JP2001314791A - 塗布装置、電子管の製造装置および電子管の製造方法 - Google Patents

塗布装置、電子管の製造装置および電子管の製造方法

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JP2001314791A
JP2001314791A JP2000136911A JP2000136911A JP2001314791A JP 2001314791 A JP2001314791 A JP 2001314791A JP 2000136911 A JP2000136911 A JP 2000136911A JP 2000136911 A JP2000136911 A JP 2000136911A JP 2001314791 A JP2001314791 A JP 2001314791A
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coating
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electron tube
resin
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Tomohiro Hayashi
智裕 林
Masaru Watanabe
渡辺  勝
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルター交換などの手間やランニングコス
トがかからずに樹脂塗料内の気泡を除去でき、且つ樹脂
塗料を均質化して配管内壁などに樹脂が付着、堆積する
ことを防ぐことが出来る塗布装置、およびこの塗布装置
により電子管の蛍光体面を形成することにより製品得率
が良く良好な表示品位を得ることが出来る電子管の製造
方法を提供する。 【解決手段】 塗料の入った貯蔵タンク1と、塗料をポ
ンプ2により循環させる循環経路と、循環経路の一部で
且つ被塗布面に対向する塗布ノズル6とを配置し、直接
噴射によって被塗布面に塗料を塗布する塗布装置におい
て、塗料を渦状な流れにすることで塗料に遠心力を与
え、攪拌による塗料の均質化および遠心力による脱泡を
同時に実現できる脱泡装置9を、塗料が循環する経路内
の塗料の貯蔵タンク1と塗布ノズル6との間に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビ用もしくは
コンピュータ用の電子管を製造する際の塗料内に混入し
た気泡の除去を行うことのできる塗布装置、及びこれを
用いた電子管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、テレビやコンピュータに使用さ
れている電子管を示す。
【0003】電子管5の基端部には電子銃32が設けら
れ、先端部にはガラス製の前面パネル316が設けられ
ている。この前面パネル316の裏面には、電子銃32
から照射された電子ビーム34を通過させて画像を表示
させるシャドウマスク31が配置されており、電子管3
5を動作させると、電子銃32から電子ビーム34が照
射され、この電子ビーム34はシャドウマスク31を介
して前面パネル316の裏面に設けられた蛍光体面33
に衝突し、所要の画像を前面パネル316に映し出す。
【0004】この蛍光体面33はR(レッド)、G(グ
リーン)、B(ブルー)の3色およびブラックマトリッ
クス(ブラック)の合計4つの色相から構成され、それ
ぞれがフォトリソグラフィー法によって順次塗布され、
露光されて各自所定の位置に配置される。
【0005】ブラックマトリックスを塗布する際は、ま
ず感光性樹脂塗料(以下、「樹脂塗料」と呼ぶ)で鋳型
を作り、その鋳型に沿ってブラックマトリックスを塗布
する。
【0006】このとき、樹脂塗料内に気泡が混じったま
ま前面パネル316に塗布されると、本来ならば鋳型が
形成されるべき個所に鋳型が形成されず、正しくブラッ
クマトリックスが配置されない欠点部分が生じてしま
う。
【0007】次に図2は、従来の樹脂塗料塗布装置を示
す。この塗布装置においては、樹脂塗料は、塗布時には
ポンプ2によって貯蔵タンク1からフィルター3を介し
電磁弁4そして圧力計5を経て塗布ノズル6へと供給さ
れる。非塗布時には電磁弁4は閉じられ、樹脂塗料はフ
ィルター3から圧力弁7、そして貯蔵タンク1へと戻る
系(バイパス系)8へと流れて塗布装置内を循環する。
【0008】前記のように、従来の塗布装置において
は、塗布時に樹脂塗料内に気泡が混入することを防ぐた
め、従来はポンプ2の後にフィルター3を設置し、電磁
弁4を閉じ圧力弁7を開いて、樹脂塗料を一定時間循環
させて、フィルター3を連続して通過させることで樹脂
塗料内及び配管内の気泡を除去していた。
【0009】しかし、フィルター3で除去した気泡が時
間の経過にしたがって漏れ出し、1〜2時間に1個程度
の割合で樹脂塗料内の気泡が原因の不良品が発生してい
た。また、フィルター3は定期的に交換の必要があり、
交換直後に混入した大量の気泡を減らすための樹脂塗料
の循環操作が数十分もかかること、循環操作を行った後
でも通常運転時と比較して気泡が原因の不良品の発生率
が高くなることなどが生じていた。
【0010】このように、フィルター3及び樹脂塗料の
循環操作では、樹脂塗料内から気泡を完全に除去するこ
とは不可能であり、製品得率悪化の原因の1つとなって
いた。
【0011】また、貯蔵タンク1では樹脂溶液は攪拌さ
れ循環経路を経てリターンされる樹脂溶液と混合するよ
うになっているが、循環経路に用いられている配管内で
は樹脂溶液には推進力しか働かない。よって樹脂溶液内
に樹脂濃度の分布が生まれ、時間の経過にしたがって樹
脂溶液内部の樹脂が配管内壁などに付着し蓄積されてし
まう。配管内に付着した樹脂による配管のつまりや塗布
部への流出が起こり、製品得率悪化の原因の1つとなっ
ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】以上説明したよう
に、従来の技術による塗布装置においては、フィルター
3の交換操作、交換のための予備のフィルター、数十分
の塗料の循環操作、いずれも手間とコストがかかるにも
関わらず完全には樹脂塗料内の気泡を除去できず、製品
得率の低下につながっていた。
【0013】また、樹脂塗料が配管内壁などに付着する
ことにより配管のつまりや塗布部への流出が起こり、こ
れによっても製品得率の低下が認められていた。
【0014】そこで、本発明ではフィルター交換などの
手間が不要で、ランニングコストもかからず、連続的に
脱泡が可能で、フィルターなどから漏れた気泡も除去で
き、樹脂塗料を攪拌して均質化することもできる脱泡装
置を循環経路の一部に具備することを特徴とする塗布装
置、及びこの塗布装置により蛍光体面を形成することに
より製品得率が良く良好な表示品位を得られる電子管の
製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の本発明(請求項1に対応)は、塗料を収蔵
するタンクと、前記塗料を循環させるポンプと、前記タ
ンクおよび前記ポンプとを少なくとも接続して形成され
た、前記塗料を循環させるための循環経路と、前記循環
経路と接続された、前記塗料を被塗布物に対し噴出させ
る塗布ノズルと、前記循環経路内または外に設けられた
脱泡手段とを少なくとも備え、前記脱泡手段は、前記塗
料に遠心力を加えることにより、前記塗料を均質化する
とともに、前記塗料内の気泡を除去することを特徴とす
る塗布装置である。
【0016】また、第2の本発明(請求項2に対応)
は、前記脱泡手段は、前記塗料の進行方向に沿って、前
記ポンプより前方、かつ前記循環経路と前記塗布ノズル
との接続点より後方となる位置に設けられたことを特徴
とする上記本発明である。
【0017】また、第3の本発明(請求項3に対応)
は、前記循環経路内に設けられた、前記塗料内の気泡お
よび異物を除くためのフィルタを備え、前記フィルタ
は、前記塗料の進行方向に沿って、前記ポンプより前
方、かつ前記脱泡手段より後方となる位置に設けられた
ことを特徴とする上記本発明である。
【0018】また、第4の本発明(請求項4に対応)
は、前記塗料として水系樹脂塗料を用いることを特徴と
する上記本発明である。
【0019】また、第5の本発明(請求項5に対応)
は、前記水系樹脂塗料として、PVP(ポリビニルピロ
リドン)溶液、PVA(ポリビニルアルコール)溶液、
CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液のいずれか
を用いることを特徴とする上記本発明である。
【0020】また、第6の本発明(請求項6に対応)
は、第1から第5のいずれかの本発明の塗布装置を用い
たことを特徴とする電子管の製造装置であって、前記塗
布装置を前記電子管のガラスパネルの塗布に用いたこと
を特徴とする電子管の製造装置である。
【0021】また、第7の本発明(請求項7に対応)
は、第1から第5のいずれかの本発明の塗布装置を用い
たことを特徴とする電子管の製造方法であって、前記塗
布装置を前記電子管のガラスパネルの塗布に用いる工程
を備えたことを特徴とする電子管の製造方法である。
【0022】以上のような本発明の塗布装置は、塗料に
遠心力を加えることで密度の大きい液体と密度の小さい
気体とを分離して塗料内の気泡を除去し且つ遠心力によ
り塗料を攪拌し塗料の均質化も可能な脱泡装置を循環経
路の一部に具備することを特徴とする。前記脱泡装置内
では、流入してくる塗料を渦状の流れにすることで塗料
に遠心力が与えられ、密度の大きい液体(塗料)は渦の
外側に、密度の小さい気体(気泡)は渦の内側に動く。
そしてお互いが別々の排出口から排出されることで塗料
内の気泡を除去する。これにより、塗料内の気泡を連続
的且つ安価に除去することが可能となる。
【0023】また、前記脱泡装置内では渦の流れによる
遠心力から塗料が攪拌される。これにより前記塗料内の
樹脂は分散され、前記樹脂が循環経路を構成する配管内
壁へ付着することを防ぐことが可能となる。
【0024】また、以上のような本発明の電子管の製造
方法は、上記塗布装置にて電子管ガラスパネルの蛍光体
面を形成することを特徴とし、これによると表示品位の
良い電子管が製品得率良く得ることが出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。ただし、図1において上記従来例を示
す図2と同様をなすものについては、同一の符号を付け
て説明する。
【0026】図1は、本発明の実施の形態における樹脂
塗料塗布装置の構成を示す図である。図1において、1
は塗料を貯蔵するタンク、2は塗料を循環経路内に供給
するポンプ、3は塗料内の気泡、異物等を除去するため
のフィルター、4は電磁弁、6は塗布ノズル、7,1
0,12,14〜16は圧力弁、5,11,13は圧力
計、8及び17は循環経路を形成するバイパス系、9
は、本発明の脱泡手段に相当する、塗料に遠心力を加え
ることで密度の大きい液体と密度の小さい気体とを分離
して、塗料内の気泡を除去する脱泡装置である。
【0027】次に、遠心力を利用した脱泡装置9につい
て説明する。図4は、脱泡装置9の一例である、日石三
菱(株)製の液体中気泡除去装置「クイックトロンR」
(以下、Qtとする)の構造を示す図である。脱泡装置
Qtの外形49は、図4に示された図を上から下へと貫
く中心線を、その中心軸とした円柱構造を有しており、
内部の410は円錐構造を有している。このような脱泡
装置において、ポンプ等で送られてくる液体は、インレ
ット孔41から取り込まれると、外形49に沿って渦状
の流れを与えられ、スリット43からサイクロン室44
へと取り込まれる。次いで液体は、サイクロン室44で
渦状に旋回しながら、密度の軽い気泡を含んだ液体Aと
密度の重い液体のみになった液体Bとに遠心力により分
けられ、液体Aは気泡除去管46の内部へ、液体Bは液
体導出孔45からサイクロン外部411へとそれぞれ移
動する。そして、気泡を含んだ液体Aは気泡除去孔48
から排出され、気泡除去された液体Bはアウトレット孔
47から排出される。
【0028】以上のような脱泡装置Qtを用いた本発明
の実施の形態である塗布装置の動作について、図1を用
いて以下に説明する。図1において、塗布時は、ポンプ
2により樹脂塗料は貯蔵タンク1からフィルター3、脱
泡装置(Qt)9、電磁弁4を経て塗布ノズル6へと供
給される。この時、塗布圧力は所定の圧力に制御するた
めに圧力弁7の開度により調整される。
【0029】脱泡装置9が働いている場合、気泡を含ん
だ樹脂塗料は気泡除去用の圧力弁(以下、気泡除去弁)
14から排出される。一方、非塗布時は電磁弁4を閉
じ、樹脂塗料は圧力弁7よりバイパス系8を通って貯蔵
タンク1へと戻され、循環経路を循環する。したがっ
て、塗料の塗布時も、被塗布時(循環時)も、塗料は脱
泡装置9を通過することになり、脱泡効果がえられる。
このとき、電磁弁4の調整を行うために、バイパス系1
7を用いて循環系を形成してもよく、いずれにしても脱
泡装置9を含んだ循環系が構成されている。このとき、
脱泡装置の位置は循環系の内部(例えばバイパス系8
上)でも外部(電磁弁4の直後または直前)に設けても
よいが、本実施の形態に示したような、塗料の進行方向
に沿って、前記ポンプより前方、かつ循環系と塗布ノズ
ル6との接続点より後方となる位置に設けたときに、最
も適切な効果が得られる。
【0030】このとき、脱泡装置9は、上記したような
動作を行い、樹脂塗料を連続的にその内部を通過させる
だけで、樹脂塗料内の気泡の除去を行う。そのため、本
実施の形態の塗布装置は、循環経路内を循環させるだけ
で塗布時、非塗布時に関わらず樹脂塗料内の気泡を除去
できる。
【0031】ところで、循環経路内に気泡が大量に混入
する場合は、配管内の掃除など配管メンテナンスを行
った後、フィルターが循環経路内にある場合、そのフ
ィルター膜を交換した後、の2種類が主に考えられる。
そこで、わざと配管を外して大量の気泡を混入させた
後、本発明によってどれほどの脱泡効果が現れるかを実
験した。その結果を図5および表1を用いて説明する。
【0032】
【表1】 図5は時間の経過に従って塗布ノズル6からどれほどの
気泡が吐出されるかを表したものである。気泡が全く混
入していない状態を”0”と定義している。表1は塗布
ノズル6から吐出される樹脂溶液中の気泡が完全に”
0”になるまでに要する時間を実験した4条件それぞれ
について表したものである。樹脂溶液は水が主溶媒であ
る水系の樹脂溶液であるPVP(ポリビニルピロリド
ン)溶液を用いている。図5中の実線は何もせずそのま
ま塗布ノズル6から吐出した結果、破線は塗布する前に
5分間ほどバイパス系8を介して循環経路内を循環させ
たが脱泡装置9は用いずに塗布ノズル6から吐出した結
果、一点鎖線は塗布する前に5分間ほどバイパス系8を
介して循環経路内を循環させる作業は行わないが脱泡装
置9による脱泡処理を施して塗布ノズル6から吐出した
結果、点線は塗布する前に5分間ほどバイパス系8を介
して循環経路内を循環させながら遠心力を利用した脱泡
装置を用いて塗布ノズル6から吐出した結果をそれぞれ
示す。
【0033】図5に示すように、従来技術である循環経
路内での樹脂溶液の一定時間循環及び脱泡装置9による
脱泡の両者を施さない場合は、塗布ノズル6から吐出さ
れる樹脂溶液中の気泡がなくなるまでにかなりの時間を
要する。従来技術である循環経路内での一定時間循環の
みを行った場合は、前記何も施さない場合に比べて短く
なっているが樹脂溶液中の気泡の除去にまだ時間が必要
である。
【0034】これに対し、本発明の塗布装置では、塗料
タンク1から塗布ノズル6までの間に樹脂塗料が脱泡装
置9を通過するだけで従来の技術による脱泡処理よりも
大幅に短い時間で塗布ノズル6から吐出される樹脂溶液
内の気泡量を完全にゼロにすることが出来る。また、従
来技術である循環経路内での一定時間循環操作と脱泡装
置9による脱泡を組み合わせると、塗布再開始時から完
全にゼロにすることが出来る。
【0035】なお、この結果は樹脂塗料としてPVA
(ポリビニルアルコール)溶液、CMC(カルボキシメ
チルセルロース)溶液を用いた場合も同様である。
【0036】次に、図6は従来の塗布装置と本発明の塗
布装置による連続吐出実験の結果を表している。図6を
用いて連続運転時における本発明の効果を説明する。
【0037】従来の塗布装置では、連続して塗布する場
合に時々気泡が混ざった樹脂溶液が塗布ノズル6から吐
出される場合があった。図6では点線で表されているの
が従来の塗布装置による結果である。その出現の仕方は
ランダムであったが、平均すると1時間に1回程度の割
合で塗布ノズル6から気泡入り樹脂塗料が吐出されてい
た。
【0038】これに対し、本発明の塗布装置による結果
は、図6において実線で表されており、事実上気泡の発
生は見られない。
【0039】このように、遠心力を利用した脱泡装置9
を備えた本発明の塗布装置は、連続運転時における脱泡
にも効果があり、塗布ノズル6からの気泡入り樹脂塗料
の吐出を防ぐことが出来る。
【0040】なお、この結果は樹脂塗料として水系の溶
液、その中でもPVP(ポリビニルピロリドン)溶液を
用いた時の結果であるが、PVA(ポリビニルアルコー
ル)溶液、CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液
を用いた場合についても同様である。
【0041】樹脂溶液が循環経路内を長い期間流れてい
る場合、循環経路を構成する配管の内壁や圧力バルブな
どに樹脂が付着、堆積する。そこで、本発明の塗布装置
を用いた場合にどれほどの樹脂付着防止効果があるのか
を実験した。その結果について表2を用いて説明する。
【0042】
【表2】 樹脂塗料が配管内を通過する場合、樹脂塗料には樹脂塗
料進行方向に対する推進力のみが加わっている。そのた
め、圧力バルブや配管内壁などに樹脂塗料に含まれる樹
脂が付着、堆積してしまう。本発明の塗布装置に設けら
れた脱泡装置9内では樹脂塗料は渦状の流れとなり樹脂
塗料には推進力とは別に遠心力が加わる。よって、脱泡
装置9内を通過する樹脂塗料は攪拌効果を受けてより均
質化し、樹脂が配管内壁や圧力バルブなどに付着、堆積
することを防ぐことが出来る。
【0043】なお、この結果は樹脂塗料として水系の溶
液、その中でもPVP(ポリビニルピロリドン)溶液を
用いた時の結果であるが、PVA(ポリビニルアルコー
ル)溶液、CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液
を用いた場合についても同様である。
【0044】なお、上記の実施の形態において、脱泡装
置9は脱泡装置Qtであるとして説明を行ったが、これ
に限定する必要はなく、遠心力によって塗料の分離を行
う脱泡装置なら、他の物でもよい。
【0045】このように、本発明の各実施の形態におけ
る塗布装置によれば、フィルターなど定期的な交換作業
が必要でありランニングコストもかかる脱泡装置を必要
とせず、連続的且つ安価に樹脂塗料内の気泡を除去する
ことができ、連続的にフィルターを用いている場合に起
こりうるフィルターからの気泡漏れや、フィルター交換
後や配管メンテナンス後の大量の気泡混入を心配する必
要がない。
【0046】また、フィルターを本発明の塗布装置の循
環経路内に設け、脱泡能力を高めることも可能である。
この場合、フィルターの後に遠心力を利用した脱泡装置
を設けることで、フィルター交換後の気泡の大量混入及
びフィルターからの気泡漏れによる塗布ノズルへの気泡
入り樹脂塗料の供給を防ぐことが可能である。
【0047】加えて、本発明の塗布装置は、塗料に渦状
の流れを発生させることで塗料を攪拌し均質化すること
を特徴とする。循環経路内を流れる塗料は均質化される
ことで、循環経路を構成する配管内壁に付着及び堆積し
にくくなり、塗布ノズルへの安定した樹脂塗料供給が可
能となる。
【0048】また、連続塗布時においても塗布ノズルか
ら吐出される塗料内に気泡を混入させずに塗布すること
が出来る。
【0049】また、循環経路内を流れる樹脂溶液を均質
化することができ、循環経路を構成する配管内壁や圧力
バルブなどに付着、堆積することを防止することが出来
る。
【0050】また、本発明の電子管の製造方法によれ
ば、上記本発明の塗布装置により蛍光体塗布のための鋳
型を形成することによって、鋳型形成用の樹脂溶液中か
ら気泡を排除して気泡混入による不良発生を防ぎ、製品
得率良く且つ安価に電子管を得ることが出来る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明により、塗布装置に
おいて、塗布を開始もしくは再開始するに際し、塗布ノ
ズルから吐出される塗料内に気泡を混入させずに塗布を
行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に記載の樹脂塗料塗布装置
を示す構成図
【図2】従来の樹脂塗料塗布装置を示す構成図
【図3】従来の電子管の断面図
【図4】本発明の実施の形態に記載の塗布装置における
遠心力を利用した脱泡装置を示す構成図
【図5】本発明の実施の形態に記載の塗布装置におい
て、フィルター交換後もしくは配管メンテナンス後など
の大量に気泡が混入する場合における脱泡効果を示す図
【図6】本発明の実施の形態に記載の塗布装置におけ
る、連続運転時において突然混入する気泡に対する脱泡
効果を示す図
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 ポンプ 3 フィルター 4 電磁弁 5 圧力計 6 塗布ノズル 7 圧力弁 8 バイパス系 9 脱泡装置 14 気泡除去弁 31 シャドウマスク 32 電子銃 33 蛍光体面 34 電子ビーム 35 電子管 316 前面ガラスパネル 41 インレット孔 43 スリット 44 サイクロン室 45 液体導出孔 46 気泡除去管 47 アウトレット孔 49 脱泡装置の外形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 9/227 H01J 9/227 C D Fターム(参考) 4D075 AA08 AA72 AA78 CA48 DA13 DB13 DC19 EA06 EB19 4F035 AA03 BA13 BA22 BC06 CD08 4F042 AA06 CA06 CA07 5C028 HH01 HH03 JJ01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料を収蔵するタンクと、 前記塗料を循環させるポンプと、 前記タンクおよび前記ポンプとを少なくとも接続して形
    成された、前記塗料を循環させるための循環経路と、 前記循環経路と接続された、前記塗料を被塗布物に対し
    噴出させる塗布ノズルと、 前記循環経路内または外に設けられた脱泡手段とを少な
    くとも備え、 前記脱泡手段は、前記塗料に遠心力を加えることによ
    り、前記塗料を均質化するとともに、前記塗料内の気泡
    を除去することを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記脱泡手段は、前記塗料の進行方向に
    沿って、前記ポンプより前方、かつ前記循環経路と前記
    塗布ノズルとの接続点より後方となる位置に設けられた
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記循環経路内に設けられた、前記塗料
    内の気泡および異物を除くためのフィルタを備え、 前記フィルタは、前記塗料の進行方向に沿って、前記ポ
    ンプより前方、かつ前記脱泡手段より後方となる位置に
    設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の
    塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記塗料として水系樹脂塗料を用いるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 前記水系樹脂塗料として、PVP(ポリ
    ビニルピロリドン)溶液、PVA(ポリビニルアルコー
    ル)溶液、CMC(カルボキシメチルセルロース)溶液
    のいずれかを用いることを特徴とする請求項4に記載の
    塗布装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の塗布
    装置を用いたことを特徴とする電子管の製造装置であっ
    て、 前記塗布装置を前記電子管のガラスパネルの塗布に用い
    たことを特徴とする電子管の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれかに記載の塗布
    装置を用いたことを特徴とする電子管の製造方法であっ
    て、 前記塗布装置を前記電子管のガラスパネルの塗布に用い
    る工程を備えたことを特徴とする電子管の製造方法。
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