JP2001314753A - プラズマ分解装置及びガスプラズマ分解方法 - Google Patents
プラズマ分解装置及びガスプラズマ分解方法Info
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Abstract
しているNO2、CO2等のガスの改質において、高効率
に改質するプラズマ改質手段を提供する。 【解決手段】 相対向する第1の平板型電極及び第2の
平板型電極と、これら両電極の間に介装される誘電体
と、前記両電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
とを備え、前記両電極の表面に金属微粒子を分散析出し
てなるプラズマ分解装置により、高電圧を印加し、複合
バリア放電を発生させる。
Description
ス分解に用いるガス改質反応器に関し、詳しくはプラズ
マ発生を利用したCO2、NOX等の有害ガスを改質する
プラズマ分解装置及びガスプラズマ分解方法に関する。
々な汚染物質が人体の健康に害を及ぼしており、例えば
汚染物質として自動車等のエンジンより排出されるNO
X、COX、SOX等の汚染ガスが特に問題とされてい
る。
無害なガスに分解する必要があり、この有害ガスを分解
する方法として、従来においては、例えばプラズマ放電
等により分解し、ガスを改質している。
利用してガスを改質するプラズマリアクターであるガス
改質器が提案されている。
生させるプラズマの性質により主に下記(1)及び
(2)の方法が一般的に提案されている。 (1)対向する平行金属電極間に電圧を印加して発生さ
せるコロナ放電、グロー放電、アーク放電等の雷状局所
集中放電によるガス改質方法。 (2)対向する平行金属電極の少なくとも一方の表面上
に誘電体を被覆した後、電圧を印加して発生させる霧状
バリア放電によるガス改質方法。
た従来の方法においては、以下のような問題がある。
ズマエネルギー密度は高いが、プラズマと反応ガスとの
接触確率が低いという問題がある。この結果、反応ガス
がプラズマと接触せずに放電部を通過してしまい、改質
効率の飛躍的な向上が困難である。
応ガスとの接触確率は高いものの、プラズマエネルギー
密度が低いという問題がある。
するエネルギーが低い反応ガス等を改質するには有効で
あるものの、分解エネルギーの高い安定なガスを改質す
るには、そのプラズマ密度が低いので困難である。
解エネルギーの高い一般的に安定しているNO2、CO2
等のガスの改質においては、高効率に改質するプラズマ
改質手段が提案されておらず、高効率的なガス改質手法
の出現が望まれている。
質効率の向上可能なプラズマ分解装置及びガスプラズマ
分解方法を提供することを課題とする。
明の第1の態様は、相対向する第1の平板型電極及び第
2の平板型電極と、これら両電極の間に介装される誘電
体と、前記電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
とを備え、前記第1の電極の表面に金属微粒子を分散析
出してなり、高電圧を印加し、複合バリア放電を発生さ
せることを特徴とするプラズマ分解装置にある。
て、前記第2の電極の表面に前記誘電体を積層してなる
ことを特徴とするプラズマ分解装置にある。
て、前記金属微粒子が熱電子放出性の高い金属微粒子で
あることを特徴とするプラズマ分解装置にある。
て前記金属微粒子がタングステン、白金、タリウム、ニ
オブ、ニッケル、ジルコニウム、セシウム、バリウムか
らなる群から選択される少なくとも一つであることを特
徴とするプラズマ分解装置にある。
て、前記金属微粒子が二次電子放出性の高い金属微粒子
であることを特徴とするプラズマ分解装置にある。
て、前記金属微粒子がグロー陰極降下電圧が低く電子放
出性の高い金属粒子であることを特徴とするプラズマ分
解装置にある。
において、前記金属微粒子がマグネシウム酸化物、セシ
ウム複合物、銅ベリリウム、銀マグネシウム、ルビジウ
ム複合物、カルシウム酸化物からなる群から選択される
少なくとも一つであることを特徴とするプラズマ分解装
置にある。
の態様において前記金属微粒子の分散形態が均一分散又
は集中分散であることを特徴とするプラズマ分解装置に
ある。
の態様において、前記金属微粒子の分散析出率が20〜
60%であることを特徴とするプラズマ分解装置にあ
る。
の間に電位差を付与し、プラズマを発生させてなり、ガ
スを分解するプラズマ分解方法において、一方の電極の
表面に金属微粒子を分散析出させ、高電圧を印加し、複
合バリア放電を発生させつつガスを分解することを特徴
とするガスプラズマ分解方法にある。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
にかかるガス改質器の概略図を示す。図2は金属微粒子
を表面に分散析出させた金属電極の斜視図である。
にかかるガス分解装置は、ガス11を導入し、該ガス1
1を所定方向に流すセラミックス製の分解容器12と、
該分解容器12内に配され、表面に熱電子放出性の高い
金属微粒子13を分散析出してなる第1の電極である金
属製平板型電極14と、該金属製平板型電極14と所定
間隔を有して対向してなり第2の電極である金属製平板
型電極15と、該金属製平板型電極15の表面を被覆し
てなる誘電体16と、金属製平板型電極14と誘電体1
6との間に交流電圧を印加することでプラズマ放電を生
成する電源ユニット17とから構成してなるものであ
る。
出分散してなる金属微粒子13は、熱電子放出性の高い
金属微粒子であり、例えばタングステン、白金、タリウ
ム、ニオブ、ニッケル、ジルコニウム、セシウム、バリ
ウム等を例示することができる。
てもよい。
であれば特に限定されるものではないが、より好適には
10μm以下の極微粒子とするのが良い。
析出する割合としては、60%以下の表面被覆率とする
のが好適であり、特に20〜65%の被覆率では改質効
率の向上を図ることができ、好ましい。
る実施例に示すようにプラズマエネルギー密度が偏りす
ぎるために放電形態が一か所の局所集中放電のみに移行
し、ガスとの接触確率が著しく低下し、好ましくなく、
一方20%未満では金属微粒子の分散析出割合が低く、
本発明の効果を発揮できないからである。
13を分散析出した金属製平板型電極14を用い、プラ
ズマ放電をなすことで、金属製平板型電極14の電荷チ
ャージを不均一にさせ、金属微粒子13の分散箇所から
局所集中放電に似た放電柱を発生させ、これにより霧状
バリア放電と雷状局所集中放電とのシナジー効果に基づ
いた複合バリア放電を発生させ、プラズマエネルギーレ
ベルの向上を図ることとなる。
般的に安定なNO2、CO2等の排ガス中に含有する有害
ガスのプラズマによる改質反応においては、該ガスと発
生するプラズマの接触頻度をバリア放電と同レベルの高
確率に維持しつつ、しかも発生するプラズマの電流密度
に代表されるエネルギー指標を局所集中放電と同様に高
レベルに保持することが可能となる。
方の電極である第2の金属製平板型電極15の表面に誘
電体16を一様に被覆することで、より安定した一様な
バリア放電を容易に維持することができるとともに、熱
電子放出性の高い金属微粒子13を表面に分散析出させ
た金属製平板型電極14では、該金属微粒子13の分散
箇所から対向する誘電体16に向かって局所流量柱放電
に似た複数の電流密度の高い放電柱が発生され、複合バ
リア放電が可能となる。
3として、二次電子放出性の高い金属微粒子を分散析出
させることによっても、上述した第1の実施の形態にか
かる熱電子放出性の高い金属微粒子を分散析出させた場
合と同様の効果を奏することができる。
子放出性の高い金属微粒子を分散析出させることによ
り、バリア放電中に局所集中放電に似た複数の電流密度
の高い放電柱が発生され、複合バリア放電が実現される
ことになる。
としては、例えばマグネシウム酸化物、セシウム複合
物、銅ベリリウム、銀マグネシウム、ルビジウム複合
物、カルシウム酸化物等の材料が好ましい。
てもよい。
器においては、グロー陰極降下電圧が低く電子放出性の
高い金属微粒子を金属製平板型電極表面上に分散析出さ
せることによっても、熱電子放出性の高い金属微粒子を
分散させた場合と同様の効果を奏することができる。
陰極降下電圧が低く電子放出性の高い金属微粒子を分散
析出させることにより、バリア放電中に局所集中放電に
似た複数の電流密度の高い放電柱が発生され、複合バリ
ア放電が実現できる。
出性の高い金属微粒子としては、例えばマグネシウム酸
化物、セシウム複合物、銅ベリリウム、銀マグネシウ
ム、ルビジウム複合物、カルシウム酸化物等の材料が好
ましい。
てもよい。
集中放電に似た複数の放電柱が混在する複合バリア放電
においては、複数の放電柱に接した反応ガスは高いプラ
ズマエネルギーのために高効率で反応が進行し、またバ
リア放電に接した反応ガスもその一部は反応し、それ以
外のガスも予備励起されてより反応しやすい状態とな
る。
子の粒径、分散密度を制御することでバリア放電中に発
生する複数の放電柱の大きさ、数量、すなわち、放電部
のプラズマエネルギー密度を制御でき、これを改質目的
の反応ガス計に合わせたプラズマエネルギー密度に適宜
設置することで、低電力でしかも高効率なプラズマ改質
反応を実現することができる。
するが、本発明は何らこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
い、表面に熱電子放出性の高い金属微粒子を分散析出さ
せる比率を変化させ、熱電子放出性の高い金属微粒子の
被覆率による複合バリア放電の相違によるNOXガスの
分解試験を行った。
い金属微粒子としては金属粒径5μmのタングステンを
用いた。
率とNOXガス分解率との関係を図3に示す。
覆率0%の場合は従来の装置のものである。
5%の範囲であれば、NOXの分解効率が良好であるこ
とが判明した。
スの代わりに、分解対象のガスとしてCO2を用いて同
様に測定した。
5%の範囲であれば、CO2の分解効率が良好であるこ
とが判明した。
解の際に、金属微粒子の粒径を種々変化させてガス改質
率を測定した。
とでは、金属粒径が小さいほど発生する雷状放電の数量
も増加し、CO2ガスとの接触確率が増加するので、ガ
ス改質効率は向上することが判明した。
2の分解の際に、金属微粒子の分散の形態の相違による
ガス改質率を測定した。
4の表面に金属微粒子13を集中的に分散させた場合
と、均一に分散させた場合とで実施した。
金属電極の分散状態図を図6に示す。
させた場合(図6(A)参照)及び金属微粒子を均一分
散させた場合(図6(B)参照)共に、放電状態が局所
集中放電に移行するまでは被覆率の増加と共に、CO2
改質率が増加することが判明した。
電に移行する表面被覆率の差として現れ、集中分散の場
合では35%、均一分散の場合では65%を境として局
所集中放電に移行することが判明した。
は、集中分散の形態のほうが分解率が高いが、その後の
25%以上では均一分散のほうが良好であるので、全体
としては均一分散とするのが好ましいことが判明した。
電極表面に金属微粒子を分散析出してなるので、高電圧
を印加すると複合バリア放電が発生し、CO2、NOX等
のガスを高効率で分解することができる。
斜視図である。
NOXガス分解率との関係図である。
CO2ガス分解率との関係図である。
ガス分解率との関係図である。
分散状態図である。
とCO2ガス分解率との関係図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 相対向する第1の平板型電極及び第2の
平板型電極と、これら両電極の間に介装される誘電体
と、前記両電極の間に電位差を付与する電位差付与手段
とを備え、 前記第1の電極の表面に金属微粒子を分散析出してな
り、高電圧を印加し、複合バリア放電を発生させること
を特徴とするプラズマ分解装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記第2の電極の表
面に前記誘電体を積層してなることを特徴とするプラズ
マ分解装置。 - 【請求項3】 請求項1において、前記金属微粒子が熱
電子放出性の高い金属微粒子であることを特徴とするプ
ラズマ分解装置。 - 【請求項4】 請求項3において、前記金属微粒子がタ
ングステン、白金、タリウム、ニオブ、ニッケル、ジル
コニウム、セシウム、バリウムからなる群から選択され
る少なくとも一つであることを特徴とするプラズマ分解
装置。 - 【請求項5】 請求項1において、前記金属微粒子が二
次電子放出性の高い金属微粒子であることを特徴とする
プラズマ分解装置。 - 【請求項6】 請求項1において、前記金属微粒子がグ
ロー陰極降下電圧が低く電子放出性の高い金属微粒子で
あることを特徴とするプラズマ分解装置。 - 【請求項7】 請求項5又は6において、前記金属微粒
子がマグネシウム酸化物、セシウム複合物、銅ベリリウ
ム、銀マグネシウム、ルビジウム複合物、カルシウム酸
化物からなる群から選択される少なくとも一つであるこ
とを特徴とするプラズマ分解装置。 - 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記金
属微粒子の分散形態が均一分散又は集中分散であること
を特徴とするプラズマ分解装置。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記金
属微粒子の分散析出率が20〜60%であることを特徴
とするプラズマ分解装置。 - 【請求項10】 相対向する電極の間に電位差を付与
し、プラズマを発生させてなり、ガスを分解するガスプ
ラズマ分解方法において、一方の電極の表面に金属微粒
子を分散析出させ、高電圧を印加し、複合バリア放電を
発生させつつガスを分解することを特徴とするガスプラ
ズマ分解方法。
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