JP2001314516A - 弁組立体 - Google Patents

弁組立体

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JP2001314516A JP2001103891A JP2001103891A JP2001314516A JP 2001314516 A JP2001314516 A JP 2001314516A JP 2001103891 A JP2001103891 A JP 2001103891A JP 2001103891 A JP2001103891 A JP 2001103891A JP 2001314516 A JP2001314516 A JP 2001314516A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細長い物品を密封状態で受け入れる弁組立体
を提供する。 【解決手段】 弁組立体（100 ）は、細長い物品を入れ
ることができるような寸法形状になっていて、中心の長
手方向軸線を定める少なくとも１つの開口部（116 ）を
備えた弁体（102,104,112 ）と、弾性密封構造体を備え
ると共に弁体の開口部と全体として整列した孔（134 ）
を備える細長いシール部材（110 ）とを有し、物品を孔
に挿入すると、弾性密封構造体が物品の外面に弾性的に
ぴったりと係合するようになっている。密封構造体は、
シール部材に取り付けられた複数の細長い剛毛部材（13
2 ）から成る。剛毛部材は、細長い物品を弁体の中に少
なくとも一部挿入すると、細長い物品に係合するような
位置に設けられている。各剛毛部材は、細長い物品をシ
ール部材の孔の中に入れたときにこの孔を広げやすいよ
う長手方向軸線に対して変位するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科手術用器具を
患者の体内に導入できるような形式の弁組立体に関す
る。本発明は特に、カニューレ組立体と組み合わせて用
いられ、カニューレ組立体を患者の体内に挿入するよう
になっていて、カニューレを通して器具を患者の体内に
挿入する用になった弁組立体に関する。
【０００２】
【関連技術の背景】腹腔鏡下手術は、小切開部、例えば
皮膚に設けた小入口切開部を通して挿入された細い内視
鏡管又はカニューレを通して腹部内で行なわれる。最小
侵襲的手術は、体内のどこか別の場所、例えば胸部内で
行なわれ、これは一般に「内視鏡下」手術と呼ばれる場
合が多い。最小侵襲的又は内視鏡下手術では一般に、体
内に挿入された器具を密封し、即ち、例えば手術野への
ガス注入が行なわれる外科手術ではガスが内視鏡切開部
を通して体内に出入りしないような措置を行う必要があ
る。さらに、内視鏡下手術では、外科医が、切開部から
遠くに位置した器官、組織及び血管に処置を施さなけれ
ばならないことが多く、かくしてかかる手術で用いられ
る器具は比較的長く且つ細いものであることが必要であ
る。
【０００３】かかる手術の場合、管を或る解剖学的腔、
例えば腹腔内へ導入することは、トロカール及びカニュ
ーレ組立体を組み込んだシステムを用いることによって
達成されるのが通例である。カニューレ組立体は、カニ
ューレをカニューレハウジングに取り付けたものから成
り、このカニューレハウジングは一般に弁組立体を有
し、この弁組立体は、その開口部に器具を挿入した状態
でも挿入しない場合でもその両方の場合においてこの開
口部を横切ってシールを維持するようになっている。カ
ニューレは弁組立体の内部と直に連通しているので、カ
ニューレを患者の体内の開口部に差し込んで内部の解剖
学的腔に達するようにする場合、解剖学的腔と外気との
気密インターフェース状態が保たれるようになっていな
ければならない。
【０００４】体の腹腔内における最小侵襲的外科手術で
は一般に、腔壁を持ち上げてこれを生体器官から遠ざけ
ることが必要なので、手術は、通常は、ガスを体腔内へ
導入させるベレス針を用いることによって開始される。
ガスは、腹膜の壁面を持ち上げてこれを生体器官から遠
ざける僅かな大きさの圧力をもたらし、それにより、適
当な手術野が得られるようにする。しかる後、カニュー
レ及びトロカール又は栓子を含むトロカール組立体をカ
ニューレ内に差し込んで腹膜、即ち腹腔壁の内膜を穿刺
する。栓子を取り除き、次に腹腔下手術又は内視鏡下手
術用器具をカニューレに差し込んで腹腔内の外科手術を
行う。また、カニューレを用いて管を例えばドレナージ
目的、検体採取、診断評価等を行うために体内へ導入す
る。
【０００５】腔の内側領域を大気から隔離維持する必要
性を考えると、栓子及び多種多様な外科手術用器具の導
入を可能にし、腔の内部領域を大気から隔離維持するカ
ニューレ用弁組立体を用いることが望ましい。一般に、
ガス注入式最小侵襲的外科手術の場合、カニューレ組立
体は、２つの密封要件を満足させる構造体を有してい
る。第１の要件は、器具がカニューレ内に存在しない場
合に気密シールを提供することである。第２の要件は、
器具がカニューレ内に導入されているとき又は既にカニ
ューレ内に存在している場合に気密シールを形成するこ
とにある。この点に関し、従来技術においては、かかる
密封要件を満足させる多数の試みが行われた。
【０００６】しかしながら、幾つかの公知のカニューレ
用弁組立体の欠点は、外科手術用器具を弁ユニット中に
差し込んで前進させる際に問題が生じることにある。特
に、公知のエラストマー製シール部材は器具の周りに気
密シールを形成してこれを維持するよう設計されている
ので、シールに設けられていて器具を通す孔又はスリッ
トは比較的小さく又は細い寸法のものである。さらに、
孔を構成する弁部材の部分は一般に、器具の周りへのシ
ールの十分な閉じ力を生じさせるよう横断面が厚い。こ
れら設計上の検討事項のうちの幾つかの結果として、器
具をシールの孔に差し込んでこれを前進させるのに必要
な力の大きさは大きくなり、それにより、器具を所望の
外科手術のために正しく位置決めするには外科医の側で
扱いにくい状態の操作が必要となる。さらに、公知の弁
組立体の中には、許容限度内の挿入力を維持すると共に
所望の外科的操作の種類、例えば器具の斜め運動及び検
体採取を容易にしながら異なる直径の器具を受け入れる
ことが一般に困難なものがある。
【０００７】したがって、カニューレを通して挿入され
る様々な直径の器具の周りにシールを形成してこれを維
持することができ、弁ユニットを通る器具の通過を促進
すると共に容易にする構造体を有する改良型弁ユニット
又はカニューレ組立体が要望されている。
【０００８】
【発明の概要】本発明は、カニューレ組立体用の弁ユニ
ット又は弁組立体を提供することにより従来技術の欠点
を解決する。概要を述べると、本発明は、細長い物品を
密封状態で受け入れる弁組立体に関する。弁組立体は、
細長い物品を入れることができるような寸法形状になっ
ていて、中心の長手方向軸線を定める少なくとも１つの
開口部を備えた弁体と、弾性密封構造体を備えると共に
弁体の開口部と全体として整列した孔を備える細長いシ
ール部材とを有し、物品を孔に挿入すると、弾性密封構
造体が物品の外面に弾性的にぴったりと係合するように
なっている。密封構造体は、シール部材に取り付けられ
た複数の細長い剛毛部材を含む。剛毛部材は、細長い物
品を弁体の中に少なくとも一部挿入すると、細長い物品
に係合するような位置に設けられている。各剛毛部材
は、細長い物品をシール部材の孔の中に入れたときにこ
の孔を広げやすいよう長手方向軸線に対して変位するよ
うになっている。
【０００９】好ましい実施形態では、弁組立体は、細長
い物品を入れることができるような寸法形状の長手方向
開口部を備えた弁体と、弁体内に少なくとも一部が収納
され、細長い物品をぴったりとした状態で入れることが
できる孔を備えた細長い弾性密封部材と、密封部材に取
り付けられていて、弁体の中心長手方向軸線の回りに同
心状に配置された複数の剛毛部材とを有する。複数の剛
毛部材は、細長い物品を弁体内に挿入すると細長い物品
に係合するような位置に設けられ、剛毛部材は、細長い
物品を導入すると変位して孔を構成するシール部材の部
分に係合して孔を広げるようになっている。
【００１０】この実施形態の剛毛部材は好ましくは、基
板に直線的に取り付けられると共にシール部材の内面に
対して全体として垂直に延びる。細長い物品を入れる
と、剛毛部材はそれと同時に下方に回動して孔を均一に
開き又は広げる。
【００１１】弁組立体は、カニューレハウジング及びカ
ニューレハウジングから遠方側に延びるカニューレスリ
ーブを有するカニューレと組み合わせた状態で用いられ
るようになっており、好ましくはカニューレハウジング
に着脱自在に連結される。カニューレハウジングは、器
具がない場合の実質的に閉じられた位置と、器具がある
場合の開いている位置との間で動くことができる弁部材
を収納する。
【００１２】種々の実施形態を図面を参照して以下に説
明する。
【００１３】
【発明の実施の形態】本発明の内容は、人の体内へのあ
らゆるタイプの外科手術器具の導入に関する。かかる外
科手術器具としては、クリップ取付具、把持具、切開用
器レトラクタ、ステープラ、レーザファイバ、写真撮影
装置、内視鏡、腹腔鏡、管等が挙げられる。かかる全て
の物品を、本明細書においては「器具」と称する。
【００１４】まず最初に図１を参照すると、本発明の原
理にしたがって構成され、一般にカニューレ組立体２０
０及びトロカール組立体３００を含む従来型トロカール
組立体と組み合わせて用いられるようになった新規な弁
組立体１００が示されている。
【００１５】本明細書において開示する弁組立体１００
は、単独で、或いはカニューレ組立体２００の内部に設
けられていてカニューレ組立体２００と一体の又はこれ
に着脱自在に取り付けられた弁ユニット／シール組立体
と組み合わせて用いられ、カニューレへの器具の挿入中
と挿入後の両方において患者の体腔と外気との間を実質
的に密封する。さらに、本発明の弁組立体１００は、各
器具を挿入したときに各器具と実質的なシールを形成す
ることにより様々な直径、例えば直径が４．５mm〜１３
mmの器具を受け入れることができる。弁組立体１００
は、組立体１００を様々な直径、例えば直径が約４．５
mm〜約１３mmの器具によって操作すると、２０秒で２mm
水銀（Ｈｇ）柱を越えない所定の漏れ率に設計されてい
る。本発明の弁組立体の可撓性により、１回の外科手術
中に互いに異なる直径を有する多様な器具を必要とする
場合が多い内視鏡下手術が大幅に容易になる。
【００１６】弁組立体１００は好ましくは、本明細書に
おいて開示するカニューレ組立体２００の手元側端部に
着脱自在に取付け可能である。かくして、外科医は、外
科手術中、いつでも弁組立体１００をカニューレ組立体
２００から取り外すことができ、カニューレを通って挿
入されるべき器具と密封係合させたい場合には弁組立体
１００をカニューレに同様にして取り付けることができ
る。さらに、弁組立体１００は、互いに異なる構造の従
来型カニューレに取り付けられるよう容易に改造でき
る。弁組立体１００をカニューレ組立体２００から着脱
できることにより、カニューレ組立体２００を介する検
体採取が容易になり、しかも外科手術で弁組立体１００
が不要な場合にはカニューレ組立体２００を薄型のもの
になる。
【００１７】次に図２を参照して、本発明の新規な弁組
立体１００について詳細に説明する。弁組立体１００
は、エンドキャップ１０２、スタビライザー（安定化）
プレート１０４、シール部材１１０及びシールハウジン
グ１１２を有している。エンドキャップ１０２、スタビ
ライザープレート１０４及びシールハウジング１１２
は、密封拡張構成部品、即ち、シール部材１１０を収容
する弁組立体１００の外側弁体を形成している。
【００１８】エンドキャップ１０２は全体が円筒形の形
をしており、このエンドキャップは、手元側部分１０３
及びスタビライザープレート１０４を支持する内周段部
１１４を有し、この手元側部分１０３は、エンドキャッ
プの残りの部分の直径よりも小さな直径を有している。
シールハウジング１１２は、中央開口部１１６、手元側
円筒形部分１１８及び遠方側外部フランジ１２０を有
し、この遠方側外部フランジ１２０は、その取扱いを容
易にするよう波形模様付き表面を備えている。円筒形部
分１１８は、弁組立体１００を完全に組み立てて密封構
成部品を包囲すると、エンドキャップ１０２内に収納さ
れる。シールハウジング１１２の遠方側端面は、周囲溝
１２２及びこの溝１２２に半径方向内方に隣接して延び
る２つの互いに反対側のリブ部分１２４を有している。
溝１２２及びリブ部分１２４は、以下の説明から理解さ
れるように、弁組立体１００をカニューレ組立体２００
に取り付けるのに役立つ。シールハウジング１１２の遠
方側端面は、開口部１１６に隣接して設けられていて、
シール１１０の一部を受け入れる第２の溝１２６を更に
有している。
【００１９】次に図２〜図４を参照すると、シール部材
１１０は、外側円筒形表面１２７及び内側円筒形表面１
２８を備えた円筒形の形をしている。図３に示すよう
に、複数の剛毛部材１３２が取り付けられた基板１３０
は、孔１３４を備えたシール部材１１０の内側円筒形表
面１２８を内張りしている。剛毛部材１３２は好ましく
は、エラストマー部材、例えば剛性又は天然ゴムで作ら
れ、かかるエラストマー材料は、孔１３４に挿入される
様々な直径の器具、例えば直径が約４．５mm〜約１３mm
の範囲の器具を受け入れてこれと実質的にシールを形成
するほど十分弾性があり、しかも孔１３４に挿入された
器具の操作を可能にするよう撓むのに十分弾性があるこ
とが好ましい。
【００２０】次に、図５及び図６と関連して図２を参照
して弁組立体１００の構成部品の組立て方について詳細
に説明する。図５及び図６では、弁組立体１００はすで
にカニューレ組立体２００に取り付けられた状態で示さ
れているが、一般的には、まず最初に弁組立体１００が
単一のユニットとして組み立てられ、次にカニューレ組
立体２００に取り付けられることは理解されるべきであ
る。カニューレ組立体２００への弁組立体１００の取付
け方を以下に説明する。スタビライザープレート１０４
をエンドキャップ１０２内に設けてプレート１０４がエ
ンドキャップ１０２内に形成されている内周段部１１４
に載るようにする。しかる後、シール部材１１０をスタ
ビライザープレート１０４の上にかぶせる。シールハウ
ジング１１２をその円筒壁１１８をエンドキャップ１０
２の円筒壁内に嵌めた状態でユニット全体の上にかぶせ
る。この組立て状態では、エンドキャップ１０２の円筒
壁の遠方側端部は、シールハウジング１１２の遠方側フ
ランジ１２０とシールハウジング１１２の円筒壁１１８
との間に形成された環状空間内に収納され、例えば摩擦
嵌め又はスナップ嵌めによってこの中に保持され、かく
して弁組立体１００を完全組立て状態に保持する。
【００２１】今や完全組立て状態にある弁組立体１００
をカニューレ組立体２００に取り付けるのがよい。図
１、図５及び図６を参照すると、カニューレ組立体２０
０は、カニューレスリーブ２０２及びスリーブ２０２の
一端に取り付けられたカニューレハウジング２０４を有
している。カニューレスリーブ２０２の内部にはカニュ
ーレ通路が形成され、カニューレスリーブは、ステンレ
ス鋼又は他の適当な剛性材料、例えばポリカーボネート
材料等で作られたものであるのがよい。
【００２２】カニューレハウジング２０４は、カニュー
レスリーブ２０２の手元側端部にしっかりと固定され、
細長い外科手術器具を受け入れてこれを通すことができ
る長手方向開口部を備えている。カニューレハウジング
２０４の手元側端部は、全体として円形の断面をしてお
り、直径方向反対側の脚部２０６を備えている。弾性材
料、例えばゴムで作られたカニューレシール２０８が、
カニューレハウジング２０４の内部に設けられている。
シール２０８は、円周方向フランジ部分２１０を有し、
この円周方向フランジ部分は、カニューレハウジング２
０４内に設けられたこれと対応した寸法形状の円周方向
段部２１２上に載る。シール２０８は一般に、当接面２
１６を形成するよう遠方側端部が互いに交差する２つの
平らなテーパ部分２１４を備えたカモノハシ（duck bil
l ）の形を形成する。平らなテーパ部分２１４は各々、
器具の通過を容易にするよう１又は２以上の内向きの長
手方向に差し向けられたリブを有するのがよい。当接面
２１６により、細長い物品をシール２０８に通すことが
できるが、器具がない場合、特にカニューレスリーブ２
０２がガス注入状態の体腔内に差し込んだときに、当接
面２１６は、ガス注入された体腔を周囲環境から隔離す
る気密シールを形成する。シール２０８はまた、シール
を安定化させる少なくとも１つ、好ましくは２つの補強
リブ２１５を更に有している。リブ２１５は、器具に係
合して器具を案内してスリット２１６に通し、そして器
具の先端部によってシール２０８が穿刺されないような
位置に設けられている。
【００２３】カニューレ組立体２００は、細長い器具の
導入及び引抜き中、シール２０８を支持するようシール
２０８のフランジ部分２１０に当接して位置する安定化
プレート２１８（図１）を更に有している。安定化プレ
ート２１８は、２つの直径方向反対側の延長部２２０
（図１）を有し、これら延長部は、カニューレハウジン
グ２０４の対応した寸法形状の脚部２０６内に受け入れ
られる。好ましい実施形態では、安定化プレート２１８
は、スポット溶接、接着剤等でそれぞれの構成部品の延
長部に沿う接触点のところでカニューレハウジング２０
４にしっかりと取り付けられる。安定化プレート２１８
は、その手元側端部に隣接した部分外部環状リブ又はね
じ山２２２（図６）を更に有し、その機能については以
下の説明から理解されよう。
【００２４】注入ガスをカニューレを通して体腔内へ通
すことができるようにするためにストップコック弁２２
２をカニューレハウジング２０４の一部として設けるの
がよい。この目的に合った適当な弁は、ビー・ブラウン
・メディカル・インコーポレイテッド（B.Braun Medica
l,Inc.）のバロン（Burron）ＯＥＭ部門から入手できる
（モデル番号５５４０１０２２）。
【００２５】依然として図１、図５及び図６を参照する
と、組立て状態の弁組立体１００は、安定化プレート２
１８の部分環状ねじ山２２２がシールハウジング１１２
の遠方側端面に形成された周囲溝１２２（図２）内に受
け入れられた状態で、安定化プレート２１８に隣接して
着脱自在に設けられている。弁ハウジング１００を回転
させて溝１２２に隣接した半径方向内方に突出したリブ
部分１２４を部分環状ねじ山２２２に係合させて弁組立
体２００をカニューレハウジング２０４に解除自在に係
止する。弁組立体１００をカニューレハウジング２０４
に着脱自在に連結するための他の手段は、当業者には容
易に決定することができ、かかる手段としては、例えば
ねじ山、接着剤、差し込み係止手段等がある。
【００２６】弁組立体１００の第１及び第２の変形実施
形態が図６Ａ及び図６Ｂにそれぞれ記されている。図６
Ａは、全体が符号６００で指示された弁組立体を示して
いる。図６Ｂは、全体が符号７００で指示された弁組立
体を示している。弁組立体６００は好ましくは、カニュ
ーレ組立体６０２の手元側端部に着脱自在に取付け可能
である。かくして、外科医は、外科手術中、いつでも弁
組立体６００をカニューレ組立体６０２から取り外すこ
とができ、所望の場合には弁組立体６００をカニューレ
に同様にして取り付けることができる。さらに、弁組立
体６００は、互いに異なる構造の従来型カニューレに取
り付けられるよう容易に改造できる。弁組立体６００を
カニューレ組立体６０２から着脱できることにより、カ
ニューレ組立体６０２を介する検体採取が容易になる。
【００２７】弁組立体６００は、エンドキャップ６０４
と下方ハウジング部材６０６を互いにスナップ嵌めする
ことにより形成されたハウジングを有している。好まし
くは、弁組立体６００のハウジング構成部品は、ゼネラ
ル・エレクトリック・カンパニイから入手できるポリカ
ーボネート材料、例えばＡＢＳで作られる。シール部材
６０８が、弁組立体ハウジング内に設けられている。シ
ール部材６０８は、互いに反対側の側部が基板６１２，
６１４に連結された剛毛部材６１０で構成されている。
シール部材６０８は、外科手術器具の挿入を容易にする
ためのテーパ部６１６を有している。テーパ部６１６
は、弁組立体６００の中心の長手方向軸線に対して９０
°未満の角度をなすのがよい。剛毛部材６１０は、外科
手術器具を弁組立体６００内に挿入すると外科手術器具
の周りにシールを形成すると共に外気及び弁ハウジング
内にシールを形成するよう密封的に係合する。
【００２８】シールクランプ６１８が、ハウジング構成
部品６０４，６０６内に設けられ、これらハウジング構
成部品は、弁組立体６００に対してＯリング６２０及び
下方シール６２２を固定する。下方シール６２２は、下
方ハウジング部材６０６の遠方側端部のところに設けら
れており、これは弁組立体６００をカニューレ組立体６
０２に密着させるのに役立つ。
【００２９】弁組立体７００は好ましくは、カニューレ
組立体７０２の手元側端部に着脱自在に取付け可能であ
る。かくして、外科医は、外科手術中、いつでも弁組立
体７００をカニューレ組立体７０２から取り外すことが
でき、カニューレを通って挿入されるべき器具と密封係
合させるために所望の場合には弁組立体７００をカニュ
ーレに同様にして取り付けることができる。さらに、弁
組立体７００は、互いに異なる構造の従来型カニューレ
に取り付けられるよう容易に改造できる。弁組立体７０
０をカニューレ組立体７０２から着脱できることによ
り、カニューレ組立体７０２を介する検体採取が容易に
なる。弁組立体７００は、エンドキャップ７０４と下方
ハウジング部材７０６を互いにスナップ嵌めすることに
より形成されたハウジングを有している。好ましくは、
弁組立体７００のハウジング構成部品は、ゼネラル・エ
レクトリック・カンパニイから入手できるポリカーボネ
ート材料、例えばＡＢＳで作られる。
【００３０】シール部材７０８が、弁組立体ハウジング
内に設けられている。シール部材７０８は、シール部材
６０８と同様、互いに反対側の側部が基板７１２，７１
４に連結された剛毛部材７１０で構成されている。シー
ル部材７０８は、外科手術器具の挿入を容易にするため
のテーパ部７１６を有している。テーパ部７１６は、弁
組立体７００の中心の長手方向軸線に対して９０°未満
の角度をなすのがよい。剛毛部材７１０は、外科手術器
具を弁組立体７００内に挿入すると外科手術器具の周り
にシールを形成すると共に外気及び弁ハウジング内にシ
ールを形成するよう密封的に係合する。
【００３１】シールクランプ７１８が、ハウジング構成
部品７０４，７０６内に設けられている。シールクラン
プ７１８が、ハウジング構成部品７０４，７０６内に設
けられている。シールクランプ７１８の詳細は、ラセネ
ット氏等によって１９９７年５月２日に出願された共通
譲受人の米国仮特許出願第６０／０４５，４１２号に記
載されている。下方シール７２０が、下方ハウジング部
材７０６の遠方側端部のところに設けられており、これ
は弁組立体７００をカニューレ組立体７０２に密着させ
やすいようにする。
【００３２】次に、図７及び図８を参照すると、全体が
符号４００で示された細長い物品、例えば外科手術器具
を弁組立体１００からカニューレ組立体２００内へ挿入
して所望の外科手術を行うことができる。外科手術器具
４００が弁組立体１００に入ると、外科手術器具４００
の先端部は、剛毛部材１３２と係合する。外科手術器具
４００を更に前進させると、剛毛部材１３２は下方に回
動して孔１３４の寸法を器具４００を受け入れるのに必
要な程度まで大きくする。剛毛部材１３２の寸法形状及
びこれらの可撓性により、器具４００を比較的容易に弁
組立体１００に通すことができる。弾性シール部材１１
０は、外科手術器具の周りにシールを形成すると共に弁
ハウジング及び外気内にシールを形成するよう密封的に
係合する。器具４００をカニューレ組立体２００を通っ
て前進させ、それによりカニューレ２００のカモノハシ
の形をしたシール２０８も広がって器具４００を通過さ
せることができる。いったん弁組立体１００及びカニュ
ーレ組立体２００内に位置決めすると、外科手術器具４
００を体内腔の周りに操作することができる。
【００３３】図９に示すように、弁ハウジング１００を
用いると、器具の周りに適当なシールを依然として維持
した状態で、半径方向（カニューレスリーブ２０２の中
心線に対して）への器具４００の障害物に遭遇しない限
定された運動を行うことができる。かくして、器具４０
０を剛性ハウジング及びカニューレスリーブ２０２によ
って許容される範囲まで任意の方向、即ち長手方向又は
半径方向のいずれに操作してもシールの健全性に対する
悪影響は生じない。というのは、シール部材１１０の弾
性材料が、器具の運動に順応し、器具との密着状態を保
持するのに必要な形をとるからである。図９はまた、シ
ール部材１１０が図８に示す器具の直径よりも大きな直
径の器具の周りに適当なシールを維持できることを示し
ている。
【００３４】図１０〜図１３を参照すると、基板１３０
に連結された剛毛部材１３２を用いてシールを形成する
ための２つの変形実施形態が示されている。図１０は、
螺旋構造の基板１３０を示し、図１１は、図１０の螺旋
構造を組立て形態で示している。図１２は、４つの個々
の部品１３８を有する弾性密封構造体を示し、図１３
は、図１２に示す弾性密封構造体をマルチアレイ組立体
の状態に配置した状態で示している。
【００３５】上述の説明は、多くの特定事項を含んでい
るが、これら特定事項は、現時点において開示した弁装
置の範囲を限定するものではなく、その好ましい実施形
態の例示に過ぎない。当業者であれば、特許請求の範囲
に記載された本発明の範囲及び精神に属する他の変形例
を想到できよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】トロカール組立体、カニューレ組立体及び本発
明の原理に従って構成された弁組立体の分解斜視図であ
る。
【図２】図１の弁組立体の分解拡大斜視図である。
【図３】図２の弁組立体の弾性密封構造体の拡大斜視図
である。
【図４】図２に示すシール部材の拡大斜視図である。
【図５】カニューレハウジング及びカニューレハウジン
グに着脱自在に取り付けられた弁組立体の部分断面側面
図である。
【図６】図５に示すような細部の領域の拡大部分断面図
であり、弁組立体及びカニューレハウジングを示す図で
ある。
【図６Ａ】第１の変形実施形態としての弁組立体の拡大
断面図である。
【図６Ｂ】第２の変形実施形態としての弁組立体の拡大
断面図である。
【図７】図５と類似した図であり、細長い物品を弁組立
体及びカニューレ組立体内に導入する仕方を示す図であ
る。
【図８】図６と類似した図であり、図７に示す細部の領
域を示し、弁組立体の弾性密封構造体と細長い物品との
密封係合状態を示す図である。
【図９】図８と類似した図であり、カニューレ組立体内
における細長い物品の半径方向の運動に対する弁組立体
の適合性を示す図である。
【図１０】螺旋形態の弾性密封構造体の拡大斜視図であ
る。
【図１１】図１０の弾性密封構造体を組み立て形態で示
す拡大斜視図である。
【図１２】４つの個々の部品を有する弾性密封構造体の
更に別の変形実施形態の拡大図斜視図である。
【図１３】４つの個々の部品を結合してマルチアレイ構
造を形成した図１２の弾性密封構造体の拡大斜視図であ
る。
【符号の説明】 １００ 弁組立体 １０２ エンドキャップ １０４ スタビライザープレート １１０ シール部材 １１２ シールハウジング １１６ 開口部 １３２ 剛毛部材 １３４ 孔

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 細長い物品を密封状態で受け入れる弁組
    立体であって、細長い物品を入れることができるような
    寸法形状になっていて、中心の長手方向軸線を定める少
    なくとも１つの開口部を備えた弁体と、弾性密封構造体
    を備えると共に弁体の開口部と全体として整列した孔を
    備える細長いシール部材とを有し、物品を孔に挿入する
    と、弾性密封構造体が物品の外面に弾性的にぴったりと
    係合するようになっており、密封構造体は、シール部材
    に取り付けられた複数の細長い剛毛部材を含み、剛毛部
    材は、細長い物品を弁体の中に少なくとも一部挿入する
    と、細長い物品に係合するような位置に設けられ、各剛
    毛部材は、細長い物品をシール部材の孔の中に入れたと
    きにこの孔を広げやすいよう長手方向軸線に対して変位
    するようになっていることを特徴とする弁組立体。
  2. 【請求項２】 弁体は、円筒形の形をしており、この弁
    体は、手元側端部及び内周段部を有し、手元側端部は、
    弁体の残りの部分の直径よりも小さな直径を有すること
    を特徴とする請求項１記載の弁組立体。
  3. 【請求項３】 細長いシール部材は、シール部材を弁体
    内に配置するとスタビライザープレート上に載ることを
    特徴とする請求項１記載の弁組立体。
  4. 【請求項４】 中央開口部、手元側円筒形部分、遠方側
    端面及び遠方側外部フランジを備えたシールハウジング
    を更に有し、遠方側外部フランジは、その取り扱いを容
    易にするよう波形模様付き表面を有していることを特徴
    とする請求項１記載の弁組立体。
  5. 【請求項５】 円筒形部分は、弁組立体を完全に組み立
    てると弁体内に収納されることを特徴とする請求項４記
    載の弁組立体。
  6. 【請求項６】 遠方側端面は、周囲の溝及び溝に隣接し
    て半径方向内方に延びていて、弁組立体をカニューレに
    取り付ける２つの互いに反対側のリブ部分を有している
    ことを特徴とする請求項４記載の弁組立体。
  7. 【請求項７】 複数の剛毛部材は、基板上に位置した端
    部を有することを特徴とする請求項１記載の弁組立体。
  8. 【請求項８】 基板は、剛毛部材が弁体の長手方向軸線
    から半径方向に位置するようにシール部材の内面上に設
    けられていることを特徴とする請求項１記載の弁組立
    体。
  9. 【請求項９】 基板は、シール部材の内面上に螺旋状に
    設けられていることを特徴とする請求項８記載の弁組立
    体。
  10. 【請求項１０】 複数の剛毛部材は、マルチアレイの状
    態で設けられていることを特徴とする請求項１記載の弁
    組立体。
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