JP2707926B2 - 浴槽用濾過器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は浴槽用濾過器に係り、特
に逆洗効果を改善した浴槽用濾過器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴槽内の水（温水又は冷水）を濾
過するための浴槽用濾過装置として、例えば、浴槽内の
湯を抜き出して、再び浴槽に戻すポンプ付きの循環系路
と、この循環系路に設けられた濾過器と、この濾過器に
対し濾過方向に通水を行なう濾過流路選択、及び、この
濾過器に対し逆洗方向に通水を行ない、逆洗排水を循環
系路外に排出する逆洗流路選択を切り替える流路切替器
とを有する浴槽用濾過装置が提案されている（実公平４
−１０８９３号公報）。

【０００３】即ち、このような浴槽用濾過装置において
は、浴槽内の水をポンプで濾過器に導入し、濾過水を浴
槽に戻すようにしており、濾過運転の継続に伴って、濾
過器内に充填された濾過材に目詰まりを生じるので、必
要に応じて逆洗を行ない、逆洗排水は浴槽外に排出する
ように構成されている。

【０００４】しかして、従来の濾過器は、図２に示す如
く、上部に浴槽水の導入口１１を有し、下部に排出口１
２を有したケ−ス１３と、このケ−ス１３内に、排出口
１２に被さるように配置された多孔質濾過筒１４と、こ
の多孔質濾過筒１４の外周面とケ−ス内周面との間に充
填された粒状濾過材１５とで構成される。

【０００５】このような濾過器において、逆洗を行なう
際には、排出口１２より逆洗水を導入し、導入口１１よ
り逆洗排水を排出する。この逆洗にあたり、粒状濾過材
１５は、ケ−ス１３内を流動することにより、効率的に
逆洗される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような逆洗運転終
了時、逆洗水の導入を停止すると、逆洗により流動して
いた粒状濾過材１５が再び多孔質濾過筒１４の外周面と
ケ−ス１３の内周面との間に沈積するが、従来の浴槽用
濾過器においては、多孔質濾過筒１４の上端部１４Ａが
平面形状とされているため、十分な逆洗効果が得られな
いという欠点がある。

【０００７】即ち、逆洗を開始した際、ケース１３内に
は、矢印Ａに示すような逆洗流が生じ、逆洗開始初期に
流動した粒状濾過材１５は、多孔質濾過筒１４の上端部
１４Ａに載り、もはや流動しなくなる。このため、この
上端部１４Ａに載り上げた粒状濾過材に付着した汚れを
効率的に除去することができず、十分な逆洗効果が得ら
れない。

【０００８】本発明は上記従来の問題点を解消し、十分
な逆洗効果を得ることができる浴槽用濾過器を提供する
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の浴槽用濾過器
は、上部に浴槽水の導入口を有し、下部に排出口を有し
たケ−スと、該ケ−ス内に配置され、該排出口に被さっ
ている多孔質濾過筒と、該多孔質濾過筒の外周面とケ−
ス内周面との間に充填された粒状濾過材とを備えてお
り、該粒状濾過材は、逆洗時に流動される浴槽用濾過器
において、該多孔質濾過筒の上端部に上方に向かって尖
る錐形状部を設けたことを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明の浴槽用濾過器は、多孔質濾過筒の上端
部を上方に向かって尖る錐形状部としたため、逆洗時に
流動する粒状濾過材は、この多孔質濾過筒の上端部に載
り上げることなく、この上端部の錐形状部の傾斜面に沿
う逆洗流により効率的に流動されて逆洗される。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明の浴槽用濾過器の一実施例
を示す断面図、図３は、図１に示す浴槽用濾過器の押え
部材の斜視図、図４は多孔質濾過筒の他の実施例を示す
斜視図である。

【００１３】図１において、１は上部ケ−ス、２は下部
ケ−ス、３は多孔質濾過材、４は粒状濾過材である。上
部ケ−ス１は上部に被濾過水である浴槽水導入口又は逆
洗排水排出口となる配管接続口１Ａを有し、下端周縁に
はフランジ１Ｂが設けられている略筒形状のものであ
り、下部ケ−ス２は下部に濾過水排出口又は逆洗水導入
口となる配管接続口２Ａを有し、上端周縁にはフランジ
２Ｂが設けられている略筒形状のものであり、両ケ−ス
１、２は、フランジ１Ｂ、２Ｂ同士が当接されてボルト
５Ａ、５Ｂで接続されることにより濾過器のケ−ス６を
構成している。

【００１４】このケ−ス６内には、多孔質セラミックス
等よりなる多孔質濾過筒３が、接続口２Ａに被さるよう
に同軸的に配置されており、この多孔質濾過筒３は上部
に設けられた押え部材７及び押え棒８により下部ケ−ス
２に固定されている。なお、９Ａ、９Ｂはパッキンであ
る。

【００１５】この多孔質濾過筒３と下部ケ−ス２との間
には粒状濾過材４が充填されている。

【００１６】本実施例においては、この押え部材７が図
３に示す如く、上方に尖る錐形状とされている。

【００１７】この濾過器では、濾過運転時にあっては、
配管接続口１Ａより被濾過水（浴槽水）を導入し、粒状
濾過材４及び多孔質濾過筒３で濾過処理し、処理水を配
管接続口２Ａより排出する。また、逆洗時にあっては、
配管接続口２Ａより逆洗水を導入し、多孔質濾過筒３、
粒状濾過材４を逆洗し、逆洗排水を配管接続口１Ａより
排出する。

【００１８】この逆洗にあたり、粒状濾過材４はケ−ス
６内で流動されるが、その際、押え部材７の錐形状の傾
斜面７Ａに沿う逆洗流Ｂにより効率的に流動、逆洗さ
れ、逆洗終了後は、この傾斜面７Ｂに沿って円滑に流下
し、多孔質濾過筒３の外周面とケ−ス６の内周面との間
に確実に沈積する。

【００１９】図１、３に示す浴槽用濾過器は、多孔質濾
過筒３とは別体の押え部材７を設け、この押え部材７を
錐形状としたものであるが、本発明においては、図４に
示す如く、多孔質濾過筒１０自体を上部１０Ａが錐形状
とされた筒形状のものとしても良い。このような多孔質
濾過筒１０であっても、十分な逆洗効果が得られ、逆洗
終了時には、粒状濾過材が上部１０Ａの錐形状の傾斜面
に沿って円滑に流下し、多孔質濾過筒１０の外周面とケ
−ス内周面との間に確実に沈積する。

【００２０】なお、図示の浴槽用濾過器は本発明の実施
例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図
示のものに限定されるものではない。例えば、ケ−ス形
状、多孔質濾過筒形状等において、他の様々な態様と際
用することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の浴槽用濾過
器によれば、粒状濾過材を効率的に流動、逆洗し、逆洗
終了時には、多孔質濾過筒外周面とケ−ス内周面との間
に確実に沈積させることができる。このため、十分に逆
洗され、濾過性能が良好に回復された粒状濾過材が効果
的に濾過に寄与するようになり、高い濾過効率にて常に
清浄度の高い濾過水を効率的に浴槽に供給することが可
能とされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の浴槽用濾過器の一実施例を示す断面図
である。

【図２】従来の浴槽用濾過器を示す断面図である。

【図３】図１に示す浴槽用濾過器の押え部材の斜視図で
ある。

【図４】多孔質濾過筒の他の実施例を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 上部ケ−ス ２ 下部ケ−ス ３、１０ 多孔質濾過筒 ４ 粒状濾過材 ６ ケ−ス ７ 押え部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 35/16 Ｂ０１Ｄ 29/38 ５１０Ｃ Ｆ２４Ｈ 9/00 ５２０Ｂ 29/10 ５１０Ｃ 29/08 ５２０Ａ ５３０Ａ ５４０Ａ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に浴槽水の導入口を有し、下部に排
   出口を有したケ−スと、該ケ−ス内に配置され、該排出
   口に被さっている多孔質濾過筒と、該多孔質濾過筒の外
   周面とケ−ス内周面との間に充填された粒状濾過材とを
   備えており、該粒状濾過材は、逆洗時に流動される浴槽
   用濾過器において、該多孔質濾過筒の上端部に上方に向
   かって尖る形状部を設けたことを特徴とする浴槽用濾過
   器。