JP2001315220A - カーカスプライ用コードへの折曲部形成方法および装置 - Google Patents

カーカスプライ用コードへの折曲部形成方法および装置

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JP2001315220A
JP2001315220A JP2000133263A JP2000133263A JP2001315220A JP 2001315220 A JP2001315220 A JP 2001315220A JP 2000133263 A JP2000133263 A JP 2000133263A JP 2000133263 A JP2000133263 A JP 2000133263A JP 2001315220 A JP2001315220 A JP 2001315220A
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carcass ply
groove
bent portion
cords
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Tsutomu Saeki
佐伯  勉
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないエネルギーロスの下で、カーカスプラ
イ用コードに所期した通りの折り曲げ加工を正確に施
す。 【解決手段】 タイヤビード部に配設したビードコアの
周りに巻き返されるカーカスプライ用のコード2を、そ
れの軸線方向の少なくとも一個所で、軸線と交差する方
向への変位を拘束しつつ、ほぼV字状をなす溝3,4内
へ押込刃8をもって押込むことにより、ビードコアに巻
き付く向きに折れ曲がる折曲部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タイヤビード部
に配設されるビードコアの周りに側部部分を巻き返して
固定されるカーカスプライの形成に用いるコードの、そ
の巻き返し側部部分と対応する部分に、ビードコアに巻
き付く向きに折れ曲がる一個所以上の塑性変形部を形成
する折曲部形成方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】少なくとも一枚のカーカスプライを、タ
イヤのトレッド部からサイドウォール部を経てビード部
までトロイダルに延在させるとともに、各ビード部に埋
設したリング状のビードコアの周りで、タイヤ半径方向
の内側から外側へ巻き返してなる一般的な空気入りタイ
ヤ、たとえば重荷重用ラジアルタイヤでは、タイヤの負
荷転動に際するカーカスコードの引抜けを防止すべく、
巻き返し高さを十分高くして、その巻き返し部分をゴム
質中に埋込み固定することとしている。
【0003】図9(a)はこのことを示すビード部の略
線横断面図であり、これは、ビードコア51の周りで、
タイヤ幅方向の内側から外側へ向けて巻き返したカーカ
スプライ52の巻き返し部分53の半径方向外端を、ワ
イヤチェファ54の同様の外端より半径方向外側に位置
させたものである。
【0004】ところが、このような従来のビード部構造
にあっては、カーカスプライ52の巻き返し外端位置を
境として、タイヤ半径方向の内外側に剛性段差を生じる
ことになるので、タイヤの負荷転動に際する、ビード部
からサイドウォール部にかけての繰返しの撓み変形およ
び周方向剪断変形等によって、前記巻き返し外端および
その近傍に応力が集中することになり、これがため、そ
の外端の、ゴム質からのセパレーションが発生し易く、
このセパレーションが、図9(b)に示すようなビード
部クラックcrの原因になるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のビード部構造の
このような問題点を解決するためには、図10に例示す
るように、カーカスプライ52の巻き返し部分53を、
リング状のビードコア51に対して半径方向外方へ高く
巻き上げることに代えて、ビードコア51の周面に沿わ
せてそこに巻き付けて、巻き返し部分53の、ビードコ
ア51より半径方向外方への突出をほとんどもしくは全
くなくすることが効果的である。
【0006】しかるに、カーカスプライ巻返し部分の、
ビードコア周面へのこのような巻付けを、たとえば、周
知のブラダ、羽根、ロール等を用いて、カーカスコー
ド、ひいては、カーカスプライに、前記巻き付け方向の
弾性変形を行わせることと、弾性変形させた巻き返し部
分をビードコア周面にゴム粘着させることとによって行
う場合には、カーカスコードをビードコア周面に、所期
した通りの高い精度で巻付けることが困難であり、しか
も、弾性復元力の小さい、カーカスコードはともかくと
して、スチールコード、芳香族ポリアミドコード等のよ
うな弾性復元力の大きいカーカスコードについては、そ
れを所要の巻き付け位置に正確に維持することができ
ず、結局は、カーカスコードの引抜けおよびカーカスプ
ライ巻返し端のセパレーションのそれぞれを十分に防止
することができないという問題があった。
【0007】そこで、弾性復元力の大きなスチールコー
ドをカーカスコードとして用いる場合にあってなお、カ
ーカスプライの巻き返し部分を、ビードコアの周面に所
期した通りに巻き付けるとともに、その巻き付け姿勢を
維持することを可能とする、カーカスプライ用素材への
折曲部の形成技術が提案されているも、この提案技術
は、相互に平行に引き揃えた多数本のスチールコードを
未加硫ゴムで一体的にコーティングした状態でスチール
コードに塑性加工を施すものであり、その塑性加工の開
始に先だって未加硫コーティングゴムを押し退け変形さ
せることが必要になってエネルギーロスが大きくなると
いう不都合があり、また、未加硫コーティングゴム内に
存在するスチールコードの、塑性変形外力の作用に際す
る、隣接コード側への逃げ変位を十分に拘束することが
できず、所期した通りの正確な曲げ変形を実現すること
が困難であった。
【0008】この発明は、提案技術の抱えるこのような
問題点を解決することを課題とするものであり、少ない
エネルギーロスの下で、カーカスプライ用コードに所期
した通りの折り曲げ加工を正確に施すことができる、カ
ーカスプライ用コードへの折曲部形成方法および装置を
提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の、カーカスプ
ライ用コードへの折曲部形成方法は、タイヤビード部に
配設したビードコアの周りに巻き返されるカーカスプラ
イ用の、未加硫ゴムをコーティング前のコードを、それ
の軸線方向の少なくとも一個所で、軸線と交差する方向
への変位を拘束しつつ、ほぼV字状をなす溝内へ押込む
ことにより、ビードコアに巻き付く向きに折れ曲がる折
曲部を形成するものである。
【0010】この方法では、未加硫ゴムをコーティング
前のコードそれ自体に折り曲げ加工を施すことで、少な
いエネルギーロスの下で所要の加工を施すことができ、
またここでは、コードへの塑性変形外力の作用に対し、
そのコードの、軸線と交差する方向への逃げ変位を有効
に拘束することで、コードに、所期した通りの形状およ
び寸法の曲げ加工を施すことができる。
【0011】ところでここでは、コードを、ほぼV字状
をなす溝内へ押し込んで折曲部を形成することで、自由
空間内で曲げ外力を加える場合に比し、曲げ変形をより
確実に行わせることができる。
【0012】ここで好ましくは、コードを、押込刃をも
って溝内へ押込む。この押込みは、ゴム、プラスチック
材料等の弾性変形押込部材の作用の下に行わせることも
可能であるが、溝の形状、寸法等と対応する寸法諸元を
有する剛性押込刃をもって行うことで、加工精度を大き
く向上させることができる。
【0013】ここにおいて、塑性変形外力の作用に対す
るコードの変位は複数本のコードを相互に整列させて配
置するとともに、それらの各コードの、軸線と交差する
方向への変位を、一本もしくは複数本のコードを単位と
して拘束することで有効に防止することができ、一本を
単位とするときは、拘束の確実性を、複数本を単位とす
るときは、拘束手段の設置個数の減少による設備コスト
の低減をそれぞれ実現することができる。
【0014】そして、複数本のコードを整列配置させた
状態で折曲げ加工を施すときは、一方側の一本のコード
から他方側のコードに向けて順次に折曲部を形成するこ
とで、複数本のコードに同時に折曲げ加工を施す場合に
比して消費動力を大きく低減させることができる。
【0015】また、この発明の、カーカスプライ用コー
ドへの折曲部形成装置は、タイヤビード部に配設したビ
ードコアの周りに巻き返されるカーカスプライ用の、未
加硫ゴムをコーティング前のコードの、軸線方向の少な
くとも一個所に、ビードコアに巻き付く向きに折れ曲が
る折曲部を形成するものであり、コードを位置決め配置
する支持台に、横断面形状がほぼV字状をなす溝部を設
けるとともに、コードをその溝部内へ押込む押込刃を配
設したものである。
【0016】これによれば、剛性材料からなる押込刃を
もって、好ましくはコードの一本ずつを溝部内へ押込む
ことで、所期した通りの形状および寸法の折曲部を、高
い精度をもって能率良く、しかも、少ないエネルギーロ
スの下で適正に形成することができる。
【0017】ところで、各コードの位置決め、ひいて
は、それの、軸線と交差する方向への変位の拘束のため
には、溝部を横切って相互に平行に延在する複数本の引
き揃えコードの、軸線と交差する方向への変位を、一本
もしくは複数本を単位として拘束する拘束手段を少なく
とも溝部の両側部分に設けて、塑性変形外力の十分なる
支持を担保する。
【0018】この場合において、各コード毎に拘束手段
を設ける場合には、一対の拘束手段で挟まれるコード収
納部の幅Wをコード直径Dに対し、 D≦W≦1.2D とすることが好ましい。すなわち、幅Wが直径D未満で
は、コードの収納が困難である一方、それが直径Dの
1.2倍を越えると、コードの変位量が多くなりすぎ
て、曲げ加工効率が急激に低下することになる。
【0019】ここで、一対の拘束手段に挟まれるコード
収納部に蓋部材を設けた場合には、コードを押込刃をも
って溝部へ押込むに当たっての、押込み反力に起因す
る、溝部を隔てた部分でのコードの浮き上がりを有利に
拘束することができる。
【0020】なお、コード収納部には、コードの軸線方
向の変位を直接的もしくは間接的に拘束する、軸端スト
ッパ、摩擦部材等を設けることもできる。
【0021】また、前記押込刃は、溝部に沿って相対移
動する回転刃または、溝部への進入位置と後退位置との
間で往復運動もしくは揺動運動する進退刃により構成す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明に
係る装置の実施形態を示す断面斜視図であり、図中1は
支持台を示し、2は、支持台1上に相互に平行に整列さ
せて位置決め配置される複数本のコードのそれぞれを示
す。
【0023】ここでは、複数本のコード2を整列姿勢で
支持する支持台1に、コード2の軸線方向の所定位置を
横切って、たとえばコード軸線と直交する方向に直線状
に延在して、横断面形状がほぼV字状をなす、少なくと
も一条、図では二条の溝部3,4を設けるとともに、支
持台1上のそれぞれのコード2の隣接するコード2の方
向への変位、すなわち、コード軸線と直交する方向の変
位を阻止する拘束板5を、たとえばコード一本毎に設け
る。
【0024】なお、図に示すところでは、支持台1の両
側部に立設した縁板6および拘束板5のそれぞれを、溝
部3,4の形成個所を除いて、コード2の延在方向へ、
それのほぼ全長にわたって、相互に平行に延在させて設
けているも、縁板6および拘束板5のそれぞれを、それ
ぞれの溝部3,4の両側部分だけに設けることもでき、
また、拘束板5を、コード2の、二本もしくは三本等の
複数本おきに設けることもできる。
【0025】ここで、コード2の変位を拘束する拘束手
段としても機能する縁板6および拘束板5のそれぞれに
挟まれるコード収納部7は、それがコード2の一本だけ
を収納するものであると、複数本をまとめて収納するも
のであるとの別なく、蓋部材をもって覆うことが、先に
述べたように、コード2への塑性変形外力の作用に伴
う、そのコード2の、収納部7からの浮き上がり変形を
阻止する上で好ましく、また、コード収納部7が一本の
コード2だけを収納するものであるときは、図2に横断
面図で示すように、コード収納部7の幅Wをコード直径
Dに対し、 D≦W≦1.2D として、収納部7へのコードの入れ込みを容易にすると
ともに、コード2への塑性変形外力の作用に対するコー
ド2の逃げ変位を有効に防止する。
【0026】そしてまた、図に示すところから明らかで
はないが、それぞれのコード2の軸線方向への不測の変
位を拘束するたとえば軸端ストッパを支持台1のそれぞ
れの側縁と直交する少なくとも一方の辺縁部分に設ける
こともでき、このような軸端ストッパを利用した場合に
は、支持台1上への複数本のコード2の整列配置もまた
容易となる。なお、コード2の軸線方向への変位は、各
収納部7に敷設したゴムその他の摩擦部材とコード2と
の摩擦力をもって抑制することもできる。
【0027】さらにここでは、コード2を溝部3,4内
へ押込む押込刃8を配設し、この押込刃8を、自身の回
転下で、溝部3,4に沿って相対移動する回転刃とす
る。従って、ここにおける相対移動としては、図1に示
すように、静止させた支持台1に対し、回転押込刃8を
溝部3,4に沿わせて移動させることもしくは、回転押
込刃8に対して支持台1を水平移動させることまたは、
それらの両者を移動させることのいずれかを採用するこ
とができる。
【0028】このように構成してなる装置では、たとえ
ば、支持台1上、ひいては、拘束板5をもってそこに画
成したそれぞれのコード収納部7内に複数本のコード2
を整列させて位置決め配置した状態で、回転押込刃8
を、それの高さを適宜に調節して回転させるとともに、
ほぼV字状をなす溝部に沿わせて直線運動させることに
より、それぞれのコード2を、支持台1の一方側から他
方側へ向けて順次に、溝部3,4内へ一本ずつ押込ん
で、各コード2の軸線方向の所要位置に、所期した通り
に折れ曲がる折曲部を形成することができ、この場合、
各コード2の、押込刃8から逃げる方向への変位は、拘
束板5および縁板6によって十分に阻止されることにな
る。
【0029】図3は、このような折曲部の形成態様を、
一の溝部について示す略線正面図であり、たとえば、全
体としてほぼ円盤状をなす押込刃8の、ラジアル断面内
で鋭角をなす刃先部分8aを、その押込刃8の回転状態
の下で、図示しない昇降駆動手段をもって、コード2と
ともに、所定の力で溝部3内へ押込んで、その刃先部分
8aとコード2との摩擦力の作用によって、または、そ
の摩擦力およびそれに付加した水平前進外力によって、
押込刃8を、それの周速に応じた速度で、溝部3を辿っ
て前進変位させることで、それぞれのコード2に、溝部
3および押込刃刃先部分8aの形状および寸法に応じた
塑性変形を、コード2に損傷を与えることなく順次に生
じさせることができ、各塑性変形個所は若干のスプリン
グバックを生じてなお、ほぼV字状の折曲部となる。
【0030】かくしてここでは、溝部6と押込刃8との
協働作用をもって各コード2に塑性変形外力を直接的に
作用させることにより、コードのコーディングゴム等に
よるエネルギーの吸収を十分に防止することができて、
コード2に対する折り曲げ加工効率を大きく向上させる
ことができ、また、各コード2の、押込刃8に対する逃
げ変位を拘束板5をもって拘束することで、コード2
に、所期した通りの大きな曲げ変形を常に確実に行わせ
ることができる。
【0031】ところで、上述したようにして折曲部を形
成するに当たり、その折曲部2aは、溝部3の底面およ
びその近傍部分と、押込刃8の刃先部分8aとの協働作
用に基づいて行われることになり、コード2の、溝縁お
よびその近傍との接触部分は、押込刃8による圧下力を
受けないことから、弾性域内での変形を行うにとどま
り、そのコード2の、支持台1からの取り外しに当たっ
て元形状に復帰する。
【0032】なお、図3に示すところでは、刃先端部分
8aの刃先角度αを溝部3の拡開角度θ以下の角度と
し、好ましくはそれらの両角度α,θを0〜160度の
範囲とする。そしてまた、押込刃8の先端の曲率半径R
1を、溝部底面の曲率半径R2以上とし、好ましくは、
曲率半径R1を0.1〜15mm、そして曲率半径R2
を0.1〜10mmのそれぞれの範囲内とする。
【0033】これらのことによれば、コード2のダメー
ジを一層有効に防止して、より十分なくせ付けを実現す
ることが可能となる。
【0034】図4は、この発明の他の実施の形態を示す
部分断面図であり、これは、支持台1に、断面形状がほ
ぼV字状をなす三条の溝部13a,13b,13cを相
互に平行に直線状に形成するとともに、中心軸14を設
けた押込刃ブロックに、それぞれの溝部13a,13
b,13cと対応して位置するそれぞれの押込刃18
a,18b,18cを設けたものであり、これによれ
ば、コード2の端部分に、その軸線方向に所定の間隔を
おいて位置する三個所の折曲部を同時に形成することが
できる。
【0035】図5(a)は、この発明に係る装置の他の
実施形態を示すものであり、これは、平坦な支持台1に
直線状に形成した一条以上の溝部3と対応させて配置し
た平板状の押込刃28の先端部分を、その押込刃28お
よび支持台1の少なくとも一方の往復運動に基づいて、
溝部3内へ進入させ、そしてそこから離隔させるもので
ある。
【0036】この装置では、押込刃先端部分のこのよう
な往復作動毎に、コード2の一本もしくは複数本毎の、
間欠的な相対送りを行わせることで、複数本のコード2
のそれぞれの所定位置に、所期した通りの折曲部を形成
することができる。
【0037】図5(b),(c)は、押込刃28を往復
運動させることに代えて、その先端部分が溝部3内へ進
入する位置と、そこから十分に後退する位置との間で揺
動変位可能ならしめたものであり、図5(b)に示すも
のは、押込刃28の側面視でその先端縁を直線状に延在
させ、または、図5(c)に示すものは、同様の先端縁
を曲線状に延在させたものである。
【0038】このような押込刃28の作動は、図5
(b)に示すところでは、その押込刃28を、たとえ
ば、一の支点Oの周りに揺動運動させることにより、そ
して、図5(c)に示すところでは、押込刃28を、た
とえば、相対的に昇降変位される二個の支点の周りで揺
動運動させることで実現することができる。
【0039】これらの装置によれば、押込刃28の一回
の揺動作動に基づき、複数本のコード2のそれぞれに、
一方側から他方側に向けて順次に折り曲げ加工を施すこ
とができ、それらのコード2の総てに同時に加工を施す
場合に比して消費動力を有利に低減させることができ
る。
【0040】ところで、これらの装置によってもまた、
溝部3への押込刃28の押込みに当たって、コード2
の、その溝部3を隔てて位置する部分がはね上がるおそ
れがあるときは、それを拘束する押さえ手段を配設する
ことが好ましい。
【0041】なお、以上に述べたところにおいて、ほぼ
V字状をなす溝部の横断面形状およびそこへ押込まれる
押込刃の断面形状はそれぞれ、図6(a),(b)に示
すように、断面内に、相互に対応する複数の折れ曲がり
点を有する輪郭形状とすることもでき、これらによれ
ば、押込刃の一回の作用によって、コード2に、図7
(a),(b)に示すような複数の折曲部を同時に形成
することができる。
【0042】以上のようにして所要の折曲部を形成した
コードは、整列配置させた複数本のコードに対する、未
加硫ゴムの事後的なコーティングによってシート状に形
成することにより、または、折曲部を形成前もしくは形
成後の、複数本の整列コードの相互を、糸状体、帯状体
等をもってすだれ状に相互に連結することによりカーカ
スプライ用素材として使用に供することができ、それの
使用状態の下では、各コードに形成された一以上の折れ
曲がり折曲部は、タイヤビード部に配設した、たとえば
図10に示すような多角形ビードコアの隅部と対応して
位置して、そのビードコアに巻き付く向きに折れ曲が
り、この結果として、カーカスプライの巻き返し部分
は、ビードコアの周面に沿って巻き付いて、その巻き付
き姿勢を確実に維持することができる。
【0043】
【実施例】図1〜3に示す装置をもって、直径1.0m
mのコード2に折曲げ加工を施す場合と、同直径のコー
ドに未加硫ゴムをコーティングして総厚みを2.37m
mとしたものに加工を施す場合とのそれぞれの折り曲げ
角度δ(外角)を、押込刃8の刃先角度αを12°、溝
部3の拡開角度θを90°とするとともに、押込刃先端
の曲率半径R1を0.5mm、溝部底面の曲率半径R2
を2.0mmとした条件の下で、押込刃の押込圧力をパ
ラメータとして測定したところ、図8にグラフで示す通
りとなり、この発明に従う前者の加工では、加工効率を
約1/3程度向上させることができた。
【0044】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、カーカス
プライ用コードに、少ないエネルギーロスをもって折り
曲げ加工を施すことができ、しかも、そのコードの逃げ
変位を拘束することで、所期した通りの折り曲げ変形を
確実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る装置の実施形態を示す断面斜
視図である。
【図2】 コード収納部の横断面図である。
【図3】 コードへの折曲部の形成態様を示す略線正面
図である。
【図4】 他の実施形態を示す部分断面図である。
【図5】 さらに他の実施形態を示す略線側面図であ
る。
【図6】 他の実施形態を示す断面図である。
【図7】 コードへの折曲部の形成状態を示す図であ
る。
【図8】 折り曲げ角度を示すグラフである。
【図9】 従来技術を示すビード部の断面図である。
【図10】 提案技術をタイヤの半部について示す幅方
向断面図である。
【符号の説明】
1 支持台 2,コード 3,4,13a,13b,13c 溝部 5 拘束板 6 縁板 7 コード収納部 8,18a,18b,18c,28 押込刃

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤビード部に配設したビードコアの
    周りに巻き返されるカーカスプライ用のコードを、それ
    の軸線方向の少なくとも一個所で、軸線と交差する方向
    への変位を拘束しつつ、ほぼV字状をなす溝内へ押込む
    ことにより、ビードコアに巻き付く向きに折れ曲がる折
    曲部を形成するカーカスプライ用コードへの折曲部形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記コードを、押込刃をもって溝内へ押
    込む請求項1に記載のカーカスプライ用コードへの折曲
    部形成方法。
  3. 【請求項3】 複数本のコードを相互に整列させて配置
    するとともに、それらの各コードの、軸線と交差する方
    向への変位を、一本もしくは複数本のコードを単位とし
    て拘束する請求項1もしくは2に記載のカーカスプライ
    用コードへの折曲部形成方法。
  4. 【請求項4】 整列配置させた複数本のコードに一方側
    から順次に折曲部を形成する請求項1〜3のいずれかに
    記載のカーカスプライ用コードへの折曲部形成方法。
  5. 【請求項5】 タイヤビード部に配設したビードコアの
    周りに巻き返されるカーカスプライ用のコードの軸線方
    向の少なくとも一個所に、ビードコアに巻き付く向きに
    折れ曲がる折曲部を形成する装置であって、コードを位
    置決め配置する支持台に、横断面形状がほぼV字状をな
    す溝部を設けるとともに、コードをその溝部内へ押込む
    押込刃を配設してなるカーカスプライ用コードへの折曲
    部形成装置。
  6. 【請求項6】 前記溝部を横切って延在する複数本のコ
    ードの、軸線と交差する方向への変位を、一本もしくは
    複数本を単位として拘束する拘束手段を、少なくとも溝
    部の両側部分に設けてなる請求項5に記載のカーカスプ
    ライ用コードへの折曲部形成装置。
  7. 【請求項7】 各コード毎に拘束手段を設けるととも
    に、一対の拘束手段で挟まれるコード収納部の幅Wをコ
    ード直径Dに対し、 D≦W≦1.2D の範囲としてなる請求項6に記載のカーカスプライ用コ
    ードへの折曲部形成装置。
  8. 【請求項8】 一対の拘束手段に挟まれるコード収納部
    に蓋部材を設けてなる請求項6もしくは7に記載のカー
    カスプライ用コードへの折曲部形成装置。
  9. 【請求項9】 押込刃を、溝部に沿って相対移動する回
    転刃としてなる請求項5〜8のいずれかに記載のカーカ
    スプライ用コードへの折曲部形成装置。
  10. 【請求項10】 押込刃を、溝部への進入位置と後退位
    置との間で往復運動もしくは揺動運動する進退刃として
    なる請求項5〜8のいずれかに記載のカーカスプライ用
    コードへの折曲部形成装置。
JP2000133263A 2000-05-02 2000-05-02 カーカスプライ用コードへの折曲部形成方法および装置 Pending JP2001315220A (ja)

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