JPS6153097B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、庭池、養魚池等の池の水を吸引濾
過循環して再生送水すると共に、沈澱物の排出を
容易にした養魚池用濾過器に関するものである。

一般に池等の一定水量の中で飼育する魚は、そ
の分泌する排泄物や餌等で次第に汚損され、魚類
が棲息しにくいものである。従つて、この水を清
浄にする小型の濾過器が要求されている現状であ
る。

そして、従来のこの種の濾過器は、不純物の回
収排出が悪く、濾材の目詰りが速い欠点と、原水
の濾過を濾過器内の上方より降下する方法のため
濾過面積が小さく処理効率が大変に悪いと言う欠
点がある。また、濾過筒体内部に収納した濾過材
の洗浄が簡単確実に出来ないと言う欠点もある。

そこで、この発明はこれ等の各欠点を解決する
ための小型の濾過器を提供するものであつて、そ
の濾過器に於ける濾過筒体の中心に流下筒体を起
立し、その流下筒体の外周に流通隙間を設けて多
数の通孔を有する内周筒体を装設する。次に、内
周筒体の外周に濾過材を収納すると共に、濾過材
の外側に多数の通孔を設けた外周筒体を装設し、
且つ該外周筒体と該濾過筒体との間に流通隙間を
形成せしめ、該流下筒体には濾過送水管を接続
し、傾斜垂下筒体には原水給水管及び排水管を各
接続せしめるようにしたもので、従つて、池等の
溜水の原水をポンプ等で濾過器本体の傾斜垂下筒
体に送り込むと原水は回転し汚物類は中央の下方
に沈澱するので、濾過材の目詰りが非常に少なく
てすみ、バクテリアの繁殖が非常に良好となり水
質が安定する。また、この濾過器は円周から中央
に向つて原水が通過して濾過するので著しく濾過
面積が大きいと言う特性があるものである。

次にこの発明の１実施例を図面について説明す
ると、各種の構成材料よりなる濾過器本体１は、
上部に蓋体３を有する濾過筒体２を構成し、該濾
過筒体２の下部に傾斜垂下筒体４を形成すると共
に、全体を脚体５を以つて支持せしめてある。前
記濾過筒体２には、内部中心に流下筒体６を立設
せしめ如る。この流下筒体６の外周には、濾過水
が通る流通隙間９を設けて、多数の通孔１２，１
２………を設けてあるネツトパイプ等の内周筒体
８を装設せしめる。この内周筒体８の外周には各
種の濾過材２３，２３を所定間隙幅に収納せしめ
る。次に該濾過材２３の外側に多数の通孔１１，
１１………を穿設してある外周筒体７を装設する
と共に、外周筒体７と該濾過筒体２との間に原水
が上昇する流通隙間１６を形成せしめる如く装設
せしめてある。１０は、該濾過材２３を支持する
底板を示ものである。

濾過器本体１の下部に位置する傾斜垂下筒体４
は、擂鉢状を有し、下部に接続管を介して排水管
１５が連結される。また、傾斜垂下筒体４の側方
より、池等よりの原水が侵入する原水給水管１３
が接続される。前記流下筒体６の下端には接続管
を介して濾過された原水を送る濾過水送水管１４
を接続せしめてある。

１７は、傾斜垂下筒体４に沈澱した汚物を示す
ものである。次に符号１８，１９，２０は、第１
図に示す様に各々原水給水管１３、濾過水送水管
１４及び排水管１５に取付けられたバルブを示す
もので、２１の逆洗用バルブは、原水給水管１３
と濾過水送水管１４との間に設置されている。２
２は原水を吸引するポンプであつて、原水給水管
１３に設置されている。２４は、濾過器本体１の
内部に於ける水位を示したものである。

この発明は上述の如き構成よりなり、今このも
のを使用する場合は、養魚池等の排泄分泌物の汚
物溜りよりポンプ２２を以つて原水給水管１３を
通つて濾過器本体１の下部の傾斜垂下筒体４に供
給され、原水は内部を回転しながら比較的大なる
汚物類は中央擂鉢状に沈澱する。小さい排泄物の
みが外周筒体７と濾過筒体２との間の流通隙間１
６に侵入し、多数の通孔１１，１１より内部の濾
過材２３に向つて侵入し、濾過された水は内周筒
体８の通孔１２，１２………を通過して流下筒体
６との間の流通隙間９に至り、その後上昇して流
下筒体６の上部より内部を通じて濾過水送水管１
４に送られ、最初の養魚池に還流せしめるもので
ある。次に汚物１７（ドレン）を排水する場合
は、正常の濾過運転のまゝで排水管１５のバルブ
２０を短時間開放して排水すればよいものであ
る。

次に濾過器本体１内の濾過材２３を逆洗して洗
浄する場合は、原水給水管１３のバルブ８を閉
じ、逆洗用バルブ２１を開放して濾過水送水管１
４より流下筒体６の内部を逆流せしめて、原水を
前記の操作と反対に浸入せしめて濾過材２３を洗
浄せしめ、洗浄水を傾斜垂下筒体４に送出する。
この時、排水管１５のバルブ２０を開放して下水
等に排水すればよいものである。

この発明は上述の如く、濾過器本体は濾過筒体
と中心の流下筒体及びその外周に設けられた内外
周筒体との筒状の隔壁を設けた濾過器としたの
で、従来のものより著しく強靭化され、且つ、濾
過器の外周より内部に向つて原水が濾過するの
で、濾過面積が非常に拡大され、濾過処理の能力
が著しく向上される優れた効果がある。

次に濾過筒体の中心に流下筒体を立設し、その
外周に流通隙間を設けて内周筒体を設け、その外
周に濾過材を介した外周筒体を装設する構造なの
で、非常に組立が容易であると共に点検及び修理
等が簡単となる効果がある。

又、濾過器本体の下部における擂鉢状の傾斜垂
下筒体は、汚物の混合した原水を送出すると回転
しながら汚物、塵埃等の重いものは中央下部に順
次溜つて沈澱する効果と、上昇する原水は微粒子
の汚物であるから、濾過材等の目詰りが非常に少
なく長期に亘つてバクテリアの繁殖が良好であつ
て著しく水質が安定すると言う効果がある。そし
て、傾斜垂下筒体によれば、沈澱物の排出が濾過
運転中に於いても自由に操作できる実用的な効果
と、濾過材の掃除は逆洗操作によつて極めて簡単
確実に循環洗浄できると言う効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示すもので、第１
図はこの発明を使用した循環系統図、第２図は縦
断側面図、第３図は同じく正面図、第４図は第２
図Ａ−Ａ線の横断平面図である。符号１は濾過器
本体、２は濾過筒体、３は蓋体、４は傾斜垂下筒
体、６は流下筒体、７は外周筒体、８は内周筒
体、９，１６は流通隙間、１１，１２は通孔、１
３は原水給水管、１４は濾過水送水管、１５は排
水管、１７は汚物、１８，１９，２０はバルブ、
２１は逆洗用バルブ、２３は濾過材である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 濾過器本体は上部に蓋体を設けた濾過筒体を
   有し、該濾過筒体の下部に傾斜垂下筒体を構成し
   た養魚池用濾過器に於いて、該濾過筒体には中心
   に流下筒体を立設し、流下筒体の外周に流通隙間
   を設けて多数の通孔を有する内周筒体を装設し、
   該内周筒体の外周に濾過材を収納せしめると共
   に、濾過材の外側に多数の通孔を設けた外周筒体
   を装設し、且つ該外周筒体と該濾過筒体との間に
   流通隙間を形成せしめ、該流下筒体には濾過送水
   管を接続し、該傾斜垂下筒体には原水給水管及び
   排水管を各接続せしめた事を特徴とする養魚池用
   濾過器。