JP2001314136A - 飼育水槽用濾過装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物を用いることなく魚類等の飼育水を濾
過することができるようにした飼育水槽用濾過装置を提
供すること。 【解決手段】 下部に透水孔２Ａが形成されている筐体
２内に穀物かす燃焼炭から成る第１の濾過材３と麦飯石
から成る第２の濾過材４とを収容し、筐体２内に流入さ
れた飼育水１０１が第１の濾過材３を通ってから第２の
濾過材４を通って濾過され透水孔２Ａから浄化された飼
育水１０１が取り出されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、微生物を用いるこ
となく魚類等の飼育水を濾過することができるようにし
た飼育水槽用濾過装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】魚類等の飼育水槽内では藻類の増殖によ
る水槽壁面の汚れ及び飼育水の濁度上昇が生じるため、
飼育水の濾過が必要である。このため、従来において
は、微生物を用いて飼育水の汚れ成分を分解するように
した濾過装置を飼育水槽の上部に固定しておき、飼育水
槽内の飼育水をこの濾過装置に通して濾過することによ
り浄化し、再び飼育水槽内に戻している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、微生物を繁殖
させて汚れを分解することにより飼育水を濾過するよう
にした従来の濾過装置は、微生物を繁殖させるのに時間
がかかるため濾過の効果が発揮されるようになるまでに
時間が必要とされる上に、微生物を繁殖させなければな
らないので濾過材の量の調整など人為的な制御が困難で
あるという問題点を有している。

【０００４】また、この種の濾過装置を他の水槽で使用
するなど濾過装置の移動の要求がある場合でも、濾過材
が微生物であるため濾過装置の移動が困難であるという
別の問題点も有している。

【０００５】本発明の目的は、従来の技術における上述
の問題点を解決することができる飼育水槽用濾過装置を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述課題を解決するため
の本発明の特徴は、魚類等の飼育水槽内の飼育水を清浄
化するための飼育水槽用濾過装置であって、下部に透水
孔が形成されている筐体内に穀物かす燃焼炭から成る第
１の濾過材と麦飯石から成る第２の濾過材とを収容し、
前記筐体内に流入された前記飼育水が前記第１の濾過材
を通ってから前記第２の濾過材を通って濾過され前記透
水孔から取り出されるようにした点にある。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。

【０００８】図１は、本発明による飼育水槽用濾過装置
の実施の形態の一例を示す断面図であり、図１では本発
明による濾過装置１を飼育水槽１００に設置した場合を
示している。濾過装置１は、魚類等を飼育するための飼
育水槽１００内の飼育水１０１中に、藻類が増殖して壁
面が汚れたり飼育水１０１の汚濁度が上昇するのを抑え
るため、飼育水１０１を濾過するのに使用されるもので
ある。

【０００９】濾過装置１は、その下端部のみが飼育水槽
１００内の飼育水１０１に浸されているように設けら
れ、図示しない支持部材により図１に示される状況に保
たれている。

【００１０】濾過装置１内には、パイプ１０２とポンプ
１０３とからなる飼育水循環装置１０４が設けられてお
り、飼育水１０１をポンプ１０３によって汲み上げて濾
過装置１に送り込むことができる構成となっている。

【００１１】濾過装置１は多数の透水孔２Ａが底面に形
成されている円筒状の筐体２を有し、筐体２内には、穀
物かす燃焼炭から成る上部濾過材３と麦飯石から成る下
部濾過材４とが設けられている。なお、上部濾過材３と
しては、例えばビールなどの製造時に発生するビール糟
を焼却して作成した炭などを用いることができる。

【００１２】上部濾過材３及び下部濾過材４はいずれも
粒状の形態の材料であり、筐体２内に設けた網かご５内
に図１に示すように２層に設けられている。網かご５の
目のあらさは上部濾過材３及び下部濾過材４のいずれの
粒径よりも細かくなっており、したがって、上部濾過材
３及び下部濾過材４が網かご５の外側に逃げることなく
網かご５内に上部濾過材３及び下部濾過材４を留め置く
ことができる構成となっている。

【００１３】濾過装置１は以上のように構成されている
ので、飼育水槽１００内の飼育水１０１を飼育水循環装
置１０４で汲み上げて濾過装置１の筐体２の上方から流
下させると、飼育水１０１は先ず上部濾過材３によっ
て、次に下部濾過材４によってそれぞれ物理的な濾過作
用を受け、飼育水１０１を清浄化することができる。

【００１４】清浄化された飼育水１０１は網かご５の外
に滲み出し、透水孔２Ａを通って飼育水槽１００内に戻
される。この結果、飼育水槽１００内の飼育水１０１に
藻類が増殖するのを有効に抑え、飼育水槽１００の内壁
面への藻類の付着を減少させ、また飼育水１０１の汚濁
化も有効に防止することができる。

【００１５】図１で、５００リットルの飼育水１０１中
にフナ約３０匹を入れて、濾過装置１に接続して飼育し
た結果、藻類の増殖による壁面の汚れ、汚濁度の上昇は
ほとんど見られず、清浄な飼育水を継続して得ることが
可能であった。また濾過装置１は移動が容易に可能であ
り、屋外で捕獲した魚類を一時的に飼育する際にも濾過
装置１として用いることが可能である。

【００１６】また従来の微生物を利用した濾過装置では
微生物の繁殖をさせて飼育水１０１の汚れを分解した
が、濾過装置１では炭、麦飯石の物理的な濾過作用を用
いるため、飼育する魚類の量により上部濾過材３、下部
濾過材４及び筐体２の量を増減させて対応が可能であ
る。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、上述の如く、濾過装置
の移動が容易であり、屋外で捕獲した魚類を一時的に飼
育する際の濾過装置として用いることも可能である。ま
た従来の微生物を利用した濾過装置では微生物を繁殖を
させて飼育水の汚れを分解したが、本発明による飼育水
槽用濾過装置では炭、麦飯石の物理的な濾過作用を用い
るため、微生物の繁殖を待つ必要がなくすぐに使用でき
る他、飼育する魚類の量により炭、麦飯石の量、筐体の
数量を増減させて対応が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による飼育水槽用濾過装置の実施の形態
の一例を示す断面図。

【符号の説明】

１ 濾過装置 ２ 筐体 ２Ａ 透水孔 ３ 上部濾過材 ４ 下部濾過材 ５ 網かご １００ 飼育水槽 １０１ 飼育水

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 魚類等の飼育水槽内の飼育水を清浄化す
   るための飼育水槽用濾過装置であって、下部に透水孔が
   形成されている筐体に穀物かす燃焼炭から成る第１の濾
   過材と麦飯石から成る第２の濾過材とを収容し、前記筐
   体内に流入された前記飼育水が前記第１の濾過材を通っ
   てから前記第２の濾過材を通って濾過され前記透水孔か
   ら取り出されるようにしたことを特徴とする飼育水槽用
   濾過装置。