JP2001312084A - 電子写真方法、および電子写真装置と、それに用いる感光体 - Google Patents
電子写真方法、および電子写真装置と、それに用いる感光体Info
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- JP2001312084A JP2001312084A JP2000133531A JP2000133531A JP2001312084A JP 2001312084 A JP2001312084 A JP 2001312084A JP 2000133531 A JP2000133531 A JP 2000133531A JP 2000133531 A JP2000133531 A JP 2000133531A JP 2001312084 A JP2001312084 A JP 2001312084A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 サービスマンの作業によらなければ回復しな
い、感光体表面への融着や、付着物による画像流れなど
の画像不良をより効果的に防止することができる感光体
のクリーニング方法、およびその方法に適合する電子写
真装置の提供。 【解決手段】 円筒状導電性基体101上に、シリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層1
02、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,X
からなる第1の表面層103および少なくとも水素を含
むa−C:H,Xからなる第2の表面層104とから形
成される表面層を設けた感光体を用い、その感光体のク
リーニングにファーブラシを用いる方式を採用する電子
写真用装置とする。
い、感光体表面への融着や、付着物による画像流れなど
の画像不良をより効果的に防止することができる感光体
のクリーニング方法、およびその方法に適合する電子写
真装置の提供。 【解決手段】 円筒状導電性基体101上に、シリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層1
02、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,X
からなる第1の表面層103および少なくとも水素を含
むa−C:H,Xからなる第2の表面層104とから形
成される表面層を設けた感光体を用い、その感光体のク
リーニングにファーブラシを用いる方式を採用する電子
写真用装置とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に用
いる感光体表面のクリーニング方法に関し、より具体的
には、非単結晶シリコン系感光体表面に付着する種々の
汚れをファーブラシを用いて除去する方式のクリーニン
グ方法に関する。更には、本発明は、感光体表面に付着
する種々の汚れをファーブラシを用いて除去する方式の
クリーニング方法に適合する非単結晶シリコン系感光
体、ならびに、この感光体とファーブラシを用いるクリ
ーニング機構を具える電子写真装置、また、係る電子写
真装置を用いる電子写真方法に関する。特には、本発明
は、ファーブラシを用いたクリーニング方法を採用し、
感光体表面上の汚れを効果的に除去して、鮮明な画像品
質を長期間維持できる電子写真装置に関するものであ
る。
いる感光体表面のクリーニング方法に関し、より具体的
には、非単結晶シリコン系感光体表面に付着する種々の
汚れをファーブラシを用いて除去する方式のクリーニン
グ方法に関する。更には、本発明は、感光体表面に付着
する種々の汚れをファーブラシを用いて除去する方式の
クリーニング方法に適合する非単結晶シリコン系感光
体、ならびに、この感光体とファーブラシを用いるクリ
ーニング機構を具える電子写真装置、また、係る電子写
真装置を用いる電子写真方法に関する。特には、本発明
は、ファーブラシを用いたクリーニング方法を採用し、
感光体表面上の汚れを効果的に除去して、鮮明な画像品
質を長期間維持できる電子写真装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真システムは、複写
機、プリンター、Faxといった出力端末に利用されて
きたが、昨今、データ伝送のネットワーク化に対応し
て、複写機、プリンター、Faxの機能を兼ね備えた複
合機が市場で広く受け入れられるようになりつつある。
この複合機は、従来、3種の出力端末が分担していら画
像印刷を一括して行うので、単位期間、1台当たりの印
刷頻度(枚数)は一挙に増加している。それに伴い、前
記複合機においては、正常な稼動状態を維持するため
に、所定の印刷頻度(枚数)毎に行う総合的なメンテナ
ンスの時間間隔が相対的に短くなっている。この総合的
なメンテナンスは、専門のサービスマンによりなされる
ことが多く、例えば、電子写真装置の主要部材である感
光体表面に汚れが蓄積した結果起こる画像流れ、画像ぼ
けと称される画像不良など、専門のサービスマンによる
メンテナンス作業を要する不具合の解消などが行われ
る。このメンテナンスの間隔:Duty Cycle、すなわち、
装置が正常な動作を続ける印刷枚数の限界は、種々の要
因に依存するが、その主な要因の一つが、前記の感光体
表面の汚れ蓄積であり、具体的には、感光体表面上に現
像剤が固着する融着現象や付着物の広範な蓄積である。
機、プリンター、Faxといった出力端末に利用されて
きたが、昨今、データ伝送のネットワーク化に対応し
て、複写機、プリンター、Faxの機能を兼ね備えた複
合機が市場で広く受け入れられるようになりつつある。
この複合機は、従来、3種の出力端末が分担していら画
像印刷を一括して行うので、単位期間、1台当たりの印
刷頻度(枚数)は一挙に増加している。それに伴い、前
記複合機においては、正常な稼動状態を維持するため
に、所定の印刷頻度(枚数)毎に行う総合的なメンテナ
ンスの時間間隔が相対的に短くなっている。この総合的
なメンテナンスは、専門のサービスマンによりなされる
ことが多く、例えば、電子写真装置の主要部材である感
光体表面に汚れが蓄積した結果起こる画像流れ、画像ぼ
けと称される画像不良など、専門のサービスマンによる
メンテナンス作業を要する不具合の解消などが行われ
る。このメンテナンスの間隔:Duty Cycle、すなわち、
装置が正常な動作を続ける印刷枚数の限界は、種々の要
因に依存するが、その主な要因の一つが、前記の感光体
表面の汚れ蓄積であり、具体的には、感光体表面上に現
像剤が固着する融着現象や付着物の広範な蓄積である。
【0003】加えて、感光体自体の摩耗寿命も本質的な
要因ともなるため、感光体自体の長寿命化も進められ、
長寿命感光体として、非単結晶シリコン系感光体、具体
的には、アモリファスシリコン感光体(以降、a−Si
感光体と表記する)が利用されている。このa−Si感
光体は、硬度が大きく(JIS規格ビッカース硬度10
00Kg/m2以上)、また、耐摩耗性などの耐久性、
耐熱性、環境安定性にも優れているので、次第に多用さ
れてきており、特に、高信頼性を要求されている高速機
においては、不可欠のものとなってきている。
要因ともなるため、感光体自体の長寿命化も進められ、
長寿命感光体として、非単結晶シリコン系感光体、具体
的には、アモリファスシリコン感光体(以降、a−Si
感光体と表記する)が利用されている。このa−Si感
光体は、硬度が大きく(JIS規格ビッカース硬度10
00Kg/m2以上)、また、耐摩耗性などの耐久性、
耐熱性、環境安定性にも優れているので、次第に多用さ
れてきており、特に、高信頼性を要求されている高速機
においては、不可欠のものとなってきている。
【0004】a−Si感光体は、画像情報の露光に主に
関与する光導電層自体には、アモリファスシリコンが利
用されるが、その表面層には、非単結晶シリコン系の材
料や非単結晶炭素系の材料などを使用されている。この
表面層材料には、例えば、水素原子(H)及び/または
ハロゲン原子(X)を含有する非単結晶炭素(以降、a
−C:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て炭素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iC:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て酸素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iO:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て窒素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iN:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含
有する非単結晶シリコン(以降、a−SiCON:H,
Xと表記する)等の材料が主に用いられている。
関与する光導電層自体には、アモリファスシリコンが利
用されるが、その表面層には、非単結晶シリコン系の材
料や非単結晶炭素系の材料などを使用されている。この
表面層材料には、例えば、水素原子(H)及び/または
ハロゲン原子(X)を含有する非単結晶炭素(以降、a
−C:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て炭素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iC:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て酸素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iO:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て窒素原子を含有する非単結晶シリコン(以降、a−S
iN:H,Xと表記する)、水素原子(H)及び/また
はハロゲン原子(X)を含有し、主成分シリコンに加え
て炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含
有する非単結晶シリコン(以降、a−SiCON:H,
Xと表記する)等の材料が主に用いられている。
【0005】この種のa−Si感光体を用いる装置にお
いて、感光体表面に付着して画質に影響を及ぼすものに
は、先に述べた現像剤の融着がある。加えて、転写材と
して殆どの場合利用されている紙から発生する微細な紙
粉、これから析出する有機質成分、さらには、装置内高
圧部材の存在に起因して発生するコロナ生成物などが感
光体表面に付着した異物もある。これらの感光体表面上
の付着物は、特に高湿環境化において低抵抗化して、鮮
明な静電潜像の形成を妨げ、これが画質の劣化の招来す
る主な要因と考えられている。
いて、感光体表面に付着して画質に影響を及ぼすものに
は、先に述べた現像剤の融着がある。加えて、転写材と
して殆どの場合利用されている紙から発生する微細な紙
粉、これから析出する有機質成分、さらには、装置内高
圧部材の存在に起因して発生するコロナ生成物などが感
光体表面に付着した異物もある。これらの感光体表面上
の付着物は、特に高湿環境化において低抵抗化して、鮮
明な静電潜像の形成を妨げ、これが画質の劣化の招来す
る主な要因と考えられている。
【0006】こうした紙粉類の付着異物は、再生紙や非
木材パルプ紙を転写材に用いる際、発生量も多く、その
対応が急がれている。すなわち、社会的な要請として、
CO 2の低減、ならびに森林の保護は、世界基準として
明確に課せられた課題であり、資源の再利用を図るた
め、再生紙、非木材パルプ紙などの活用の動きが益々活
発化している。それに伴い、紙粉類の付着異物に起因す
る画質劣化が起こる頻度は今後さらに増すと予測され、
有効な対応策の提案が急務となっている。
木材パルプ紙を転写材に用いる際、発生量も多く、その
対応が急がれている。すなわち、社会的な要請として、
CO 2の低減、ならびに森林の保護は、世界基準として
明確に課せられた課題であり、資源の再利用を図るた
め、再生紙、非木材パルプ紙などの活用の動きが益々活
発化している。それに伴い、紙粉類の付着異物に起因す
る画質劣化が起こる頻度は今後さらに増すと予測され、
有効な対応策の提案が急務となっている。
【0007】上記のような、感光体表面に付着した現像
剤の融着や紙粉類の付着異物に由来する画像の劣化現象
は、シラン類のグロー放電分解によって成膜構成するa
−Si感光体を利用する電子写真装置において、より発
生しやすいことが知られている。感光体表面に残る現像
剤ならびに付着異物を抑制すために、例えば、非接触1
成分系磁性現像剤を使用する装置等では、主に転写後に
感光体表面に残留する現像剤を回収除去を目的とするク
リーニング装置内において、感光体の走行方向にみて、
クリーニングブレードの上流側にマグネットローラを配
設して、クリーニング装置に回収した現像剤の一部で、
磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを用いて前記付着
異物を除去する方法が提案されている。具体的には、回
収した磁性現像剤で形成した磁気ブラシを、感光体表面
に接触させて磁性現像剤を再供給し、下流側に位置する
クリーニングブレード部位において、再供給した現像剤
粒子による研磨作用によって、紙粉類のような各種異物
を摺擦除去するように構成したものが提案されている。
この現像剤粒子自体を研磨部材に利用する手段は、ウェ
ッブ、クリーナーに構成されたゴムローラ、スポンジロ
ーラ、あるいは転写ローラによる研磨効果など、別途に
用意した研磨部材で、感光体表面を摺擦する方式と比べ
ると、研磨作用が感光体表面で局所的に偏ることが少な
く、感光体表面の摩耗劣化も小さい。
剤の融着や紙粉類の付着異物に由来する画像の劣化現象
は、シラン類のグロー放電分解によって成膜構成するa
−Si感光体を利用する電子写真装置において、より発
生しやすいことが知られている。感光体表面に残る現像
剤ならびに付着異物を抑制すために、例えば、非接触1
成分系磁性現像剤を使用する装置等では、主に転写後に
感光体表面に残留する現像剤を回収除去を目的とするク
リーニング装置内において、感光体の走行方向にみて、
クリーニングブレードの上流側にマグネットローラを配
設して、クリーニング装置に回収した現像剤の一部で、
磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを用いて前記付着
異物を除去する方法が提案されている。具体的には、回
収した磁性現像剤で形成した磁気ブラシを、感光体表面
に接触させて磁性現像剤を再供給し、下流側に位置する
クリーニングブレード部位において、再供給した現像剤
粒子による研磨作用によって、紙粉類のような各種異物
を摺擦除去するように構成したものが提案されている。
この現像剤粒子自体を研磨部材に利用する手段は、ウェ
ッブ、クリーナーに構成されたゴムローラ、スポンジロ
ーラ、あるいは転写ローラによる研磨効果など、別途に
用意した研磨部材で、感光体表面を摺擦する方式と比べ
ると、研磨作用が感光体表面で局所的に偏ることが少な
く、感光体表面の摩耗劣化も小さい。
【0008】一方、定常的に、磁性現像剤が感光体との
摺擦にさらされるため、現像剤の構造、組成、物性が変
質し易く、現像剤の再生・再使用に対して、解決すべき
課題を残している。すなわち、使用済みコピー用紙を原
料とした再生紙と同じく、資源の再利用を目的として、
使用済み回収した現像剤の再生・再利用と、その再生過
程で取り除かれ、最終廃棄処分される廃現像剤量の極小
化が望まれるが、現像剤粒子自体を研磨部材に利用する
手段は、却って廃現像剤量を増す懸念が多いものであ
る。
摺擦にさらされるため、現像剤の構造、組成、物性が変
質し易く、現像剤の再生・再使用に対して、解決すべき
課題を残している。すなわち、使用済みコピー用紙を原
料とした再生紙と同じく、資源の再利用を目的として、
使用済み回収した現像剤の再生・再利用と、その再生過
程で取り除かれ、最終廃棄処分される廃現像剤量の極小
化が望まれるが、現像剤粒子自体を研磨部材に利用する
手段は、却って廃現像剤量を増す懸念が多いものであ
る。
【0009】上述する感光体表面を摺擦して、異物を除
去する方法に加えて、例えば、感光体にヒータを配設し
て、夜間、スタンバイ中も周辺の湿度を低下させて、付
着物の吸湿に由来する感光体表面の低抵抗化を防ぐなど
の付帯手段を併用することによって、高温・高湿条件
下、感光体表面に付着している異物などを原因とする画
像劣化の阻止に、一定の効果をあげている。通常、この
ような湿度除去に用いる余熱ヒータには、数Wから数十
Wの低電力のものが用いられているが、装置を使用して
いない間も消費される、いわゆる待機電力であり、一日
あるいは一ヶ月で合計すると、装置全体が消費する電力
のかなりの部分を占めるものとなってしまう。従って、
この湿度除去用ヒータを廃止し、待機電力の抑制を図る
ことが可能な装置構成の提案が待望されている。
去する方法に加えて、例えば、感光体にヒータを配設し
て、夜間、スタンバイ中も周辺の湿度を低下させて、付
着物の吸湿に由来する感光体表面の低抵抗化を防ぐなど
の付帯手段を併用することによって、高温・高湿条件
下、感光体表面に付着している異物などを原因とする画
像劣化の阻止に、一定の効果をあげている。通常、この
ような湿度除去に用いる余熱ヒータには、数Wから数十
Wの低電力のものが用いられているが、装置を使用して
いない間も消費される、いわゆる待機電力であり、一日
あるいは一ヶ月で合計すると、装置全体が消費する電力
のかなりの部分を占めるものとなってしまう。従って、
この湿度除去用ヒータを廃止し、待機電力の抑制を図る
ことが可能な装置構成の提案が待望されている。
【0010】以上に説明したように、電子写真装置、特
に、ネットワークを介してより多くの利用者が利用する
複合機では、その間利用が妨げられるメンテナンス頻度
を可能な限り抑えることが望まれる、すなわち、「Duty
Cycleの長期化」を図ることが望まれている。具体的に
は、使用に伴って蓄積する感光体表面の付着物などに由
来する画像不良が容易に発生しない電子写真装置の新た
な装置構成、なかでも、感光体の新たなクリーニング機
構が望まれている。その際、上で述べた従来の感光体ク
リーニング機構、例えば、回収した磁性現像剤で形成し
た磁気ブラシを利用するクリーニング法と湿度除去に用
いる余熱ヒータを併用する機構のように、待機時にも相
当の消費電力を必要としたり、再利用可能な現像剤粒子
の量を減少させたり、エコロジーの観点からは、必ずし
も好ましくない動作原理によらない手段が望ましいもの
である。加えて、感光体自体の摩耗劣化をより抑制で
き、今後益々増えるであろう、再生紙、非木材パルプ紙
などの活用にも十分適応できるクリーニング法が、電子
印刷装置全体の信頼性をより高めるために、望まれてい
る。
に、ネットワークを介してより多くの利用者が利用する
複合機では、その間利用が妨げられるメンテナンス頻度
を可能な限り抑えることが望まれる、すなわち、「Duty
Cycleの長期化」を図ることが望まれている。具体的に
は、使用に伴って蓄積する感光体表面の付着物などに由
来する画像不良が容易に発生しない電子写真装置の新た
な装置構成、なかでも、感光体の新たなクリーニング機
構が望まれている。その際、上で述べた従来の感光体ク
リーニング機構、例えば、回収した磁性現像剤で形成し
た磁気ブラシを利用するクリーニング法と湿度除去に用
いる余熱ヒータを併用する機構のように、待機時にも相
当の消費電力を必要としたり、再利用可能な現像剤粒子
の量を減少させたり、エコロジーの観点からは、必ずし
も好ましくない動作原理によらない手段が望ましいもの
である。加えて、感光体自体の摩耗劣化をより抑制で
き、今後益々増えるであろう、再生紙、非木材パルプ紙
などの活用にも十分適応できるクリーニング法が、電子
印刷装置全体の信頼性をより高めるために、望まれてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決するもので、すなわち、本発明の第1の目的は、
サービスマンの作業によらなければ回復しない、感光体
表面への融着や、付着物による画像流れなどの画像不良
をより有効に防止することができる、新たな感光体のク
リーニング方法、およびその方法に適合する電子写真装
置の提供にあり、同時に、第2の目的として、感光体の
クリーニングに伴い、再利用可能な消耗材例えば、磁性
現像剤などの不要な損傷・摩耗を増す懸念もなく、ま
た、電子写真装置が待機状態にある際にも消費される電
力の低減化を図ることが可能な感光体のクリーニング方
法、およびその方法に適合する電子写真装置を提供する
ことにある。
を解決するもので、すなわち、本発明の第1の目的は、
サービスマンの作業によらなければ回復しない、感光体
表面への融着や、付着物による画像流れなどの画像不良
をより有効に防止することができる、新たな感光体のク
リーニング方法、およびその方法に適合する電子写真装
置の提供にあり、同時に、第2の目的として、感光体の
クリーニングに伴い、再利用可能な消耗材例えば、磁性
現像剤などの不要な損傷・摩耗を増す懸念もなく、ま
た、電子写真装置が待機状態にある際にも消費される電
力の低減化を図ることが可能な感光体のクリーニング方
法、およびその方法に適合する電子写真装置を提供する
ことにある。
【0012】より具体的には、常時、感光体ドラムを保
温し、湿度上昇を防ぐ役割を持つ、ドラム加温ヒータを
必要とぜず、また、磁性現像剤で形成した磁気ブラシを
利用する方法のように、再利用可能な現像剤の摩耗・損
傷を可能な限り抑制できるなど、環境保護の観点上、省
エネルギー・省資源化が図られ、また、再生紙、非木材
パルプ紙などの使用にも対応する感光体のクリーニング
方法、およびその方法に適合する電子写真装置を提供す
ることにある。特には、カラー電子写真装置のように、
複数種の現像剤を使用し、または、中間トーンの描画頻
度が高い電子写真装置において、再利用可能な現像剤の
摩耗・損傷を可能な限り抑制でき、また、サービスマン
の作業によらなければ回復しない、感光体表面への融着
や、付着物による画像流れなどの画像不良をより効果的
に防止することができる感光体のクリーニング方法、お
よびその方法に適合する電子写真装置を提供することに
ある。
温し、湿度上昇を防ぐ役割を持つ、ドラム加温ヒータを
必要とぜず、また、磁性現像剤で形成した磁気ブラシを
利用する方法のように、再利用可能な現像剤の摩耗・損
傷を可能な限り抑制できるなど、環境保護の観点上、省
エネルギー・省資源化が図られ、また、再生紙、非木材
パルプ紙などの使用にも対応する感光体のクリーニング
方法、およびその方法に適合する電子写真装置を提供す
ることにある。特には、カラー電子写真装置のように、
複数種の現像剤を使用し、または、中間トーンの描画頻
度が高い電子写真装置において、再利用可能な現像剤の
摩耗・損傷を可能な限り抑制でき、また、サービスマン
の作業によらなければ回復しない、感光体表面への融着
や、付着物による画像流れなどの画像不良をより効果的
に防止することができる感光体のクリーニング方法、お
よびその方法に適合する電子写真装置を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究を進めるに際し、先ず、従来
の電子写真装置において見出されていた、画像流れ、画
像ぼけと称される画像劣化を引き起こす原因の再確認を
行った。
題を解決すべく、鋭意研究を進めるに際し、先ず、従来
の電子写真装置において見出されていた、画像流れ、画
像ぼけと称される画像劣化を引き起こす原因の再確認を
行った。
【0014】画像流れや画像ぼけを発生させる直接の要
因は、現像剤に加え、殆どの電子写真描画に利用されて
いる転写材であるコピー用紙から発生する微細な紙粉、
この紙粉から析出する有機質成分、さらには、装置内高
圧部材から高エネルギーでのコロナ放電時、生成する様
々な金属酸化物や有機酸化化合物、空気中の窒素が酸化
され硝酸イオン成分などが、感光体表面に付着する現象
である。この感光体表面に付着する種々の異物は、長期
間装置を動作する間に、感光体表面に薄膜(以降、フィ
ルミング膜と称す)を形成していく。このフィルミング
膜の形成がなされると、高湿環境下において、フィルミ
ング膜は吸湿し低抵抗化するため、感光体表面の帯電状
態を損ない、鮮明な静電潜像の形成を妨げる。これが、
画像流れや画像ぼけと称される画質劣化を起こす要因に
なっている。
因は、現像剤に加え、殆どの電子写真描画に利用されて
いる転写材であるコピー用紙から発生する微細な紙粉、
この紙粉から析出する有機質成分、さらには、装置内高
圧部材から高エネルギーでのコロナ放電時、生成する様
々な金属酸化物や有機酸化化合物、空気中の窒素が酸化
され硝酸イオン成分などが、感光体表面に付着する現象
である。この感光体表面に付着する種々の異物は、長期
間装置を動作する間に、感光体表面に薄膜(以降、フィ
ルミング膜と称す)を形成していく。このフィルミング
膜の形成がなされると、高湿環境下において、フィルミ
ング膜は吸湿し低抵抗化するため、感光体表面の帯電状
態を損ない、鮮明な静電潜像の形成を妨げる。これが、
画像流れや画像ぼけと称される画質劣化を起こす要因に
なっている。
【0015】本発明者らが実験的に確かめたところで
は、従来のa−SiC:H,X表面層を有するa−Si
感光体において、長期の使用に伴い形成されるフィルミ
ング膜層は、光学的手法によりその膜厚を測定したとこ
ろ、約1.0nm〜15nmであった。また、上記フィ
ルミング層の形成に伴い画像劣化が生じても、初期のう
ちは、感光体表面の乾拭き、水拭き、アルコール拭きを
施すのみで画像劣化が解消されていたが、使用期間が長
くなり、耐久が進行するに連れて、前記の拭き取りのみ
では、画像劣化が解消されなくなることが判明した。こ
のような状態にまで至った感光体表面は、例えば、粒子
径0.3μm〜2μm程度の酸化セリウム(CeO2)
などの砥粒をアルコールなどに分散させたもので、表面
の研磨を行わなければ、画像劣化が解消されないことも
判明した。この拭き取り除去が困難なフィルミング層の
形成は、特にドラムヒータを装着しない場合に顕著に発
生することも判明した。
は、従来のa−SiC:H,X表面層を有するa−Si
感光体において、長期の使用に伴い形成されるフィルミ
ング膜層は、光学的手法によりその膜厚を測定したとこ
ろ、約1.0nm〜15nmであった。また、上記フィ
ルミング層の形成に伴い画像劣化が生じても、初期のう
ちは、感光体表面の乾拭き、水拭き、アルコール拭きを
施すのみで画像劣化が解消されていたが、使用期間が長
くなり、耐久が進行するに連れて、前記の拭き取りのみ
では、画像劣化が解消されなくなることが判明した。こ
のような状態にまで至った感光体表面は、例えば、粒子
径0.3μm〜2μm程度の酸化セリウム(CeO2)
などの砥粒をアルコールなどに分散させたもので、表面
の研磨を行わなければ、画像劣化が解消されないことも
判明した。この拭き取り除去が困難なフィルミング層の
形成は、特にドラムヒータを装着しない場合に顕著に発
生することも判明した。
【0016】さらに本発明者らは、前記拭き取り除去が
困難なフィルミング層の形成を抑制する方策について、
鋭意検討を進めるべく、次の事項、(1)表面層材料の
変更、(2)表面層構成の変更、(3)表面層の表面形
状の検討、(4)表面層のクリーニング処理条件の検討
を行なった。
困難なフィルミング層の形成を抑制する方策について、
鋭意検討を進めるべく、次の事項、(1)表面層材料の
変更、(2)表面層構成の変更、(3)表面層の表面形
状の検討、(4)表面層のクリーニング処理条件の検討
を行なった。
【0017】(1)表面層材料の変更 複合機能を持つ電子写真装置は、上述のように複写機の
機能のみではなく、プリンターとしても頻繁に使用され
るようになり、フィーダ機能、ソーダ機能といったアプ
リケーションの充実も進み、一度のジョブが4000枚
以上の連続動作が可能となってきている。それに伴い、
例えば、50枚/A4のプリント速度の機種の場合、4
000枚以上の連続プリントでは、簡単に試算しても8
0分以上連続動作が行われることになる。このような連
続動作状況下では、感光体近傍の雰囲気温度は50℃近
くまで達し、従来型のクリーニングブレードと感光体と
の当接(ニップ)部では、50℃以上の温度に達してい
ると考えられる。この温度上昇のため、感光体上への現
像剤融着が発生する頻度がさらに多くなってしまってい
た。
機能のみではなく、プリンターとしても頻繁に使用され
るようになり、フィーダ機能、ソーダ機能といったアプ
リケーションの充実も進み、一度のジョブが4000枚
以上の連続動作が可能となってきている。それに伴い、
例えば、50枚/A4のプリント速度の機種の場合、4
000枚以上の連続プリントでは、簡単に試算しても8
0分以上連続動作が行われることになる。このような連
続動作状況下では、感光体近傍の雰囲気温度は50℃近
くまで達し、従来型のクリーニングブレードと感光体と
の当接(ニップ)部では、50℃以上の温度に達してい
ると考えられる。この温度上昇のため、感光体上への現
像剤融着が発生する頻度がさらに多くなってしまってい
た。
【0018】この温度上昇に起因する感光体上への現像
剤融着に対する対処法、特に表面層材料の検討を進め、
本発明者らは、感光体表面に、a−C:H,Xを主体と
する表面層を設け、さらにファーブラシクリーニングを
用いることで、防止されることを見出した。特に、表面
層の最上層には、潤滑性に富むa−C:H,X材料を用
いると、前記感光体上への現像剤融着抑制機能を果たす
上で、一層好ましい事も見出した。
剤融着に対する対処法、特に表面層材料の検討を進め、
本発明者らは、感光体表面に、a−C:H,Xを主体と
する表面層を設け、さらにファーブラシクリーニングを
用いることで、防止されることを見出した。特に、表面
層の最上層には、潤滑性に富むa−C:H,X材料を用
いると、前記感光体上への現像剤融着抑制機能を果たす
上で、一層好ましい事も見出した。
【0019】(2)表面層構成の変更 加えて、上述のように使用期間が長くなると、拭き取り
除去が困難なフィルミング層の形成が頻発することか
ら、耐久により、クリーニングブレードによる転写残現
像剤とドラム間の摩擦力が上がっていることが、本発明
者らによる実験で新たに見出された。フィルミング膜の
形成に際して、クリーニングブレードとドラム表面、転
写残現像剤とドラム表面の密着度、親和性が上昇し、摩
擦力を上昇させていることを見出した。
除去が困難なフィルミング層の形成が頻発することか
ら、耐久により、クリーニングブレードによる転写残現
像剤とドラム間の摩擦力が上がっていることが、本発明
者らによる実験で新たに見出された。フィルミング膜の
形成に際して、クリーニングブレードとドラム表面、転
写残現像剤とドラム表面の密着度、親和性が上昇し、摩
擦力を上昇させていることを見出した。
【0020】この摩擦力の上昇は、クリーニングのせん
断応力、現像剤間のせん断応力、ドラム表面近傍のせん
断応力が上昇することに由来すると考えられる。この摩
擦力上昇の緩和には、クリーニング方式の変更による改
善効果も大きいが、ドラム表面の密着度、親和性が上昇
し、摩擦力を上昇させているというドラム自体に起因す
る要素に対しては、感光体の表面層にa−C:H,X系
材料を用いる効果、具体的には、表面層構成を、第1の
表面層として、a−SiC:H,X表面層を設け、その
上面に、表面層の最上層(第2の表面層)として、a−
C:H,X表面層を設けるとより効果的であることを見
出した。加えて、前記a−C:H,X表面層の膜厚、な
らびに、第2の表面層、a−C:H,X表面層と第1の
表面層、a−SiC:H,X表面層の膜厚合計、すなわ
ち、表面層との合計膜厚を特定の範囲に管理すると、一
層好ましい効果が得られることを見出した。
断応力、現像剤間のせん断応力、ドラム表面近傍のせん
断応力が上昇することに由来すると考えられる。この摩
擦力上昇の緩和には、クリーニング方式の変更による改
善効果も大きいが、ドラム表面の密着度、親和性が上昇
し、摩擦力を上昇させているというドラム自体に起因す
る要素に対しては、感光体の表面層にa−C:H,X系
材料を用いる効果、具体的には、表面層構成を、第1の
表面層として、a−SiC:H,X表面層を設け、その
上面に、表面層の最上層(第2の表面層)として、a−
C:H,X表面層を設けるとより効果的であることを見
出した。加えて、前記a−C:H,X表面層の膜厚、な
らびに、第2の表面層、a−C:H,X表面層と第1の
表面層、a−SiC:H,X表面層の膜厚合計、すなわ
ち、表面層との合計膜厚を特定の範囲に管理すると、一
層好ましい効果が得られることを見出した。
【0021】(3)表面層の表面形状の検討 初期の感光体と、使用期間が長くなり、耐久後の感光体
表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察し、その比較
を行った。耐久後の感光体表面は、初期の感光体表面と
比べて、ほとんど平滑になっているように見えた。この
平滑化は、摩耗により生じていると考えられる。実際
に、耐久後の感光体表面を有機溶媒(MEK、ペルオキ
ソ二硫酸ナトリウム(Na2S2O8))により加熱もし
くは超音波洗浄を行い、フィルミング膜を全て除去し、
その前後で表面の粗さを測定した。その結果、感光体の
初期平均傾斜Δaに対応して、特に凹部のフィルミング
量が異なっており、感光体の初期平均傾斜Δaと画像流
れの発生頻度の間に相関があることを見出した。特に、
ドラムヒータを装着しない場合には、耐久によるフィル
ミング膜を初期から形成させない画像形成装置とするこ
とが望まれるが、その目的を達成する上では、感光体自
体の表面層の表面形状、例えば、初期平均傾斜Δaを指
標として表すことができる、表面粗さの疎密さを特定の
範囲内に維持することが有効であることを見出した。す
なわち、感光体自体、その作製時の表面層の表面形状
を、表面形状を示す指標である、平均傾斜Δaを特定の
範囲内に維持すると、上記する表面層の材料、構成を変
更して得られる作用をより効果的に発揮する上で好まし
いことが見出した。
表面をAFM(原子間力顕微鏡)にて観察し、その比較
を行った。耐久後の感光体表面は、初期の感光体表面と
比べて、ほとんど平滑になっているように見えた。この
平滑化は、摩耗により生じていると考えられる。実際
に、耐久後の感光体表面を有機溶媒(MEK、ペルオキ
ソ二硫酸ナトリウム(Na2S2O8))により加熱もし
くは超音波洗浄を行い、フィルミング膜を全て除去し、
その前後で表面の粗さを測定した。その結果、感光体の
初期平均傾斜Δaに対応して、特に凹部のフィルミング
量が異なっており、感光体の初期平均傾斜Δaと画像流
れの発生頻度の間に相関があることを見出した。特に、
ドラムヒータを装着しない場合には、耐久によるフィル
ミング膜を初期から形成させない画像形成装置とするこ
とが望まれるが、その目的を達成する上では、感光体自
体の表面層の表面形状、例えば、初期平均傾斜Δaを指
標として表すことができる、表面粗さの疎密さを特定の
範囲内に維持することが有効であることを見出した。す
なわち、感光体自体、その作製時の表面層の表面形状
を、表面形状を示す指標である、平均傾斜Δaを特定の
範囲内に維持すると、上記する表面層の材料、構成を変
更して得られる作用をより効果的に発揮する上で好まし
いことが見出した。
【0022】(4)表面層のクリーニング処理条件 加えて、従来利用されていた、ブレードクリーニング方
式では現像剤を強く摺擦させることになり、現像剤の組
成変質を起こし易い点も明らかにした。組成変質した現
像剤は、リユースが困難である。すなわち、ブレードク
リーニング方式では。クリーニング後の廃現像剤が多く
発生してしまう。反面、ブレードクリーニング方式の持
つ摺擦力の強さは、感光体表面に付着する紙粉や窒素酸
化物の掻き取りに良好な作用を示していた。このブレー
ドクリーニング方式の持つ摺擦力と同等の掻き取り効率
は、a−C:H,X表面層を採用する際、ファーブラシ
クリーニングを用い、特に、新規な層間化合物を含有す
るファーブラシ材質を用いることにより、得られること
を見出した。このファーブラシクリーニングと最上層の
a−C:H,X表面層とを組み合わせると、現像剤の組
成変質を抑え、現像剤のリユースを可能としつつ、画像
流れなどの画像劣化をさらに有効に防止できることを見
出した。
式では現像剤を強く摺擦させることになり、現像剤の組
成変質を起こし易い点も明らかにした。組成変質した現
像剤は、リユースが困難である。すなわち、ブレードク
リーニング方式では。クリーニング後の廃現像剤が多く
発生してしまう。反面、ブレードクリーニング方式の持
つ摺擦力の強さは、感光体表面に付着する紙粉や窒素酸
化物の掻き取りに良好な作用を示していた。このブレー
ドクリーニング方式の持つ摺擦力と同等の掻き取り効率
は、a−C:H,X表面層を採用する際、ファーブラシ
クリーニングを用い、特に、新規な層間化合物を含有す
るファーブラシ材質を用いることにより、得られること
を見出した。このファーブラシクリーニングと最上層の
a−C:H,X表面層とを組み合わせると、現像剤の組
成変質を抑え、現像剤のリユースを可能としつつ、画像
流れなどの画像劣化をさらに有効に防止できることを見
出した。
【0023】以上述べてきた本発明者らの研究結果に基
づき、感光体のクリーニングに、従来から広く用いられ
てきたファーブラシクリーニングシステムを利用し、そ
の際、a−Si感光体に新規な表面層を採用し、好まし
くは、ファーブラシにも新規な部材を用いることによっ
て、フィルミング膜の形成に起因する画像劣化の頻繁な
発生という根本的な課題を抜本的に解決することが可能
であることを見出し、本発明を完成するに至った。
づき、感光体のクリーニングに、従来から広く用いられ
てきたファーブラシクリーニングシステムを利用し、そ
の際、a−Si感光体に新規な表面層を採用し、好まし
くは、ファーブラシにも新規な部材を用いることによっ
て、フィルミング膜の形成に起因する画像劣化の頻繁な
発生という根本的な課題を抜本的に解決することが可能
であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0024】すなわち、本発明の電子写真方法は、電子
写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光体を回転させ
つつ、感光体表面を帯電する工程、潜像を形成する露光
工程後、現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を
現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記
転写後、前記感光体表面をクリーニングする工程から構
成される電子写真方法であって、前記感光体表面のクリ
ーニングは、ファーブラシを用いるファーブラシクリー
ニングによって行うとともに、前記感光体に、円筒状の
導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料
で構成される光導電層及び非単結晶材料で構成される表
面層を逐次積層してなる構造をとり、前記表面層は、前
記光導電層上に形成される、少なくとも水素と珪素を含
むa−SiC:H,Xからなる第1の表面層、および前
記第1の表面層の上に形成される、少なくとも水素を含
むa−C:H,Xからなる第2の表面層とから形成され
ている電子写真用感光体を使用することを特徴とする電
子写真方法である。好ましくは、前記画像形成に、負帯
電により画像を形成する方式を用い、また、前記表面層
の構成が、前記第1の表面層が水素及び/又はハロゲン
原子と珪素と周期律表第3B族(13族)に属する原子
を含むa−SiC:H,Xであり、前記第2の表面層が
水素及び/又はハロゲン原子を含むa−C:H,Xであ
る感光体を用いることを特徴とする方法である。
写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光体を回転させ
つつ、感光体表面を帯電する工程、潜像を形成する露光
工程後、現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を
現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記
転写後、前記感光体表面をクリーニングする工程から構
成される電子写真方法であって、前記感光体表面のクリ
ーニングは、ファーブラシを用いるファーブラシクリー
ニングによって行うとともに、前記感光体に、円筒状の
導電性基体上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料
で構成される光導電層及び非単結晶材料で構成される表
面層を逐次積層してなる構造をとり、前記表面層は、前
記光導電層上に形成される、少なくとも水素と珪素を含
むa−SiC:H,Xからなる第1の表面層、および前
記第1の表面層の上に形成される、少なくとも水素を含
むa−C:H,Xからなる第2の表面層とから形成され
ている電子写真用感光体を使用することを特徴とする電
子写真方法である。好ましくは、前記画像形成に、負帯
電により画像を形成する方式を用い、また、前記表面層
の構成が、前記第1の表面層が水素及び/又はハロゲン
原子と珪素と周期律表第3B族(13族)に属する原子
を含むa−SiC:H,Xであり、前記第2の表面層が
水素及び/又はハロゲン原子を含むa−C:H,Xであ
る感光体を用いることを特徴とする方法である。
【0025】また、本発明の電子写真方法においては、
前記表面層の構成として、前記第1の表面層と第2の表
面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μm)〜
0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、かつ、
表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.00001m
m(0.01μm)〜0.001mm(1μm)の厚さ
範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加えて、前
記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾
斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であって、前記
感光体表面に生成している表面異常成長突起部分の高さ
を5.0μm以下となるように、表面の研磨処理を施さ
れた感光体を用いるとより好ましい。
前記表面層の構成として、前記第1の表面層と第2の表
面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μm)〜
0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、かつ、
表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.00001m
m(0.01μm)〜0.001mm(1μm)の厚さ
範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加えて、前
記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾
斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であって、前記
感光体表面に生成している表面異常成長突起部分の高さ
を5.0μm以下となるように、表面の研磨処理を施さ
れた感光体を用いるとより好ましい。
【0026】また、本発明の電子写真方法においては、
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。
【0027】さらには、前記感光体表面のクリーニング
は、ファーブラシを用いるファーブラシクリーニングを
行うに際し、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードを
さらに設ける構成を用いるとなお好ましい。
は、ファーブラシを用いるファーブラシクリーニングを
行うに際し、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードを
さらに設ける構成を用いるとなお好ましい。
【0028】本発明は、上記する本発明の電子写真方法
において、専ら使用することができる電子写真用感光体
をも提供する。すなわち、本発明の電子写真用感光体
は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を母体とする
非単結晶材料で構成される光導電層及び非単結晶材料で
構成される表面層を逐次積層してなる構造をとり、前記
表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくとも水
素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる第1の表面
層、および前記第1の表面層の上に形成される、少なく
とも水素を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層と
から形成されていることを特徴とする電子写真用感光体
である。前記表面層の構成として、前記第1の表面層と
第2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2
μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択
し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.0
0001mm(0.01μm)〜0.001mm(1μ
m)の厚さ範囲に選択すると好ましい。加えて、前記感
光体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δ
aが0.06以上1.0以下の範囲であって、前記感光
体表面に生成している表面異常成長突起部分の高さを
5.0μm以下となるように、表面の研磨処理を施され
た感光体とすると好ましい。
において、専ら使用することができる電子写真用感光体
をも提供する。すなわち、本発明の電子写真用感光体
は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を母体とする
非単結晶材料で構成される光導電層及び非単結晶材料で
構成される表面層を逐次積層してなる構造をとり、前記
表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくとも水
素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる第1の表面
層、および前記第1の表面層の上に形成される、少なく
とも水素を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層と
から形成されていることを特徴とする電子写真用感光体
である。前記表面層の構成として、前記第1の表面層と
第2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2
μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択
し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.0
0001mm(0.01μm)〜0.001mm(1μ
m)の厚さ範囲に選択すると好ましい。加えて、前記感
光体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δ
aが0.06以上1.0以下の範囲であって、前記感光
体表面に生成している表面異常成長突起部分の高さを
5.0μm以下となるように、表面の研磨処理を施され
た感光体とすると好ましい。
【0029】従って、本発明の電子写真用感光体は、よ
り好ましくは、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少
なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる
第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形成され
る、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからなる第2
の表面層とから形成されており、前記表面層の構成とし
て、前記第1の表面層と第2の表面層の合計膜厚を、
0.0002mm(0.2μm)〜0.002mm(2
μm)の厚さ範囲に選択し、かつ、表面側の前記第2の
表面層の膜厚を、0.00001mm(0.01μm)
〜0.001mm(1μm)の厚さ範囲に選択し、ま
た、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施されていることを特徴とする電子写真用感光体で
ある。なお、前記光導電層は、前記導電性基体上に、前
記光導電層の下層として、シリコン原子を母体とする非
単結晶材料で構成される阻止層を有する構成とするとよ
い。特に、前記画像形成に、負帯電により画像を形成す
る方式を用いる際には、前記表面層の構成が、前記第1
の表面層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律
表第3B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:
H,Xであり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロ
ゲン原子を含むa−C:H,Xである感光体とすると好
ましい。また、前記阻止層には、少なくとも周期律表第
5B族(15族)に属する原子または炭素をふくむ非晶
質シリコンからなり、その膜厚を0.5μm〜10μm
の範囲に選択するとより好ましいものである。
り好ましくは、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少
なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる
第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形成され
る、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからなる第2
の表面層とから形成されており、前記表面層の構成とし
て、前記第1の表面層と第2の表面層の合計膜厚を、
0.0002mm(0.2μm)〜0.002mm(2
μm)の厚さ範囲に選択し、かつ、表面側の前記第2の
表面層の膜厚を、0.00001mm(0.01μm)
〜0.001mm(1μm)の厚さ範囲に選択し、ま
た、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施されていることを特徴とする電子写真用感光体で
ある。なお、前記光導電層は、前記導電性基体上に、前
記光導電層の下層として、シリコン原子を母体とする非
単結晶材料で構成される阻止層を有する構成とするとよ
い。特に、前記画像形成に、負帯電により画像を形成す
る方式を用いる際には、前記表面層の構成が、前記第1
の表面層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律
表第3B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:
H,Xであり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロ
ゲン原子を含むa−C:H,Xである感光体とすると好
ましい。また、前記阻止層には、少なくとも周期律表第
5B族(15族)に属する原子または炭素をふくむ非晶
質シリコンからなり、その膜厚を0.5μm〜10μm
の範囲に選択するとより好ましいものである。
【0030】加えて、本発明は、前記本発明の電子写真
用感光体をその構成部材とし、上記する本発明の電子写
真方法において、好適に使用することができる電子写真
装置をも提供する。すなわち、画像形成に、IAE法に
おいて正帯電により画像を形成する方式を用いる際に
は、本発明の電子写真装置は、電子写真用円筒状の感光
体を使用し、前記感光体を回転させつつ、感光体表面を
正に帯電する工程、潜像を形成するイメージ露光の工程
後、正帯電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像
を現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前
記転写後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工
程を実施する手段を具える電子写真装置であって、前記
感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリーニン
グによって行うための、少なくとも一つのファーブラシ
を具えるとともに、前記感光体は、円筒状の導電性基体
上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成され
る光導電層及び非単結晶材料で構成される表面層を逐次
積層してなる構造をとり、前記表面層は、前記光導電層
上に形成される、少なくとも水素と珪素を含むa−Si
C:H,Xからなる第1の表面層、および前記第1の表
面層の上に形成される、少なくとも水素を含むa−C:
H,Xからなる第2の表面層とから形成されている電子
写真用感光体であることを特徴とする電子写真装置であ
る。好ましくは、導電性基体上に、下部阻止層として、
非晶質シリコン層を設け、その上に、前記光導電層を形
成する。また、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜
10μmの範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリ
コン層として、少なくとも周期律表第3B族(13族)
に属する原子または炭素を含む非晶質シリコンを用いる
とよい。
用感光体をその構成部材とし、上記する本発明の電子写
真方法において、好適に使用することができる電子写真
装置をも提供する。すなわち、画像形成に、IAE法に
おいて正帯電により画像を形成する方式を用いる際に
は、本発明の電子写真装置は、電子写真用円筒状の感光
体を使用し、前記感光体を回転させつつ、感光体表面を
正に帯電する工程、潜像を形成するイメージ露光の工程
後、正帯電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像
を現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前
記転写後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工
程を実施する手段を具える電子写真装置であって、前記
感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリーニン
グによって行うための、少なくとも一つのファーブラシ
を具えるとともに、前記感光体は、円筒状の導電性基体
上にシリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成され
る光導電層及び非単結晶材料で構成される表面層を逐次
積層してなる構造をとり、前記表面層は、前記光導電層
上に形成される、少なくとも水素と珪素を含むa−Si
C:H,Xからなる第1の表面層、および前記第1の表
面層の上に形成される、少なくとも水素を含むa−C:
H,Xからなる第2の表面層とから形成されている電子
写真用感光体であることを特徴とする電子写真装置であ
る。好ましくは、導電性基体上に、下部阻止層として、
非晶質シリコン層を設け、その上に、前記光導電層を形
成する。また、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜
10μmの範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリ
コン層として、少なくとも周期律表第3B族(13族)
に属する原子または炭素を含む非晶質シリコンを用いる
とよい。
【0031】また、本発明の電子写真装置においては、
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
【0032】また、本発明の電子写真装置においては、
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
【0033】さらに、前記の正帯電により画像を形成す
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記正帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される正帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記正帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される正帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
【0034】一方、画像形成に、IAE法において負帯
電により画像を形成する方式を用いる際には、本発明の
電子写真装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、感光体表面を負に帯電する
工程、潜像を形成するイメージ露光の工程後、負帯電現
像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第5B族(15族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。さ
らに好ましくは、前記表面層の構成が、前記第1の表面
層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
であり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロゲン原
子を含むa−C:H,Xである感光体を用いる。
電により画像を形成する方式を用いる際には、本発明の
電子写真装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、感光体表面を負に帯電する
工程、潜像を形成するイメージ露光の工程後、負帯電現
像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第5B族(15族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。さ
らに好ましくは、前記表面層の構成が、前記第1の表面
層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
であり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロゲン原
子を含むa−C:H,Xである感光体を用いる。
【0035】また、本発明の電子写真装置においては、
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
【0036】また、負帯電により画像を形成する方式に
おいても、本発明の電子写真装置においては、前記ファ
ーブラシクリーニングに用いるファーブラシに、前記フ
ァーブラシを構成する繊維が、アニオン交換性層間化合
物を含有する繊維であるファーブラシを用いると好まし
い。さらには、前記アニオン交換性層間化合物が、ハイ
ドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3・4H2O
(R=Al、Cr、Fe)から選択される物質であると
より好ましく、なかでも、ハイドロタルサイト(Mg2
Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、一層好ま
しい。また、前記ファーブラシを構成する繊維自体は、
低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前記感光体
表面のクリーニングを行う手段において、前記ファーブ
ラシクリーニングに用いるファーブラシに加え、前記フ
ァーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設ける構成を
用いるとなお好ましい。
おいても、本発明の電子写真装置においては、前記ファ
ーブラシクリーニングに用いるファーブラシに、前記フ
ァーブラシを構成する繊維が、アニオン交換性層間化合
物を含有する繊維であるファーブラシを用いると好まし
い。さらには、前記アニオン交換性層間化合物が、ハイ
ドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3・4H2O
(R=Al、Cr、Fe)から選択される物質であると
より好ましく、なかでも、ハイドロタルサイト(Mg2
Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、一層好ま
しい。また、前記ファーブラシを構成する繊維自体は、
低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前記感光体
表面のクリーニングを行う手段において、前記ファーブ
ラシクリーニングに用いるファーブラシに加え、前記フ
ァーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設ける構成を
用いるとなお好ましい。
【0037】さらに、前記の負帯電により画像を形成す
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
【0038】さらには、BAE法において正帯電により
画像を形成する方式を用いる際には、本発明の電子写真
装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光
体を回転させつつ、感光体表面を正に帯電する工程、潜
像を形成するバックグランド露光の工程後、負帯電現像
剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第3B族(13族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。
画像を形成する方式を用いる際には、本発明の電子写真
装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光
体を回転させつつ、感光体表面を正に帯電する工程、潜
像を形成するバックグランド露光の工程後、負帯電現像
剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第3B族(13族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。
【0039】また、本発明の電子写真装置においては、
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
【0040】また、本発明の電子写真装置においては、
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
【0041】さらに、前記の正帯電により画像を形成す
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
【0042】さらには、BAE法において負帯電により
画像を形成する方式を用いる際には、本発明の電子写真
装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光
体を回転させつつ、感光体表面を負に帯電する工程、潜
像を形成するバックグランド露光の工程後、正帯電現像
剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第5B族(15族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。さ
らに好ましくは、前記表面層の構成が、前記第1の表面
層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
であり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロゲン原
子を含むa−C:H,Xである感光体を用いる。
画像を形成する方式を用いる際には、本発明の電子写真
装置は、電子写真用円筒状の感光体を使用し、前記感光
体を回転させつつ、感光体表面を負に帯電する工程、潜
像を形成するバックグランド露光の工程後、正帯電現像
剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像する工
程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写後、前
記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実施する
手段を具える電子写真装置であって、前記感光体表面の
クリーニングを、ファーブラシクリーニングによって行
うための、少なくとも一つのファーブラシを具えるとと
もに、前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン
原子を母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及
び非単結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる
構造をとり、前記表面層は、前記光導電層上に形成され
る、少なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xか
らなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形
成される、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからな
る第2の表面層とから形成されている電子写真用感光体
であることを特徴とする電子写真装置である。好ましく
は、導電性基体上に、下部阻止層として、非晶質シリコ
ン層を設け、その上に、前記光導電層を形成する。ま
た、前記下部阻止層の膜厚は、0.5μm〜10μmの
範囲に選択すると好ましく、その非晶質シリコン層とし
て、少なくとも周期律表第5B族(15族)に属する原
子または炭素を含む非晶質シリコンを用いるとよい。さ
らに好ましくは、前記表面層の構成が、前記第1の表面
層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
であり、前記第2の表面層が水素及び/又はハロゲン原
子を含むa−C:H,Xである感光体を用いる。
【0043】また、本発明の電子写真装置においては、
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
前記感光体表面層の構成として、前記第1の表面層と第
2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μ
m)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、
かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.000
01mm(0.01μm)〜0.001mm(1μm)
の厚さ範囲に選択する感光体を用いると好ましい。加え
て、前記感光体の表面形状として、前記第2の表面層の
平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範囲であっ
て、前記感光体表面に生成している表面異常成長突起部
分の高さを5.0μm以下となるように、表面の研磨処
理を施された感光体を用いるとより好ましい。
【0044】また、本発明の電子写真装置においては、
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
前記ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシ
に、前記ファーブラシを構成する繊維が、アニオン交換
性層間化合物を含有する繊維であるファーブラシを用い
ると好ましい。さらには、前記アニオン交換性層間化合
物が、ハイドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3
・4H2O(R=Al、Cr、Fe)から選択される物
質であるとより好ましく、なかでも、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)であると、
一層好ましい。また、前記ファーブラシを構成する繊維
自体は、低吸湿性部材であると好ましい。さらには、前
記感光体表面のクリーニングを行う手段において、前記
ファーブラシクリーニングに用いるファーブラシに加
え、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いるとなお好ましい。
【0045】さらに、前記の負帯電により画像を形成す
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記正帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される正帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
る方式を用いる際は、前記ファーブラシクリーニング工
程において、前記ファーブラシにより前記感光体表面か
ら除去される前記正帯電現像剤を回収する機構と、前記
回収される正帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部
を経由して、潜像を現像する工程を実施する手段である
現像器に戻す手段を具える構成とすることもできる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真方法は、上述す
る手段、すなわち、感光体表面層の最上層にa−C:
H,X表面層を設けることで、感光体表面への現像剤の
静電気的付着力を低減させ、加えてa−C:H,X表面
層自体が有する固体潤滑性の効果を利用して、転写後に
行う感光体表面のクリーニングを、ファーブラシによる
クリーニングにて行うことで、クリーニング時に感光体
表面の温度を、従来ブレードを当接する方式において達
していた温度より遥かに低く保つことができ、付着残留
している現像剤の融着現象を根本的に回避し、同時に、
良好なクリーニング効果を維持するものである。
る手段、すなわち、感光体表面層の最上層にa−C:
H,X表面層を設けることで、感光体表面への現像剤の
静電気的付着力を低減させ、加えてa−C:H,X表面
層自体が有する固体潤滑性の効果を利用して、転写後に
行う感光体表面のクリーニングを、ファーブラシによる
クリーニングにて行うことで、クリーニング時に感光体
表面の温度を、従来ブレードを当接する方式において達
していた温度より遥かに低く保つことができ、付着残留
している現像剤の融着現象を根本的に回避し、同時に、
良好なクリーニング効果を維持するものである。
【0047】前記の感光体表面層の作用をより具体的
に、以下に説明する。
に、以下に説明する。
【0048】(1)本発明において利用される感光体
は、光導電層となる、通常誘電率11程度のa−Si層
の上に、第1の表面層として、前記a−Si層より誘電
率が低い、例えば、誘電率4程度のa−SiC:H,X
表面層を積層し、さらに、最上層となる第2の表層層と
して、前記第1の表面層と同じ程度の誘電率、例えば、
誘電率4程度のa−C:H,X表面層を積層する構成と
されている。この最上層となるa−C:H,X表面層
は、光導電層と比較し、誘電率が低くされるので、転写
後、表面に残留している現像剤の静電気的付着力を低減
させる機能を持つ。加えて、クリーニング時に感光体表
面の摺擦を、従来のブレードに換えて、ファーブラシに
よりなされるので、感光体表面との動摩擦に伴う発熱を
低減することができる。
は、光導電層となる、通常誘電率11程度のa−Si層
の上に、第1の表面層として、前記a−Si層より誘電
率が低い、例えば、誘電率4程度のa−SiC:H,X
表面層を積層し、さらに、最上層となる第2の表層層と
して、前記第1の表面層と同じ程度の誘電率、例えば、
誘電率4程度のa−C:H,X表面層を積層する構成と
されている。この最上層となるa−C:H,X表面層
は、光導電層と比較し、誘電率が低くされるので、転写
後、表面に残留している現像剤の静電気的付着力を低減
させる機能を持つ。加えて、クリーニング時に感光体表
面の摺擦を、従来のブレードに換えて、ファーブラシに
よりなされるので、感光体表面との動摩擦に伴う発熱を
低減することができる。
【0049】上記の作用は、第1に、最上層に用いてい
るa−C:H,X表面層の有する固体潤滑性の効果に由
来して、動摩擦が低減されることを利用している。本発
明者らは、a−C:H,X表面層の具体的潤滑性、なら
びに、その潤滑性の高さに伴う、摩擦による発熱量の減
少ついては、以下の測定により評価した。具体的には、
動摩擦の評価装置は、図5に示すような構成をとってお
り、新東科学(株)製の動歪みアンプ「Heidon3
K−84A」、および動歪みゲージ「トライボギアHE
IDON−14]を改造した装置を使用した。また、発
熱量測定は、アンリツ社製 放射温度計THI−301
Lを使用し、感光体表面の温度を測定した。具体的に
は、前記動歪みゲージを改造し、バランスアーム先端部
に設置した。その際、前記動歪みゲージの先に、クリー
ニング機構の一部を、適宜な角度、距離で設置できる構
成とした。クリーニング機構の感光体への接触条件、特
に当接圧を変化させ、感光体を回転駆動させて、感光体
と設置したクリーニング機構の摩擦により生じる、感光
体回転方向の歪みを測定する。測定される回転方向の歪
みから摩擦力を算定し、前記IRセンサーで測定する表
面温度から発熱量を算定する。
るa−C:H,X表面層の有する固体潤滑性の効果に由
来して、動摩擦が低減されることを利用している。本発
明者らは、a−C:H,X表面層の具体的潤滑性、なら
びに、その潤滑性の高さに伴う、摩擦による発熱量の減
少ついては、以下の測定により評価した。具体的には、
動摩擦の評価装置は、図5に示すような構成をとってお
り、新東科学(株)製の動歪みアンプ「Heidon3
K−84A」、および動歪みゲージ「トライボギアHE
IDON−14]を改造した装置を使用した。また、発
熱量測定は、アンリツ社製 放射温度計THI−301
Lを使用し、感光体表面の温度を測定した。具体的に
は、前記動歪みゲージを改造し、バランスアーム先端部
に設置した。その際、前記動歪みゲージの先に、クリー
ニング機構の一部を、適宜な角度、距離で設置できる構
成とした。クリーニング機構の感光体への接触条件、特
に当接圧を変化させ、感光体を回転駆動させて、感光体
と設置したクリーニング機構の摩擦により生じる、感光
体回転方向の歪みを測定する。測定される回転方向の歪
みから摩擦力を算定し、前記IRセンサーで測定する表
面温度から発熱量を算定する。
【0050】その結果、最上層にa−C:H,X表面層
を設ける感光体では、動摩擦係数が、従来のa−Si
C:H,X表面層を用いる感光体に比べ30%も減少
し、それに伴い、発熱量も低下することが確認さられ
た。
を設ける感光体では、動摩擦係数が、従来のa−Si
C:H,X表面層を用いる感光体に比べ30%も減少
し、それに伴い、発熱量も低下することが確認さられ
た。
【0051】(2)加えて、例えば、表4に示すような
表面層の積層条件において作製した感光体とすると、こ
の感光体は、潜像を形成する際、表面を負帯電する構成
を取り、また、表面層は限定された膜厚に構成されてい
るが、その時、潜像を保持する層と、現像剤を保持する
層の機能分離が図られることになる。従って、表面層に
誘電率の低いa−C:H,X表面層を設けることに伴
う、前述の静電気的付着力の差に加え、潜像を保持する
層と現像剤を保持する層の機能分離により、帯電した現
像剤に対するクーロン力の差も生じることになる。この
双方の作用により、更に良好なクリーニング性が得ら
れ、結果として良質な画質の維持が得られていると考え
られる。
表面層の積層条件において作製した感光体とすると、こ
の感光体は、潜像を形成する際、表面を負帯電する構成
を取り、また、表面層は限定された膜厚に構成されてい
るが、その時、潜像を保持する層と、現像剤を保持する
層の機能分離が図られることになる。従って、表面層に
誘電率の低いa−C:H,X表面層を設けることに伴
う、前述の静電気的付着力の差に加え、潜像を保持する
層と現像剤を保持する層の機能分離により、帯電した現
像剤に対するクーロン力の差も生じることになる。この
双方の作用により、更に良好なクリーニング性が得ら
れ、結果として良質な画質の維持が得られていると考え
られる。
【0052】(3)さらに、好ましくは、a−Si感光
体の初期平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下とする
と、高湿化により表面抵抗が低下することが一層起こり
難くなり、画像流れに対しての信頼性がさらに向上す
る。
体の初期平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下とする
と、高湿化により表面抵抗が低下することが一層起こり
難くなり、画像流れに対しての信頼性がさらに向上す
る。
【0053】実際に、本発明者らは、様々な表面形状の
初期の感光体と、その耐久後の感光体表面をAFM(原
子間力顕微鏡)にて観察した。本願において、表面形状
の指標とする平均傾斜Δaは、例えば、AFM(原子間
力顕微鏡:Digital Instruments 社製NanoScopeIIIa Di
mension 3000/走査モード タッピングモード/走査範
囲20μm×20μm 探針 Siカンチレバー)測定
にて、感光体表面の形状を測定し、得られた3次元数値
を基に、図7に示す(株)小坂研究所製(1993年3
月製造)の表面粗さ測定器SE−3300の取扱説明書
第8章 「表面粗さの用語とパラメータの定義」8−
12項に記載の平均傾斜の定義に従って、表面形状の凹
凸の傾きを積分平均して算出した。その結果、耐久後の
感光体表面は、初期の表面に比べて、ほとんど平滑にな
っているように見えた。耐久後の感光体表面を有機溶媒
(MEK、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na2S
2O8))により超音波洗浄を行い、再度表面形状の測定
を行った。初期に、感光体表面の平均傾斜Δaが0.0
6以上1.0以下の範囲にあったものは、耐久後のドラ
ム表面について有機溶媒洗浄前後でも大きな形状の変化
も生じなかった。また、前記の範囲にある場合、耐久後
に画像流れの発生も見出せなかった。一方、初期に、感
光体表面の平均傾斜Δaが1.0を超えるものでは、耐
久後のドラム表面について有機溶媒洗浄前後で大きな形
状の変化が確認され、また、耐久に従い画像流れの発生
が生じる頻度が高いものであった。
初期の感光体と、その耐久後の感光体表面をAFM(原
子間力顕微鏡)にて観察した。本願において、表面形状
の指標とする平均傾斜Δaは、例えば、AFM(原子間
力顕微鏡:Digital Instruments 社製NanoScopeIIIa Di
mension 3000/走査モード タッピングモード/走査範
囲20μm×20μm 探針 Siカンチレバー)測定
にて、感光体表面の形状を測定し、得られた3次元数値
を基に、図7に示す(株)小坂研究所製(1993年3
月製造)の表面粗さ測定器SE−3300の取扱説明書
第8章 「表面粗さの用語とパラメータの定義」8−
12項に記載の平均傾斜の定義に従って、表面形状の凹
凸の傾きを積分平均して算出した。その結果、耐久後の
感光体表面は、初期の表面に比べて、ほとんど平滑にな
っているように見えた。耐久後の感光体表面を有機溶媒
(MEK、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na2S
2O8))により超音波洗浄を行い、再度表面形状の測定
を行った。初期に、感光体表面の平均傾斜Δaが0.0
6以上1.0以下の範囲にあったものは、耐久後のドラ
ム表面について有機溶媒洗浄前後でも大きな形状の変化
も生じなかった。また、前記の範囲にある場合、耐久後
に画像流れの発生も見出せなかった。一方、初期に、感
光体表面の平均傾斜Δaが1.0を超えるものでは、耐
久後のドラム表面について有機溶媒洗浄前後で大きな形
状の変化が確認され、また、耐久に従い画像流れの発生
が生じる頻度が高いものであった。
【0054】この現象は、感光体表面の平均傾斜Δaが
大きいと、感光体表面の凹部を埋めるようにフィルミン
グ膜が形成され、表面は平滑化されるが、この凹部を埋
めるフィルミング膜が、画像流れ誘因物質となってしま
うと考えられる。
大きいと、感光体表面の凹部を埋めるようにフィルミン
グ膜が形成され、表面は平滑化されるが、この凹部を埋
めるフィルミング膜が、画像流れ誘因物質となってしま
うと考えられる。
【0055】その他、a−Si感光体には、その成膜時
に基板の傷、ゴミを核として、直径が数μmから数百μ
m、高さが数μmから数十μmの異常成長突起部分が発
生する事がよく知られている。こうした異常突起は、前
述する表面の平滑性と次元を異にする大きな物である。
しかしながら、この異常突起を発端に、フィルミングや
現像剤の融着が発生する場合もある。本発明者らは、こ
うした付随的な現像剤融着の発生に関しては、表面突起
の高さを現像剤粒径とほぼ同一またはそれ以下、具体的
には、5μm以下とすると、最早、現像剤融着発生の発
端とならないことを解明した。すなわち、a−Si感光
体の表面硬度は高く、例えば、有機感光体で見出される
様な現像剤の感光体表面への埋め込まれが起こらず、極
端に大きな凹凸でなければ、現像剤融着を回避すること
が可能であることを、本発明者らは解明した。
に基板の傷、ゴミを核として、直径が数μmから数百μ
m、高さが数μmから数十μmの異常成長突起部分が発
生する事がよく知られている。こうした異常突起は、前
述する表面の平滑性と次元を異にする大きな物である。
しかしながら、この異常突起を発端に、フィルミングや
現像剤の融着が発生する場合もある。本発明者らは、こ
うした付随的な現像剤融着の発生に関しては、表面突起
の高さを現像剤粒径とほぼ同一またはそれ以下、具体的
には、5μm以下とすると、最早、現像剤融着発生の発
端とならないことを解明した。すなわち、a−Si感光
体の表面硬度は高く、例えば、有機感光体で見出される
様な現像剤の感光体表面への埋め込まれが起こらず、極
端に大きな凹凸でなければ、現像剤融着を回避すること
が可能であることを、本発明者らは解明した。
【0056】(4)本発明において利用するファーブラ
シクリーニング法によれば、ファーブラシのニップ幅を
増やしても、従来用いられているブレードクリーニング
程当接圧力は増加しない。従って、先に述べた最上層に
用いるa−C:H,X表面層の潤滑性と相俟って、スク
リーニングに伴う動摩擦に付随する発熱量の抑制を図る
作用を生じる。また、当接圧力が高くならないファーブ
ラシを用いるので、感光体表面に付着する紙粉や窒素酸
化物を、感光体表面に残留する現像剤と絡めて柔軟に除
去、回収することが可能となり、現像剤融着、フィルミ
ング膜の形成を防止していると考えられる。その結果、
画像流れなどの画像劣化の発生も抑制される。
シクリーニング法によれば、ファーブラシのニップ幅を
増やしても、従来用いられているブレードクリーニング
程当接圧力は増加しない。従って、先に述べた最上層に
用いるa−C:H,X表面層の潤滑性と相俟って、スク
リーニングに伴う動摩擦に付随する発熱量の抑制を図る
作用を生じる。また、当接圧力が高くならないファーブ
ラシを用いるので、感光体表面に付着する紙粉や窒素酸
化物を、感光体表面に残留する現像剤と絡めて柔軟に除
去、回収することが可能となり、現像剤融着、フィルミ
ング膜の形成を防止していると考えられる。その結果、
画像流れなどの画像劣化の発生も抑制される。
【0057】しかしながら、窒素酸化物などは揮発性が
あり、画像形成休止中にも感光体表面に付着するおそれ
がある。従来、陰イオン交換重合体として、具体的には
ポリスチレン、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、アク
リロニトリル−塩化ビニル樹脂を繊維形成基体とし、こ
れに第4級アンモニウム塩、第1級乃至第3級アミノ基
などのイオン交換基を導入したものが用いられていた。
特に、窒素酸化物の除去に関しては、a−Si感光体の
ように寿命の長い感光体を用いた際、Duty−Cyc
leの長い電子写真装置とするためには、従来の陰イオ
ン交換重合体では、その機能を全うできないことも少な
くない。一方、本発明において、ファーブラシに用いる
陰イオン交換重合体に、前記のアンモニウム塩やアミノ
基に換えて、アニオン交換性層間化合物を用いると、層
間化合物は耐候性、保存性に優れ、加えて硬度が高いこ
ともあり、本発明の効果をより高めるものとなる。すな
わち、長期に安定したアニオン交換性を示す上、層間化
合物自体の性質に伴う、機械的衝撃力の向上により、単
なる接触のみではなく、表面付着した窒素酸化物層に食
い込みながら、反応を進行させる作用を持ち、一層速や
かな除去を可能とするものと考えられる。
あり、画像形成休止中にも感光体表面に付着するおそれ
がある。従来、陰イオン交換重合体として、具体的には
ポリスチレン、オレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、アク
リロニトリル−塩化ビニル樹脂を繊維形成基体とし、こ
れに第4級アンモニウム塩、第1級乃至第3級アミノ基
などのイオン交換基を導入したものが用いられていた。
特に、窒素酸化物の除去に関しては、a−Si感光体の
ように寿命の長い感光体を用いた際、Duty−Cyc
leの長い電子写真装置とするためには、従来の陰イオ
ン交換重合体では、その機能を全うできないことも少な
くない。一方、本発明において、ファーブラシに用いる
陰イオン交換重合体に、前記のアンモニウム塩やアミノ
基に換えて、アニオン交換性層間化合物を用いると、層
間化合物は耐候性、保存性に優れ、加えて硬度が高いこ
ともあり、本発明の効果をより高めるものとなる。すな
わち、長期に安定したアニオン交換性を示す上、層間化
合物自体の性質に伴う、機械的衝撃力の向上により、単
なる接触のみではなく、表面付着した窒素酸化物層に食
い込みながら、反応を進行させる作用を持ち、一層速や
かな除去を可能とするものと考えられる。
【0058】以下、上述の本発明の作用・効果を達成す
る際、より好適な態様に関して、本発明の電子写真方
法、それに用いる感光体、クリーニング方式、画像形成
方式、電子写真装置の構成等のそれぞれを関連させつ
つ、図面を参照してより詳細に説明する。
る際、より好適な態様に関して、本発明の電子写真方
法、それに用いる感光体、クリーニング方式、画像形成
方式、電子写真装置の構成等のそれぞれを関連させつ
つ、図面を参照してより詳細に説明する。
【0059】(本発明の感光体)図1は、本発明の電子
写真用感光体の構成を説明する模式図である。感光体
は、円筒状の導電性基体101の上に、少なくとも水素
を含む非単結晶シリコンからなる光導電層102、珪素
を含むa−SiC:H,Xからなる第1の表面層10
3、a−C:H,Xからなる第2の表面層104が積層
された構造をとる。好ましくは。感光体の表面、すなわ
ち、第2の表面層104の表面平均傾斜Δaは0.06
以上1.0以下にの範囲に制御する。この表面形状は、
主に、最も膜厚の厚い光導電層102の作成条件に依存
する。従って、光導電層102の作成条件、具体的に
は、堆積スピード、放電パワー、原料ガス組成、希釈ガ
ス種等を制御することによって、表面形状について、表
面平均傾斜Δaを前記の好適な範囲に維持することが達
成される。なお、導電性基体101と光導電層102の
間に、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成さ
れる阻止層を有する構成とするとよい。この下部阻止層
は、露光に先立ち、感光体表面を帯電する際、帯電の極
性に応じて、n型不純物またはp型不純物を添加し、そ
の導電性を制御する。
写真用感光体の構成を説明する模式図である。感光体
は、円筒状の導電性基体101の上に、少なくとも水素
を含む非単結晶シリコンからなる光導電層102、珪素
を含むa−SiC:H,Xからなる第1の表面層10
3、a−C:H,Xからなる第2の表面層104が積層
された構造をとる。好ましくは。感光体の表面、すなわ
ち、第2の表面層104の表面平均傾斜Δaは0.06
以上1.0以下にの範囲に制御する。この表面形状は、
主に、最も膜厚の厚い光導電層102の作成条件に依存
する。従って、光導電層102の作成条件、具体的に
は、堆積スピード、放電パワー、原料ガス組成、希釈ガ
ス種等を制御することによって、表面形状について、表
面平均傾斜Δaを前記の好適な範囲に維持することが達
成される。なお、導電性基体101と光導電層102の
間に、シリコン原子を母体とする非単結晶材料で構成さ
れる阻止層を有する構成とするとよい。この下部阻止層
は、露光に先立ち、感光体表面を帯電する際、帯電の極
性に応じて、n型不純物またはp型不純物を添加し、そ
の導電性を制御する。
【0060】例えば、プラズマCVD装置を用いて、円
筒状導電性基体上に、表1の条件により、下部阻止層1
μmを、光導電層25μmを積層した後、表2の条件
で、第1の表面層となるa−SiC:H,X層0.6μ
mを、表3の条件で、第2の表面層となるa−C:H,
X層0.2μmを順次堆積し、a−Si感光体を作製す
ることができる。
筒状導電性基体上に、表1の条件により、下部阻止層1
μmを、光導電層25μmを積層した後、表2の条件
で、第1の表面層となるa−SiC:H,X層0.6μ
mを、表3の条件で、第2の表面層となるa−C:H,
X層0.2μmを順次堆積し、a−Si感光体を作製す
ることができる。
【0061】本発明の感光体において、第2の表面層た
用いられるa−C:H,X膜は、水素原子を適宜含有し
ていることが必要である。a−C:H,X膜の膜中に含
まれる水素原子の含有量を、好ましくは、H/(C+
H)で10atm%〜60atm%の範囲、より好ましくは、
20atm%〜40atm%の範囲に選択する。水素原子の含
有量が、10atm%に満たないと、a−C:H,X膜の
光学的バンドギャップが狭くなり、感光体の感度の点、
適さなくなる。また、水素原子の含有量が、60atm%
を超えると、硬度が低下し、削れが発生し易くなる。光
導電層にa−Siを用いる際には、a−C:H,X膜の
光学的バンドギャップは、一般に、1.2eV〜2.2
eV程度の範囲に選択すると、好適に用いることができ
る。なお、感度の点からは、 a−C:H,X膜の光学
的バンドギャップを、1.6eV以上の範囲にするとさ
らに好ましい。屈折率としては、1.8〜2.8程度の
範囲であれば、好適に用いられる。
用いられるa−C:H,X膜は、水素原子を適宜含有し
ていることが必要である。a−C:H,X膜の膜中に含
まれる水素原子の含有量を、好ましくは、H/(C+
H)で10atm%〜60atm%の範囲、より好ましくは、
20atm%〜40atm%の範囲に選択する。水素原子の含
有量が、10atm%に満たないと、a−C:H,X膜の
光学的バンドギャップが狭くなり、感光体の感度の点、
適さなくなる。また、水素原子の含有量が、60atm%
を超えると、硬度が低下し、削れが発生し易くなる。光
導電層にa−Siを用いる際には、a−C:H,X膜の
光学的バンドギャップは、一般に、1.2eV〜2.2
eV程度の範囲に選択すると、好適に用いることができ
る。なお、感度の点からは、 a−C:H,X膜の光学
的バンドギャップを、1.6eV以上の範囲にするとさ
らに好ましい。屈折率としては、1.8〜2.8程度の
範囲であれば、好適に用いられる。
【0062】この第2の表面層の膜厚は、100Å
(0.01μm)〜10000Å(1μm )、好まし
くは、500Å(0.05μm)〜5000Å(0.5
μm)の範囲とする。仮に、100Å(0.01μm)
に満たない、より薄い膜であると、摩耗により消滅する
など、十分な機械的強度を持つとは言えず、長期の信頼
性に問題を持つものとなる。10000Å(1μm)を
超えると、光導電層と感光体表面の間を隔ち過ぎること
となり、しだいに光感度の低下をもたらし、一般に好ま
しいものではない。
(0.01μm)〜10000Å(1μm )、好まし
くは、500Å(0.05μm)〜5000Å(0.5
μm)の範囲とする。仮に、100Å(0.01μm)
に満たない、より薄い膜であると、摩耗により消滅する
など、十分な機械的強度を持つとは言えず、長期の信頼
性に問題を持つものとなる。10000Å(1μm)を
超えると、光導電層と感光体表面の間を隔ち過ぎること
となり、しだいに光感度の低下をもたらし、一般に好ま
しいものではない。
【0063】さらに、本発明の感光体において、第1の
表面層であるa−SiC:H,X層103には、必要に
応じて伝導性を制御する原子を含有させるとよい。a−
SiC:H,X層103に含有させて、その伝導性を制
御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不
純物添加に用いる元素を挙げることができ、p型伝導特
性を与える際には、周期律表第3B族(13族)に属す
る原子を、あるいは、n型伝導特性を与える際には、周
期律表第5B族(15族)に属する原子をそれぞれ用い
ることができる。本発明の感光体において、第1の表面
層であるa−SiC:H,X層103中に含有される伝
導性を制御する原子の含有量は、その所望とする抵抗率
にしたがって適宜決定されるが、好ましくは、10〜1
×104原子ppm、より好ましくは、50〜5×103
原子ppm、特には、1×102〜1×103原子ppm
とすると、得られる抵抗率は望ましいものとなる。
表面層であるa−SiC:H,X層103には、必要に
応じて伝導性を制御する原子を含有させるとよい。a−
SiC:H,X層103に含有させて、その伝導性を制
御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不
純物添加に用いる元素を挙げることができ、p型伝導特
性を与える際には、周期律表第3B族(13族)に属す
る原子を、あるいは、n型伝導特性を与える際には、周
期律表第5B族(15族)に属する原子をそれぞれ用い
ることができる。本発明の感光体において、第1の表面
層であるa−SiC:H,X層103中に含有される伝
導性を制御する原子の含有量は、その所望とする抵抗率
にしたがって適宜決定されるが、好ましくは、10〜1
×104原子ppm、より好ましくは、50〜5×103
原子ppm、特には、1×102〜1×103原子ppm
とすると、得られる抵抗率は望ましいものとなる。
【0064】本発明の感光体において、第1の表面層で
あるa−SiC:H,X層103の膜厚は、通常、0.
01〜3μm、好ましくは、0.1〜2μm、より好ま
しくは、0.5〜1μmの範囲に選択すると望ましいも
のである。膜厚が0.01μmに満たない、より薄い膜
であると、電子写真用感光体を長期間使用する間に、摩
耗等の理由により表面層が失われてしまう懸念があり、
一方、3μmを超えると、残留電位の増加など、電子写
真特性の低下を引き起こす要因となることがままみられ
る。
あるa−SiC:H,X層103の膜厚は、通常、0.
01〜3μm、好ましくは、0.1〜2μm、より好ま
しくは、0.5〜1μmの範囲に選択すると望ましいも
のである。膜厚が0.01μmに満たない、より薄い膜
であると、電子写真用感光体を長期間使用する間に、摩
耗等の理由により表面層が失われてしまう懸念があり、
一方、3μmを超えると、残留電位の増加など、電子写
真特性の低下を引き起こす要因となることがままみられ
る。
【0065】なお、本発明の感光体において、第2の表
面層であるa−C:H,X層104には、必要に応じ
て、ハロゲン原子を含む組成としても良い。このハロゲ
ン原子には、離形性の向上の点から、フッ素を用いると
より好ましい。
面層であるa−C:H,X層104には、必要に応じ
て、ハロゲン原子を含む組成としても良い。このハロゲ
ン原子には、離形性の向上の点から、フッ素を用いると
より好ましい。
【0066】また、上記の各膜を堆積する際、基板温度
は、室温から350℃までの範囲内に調整されるが、あ
まり、基板温度が高過ぎるとバンドギャップが低下し
て、また透明度が低下するため、低めの温度に設定し
て、膜形成を行うのが好ましい。
は、室温から350℃までの範囲内に調整されるが、あ
まり、基板温度が高過ぎるとバンドギャップが低下し
て、また透明度が低下するため、低めの温度に設定し
て、膜形成を行うのが好ましい。
【0067】これら光受容部材の堆積は、プラズマCV
D法による公知の手法を用いてかまわないが、ただし、
高周波電力については、出来るだけ高い電力を用いる方
が炭化水素の分解が充分に進むため好ましい。具体的に
は、a−SiC:H,X層103ならびにa−C:H,
X層104の形成に用いる、炭化水素の原料ガスに対し
て、高周波電力を5W/cc以上とすると好ましい。な
お、高周波電力が、あまり高くなると異常放電が発生し
てしまい、電子写真用感光体の特性を劣化させることが
多いので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必
要がある。
D法による公知の手法を用いてかまわないが、ただし、
高周波電力については、出来るだけ高い電力を用いる方
が炭化水素の分解が充分に進むため好ましい。具体的に
は、a−SiC:H,X層103ならびにa−C:H,
X層104の形成に用いる、炭化水素の原料ガスに対し
て、高周波電力を5W/cc以上とすると好ましい。な
お、高周波電力が、あまり高くなると異常放電が発生し
てしまい、電子写真用感光体の特性を劣化させることが
多いので、異常放電が発生しない程度の電力に抑える必
要がある。
【0068】放電空間の圧力については、炭化水素のよ
うに分解されにくい原料ガスを用いて成膜する場合に
は、気相中において分解種同士の衝突が生じると、ポリ
マーを形成し易いため、比較的高真空で堆積を行うこと
が望ましい。通常のRF電力(代表的には、周波数1
3.56MHz)を用いる場合には、反応室圧力を1
3.3Pa〜1330Pa、VHF帯(代表的には、周
波数50MHz〜450MHz)を用いる場合には、反
応室圧力を13.3mPa〜13.3Pa程度の範囲に
設定して、一定圧に保たれる条件とするとよい。
うに分解されにくい原料ガスを用いて成膜する場合に
は、気相中において分解種同士の衝突が生じると、ポリ
マーを形成し易いため、比較的高真空で堆積を行うこと
が望ましい。通常のRF電力(代表的には、周波数1
3.56MHz)を用いる場合には、反応室圧力を1
3.3Pa〜1330Pa、VHF帯(代表的には、周
波数50MHz〜450MHz)を用いる場合には、反
応室圧力を13.3mPa〜13.3Pa程度の範囲に
設定して、一定圧に保たれる条件とするとよい。
【0069】作製された感光体は、その表面に異常成長
突起が発生することがあるが、その際には、必要に応じ
て、例えば、特許2047474号(特公平7−077
702号公報)記載のような感光体表面処理方法によ
り、異常成長突起をRmax5μm以下に研磨処理した
ものを使用すると好ましい。
突起が発生することがあるが、その際には、必要に応じ
て、例えば、特許2047474号(特公平7−077
702号公報)記載のような感光体表面処理方法によ
り、異常成長突起をRmax5μm以下に研磨処理した
ものを使用すると好ましい。
【0070】(本発明の感光体に用いる表面層構成)本
発明は、第1の表面層であるa−SiC:H,X層10
3と、第2の表面層であるa−C:H,X層104を積
層する表面層構成によって、既に述べているように、特
段の効果を発するものである。
発明は、第1の表面層であるa−SiC:H,X層10
3と、第2の表面層であるa−C:H,X層104を積
層する表面層構成によって、既に述べているように、特
段の効果を発するものである。
【0071】更に、前述の表面層を、潜像保持層と顕像
保持層が機能分離できる構成とするとより好ましい。す
なわち、負帯電により画像形成を行なう際、第2の表面
層の水素及び/又はハロゲン原子を含むa−C:H,X
の下層である、第1の表面層のa−SiC:H,X層
を、水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
とすると、新たに格別の効果が付与されることを、本発
明者らは確認した。具体的には、例えば、表4の条件で
作成される感光体、n型不純物のPを添加したa−Si
からなる下部阻止層、ならびにp型不純物のBを添加し
たa−SiC:H,Xからなる第一の表面層を含む構成
を用いることにより、高湿時の画像流れが著しく向上し
た。
保持層が機能分離できる構成とするとより好ましい。す
なわち、負帯電により画像形成を行なう際、第2の表面
層の水素及び/又はハロゲン原子を含むa−C:H,X
の下層である、第1の表面層のa−SiC:H,X層
を、水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期律表第3
B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,X
とすると、新たに格別の効果が付与されることを、本発
明者らは確認した。具体的には、例えば、表4の条件で
作成される感光体、n型不純物のPを添加したa−Si
からなる下部阻止層、ならびにp型不純物のBを添加し
たa−SiC:H,Xからなる第一の表面層を含む構成
を用いることにより、高湿時の画像流れが著しく向上し
た。
【0072】特許2,722,093号公報には、負帯
電感光体であって、光導電層の上にa−SiC表面層を
積層し、表面のクリーニング性を向上させ、ドラム加熱
用ヒータを不要とする構成について開示がなされ、加え
て、そのa−SiC表面層の膜厚について、限定的な効
果が開示されている。本発明の感光体に用いる表面層構
成は、第1の表面層であるa−SiC層に加えて、最上
層として、第2の表面層としてa−C:H,Xからなる
層を用いる点に特徴を持ち、本発明の効果は、この組み
合わせに伴い、初めて発揮されるものである。この点を
示唆する開示は、前記の特許2,722,093号公報
にはなく、また、最上層として、第2の表面層としてa
−C:H,Xからなる層を用いることと、ファーブラシ
クリーニングシステムとの組み合わせにより、特段の効
果が得られることを想定させる開示も無い。
電感光体であって、光導電層の上にa−SiC表面層を
積層し、表面のクリーニング性を向上させ、ドラム加熱
用ヒータを不要とする構成について開示がなされ、加え
て、そのa−SiC表面層の膜厚について、限定的な効
果が開示されている。本発明の感光体に用いる表面層構
成は、第1の表面層であるa−SiC層に加えて、最上
層として、第2の表面層としてa−C:H,Xからなる
層を用いる点に特徴を持ち、本発明の効果は、この組み
合わせに伴い、初めて発揮されるものである。この点を
示唆する開示は、前記の特許2,722,093号公報
にはなく、また、最上層として、第2の表面層としてa
−C:H,Xからなる層を用いることと、ファーブラシ
クリーニングシステムとの組み合わせにより、特段の効
果が得られることを想定させる開示も無い。
【0073】(本発明に用いた現像剤)本発明の電子写
真方法に用いられる現像剤は、公知の手法において、利
用されている現像剤でかまわないが、特に、特開平09
−269685号公報や特開平08−240925号公
報に開示される離形性の良好な現像剤を用いると、本発
明によるクリーニング性能の向上効果を更に高めるもの
となり、より好ましい。
真方法に用いられる現像剤は、公知の手法において、利
用されている現像剤でかまわないが、特に、特開平09
−269685号公報や特開平08−240925号公
報に開示される離形性の良好な現像剤を用いると、本発
明によるクリーニング性能の向上効果を更に高めるもの
となり、より好ましい。
【0074】具体的に、一例を挙げると、現像剤は、ま
ず磁性紛には、八面体平均粒径0.18μmを使用す
る。正帯電性現像剤とする際には、その平均粒径は約
6.5μmとし、主なバインダーは、スチレン−アクリ
ル共重合体を用いる。前記磁性体約100重量部に対し
て、外添剤として、無機粉末であるシリカ0.5重量部
を使用し、前記バインダーを利用して成粒し、ガラス転
移点約60℃の1成分磁性現像剤が用いられる。この現
像剤は、現像スリーブ17上の電荷量は、+3〜+12
(μC/g)、コート量は0.6〜1.3mg/cm2
となる。
ず磁性紛には、八面体平均粒径0.18μmを使用す
る。正帯電性現像剤とする際には、その平均粒径は約
6.5μmとし、主なバインダーは、スチレン−アクリ
ル共重合体を用いる。前記磁性体約100重量部に対し
て、外添剤として、無機粉末であるシリカ0.5重量部
を使用し、前記バインダーを利用して成粒し、ガラス転
移点約60℃の1成分磁性現像剤が用いられる。この現
像剤は、現像スリーブ17上の電荷量は、+3〜+12
(μC/g)、コート量は0.6〜1.3mg/cm2
となる。
【0075】(本発明に用いるファーブラシ材質)一般
に、ファーブラシ部材は、レーヨン、ナイロン、アクリ
ル、ポリエステル、ポリイミド等の樹脂を主成分とし、
必要に応じて、ハイドロタルサイト(Mg 2Al2(O
H)16CO3・4H2O)を配合したものを多数本束ねた
もの、あるいは、レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリ
エステル、ポリイミド等の樹脂を主成分とし、炭素粒
子、金属粉、フェノール樹脂等を炭化させたもの、ある
いはステンレスファイバー等の導電性のものが分散され
た導電性の人工繊維、必要に応じて、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)を配合した
ものを多数本束ねたものは、好適に用いることができ
る。人工繊維は、例えば上記樹脂の液中に炭素粒子など
の導電性粒子を適量分散したものを、ノズル状の抽出口
から抽出することにより作製することができる。導電性
の繊維については、接地したり、直流バイアスを印加し
てもよい。
に、ファーブラシ部材は、レーヨン、ナイロン、アクリ
ル、ポリエステル、ポリイミド等の樹脂を主成分とし、
必要に応じて、ハイドロタルサイト(Mg 2Al2(O
H)16CO3・4H2O)を配合したものを多数本束ねた
もの、あるいは、レーヨン、ナイロン、アクリル、ポリ
エステル、ポリイミド等の樹脂を主成分とし、炭素粒
子、金属粉、フェノール樹脂等を炭化させたもの、ある
いはステンレスファイバー等の導電性のものが分散され
た導電性の人工繊維、必要に応じて、ハイドロタルサイ
ト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)を配合した
ものを多数本束ねたものは、好適に用いることができ
る。人工繊維は、例えば上記樹脂の液中に炭素粒子など
の導電性粒子を適量分散したものを、ノズル状の抽出口
から抽出することにより作製することができる。導電性
の繊維については、接地したり、直流バイアスを印加し
てもよい。
【0076】この導電性人工繊維の体積抵抗は、上記炭
素粒子などの導電性粒子分散量を変えることにより、広
い範囲で自由に選択できる。また、人工繊維の太さ及び
断面形状は、上記ノズルの抽出口の径及び形状に応じて
適宜変えることができる。本発明に用いるファーブラシ
は、用いる繊維は3〜50デニールの範囲とし、その密
度を4万〜10万/平方インチとすると好適である。
素粒子などの導電性粒子分散量を変えることにより、広
い範囲で自由に選択できる。また、人工繊維の太さ及び
断面形状は、上記ノズルの抽出口の径及び形状に応じて
適宜変えることができる。本発明に用いるファーブラシ
は、用いる繊維は3〜50デニールの範囲とし、その密
度を4万〜10万/平方インチとすると好適である。
【0077】これらの導電性繊維を導電性接着剤で片端
を固着して円筒状ブラシに形成し、更に、鋼製丸棒にメ
ッキを施した支持軸に巻き付けファーブラシを形成す
る。
を固着して円筒状ブラシに形成し、更に、鋼製丸棒にメ
ッキを施した支持軸に巻き付けファーブラシを形成す
る。
【0078】現像剤が負帯電性である場合には、繊維は
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標)樹脂)、ポリイ
ミド樹脂や負極性に帯電しやすいものを用いると好まし
い。現像剤が正帯電性である場合には、繊維はウレタン
樹脂、ポリアミド、ナイロンや正極性に帯電しやすいも
のを用いると好ましい。
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フ
ッ素樹脂(例えばテフロン(登録商標)樹脂)、ポリイ
ミド樹脂や負極性に帯電しやすいものを用いると好まし
い。現像剤が正帯電性である場合には、繊維はウレタン
樹脂、ポリアミド、ナイロンや正極性に帯電しやすいも
のを用いると好ましい。
【0079】また、現像剤の帯電性を調整するために繊
維中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、ジルコ
ニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、炭素ブラックなど、一
般に、現像剤に用いられる荷電制御剤等を含有させるこ
とも好ましい。
維中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、ジルコ
ニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、炭素ブラックなど、一
般に、現像剤に用いられる荷電制御剤等を含有させるこ
とも好ましい。
【0080】さらに、感光体表面に付着するオゾン生成
物を除去するために、ファーブラシクリーニングブラシ
にモース硬度(10段階表示)1.5〜3.0程度の強
度、pH8.0〜10.0の含水炭酸塩鉱物の様な層間
化合物粉体を配合させた繊維を用いることにより、表面
付着物の効果的な掻き取りがなされる。加えて、前記含
水炭酸塩鉱物の様な層間化合物を用いると、含水炭酸塩
鉱物が感光体表面に付着する硝酸イオンと炭酸イオンを
アニオン交換して硝酸イオンを無害化し、画像流れを解
消させる。このアニオン交換性層間化合物として、ハイ
ドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3・4H2O
(R=Al、Cr、Fe)が好ましく、なかでもハイド
ロタルサイト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)
を用いるとより好ましい。
物を除去するために、ファーブラシクリーニングブラシ
にモース硬度(10段階表示)1.5〜3.0程度の強
度、pH8.0〜10.0の含水炭酸塩鉱物の様な層間
化合物粉体を配合させた繊維を用いることにより、表面
付着物の効果的な掻き取りがなされる。加えて、前記含
水炭酸塩鉱物の様な層間化合物を用いると、含水炭酸塩
鉱物が感光体表面に付着する硝酸イオンと炭酸イオンを
アニオン交換して硝酸イオンを無害化し、画像流れを解
消させる。このアニオン交換性層間化合物として、ハイ
ドロタルク石群(Mg2R2(OH)16CO3・4H2O
(R=Al、Cr、Fe)が好ましく、なかでもハイド
ロタルサイト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H2O)
を用いるとより好ましい。
【0081】例えば、特開平5−181398号公報に
は、従来の感光体について、硝酸イオンの除去を目的と
して、ファーブラシに陰イオン交換性繊維を用いること
が開示されている。
は、従来の感光体について、硝酸イオンの除去を目的と
して、ファーブラシに陰イオン交換性繊維を用いること
が開示されている。
【0082】一方、現在広く用いられているレーヨン系
のファーブラシは、繊維自体の性質に由来して吸湿性が
高く、例えば、電子写真装置の休止時に対向する感光体
に水分を供与してしまう現象が稀に見られる。本発明に
おいては、可能な限りこうした水分供与が起こらない構
成を取ることが望ましい。具体的には、ファーブラシの
繊維に、水分吸着の少ない材質を用いたり、疎水化処理
を施したり、ブラシ作製時に十分に脱水させる工程を取
ることにより、ファーブラシから感光体表面への水分供
与の抑制が達成される。水分は、ブラシ繊維、接着剤、
粘着テープのいずれからも発生するため、ファーブラシ
の良否を予め判定する際には、ファーブラシ全体をポリ
袋に入れ、50℃程度に加温して、ポリ袋内の湿度を調
べる方法が簡便であり、この判定は、実際のファーブラ
シから感光体表面への水分供与現象との対応もよい。
のファーブラシは、繊維自体の性質に由来して吸湿性が
高く、例えば、電子写真装置の休止時に対向する感光体
に水分を供与してしまう現象が稀に見られる。本発明に
おいては、可能な限りこうした水分供与が起こらない構
成を取ることが望ましい。具体的には、ファーブラシの
繊維に、水分吸着の少ない材質を用いたり、疎水化処理
を施したり、ブラシ作製時に十分に脱水させる工程を取
ることにより、ファーブラシから感光体表面への水分供
与の抑制が達成される。水分は、ブラシ繊維、接着剤、
粘着テープのいずれからも発生するため、ファーブラシ
の良否を予め判定する際には、ファーブラシ全体をポリ
袋に入れ、50℃程度に加温して、ポリ袋内の湿度を調
べる方法が簡便であり、この判定は、実際のファーブラ
シから感光体表面への水分供与現象との対応もよい。
【0083】(本発明の電子写真装置に用いるファーブ
ラシクリーニング装置構成)ファーブラシクリーニング
装置の構成自体は、公知の装置構成を適宜設計変更して
用いることができる。例えば、クリーニング手段におけ
るブラシ手段は支持軸とこれに装着されたファーブラシ
から構成される。また、支持軸は鋼製丸棒にメッキを施
したものを用いることができる。例えば、ファーブラシ
は、前述の様な炭素粒子(カーボン)などを含有したレ
ーヨン糸から形成したものであり、導電性接着剤に糸の
片端を固着して円筒状ブラシに形成し、両面接着テープ
によって支持軸に固定する。感光体は接地し、クリーニ
ング手段のブラシ手段には、必要に応じて、適宜クリー
ニング電圧を印加する構成とすることができる。
ラシクリーニング装置構成)ファーブラシクリーニング
装置の構成自体は、公知の装置構成を適宜設計変更して
用いることができる。例えば、クリーニング手段におけ
るブラシ手段は支持軸とこれに装着されたファーブラシ
から構成される。また、支持軸は鋼製丸棒にメッキを施
したものを用いることができる。例えば、ファーブラシ
は、前述の様な炭素粒子(カーボン)などを含有したレ
ーヨン糸から形成したものであり、導電性接着剤に糸の
片端を固着して円筒状ブラシに形成し、両面接着テープ
によって支持軸に固定する。感光体は接地し、クリーニ
ング手段のブラシ手段には、必要に応じて、適宜クリー
ニング電圧を印加する構成とすることができる。
【0084】クリーニング補助手段として、必要に応じ
て、前記ファーブラシの下流にウレタンゴムなどの弾性
材料からなるクリーニングブレードによって、残留トナ
ーを掻き落とすような構成を付加してもよい。この場
合、補助手段として設けるブレードのゴム材料は、高硬
度でしかも弾性に富み、耐摩耗性、機械的強度、耐油
性、耐オゾン性に卓越しているウレタンゴムが一般的に
使われている。なお、本発明においては、感光体表面の
最上層にa−C:H,X層を用いるので、補助的に設け
るブレードにおける残留現像剤の融着も、起こらない構
成となっている。
て、前記ファーブラシの下流にウレタンゴムなどの弾性
材料からなるクリーニングブレードによって、残留トナ
ーを掻き落とすような構成を付加してもよい。この場
合、補助手段として設けるブレードのゴム材料は、高硬
度でしかも弾性に富み、耐摩耗性、機械的強度、耐油
性、耐オゾン性に卓越しているウレタンゴムが一般的に
使われている。なお、本発明においては、感光体表面の
最上層にa−C:H,X層を用いるので、補助的に設け
るブレードにおける残留現像剤の融着も、起こらない構
成となっている。
【0085】例えば、特開平6−282206号公報に
は、ファーブラシクリーニングを行った後、その下流に
クリーニング用ブレードを配置する構成が開示されてお
り、主に、ブレード表面にa−C:H,Xのようなアモ
ルファスカーボンをコーティングすることで、アモルフ
ァスカーボンの高いビッカース硬度を利用し、アモルフ
ァスカーボンをコーティングしたブレードを用い、セレ
ン系感光体表面を摺擦研磨する構成を開示するものであ
る。また、特開平8−272273号公報にも、a−S
i感光体表面をファーブラシクリーニングにより部分的
なクリーニングを施し、その下流に、ブレードを配置
し、付着する現像剤などの除去を行う構成が開示されて
いる。米国特許USP5,396,317には、イオ
ン、オゾン、NOx等に対して、高い吸着性を持つa−
C層を表面保護膜とし、ファーブラシクリーニングによ
り、吸着したイオン、オゾン、NOxなどの掻き取り効
果が開示されている。
は、ファーブラシクリーニングを行った後、その下流に
クリーニング用ブレードを配置する構成が開示されてお
り、主に、ブレード表面にa−C:H,Xのようなアモ
ルファスカーボンをコーティングすることで、アモルフ
ァスカーボンの高いビッカース硬度を利用し、アモルフ
ァスカーボンをコーティングしたブレードを用い、セレ
ン系感光体表面を摺擦研磨する構成を開示するものであ
る。また、特開平8−272273号公報にも、a−S
i感光体表面をファーブラシクリーニングにより部分的
なクリーニングを施し、その下流に、ブレードを配置
し、付着する現像剤などの除去を行う構成が開示されて
いる。米国特許USP5,396,317には、イオ
ン、オゾン、NOx等に対して、高い吸着性を持つa−
C層を表面保護膜とし、ファーブラシクリーニングによ
り、吸着したイオン、オゾン、NOxなどの掻き取り効
果が開示されている。
【0086】(本発明の電子写真方法に適用される画像
露光走査方式)デジタルタイプの電子写真装置の画像形
成方式は、画像情報と露光部との関係で、大きく分けて
2つの方式がある。1つの方式は、画像部を露光するイ
メージ露光法(以下、IAEという)、もう1つの方式
は、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露
光法(以下、BAEという)である。
露光走査方式)デジタルタイプの電子写真装置の画像形
成方式は、画像情報と露光部との関係で、大きく分けて
2つの方式がある。1つの方式は、画像部を露光するイ
メージ露光法(以下、IAEという)、もう1つの方式
は、非画像部(背景部)を露光するバックグラウンド露
光法(以下、BAEという)である。
【0087】BAEは、アナログタイプの電子写真装置
の画像形成方式と同じで、現像、クリーニング、現像剤
などをアナログタイプの電子写真装置と共通化できると
いうメリットが有る。一方、IAEは、正常に画像を得
るためには、潜像と逆極性の現像剤による反転現像を行
わなければならない。両方式とも実用化されているが、
それぞれ使用する感光体・現像剤などの外的な制約で、
いずれを利用するか決定される事が多い。
の画像形成方式と同じで、現像、クリーニング、現像剤
などをアナログタイプの電子写真装置と共通化できると
いうメリットが有る。一方、IAEは、正常に画像を得
るためには、潜像と逆極性の現像剤による反転現像を行
わなければならない。両方式とも実用化されているが、
それぞれ使用する感光体・現像剤などの外的な制約で、
いずれを利用するか決定される事が多い。
【0088】一般に、現像の鮮明さは、かぶりと濃度の
トレードオフであり、そのラチチュードが現像性を大き
く左右するものであるが、IAEよりもBAEの方がラ
チチュードは広い。一方、転写分離性能は、転写効率と
分離、再転写のラチチュードに大きく左右されるもので
あるが、IAEでは非画像部(背景部)の電位が画像部
より高いので、原理的にIAEよりもBAEの方がラチ
チュードは広い。
トレードオフであり、そのラチチュードが現像性を大き
く左右するものであるが、IAEよりもBAEの方がラ
チチュードは広い。一方、転写分離性能は、転写効率と
分離、再転写のラチチュードに大きく左右されるもので
あるが、IAEでは非画像部(背景部)の電位が画像部
より高いので、原理的にIAEよりもBAEの方がラチ
チュードは広い。
【0089】また、クリーニング工程時には、感光体表
面の電位は減衰しているため、電位の低い部分に現像す
る方式のIAEでは、クリーニング部位で多くの現像剤
が感光体表面に付着残留しやすく、クリーニングに関し
ても、IAEよりもBAEの方がラチチュードは広い。
このように、幾つかの点でBAEの方が設計しやすく、
結果的にラチチュードの広い安定した電子写真装置を供
給できるといったポテンシャルを有している。
面の電位は減衰しているため、電位の低い部分に現像す
る方式のIAEでは、クリーニング部位で多くの現像剤
が感光体表面に付着残留しやすく、クリーニングに関し
ても、IAEよりもBAEの方がラチチュードは広い。
このように、幾つかの点でBAEの方が設計しやすく、
結果的にラチチュードの広い安定した電子写真装置を供
給できるといったポテンシャルを有している。
【0090】しかし、レーザービーム走査による画像記
録においては、以下に記すようにIAEよりもBAEの
方がラチチュードが狭くなる。
録においては、以下に記すようにIAEよりもBAEの
方がラチチュードが狭くなる。
【0091】一般に、レーザービーム走査による画像記
録技術では、レーザーのスポットの大きさ・形状・パワ
ー等が、画質やその安定性に大きな影響を与える。特
に、電子写真をベースとしたレーザービームプリンター
においては、帯電によって得られた一様な表面電位分布
をレーザービームを照射する事により、部分的にdec
ayさせ潜像を形成していく。その際、このレーザスポ
ット形状により、形成された分布に影響を与える。IA
Eにおいては記録画像領域(黒化部)にレーザービーム
を照射し、表面電位を選択的にdecayさせ、電位の
下がった部分に現像剤を付着させる。したがって、走査
線間隔に比較して、描画に用いるレーザースポット径が
大きい場合や、レーザーパワーが大きすぎる場合には、
文字やラインの線幅が太りつぶれたようになる。BAE
では、背景部(非黒化部)にレーザービームを照射し、
表面電位をdecayさせ、現像剤を付着させる領域は
decayしていない表面電位の高い領域である。この
ため、走査線間隔に比較して、レーザースポット径が大
きい場合やレーザーパワーが大きすぎる場合には、文字
やラインの線幅が細くなりかすれてくる。したがって、
いずれの画像形成方式においても、用いるレーザースポ
ット径やパワーには自ずから上限がある。
録技術では、レーザーのスポットの大きさ・形状・パワ
ー等が、画質やその安定性に大きな影響を与える。特
に、電子写真をベースとしたレーザービームプリンター
においては、帯電によって得られた一様な表面電位分布
をレーザービームを照射する事により、部分的にdec
ayさせ潜像を形成していく。その際、このレーザスポ
ット形状により、形成された分布に影響を与える。IA
Eにおいては記録画像領域(黒化部)にレーザービーム
を照射し、表面電位を選択的にdecayさせ、電位の
下がった部分に現像剤を付着させる。したがって、走査
線間隔に比較して、描画に用いるレーザースポット径が
大きい場合や、レーザーパワーが大きすぎる場合には、
文字やラインの線幅が太りつぶれたようになる。BAE
では、背景部(非黒化部)にレーザービームを照射し、
表面電位をdecayさせ、現像剤を付着させる領域は
decayしていない表面電位の高い領域である。この
ため、走査線間隔に比較して、レーザースポット径が大
きい場合やレーザーパワーが大きすぎる場合には、文字
やラインの線幅が細くなりかすれてくる。したがって、
いずれの画像形成方式においても、用いるレーザースポ
ット径やパワーには自ずから上限がある。
【0092】図4は、左側部にIAEの1ラインの状
態、即ち1ラインのみレーザーONの状態を、右側部に
BAEの1ラインの状態、即ち1ラインのみレーザーO
FFの状態を示してある。この図4に示すように、IA
EのラチチユードはVD−Vi、BAEのラチチュードは
Vb−V2である。
態、即ち1ラインのみレーザーONの状態を、右側部に
BAEの1ラインの状態、即ち1ラインのみレーザーO
FFの状態を示してある。この図4に示すように、IA
EのラチチユードはVD−Vi、BAEのラチチュードは
Vb−V2である。
【0093】この図4からわかるように、BAEでは、
走査線間隔に比べて、レーザースポット径が小さい場合
やレーザパワーが小さすぎると、レーザー照射部に電位
の隙間ができる。結果的に、V2が高くなりラチチュー
ドが小さくなるため、走査線間隔に対して、レーザース
ポット径やパワーには下限がある。即ち、BAEのラチ
チュードはIAEより狭くなることが知られている。
走査線間隔に比べて、レーザースポット径が小さい場合
やレーザパワーが小さすぎると、レーザー照射部に電位
の隙間ができる。結果的に、V2が高くなりラチチュー
ドが小さくなるため、走査線間隔に対して、レーザース
ポット径やパワーには下限がある。即ち、BAEのラチ
チュードはIAEより狭くなることが知られている。
【0094】従って、各画像形成方式において、最適な
レーザースポット径やパワーを設定する必要がある。な
お、別の光源としてLEDアレイも挙げられ、同様にI
AE、BAE露光を行なうことが可能である。
レーザースポット径やパワーを設定する必要がある。な
お、別の光源としてLEDアレイも挙げられ、同様にI
AE、BAE露光を行なうことが可能である。
【0095】(本発明の電子写真方法に用いる電子写真
装置)図2は、本発明の電子写真方法において、一連の
画像形成プロセスを実施する際に用いる手段の一例を示
す概略図である。すなわち、本発明の電子写真方法に用
いる電子写真装置の構成の一例を示す概略図である。
装置)図2は、本発明の電子写真方法において、一連の
画像形成プロセスを実施する際に用いる手段の一例を示
す概略図である。すなわち、本発明の電子写真方法に用
いる電子写真装置の構成の一例を示す概略図である。
【0096】中央には、電子写真用感光体、すなわち、
円筒状の導電性基体の表面に堆積する、先に延べた積層
膜からなる光受容部材201が配置される。この電子写
真用感光体は、矢印X方向に回転しつつ、一連の画像形
成プロセスを実施する。光受容部材201の周辺には、
主帯電器202、静電潜像形成部位203、現像器20
4、転写紙供給系205、転写帯電器206(a)、分
離帯電器206(b)、クリーナ207、搬送系20
8、除電光源209などが配設されている。
円筒状の導電性基体の表面に堆積する、先に延べた積層
膜からなる光受容部材201が配置される。この電子写
真用感光体は、矢印X方向に回転しつつ、一連の画像形
成プロセスを実施する。光受容部材201の周辺には、
主帯電器202、静電潜像形成部位203、現像器20
4、転写紙供給系205、転写帯電器206(a)、分
離帯電器206(b)、クリーナ207、搬送系20
8、除電光源209などが配設されている。
【0097】光受容部材201は、その表面が主帯電器
202により均一に帯電され、次いで画像露光付与手段
203により静電潜像が形成される。画像露光は、ピー
ク波長635〜788nmのレーザー光又はLEDアレ
イによってなされる。図2においては、レーザー光学系
210とレーザー光走査に用いる折り返しミラー216
からなる構成を示す。
202により均一に帯電され、次いで画像露光付与手段
203により静電潜像が形成される。画像露光は、ピー
ク波長635〜788nmのレーザー光又はLEDアレ
イによってなされる。図2においては、レーザー光学系
210とレーザー光走査に用いる折り返しミラー216
からなる構成を示す。
【0098】この静電潜像は、現像剤(トナー)が塗布
された現像器204の現像スリーブによりトナー像とし
て顕像画化される。
された現像器204の現像スリーブによりトナー像とし
て顕像画化される。
【0099】一方、転写紙供給系205を通って供給さ
れる転写材Pに、転写帯電器206(a)の部位におい
て、光受容部材201表面のトナー像が転写供給され
る。その後、この転写材Pは、分離帯電器206(b)
を通過し、その際、爪等の分離手段により光受容部材2
01から分離される。分離された転写材Pは、搬送系2
08を経由して、定着器223に送られ、定着器223
内の定着ローラー224によって表面のトナー像が定着
された後、画像装置外へ排出される。
れる転写材Pに、転写帯電器206(a)の部位におい
て、光受容部材201表面のトナー像が転写供給され
る。その後、この転写材Pは、分離帯電器206(b)
を通過し、その際、爪等の分離手段により光受容部材2
01から分離される。分離された転写材Pは、搬送系2
08を経由して、定着器223に送られ、定着器223
内の定着ローラー224によって表面のトナー像が定着
された後、画像装置外へ排出される。
【0100】一方、トナー像転写後の光受容部材201
表面は、表面付着している残トナーや紙粉等の付着物
を、クリーニング装置207内のファーブラシ221
と、さらに下流に配置される、補助的なクリーニングブ
レード220により除去される。最終的に、除電光20
9により、潜像電位も除電され、次の画像形成に供され
る。この除電光209としては、例えば、550〜70
0nmのピーク波長を主体とした発光ダイオードを用い
る。
表面は、表面付着している残トナーや紙粉等の付着物
を、クリーニング装置207内のファーブラシ221
と、さらに下流に配置される、補助的なクリーニングブ
レード220により除去される。最終的に、除電光20
9により、潜像電位も除電され、次の画像形成に供され
る。この除電光209としては、例えば、550〜70
0nmのピーク波長を主体とした発光ダイオードを用い
る。
【0101】図3は、従来の画像形成プロセスに用いる
装置構成の一例を示す概略図である。図2に示す装置と
比較して、本質的な相違点は、クリーナ307がブレー
ドクリーニングであり、また、光受容部材301が、必
要に応じて、面状内面ヒータ325によって温度コント
ロールされている点である。それ以外の構成は、図2と
実質的に同様である。
装置構成の一例を示す概略図である。図2に示す装置と
比較して、本質的な相違点は、クリーナ307がブレー
ドクリーニングであり、また、光受容部材301が、必
要に応じて、面状内面ヒータ325によって温度コント
ロールされている点である。それ以外の構成は、図2と
実質的に同様である。
【0102】
【実施例】以下に、具体例ならびに添付図面に基づい
て、本発明の電子写真方法、それに利用する感光体、そ
の作製例などを、より詳しく説明する。
て、本発明の電子写真方法、それに利用する感光体、そ
の作製例などを、より詳しく説明する。
【0103】(実施例1)プラズマCVD装置を用い、
表1の条件により円筒状導電性基体上に、下部阻止層、
光導電層を積層したものを3本作製した。その内、1本
は、表2の条件で、第1の表面層となるa−SiC:
H,X層0.6μmを、表3の条件で、第2の表面層と
なるa−C:H,X層0.2μmを堆積し、a−Si感
光体を作製した。また、他の1本は、表面層として、表
2の条件で、a−SiC:H,X層0.8μmを堆積
し、残る1本は、表面層として、表3の条件で、a−
C:H,X層0.8μmを堆積した。なお、円筒状導電
性基体には、直径80mm、厚さ約3mmのアルミニウ
ムシリンダを用いた。
表1の条件により円筒状導電性基体上に、下部阻止層、
光導電層を積層したものを3本作製した。その内、1本
は、表2の条件で、第1の表面層となるa−SiC:
H,X層0.6μmを、表3の条件で、第2の表面層と
なるa−C:H,X層0.2μmを堆積し、a−Si感
光体を作製した。また、他の1本は、表面層として、表
2の条件で、a−SiC:H,X層0.8μmを堆積
し、残る1本は、表面層として、表3の条件で、a−
C:H,X層0.8μmを堆積した。なお、円筒状導電
性基体には、直径80mm、厚さ約3mmのアルミニウ
ムシリンダを用いた。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】上記する3種の感光体は、キヤノン製NP
6750を基に、図2に示す弾性ブレード220を設け
ないことを除き、図2に示したような構成をとるデジタ
ル複写機に改造した試験機に搭載し、その特性の評価を
行った。なお、除電光209としては、660nmのピ
ーク波長を主体とした発光ダイオードを用い、画像露光
用のレーザー光学系210に655nmのピーク波長の
半導体レーザーを用いた。画像形成条件は、感光体表面
の帯電極性を正とした。評価項目中、クリーニング不良
は、ファーブラシクリーニング後のa−Si感光体上の
一定面積をシルボン紙で拭いて、その汚れ具合から、ク
リーナー擦りぬけ現像剤量を判定した。かぶりは、反射
濃度計にて、地かぶりを測定し判定した。融着は、耐久
を行ない、トナー融着の発生個数にて判定した。高湿流
れは、雰囲気30℃、80%RHにて、キヤノン製テス
トチャートFY9−9058−000の画像をコピー
し、そのコピー像のぼけ具合で判定した。
6750を基に、図2に示す弾性ブレード220を設け
ないことを除き、図2に示したような構成をとるデジタ
ル複写機に改造した試験機に搭載し、その特性の評価を
行った。なお、除電光209としては、660nmのピ
ーク波長を主体とした発光ダイオードを用い、画像露光
用のレーザー光学系210に655nmのピーク波長の
半導体レーザーを用いた。画像形成条件は、感光体表面
の帯電極性を正とした。評価項目中、クリーニング不良
は、ファーブラシクリーニング後のa−Si感光体上の
一定面積をシルボン紙で拭いて、その汚れ具合から、ク
リーナー擦りぬけ現像剤量を判定した。かぶりは、反射
濃度計にて、地かぶりを測定し判定した。融着は、耐久
を行ない、トナー融着の発生個数にて判定した。高湿流
れは、雰囲気30℃、80%RHにて、キヤノン製テス
トチャートFY9−9058−000の画像をコピー
し、そのコピー像のぼけ具合で判定した。
【0108】評価結果を、表5に併せて示した。
【0109】表5に示す結果から、表面層として、第1
の表面層であるa−SiC:H,X層および第2の表面
層であるa−C:H,X層の二層が積層された構成とな
る本発明の感光体が、クリーニング特性ならびに高湿流
れの抑制に関して、より優れていることが確認された。
の表面層であるa−SiC:H,X層および第2の表面
層であるa−C:H,X層の二層が積層された構成とな
る本発明の感光体が、クリーニング特性ならびに高湿流
れの抑制に関して、より優れていることが確認された。
【0110】(実施例2)プラズマCVD装置を用い、
円筒状導電性基体上に、表4に示す条件により、下部阻
止層、光導電層、第1の表面層となるa−SiC:H,
X層、第2の表面層となるa−C:H,X層を積層堆積
し、a−Si感光体を作製した。なお、円筒状導電性基
体には、直径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシ
リンダを用いた。実施例1に述べた、キヤノン製NP6
750を基に、デジタル複写機に改造した試験機をもち
いて、同じ項目の評価を行なった。ただし、画像形成条
件は、感光体表面の帯電極性を正とした。評価結果を、
表5に併せて示した。
円筒状導電性基体上に、表4に示す条件により、下部阻
止層、光導電層、第1の表面層となるa−SiC:H,
X層、第2の表面層となるa−C:H,X層を積層堆積
し、a−Si感光体を作製した。なお、円筒状導電性基
体には、直径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシ
リンダを用いた。実施例1に述べた、キヤノン製NP6
750を基に、デジタル複写機に改造した試験機をもち
いて、同じ項目の評価を行なった。ただし、画像形成条
件は、感光体表面の帯電極性を正とした。評価結果を、
表5に併せて示した。
【0111】
【表4】
【0112】本例で作製したa−Si感光体は、下部阻
止層は、n型不純物のP添加の膜、光導電膜は、p型不
純物のBを僅かに添加した膜、第1の表面層は、p型不
純物のB添加の膜に構成されており、マイナス帯電構成
により、更に高湿流れに対する耐性が向上することが認
められた。
止層は、n型不純物のP添加の膜、光導電膜は、p型不
純物のBを僅かに添加した膜、第1の表面層は、p型不
純物のB添加の膜に構成されており、マイナス帯電構成
により、更に高湿流れに対する耐性が向上することが認
められた。
【0113】
【表5】
【0114】(実施例3)実施例1の条件に準じ、第1
の表面層であるa−SiC:H,X層および第2の表面
層であるa−C:H,X層の二層ついて、各層の膜厚を
種々に選択して、a−Si感光体を作製した。なお、作
製条件は、円筒状導電性基体には、直径80mm、厚さ
約3mmのアルミニウムシリンダを用い、下部阻止層、
光導電層は、表1の条件で作製し、実施例1のa−Si
感光体と同じ組成、膜厚とした。また、第1の表面層で
あるa−SiC:H,X層は、表2の条件で堆積し、第
2の表面層であるa−C:H,X層は、表3の条件で堆
積した。
の表面層であるa−SiC:H,X層および第2の表面
層であるa−C:H,X層の二層ついて、各層の膜厚を
種々に選択して、a−Si感光体を作製した。なお、作
製条件は、円筒状導電性基体には、直径80mm、厚さ
約3mmのアルミニウムシリンダを用い、下部阻止層、
光導電層は、表1の条件で作製し、実施例1のa−Si
感光体と同じ組成、膜厚とした。また、第1の表面層で
あるa−SiC:H,X層は、表2の条件で堆積し、第
2の表面層であるa−C:H,X層は、表3の条件で堆
積した。
【0115】得られたa−Si感光体の特性を、キヤノ
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機を用いて、評価した。評価項目のうち、
かぶりは、反射濃度計にて地かぶりを測定した判定し
た。耐久後画質は、耐久条件として、A4サイズの転写
紙を100万枚通紙した後、中間調を出力して、画像す
じの有無により判定した。同時に、融着は、その画像に
おけるトナー融着に起因する点状の画像不良の発生個数
に基づき判定した。また、この間の現像剤の利用効率
を、使用した現像剤ならびにクリーナ207に回収され
た現像剤をもとに判定した。
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機を用いて、評価した。評価項目のうち、
かぶりは、反射濃度計にて地かぶりを測定した判定し
た。耐久後画質は、耐久条件として、A4サイズの転写
紙を100万枚通紙した後、中間調を出力して、画像す
じの有無により判定した。同時に、融着は、その画像に
おけるトナー融着に起因する点状の画像不良の発生個数
に基づき判定した。また、この間の現像剤の利用効率
を、使用した現像剤ならびにクリーナ207に回収され
た現像剤をもとに判定した。
【0116】評価結果を、表6に併せて示す。表6に示
す結果より、第1の表面層であるa−SiC:H,X層
および第2の表面層であるa−C:H,X層の二層の合
計膜厚が、0.2μmに満たない構成においては、耐久
後画質に不具合が生じる頻度が増している。表面層の膜
厚が余りにも薄いと、長期使用を続ける間の機械的な摩
耗に由来して、表面層が損なわれ、本発明の効果は自ず
から制約を受けることが判る。一方、本例においては、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層は、導電性を
制御するn型不純物添加あるいはp型不純物添加がなさ
れておらず、その構成においては、表面層を構成する二
層の合計膜厚が、2.2μmに達する構成となると、か
ぶりを生ずる頻度が増している。本例において潜像を保
持する層である光導電層と現像後の顕像を保持する層で
あるa−C:H,X層は分離されているが、その間隔が
広がるにつれ、例えば、しだいに残留電位の増加を引き
起こすなどして、かぶりを生ずる頻度の上昇をしめす。
これは、用いる除電光の強度、現像光の強度、潜像保持
層自体の帯電電位などの装置構成に起因して、潜像保持
層と顕像保持層の間隔が広がるにつれ、自ずから生じる
制約であり、本発明の効果自体を本質的に損なうもので
はない。また、同じ理由から、かぶりを生ずる際には、
現像剤の利用効率の向上は僅かなものであるが、本発明
の効果自体を本質的に損なうものではないことも判る。
す結果より、第1の表面層であるa−SiC:H,X層
および第2の表面層であるa−C:H,X層の二層の合
計膜厚が、0.2μmに満たない構成においては、耐久
後画質に不具合が生じる頻度が増している。表面層の膜
厚が余りにも薄いと、長期使用を続ける間の機械的な摩
耗に由来して、表面層が損なわれ、本発明の効果は自ず
から制約を受けることが判る。一方、本例においては、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層は、導電性を
制御するn型不純物添加あるいはp型不純物添加がなさ
れておらず、その構成においては、表面層を構成する二
層の合計膜厚が、2.2μmに達する構成となると、か
ぶりを生ずる頻度が増している。本例において潜像を保
持する層である光導電層と現像後の顕像を保持する層で
あるa−C:H,X層は分離されているが、その間隔が
広がるにつれ、例えば、しだいに残留電位の増加を引き
起こすなどして、かぶりを生ずる頻度の上昇をしめす。
これは、用いる除電光の強度、現像光の強度、潜像保持
層自体の帯電電位などの装置構成に起因して、潜像保持
層と顕像保持層の間隔が広がるにつれ、自ずから生じる
制約であり、本発明の効果自体を本質的に損なうもので
はない。また、同じ理由から、かぶりを生ずる際には、
現像剤の利用効率の向上は僅かなものであるが、本発明
の効果自体を本質的に損なうものではないことも判る。
【0117】すなわち、感光体以外の帯電、潜像形成
(露光)、現像、転写および除電に係る装置の構成に依
存して決まる、ある限定された範囲において、耐久後画
質の維持、現像剤離形性の向上に伴う融着現象の抑制、
ならびに転写効率の向上に付随する現像剤の利用効率が
更なる向上など、本発明の効果がより明確に発揮される
ことが認められた。具体的には、本例の装置構成におい
ては、表面層を構成する二層の合計膜厚が、0.2μm
〜2.0μmの範囲にあり、また、第2の表面層である
a−C:H,X層の膜厚が、0.1μm〜1.0μmの
範囲にあると、本発明の効果がより明確に発揮されるこ
とが認められた。
(露光)、現像、転写および除電に係る装置の構成に依
存して決まる、ある限定された範囲において、耐久後画
質の維持、現像剤離形性の向上に伴う融着現象の抑制、
ならびに転写効率の向上に付随する現像剤の利用効率が
更なる向上など、本発明の効果がより明確に発揮される
ことが認められた。具体的には、本例の装置構成におい
ては、表面層を構成する二層の合計膜厚が、0.2μm
〜2.0μmの範囲にあり、また、第2の表面層である
a−C:H,X層の膜厚が、0.1μm〜1.0μmの
範囲にあると、本発明の効果がより明確に発揮されるこ
とが認められた。
【0118】
【表6】
【0119】(実施例4)表7に示す条件の範囲内で、
光導電膜ならびに第2の表面層であるa−C:H,X層
の堆積条件を種々に選択し、表面に生成する異常突起高
さ、表面形状の異なるa−Si感光体複数種を作製し
た。なお、円筒状導電性基体には、直径80mm、厚さ
約3mmのアルミニウムシリンダを用い、下部阻止層、
光導電層の膜厚は、表7に記載する通りであり、また、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層の膜厚は0.
6μm、第2の表面層であるa−C:H,X層の膜厚は
0.2μmとした。作製された各a−Si感光体の異常
突起高さ、ならびに初期の表面形状指標である、初期平
均傾斜Δaを測定し、測定値を表8に示す。なお。表面
形状の指標とする平均傾斜Δaは、AFM(原子間力顕
微鏡:Digital Instruments 社製NanoScopeIIIa Dimens
ion 3000/走査モード タッピングモード/走査範囲2
0μm×20μm 探針 Siカンチレバー)測定に
て、感光体表面の形状を測定し、得られた3次元数値を
基に、図7に示す(株)小坂研究所製(1993年3月
製造)の表面粗さ測定器SE−3300の取扱説明書
第8章 「表面粗さの用語とパラメータの定義」8−1
2項に記載の平均傾斜の定義に従って、表面形状の凹凸
の傾きを積分平均して算出した。異常成長突起高さは、
オリンパス社製 MEASURING MICROSCOPE STM-UMにて、正
常膜部分と、堆積後の異常突起または研磨処理を施した
後の異常突起部分の最も高い箇所との間で、その膜厚の
差異を測定し、異常成長突起高さとした。
光導電膜ならびに第2の表面層であるa−C:H,X層
の堆積条件を種々に選択し、表面に生成する異常突起高
さ、表面形状の異なるa−Si感光体複数種を作製し
た。なお、円筒状導電性基体には、直径80mm、厚さ
約3mmのアルミニウムシリンダを用い、下部阻止層、
光導電層の膜厚は、表7に記載する通りであり、また、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層の膜厚は0.
6μm、第2の表面層であるa−C:H,X層の膜厚は
0.2μmとした。作製された各a−Si感光体の異常
突起高さ、ならびに初期の表面形状指標である、初期平
均傾斜Δaを測定し、測定値を表8に示す。なお。表面
形状の指標とする平均傾斜Δaは、AFM(原子間力顕
微鏡:Digital Instruments 社製NanoScopeIIIa Dimens
ion 3000/走査モード タッピングモード/走査範囲2
0μm×20μm 探針 Siカンチレバー)測定に
て、感光体表面の形状を測定し、得られた3次元数値を
基に、図7に示す(株)小坂研究所製(1993年3月
製造)の表面粗さ測定器SE−3300の取扱説明書
第8章 「表面粗さの用語とパラメータの定義」8−1
2項に記載の平均傾斜の定義に従って、表面形状の凹凸
の傾きを積分平均して算出した。異常成長突起高さは、
オリンパス社製 MEASURING MICROSCOPE STM-UMにて、正
常膜部分と、堆積後の異常突起または研磨処理を施した
後の異常突起部分の最も高い箇所との間で、その膜厚の
差異を測定し、異常成長突起高さとした。
【0120】
【表7】
【0121】また、得られたa−Si感光体の特性を、
キヤノン製NP6750を図2に示すようなデジタル複
写機に改造した試験機を用いて、評価した。実施例1よ
りも、より厳しい高温高湿(30℃/90%RH)の環
境下で、100万枚の通紙を行い、画像流れの有無とそ
の程度、100万枚耐久後のトナー融着、ならびに部分
的なフィルミング膜の発生について評価した。またフィ
ルミング等の膜厚は、反射分光式干渉計(大塚電子
(株)製MCPD2000)にて測定し、フィルミング
量とした。
キヤノン製NP6750を図2に示すようなデジタル複
写機に改造した試験機を用いて、評価した。実施例1よ
りも、より厳しい高温高湿(30℃/90%RH)の環
境下で、100万枚の通紙を行い、画像流れの有無とそ
の程度、100万枚耐久後のトナー融着、ならびに部分
的なフィルミング膜の発生について評価した。またフィ
ルミング等の膜厚は、反射分光式干渉計(大塚電子
(株)製MCPD2000)にて測定し、フィルミング
量とした。
【0122】加えて、耐久後の平均傾斜Δaを、試験機
から取り外した、耐久後のa−Si感光体を5%ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム(Na2S2O8)水溶液中で加熱
(70℃〜80℃、30分)アセトン中で超音波洗浄
(約1分)エタノール/純水でリンス後、再びAFM測
定を行い、その測定値に基づき算定した。
から取り外した、耐久後のa−Si感光体を5%ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム(Na2S2O8)水溶液中で加熱
(70℃〜80℃、30分)アセトン中で超音波洗浄
(約1分)エタノール/純水でリンス後、再びAFM測
定を行い、その測定値に基づき算定した。
【0123】これらの測定結果を、表8に併せて示す。
異常成長突起高さが、10μm程度に達しているa−S
i感光体は、フィルミング量が顕著に高いものとなって
おり、それに対応して、高湿流れの発生がかなりの頻度
で見出された。この異常成長突起高さが、5.0μmを
超えないa−Si感光体では、フィルミング量も抑えら
れ、それに付随して、高湿流れの発生も望ましい範囲に
抑えられている。なお、この異常成長突起高さの低減
は、光導電膜、表面層の二層を堆積した後、例えば、富
士フィルム社製ラッピングテープLT−C2000など
を利用して、表面の研磨処理を施すことで行う。加え
て、異常成長突起高さが、5.0μmを超えないa−S
i感光体であっても、初期の表面形状が粗く、初期平均
傾斜Δaが1.0より大きくなると、フィルミング量が
顕著に高いものとなっており、それに対応して、高湿流
れの発生がかなりの頻度で見出された。一方、異常成長
突起高さが、5.0μmを超えない範囲で、また、初期
平均傾斜Δaが1.0以下の範囲に留まる場合には、異
常成長突起高さが低くなるにつれ、具体的には、更に好
ましくは、2.0μmを超えない範囲とすると、また、
初期平均傾斜Δaが小さくなるにつれ、具体的には、更
に好ましくは、0.48を超えない範囲とすると、概ね
フィルミング量は少なくなり、それに付随して、高湿流
れの発生も一層少なく抑えられている。このように、異
常成長突起高さ、ならびに初期平均傾斜Δaを限定され
た範囲内にすることで、本発明の効果、特には、高湿流
れの抑制に著しい効果が認められた。具体的には、本例
の感光体構成において、異常成長突起高さが5.0μm
以下、より好ましくは、2.0μm以下となるように表
面研磨処理を施し、また、初期平均傾斜Δaを1.0以
下、より好ましくは、0.48以下の範囲にすると、本
発明の効果、特には、高湿流れの抑制に著しい効果が認
められた。
異常成長突起高さが、10μm程度に達しているa−S
i感光体は、フィルミング量が顕著に高いものとなって
おり、それに対応して、高湿流れの発生がかなりの頻度
で見出された。この異常成長突起高さが、5.0μmを
超えないa−Si感光体では、フィルミング量も抑えら
れ、それに付随して、高湿流れの発生も望ましい範囲に
抑えられている。なお、この異常成長突起高さの低減
は、光導電膜、表面層の二層を堆積した後、例えば、富
士フィルム社製ラッピングテープLT−C2000など
を利用して、表面の研磨処理を施すことで行う。加え
て、異常成長突起高さが、5.0μmを超えないa−S
i感光体であっても、初期の表面形状が粗く、初期平均
傾斜Δaが1.0より大きくなると、フィルミング量が
顕著に高いものとなっており、それに対応して、高湿流
れの発生がかなりの頻度で見出された。一方、異常成長
突起高さが、5.0μmを超えない範囲で、また、初期
平均傾斜Δaが1.0以下の範囲に留まる場合には、異
常成長突起高さが低くなるにつれ、具体的には、更に好
ましくは、2.0μmを超えない範囲とすると、また、
初期平均傾斜Δaが小さくなるにつれ、具体的には、更
に好ましくは、0.48を超えない範囲とすると、概ね
フィルミング量は少なくなり、それに付随して、高湿流
れの発生も一層少なく抑えられている。このように、異
常成長突起高さ、ならびに初期平均傾斜Δaを限定され
た範囲内にすることで、本発明の効果、特には、高湿流
れの抑制に著しい効果が認められた。具体的には、本例
の感光体構成において、異常成長突起高さが5.0μm
以下、より好ましくは、2.0μm以下となるように表
面研磨処理を施し、また、初期平均傾斜Δaを1.0以
下、より好ましくは、0.48以下の範囲にすると、本
発明の効果、特には、高湿流れの抑制に著しい効果が認
められた。
【0124】
【表8】
【0125】(実施例5)実施例1と同様に、プラズマ
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体上に、表1の条
件に準じて、下部阻止層、光導電層を積層した。次い
で、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。このa−Si感光体を、キヤノ
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機に搭載して、高湿環境(30℃/90%
RH)にて10万枚耐久し、夜間休止の後、翌朝、気温
が上昇する前に、画像出しを行なった。この翌朝、最初
に画像出したコピーにつき、夜間休止の間、ファーブラ
シと対向する位置にあった、感光体表面部位により印刷
された画質について、高温高湿度条件(30℃/90%
RH)下での画像流れの有無とその程度を評価した。
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体上に、表1の条
件に準じて、下部阻止層、光導電層を積層した。次い
で、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。このa−Si感光体を、キヤノ
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機に搭載して、高湿環境(30℃/90%
RH)にて10万枚耐久し、夜間休止の後、翌朝、気温
が上昇する前に、画像出しを行なった。この翌朝、最初
に画像出したコピーにつき、夜間休止の間、ファーブラ
シと対向する位置にあった、感光体表面部位により印刷
された画質について、高温高湿度条件(30℃/90%
RH)下での画像流れの有無とその程度を評価した。
【0126】その際、ファーブラシ221の材質に、ア
セトンにて脱水処理後、加熱ベイク処理したもの(低吸
湿化処理品)と、加熱ベイク処理しないもの(低吸湿化
未処理品)とを用いて、その両者について、前記夜間休
止の後、翌朝、最初に画像出したコピーにおける高湿流
れの比較評価を行なった。なお、夜間休止の後、ファー
ブラシをポリ袋に封入し、50℃に加熱して、ポリ袋内
部の湿度を測定したところ、低吸湿化処理品では15%
RH、低吸湿化未処理品では50%RHであった。
セトンにて脱水処理後、加熱ベイク処理したもの(低吸
湿化処理品)と、加熱ベイク処理しないもの(低吸湿化
未処理品)とを用いて、その両者について、前記夜間休
止の後、翌朝、最初に画像出したコピーにおける高湿流
れの比較評価を行なった。なお、夜間休止の後、ファー
ブラシをポリ袋に封入し、50℃に加熱して、ポリ袋内
部の湿度を測定したところ、低吸湿化処理品では15%
RH、低吸湿化未処理品では50%RHであった。
【0127】評価結果を、表9に示す。ファーブラシ2
21に低吸湿処理品を用いると、高湿流れの抑制がなさ
れ、とりわけ、夜間休止後、翌朝、ファーブラシ対向部
に生じ易い、初動時の高湿流れの抑制が大幅になされる
ことが確認された。
21に低吸湿処理品を用いると、高湿流れの抑制がなさ
れ、とりわけ、夜間休止後、翌朝、ファーブラシ対向部
に生じ易い、初動時の高湿流れの抑制が大幅になされる
ことが確認された。
【0128】(実施例6)実施例5と同様の試験条件に
おいて、ファーブラシの材質に、アニオン交換性層間化
合物、具体的にはハイドロタルサイト(Mg2Al2(O
H)16CO3・4H2O)を配合した繊維を用いたもの
と、ハイドロタルサイトを配合していないものについ
て、両者の比較評価を行なった。
おいて、ファーブラシの材質に、アニオン交換性層間化
合物、具体的にはハイドロタルサイト(Mg2Al2(O
H)16CO3・4H2O)を配合した繊維を用いたもの
と、ハイドロタルサイトを配合していないものについ
て、両者の比較評価を行なった。
【0129】評価結果を、表9に併せて示す。ファーブ
ラシに、アニオン交換性層間化合物を配合した繊維を用
いることで、厳しい高湿条件下での画像流れ、ならびに
夜間休止後、翌朝、ファーブラシ対向部に生じ易い、初
動時の高湿流れの防止が、より効果的になされることが
確認された。
ラシに、アニオン交換性層間化合物を配合した繊維を用
いることで、厳しい高湿条件下での画像流れ、ならびに
夜間休止後、翌朝、ファーブラシ対向部に生じ易い、初
動時の高湿流れの防止が、より効果的になされることが
確認された。
【0130】
【表9】
【0131】(実施例7)実施例1に記載する、第1の
表面層と第2の表面層を設けたa−Si感光体を用い
て、帯電器202に設置される帯電用ワイヤー汚れに起
因する画像汚れの発生頻度を調べた。その際、ファーブ
ラシ221の下流に弾性ブレード220を付加したとこ
ろ、前記ワイヤー汚れに起因する画像汚れの程度が、な
お一層軽減された。すなわち、本発明におけるファーブ
ラシクリーニングによる、現像剤などに対する極めて高
い除去作用に加えて、補助的に弾性ブレードを設けるこ
とで、クリーニング効果を著しく高いレベルまで向上で
きることが判明した。
表面層と第2の表面層を設けたa−Si感光体を用い
て、帯電器202に設置される帯電用ワイヤー汚れに起
因する画像汚れの発生頻度を調べた。その際、ファーブ
ラシ221の下流に弾性ブレード220を付加したとこ
ろ、前記ワイヤー汚れに起因する画像汚れの程度が、な
お一層軽減された。すなわち、本発明におけるファーブ
ラシクリーニングによる、現像剤などに対する極めて高
い除去作用に加えて、補助的に弾性ブレードを設けるこ
とで、クリーニング効果を著しく高いレベルまで向上で
きることが判明した。
【0132】(実施例8)実施例1と同様に、プラズマ
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直径
80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上に、
下部阻止層の膜厚のみを0.2〜12μmの範囲で種々
に変化させて、表1の条件に準じて、下部阻止層、光導
電層を積層した。次いで、表2の条件で、第1の表面層
であるa−SiC:H,X層を0.6μm、表3の条件
で、第2の表面層であるa−C:H,X層を0.2μm
順次堆積して、a−Si感光体を作製した。このa−S
i感光体を、キヤノン製NP6750を図2に示すよう
なデジタル複写機に改造した試験機に搭載した。なお、
本例においては、画像露光方式は、IAE露光方式と
し、正帯電感光体を正帯電現像剤で反転現像する装置構
成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、クリーナ
207において回収される現像剤を現像器204に戻す
機構を付加できる構造とした。具体的には、図6に示す
ような現像剤リユース機構を付加できるように、更なる
改造を施した。図6に示す現像剤リユース機構おいて
は、a−Si感光体601の表面のうち、中央は、画像
形成に使用されるが、末端部の感光体非画像部を利用し
て、主にファーブラシによりクリーナー603に回収さ
れる未利用の現像剤を、感光体非画像部に設ける回収現
像剤回送経路604を経由して、現像器の現像スリーブ
602へ搬送する。
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直径
80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上に、
下部阻止層の膜厚のみを0.2〜12μmの範囲で種々
に変化させて、表1の条件に準じて、下部阻止層、光導
電層を積層した。次いで、表2の条件で、第1の表面層
であるa−SiC:H,X層を0.6μm、表3の条件
で、第2の表面層であるa−C:H,X層を0.2μm
順次堆積して、a−Si感光体を作製した。このa−S
i感光体を、キヤノン製NP6750を図2に示すよう
なデジタル複写機に改造した試験機に搭載した。なお、
本例においては、画像露光方式は、IAE露光方式と
し、正帯電感光体を正帯電現像剤で反転現像する装置構
成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、クリーナ
207において回収される現像剤を現像器204に戻す
機構を付加できる構造とした。具体的には、図6に示す
ような現像剤リユース機構を付加できるように、更なる
改造を施した。図6に示す現像剤リユース機構おいて
は、a−Si感光体601の表面のうち、中央は、画像
形成に使用されるが、末端部の感光体非画像部を利用し
て、主にファーブラシによりクリーナー603に回収さ
れる未利用の現像剤を、感光体非画像部に設ける回収現
像剤回送経路604を経由して、現像器の現像スリーブ
602へ搬送する。
【0133】先ず、図6に示す構成の現像剤リユース機
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。
【0134】クリーニング条件として、ファーブラシ部
分で正帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体
との間に、約+3kVにチャージアップする条件とし
た。このチャージアップは、a−Si感光体の下部阻止
層に絶縁破壊を起こす方向である。この条件において、
かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁
破壊に起因する画像黒ぽちを評価した。
分で正帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体
との間に、約+3kVにチャージアップする条件とし
た。このチャージアップは、a−Si感光体の下部阻止
層に絶縁破壊を起こす方向である。この条件において、
かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁
破壊に起因する画像黒ぽちを評価した。
【0135】これらの評価結果を表11に示す。下部阻
止層膜厚が0.5μm以下のa−Si感光体では、下部
阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生じ、画像上
に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止層膜厚が
0.5μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶縁破壊の
防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の防止がな
されていることが確かめられた。
止層膜厚が0.5μm以下のa−Si感光体では、下部
阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生じ、画像上
に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止層膜厚が
0.5μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶縁破壊の
防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の防止がな
されていることが確かめられた。
【0136】次いで、下部阻止層を表10の条件に準じ
て炭素を含有する阻止層とし、同じく下部阻止層膜厚を
種々に変化させて、プラズマCVD装置を用いて、円筒
状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約3mmの
アルミニウムシリンダ上に、前記種々の膜厚を持つ下部
阻止層と、表1の条件に準じて光導電層を積層した。次
いで、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。上と同じく、クリーニング条件
は、ファーブラシ部分で正帯電の現像剤の摩擦帯電によ
り、a−Si感光体との間に、約+3kVにチャージア
ップする条件とした。この条件において、かぶり、高湿
ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁破壊に起因す
る画像黒ぽちを評価した。
て炭素を含有する阻止層とし、同じく下部阻止層膜厚を
種々に変化させて、プラズマCVD装置を用いて、円筒
状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約3mmの
アルミニウムシリンダ上に、前記種々の膜厚を持つ下部
阻止層と、表1の条件に準じて光導電層を積層した。次
いで、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。上と同じく、クリーニング条件
は、ファーブラシ部分で正帯電の現像剤の摩擦帯電によ
り、a−Si感光体との間に、約+3kVにチャージア
ップする条件とした。この条件において、かぶり、高湿
ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁破壊に起因す
る画像黒ぽちを評価した。
【0137】
【表10】
【0138】これらの評価結果を表11に併せて示す。
下部阻止層膜厚が0.2μm以下のa−Si感光体で
は、下部阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生
じ、画像上に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止
層膜厚が0.2μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶
縁破壊の防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の
防止がなされていることが確かめられた。従って、本発
明の感光体の構成において、下部阻止層にa−SiCを
採用することにより、一層絶縁破壊防止の効果が上がる
ことが確認された。なお、下部阻止層の膜厚が、10μ
m以上と不要なまでに厚くなると、かぶりの発生が起こ
り、本発明の表面層構造に由来する効果を損じるものと
なることも判明した。
下部阻止層膜厚が0.2μm以下のa−Si感光体で
は、下部阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生
じ、画像上に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止
層膜厚が0.2μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶
縁破壊の防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の
防止がなされていることが確かめられた。従って、本発
明の感光体の構成において、下部阻止層にa−SiCを
採用することにより、一層絶縁破壊防止の効果が上がる
ことが確認された。なお、下部阻止層の膜厚が、10μ
m以上と不要なまでに厚くなると、かぶりの発生が起こ
り、本発明の表面層構造に由来する効果を損じるものと
なることも判明した。
【0139】最後に、現像剤リユース機能を付加した構
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
【0140】
【表11】
【0141】(実施例9)実施例4と同様に、プラズマ
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直径
80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上に、
下部阻止層の膜厚のみを0.2〜12μmの範囲で種々
に変化させて、表4の条件に準じて、下部阻止層、光導
電層を積層し、a−Si感光体を作製した。このa−S
i感光体を、キヤノン製NP6750を図2に示すよう
なデジタル複写機に改造した試験機に搭載した。なお、
本例においては、画像露光方式は、IAE露光方式と
し、負帯電感光体を負帯電現像剤で反転現像する装置構
成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、クリーナ
207において回収される現像剤を現像器204に戻す
機構を付加できる構造とした。具体的には、図6に示す
ような現像剤リユース機構を付加できるように、更なる
改造を施した。
CVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直径
80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上に、
下部阻止層の膜厚のみを0.2〜12μmの範囲で種々
に変化させて、表4の条件に準じて、下部阻止層、光導
電層を積層し、a−Si感光体を作製した。このa−S
i感光体を、キヤノン製NP6750を図2に示すよう
なデジタル複写機に改造した試験機に搭載した。なお、
本例においては、画像露光方式は、IAE露光方式と
し、負帯電感光体を負帯電現像剤で反転現像する装置構
成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、クリーナ
207において回収される現像剤を現像器204に戻す
機構を付加できる構造とした。具体的には、図6に示す
ような現像剤リユース機構を付加できるように、更なる
改造を施した。
【0142】先ず、図6に示す構成の現像剤リユース機
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。
【0143】クリーニング条件として、ファーブラシ部
分で負帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体
との間に、約−3kVにチャージアップする条件とし
た。このチャージアップは、a−Si感光体の下部阻止
層に絶縁破壊を起こす方向である。この条件において、
かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁
破壊に起因する画像黒ぽちを評価した。
分で負帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体
との間に、約−3kVにチャージアップする条件とし
た。このチャージアップは、a−Si感光体の下部阻止
層に絶縁破壊を起こす方向である。この条件において、
かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、絶縁
破壊に起因する画像黒ぽちを評価した。
【0144】これらの評価結果を表13に示す。下部阻
止層膜厚が0.5μm以下のa−Si感光体では、下部
阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生じ、画像上
に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止層膜厚が
0.5μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶縁破壊の
防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の防止がな
されていることが確かめられた。
止層膜厚が0.5μm以下のa−Si感光体では、下部
阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生じ、画像上
に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止層膜厚が
0.5μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶縁破壊の
防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の防止がな
されていることが確かめられた。
【0145】次いで、下部阻止層を表12の条件に準じ
て炭素を含有する阻止層とし、同じく下部阻止層膜厚を
種々に変化させて、プラズマCVD装置を用いて、円筒
状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約3mmの
アルミニウムシリンダ上に、前記種々の膜厚を有する下
部阻止層と、表4の条件に準じて光導電層を積層した。
次いで、第1の表面層であるa−SiC:H,X層を
0.5μm、第2の表面層であるa−C:H,X層を
0.2μm順次堆積して、a−Si感光体を作製した。
上と同じく、クリーニング条件は、ファーブラシ部分で
正帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体との
間に、約−3kVにチャージアップする条件とした。こ
の条件において、かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価
項目に加え、絶縁破壊に起因する画像黒ぽちを評価し
た。
て炭素を含有する阻止層とし、同じく下部阻止層膜厚を
種々に変化させて、プラズマCVD装置を用いて、円筒
状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約3mmの
アルミニウムシリンダ上に、前記種々の膜厚を有する下
部阻止層と、表4の条件に準じて光導電層を積層した。
次いで、第1の表面層であるa−SiC:H,X層を
0.5μm、第2の表面層であるa−C:H,X層を
0.2μm順次堆積して、a−Si感光体を作製した。
上と同じく、クリーニング条件は、ファーブラシ部分で
正帯電の現像剤の摩擦帯電により、a−Si感光体との
間に、約−3kVにチャージアップする条件とした。こ
の条件において、かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価
項目に加え、絶縁破壊に起因する画像黒ぽちを評価し
た。
【0146】
【表12】
【0147】これらの評価結果を表13に併せて示す。
下部阻止層膜厚が0.2μm以下のa−Si感光体で
は、下部阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生
じ、画像上に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止
層膜厚が0.2μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶
縁破壊の防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の
防止がなされていることが確かめられた。従って、本発
明の感光体の構成において、下部阻止層にa−SiCを
採用することにより、一層絶縁破壊防止の効果が上がる
ことが確認された。なお、下部阻止層の膜厚が、10μ
m以上と不要なまでに厚くなると、かぶりの発生が起こ
り、本発明の表面層構造に由来する効果を損じるものと
なることも判明した。
下部阻止層膜厚が0.2μm以下のa−Si感光体で
は、下部阻止層膜厚が薄くなるにつれ、絶縁破壊が生
じ、画像上に黒ぽちの発生が見られた。一方、下部阻止
層膜厚が0.2μmを超えると、膜厚が増すに伴い、絶
縁破壊の防止がより効果的になされ、画像黒ぽち発生の
防止がなされていることが確かめられた。従って、本発
明の感光体の構成において、下部阻止層にa−SiCを
採用することにより、一層絶縁破壊防止の効果が上がる
ことが確認された。なお、下部阻止層の膜厚が、10μ
m以上と不要なまでに厚くなると、かぶりの発生が起こ
り、本発明の表面層構造に由来する効果を損じるものと
なることも判明した。
【0148】最後に、現像剤リユース機能を付加した構
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
【0149】
【表13】
【0150】(実施例10)実施例1と同様に、プラズ
マCVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直
径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上
に、表1の条件で下部阻止層、光導電層を積層した。次
いで、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。このa−Si感光体を、キヤノ
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機に搭載した。なお、本例においては、画
像露光方式は、BAE露光方式とし、正帯電感光体を負
帯電現像剤で正規現像する装置構成とした。更に、図2
に示す装置構成に加え、クリーナ207において回収さ
れる現像剤を現像器204に戻す機構を付加できる構造
とした。具体的には、図6に示すような現像剤リユース
機構を付加できるように、更なる改造を施した。
マCVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直
径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上
に、表1の条件で下部阻止層、光導電層を積層した。次
いで、表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:
H,X層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層で
あるa−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−
Si感光体を作製した。このa−Si感光体を、キヤノ
ン製NP6750を図2に示すようなデジタル複写機に
改造した試験機に搭載した。なお、本例においては、画
像露光方式は、BAE露光方式とし、正帯電感光体を負
帯電現像剤で正規現像する装置構成とした。更に、図2
に示す装置構成に加え、クリーナ207において回収さ
れる現像剤を現像器204に戻す機構を付加できる構造
とした。具体的には、図6に示すような現像剤リユース
機構を付加できるように、更なる改造を施した。
【0151】先ず、図6に示す構成の現像剤リユース機
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。かぶり、高湿ながれ、画像濃度
の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評
価した。
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。かぶり、高湿ながれ、画像濃度
の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評
価した。
【0152】これらの評価結果を表14に示す。クリー
ニングに際して、ファーブラシ部分で、仮に負帯電の現
像剤の摩擦帯電によりチャージアップしても、BAE方
式においては、感光体と現像剤極性の組合わせ構成によ
り、直ちに基体側にチャージが逃げることが可能であ
る。そのため、a−Si感光体を絶縁破壊することはな
く、絶縁破壊に起因する、画像上への白ぽちの発生も無
かった。また、安定性の高い負現像剤を用いた正規現像
を行うので、画像濃度も非常に安定しており、良好な画
像が得られた。
ニングに際して、ファーブラシ部分で、仮に負帯電の現
像剤の摩擦帯電によりチャージアップしても、BAE方
式においては、感光体と現像剤極性の組合わせ構成によ
り、直ちに基体側にチャージが逃げることが可能であ
る。そのため、a−Si感光体を絶縁破壊することはな
く、絶縁破壊に起因する、画像上への白ぽちの発生も無
かった。また、安定性の高い負現像剤を用いた正規現像
を行うので、画像濃度も非常に安定しており、良好な画
像が得られた。
【0153】次いで、下部阻止層を表10の条件により
炭素を含有する阻止層とし、プラズマCVD装置を用い
て、円筒状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約
3mmのアルミニウムシリンダ上に、前記下部阻止層
と、表1の条件に準じて光導電層を積層した。次いで、
表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:H,X
層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層であるa
−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−Si感
光体を作製した。上と同じく、かぶり、高湿ながれ、画
像濃度の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽ
ちを評価した。
炭素を含有する阻止層とし、プラズマCVD装置を用い
て、円筒状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約
3mmのアルミニウムシリンダ上に、前記下部阻止層
と、表1の条件に準じて光導電層を積層した。次いで、
表2の条件で、第1の表面層であるa−SiC:H,X
層を0.6μm、表3の条件で、第2の表面層であるa
−C:H,X層を0.2μm順次堆積して、a−Si感
光体を作製した。上と同じく、かぶり、高湿ながれ、画
像濃度の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽ
ちを評価した。
【0154】これらの評価結果を表14に併せて示す。
画像上への白ぽちの発生は無く、また、安定性の高い負
現像剤を用いた正規現像を行うので、画像濃度も非常に
安定しており、良好な画像が得られた。
画像上への白ぽちの発生は無く、また、安定性の高い負
現像剤を用いた正規現像を行うので、画像濃度も非常に
安定しており、良好な画像が得られた。
【0155】最後に、現像剤リユース機能を付加した構
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
【0156】
【表14】
【0157】(実施例11)実施例4と同様に、プラズ
マCVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直
径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上
に、表4の条件により下部阻止層、光導電層を積層し
た。次いで、第1の表面層であるa−SiC:H,X層
を0.5μm、第2の表面層であるa−C:H,X層を
0.2μm順次堆積して、a−Si感光体を作製した。
このa−Si感光体を、キヤノン製NP6750を図2
に示すようなデジタル複写機に改造した試験機に搭載し
た。なお、本例においては、画像露光方式は、BAE露
光方式とし、負帯電感光体を正帯電現像剤で正規現像す
る装置構成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、
図6に示すような現像剤リユース機構を付加できるよう
に、更なる改造を施した。
マCVD装置を用いて、円筒状導電性基体、実際には直
径80mm、厚さ約3mmのアルミニウムシリンダ上
に、表4の条件により下部阻止層、光導電層を積層し
た。次いで、第1の表面層であるa−SiC:H,X層
を0.5μm、第2の表面層であるa−C:H,X層を
0.2μm順次堆積して、a−Si感光体を作製した。
このa−Si感光体を、キヤノン製NP6750を図2
に示すようなデジタル複写機に改造した試験機に搭載し
た。なお、本例においては、画像露光方式は、BAE露
光方式とし、負帯電感光体を正帯電現像剤で正規現像す
る装置構成とした。更に、図2に示す装置構成に加え、
図6に示すような現像剤リユース機構を付加できるよう
に、更なる改造を施した。
【0158】先ず、図6に示す構成の現像剤リユース機
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。かぶり、高湿ながれ、画像濃度
の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評
価した。
能を付加しない構成、すなわち、図2に示す装置構成に
て、低湿環境(23℃/15%RH)条件で、A4連続
10万枚の通紙耐久を行い、その後、高湿環境(30℃
/90%RH)条件で、10万枚の通紙耐久を行い、そ
の間の画質を評価した。かぶり、高湿ながれ、画像濃度
の評価項目に加え、絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評
価した。
【0159】これらの評価結果を表15に示す。クリー
ニングに際して、ファーブラシ部分で、仮に正帯電の現
像剤の摩擦帯電によりチャージアップしても、BAE方
式においては、感光体と現像剤極性の組合わせ構成によ
り、直ちに基体側にチャージが逃げることが可能であ
る。そのため、a−Si感光体を絶縁破壊することはな
く、絶縁破壊に起因する、画像上への白ぽちの発生も無
かった。また、本発明の特徴である表面層の積層構造の
効果により、高湿環境下での画像流れも十分に防止され
ており、画像濃度の安定した、良好な画像が得られた。
ニングに際して、ファーブラシ部分で、仮に正帯電の現
像剤の摩擦帯電によりチャージアップしても、BAE方
式においては、感光体と現像剤極性の組合わせ構成によ
り、直ちに基体側にチャージが逃げることが可能であ
る。そのため、a−Si感光体を絶縁破壊することはな
く、絶縁破壊に起因する、画像上への白ぽちの発生も無
かった。また、本発明の特徴である表面層の積層構造の
効果により、高湿環境下での画像流れも十分に防止され
ており、画像濃度の安定した、良好な画像が得られた。
【0160】次いで、下部阻止層を表12の条件により
炭素を含有する阻止層とし、プラズマCVD装置を用い
て、円筒状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約
3mmのアルミニウムシリンダ上に、前記下部阻止層
と、表4の条件に準じて光導電層を積層した。次いで、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層を0.5μ
m、第2の表面層であるa−C:H,X層を0.2μm
順次堆積して、a−Si感光体を作製した。上と同じ
く、かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、
絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評価した。
炭素を含有する阻止層とし、プラズマCVD装置を用い
て、円筒状導電性基体、実際には直径80mm、厚さ約
3mmのアルミニウムシリンダ上に、前記下部阻止層
と、表4の条件に準じて光導電層を積層した。次いで、
第1の表面層であるa−SiC:H,X層を0.5μ
m、第2の表面層であるa−C:H,X層を0.2μm
順次堆積して、a−Si感光体を作製した。上と同じ
く、かぶり、高湿ながれ、画像濃度の評価項目に加え、
絶縁破壊に起因する画像白ぽちを評価した。
【0161】これらの評価結果を表15に併せて示す。
画像上への白ぽちの発生は無く、また、高湿環境下での
画像流れも十分に防止されており、画像濃度の安定し
た、良好な画像が得られた。
画像上への白ぽちの発生は無く、また、高湿環境下での
画像流れも十分に防止されており、画像濃度の安定し
た、良好な画像が得られた。
【0162】最後に、現像剤リユース機能を付加した構
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
成にして、通常環境(23℃/60%RH)条件にて、
10万枚の通紙耐久を行い、その間の画質を評価した。
本発明の感光体、ファーブラシ、クリーナー構成の良好
な組み合わせ構成により、クリーナーに回収される現像
剤の劣化もなく、良好なリユース画像が持続した。
【0163】
【表15】
【0164】
【発明の効果】本発明は、電子写真装置において、画像
転写後、感光体表面に付着残留する現像剤等の除去にフ
ァーブラシクリーニング方式を採用し、また、感光体表
面を、光導電層上に、第1の表面層のa−SiC:H,
X層と第2の表面層のa−C:H,X層を積層して、最
上層にa−C:H,X層を有する構成とするので、不必
要に高い当接圧力を用いないファーブラシクリーニング
方式で、感光体表面に付着する窒素酸化物や紙粉等の画
像撹乱物質を、未転写現像剤の回収と同時に効率良く除
去することが可能となる。その際、回収される現像剤を
損傷するもなく、回収する未転写現像剤の再利用を容易
とする。加えて、前記の高いクリーニング効率に伴い、
長期使用する間に感光体表面に蓄積し、皮膜化した画像
撹乱物質が原因となる画像劣化を抑制でき、画像品質を
維持する目的で行うメンテナンス頻度の極小化が図れる
利点をもたらす。あるいは、前記の画像劣化を誘起する
主要因である皮膜化した画像撹乱物質自体が格段に減少
するので、副次的要因である吸着水分を除くため、従来
使用されている保温ヒーターなどに消費される待機電力
の大幅な低減をも可能とする。これら不要に大きな待機
電力の消滅、未転写現像剤の回収・再利用効率の向上な
ど、環境適応の観点からも、望ましい経済性を具えた電
子写真方法、それに用いる装置を提供することが可能と
なる。
転写後、感光体表面に付着残留する現像剤等の除去にフ
ァーブラシクリーニング方式を採用し、また、感光体表
面を、光導電層上に、第1の表面層のa−SiC:H,
X層と第2の表面層のa−C:H,X層を積層して、最
上層にa−C:H,X層を有する構成とするので、不必
要に高い当接圧力を用いないファーブラシクリーニング
方式で、感光体表面に付着する窒素酸化物や紙粉等の画
像撹乱物質を、未転写現像剤の回収と同時に効率良く除
去することが可能となる。その際、回収される現像剤を
損傷するもなく、回収する未転写現像剤の再利用を容易
とする。加えて、前記の高いクリーニング効率に伴い、
長期使用する間に感光体表面に蓄積し、皮膜化した画像
撹乱物質が原因となる画像劣化を抑制でき、画像品質を
維持する目的で行うメンテナンス頻度の極小化が図れる
利点をもたらす。あるいは、前記の画像劣化を誘起する
主要因である皮膜化した画像撹乱物質自体が格段に減少
するので、副次的要因である吸着水分を除くため、従来
使用されている保温ヒーターなどに消費される待機電力
の大幅な低減をも可能とする。これら不要に大きな待機
電力の消滅、未転写現像剤の回収・再利用効率の向上な
ど、環境適応の観点からも、望ましい経済性を具えた電
子写真方法、それに用いる装置を提供することが可能と
なる。
【図1】本発明の電子写真方法に用いる感光体の光受容
部積層膜の構成を模式的に示す図である。
部積層膜の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の電子写真方法の実施に利用される、フ
ァーブラシクリーニング方式を採用する電子写真装置構
成の一例を示す概略図である。
ァーブラシクリーニング方式を採用する電子写真装置構
成の一例を示す概略図である。
【図3】従来のブレードクリーニング方式を採用する電
子写真装置構成の一例を示す概略図である。
子写真装置構成の一例を示す概略図である。
【図4】本発明の電子写真方法において利用する画像露
光方法と潜像電位の関係を示す図である。
光方法と潜像電位の関係を示す図である。
【図5】本発明の感光体の積層膜構成における、感光体
表面に対するクリーニングブレードエッジの摩擦抵抗測
定、同近傍の温度測定に利用する評価装置の構成を概念
的に示す図である。
表面に対するクリーニングブレードエッジの摩擦抵抗測
定、同近傍の温度測定に利用する評価装置の構成を概念
的に示す図である。
【図6】本発明の電子写真方法実施に利用される電子写
真装置において、現像剤リユースに用いる方式とその機
構を模式的に示す図である。
真装置において、現像剤リユースに用いる方式とその機
構を模式的に示す図である。
【図7】本発明において、表面形状を示す指標に用いる
平均傾斜Δaの定義とその算定原理を説明する図であ
る。
平均傾斜Δaの定義とその算定原理を説明する図であ
る。
100 感光体 101 導電性基体 102 水素を含む非単結晶シリコンからなる光導電
層 103 a−SiC:H,Xからなる第1の表面層 104 a−C:H,Xからなる第2の表面層 201 光受容部材 202 主帯電器 203 静電潜像形成部位 204 現像器 205 転写紙供給系 206(a) 転写帯電器 206(b) 離帯電器 207 クリーナ 208 搬送系 209 除電光源 210 レーザー光学系 216 折り返しミラー 220 弾性クリーニングブレード 221 ファーブラシ 222 レジストローラ 223 定着器 224 定着ローラ 601 a−Si感光体 602 現像スリーブ 603 クリーナーファーブラシ 604 回収現像剤回送経路
層 103 a−SiC:H,Xからなる第1の表面層 104 a−C:H,Xからなる第2の表面層 201 光受容部材 202 主帯電器 203 静電潜像形成部位 204 現像器 205 転写紙供給系 206(a) 転写帯電器 206(b) 離帯電器 207 クリーナ 208 搬送系 209 除電光源 210 レーザー光学系 216 折り返しミラー 220 弾性クリーニングブレード 221 ファーブラシ 222 レジストローラ 223 定着器 224 定着ローラ 601 a−Si感光体 602 現像スリーブ 603 クリーナーファーブラシ 604 回収現像剤回送経路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/08 360 G03G 5/08 360 21/10 21/00 314 318 326 (72)発明者 唐木 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中山 雄二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H034 BD01 BF01 CB01 2H068 CA03 DA05 DA12 DA19 DA20 DA54 DA55 DA58 DA59 EA43 FA16 FC02 FC03 FC08 FC15
Claims (21)
- 【請求項1】 電子写真用円筒状の感光体を使用し、前
記感光体を回転させつつ、感光体表面を帯電する工程、
潜像を形成する露光工程後、現像剤を用い前記感光体表
面に形成した潜像を現像する工程、転写材へ転写する工
程、ならびに、前記転写後、前記感光体表面をクリーニ
ングする工程から構成される電子写真方法であって、前
記感光体表面のクリーニングは、ファーブラシを用いる
ファーブラシクリーニングによって行うとともに、前記
感光体に、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を母体
とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単結晶
材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造をと
り、前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少な
くとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる第
1の表面層、および前記第1の表面層の上に形成され
る、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからなる第2
の表面層とから形成されている電子写真用感光体を使用
することを特徴とする電子写真方法。 - 【請求項2】 前記画像形成に、負帯電により画像を形
成する方式を用い、また、前記表面層の構成が、前記第
1の表面層が水素及び/又はハロゲン原子と珪素と周期
律表第3B族(13族)に属する原子を含むa−Si
C:H,Xであり、前記第2の表面層が水素及び/又は
ハロゲン原子を含むa−C:H,Xである感光体を用い
ることを特徴とする請求項1に記載の電子写真方法。 - 【請求項3】 前記表面層の構成として、前記第1の表
面層と第2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm
(0.2μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲
に選択し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、
0.00001mm(0.01μm)〜0.001mm
(1μm)の厚さ範囲に選択する感光体を用いることを
特徴とする請求項1または2記載の電子写真方法。 - 【請求項4】 前記感光体の表面形状として、前記第2
の表面層の平均傾斜Δaが0.06以上1.0以下の範
囲であって、前記感光体表面に生成している表面異常成
長突起部分の高さを0.005mm(5.0μm)μm
以下となるように、表面の研磨処理を施された感光体を
用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の電子写真方法。 - 【請求項5】 前記ファーブラシクリーニングに用いる
ファーブラシに、前記ファーブラシを構成する繊維が、
アニオン交換性層間化合物を含有する繊維であるファー
ブラシを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
かに記載の電子写真方法。 - 【請求項6】 前記アニオン交換性層間化合物が、ハイ
ドロタルサイト(Mg2Al2(OH)16CO3・4H
2O)であることを特徴とする請求項5に記載の電子写
真方法。 - 【請求項7】 前記ファーブラシを構成する繊維自体
は、低吸湿性部材であることを特徴とする請求項1〜6
のいずれかに記載の電子写真方法。 - 【請求項8】 前記感光体表面のクリーニングは、ファ
ーブラシを用いるファーブラシクリーニングを行うに際
し、前記ファーブラシの下流に弾性ブレードをさらに設
ける構成を用いることを特徴とする請求項1〜7のいず
れかに記載の電子写真方法。 - 【請求項9】 円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少
なくとも水素と珪素を含むa−SiC:H,Xからなる
第1の表面層、および前記第1の表面層の上に形成され
る、少なくとも水素を含むa−C:H,Xからなる第2
の表面層とから形成され、前記第1の表面層と第2の表
面層の合計膜厚を、0.0002mm(0.2μm)〜
0.002mm(2μm)の厚さ範囲に選択し、かつ、
表面側の前記第2の表面層の膜厚を、0.00001m
m(0.01μm)〜0.001mm(1μm)の厚さ
範囲に選択し、加えて、前記感光体の表面形状として、
前記第2の表面層の平均傾斜Δaが0.06以上1.0
以下の範囲であって、前記感光体表面に生成している表
面異常成長突起部分の高さを0.005mm(5.0μ
m)となるように、表面の研磨処理を施されていること
を特徴とする電子写真用感光体。 - 【請求項10】 電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、前記感光体表面を正に帯電
する工程、潜像を形成するイメージ露光の工程後、正帯
電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像す
る工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写
後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実
施する手段を具える電子写真装置であって、 前記感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリー
ニングによって行うための、少なくとも一つのファーブ
ラシを具えるとともに、 前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、 前記光導電層の下、前記円筒状の導電性基体上に形成さ
れる下部阻止層は、周期律表第3B族(13族)に属す
る原子または炭素を含むa−Si:H,Xであり、その
膜厚を0.5μm〜10μmの厚さ範囲に選択し、 前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくと
も水素および/またはハロゲン原子を含むa−SiC:
H,Xからなる第1の表面層、および前記第1の表面層
の上に形成される、少なくとも水素および/またはハロ
ゲン原子を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層と
から形成され、前記感光体表面層の構成として、前記第
1の表面層と第2の表面層の合計膜厚を、0.0002
mm(0.2μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ
範囲に選択し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚
を、0.00001mm(0.01μm)〜0.001
mm(1μm)の厚さ範囲に選択し、加えて、前記感光
体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δa
が0.06以上1.0以下の範囲であって、前記感光体
表面に生成している表面異常成長突起部分の高さを0.
005mm (5.0μm)以下となるように、表面の
研磨処理を施された感光体であることを特徴とする電子
写真装置。 - 【請求項11】 前記ファーブラシクリーニングに用い
るファーブラシに加え、前記ファーブラシの下流に弾性
ブレードをさらに設けることを特徴とする請求項10に
記載の電子写真装置。 - 【請求項12】 前記ファーブラシクリーニング工程に
おいて、前記ファーブラシにより前記感光体表面から除
去される前記正帯電現像剤を回収する機構と、前記回収
される正帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部を経
由して、潜像を現像する工程を実施する手段である現像
器に戻す手段を具える構成とすることを特徴とする請求
項10または11に記載の電子写真装置。 - 【請求項13】 電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、前記感光体表面を負に帯電
する工程、潜像を形成するイメージ露光の工程後、負帯
電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像を現像す
る工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前記転写
後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工程を実
施する手段を具える電子写真装置であって、 前記感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリー
ニングによって行うための、少なくとも一つのファーブ
ラシを具えるとともに、 前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、 前記光導電層の下、前記円筒状の導電性基体上に形成さ
れる下部阻止層は、周期律表第5B族(15族)に属す
る原子または炭素を含むa−Si:H,Xであり、その
膜厚を0.5μm〜10μmの厚さ範囲に選択し、 前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくと
も水素および/またはハロゲン原子と珪素と周期律表第
3B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,
Xからなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上
に形成される、少なくとも水素および/またはハロゲン
原子を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層とから
形成され、前記感光体表面層の構成として、前記第1の
表面層と第2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm
(0.2μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲
に選択し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、
0.00001mm(0.01μm)〜0.001mm
(1μm)の厚さ範囲に選択し、加えて、前記感光体の
表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δaが
0.0001以上0.02以下の範囲であって、前記感
光体表面に生成している表面異常成長突起部分の高さを
0.005mm(5.0μm)以下となるように、表面
の研磨処理を施された感光体であることを特徴とする電
子写真装置。 - 【請求項14】 前記ファーブラシクリーニングに用い
るファーブラシに加え、前記ファーブラシの下流に弾性
ブレードをさらに設けることを特徴とする請求項13に
記載の電子写真装置。 - 【請求項15】 前記ファーブラシクリーニング工程に
おいて、前記ファーブラシにより前記感光体表面から除
去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記回収
される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部を経
由して、潜像を現像する工程を実施する手段である現像
器に戻す手段を具える構成とすることを特徴とする請求
項13または14に記載の電子写真装置。 - 【請求項16】 電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、前記感光体表面を正に帯電
する工程、潜像を形成するバックグランド露光の工程
後、負帯電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像
を現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前
記転写後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工
程を実施する手段を具える電子写真装置であって、 前記感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリー
ニングによって行うための、少なくとも一つのファーブ
ラシを具えるとともに、 前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、 前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくと
も水素および/またはハロゲン原子を含むa−SiC:
H,Xからなる第1の表面層、および前記第1の表面層
の上に形成される、少なくとも水素および/またはハロ
ゲン原子を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層と
から形成され、前記感光体表面層の構成として、前記第
1の表面層と第2の表面層の合計膜厚を、0.0002
mm(0.2μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ
範囲に選択し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚
を、0.00001mm(0.01μm)〜0.001
mm(1μm)の厚さ範囲に選択し、加えて、前記感光
体の表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δa
が0.06以上1.0以下の範囲であって、前記感光体
表面に生成している表面異常成長突起部分の高さを0.
005mm(5.0μm)以下となるように、表面の研
磨処理を施された感光体であることを特徴とする電子写
真装置。 - 【請求項17】 前記ファーブラシクリーニングに用い
るファーブラシに加え、前記ファーブラシの下流に弾性
ブレードをさらに設けることを特徴とする請求項16に
記載の電子写真装置。 - 【請求項18】 前記ファーブラシクリーニング工程に
おいて、前記ファーブラシにより前記感光体表面から除
去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記回収
される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部を経
由して、潜像を現像する工程を実施する手段である現像
器に戻す手段を具える構成とすることを特徴とする請求
項16または17に記載の電子写真装置。 - 【請求項19】 電子写真用円筒状の感光体を使用し、
前記感光体を回転させつつ、前記感光体表面を負に帯電
する工程、潜像を形成するバックグランド露光の工程
後、正帯電現像剤を用い前記感光体表面に形成した潜像
を現像する工程、転写材へ転写する工程、ならびに、前
記転写後、前記感光体表面をクリーニングする一連の工
程を実施する手段を具える電子写真装置であって、 前記感光体表面のクリーニングを、ファーブラシクリー
ニングによって行うための、少なくとも一つのファーブ
ラシを具えるとともに、 前記感光体は、円筒状の導電性基体上にシリコン原子を
母体とする非単結晶材料で構成される光導電層及び非単
結晶材料で構成される表面層を逐次積層してなる構造を
とり、 前記表面層は、前記光導電層上に形成される、少なくと
も水素および/またはハロゲン原子と珪素と周期律表第
3B族(13族)に属する原子を含むa−SiC:H,
Xからなる第1の表面層、および前記第1の表面層の上
に形成される、少なくとも水素および/またはハロゲン
原子を含むa−C:H,Xからなる第2の表面層とから
形成され、前記感光体表面層の構成として、前記第1の
表面層と第2の表面層の合計膜厚を、0.0002mm
(0.2μm)〜0.002mm(2μm)の厚さ範囲
に選択し、かつ、表面側の前記第2の表面層の膜厚を、
0.00001mm(0.01μm)〜0.001mm
(1μm)の厚さ範囲に選択し、加えて、前記感光体の
表面形状として、前記第2の表面層の平均傾斜Δaが
0.06以上1.0以下の範囲であって、前記感光体表
面に生成している表面異常成長突起部分の高さを0.0
05mm(5.0μm)以下となるように、表面の研磨
処理を施された感光体であることを特徴とする電子写真
装置。 - 【請求項20】 前記ファーブラシクリーニングに用い
るファーブラシに加え、前記ファーブラシの下流に弾性
ブレードをさらに設けることを特徴とする請求項19に
記載の電子写真装置。 - 【請求項21】 前記ファーブラシクリーニング工程に
おいて、前記ファーブラシにより前記感光体表面から除
去される前記負帯電現像剤を回収する機構と、前記回収
される負帯電現像剤を前記感光体上の非画像形成部を経
由して、潜像を現像する工程を実施する手段である現像
器に戻す手段を具える構成とすることを特徴とする請求
項19または20に記載の電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000133531A JP2001312084A (ja) | 2000-05-02 | 2000-05-02 | 電子写真方法、および電子写真装置と、それに用いる感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000133531A JP2001312084A (ja) | 2000-05-02 | 2000-05-02 | 電子写真方法、および電子写真装置と、それに用いる感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001312084A true JP2001312084A (ja) | 2001-11-09 |
Family
ID=18642007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000133531A Pending JP2001312084A (ja) | 2000-05-02 | 2000-05-02 | 電子写真方法、および電子写真装置と、それに用いる感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001312084A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009159747A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Seiko Epson Corp | 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、静電アクチュエータの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 |
JP2010049240A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-03-04 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法 |
CN108715996A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-10-30 | 三峡大学 | 一种高透防刮伤防蓝光纳米薄膜材料及其制备方法 |
-
2000
- 2000-05-02 JP JP2000133531A patent/JP2001312084A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009159747A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Seiko Epson Corp | 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、静電アクチュエータの製造方法及び液滴吐出ヘッドの製造方法 |
JP2010049240A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-03-04 | Canon Inc | 電子写真感光体の製造方法 |
CN108715996A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-10-30 | 三峡大学 | 一种高透防刮伤防蓝光纳米薄膜材料及其制备方法 |
CN108715996B (zh) * | 2018-05-15 | 2020-02-07 | 三峡大学 | 一种高透防刮伤防蓝光纳米薄膜材料及其制备方法 |
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