JP2001311719A - 匂識別方法及び匂識別装置 - Google Patents

匂識別方法及び匂識別装置

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JP2001311719A
JP2001311719A JP2000128793A JP2000128793A JP2001311719A JP 2001311719 A JP2001311719 A JP 2001311719A JP 2000128793 A JP2000128793 A JP 2000128793A JP 2000128793 A JP2000128793 A JP 2000128793A JP 2001311719 A JP2001311719 A JP 2001311719A
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calibration
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sensors
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Ryohei Kanzaki
亮平 神崎
Kotaro Okada
公太郎 岡田
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University of Tsukuba NUC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の物質からなる合成匂の計測を短時間化
するとともに、計測可能な合成匂の範囲を拡大すること
のできる、匂識別方法及び匂識別装置を提供する。 【解決手段】 合成匂と同じ物質からなるキャリブレー
ション臭を用いて、キャリブレーションを一括して行
う。このキャリブレーションにおいては、合成匂を構成
する物質のそれぞれに対して異なる感度を有する匂識別
センサを用い、各センサに対する前記物質の応答特性行
列Sを演算するとともに、この行列の逆行列Tを演算す
る。そして、合成匂を前記匂識別センサによって計測し
た後、計測によって得られた出力ピーク値を要素とする
列行列Cを演算する。そして、この列行列Cと逆行列T
とを演算処理することにより、目的とする合成匂を構成
する各物質の濃度x及びyを定量する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、匂識別方法及び匂
識別装置に関し、詳しくは、香水の調合、危険物質の漏
洩検査システム、及び生鮮食料品などの鮮度管理などに
好適に用いることのできる、匂識別方法及び匂識別装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の物質から合成されてなる合
成匂を識別するに際しては、匂識別センサからの信号
を、スペクトル解析法、波形解析法、多変量解析法、及
び人工神経回路網法などにより処理していた。そして近
年、センサ情報処理の観点から、多変量解析法と人工神
経回路網法とを組み合わせた方法が提案されている
(「パリティ」vol. 12, No. 01(1997),pp57-61)。
【0003】この多変量解析法と人工神経回路網法とを
組み合わせた方法においては、通常一種類のセンサのみ
を用いて合成匂を識別する。そして、実際の計測におい
ては、合成匂を構成する化学物質を同定した後、この化
学物質の比率を求めることによって前記合成匂の定量を
行っていた。例えば、バナナとリンゴとの合成匂におい
て、バナナの匂成分とリンゴの匂成分とを定量するに際
しては、最初にバナナを構成する化学物質を同定すると
ともに、リンゴを構成する化学物質を同定する。次い
で、これらの化学物質が前記合成匂にどの程度の割合で
含有されているかを求め、これら化学物質の含有量から
前記バナナの合成匂及び前記リンゴの合成匂を定量して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多変量
解析法と人工神経回路網とを組み合わせる方法では、上
述したように、合成匂の定量において、合成匂を構成す
る化学物質の同定という操作にまでさかのぼり、これら
化学物質の含有量から前記合成匂を定量するものであ
る。したがって、合成匂の定量においては、膨大なパラ
メータを取り扱う必要が生じるとともに、多数の計算工
程が要求される。このため、上記方法を用いた場合に
は、合成匂の計測に長時間を要してしまうという問題が
あった。さらには、一種類のセンサのみを用いること、
及び化学物質の同定という操作が加わるため、識別する
ことのできる合成匂の範囲が限られてしまうという問題
があった。
【0005】本発明は、複数の物質からなる合成匂の計
測を短時間化するとともに、計測可能な合成匂の範囲を
拡大することのできる、匂識別方法及び匂識別装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の匂識別方法は、複数の物質の匂が合成されてな
る合成匂を識別して、その合成比率を定量する匂識別方
法であって、前記複数の物質のそれぞれをキャリブレー
ション臭として用い、これら複数のキャリブレーション
臭を感度の異なる複数の匂識別センサを用いて計測する
ことにより、前記合成匂の識別に対するキャリブレーシ
ョンを行い、前記合成匂を一単位として処理することに
より前記合成比率を定量するようにしたことを特徴とす
る。
【0007】そして、前記キャリブレーションは、好ま
しくは、前記複数の物質のそれぞれに対して異なる感度
を有する複数の匂識別センサを準備する工程と、前記複
数の匂識別センサによって前記複数のキャリブレーショ
ン臭のそれぞれを計測し、前記複数の匂識別センサのそ
れぞれによって、前記キャリブレーション臭を構成する
前記物質それぞれの濃度を検出し、出力する工程と、前
記物質の濃度の出力値から単位濃度当たりの出力値を演
算し、前記複数の物質のそれぞれにおける前記単位濃度
当たりの出力値を、計測に使用した前記匂識別センサ毎
に行方向に配列して、行方向において同一の前記匂識別
センサによって計測された前記複数の物質の前記単位濃
度当たりの出力値が配列されるとともに、列方向におい
て前記複数の匂識別センサによって計測された同一の前
記物質の前記単位濃度当たりの出力値が配置されてなる
応答特性行列を演算する工程と、前記応答特性行列の逆
行列を演算する工程と、を含む。
【0008】また、本発明の匂識別装置は、複数の物質
の匂が合成されてなる合成匂を識別して、その合成比率
を定量する匂識別装置であって、前記複数の物質のそれ
ぞれによって構成される複数のキャリブレーション臭か
ら、前記合成匂の識別に対してキャリブレーションを行
うキャリブレーション手段を具え、前記合成匂を一単位
として処理することにより前記合成比率を定量するよう
にしたことを特徴とする。
【0009】そして、前記キャリブレーション手段は、
好ましくは、前記複数の物質のそれぞれに対して異なる
感度を有し、前記複数のキャリブレーション臭のそれぞ
れを計測することにより、前記キャリブレーション臭を
構成する前記物質それぞれの濃度を検出する複数の匂識
別センサと、前記複数の匂識別センサによって検出され
た前記キャリブレーション臭を構成する前記物質それぞ
れの濃度を出力する出力手段と、前記物質の濃度の出力
値から単位濃度当たりの出力値を演算し、前記複数の物
質のそれぞれにおけるこの単位濃度当たりの出力値を、
計測に使用した前記匂識別センサ毎に行方向に配列し
て、行方向において同一の前記匂識別センサによって計
測された前記複数の物質の単位濃度当たりの出力値が配
列されるとともに、列方向において前記複数の匂識別セ
ンサによって計測された同一の前記物質の単位濃度当た
りの出力値が配置されてなる応答特性行列を演算し、前
記応答特性行列の逆行列を演算する演算処理手段と、を
含む。
【0010】本発明の匂識別方法及び匂識別装置によれ
ば、感度の異なる複数の匂識別センサを用いて、合成匂
を構成する複数の物質のそれぞれからなる複数のキャリ
ブレーション臭を計測し、この計測値に対して、好まし
くは上述したような演算処理を施すことによって、前記
複数の物質を一括してキャリブレーションする。例え
ば、上述したような、バナナとリンゴとから合成匂の場
合、この合成匂を構成するバナナの匂とリンゴの匂との
それぞをキャリブレーション臭として用い、好ましく
は、上記のような演算処理によって一括したキャリブレ
ーションを行う。
【0011】そして、合成匂の計測結果に対して、この
ようなキャリブレーションによって得たパラメータを用
いた所定の演算処理を施すことにより、合成匂における
各成分一括して定量できるものである。例えば、バナナ
及びリンゴを構成する化学物質などの同定を必要とせ
ず、バナナ又はリンゴを一単位として計算し、定量する
ものである。このため、合成匂の定量に要する時間を短
縮化することができる。
【0012】さらには、化学物質の同定などの操作を必
要としないこと、及び感度の異なる複数の匂識別センサ
を用いていることに起因して、計測可能な合成匂の範囲
を拡大することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を発明の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。以下においては、本発明の
特徴を簡便に説明すべく、2つの物質からなる合成匂を
2つの匂識別センサを用いて計測する場合について説明
する。合成匂を構成する2つの物質をそれぞれ物質A及
びBとし、計測に用いる2つの匂識別センサをそれぞれ
センサA及びBとする。この場合において、実際の計測
に先立つキャリブレーションにおいては、物質Aからな
るキャリブレーション臭A及び物質Bからなるキャリブ
レーション臭Bを用いる。
【0014】最初に、キャリブレーション臭Aを上記セ
ンサA及びBで計測し、各センサで検出した物質Aの濃
度を、例えば、増幅器などによって増幅した後、出力す
る。同じく、キャリブレーション臭BをセンサA及びB
で計測し、各センサで検出した物質Bの濃度を増幅し、
出力する。次いで、これらの出力値は演算処理装置へ送
られ、これらの出力値から物質A及びBの単位濃度当た
りの出力値が演算される。センサAによって計測した物
質A及びBの単位濃度当たりの出力値をa11及びa1
2、センサBによって計測した物質A及びBの単位濃度
当たりの出力値をa21及びa22とする。
【0015】次いで、センサAによって計測された物質
A及びBの単位濃度当たりの出力値a11及びa12、
並びにセンサBによって計測された物質A及びBの単位
濃度当たりの出力値a21及びa22を演算して行方向
に配列することにより、以下に示すような応答特性行列
Sを構成する。
【数1】 応答特性行列Sにおいて、各行はセンサA又はBによっ
て計測された物質A及びBの単位濃度当たりの出力値か
らなり、各列は物質A又はBの各センサA及びBによっ
て計測された単位濃度当たりの出力からなる。
【0016】次いで、式1で示される応答特性行列Sに
演算処理を施して、(式2)に示すように行列Sの逆行
列Tを求める。
【数2】
【0017】(式2)から明らかなように、応答特性行
列Sの逆行列Tが存在するためには、「a11a22−
a12a21」が“0”とならないことが必要であり、
出力値a11及びa22の積が、出力値a12及びa2
1の積と異なることが必要である。応答特性行列Sの各
行は、同一センサA又はBによって計測された物質A及
びBの単位濃度当たりの出力値であるため、上記要件を
満足するためには、センサA及びBが物質A及びBに対
してそれぞれ異なる感度を有することが必要である。
【0018】例えば、センサAによる物質A及びBの単
位濃度当たりの出力値a11及びa12がそれぞれ
“2”及び“3”であり、センサBによる物質A及びB
の単位濃度当たりの出力値がそれぞれ“3”及び“2”
である場合は、上記「a11a22−a12a21」が
“0”とはならず、応答特性行列Sの逆行列Tが存在す
る。
【0019】センサA及びBが物質A及びBに対して全
体的に異なる感度を有する場合は、上記要件を満足しな
い。これは、例えば、センサAによる物質A及びBの単
位濃度当たりの出力値a11及びa12がそれぞれ
“1”及び“2”であって、センサBによる物質A及び
Bの単位濃度当たりの出力値a21及びa22がそれぞ
れ“2”及び“4”である場合に相当する。そして、こ
の場合においては、上記「a11a22−a12a2
1」の値が“0”となってしまい、上記要件を満足しな
い。この場合は、センサA及びBの少なくとも一方を変
更して再度上記操作を実行する。
【0020】以上のように、物質A及びBに対してそれ
ぞれ異なる感度を有するセンサA及びBを用いて上記操
作を実行し、応答特性行列Sの逆行列Tを演算すること
により、キャリブレーションが終了する。上記キャリブ
レーション操作のフローチャートを図1に示す。
【0021】本発明によれば、合成匂を構成する物質か
ら構成されるキャリブレーション臭を用い、キャリブレ
ーションを一括して行うため、キャリブレーションに要
する時間を短縮化することができるとともに、これに伴
って発生するパラメータの種類をも減少させることがで
きる。そして、このパラメータ種類の減少に起因して、
以下の示す合成匂の測定に要する時間を短縮化すること
ができる。
【0022】キャリブレーション終了後、濃度未知の物
質A及びBから構成される合成匂の計測を実施する。最
初に、センサA及びBで合成匂の濃度を計測し、出力す
る。出力値は、好ましくは所定の増幅器によって増幅さ
れた後に出力される。この出力値はセンサA及びBの異
なる時定数に起因して、それぞれ異なる出力プロファイ
ルを示す。したがって、合成匂の正確な計測を行うべ
く、これら出力値のピーク値を使用する。この出力ピー
ク値は、所定の演算処理手段によって検出されるととも
に、保持される。この場合において、センサA及びBに
よる合成匂の濃度の出力ピーク値をそれぞれ、α、βと
する。
【0023】次いで、これら出力値ピークから、以下に
示すような列行列Cを演算する。
【数3】
【0024】合成匂を構成する濃度未知の物質A及びB
の各濃度をそれぞれx、yとすると、
【数4】 なる関係式が成立する。したがって、この(式4)の左
側から(式1)の応答特性行列の逆行列、すなわち(式
2)で示される逆行列Tを乗算することにより、(式
5)にしたがってこれら未知の濃度x及びyが求められ
るものである。
【数5】
【0025】キャリブレーション後において以上のよう
な操作を行うことにより、合成匂を構成する濃度未知の
物質A及びBの濃度を計測することができる。以上のよ
うな合成匂の計測操作のフローチャートを図2に示す。
このように本発明によれば、パラメータとして応答特性
行列Sの逆行列Tを用いるのみで合成匂を計測すること
ができる。したがって、計測に要する時間を短縮化する
ことができる。
【0026】構成物質が上記物質A及びBと異なる合成
匂を計測するに際しては、この合成匂を構成する物質か
らなる複数のキャリブレーション臭を用い、再度キャリ
ブレーション操作を行う。そして、その後に上記合成匂
の計測操作を再度行う。この場合においても、キャリブ
レーションに要する時間が短いこと、及び扱うパラメー
タの数が少ないことに起因して、合成匂の計測に要する
時間を従来よりも短縮化することができる。また、合成
匂を構成する物質の種類に応じ、その度にキャリブレー
ションを行うようにしているので、識別に使用する装置
の設計上の自由度を増大させることができる。このた
め、同一の装置において、広範囲の合成匂の計測・識別
が可能となる。
【0027】図3は、本発明の匂識別装置の一例を示す
構成図である。図3に示す匂識別装置は、受容部1、ア
ンプ部2、CPU3、EPROM4、及び表示部5を具
える。受容部1内には、上述した匂識別センサが設置さ
れており、この部分にキャリブレーション臭及び合成匂
が充填されることによって実際の計測が行われる。そし
て、キャリブレーション臭などを構成する物質の濃度出
力値が受容部1から出力された後、アンプ部2へ至って
増幅され、CPU3に至る。CPU3においては、EP
ROM4にメモリされているプログラムによって前記し
たような演算処理が行われる。そして、表示部5におい
て計測された合成匂の各濃度、あるいは必要に応じてキ
ャリブレーションの結果が表示される。
【0028】匂識別センサとしては、酸化物半導体セン
サや水晶発振センサなど公知のものを用いることができ
る。また、例えば、カイコガ、ワモンゴキブリなどの極
めて高い匂識別機能を有する昆虫の触角を用いることも
できる。これら昆虫の触角は極めて高い神経応答性を有
しており、本発明の匂識別方法及び匂識別装置のセンサ
として好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例において検証する。 (実施例1)本実施例においては、アーモンド匂とバニ
ラ匂とからなる合成匂の定量を実施した。アーモンド匂
は明治屋(株)アーモンドオイルを使用し、バニラ匂は
明治屋(株)バニラオイルを使用した。これら物質は常
温、常圧において液状であるため、清浄空気に拡散させ
て使用した。なお、匂識別センサとして、カイコガの触
角及びワモンゴキブリの触角を用いた。
【0030】アーモンドオイル5mL及びバニラオイル
5mLをそれぞれキャリブレーション臭として用い、上
述したようなキャリブレーションを実施した。次いで、
アーモンドオイル10mLとバニラオイル15mLとが
配合してなる合成匂の計測を実施した。計測結果から、
合成匂はアーモンド匂とバニラ匂とがほぼ2:3で混合
してなることが判明し、設定した配合濃度とほぼ一致す
ることが判明した。また、合成匂の計測出力値から合成
匂を構成するアーモンド匂及びバニラ匂は、それぞれキ
ャリブレーション臭の2倍及び3倍の濃度を有すること
が判明した。
【0031】(実施例2)本実施例においては、レモン
匂とゲラニオール匂とからなる合成匂の定量を実施し
た。レモン匂としてポッカコーポレーションPLG、食
卓用レモンを使用し、ゲラニオールとして東京化成工業
(株)製のものを使用した。なお、匂識別センサとし
て、カイコガの触角及びワモンゴキブリの触角を用いる
とともに、上記レオン匂などは、実施例1と同様に清浄
空気に拡散させて使用した。
【0032】食卓用レモン5mL及びゲラニオール5m
Lをそれぞれキャリブレーション臭として用い、上述し
たようなキャリブレーションを実施した。次いで、食卓
用レモン10mLとゲラニオール15mLとが配合して
なる合成匂計測を実施した。計測結果から、合成匂はレ
モン匂とゲラニオールとがほぼ2:3で混合してなるこ
とが判明し、設定した配合濃度とほぼ一致することが判
明した。また、合成匂の計測出力値から合成匂を構成す
るレモン匂及びゲラニオール匂は、それぞれキャリブレ
ーション臭の2倍及び3倍の濃度を有することが判明し
た。
【0033】(実施例3)本実施例では、イソアミルア
セテート匂とカルボン匂とからなる合成匂の計測を実施
した。イソアミルアセテートは和光純薬工業(株)社製
のものを使用し、カルボン匂は東京化成工業(株)製の
ものを使用した。これらは常温、常圧において液状であ
るため、上述したように、清浄空気に拡散させて使用し
た。イソアミルアセテート5mL及びカルボン5mLの
キャリブレーション臭を用い、イソアミルアセテート1
0mL及びカルボン15mLからなる合成匂の計測を実
施した。その結果、イソアミルアセテート匂とカルボン
匂との比はほぼ2:3であることが判明し、設定した配
合濃度と一致することが判明した。また、合成匂の計測
出力値から合成匂を構成するイソアミルアセテート匂及
びカルボン匂は、それぞれキャリブレーション臭の2倍
及び3倍の濃度を有することが判明した。
【0034】以上から明らかなように、本発明の匂識別
方法及び匂識別装置によって、合成匂と同じ成分からな
るキャリブレーション臭を用いて一括したキャリブレー
ションを行い、その後上述したしたような演算処理を施
して合成匂を計測することにより、構成する物質の識別
及び定量を極めて精度良く実施できることが分かる。
【0035】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能であ
る。例えば、上記においては、合成匂が物質A及びBの
2種類からなる場合について示しているが、合成匂が3
種類以上の物質からなる場合についても使用することが
できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定のキャリブレーション臭を用いて一括したキャリブ
レーションを行うことができる。したがって、キャリブ
レーションに要する時間を短縮化することができるとと
もに、合成匂の実際の計測に使用するパラメータの数を
減少させることができる。そして、このパラメータ数の
減少に伴って合成匂の計測時間をも短縮化することがで
きる。また、上記キャリブレーション及び計測の短時間
化に伴って、合成匂を構成する物質が変わる毎にキャリ
ブレーションを行うことができ、同一計測装置における
合成匂の計測範囲が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の匂識別方法におけるキャリブレーシ
ョンのフローチャートである。
【図2】 本発明の匂識別方法における合成匂の計測の
フローチャートである。
【図3】 本発明の匂識別装置の一例における構成図で
ある。
【符号の説明】
1 受容部 2 アンプ部 3 CPU部 4 EPROM部 5 表示部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の物質の匂が合成されてなる合成匂
    を識別して、その合成比率を定量する匂識別方法であっ
    て、 前記複数の物質のそれぞれをキャリブレーション臭とし
    て用い、これら複数のキャリブレーション臭を感度の異
    なる複数の匂識別センサを用いて計測することにより、
    前記合成匂の識別に対するキャリブレーションを行い、
    前記合成匂を一単位として処理することにより前記合成
    比率を定量するようにしたことを特徴とする、匂識別方
    法。
  2. 【請求項2】 前記キャリブレーションは、 前記複数の物質のそれぞれに対して異なる感度を有する
    複数の匂識別センサを準備する工程と、 前記複数の匂識別センサによって前記複数のキャリブレ
    ーション臭のそれぞれを計測し、前記複数の匂識別セン
    サのそれぞれによって、前記キャリブレーション臭を構
    成する前記物質それぞれの濃度を検出し、出力する工程
    と、 前記物質の濃度の出力値から単位濃度当たりの出力値を
    演算し、前記複数の物質のそれぞれにおける前記単位濃
    度当たりの出力値を、計測に使用した前記匂識別センサ
    毎に行方向に配列して、行方向において同一の前記匂識
    別センサによって計測された前記複数の物質の前記単位
    濃度当たりの出力値が配列されるとともに、列方向にお
    いて前記複数の匂識別センサによって計測された同一の
    前記物質の前記単位濃度当たりの出力値が配置されてな
    る応答特性行列を演算する工程と、 前記応答特性行列の逆行列を演算する工程と、 を含むことを特徴とする、請求項1に記載の匂識別方
    法。
  3. 【請求項3】 前記合成匂の合成比率の定量は、前記キ
    ャリブレーションの後において、 前記複数の匂識別センサのそれぞれによって前記合成匂
    の濃度を計測し、出力する工程と、 前記濃度の出力を検出するとともに、この出力ピーク値
    を検出し保持する工程と、 前記複数の匂識別センサによって計測された複数の前記
    出力ピーク値を要素とする列ベクトルを演算する工程
    と、 この列ベクトルと前記応答特性行列の逆行列とを乗算す
    る工程と、 を含むことを特徴とする、請求項2に記載の匂識別方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数の匂識別センサの少なくとも一
    つは、昆虫の触角からなることを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれか一に記載の匂識別方法。
  5. 【請求項5】 複数の物質の匂が合成されてなる合成匂
    を識別して、その合成比率を定量する匂識別装置であっ
    て、 前記複数の物質のそれぞれによって構成される複数のキ
    ャリブレーション臭から、前記合成匂の識別に対してキ
    ャリブレーションを行うキャリブレーション手段を具
    え、前記合成匂を一単位として処理することにより前記
    合成比率を定量するようにしたことを特徴とする、匂識
    別装置。
  6. 【請求項6】 前記キャリブレーション手段は、 前記複数の物質のそれぞれに対して異なる感度を有し、
    前記複数のキャリブレーション臭のそれぞれを計測する
    ことにより、前記キャリブレーション臭を構成する前記
    物質それぞれの濃度を検出する複数の匂識別センサと、 前記複数の匂識別センサによって検出された前記キャリ
    ブレーション臭を構成する前記物質それぞれの濃度を出
    力する出力手段と、 前記物質の濃度の出力値から単位濃度当たりの出力値を
    演算し、前記複数の物質のそれぞれにおけるこの単位濃
    度当たりの出力値を、計測に使用した前記匂識別センサ
    毎に行方向に配列して、行方向において同一の前記匂識
    別センサによって計測された前記複数の物質の単位濃度
    当たりの出力値が配列されるとともに、列方向において
    前記複数の匂識別センサによって計測された同一の前記
    物質の単位濃度当たりの出力値が配置されてなる応答特
    性行列を演算し、前記応答特性行列の逆行列を演算する
    演算処理手段と、 を含むことを特徴とする、請求項5に記載の匂識別装
    置。
  7. 【請求項7】 前記出力手段は、前記キャリブレーショ
    ン臭を構成する前記物質それぞれの濃度に加えて、前記
    複数の匂識別センサによって計測した、前記合成匂を構
    成する前記複数の物質のそれぞれの濃度を出力すること
    を特徴とする、請求項6に記載の匂識別装置。
  8. 【請求項8】 前記演算処理手段は、前記物質の前記単
    位濃度当たりの出力値の演算、前記応答特性行列の演算
    及び前記応答特性行列の前記逆行列の演算に加えて、前
    記合成匂の濃度の出力ピーク値を検出して保持するとと
    もに、前記複数の匂識別センサによって計測された複数
    の前記出力ピーク値を要素とする列ベクトルを演算し、
    この列ベクトルと前記応答特性行列の逆行列とを乗算す
    ることを特徴とする、請求項6又は7に記載の匂識別装
    置。
  9. 【請求項9】 前記複数の匂識別センサの少なくとも一
    つは、昆虫の触角からなることを特徴とする、請求項6
    〜8のいずれか一に記載の匂識別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003279459A (ja) * 2002-03-25 2003-10-02 Rikogaku Shinkokai 匂いレシピ決定方法
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