JPH059044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は流体中の異物を濾過するフイルタに関
するものである。

［従来の技術］ 流体中の異物を濾過するフイルタは、定期的に
洗浄してフイルタエレメントの目詰りを解消する
必要がある。

従来、上記フイルタエレメントの洗浄は、濾過
剤の液体等の清浄な洗浄液を被濾過液の濾過方向
と逆方向に流す逆洗により行なつているが、洗浄
効果を高めるためには濾過面積に比例して瞬時に
大量の洗浄流体を供給する必要があるので、フイ
ルタエレメントの濾過面積を大きくとることが制
約されていた。このため、エレメントが短時間に
目詰りして頻繁な洗浄が必要になり、しかも清浄
な洗浄液の消費が多いという問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、濾過面積を大きくしても少い
量で、しかもフイルタエレメント内を流れる被濾
過流体によつて洗浄ができるフイルタを提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案のフイルタ
は、内部を流れる被濾過流体を濾過する複数のチ
ユーブ状フイルタエレメントと、これらのフイル
タエレメントの終端に設置した洗浄切換弁と、ド
レンタンクとを備え、上記洗浄切換弁には、各フ
イルタエレメントが接続されるエレメント接続口
を、ドレンタンクに開口するドレン排出口に、そ
れぞれ個別的に接続可能にした弁機構をもたせ、
その洗浄切換弁に、すべてのエレメント接続口と
ドレン排出口との連通を遮断する濾過用切換位置
と、複数のフイルタエレメントを個別にドレンタ
ンクに連通る洗浄切換位置をもたせたことを特徴
とするものである。

［作用］ 弁ロータをフイルタエレメントとドレンタンク
との連通をすべて遮断する濾過位置にして、フイ
ルタエレメント内に被濾過流体を供給すると、こ
れらのフイルタエレメントにより異物が濾過され
て、濾過された異物はフイルタエレメントの内側
に堆積する。

弁ロータをフイルタエレメントの１つとドレン
タンクが連通する洗浄位置に切換えると、洗浄位
置に切換わつたエレメント内に堆積した異物が、
該エレメント内を流れる被濾過流体により、引き
ずり出されるようにして洗い流されてドレンタン
クに排出されるので、フイルタエレメントの目詰
りが解消され、同様の操作によつて他のフイルタ
エレメントを順次洗浄することができる。

この場合、フイルタエレメントをチユーブ状と
したとにより濾過面積を大きくすることができ、
しかもフイルタエレメント内を流れる被濾過流体
で異物を洗浄できるので、清浄な流体で逆洗する
場合と異なり、濾過済の流体の無駄を少なくする
ことができる。

また、洗浄中以外のフイルタエレメントは、弁
ロータによつてドレンタンクとの連通が遮断され
ているので、エレメントの洗浄と流体の濾過とを
同時に行うことができる。

［実施例］ 第１図ないし第４図は本考案の実施例を示し、
この液体用フイルタ１は、フイルタ容器２と該容
器２に装着される濾過ユニツト３を備えている。

フイルタ容器２における円筒状の容器本体５
は、濾過ユニツト３で濾過された液体を排出する
排出管６を備え、カバー７，７の一方は、被濾過
液体の供給管８とドレン管９とを備えている。

上記濾過ユニツト３は、被濾過液体の導液管１
１、該導液管上方の集液室１２と下方のドレンタ
ンク１３、集液室１２とドレンタンク１３間の螺
旋状のフイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４
ｃ、及びドレンタンク１３内の洗浄切換弁１５を
備え、上記フイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，
１４ｃは、上端が集液室１２に、下端が洗浄切換
弁１５にそれぞれ連通し、中間部分は導液管１１
の径方向に設けたフレーム１６，…によつて支持
され、これらはユニツトとして一体に構成されて
いる。そして、上記濾過ユニツト３は、フイルタ
容器２に装着されると、導液管１１と供給管８及
びドレンタンク１３のドレン口１３ａとドレン管
９がそれぞれ液密に接続される。

上記フイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４
ｃ…は、長尺のチユーブ状濾材１８の外周にコア
１９を螺旋状に巻回したものとして構成されてお
り（第３図参照）、濾材１８は、化学繊維、合成
繊維、金網、ポーラスメタル、合成樹脂発泡体、
多孔質セラミツクス等で形成される。なお、フイ
ルタエレメントが３本に限定されるものでないこ
とは、いうまでもない。

第４図に詳細を示す洗浄切換弁１５は、弁本体
２１と弁ロータ２２を備え、弁本体２１は、上記
フイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４ｃが接
続されるエレメント接続口２３ａ，２３ｂ，２３
ｃ及びドレンタンク１３に開口するドレン排出口
２４を有し、弁ロータ２２は、上記エレメント接
続口２３ａ，２３ｂ，２３ｃとドレン排出口２４
に個別に対向する開口２５ａ，２５ｂ，２５ｃ、
と２６ａ，２６ｂ，２６ｃを有し、開口２５ａと
２６ａ，２５ｂと２６ｂ及び２５ｃと２６ｃは、
弁ロータ２２の径方向の反対側に開設され、開口
２６ａ，２６ｂ，２６ｃは同一円周上に間隔を置
いて開設されている。

したがつて、つまみ２２ａによつて弁ロータ２
２を回動すると、フイルタエレメント１４ａ，１
４ｂ，１４ｃを個別にドレンタンク１３に連通さ
せ、或いはこれらとドレンタンク１３との連通を
すべて遮断することができる。

上記実施例は、弁ロータ２２の回動によつて各
フイルタエレメントを順次ドレンタンク１３に連
通させるので、フイルタ容器４１に設置するフイ
ルタエレメントの数が弁ロータ２２の回動角度に
よつて制限されるが、各フイルタエレメントを螺
旋状としたことにより、エレメント全体の濾過面
積が可及的に大きくなるようにしている。

また、上記弁ロータ２２は、タイマー、或いは
適宜の信号で駆動する駆動装置によつて自動的に
間欠回転させることができ、このようにするとフ
イルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４ｃを定期
的かつ自動的に洗浄することができる。

次に、上記実施例の動作を説明する。

フイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４ｃと
ドレンタンク１３との連通を遮断して供給管８か
ら被濾過液体を供給すると、被濾過液体は導液管
１１、集液室１２を通つてフイルタエレメント１
４ａ，１４ｂ，１４ｃに流れ、これらのエレメン
トを通過中にチユーブ状の濾材１８によつて濾過
され、清浄になつた液体は排出管６から流出す
る。

フイルタエレメント１４ａを洗浄するときは、
弁ロータ２２を回動させて開口２５ａ，２６ａを
エレメント接続口２３ａとドレン排出口２４に連
通させると、フイルタエレメント１４ａがドレン
タンク１３に連通するので、該フイルタエレメン
ト１４ａ内を流れる被濾過液が、エレメント１４
ａ内に堆積したスラツジ等の異物を引きずり出す
ようにして洗い流してドレンタンク１３に排出さ
せ、同時に他のフイルタエレメント１４ｂ，１４
ｃによつて濾過された液体の一部が濾材１８を通
つてフイルタエレメント１４ａに流入し、これに
よつても異物が洗浄、排出され、洗浄切換弁１５
を切換えると、他のフイルタエレメント１４ｂ，
１４ｃを洗浄することができる。

上記フイルタエレメント１４ａ，１４ｂ，１４
ｃは、チユーブ状の濾材１８を螺旋状に巻回した
ことにより、被濾過液の流量に比べて濾過面積が
大きく、しかも洗浄時における洗浄液は、少い流
量で高速でかつ僅かに振動しながら流れるので、
洗浄液の使用量を最小限にすることができる。ま
た、洗浄中においても他のフイルタエレメントに
よつて濾過を行うことができる。

上記実施例は、被濾過液体を圧送する必要がな
い場合にはフイルタ容器２を省略することがで
き、また直接液面下に浸漬させても濾過すること
ができる。

［考案の効果］ 本考案のフイルタは、複数のチユーブ状のフイ
ルタエレメントによつて濾過を行うので、濾過面
積が大きくすることができる。

また、弁ロータの洗浄位置への切換えにより、
フイルタエレメント内の堆積した異物を、該フイ
ルタエレメント内を流れる被濾過流で洗い流して
ドレンタンクに排出させるので、フイルタの目詰
りを解消してその寿命を長くすることができるば
かりでなく、洗浄のための清浄な洗浄流体の消費
量を極めて少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部縦断正面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図はフイル
タエレメントの拡大詳細図、第４図は洗浄切換弁
の一部縦断拡大図である。 １３……ドレンタンク、１４ａ，１４ｂ，１４
ｃ……フイルタエレメント、１５……洗浄切換
弁、２２……弁ロータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部を流れる被濾過流体を濾過する複数のチユ
   ーブ状フイルタエレメントと、これらのフイルタ
   エレメントの終端に設置した洗浄切換弁と、ドレ
   ンタンクとを備え、 上記洗浄切換弁には、各フイルタエレメントが
   接続されるエレメント接続口を、ドレンタンクに
   開口するドレン排出口に、それぞれ個別的に接続
   可能にした弁機構をもたせ、 その洗浄切換弁に、すべてのエレメント接続口
   とドレン排出口との連通を遮断する濾過用切換位
   置と、複数のフイルタエレメントを個別にドレン
   タンクに連通る洗浄切換位置をもたせた、 ことを特徴とするフイルタ。