水性の高いスポット(Rf
0.38)が等量程度確認された。すなわち、100℃
を超える反応温度では2−ナフチルピルビン酸アルカリ
金属塩の分解が進行すると思われる。
【0019】比較例2 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン2.0g、Na
OH1.0g、水25mlを50mlガラス容器に投入
し、アルゴン気流下、終夜70℃で加熱放置した。薄層
クロマトグラフィーで反応の追跡を行ったが、終夜放置
後、原料スポットが見えるのみで全く反応は進行してな
かった。
【0020】比較例3 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン2.0g、Na
OH1.0g、水25mlを50mlガラス容器に投入
し、アルゴン気流下、終夜90℃で加熱放置した。薄層
クロマトグラフィーで反応の追跡を行ったが、40時間
後で原料と2−ナフチルピルビン酸のスポットの強度比
が1:1程度までしか反応が進行していなかった。すな
わち反応温度90℃以下においては極端な反応速度の遅
延が観測された。
【0021】比較例4 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン2.0g、Na
OH1.0g、水15mlを50mlガラス容器に投入
(基質濃度11.1%)し、アルゴン気流下、100℃
で9時間反応させたが、薄層クロマトグラフィーで未反
応原料が3割程度確認された。
【0022】比較例5 5−(2−ナフチリデン)ヒダントイン2.0g、Na
OH1.0g、水20mlを50mlガラス容器に投入
(基質濃度8.7%)し、アルゴン気流下、100℃で
9時間反応させたが、薄層クロマトグラフィーで未反応
原料が2割程度確認された。すなわち8%を超える基質
濃度では2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩が反応
溶液中で飽和濃度に達してしまい、反応がそれ以上進行
しなくなるものと思われる。
【0023】
【発明の効果】本発明の2−ナフチルピルビン酸アルカ
リ金属塩の製造方法を用いれば、従来大量に製造するこ
との困難であった2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属
塩を純度よく、簡便かつ安価に製造することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大江 正剛 神奈川県座間市東原4−4−10−403 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC46 AC47 BA02 BA29 BB61 BC10 BC19 BE11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属水酸化物の共存下、反応混合
    物中の濃度が8wt%以下の式[1] 【化1】 で表される5−(2−ナフチリデン)ヒダントインを、
    90℃を越え100℃以下の温度で加水分解することを
    特徴とする、一般式[2] 【化2】 (式中、Mはアルカリ金属を示す)で表される2−ナフ
    チルピルビン酸アルカリ金属塩の製造方法。
JP2000139394A 2000-05-08 2000-05-08 2−ナフチルピルビン酸アルカリ金属塩の製造方法 Pending JP2001316325A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104945246A (zh) * 2014-03-25 2015-09-30 上海医药工业研究院 一种对烷氧基苯乙酸及其中间体的制备方法
CN116178318A (zh) * 2023-03-06 2023-05-30 河南立诺制药有限公司 一种呋喃铵盐的合成方法

Cited By (3)

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CN104945246A (zh) * 2014-03-25 2015-09-30 上海医药工业研究院 一种对烷氧基苯乙酸及其中间体的制备方法
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CN116178318B (zh) * 2023-03-06 2024-05-07 河南立诺制药有限公司 一种呋喃铵盐的合成方法

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