JP2001314381A - 生体情報の収集システム - Google Patents

生体情報の収集システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被験者の健康状態の診断の基礎となる生体情
報を、被験者に過度の負担を強いることなくより詳細に
収集する。 【解決手段】 被験者の生体情報を測定する測定装置
と、被験者の活動領域内に配設されて被験者の活動を検
知する検知装置とを備え、検知装置で検知された被験者
の活動と関連づけて、測定装置で測定された生体情報を
収集する。ここで生体情報の収集をより効率的に行うた
めに、測定装置で測定された生体情報と、検知装置で検
知された被験者の活動とを収集し記録する集積装置をさ
らに備けてもよい。また収集システムを低い導入費用で
広く普及させるためには、収集システムで使用する検知
手段として家庭用電気機器を用いのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体情報の収集シス
テムに関し、より詳細には被験者の健康状態を的確に診
断する基礎となる生体情報を収集するシステムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】脈拍や血圧、体温、血糖値、呼吸、筋
電、心電、血流、脳波、発汗量といった生体情報を測定
・分析して、人の健康状態を診断することが従来から種
々試みらてれている。これまでの一般的なやり方は、生
体情報を測定する装置を被験者に常時携帯させて、所定
期間経過後に収集した測定結果を見て被験者の健康状態
を診断するというものである。しかしこのような方法で
は、生体情報の経時的変化は把握できるものの、被験者
の置かれていた状況、すなわちどのような場所でどのよ
うな活動をしていたときの生体情報なのかということが
まったくわからないため、被験者の健康状態を十分に把
握することは困難であった。
【0003】一方、特開平9−173303号公報に
は、ゴルフ場に限定してたものではあるが、被験者の居
所、行動と共に生体情報を収集するシステムが提案され
ている。しかしこのシステムでは、被験者の居所を検知
するための受信機と行動を検知するための体動計とを被
験者は携帯しなければならず、被験者の肉体的・精神的
な負担は決して少なくない。
【0004】また特開平10−248816号公報に
は、病棟内に限定したものではあるが、位置情報および
生体情報を送信する医用送信機を患者に携帯させて、患
者の居所および生体情報を検出するシステムが提案され
ている。しかしこのシステムでは、患者の居所および生
体情報は検知することができるが、その時の患者の行動
までは検知することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題に鑑みてなされたものであり、被験者に過度の
負担を強いることなく、被験者の健康状態の診断の基礎
となる生体情報をより詳細に収集することができるシス
テムを提供することをその目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被験者
の生体情報を測定する測定装置と、被験者の活動領域内
に配設されて被験者の活動を検知する検知装置とを備
え、前記検知装置で検知された被験者の活動と関連づけ
て、前記測定装置で測定された生体情報を収集すること
を特徴とする生体情報の収集システムが提供される。
【0007】生体情報の収集をより効率的に行う観点か
ら、前記測定装置で測定された生体情報と、前記検知装
置で検知された被験者の活動とを収集し記録する集積装
置をさらに備けることが推奨される。
【0008】低い導入費用で広く普及させる観点から、
前記検知手段として家庭用電気機器(以下「家電機器」
と記すことがある)を用いるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、被験者に過度の負
担を強いることなく、被験者の居所および活動と関連づ
けて生体情報を収集できないか鋭意検討を重ねた結果、
被験者の生体情報は従来と同様にして測定する一方、被
験者の居所および活動は、被験者の活動領域内に検知装
置を配設して検知すればよいことを見出し本発明をなす
に至った。
【0010】すなわち、本発明の生体情報の収集システ
ムの大きな特徴は、被験者の居所および活動を検知する
のに、被験者に検知装置を携帯させるのではなく被験者
の活動領域内に検知装置を配設しておき、該検知装置か
らの検知データにより被験者の居所および活動を検知す
るようにした点にある。
【0011】本発明に係る生体情報の収集システムの概
略構成図を図1に示す。被験者が携帯する測定装置1に
より被験者の生体情報を測定する同時に、被験者の活動
領域内に配設した種々の検知装置2により被験者の宅内
での居所と活動を検知し、測定した生体情報を検知デー
タと関連づけて収集する。図1のシステムでは後述する
集積装置3をさらに設けて、ここに検知データと関連づ
けた生体情報を収集・記録する。そして必要ならば、集
積装置3に収集・記録した生体情報を被験者本人4およ
び介護・看護・医療・福祉機関5などに通信手段を介し
て送信する。
【0012】ここで測定する生体情報としては具体的に
は、心拍や血圧、体温、血糖値、呼吸、筋電、心電、血
流、脳波、発汗量といった情報である。したがって測定
装置は、どのような生体情報を測定するかによって決定
される。
【0013】一方、宅内での被験者の居所と活動を検知
する検知装置としては、例えばエアコン、テレビ、冷蔵
庫、電子レンジ、電灯、マットなどの家電機器;振動セ
ンサ、加速度センサ、赤外線センサなど従来公知のセン
サなどを用いることができ、これらを複数個組み合わせ
て使用することが被験者の居所と活動をより詳細に検知
する上で望ましい。例えば家電機器を検知手段として用
いれば、スイッチのオン・オフやドアの開閉、温度の設
定、運転モード、コンプレッサ回転数、リモコン操作、
消費電力、入退室などを検知することができる。また家
電機器、トイレ・浴室・居間・寝室・仏壇などのドア・
家具・床など屋内での移動により振動がよく伝わる屋内
部材などに振動センサや加速度センサを取付けておけ
ば、どのセンサが何時何分に振動または加速度を検知し
たか、すなわち被験者がどこで・どのような活動をした
かを検知することができる。
【0014】具体例を示す。図2は家の見取り図であっ
て、説明を簡単にするため玄関、寝室、リビング、台
所、風呂場を直列に設けてある。検知装置としては家電
機器を用い、リビング:リビング電灯(No.1)・テレビ
(No.2)・ビデオ(No.3)・エアコン(No.4)、台所:
台所電灯(No.5)・冷蔵庫(No.6)・電子レンジ(No.
7)・炊飯器(No.8)、風呂場:風呂場電灯(No.9)・
洗濯機(No.10)、玄関:玄関電灯(No.11)・玄関マッ
ト(No.12)、寝室:寝室電灯(No.13)・寝室エアコン
(No.14)のそれぞれの家電機器のオン・オフ及び条件
設定可能なものであればをその設定条件を検知する。こ
のように検知装置を配設すれば、家の中での被験者の位
置と活動を検知データから推測することができる。例え
ば、早朝に寝室電灯(No.13)が点灯し、次にリビング
電灯(No.1)が点灯すれば、被験者が起床してリビング
に移動したと推測でき、さらにエアコン及びテレビが作
動すれば、例えば設定温度20℃のリビングで6chの
テレビを見ていることがわかる。
【0015】前記測定装置で測定された被験者の生体情
報を、検知装置で検知された被験者の居所および活動と
関連づけて収集する方法としては、例えば次のような方
法が挙げられる。まず一つの方法としては、生体情報
(例えば心拍数)と検知データとを個別に記録してお
き、所定期間経過後にそれら2つの記録データを時刻を
基にして合成して、何時何分〜何分までの心拍数は被験
者がどこで、何をしていたときのものかを明らかにする
のである。
【0016】図3にこの方法の概略構成図を示す。使用
する測定装置1としては、生体情報を測定する測定部1
1と、測定したデータを記録しておく記録部12とを少
なくも備えていればよい。前記記録部12は、測定デー
タを電子メモリに記録するものでもよいし、あるいは紙
などに記録するものであってもよい。このとき測定デー
タは時刻と共に記録される必要がある。測定装置1は前
記測定部11と前記記録部12とを一体に形成したもの
でもよいが、被験者が携帯する肉体的負担を考えると測
定部11と記録部12とを分離し、測定部11のみを被
験者に携帯させて記録部12は所定場所に設置しておく
構成が好ましい。測定部11から記録部12への測定デ
ータは送信は有線および無線のいずれの方式であっても
よいが、被験者の活動のしやすさを考慮すれば、無線方
式により測定データの送信を行うのが望ましい。
【0017】一方、検知装置2としては、少なくとも検
知21部と記録部22を備えていればよい。記録部22
は各検知装置2にそれぞれ備えていてもよいが、検知装
置2の大型化や記録データ収集の煩雑さを考慮すれば、
記録部22を一つとして各検知部21からの検知データ
をここにまとめて記録することが推奨される。なお記録
の方式は電子メモリに記録する方式でもよいし、紙など
に記録する方式でもよい。
【0018】そして上記のようにして測定された生体情
報と、検知された被験者の居所および活動とを時刻を基
に合成させて、両者を関連づけて生体情報として活用す
るのである。
【0019】もう一つの方法としては、測定装置1と検
知装置2に加えてさらに集積装置3を設け、ここに測定
した生体情報と検知データとを一緒に集めて・記録す
る。この方法によれば、後処理として生体情報と検知デ
ータとを合成させる必要がなく、両者の関連づけを即時
に行える点で最も望ましい方法である。
【0020】図4に、この方法の概略構成図を示す。こ
の方法で使用する測定装置1は、少なくとも測定部11
を備えていればよく、測定部11で測定された生体情報
は集積装置3に送られ記録される。一方、検知装置2は
少なくとも検知部21を備えていればよく、各検知部2
1で検知されたデータも集積装置3に送られて記録され
る。送られてきた生体情報および検知データは集積装置
3において合成した状態で時系列データとして記録され
る。したがって被験者の生体情報と、居所および活動と
を瞬時にして把握することができる。
【0021】被験者の居所および活動を関連づけて表示
した生体情報の一例を図5に示す。図5は、縦軸を心拍
数とし、横軸を時間として被験者の心拍数の経時変化を
示したものであり、図中に記載されている番号は図2に
示した検知装置の番号である。なお、図5における心拍
数は加算平均を行い平滑化している。この図において、
例えば心拍数が通常よりも多めで推移している時間帯A
は、検知装置No.5,6,7,8(台所電灯・冷蔵庫・電子レン
ジ・炊飯器)が頻繁に活動を検知している時間帯でもあ
り、時刻から見て被験者が夕食の準備をしていると推測
されるので、心拍数が多めであっても、被験者の健康状
態に特別に異常が発生したものでないと判断できる。ま
た心拍数がその前後より急に多くなっている時間帯B
は、検知装置No.9(風呂場電灯)で電灯の点灯が検知さ
れていることから、被験者は入浴中であると推測でき
る。これにより被験者の心拍数の急上昇の理由がわかる
ので、被験者の健康状態に異常は発生していないと判断
できる。
【0022】このように本発明の収集システムによって
被験者の居所および活動と関連づけられた生体情報は、
被験者の健康状態を診断する基礎資料として役立てるこ
とができる。また、前記集積装置に収集・記録した生体
情報を被験者本人および介護・看護・医療・福祉機関な
どに通信手段を介して送信すれば、被験者の日常生活の
改善や当該機関の活動に役立てることもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明の生体情報の収集システムでは、
被験者の生体情報を測定する測定装置と、被験者の活動
領域内に配設されて被験者の活動を検知する検知装置と
を備え、検知装置で検知された被験者の活動と関連づけ
て、測定装置で測定された生体情報を収集するので、被
験者の健康状態の診断の基礎となる生体情報を、被験者
に過度の負担を強いることなくより詳細に収集すること
ができる。
【0024】また測定装置で測定された生体情報と、検
知装置で検知された被験者の活動とを収集し記録する集
積装置をさらに備けることにより、生体情報の収集をよ
り効率的に行うことができる。
【0025】さらに収集システムで使用する検知手段と
して家庭用電気機器を用いれば、収集システムを低い導
入費用で広く普及させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る生体情報の収集システムの概説
図である。
【図2】 各種検知装置を配設した家の平面図である。
【図3】 本発明に係る生体情報の収集システムの一実
施態様を示す図である。
【図4】 本発明に係る生体情報の収集システムの他の
実施態様を示す図である。
【図5】 被験者の居所および活動を関連づけて表示さ
れた生体情報(心拍数)の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 測定装置 2 検知装置 3 集積装置 4 被験者本人 5 介護・看護・医療・福祉機関 11 測定部 12 記録部 21 検知部 22 記録部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小河 毅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 4C027 AA02 AA03 CC00 JJ03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の生体情報を測定する測定装置
    と、被験者の活動領域内に配設されて被験者の活動を検
    知する検知装置とを備え、 前記検知装置で検知された被験者の活動と関連づけて、
    前記測定装置で測定された生体情報を収集することを特
    徴とする生体情報の収集システム。
  2. 【請求項2】 前記測定装置で測定された生体情報と、
    前記検知装置で検知された被験者の活動とを収集し記録
    する集積装置をさらに備えた請求項1記載の生体情報の
    収集システム。
  3. 【請求項3】 前記検知手段として家庭用電気機器を用
    いる請求項1又は2記載の生体情報の収集システム。
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