JP2001311134A - 硬化材添加含水流動性土、その硬化材添加量決定方法、とその製造方法及び装置 - Google Patents

硬化材添加含水流動性土、その硬化材添加量決定方法、とその製造方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬化材添加含水流動性土に硬化材を添加する
場合の配合決定等が容易かつ有効な方法等を提供する。 【解決手段】 計量槽19で測定される含水流動性土5
3の密度を制御装置41が管理し、含水流動性土53中
の水の総質量Wwを制御装置41が演算により把握し、
wの値と、目標とする水硬化材比から硬化材添加質量
の目標値を制御装置41が演算し、開閉バルブ24を制
御して混練ミキサー3に投入させ混練を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土に水又は泥液を
添加して混練し流動性を付与したもの(以下、「含水流
動性土」という。)に自硬性の硬化材を添加・混練して
硬化させ強度を高めた硬化材添加含水流動性土、含水流
動性土に添加する硬化材量を決定する方法、この方法を
用いて硬化材添加含水流動性土を製造する方法、この方
法を用いて硬化材添加含水流動性土を製造する装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化材添加含水流動性土として
は、上記の含水流動性土にセメント系硬化材、あるいは
石灰系硬化材を添加して生成したものが知られている。
この硬化材添加含水流動性土は、建設現場における埋め
戻し材料や、裏込め材料、充填材料等として用いること
ができる。
【0003】硬化材添加含水流動性土内の硬化材は、時
間の経過により水と反応して硬化するため、硬化材添加
含水流動性土は、所定時間経過後には、所定の強度を発
揮するようになる。この強度は、含水流動性土の密度
(比重)、硬化材の添加量などによって変化すると考え
られている。また、硬化材は、土の量に応じて所定の比
率で添加することとなるため、その使用量も多量とな
り、そのコストも大きな額にのぼる。また、生成した硬
化材添加含水流動性土を用いて埋め戻し作業等を行う場
合、硬化材添加含水流動性土が固すぎると、硬化材添加
含水流動性土の取り扱いや、埋め戻し作業が困難とな
る。このことから、硬化材添加含水流動性土の柔らかさ
(コンシステンシー)は、好適な値、又は好適な値の範
囲が存在する。硬化材添加含水流動性土のコンシステン
シーとしては、シリンダー法によるフロー値が用いられ
ている。
【0004】したがって、強度とコストと流動性の観点
から、硬化材添加含水流動性土のフロー値と、硬化材の
添加量等の配合を適切に決定することが必要となる。従
来のこの種の方法としては、特開平7−82984号公
開公報に開示された方法が知られている。
【0005】この方法では、処理される土(以下、「被
処理土」という。)に調整泥水と呼ばれる材料を混合す
る。調整泥水は、水の中に粘土、シルト、ベントナイト
等の細粒土を含ませたものである。この調整泥水につい
て、異なる各種の比重ごとに複数の試料を生成し、この
調整泥水を被処理土に混合する比率(以下、「調整泥水
混合比」という。)を異ならせた複数の試料を生成す
る。これら試料に、さらにある量の硬化材を混合したも
のについて、フロー値を測定するとともに強度(一軸圧
縮強度)を測定してグラフを描き、好適なフロー値が得
られるとともに好適な強度を得られる配合を決定してい
た。以下、この方法を「調整泥水法」という。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
調整泥水法では、上記のグラフを描くために、調整泥水
の比重や調整泥水混合比が異なる試料を16から17個
程度作成する必要があり、煩雑であるとともに、コスト
も高かった。このため、より簡易で有効な配合決定方法
が要請されていた。
【0007】調整泥水法より簡易な方法としては、上記
の含水流動性土の比重を異ならせた複数個、例えば4個
の試料を作成し、これらに硬化材としてある一定の量を
混合した4個の試料を作成し、フロー値と強度を求め、
好適なフロー値と好適な強度が得られる配合を決定する
方法が知られている。以下、この方法を「硬化材量一定
法」という。
【0008】しかし、この硬化材量一定法では、硬化材
の最小所要量を求めるためには、硬化材の量を異ならせ
た試験を少なくとも3回程度は行う必要があり、上記し
た4個の試料ごとに行うとすると、少なくとも12(=
4個×3回)の試料を作成する必要があった。このた
め、調整泥水法に比べ、煩雑さやコスト額の低減は十分
ではない。
【0009】また、調整泥水法と硬化材量一定法のいず
れにも共通する問題として、これらの方法は、含水流動
性土に含まれる水の質量を直接に決定しているわけでは
なく、調整泥水混合比や含水流動性土の比重といった値
から間接的に配合を決定しようとしているため、同じ密
度(比重)等であっても、得られた硬化材添加含水流動
性土の最終強度が異なり、ばらつきが大きい、という問
題があった。
【0010】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、硬
化材添加含水流動性土に硬化材を添加する場合の配合決
定等が容易かつ有効な方法等を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る硬化材添加含水流動性土の硬化材添加
量決定方法は、土に水又は泥液を添加し混練して生成し
た流動性を有する含水流動性土の密度である第1密度を
測定によって得るとともに、水の添加により流動化した
後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質量
だけ前記含水流動性土に添加し混練して生成した流動性
を有する硬化材添加含水流動性土のフロー値である第1
フロー値を測定によって得、前記第1密度に対する前記
第1フロー値の関係を示す関数である第1関数又はグラ
フである第1グラフを作成する第1過程を実施し、次い
で、前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値であ
る第2フロー値に対応する含水流動性土の密度である第
2密度を前記第1関数又は前記第1グラフから求める第
2過程を実施し、次いで、前記第2密度をγ(g/cm
3)とし、測定によって得た前記水の密度をρw(g/c
3)とし、前記土の粒子の密度を、2.5(g/c
3)〜2.9(g/cm3)の範囲内の適宜の値である
ρs(g/cm3)と推定したとき、前記第2密度を有す
る前記含水流動性土の体積V(cm3)に含有される水
の総質量Ww(g)を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第3過程を実施し、次いで、前記Ww
有する硬化材添加含水流動性土の体積V(cm3)に含
有される硬化材質量Cに対する前記Wwの比である水硬
化材比(Ww/C)に対応する前記硬化材添加含水流動
性土の硬化後の強度の関係をあらかじめ求めて作成した
関数である第2関数又はグラフである第2グラフを用い
て、前記硬化材添加含水流動性土の目標の強度qTに対
応する水硬化材比である目標水硬化材比Rを求める第4
過程を実施し、次いで、前記第2密度を有する前記含水
流動性土の体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww
(g)と、前記Rの値から、前記目標強度qTを得るた
めに前記含水流動性土の体積V(cm3)当りに添加す
る硬化材の質量の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出し決定する第5過程を実施することを特徴と
する。
【0012】上記の硬化材添加含水流動性土の硬化材添
加量決定方法において、好ましくは、前記土の粒子の密
度の推定値ρs(g/cm3)として、2.7(g/cm
3)を用いる。
【0013】また、上記の硬化材添加含水流動性土の硬
化材添加量決定方法において、好ましくは、前記第1質
量は、前記含水流動性土の単位体積当り、50(kg/
3)〜700(kg/m3)の範囲内の適宜の値とす
る。
【0014】また、本発明に係る硬化材添加含水流動性
土の製造方法は、土に水又は泥液を添加し混練して生成
した流動性を有する含水流動性土の密度である第1密度
を測定によって得るとともに、水の添加により流動化し
た後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質
量だけ前記含水流動性土に添加し混練して生成した流動
性を有する硬化材添加含水流動性土のフロー値である第
1フロー値を測定によって得、前記第1密度に対する前
記第1フロー値の関係を示す第1関数又はグラフである
第1グラフを作成する第1過程を実施し、次いで、前記
硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値である第2フ
ロー値に対応する含水流動性土の密度である第2密度を
前記第1関数又は前記第1グラフから求める第2過程を
実施し、次いで、前記第2密度をγ(g/cm3)と
し、測定によって得た前記水の密度をρw(g/cm3
とし、前記土の粒子の密度を、2.5(g/cm3)〜
2.9(g/cm3)の範囲内の適宜の値であるρs(g
/cm3)と推定したとき、前記第2密度を有する前記
含水流動性土の体積V(cm3)に含有される水の総質
量Ww(g)を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第3過程を実施し、次いで、前記Ww
有する硬化材添加含水流動性土の体積V(cm3)に含
有される硬化材質量Cに対する前記Wwの比である水硬
化材比(Ww/C)に対応する前記硬化材添加含水流動
性土の硬化後の強度の関係をあらかじめ求めて作成した
関数である第2関数又はグラフである第2グラフを用い
て、前記硬化材添加含水流動性土の目標の強度qTに対
応する水硬化材比である目標水硬化材比Rを求める第4
過程を実施し、次いで、前記第2密度を有する前記含水
流動性土の体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww
(g)と、前記Rの値から、前記目標強度qTを得るた
めに前記含水流動性土の体積V(cm3)当りに添加す
る硬化材の質量の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出し決定する第5過程を実施し、次いで、前記
第2密度を有する前記含水流動性土の体積V(cm3
当りCT(g)の質量の硬化材を添加して混練し流動状
態の硬化材添加含水流動性土を生成する第6過程を実施
することを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る硬化材添加含水流動性
土製造装置は、土に水又は泥液を添加し混練して生成し
た流動性を有する含水流動性土の測定された密度である
第1密度と、水の添加により流動化した後に硬化して強
度を発現する自硬性の硬化材を第1質量だけ前記含水流
動性土に添加し混練して生成した流動性を有する硬化材
添加含水流動性土の測定されたフロー値である第1フロ
ー値から得られた、前記第1密度に対する前記第1フロ
ー値の関数である第1関数のデータを格納する第1関数
記憶手段と、前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロ
ー値である第2フロー値が入力された場合に、前記第2
フロー値に対応する含水流動性土の密度である第2密度
を前記第1関数から算出する第1演算手段と、前記第2
密度をγ(g/cm3)とし、測定によって得た前記水
の密度をρw(g/cm3)とし、前記土の粒子の密度
を、2.5(g/cm3)〜2.9(g/cm3)の範囲
内の適宜の値であるρs(g/cm3)と設定したとき、
前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積V(cm
3)に含有される水の総質量Ww(g)を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第2演算手段と、前記Wwを有する硬化
材添加含水流動性土の体積V(cm3)に含有される硬
化材質量Cに対する前記Wwの比である水硬化材比(Ww
/C)に対応する前記硬化材添加含水流動性土の硬化後
の強度の関係をあらかじめ求めて作成した関数である第
2関数のデータを格納する第2関数記憶手段と、前記硬
化材添加含水流動性土の目標の強度qTが入力された場
合に、前記目標強度qTに対応する水硬化材比である目
標水硬化材比Rを前記第2関数を用いて算出する第3演
算手段と、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体
積V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)と、前
記Rの値から、前記目標強度qTを得るために前記含水
流動性土の体積V(cm3)当りに添加する硬化材の質
量の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出する第4演算手段と、前記第2密度を有する
前記含水流動性土に体積V(cm3)当りCT(g)の質
量の硬化材を添加して混練し流動状態の硬化材添加含水
流動性土を生成する混練手段を備えることを特徴とす
る。
【0016】上記の硬化材添加含水流動性土製造装置に
おいて、好ましくは、前記第4演算手段により算出され
た体積V(cm3)当りの含水流動性土への硬化材の添
加質量の目標値CT(g)を出力又は表示する硬化材添
加量出力・表示手段を備える。
【0017】また、上記の硬化材添加含水流動性土製造
装置において、好ましくは、前記第4演算手段により算
出された体積V(cm3)当りの含水流動性土への硬化
材の添加質量の目標値CT(g)に基き、所要量の硬化
材を計量し前記混練手段に供給する硬化材計量・供給手
段を備える。
【0018】また、本発明に係る硬化材添加含水流動性
土は、土に水又は泥液を添加し混練して生成した流動性
を有する含水流動性土の密度である第1密度を測定によ
って得るとともに、水の添加により流動化した後に硬化
して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質量だけ前記
含水流動性土に添加し混練して生成した流動性を有する
硬化材添加含水流動性土のフロー値である第1フロー値
を測定によって得、前記第1密度に対する前記第1フロ
ー値の関係を示す関数である第1関数又はグラフである
第1グラフを作成し、次いで、前記硬化材添加含水流動
性土の目標のフロー値である第2フロー値に対応する含
水流動性土の密度である第2密度を前記第1関数又は前
記第1グラフから求め、次いで、前記第2密度をγ(g
/cm3)とし、測定によって得た前記水の密度をρ
w(g/cm3)とし、前記土の粒子の密度を、2.5
(g/cm3)〜2.9(g/cm3)の範囲内の適宜の
値であるρs(g/cm3)と推定したとき、前記第2密
度を有する前記含水流動性土の体積V(cm3)に含有
される水の総質量Ww(g)を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出し、次いで、前記Wwを有する硬化材添加含
水流動性土の体積V(cm3)に含有される硬化材質量
Cに対する前記Wwの比である水硬化材比(Ww/C)に
対応する前記硬化材添加含水流動性土の硬化後の強度の
関係をあらかじめ求めて作成した関数である第2関数又
はグラフである第2グラフを用いて、前記硬化材添加含
水流動性土の目標の強度qTに対応する水硬化材比であ
る目標水硬化材比Rを求め、次いで、前記第2密度を有
する前記含水流動性土の体積V(cm3)に含有される
水の総質量Ww(g)と、前記Rの値から、前記目標強
度qTを得るために前記含水流動性土の体積V(cm3
当りに添加する硬化材の質量の目標値CT(g)を、下
式 CT=Ww/R により算出して決定し、次いで、前記第2密度を有する
前記含水流動性土に体積V(cm3)当りCT(g)の質
量の硬化材を添加し混練することにより生成されること
を特徴とする。
【0019】上記の硬化材添加含水流動性土において、
好ましくは、前記硬化材は、セメント又は酸化カルシウ
ム若しくは水酸化カルシウムを含む。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態である硬化材
添加含水流動性土製造装置の構成を示すブロック図であ
る。図1に示すように、本実施形態の硬化材添加含水流
動性土製造装置100は、含水流動性土調製部1と、硬
化材調製部2と、混練ミキサー3と、計測・制御部4を
備えて構成されている。
【0022】含水流動性土調製部1は、土貯留容器11
と、搬送装置12と、貯水槽13と、ポンプ14と、混
練ミキサー15と、ポンプ16と、計量槽19を有して
いる。また、硬化材調製部2は、硬化材貯留容器21
と、搬送装置22と、計量容器23と、開閉バルブ24
を有している。また、計測・制御部4は、制御装置41
と、質量測定装置42、43、44、46、及び47
と、体積測定装置45を有している。
【0023】以下に、上記した各機器・装置等のさらに
詳細な構成と、その作用を詳細に説明する。
【0024】土貯留容器11は、土木・建築作業等の建
設現場、あるいは農業土木工事の現場等から地盤掘削等
により発生した土、あるいは土採取場等から採取した土
などを収容する容器である。この土には、水分含有量が
少なくほぼ固体状となっている通常の土のほか、当初か
ら相当量の水を含有し軟弱となっている土や、泥状とな
っている土、若しくはヘドロ状の土も含まれる。
【0025】この土貯留容器11には、質量測定装置4
2が設けられている。質量測定装置42は、例えば、圧
力センサー(図示せず)を有しており、土の質量(重
量)によって土貯留容器11に発生する圧力を検出し、
この検出圧力に基いて、土貯留容器11内に収容されて
いる土の質量を算出する。圧力センサーとしては、スト
レインゲージ(ロードセル)、圧電素子、ダイアフラ
ム、ブルドン管、ベローズ等の公知の力検出器が用いら
れる。質量測定装置42が検出した土貯留容器11内の
土の質量データは、有線又は無線の回線(図示せず)を
介して制御装置41に出力される。
【0026】制御装置41は、図示してはいないが、コ
ントローラと、CRT(Cathode Ray Tu
be:陰極線管)や液晶表示器等を含む表示装置、キー
ボードやスイッチ等の入力装置、出力端子等の出力装
置、ハードディスクや光ディスク記録再生装置等の外部
記憶装置を有している。コントローラは、コンピュータ
により構成されており、例えば、図示しないCPU(C
entral Processing Unit :中
央演算処理装置)と、図示しないROM(Read O
nly Memory:読出し専用メモリ)と、図示し
ないRAM(Random Access Memor
y:随時書込み読出しメモリ)等を有している。
【0027】このうち、CPUは、ROMやRAM等を
統括し、各種演算やプログラム実行等の処理を実行する
部分である。ROMは、CPUの実行するプログラムや
予め設定された情報等を格納した記憶装置である。RA
Mは、CPUにより演算された中間結果データ等を一時
記憶する記憶装置である。このような構成により、CP
Uは、ROMに格納された演算プログラムを読み出し、
ROMやRAM又は外部から与えられるデータ値に基づ
いて前記演算プログラムを実行して演算結果を得た後、
この演算結果をRAMに一次記憶させ、外部に出力した
り、RAMの一次記憶値に基づき、さらに他の演算プロ
グラムを実行する。
【0028】上記の土貯留容器11には、搬送装置12
が接続している。搬送装置12は、例えばベルトコンベ
ア(図示せず)を有しており、土貯留容器11から土5
1を取り出して搬送し混練ミキサー15へ供給する。
【0029】貯水槽13は、水道等から供給される水を
収容する水密性を有する容器である。この貯水槽13に
は、質量測定装置43が設けられている。質量測定装置
43は、上記した質量測定装置42と同様の構成を有し
ている。質量測定装置43が検出した貯水槽13内の水
の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せ
ず)を介して制御装置41に出力される。
【0030】貯水槽13には、配管を介してポンプ14
が接続している。ポンプ14は、貯水槽13から水52
を汲み上げ、配管を介して圧送し混練ミキサー15へ供
給する。
【0031】混練ミキサー15は、容器の内部に、回転
する羽根や螺旋状突起部等が設けられており、供給され
た土51と水52を十分均一になるように混合し練り混
ぜる装置である。内部の羽根等は、電動モータ等の回転
駆動源によって回転駆動される。混練ミキサー15によ
り、土51には水52が添加されるとともに十分混練さ
れるため、流動性を有するようになる。以下、この状態
の土51と水52の混練物を含水流動性土という。
【0032】この混練ミキサー15には、質量測定装置
44が設けられている。質量測定装置44は、上記した
質量測定装置42と同様の構成を有している。質量測定
装置44が検出した混練ミキサー15内の含水流動性土
の質量(重量)データは、有線又は無線の回線(図示せ
ず)を介して制御装置41に出力される。
【0033】混練ミキサー15には、配管を介してポン
プ16が接続している。ポンプ16は、混練ミキサー1
5内の含水流動性土53を汲み上げ、配管を介して圧送
し含水流動性土貯留槽17内に収容する。
【0034】含水流動性土貯留槽17は、混練ミキサー
15から送られてきた含水流動性土53を一時的に収容
するための水密性を有する容器である。この含水流動性
土貯留槽17には、配管を介してポンプ18が接続して
いる。ポンプ18は、含水流動性土貯留槽17内の含水
流動性土を汲み上げ、配管を介して圧送し計量槽19へ
供給する。
【0035】計量槽19は、含水流動性土貯留槽17か
ら供給される含水流動性土53を計量するための水密性
を有する容器である。この計量槽19の内部の寸法はあ
らかじめ計測されており、内部の含水流動性土の表面の
位置を計測することにより、計量槽19内に収容された
含水流動性土53の体積が算出できるようになってい
る。このため、計量槽19の例えば上方には、体積測定
装置45が設けられている。体積測定装置45は、例え
ば、表面位置検出センサー(図示せず)を有しており、
含水流動性土の表面位置を計測し、この距離に基いて、
計量槽19内に収容されている含水流動性土の体積を算
出する。表面位置検出センサーとしては、レーザー光線
を利用した距離測定センサー等の公知の位置検出器が用
いられる。体積測定装置45が検出した計量槽19内の
含水流動性土の体積データは、有線又は無線の回線(図
示せず)を介して制御装置41に出力される。
【0036】また、計量槽19には、質量測定装置46
が設けられている。質量測定装置46は、上記した質量
測定装置42と同様の構成を有している。質量測定装置
46が検出した計量槽19内の含水流動性土の質量(重
量)データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介し
て制御装置41に出力される。
【0037】計量槽19には、配管を介して混練ミキサ
ー3が接続している。この配管には、開閉弁(図示せ
ず)が配置されており、この開閉弁は、有線又は無線の
回線(図示せず)を介して制御装置41に接続され、そ
の開閉が制御されるようになっている。これにより、計
量槽19内の含水流動性土53の計量が終了した後は、
制御装置41のCPU(図示せず)が開閉弁(図示せ
ず)に開放指令信号を送って開放させ、含水流動性土5
3は、配管を通って混練ミキサー3に供給される。
【0038】硬化材貯留容器21は、硬化材を収容する
容器である。硬化材には、セメント系硬化材と、石灰系
硬化材がある。セメント系硬化材は、セメントを母材と
し、各種の機能を発揮させるための機能成分を混入させ
て生成される。セメントとしては、ポルトランドセメン
ト等が用いられる。また、混入される機能成分として
は、硬化時に水を結合水として取り込むエトリンガイト
の生成を補助する石膏、ポゾラン反応を促進するための
スラグやフライアッシュ、硬化材の硬化性能を向上させ
るアルミナセメントやジェットセメント、成分を調整し
て焼成したクリンカー等が使用される。
【0039】また、石灰系硬化材は、石灰を母材とし、
各種の機能を発揮させるための機能成分を混入させて生
成される。石灰としては、生石灰(酸化カルシウム)で
もよいし、消石灰(水酸化カルシウム)でもよく、これ
らの適宜の混合物でもよい。
【0040】上記の硬化材貯留容器21には、搬送装置
22が接続している。搬送装置22は、例えばベルトコ
ンベアやスクリューコンベア(図示せず)を有してお
り、硬化材貯留容器21から硬化材54を取り出して搬
送し計量容器23へ供給する。
【0041】計量容器23には、質量測定装置47が設
けられている。質量測定装置47は、上記した質量測定
装置42と同様の構成を有している。質量測定装置47
が検出した計量容器23内の硬化材54の質量(重量)
データは、有線又は無線の回線(図示せず)を介して制
御装置41に出力される。
【0042】計量容器23には、直接に、あるいは配管
を介して開閉バルブ24が接続している。この開閉バル
ブ24は、有線又は無線の制御回線48を介して制御装
置41に接続され、その開閉が制御されるようになって
いる。開閉バルブ24を通過した硬化材54は、配管を
通って混練ミキサー3に供給される。
【0043】混練ミキサー3は、混練ミキサー15と同
様の構成を有しており、供給された含水流動性土53と
硬化材54を十分均一になるように混合し練り混ぜる装
置である。混練ミキサー3により、含水流動性土53に
は硬化材54が添加されるとともに十分混練される。こ
の結果、混練ミキサー3により生成された混練物55
は、所定時間が経過した後に硬化して強度を発現する性
質(自硬性)を有するようになる。以下、この状態の含
水流動性土53と硬化材54の混練物55を硬化材添加
含水流動性土という。
【0044】上記した本実施形態の装置100の特徴
は、混練ミキサー3において含水流動性土53に添加す
べき硬化材54の質量を制御装置41で決定し、開閉バ
ルブ24を制御し、適正質量の硬化材54を混練ミキサ
ー3に供給する方法にある。以下、この方法(以下、
「本制御方法」という。)の内容について説明する。
【0045】本制御方法においては、「含水流動性土5
3のある体積(以下、Vとする。)中に含まれる水の質
量又は重量(以下、Wwとする。)と、体積Vの含水流
動性土53に添加される硬化材54の質量又は重量(以
下、Cとする。)の比(Ww/C:以下、「水硬化材
比」という。)を一定とすれば、所定時間が経過した後
に硬化材添加含水流動性土55が硬化して発現する強度
(例えば、一軸圧縮強度)は、ほぼ一定となる。」とい
う事実を前提としている。この事実は、出願人らの研究
により発見された。以下に、この事実を明示する実験結
果を表1として示す。
【0046】
【表1】
【0047】上記の表1から明らかなように、試料20
A、20B、20Cの場合には、単位体積の含水流動性
土に添加する硬化材の質量Cを一定としても、水硬化材
比(表1におけるWw/C)が異なっているため、強度
(14日経過後の一軸圧縮強度:単位はキロパスカル)
の値がばらつき、値が11〜38%も変動している。こ
れに対し、試料20AA、20BB、20CCの場合に
は、水硬化材比(表1におけるWw/C)を一定にした
ため、強度(28日経過後の一軸圧縮強度:単位はキロ
パスカル)の値はほとんど一定となり、変動率は2〜6
%程度である。
【0048】水硬化材比を一定にするように制御するた
めには、含水流動性土53のある体積(以下、Vとす
る。)中に含まれる水の質量Wwを正確に求める必要が
ある。
【0049】図2は、ある含水流動性土の中の土と水の
関係を模式的に表現した図である。図2において、Vは
含水流動性土の全体の体積(単位:cm3)を示し、W
は含水流動性土の全体の質量又は重量(単位:g(グラ
ム))を示し、γは含水流動性土の密度又は比重(単
位:g/cm3)を示している。また、Vsは含水流動性
土中の土粒子のみの体積(単位:cm3)を、Wsは含水
流動性土中の土粒子のみの質量又は重量(単位:g(グ
ラム))を、ρsは含水流動性土中の土粒子の密度又は
比重(単位:g/cm3)を、それぞれ示している。ま
た、Vwは含水流動性土中の水のみの体積(単位:c
3)を、Wwは含水流動性土中の水のみの質量又は重量
(単位:g(グラム))を、ρwは含水流動性土中の水
の密度又は比重(単位:g/cm3)を、それぞれ示し
ている。
【0050】まず、密度=質量/体積であるから、下式 γ=W/V ………(1) ρs=Ws/Vs ………(2) ρw=Ww/Vw ………(3) が成立する。
【0051】また、土の体積と水の体積の和は、全体の
体積であるから、下式 Vs+Vw=V ………(4) が成立する。
【0052】また、土の質量と水の質量の和は、全体の
質量であるから、下式 Ws+Ww=W ………(5) が成立する。
【0053】上式(5)より、 Ww=W−Ws ………(6) となる。
【0054】上式(1)より得たW=γ×Vを上式
(6)に代入し、 Ww=γ×V−Ws =γ×V−ρs×Vs =γ×V−ρs×(V−Vw) ………(7) となる。
【0055】ここで、上式(3)より得たVw=Ww/ρ
wを上式(7)に代入すると、 Ww=γ×V−ρs×{V−(Ww/ρw)} =γ×V−ρs×V+Ww×(ρs/ρw) ……(8) となる。
【0056】上式(8)のWwをまとめると、 Ww−Ww×(ρs/ρw) =γ×V−ρs×V ………(9) となる。
【0057】上式(9)より、 Ww×(ρs/ρw)−Ww =ρs×V−γ×V ………(10) となる。
【0058】上式(10)を整理すると、 Ww×{(ρs/ρw)−1} =V×(ρs−γ) ………(11) となる。
【0059】上式(11)をWwについて解くと、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} ………(12) が得られる。
【0060】上式(12)において、Vは、含水流動性
土の全体の体積(cm3)であるから、図1における体
積測定装置45によって測定される既知の値である。ま
た、γは、含水流動性土の全体の密度又は比重(g/c
3)であるから、W/Vで算出できる。Wは、含水流
動性土の全体の質量(g)であるから、図1における質
量測定装置46によって測定される既知の値であり、V
は上述のように既知である。また、ρwは、含水流動性
土の中の水の密度又は比重(g/cm3)であるから、
あらかじめ室内試験等により計測により求めておくこと
ができる。このρ wの値は、水の温度の関数となる場合
もあるが、水温との関係についても、室内試験等によ
り、あらかじめ把握することが可能である。水温をパラ
メータとして考慮する場合には、制御装置41の入力装
置により、水温の値を入力する。また、ρwの値を近似
的に1.0とすることも可能である。
【0061】ρsは、含水流動性土の中の土粒子の乾燥
状態での密度又は比重(g/cm3)である。この値
も、室内試験により厳密な値を求めることは可能である
が、建設現場で土質が変化するたびに室内試験によりρ
sを求めることは煩雑である。
【0062】出願人らは、日本国内での各種の土を調査
し、その土粒子密度を厳密に測定することにより、「日
本国内の土においては、土質が異なっても、土粒子の密
度又は比重は、おおむね2.5(g/cm3)〜2.9
(g/cm3)の範囲内の値である。」という事実を発
見した。以下に、この事実を明示する実験結果の一例を
表2として示す。
【0063】
【表2】
【0064】したがって、上式(12)においては、ρ
sの値として、2.5(g/cm3)〜2.9(g/cm
3)の範囲内の適宜の値を用いることができると考えら
れる。例えば、ρsの値を2.7として上式(12)に
よりWwの値を計算したとき、実際に実験で求めたρs
値を用いた場合との差は、各種の土で比較したが、3%
以下であった。このことから、通常は、ρsの値を2.
7としても、さしつかえないと考えられる。
【0065】しかし、他のデータ等により土質等が判明
している場合には、上記の表2等を参考にして、ρs
値を2.7から2.9までの間で適宜増加させ、あるい
は2.7から2.5までの間で適宜減少させるように補
正すればよい。また、あらかじめ室内試験を行って、表
2よりも詳細な土質分類と土粒子密度の関係表を作成し
ておき、これに基いてρsの値を詳細に決定してもよ
い。この場合、土の外観観察による土質分類だけでな
く、土のデータで比較的簡易に得られるデータ、例え
ば、N値等とも関連づけられれば、より簡易で有効な土
質と土粒子密度の関係表を作成することができる。
【0066】上記のようにして含水流動性土の体積V
(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)が算出でき
れば、次は、硬化後の硬化材添加含水流動性土の目標強
度qT(例えば、一軸圧縮強度)を得るために必要な水
硬化材比が求められればよい。これは、含水流動性土の
体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)が判
明しているのであるから、硬化材の質量を変えた複数
(例えば、3個、又は4個、若しくは5個以上)の硬化
材添加含水流動性土の試料を作成し、硬化した試料につ
いて強度試験を行えば、水硬化材比と強度(例えば、一
軸圧縮強度)との関係を表す関数(グラフに描けば関係
曲線)を得ることができる。この関数から内挿比例配分
又は外挿比例配分を行って算出するか、グラフ上から読
み取ることにより、硬化後の硬化材添加含水流動性土の
目標強度qTを得るために必要な水硬化材比R(以下、
「目標水硬化材比」という。)を求めることができる。
目標水硬化材比Rが求められれば、含水流動性土の体積
V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)は、上記
のように求められているから、含水流動性土の体積V
(cm3)当りに添加する硬化材の質量又は重量の目標
値CT(g)を計算によって求めることができる。
【0067】しかし、上記の手順だけでは十分ではな
い。上記の手順においては、混練ミキサー15で生成さ
れる含水流動性土53の密度γの値は適宜であった。し
かし、含水流動性土53の含水量が小さく、γの値が1
よりかなり大きい場合には、最終的に生成される硬化材
添加含水流動性土55の流動性が低く、建設現場等にお
いて埋め戻し作業や充填作業等が困難となる場合があ
る。したがって、含水流動性土53の密度γの値には、
好適な範囲があると考えられる。
【0068】本実施形態の硬化材添加含水流動性土製造
装置100で実施される手順は、施工等から規定される
含水流動性土53の密度γの所要値をも考慮したもので
ある。
【0069】本実施形態の硬化材添加含水流動性土製造
装置100においては、制御装置41のコンピュータの
ROM(図示せず)に、図3のグラフに示すような関数
データが格納されている。図3のグラフの横軸は、含水
流動性土53の密度又は比重(g/cm3)を示してい
る。また、図3のグラフの縦軸は、含水流動性土53で
はなく、含水流動性土53にさらに硬化材を添加した後
の硬化材添加含水流動性土55のフロー値(mm)を示
している。
【0070】フロー値とは、硬化材添加含水流動性土5
5の柔らかさ、流動し易さ等(コンシステンシー)を示
す指標値である。硬化材添加含水流動性土55のフロー
値の試験方法としては、一般的には、「日本道路公団規
格(JHS)」のA313−1992に規定されている
「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」の「1.2
シリンダー法」が準用されている。
【0071】このシリンダー法は、内径80mm、高さ
80mmの黄銅等からなる両端開放の円筒を用いる。以
下、上記規格に記載された「エアモルタル及びエアミル
ク」を「硬化材添加含水流動性土」に読み替えて説明す
る。
【0072】まず、このシリンダーを水平な鋼板等の板
の上に静置する。その後、硬化材添加含水流動性土を、
シリンダーからあふれさせないように、シリンダーの上
端まで静かに入れる。その後、硬化材添加含水流動性土
の表面が水平で、かつシリンダーの上端に一致するよう
に、シリンダーの側面を指で軽くたたく。その後、シリ
ンダーを静かに鉛直上方に引き上げる。これにより、硬
化材添加含水流動性土が板上に広がる。広がって1分後
に、最大と認められる方向の径(以下、「最大径」とい
う。単位:mm)、及びこの最大径に直角な方向の径
(以下、「直交径」という。単位:mm)を計測する。
フロー値としては、上記の最大径と直交径の加重平均値
(mm)を用いる。
【0073】図3のグラフは、密度の異なる複数個(例
えば4個)の含水流動性土について、それぞれ硬化材を
添加した後の硬化材添加含水流動性土のフロー値を測定
しプロットしたものである。なお、試料の個数は、4個
には限定されず、3個、あるいは5個以上であってもよ
い。この場合、複数個の含水流動性土の試料のそれぞれ
の密度の測定値は、特許請求の範囲における第1密度に
相当している。また、複数個の含水流動性土の各試料に
添加される硬化材の質量又は重量は、特許請求の範囲に
おける第1質量に相当している。また、複数個の硬化材
添加含水流動性土の試料のそれぞれのフロー値の測定値
は、特許請求の範囲における第1フロー値に相当してい
る。また、図3に示すグラフは、特許請求の範囲におけ
る第1グラフに相当し、第1グラフの内容を示す関数
は、特許請求の範囲における第1関数に相当している。
【0074】この場合、硬化材添加含水流動性土のフロ
ー値は、添加する硬化材の質量にはほとんど左右されな
い。図3のグラフの横軸に示すように、硬化材を添加す
る前の状態の含水流動性土の密度(g/cm3)が、
1.1〜1.3程度であり、ほとんど液体状であるた
め、硬化材の添加質量が多少変わっても、硬化材添加含
水流動性土のフロー値の変動は非常に微小であるからで
ある。しかしながら、硬化材添加質量が極端に多い場合
と極端に少ない場合には、その差が無視できなくなるた
め、図3のグラフを得るためのフロー値測定における硬
化材添加質量の値には、好適な範囲があると考えられ
る。本実施形態においては、各種の調査、試験を行い、
図3のグラフを得るためのフロー値測定における硬化材
添加質量の値として、含水流動性土の単位体積当り、5
0(kg/m3)〜700(kg/m3)の範囲内の適宜
の値が好適であるという結果を得ており、この値を採用
している。
【0075】上記したように、本実施形態の硬化材添加
含水流動性土製造装置100においては、制御装置41
のコンピュータのROM(図示せず)に、図3のグラフ
に示すような関数データが格納されている。したがっ
て、まず、試験工事等により、建設現場等における埋め
戻し作業等に必要なフロー値(以下、「目標フロー値」
という。)Fを決定する。目標フロー値Fは、特許請求
の範囲における第2フロー値に相当している。この目標
フロー値Fを、この装置100の操作者が、制御装置4
1の入力装置(図示せず)から入力すれば、制御装置4
1のコンピュータのCPU(図示せず)が、図3に示す
ような関数により、含水流動性土の密度の目標値(以
下、「目標含水流動性土密度」という。)γを算出す
る。目標含水流動性土密度γは、特許請求の範囲におけ
る第2密度に相当している。
【0076】したがって、図1の装置100において、
所定の硬化材添加含水流動性土55を製造するために
は、まず、混練ミキサー15によって生成される含水流
動性土53の密度が、上記の目標含水流動性土密度γの
値からはずれないように制御する必要がある。このた
め、制御装置41のコンピュータのCPUは、計量槽1
9に設けられた質量測定装置46及び体積測定装置45
からおくられてくる含水流動性土53の質量Wと体積V
から密度を算出し、この値を監視する。
【0077】そして、監視している含水流動性土53の
密度が、γの値の上下に設定された所定の許容値のうち
上限許容値を上まわって大きくなった場合(含水流動性
土53が固くなりすぎた場合)には、制御装置41のコ
ンピュータのCPUは、制御回線(図示せず)を介して
混練ミキサー15に土を供給する搬送装置12に停止指
令信号を送って停止させる。一方、監視している含水流
動性土53の密度が、γの値の上下に設定された所定の
許容値のうち下限許容値を下まわって小さくなった場合
(含水流動性土53が液状になりすぎた場合)には、制
御装置41のコンピュータのCPUは、制御回線(図示
せず)を介して混練ミキサー15に水を供給するポンプ
14に停止指令信号を送って停止させる。このようにし
て、制御装置41のコンピュータのCPUは、含水流動
性土53の密度が、γを中心とした上下の所定許容値の
範囲内に収まるように制御する。
【0078】この場合、制御装置41のコンピュータの
CPUは、土貯留容器11の質量測定装置42から送ら
れてくる土の質量データ、貯水槽13の質量測定装置4
3から送られてくる水の質量データ、混練ミキサー15
の質量測定装置44から送られてくる混練中の含水流動
性土の質量データも監視し、混練ミキサー15で混練中
の含水流動性土の密度の予測を行うこともできる。この
ようにすれば、計量槽19からのデータにより含水流動
性土53の密度が判明する以前の段階で状況を把握でき
るため、含水流動性土53の密度管理をより正確、か
つ、きめ細かく行うことが可能となる。
【0079】また、本実施形態の硬化材添加含水流動性
土製造装置100においては、制御装置41のコンピュ
ータのROM(図示せず)に、上式(12)の関数と、
温度パラメータ等も含んだρwの関数が格納されてい
る。ρsの値は、一定値としてROMに格納しておいて
もよいし、この装置100の操作者が制御装置41の入
力装置(図示せず)により入力するようにしてもよい。
上式(12)におけるVの値は、体積測定装置45によ
って測定され、制御装置41に送られてくる。また、W
の値は、質量測定装置46によって測定され、制御装置
41に送られてくる。また、γは、制御装置41のコン
ピュータのCPU(図示せず)が、W/Vにより算出す
る。この結果、あらかじめROM等に記憶された値や関
数、装置100内で測定されて送られてきた値に基き、
制御装置41のコンピュータのCPU(図示せず)が、
上式(12)により含水流動性土の体積V(cm3)に
含有される水の総質量Ww(g)の値を算出する。
【0080】また、本実施形態の硬化材添加含水流動性
土製造装置100においては、制御装置41のコンピュ
ータのROMに、図4のグラフに示すような関数データ
が格納されている。図4のグラフの横軸は、硬化材添加
含水流動性土55の水硬化材比Ww/Cを示している。
また、図4のグラフの縦軸(右側)は、硬化材添加含水
流動性土55の硬化後の一軸圧縮強度(kgf/c
2)を示している。なお、図4のグラフの縦軸(左
側)は、硬化材添加含水流動性土55のフロー値(m
m)を示している。
【0081】図4のグラフは、水硬化材比の異なる複数
個(例えば4個)の硬化材添加含水流動性土について、
それぞれ硬化後の一軸圧縮強度を測定しプロットしたも
のである。なお、試料の個数は、4個には限定されず、
3個、あるいは5個以上であってもよい。図4に示すグ
ラフは、特許請求の範囲における第2グラフに相当し、
第2グラフの内容を示す関数は、特許請求の範囲におけ
る第2関数に相当している。
【0082】上記したように、本実施形態の硬化材添加
含水流動性土製造装置100においては、制御装置41
のコンピュータのROM(図示せず)に、図4のグラフ
に示すような関数データが格納されている。したがっ
て、まず、試験工事等により、建設現場等における埋め
戻し作業等に必要な最終強度(以下、「目標強度」とい
う。)qTを決定する。この目標強度qTを、この装置1
00の操作者が、制御装置41の入力装置(図示せず)
から入力すれば、制御装置41のコンピュータのCPU
(図示せず)が、図4に示すような関数により、硬化材
添加含水流動性土の水硬化材比の目標値(以下、「目標
水硬化材比」という。)Rを算出する。
【0083】制御装置41のコンピュータのCPU(図
示せず)は、求められた目標水硬化材比の値と、すでに
求められている含水流動性土の体積V(cm3)に含有
される水の総質量Ww(g)の値から、添加すべき硬化
材の質量(g)の目標値(以下、「目標硬化材添加質
量」という。)CT(g)を算出する。
【0084】制御装置41のコンピュータのCPUは、
この目標硬化材添加質量値CTに基き、制御回線48を
介して開閉バルブ24にバルブ開放指令信号を出力して
開閉バルブ24を開放させる。この際、制御装置41の
コンピュータのCPUは、質量測定装置47から送られ
てくる値を監視する。これにより、計量容器23から放
出された硬化材の質量が、上記のようにして算出された
目標硬化材添加質量値CTに達したことが検出された場
合には、制御装置41のコンピュータのCPUは、制御
回線48を介して開閉バルブ24にバルブ閉塞指令信号
を出力し、開閉バルブ24を閉塞させる。このようにし
て、混練ミキサー3により、目標の硬化強度qTが得ら
れる硬化材添加含水流動性土55が生成される。
【0085】混練ミキサー3から取り出された硬化材添
加含水流動性土55は、アジテータ車等(図示せず)で
運搬され、建設現場における埋め戻し材料や、裏込め材
料、充填材料等として用いることができる。また、流動
状態の硬化材添加含水流動性土55を地盤内に混入さ
せ、地盤中の土又は他の地盤構成要素と攪拌させれば、
所定時間経過後には、硬化材の硬化により地盤の強度を
増加させることができ、この方法を地盤改良工法として
利用することもできる。
【0086】上記において、混練ミキサー3は、特許請
求の範囲における混練手段に相当している。また、制御
装置41のコンピュータのROM(図示せず)は、特許
請求の範囲における第1関数記憶手段及び第2関数記憶
手段に相当している。また、制御装置41のコンピュー
タのCPU(図示せず)は、特許請求の範囲における第
1演算手段、第2演算手段、第3演算手段、及び第4演
算手段に相当している。また、計量容器23と、質量測
定装置47と、開閉バルブ24と、制御装置41のコン
ピュータのCPU(図示せず)と、制御回線48は、特
許請求の範囲における硬化材計量・供給手段を構成して
いる。
【0087】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発
明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に
同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、い
かなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0088】例えば、上記実施形態においては、各質量
の測定を質量測定装置42、43、44、46、47が
行って質量データを制御装置41内のCPU(図示せ
ず)に出力し、計量槽19における体積の測定を体積測
定装置45が行って体積データを制御装置41内のCP
U(図示せず)に出力する例について説明したが、本発
明はこの例には限定されず、他の構成、例えば、質量を
算出する前の段階のセンサーの直接検出値(圧力検出式
の質量測定装置における圧力値、あるいは検出した電気
信号のレベル値そのもの)や、体積を算出する前の段階
のセンサーの直接検出値(レーザー光線による距離値、
あるいは検出した電気信号のレベル値そのもの)を制御
装置41内のCPU(図示せず)に出力し、CPUが質
量や体積を演算するように構成してもよい。この場合に
は、質量測定装置や体積測定装置のかわりに、質量や体
積を算出可能な各種の値を検出するセンサーを配置すれ
ばよい。
【0089】また、上記実施形態の装置100に設けら
れた質量積測定装置42、43、44は設けなくてもよ
い。少なくとも、質量測定装置46及び47と、体積測
定装置45が設けられていれば、本発明の基本的な制御
は可能である。
【0090】また、上記実施形態においては、制御装置
41のROM(図示せず)が、図3に示す第1グラフの
内容を有する第1関数のデータや、図4に示す第2グラ
フの内容を有する第2関数のデータを格納しており、制
御装置41のCPU(図示せず)がこれらの関数に基い
て演算を行って各目標値を算出する例について説明した
が、本発明はこの例には限定されず、他の方法、例え
ば、混練手段(例えば混練ミキサー3)の操作者が、第
1グラフや第2グラフから所要の目標値を読み取って、
後の計算や硬化材添加質量の計量等を行うようにしても
よい。あるいは、混練手段(例えば混練ミキサー3)の
操作者が、第1関数や第2関数から所要の目標値を計算
により算出し、後の計算や硬化材添加質量の計量等を行
うようにしてもよい。
【0091】また、制御装置41が算出した体積V(c
3)当りの含水流動性土への硬化材の添加質量の目標
値CT(g)を、出力端子等の出力装置(図示せず)か
ら外部へ出力し、この出力によって外部の他のコンピュ
ータ、コントローラなどを用いて硬化材の計量や、開閉
バルブ24の制御等を行うようにしてもよい。あるい
は、制御装置41が算出した体積V(cm3)当りの含
水流動性土への硬化材の添加質量の目標値CT(g)
を、CRT(陰極線管)や液晶表示器等を含む表示装置
(図示せず)により操作者等に表示し、操作者が、この
値を視認し、この値に基いて硬化材の計量等を行うよう
にしてもよい。これらは、特許請求の範囲における硬化
材添加量出力・表示手段に相当している。
【0092】また、上記実施形態においては、混練ミキ
サー15において、土51に水52を添加して練り混ぜ
含水流動性土53を生成する例について説明したが、本
発明はこの例には限定されず、他の方法、例えば、土中
に相当量の水を含み液状に近いものをあらかじめ他の装
置等で生成しておき、混練ミキサー15において、水5
1のかわりに添加して練り混ぜ含水流動性土を生成する
ようにしてもよい。この「土中に相当量の水を含み液状
に近いもの」は、特許請求の範囲における泥液に相当し
ている。この泥液としては、例えば、含水比が70%以
上の土などが挙げられる。ここに、含水比は、(mw
s)×100で表される百分率であり、式中のmwは水
分質量を、msは土の乾燥質量を示している。このよう
な泥液としては、基礎工事等で発生する各種泥土、掘削
壁面安定液(連続地中壁工法、シールド工法等における
地盤掘削に用いられる材料で、ベントナイト等を含む水
溶液)、上記した調整泥水、水底のヘドロ状の泥土等を
用いることが可能である。あるいは、上記の調整泥水の
含有成分(細粒土)とともに、又はそのかわりに、砂、
又は砂質土、若しくはこれらの適宜の混合物を水中に含
ませてもよい。このような泥液を添加して含水流動性土
を生成した場合でも、上記装置100の計量槽19にお
ける質量及び体積の測定によって含水流動性土の密度γ
は測定され、土粒子の密度ρsは上述した方法と同様に
推定し、泥液中の水の密度ρwについてもあらかじめ測
定するか水温の関数として算出するか1.0に設定すれ
ばよいから、上記の式(12)を上記と同様に用いて水
の質量Wwを算出し、硬化材の質量の目標値CTを算出す
ることができ、上記した硬化材添加含水流動性土55と
同様の硬化材添加含水流動性土を生成することができ
る。また、上記のような泥液は、建設現場等から発生す
る廃棄物であることが多く、従来は処分場等へ運搬して
処分する必要があったが、上記のようにして含水流動性
土の材料として利用することにすれば、材料費と廃棄物
処理費をともに節約することができ、建設コストの低減
について二重の効果がある。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
含水流動性土に含まれる水の質量を求めて水硬化材比を
管理するので、硬化材添加含水流動性土の硬化後の強度
のばらつきを低く抑えることができ、施工に必要な好適
なフロー値を確保することができ、かつ、フロー値、密
度、強度等についてあらかじめ行う予備試験の試料個数
を従来の方法よりも少なくすることができ、全体として
簡易な手順となる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である硬化材添加含水流動
性土製造装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態である硬化材添加含水流動
性土製造装置の制御装置における動作を説明する第1の
図である。
【図3】本発明の一実施形態である硬化材添加含水流動
性土製造装置の制御装置における動作を説明する第2の
図である。
【図4】本発明の一実施形態である硬化材添加含水流動
性土製造装置の制御装置における動作を説明する第3の
図である。
【符号の説明】
1 含水流動性土調製部 2 硬化材調製部 3 混練ミキサー 4 計測・制御部 11 土貯留容器 12 搬送装置 13 貯水槽 14 ポンプ 15 混練ミキサー 16 ポンプ 17 含水流動性土貯留槽 18 ポンプ 19 計量槽 21 硬化材貯留容器 22 搬送装置 23 計量容器 24 開閉バルブ 41 制御装置 42〜44 質量測定装置 45 体積測定装置 46、47 質量測定装置 48 制御回線 51 土 52 水 53 含水流動性土 54 硬化材 55 硬化材添加含水流動性土 100 硬化材添加含水流動性土製造装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/00 101 C09K 17/10 P C09K 17/10 E02D 3/12 102 E02D 3/12 102 C09K 17/06 P // C09K 17/06 B09B 3/00 ZAB (72)発明者 神田 政幸 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 村田 修 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 滝沢 聡 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 市原 道三 東京都江東区亀戸1丁目38番6号 日東大 都工業株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AB09 CA01 CA03 CC01 2D043 CA01 EA04 EA06 4D004 AA32 AB01 AC07 BA01 BA02 CA15 CA45 CB02 CB21 CC11 CC12 CC13 DA01 DA02 DA04 DA09 DA10 DA16 DA20 4D059 AA09 BG00 BG02 CB04 CB06 CC04 DA04 DA05 DA06 DA64 DA66 DA67 DA68 EB11 4H026 CA01 CA02 CC03 CC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土に水又は泥液を添加し混練して生成し
    た流動性を有する含水流動性土の密度である第1密度を
    測定によって得るとともに、水の添加により流動化した
    後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質量
    だけ前記含水流動性土に添加し混練して生成した流動性
    を有する硬化材添加含水流動性土のフロー値である第1
    フロー値を測定によって得、前記第1密度に対する前記
    第1フロー値の関係を示す関数である第1関数又はグラ
    フである第1グラフを作成する第1過程を実施し、 次いで、前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値
    である第2フロー値に対応する含水流動性土の密度であ
    る第2密度を前記第1関数又は前記第1グラフから求め
    る第2過程を実施し、 次いで、前記第2密度をγ(g/cm3)とし、測定に
    よって得た前記水の密度をρw(g/cm3)とし、前記
    土の粒子の密度を、2.5(g/cm3)〜2.9(g
    /cm3)の範囲内の適宜の値であるρs(g/cm3
    と推定したとき、前記第2密度を有する前記含水流動性
    土の体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)
    を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第3過程を実施し、 次いで、前記Wwを有する硬化材添加含水流動性土の体
    積V(cm3)に含有される硬化材質量Cに対する前記
    wの比である水硬化材比(Ww/C)に対応する前記硬
    化材添加含水流動性土の硬化後の強度の関係をあらかじ
    め求めて作成した関数である第2関数又はグラフである
    第2グラフを用いて、前記硬化材添加含水流動性土の目
    標の強度qTに対応する水硬化材比である目標水硬化材
    比Rを求める第4過程を実施し、 次いで、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積
    V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)と、前記
    Rの値から、前記目標強度qTを得るために前記含水流
    動性土の体積V(cm3)当りに添加する硬化材の質量
    の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出し決定する第5過程を実施することを特徴と
    する硬化材添加含水流動性土の硬化材添加量決定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化材添加含水流動性土
    の硬化材添加量決定方法において、 前記土の粒子の密度の推定値ρs(g/cm3)として、
    2.7(g/cm3)を用いることを特徴とする硬化材
    添加含水流動性土の硬化材添加量決定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の硬化材添加含水流動性土
    の硬化材添加量決定方法において、 前記第1質量は、前記含水流動性土の単位体積当り、5
    0(kg/m3)〜700(kg/m3)の範囲内の適宜
    の値であることを特徴とする硬化材添加含水流動性土の
    硬化材添加量決定方法。
  4. 【請求項4】 土に水又は泥液を添加し混練して生成し
    た流動性を有する含水流動性土の密度である第1密度を
    測定によって得るとともに、水の添加により流動化した
    後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質量
    だけ前記含水流動性土に添加し混練して生成した流動性
    を有する硬化材添加含水流動性土のフロー値である第1
    フロー値を測定によって得、前記第1密度に対する前記
    第1フロー値の関係を示す第1関数又はグラフである第
    1グラフを作成する第1過程を実施し、 次いで、前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値
    である第2フロー値に対応する含水流動性土の密度であ
    る第2密度を前記第1関数又は前記第1グラフから求め
    る第2過程を実施し、 次いで、前記第2密度をγ(g/cm3)とし、測定に
    よって得た前記水の密度をρw(g/cm3)とし、前記
    土の粒子の密度を、2.5(g/cm3)〜2.9(g
    /cm3)の範囲内の適宜の値であるρs(g/cm3
    と推定したとき、前記第2密度を有する前記含水流動性
    土の体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)
    を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第3過程を実施し、 次いで、前記Wwを有する硬化材添加含水流動性土の体
    積V(cm3)に含有される硬化材質量Cに対する前記
    wの比である水硬化材比(Ww/C)に対応する前記硬
    化材添加含水流動性土の硬化後の強度の関係をあらかじ
    め求めて作成した関数である第2関数又はグラフである
    第2グラフを用いて、前記硬化材添加含水流動性土の目
    標の強度qTに対応する水硬化材比である目標水硬化材
    比Rを求める第4過程を実施し、 次いで、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積
    V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)と、前記
    Rの値から、前記目標強度qTを得るために前記含水流
    動性土の体積V(cm3)当りに添加する硬化材の質量
    の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出し決定する第5過程を実施し、 次いで、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積
    V(cm3)当りCT(g)の質量の硬化材を添加して混
    練し流動状態の硬化材添加含水流動性土を生成する第6
    過程を実施することを特徴とする硬化材添加含水流動性
    土の製造方法。
  5. 【請求項5】 土に水又は泥液を添加し混練して生成し
    た流動性を有する含水流動性土の測定された密度である
    第1密度と、水の添加により流動化した後に硬化して強
    度を発現する自硬性の硬化材を第1質量だけ前記含水流
    動性土に添加し混練して生成した流動性を有する硬化材
    添加含水流動性土の測定されたフロー値である第1フロ
    ー値から得られた、前記第1密度に対する前記第1フロ
    ー値の関数である第1関数のデータを格納する第1関数
    記憶手段と、 前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値である第
    2フロー値が入力された場合に、前記第2フロー値に対
    応する含水流動性土の密度である第2密度を前記第1関
    数から算出する第1演算手段と、 前記第2密度をγ(g/cm3)とし、測定によって得
    た前記水の密度をρw(g/cm3)とし、前記土の粒子
    の密度を、2.5(g/cm3)〜2.9(g/cm3
    の範囲内の適宜の値であるρs(g/cm3)と設定した
    とき、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積V
    (cm3)に含有される水の総質量Ww(g)を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出する第2演算手段と、 前記Wwを有する硬化材添加含水流動性土の体積V(c
    3)に含有される硬化材質量Cに対する前記Wwの比で
    ある水硬化材比(Ww/C)に対応する前記硬化材添加
    含水流動性土の硬化後の強度の関係をあらかじめ求めて
    作成した関数である第2関数のデータを格納する第2関
    数記憶手段と、 前記硬化材添加含水流動性土の目標の強度qTが入力さ
    れた場合に、前記目標強度qTに対応する水硬化材比で
    ある目標水硬化材比Rを前記第2関数を用いて算出する
    第3演算手段と、 前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積V(cm
    3)に含有される水の総質量Ww(g)と、前記Rの値か
    ら、前記目標強度qTを得るために前記含水流動性土の
    体積V(cm3)当りに添加する硬化材の質量の目標値
    T(g)を、下式 CT=Ww/R により算出する第4演算手段と、 前記第2密度を有する前記含水流動性土に体積V(cm
    3)当りCT(g)の質量の硬化材を添加して混練し流動
    状態の硬化材添加含水流動性土を生成する混練手段を備
    えることを特徴とする硬化材添加含水流動性土製造装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の硬化材添加含水流動性土
    製造装置において、 前記第4演算手段により算出された体積V(cm3)当
    りの含水流動性土への硬化材の添加質量の目標値C
    T(g)を出力又は表示する硬化材添加量出力・表示手
    段を備えることを特徴とする硬化材添加含水流動性土製
    造装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の硬化材添加含水流動性土
    製造装置において、 前記第4演算手段により算出された体積V(cm3)当
    りの含水流動性土への硬化材の添加質量の目標値C
    T(g)に基き、所要量の硬化材を計量し前記混練手段
    に供給する硬化材計量・供給手段を備えることを特徴と
    する硬化材添加含水流動性土製造装置。
  8. 【請求項8】 土に水又は泥液を添加し混練して生成し
    た流動性を有する含水流動性土の密度である第1密度を
    測定によって得るとともに、水の添加により流動化した
    後に硬化して強度を発現する自硬性の硬化材を第1質量
    だけ前記含水流動性土に添加し混練して生成した流動性
    を有する硬化材添加含水流動性土のフロー値である第1
    フロー値を測定によって得、前記第1密度に対する前記
    第1フロー値の関係を示す関数である第1関数又はグラ
    フである第1グラフを作成し、 次いで、前記硬化材添加含水流動性土の目標のフロー値
    である第2フロー値に対応する含水流動性土の密度であ
    る第2密度を前記第1関数又は前記第1グラフから求
    め、 次いで、前記第2密度をγ(g/cm3)とし、測定に
    よって得た前記水の密度をρw(g/cm3)とし、前記
    土の粒子の密度を、2.5(g/cm3)〜2.9(g
    /cm3)の範囲内の適宜の値であるρs(g/cm3
    と推定したとき、前記第2密度を有する前記含水流動性
    土の体積V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)
    を、下式 Ww=V×(ρs−γ)/{(ρs/ρw)−1} により算出し、 次いで、前記Wwを有する硬化材添加含水流動性土の体
    積V(cm3)に含有される硬化材質量Cに対する前記
    wの比である水硬化材比(Ww/C)に対応する前記硬
    化材添加含水流動性土の硬化後の強度の関係をあらかじ
    め求めて作成した関数である第2関数又はグラフである
    第2グラフを用いて、前記硬化材添加含水流動性土の目
    標の強度qTに対応する水硬化材比である目標水硬化材
    比Rを求め、 次いで、前記第2密度を有する前記含水流動性土の体積
    V(cm3)に含有される水の総質量Ww(g)と、前記
    Rの値から、前記目標強度qTを得るために前記含水流
    動性土の体積V(cm3)当りに添加する硬化材の質量
    の目標値CT(g)を、下式 CT=Ww/R により算出して決定し、 次いで、前記第2密度を有する前記含水流動性土に体積
    V(cm3)当りCT(g)の質量の硬化材を添加し混練
    することにより生成されることを特徴とする硬化材添加
    含水流動性土。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の硬化材添加含水流動性土
    において、 前記硬化材は、セメント又は酸化カルシウム若しくは水
    酸化カルシウムを含むことを特徴とする硬化材添加含水
    流動性土。
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