JP2001310955A - 柔軟性ポリエステルフィルム - Google Patents

柔軟性ポリエステルフィルム

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JP2001310955A
JP2001310955A JP2000130075A JP2000130075A JP2001310955A JP 2001310955 A JP2001310955 A JP 2001310955A JP 2000130075 A JP2000130075 A JP 2000130075A JP 2000130075 A JP2000130075 A JP 2000130075A JP 2001310955 A JP2001310955 A JP 2001310955A
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film
polyester
plasticizer
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polyester film
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JP2000130075A
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Kokichi Hashimoto
幸吉 橋本
Nobuhisa Yamane
延久 山根
Masahiro Kimura
将弘 木村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、良好な加工性を有する上に、焼却時
に有毒ガスの発生がなく、柔軟性に優れた、つまり耐環
境性、印刷性、高意匠性、耐白化性に優れた柔軟性ポリ
エステルフィルムを提供する。 【解決手段】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムは、
ポリエステルに可塑剤を2〜60重量%含有するポリエ
ステルフィルムであって、そのポリエステルフィルムの
弾性率は23℃で0.01〜1GPaであり、そしてフ
ィルム中の可塑剤平均分散径が20nm未満であること
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム単独ある
いは金属、木材、紙、または樹脂などの基材に貼合わせ
て用いられる、エンボス、折り曲げなどの加工性、およ
び耐白化性に優れた柔軟性ポリエステルフィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建材用途においてエンボス加工す
る際に使用されるフィルムとしては、ポリ塩化ビニルフ
ィルムが代表的であり、このポリ塩化ビニルフィルム
は、柔軟性、耐候性、およびエンボス加工性などの点で
好ましく使用されてきた。
【0003】しかしながら一方で、ポリ塩化ビニルフィ
ルムは、火災などによりフィルムが燃焼した際の有毒ガ
ス発生の問題、可塑剤のブリードアウトなどの問題があ
り、そのため近年の耐環境性のニーズにより、新しい素
材が求められてきている。
【0004】これらの要求を解決するためには、例え
ば、金属、紙、木材、樹脂などの基材に絵柄を印刷した
層の上に透明なポリエステルフィルムを貼り合わせる方
法が挙げられるが、従来のポリエステルフィルムでは、
エンボス性と意匠性の両立が困難であり、改良が望まれ
ていた
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来技術の問題を解消し、環境性に優れるだけでな
く、良好な加工性を有し、特にエンボス加工性や真空成
形、圧空成形などの加工性に優れる上に、焼却時に有毒
ガスの発生がない柔軟性ポリエステルフイルムを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の柔軟性ポリエステルフイルム
は、ポリエステルに可塑剤を2〜60重量%含有させて
なるポリエステルフィルムであって、該ポリエステルフ
ィルムの弾性率が23℃で0.01〜1GPaであり、
フィルム中の可塑剤平均分散径が20nm以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の柔軟性ポリエステルフイル
ムにおいては、可塑剤のブリードアウト量が40℃×2
週間で1重量%未満であること、可塑剤がポリエーテル
系可塑剤であること、ポリエーテル系可塑剤がポリエチ
レングリコール誘導体であること、および、ポリエステ
ルが、ジカルボン酸成分の中でナフタレンジカルボン酸
および/またはテレフタル酸を80重量%以上、グリコ
ール成分の中でエチレングリコールと1,3−プロパン
ジオールおよび/またはヘキサメチレングリコールを8
0重量%以上含有するポリエステルであることが、好ま
しい態様として含まれている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり環境
性に優れるだけでなく、良好な加工性を有する上に、特
にエンボス加工性や真空成形、圧空成形および絞り成形
などの加工性に優れるとともに、焼却時に有毒ガスの発
生がない柔軟性ポリエステルフイルムとすることで、か
かる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0009】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムと
は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とで基本的に構
成されるポリマーフィルムである。
【0010】ジカルボン酸成分としては、例えば、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカ
ルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカ
ルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン
酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、マロン
酸、1,1−ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバチン酸、デカメチレンジカルボン
酸などを用いることができる。これらのジカルボン酸成
分中で、本発明におけるポリエステルでは、テレフタル
酸および/または2,6−ナフタレンジカルボン酸を8
0重量%含有するポリエステルからなるフィルムが、耐
熱性と生産性の点から好ましい。
【0011】また、グリコール成分としては、例えば、
エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
3−プロパンジオールなどの脂肪族グリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフ
ェノール−A、ビスフェノールSなどの芳香族グリコー
ルなどのグリコール成分やポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール−プロピレングリコール共
重合体等を共重合したものを用いることができる。本発
明におけるポリエステルでは、グリコール成分の中で、
エチレングリコール、1,3−プロパンジオールおよび
/またはヘキサメチレングリコールを80重量%以上含
有するポリエステルからなるフィルムであることが、柔
軟性と生産性の点から好ましい。なお、これらのジカル
ボン酸成分、またジカルボン酸成分およびグリコール成
分は、それぞれ前述の範囲以内で他の成分を2種以上を
併用してもよい。
【0012】本発明においては、上記のポリエステルを
2種以上混合して用いることは、本発明の効果を向上さ
せる上で好ましい。中でも、エチレンテレフタレート単
位および/またはエチレンナフタレート単位を構成成分
とするポリエステルAと、プロピレンテレフタレート単
位および/またはブチレンテレフタレート単位を構成成
分とするポリエステルBとの混合ポリマーが、柔軟性の
点から特に好ましく用いられる。ポリエステルAとポリ
エステルBの割合としては、ポリエステルAにポリエス
テルBを20〜80重量%の範囲で混合することが好ま
しい。
【0013】上記ポリエステルAと上記ポリエステルB
とを溶融混合することで、ポリエステルAおよびポリエ
ステルBの一部または全部にエステル交換反応を生じさ
せることにより、優れた柔軟性を有するポリマーを得る
ことができる。そのエステル交換を制御する方法とし
て、促進剤や制御剤を用いることができる。促進剤とし
ては、例えば、2,2'(1,3-フェニレン)ビス-2-オキサゾ
リンが挙げられ、また制御剤としては、例えば、ヒンダ
ートフェノール系制御剤、リン系制御剤が挙げられる。
ヒンダートフェノール系制御剤としては、例えば、トリ
エチレングリコールビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサン
ジオール-ビス[3-(3,5-ジブチル-4-ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,3,5-トリメチル-2,4,6-ト
リス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベン
ゼン、3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスフォ
ネート-ジエチルエステル、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-
4-ヒドロキシベンジル)イソシアネート、2,6-ジ-t-ブ
チル-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4
-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、N,N'-ヘキ
サメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロシンアミ
ド)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン
(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナメー
ト、]メタンなどが挙げられる。
【0014】また、リン系制御剤としては、例えば、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチ
ルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフ
ェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、フェニルイソデシルホスファイト、ジイソオクチル
フェニルホスファイトなどのホスファイト化合物やジス
テアリルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ジオ
クチルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ジイソ
デシルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ビス
(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールな
どのペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト化合物など
が挙げられる。
【0015】また、本発明の柔軟性ポリエステルフィル
ムには、本発明の効果を損なわない範囲で他のポリエス
テルを配合することができる。他のポリエステルとして
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサンテレフタレ
ート(PHT)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート
(PCT)、ポリヒドロキシベンゾエート(PHB)お
よびそれらの共重合樹脂、共重合ポリエステルにトリメ
リット酸、トリメシン酸、トリメチロールプロパン等の
多官能化合物を共重合したものを使用することもでき
る。
【0016】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムに
は、ポリエステルに可塑剤を2〜60重量%含有するこ
とが必要である。可塑剤は、好ましくは2〜50重量%
の範囲、より好ましくは2〜30重量%範囲が好まし
い。2重量%未満では十分な柔軟性が得られにくいので
好ましくない。逆に60重量%を超えると、可塑剤のブ
リードアウトを生じやすいことやフィルムの透明性や耐
熱性の点で好ましくない。
【0017】本発明で用いられる可塑剤としては、芳香
族ポリエステル系、脂肪族ポリエステル系などのポリエ
ステル系可塑剤、ポリエチレングリコール系、ポリテト
ラメチレングリコール系などのポリエーテル系可塑剤、
フタル酸系、トリメリット酸系などのモノマー系可塑
剤、およびエポキシ系、リン酸系などの可塑剤が挙げら
れる。中でも、耐熱性、成型加工性の点からポリエーテ
ル系可塑剤が好ましく用いられる。特に好ましくいポリ
エーテル系可塑剤は、ポリエチレングリコール誘導体で
ある。
【0018】ポリエチレングリコール誘導体としては、
ポリエチレングリコールと脂肪族ジカルボン酸あるいは
芳香族ジカルボン酸から得られ、脂肪族ジカルボン酸と
しては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
デカンジカルボン酸などが挙げられる。芳香族ジカルボ
ン酸としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、フェノ
キシエタンジカルボン酸、安息香酸などが挙げられる。
低温での成形性、機械特性の点から芳香族ジカルボン酸
が好ましい。
【0019】耐熱性の点で可塑剤の水酸基価は0〜20
mg/gであることが好ましく、さらに、0〜15mg
/gであるものが好ましい。また、酸価は0〜5mg/
gであることが好ましく、特に0〜3mg/gであるこ
とが好ましい。特に、成形加工性と美麗性を向上させる
点で、可塑剤に末端封鎖剤を反応させることが好まし
く、可塑剤1モルに対して0.01〜100モルの末端
封鎖剤を反応させることが好ましい。特に、低温での成
形加工性と機械特性を良好にする点では、凝固点が−1
50℃〜100℃であることが好ましく、さらに好まし
くは−100℃〜60℃、特に好ましくは−50℃〜2
0℃である。また、特に低温での機械特性を良好にする
点で可塑剤の分子量は100〜2500であることが好
ましく、さらに好ましくは200〜2400である。
【0020】本発明における柔軟性ポリエステルフィル
ムは、その弾性率が23℃で0.01〜1GPaの範囲
であることが必要である。弾性率が0.01GPa未満
であると成形物の腰が劣るので好ましくない。逆に、弾
性率が1GPaを超えると低温成形性、機械特性が変化
するので好ましくない。
【0021】本発明における柔軟性ポリエステルフィル
ム中の可塑剤の平均分散径は、成形性、柔軟性、耐ブリ
ードアウト性の点で20nm未満であることが必要であ
る。可塑剤の平均分散径は、10nm未満が特に好まし
い。可塑剤の平均分散径が20nm以上であると、フィ
ルムが不透明になり易くなったり、ブリードアウトし易
くなるので好ましくない。可塑剤の平均分散径は、フィ
ルム断面を切断し、厚み0.1〜1μm程度の超薄切片
を作製し、可塑剤を酸化オスミウムで染色して、透過型
電子顕微鏡を用いて、倍率1万倍で写真撮影することに
より可塑剤の平均分散径を求めることができる。
【0022】本発明における柔軟性ポリエステルフィル
ム中の可塑剤のブリードアウト量は、40℃×2週間で
1重量%以下であることが好ましい。可塑剤のブリード
アウト量が1重量%を超えると、低温成形性および機械
特性が変化する点で好ましくない。
【0023】本発明の柔軟性ポリエステルフィルム中に
は、目的や用途に応じて各種の粒子を添加することがで
きる。添加する粒子は、ポリエステルに不活性なもので
あれば特に限定されないが、添加する粒子としては、無
機粒子、有機粒子、架橋高分子粒子、重合系内で生成さ
せる内部粒子などを挙げることができる。これらの粒子
を2種以上添加しても構わない。かかる粒子の添加量
は、0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましく
は0.02〜1重量%である。
【0024】また、添加する粒子の平均粒子径は、好ま
しくは0.001〜10μmであり、さらに好ましくは
0.01〜2μmである。平均粒子径が10μmを超え
るとフィルムの欠陥が生じやすくなるので好ましくな
い。
【0025】無機粒子としては、特に限定されないが、
炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リ
ン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、フッ化リチウムなどを使用することがで
きる。
【0026】また有機粒子としては、シュウ酸カルシウ
ムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシ
ウム等のテレフタル酸塩などが使用される。
【0027】架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼ
ン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸のビニル系モ
ノマーの単独または共重合体が挙げられる。その他、ポ
リテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱
硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性
尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子も
好ましく使用される。
【0028】重合系内で生成させる内部粒子としては、
アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを反
応系内に添加し、さらにリン化合物を添加する公知の方
法で生成される粒子も使用される。
【0029】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムに
は、必要に応じて難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤またはポリシロキサン等の消泡剤を配合するこ
とができる。
【0030】本発明の柔軟性ポリエステルフイルムにお
いて、必要に応じて着色剤を添加することができる。添
加する着色剤としては、無機顔料、有機顔料、および染
料などを使用することができる。
【0031】無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、二酸化珪
素、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、亜鉛華、
鉛白、ベンガラ、カドミウム赤、黄鉛、コバルト青、コ
バルト紫、ジンククロメート、およびカーボンブラック
などが使用される。これらの無機顔料は、ポリエステル
中での分散性や、化粧板または化粧シートの耐候性を向
上させるため、アルミニウム、ケイ素、亜鉛などの酸化
物等で表面処理されたものであってもよい。
【0032】また有機顔料としては、縮合アゾ、イソイ
ンドリノン、ペリノン、キナクリドン、ジケトピロロピ
ロール、アンスラキノン、ジオキサジン、ベンズイミダ
ゾロン、銅フタロシアニン(β)、メタルコンプレック
スアゾ、塩素化銅フタロシアニン(α)、アリルアマイ
ド、アゾ(Ca)、ジアリライドAA、ジアリライドM
X、ジアリライドHR、ピラゾロンナフトールレッド、
BONアリルアマイド、2Bトーナー(Ca)、4Bト
ーナー(Ca)、銅フタロシアニン(α)、ハロゲン化
銅フタロシアニン、ナフトール、ジオキサジン、ナフト
ールAS、ジアリライドOT、ピラゾロン、レーキレッ
ドC(Ba)、およびBONアリルアマイドなどを使用
することができる。
【0033】さらに染料としては、クロム錯体、コバル
ト錯体、フタロシアニン、メチン、アンスラキノンなど
が使用される。これらの着色剤を2種以上含有しても構
わない。例えば、木質系材料が有する明度・色調を目的
とする場合は、アンスラキノン、キナクリドン、ベンズ
イミダゾロン、ジケトピロロピロールを用いることが好
ましい。
【0034】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムにお
いては、着色剤をポリエステルの重合反応中に添加して
もよく、重合後、例えば、二軸押出機を用いて着色剤を
混練・分散してマスターペレットとし、これを所定量配
合してポリエステルフィルム中に含有させるなどの方法
を採用することができる。
【0035】着色剤の含有量を調節する方法としては、
上記の方法で高濃度に着色剤を含有するマスター原料を
調製し、実質的に着色剤を含有しない原料でマスター原
料を希釈して着色剤の含有量を調節する方法が有効であ
る。なお、着色剤は、必要に応じ、予め解砕、分散、分
級、濾過などの処理を施しておいてもよい。
【0036】着色剤の平均粒子径は、好ましくは0.0
1〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.01〜
0.3μmである。平均粒子径が0.5μmを超える
と、フィルム表面が粗面化しすぎ、印刷しにくい場合が
あったり、フィルムの欠陥が生じやすくなるので好まし
くない。
【0037】着色剤の含有量としては、好ましくは0.
1〜50重量%、さらに好ましくは1〜20重量%含有
するのがよい。含有量が0.1重量%未満であると、フ
ィルム全体が透けて見えやすく、また明度・色調が現出
しにくいので好ましくない。逆に50重量%を超える場
合は、着色剤が凝集しやすく、フィルムの欠陥となっ
て、フィルム強度が低下しやすいので好ましくない。有
機顔料、染料を着色剤として用いる場合には、その含有
量は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは7
重量%未満、特に好ましくは3重量%未満である。10
重量%を超えると、乾燥や溶融押出の工程で、熱分解、
熱劣化、昇華などにより、着色剤の減量などを生じて色
調が変化しやすいので好ましくない。
【0038】フィルム構成としては、上述のポリエステ
ルAとポリエステルBからなるA/Bの2層、A/B/
AあるいはA/B/Cの3層、さらには3層より多層の
積層構成であってもよく、積層厚み比も任意に設定して
構わない。
【0039】また、着色剤の含有層は、A層、B層ある
いはC層であっても、全層に含有しても構わない。さら
に、貼合せポリエステルフイルムの上に隠蔽化印刷を施
した後、その上に絵柄印刷を行ってもよく、また絵柄印
刷の後にエンボス加工を行なってトップコート層を施し
てもよい。また、これら以外の層を積層してもよく、そ
のような層として、例えば、耐候剤コート層、帯電防止
層、マット層、ハードコート層、易滑コート層、易接着
層、粘着層などを積層することができる。
【0040】本発明においては、柔軟性ポリエステルフ
ィルムと他の基材との接着性を向上させるために、15
0℃でのポリエステルフィルム長手方向の熱収縮応力は
小さい方が好ましく、好ましくは0.1〜5MPa、さ
らに好ましくは0.2〜3MPaである。
【0041】本発明においては、加工性の点から成形温
度でのフィルム100%伸長時の応力が低い方が好まし
く、3〜50MPaの範囲が好ましい。さらに好ましく
は3〜30MPaである。また、成形温度でのフィルム
破断伸度は、好ましくは300%以上、さらに好ましく
は400%以上である。好ましい範囲に特に上限はな
く、大きいほど加工し易く好ましいが、通常は2000
%程度である本発明の柔軟性ポリエステルフィルムを二
軸延伸フィルムとする場合、主に加工性の点から面配向
係数は、好ましくは0.030〜0.170、より好ま
しくは0.050〜0.160、特に好ましくは0.0
80〜0.150である。面配向係数(fn)とは、ア
ッベ屈折計などを用いて測定される長手方向、幅方向、
厚み方向の屈折率(それぞれNx、Ny、Nz)から算
出される値であり、次の[式1]で表される。
【0042】 面配向係数: fn=(Nx+Ny)/2−Nz ・・・[式1] 面配向係数が0.030以下では、加工時に白化を招く
場合があるため好ましくなく、0.150以上では、加
工性が悪化しやすいため好ましくない。
【0043】また、本発明の柔軟性ポリエステルフィル
ムは、接着性や加工性、特に加工時のフィルムしわ発生
が抑制の点から、成形温度での少なくとも一方向の熱収
縮率が−10〜10%の範囲であることが好ましい。さ
らに好ましくは、熱収縮率は−5〜+5%の範囲であ
る。熱収縮率が、かかる範囲以外である場合、フィルム
表面が膨れて外観を損ねたり、基材と剥離したり、印刷
が歪んでしまうなどの問題を生じるので好ましくない。
【0044】また、本発明の柔軟性ポリエステルフィル
ムは、フィルムコストを削減することができる点で、再
生ポリエステルを添加することが好ましい。再生ポリエ
ステルとしては、例えば、回収されたポリエステル、ポ
リエステルフィルムの製造で裁断されるフィルムエッジ
部分をペレット化したポリエステルなどを使用すること
ができる。ポリエステルフィルムの製造で裁断されるフ
ィルムエッジ部分は、通常、粉砕機、クラッシャーなど
で数mm〜数cmに粉砕化され、乾燥後、二軸押出機な
どでペレット化される。再生ポリエステルは、着色剤含
有ポリエステルでも、着色剤未含有ポリエステルのいず
れでも構わない。着色剤含有ポリエステルの場合は、新
たに添加する着色剤の種類および添加量の増減によっ
て、目的とする明度・色調を得ることができる。再生ポ
リエステルの添加量は、例えばA/B/Aのフィルム構
成の場合、B層に好ましくは10〜100重量%、より
好ましくは50〜100重量%、さらに好ましくは70
〜100重量%の範囲で添加することができる。
【0045】また、本発明の柔軟性ポリエステルフィル
ムに、コロナ放電処理などの表面処理を施すことによ
り、接着性を向上させることは、さらに特性を向上させ
る上で好ましい。
【0046】また、本発明の柔軟性ポリエステルフィル
ム上には、各種コーティングを施してもよく、その塗布
化合物の種類、塗布方法や厚みは、本発明の効果を損な
わない範囲であれば、特に限定されない。
【0047】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムは、
金属、木材、紙、樹脂シートあるいは脂板などの基材に
貼り合わせて用いられる。さらに詳しくは、紙や樹脂な
どのシートに印刷を施し、熱ラミネートまたは接着剤を
用いて、本発明の柔軟性ポリエステルフィルムを好まし
く用いることができる。また金属としては、特に限定さ
れないが、加工性のよい鉄やアルミニウムなどを素材と
する金属を好ましく用いることができ、さらにその表面
に接着性や耐腐食性を改良するために、公知の無機酸化
物被膜層、金属メッキ層を設けてもよい。
【0048】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムに
は、貼合わせの前または後にエンボス加工、印刷などの
各種表面加工を施して使用することができる。また、エ
ンボス加工後の絞戻り特性、つまり100℃の熱湯に3
0秒つけた後にもエンボスの形状を維持することが望ま
しい。
【0049】また、本発明の貼合わせ用の柔軟性ポリエ
ステルフィルムは、例えば、化粧シートなどのように、
金属、紙、木材、樹脂などの基材に貼り合わせて被覆
し、さらに折り曲げ加工など、目的に応じた成形を行い
好適に使用することができる。
【0050】本発明の柔軟性ポリエステルフィルムは、
従来公知の任意の製造方法を用いて製造することができ
る。本発明の柔軟性ポリエステルフィルムは、無延伸フ
ィルムであっても、二軸延伸フィルムであっても構わな
い。例えば、上述のポリエステルAの二軸延伸フィルム
を製造する場合、ポリエステルAを構成するポリマー
を、通常のホッパードライヤー、パドルドライヤー、真
空乾燥機、オーブン等を用いて乾燥した後、3ベント方
式の二軸押出機を用い、ポリエステルAは押出機の第1
ベントから供給し、液状物の可塑剤を用いる場合はマイ
クロチュ−ブポンプ、粉体状物の可塑剤を使用する場合
は、粉体計量装置を用いて第2ベントから可塑剤を供給
して、ポリエステルAの押出量と可塑剤の供給量から可
塑剤の混合比率を設定して、200〜320℃で溶融混
合した後にペレット化する。上述の乾燥機等を用いて乾
燥した後、押出機に供給して、200〜320℃で溶融
押出し、スリット状の口金に導き、急冷して未延伸フィ
ルムを得る。Tダイ法を用いた場合、急冷時にいわゆる
静電印加密着法を用いることにより、厚みの均一な未延
伸フィルムを得ることができ好ましい。次いで、この未
延伸フィルムは、同時または逐次に二軸延伸などの方法
で延伸される。このとき、逐次二軸延伸の場合、その延
伸順序は、フィルムを長手方向および幅方向の順、また
はこの逆の順としてもよい。さらに、逐次二軸延伸にお
いては、長手方向または幅方向の延伸を2回以上行なう
ことも可能である。
【0051】延伸方法については特に制限はなく、ロー
ル延伸、テンター延伸等の方法を採用することができ、
形状面においては、フラット状、チューブ状等、どのよ
うなものであってもよい。フィルムの長手方向および幅
方向の延伸倍率は、目的とする蒸着適性、配向性などに
応じて任意に設定することができるが、好ましくは1.
5〜6.0倍である。延伸温度は、ポリエステルのガラ
ス転移温度以上、結晶化温度以下の範囲であれば任意の
温度とすることができるが、好ましくは30〜150℃
がよい。さらに、二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行
なうことができる。かかる熱処理温度は、ポリエステル
Aの融点以下の任意の温度とすることができるが、好ま
しくは200〜240℃である。かかる熱処理は、フィ
ルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させつつ行
なってもよい。
【0052】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。ま
ず、特性値の測定方法および評価方法を以下に示す。
【0053】[特性値の測定方法・評価方法]本発明の
各特性値は、次の測定法によるものである。
【0054】(1)固有粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。
【0055】(2)融点 フィルムを5mgサンプリング採取し、セイコー電子工
業(株)製:示差走査熱量計(RDC220)により、
10℃/分の昇温速度で測定し、融解のピーク温度を融
点とした。特に、融解のピークが複数あらわれる場合は
低い方を融点とした。
【0056】(3)分子量 ゲルパーメーションクロマトグラフ(GPC)分析を用
い、数平均分子量(ポリスチレン換算)を分子量とし
た。
【0057】(4)弾性率 JIS−Z1702に規定された方法に従って、インス
トロンタイプの引張試験機を用いて、測定雰囲気25℃
および80℃にて測定した。
【0058】(5)可塑剤の平均分散径 フィルムの断面を切断し厚み0.1〜1μm程度の超薄
切片を作製し、可塑剤を酸化オスミウム(OsO4)で
染色を行ない、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、
倍率1万で写真撮影(10枚:25cm×25cm)
し、可塑剤5,000〜10,000個を観察し、分散
画像を画像処理装置により円相当径より平均分散径を求
め、可塑剤の平均分散径とした。添加剤および着色剤添
加のフィルムは染色しないフィルムのTEM写真を上記
と同様に撮影し、RuO4染色後のTEM写真から添加
剤粒子および着色剤粒子は削除した。
【0059】(6)可塑剤のブリードアウト量 フィルムを縦250mm×横200mmに切り出し、フィル
ム表面を純水で洗浄し、水滴をガーゼで拭き取った後、
フィルムを秤量(W1)した。40℃の孵卵器に2週間
放置し、ブリードアウトした可塑剤をガーゼで拭き取っ
て、フィルムを秤量(W2)した。経時前後の重量から
ブリードアウト量を次式により、算出して下記の基準に
より判定を行なった。 ブリードアウト量(%)=(W1−W2)/W1×10
0 ○:可塑剤のブリードアウト量が1重量%未満のもの △:可塑剤のブリードアウト量が1〜2重量%の範囲の
もの ×:可塑剤のブリードアウト量が2重量%を越えるも
の。
【0060】(7)隠蔽度 マクベス濃度計(TD−904型)を使用し、Gフィル
ター下の透過光濃度を測定した。この値が大きいほど隠
蔽力が高いことを示す。
【0061】(8)色調 着色剤添加フィルムは、カラーアナライザー{東京電色
(株)製「TC−1800MKII型」}を使用し、そし
て、JIS Z−8722の方法に準じ、明度をL*、
色調をa*、b*の値として測定した。
【0062】(9)意匠性 着色剤添加フィルムは、目視でポリエステルフィルムを
透過、反射で観察し、下記の基準により判定を行なっ
た。 ○:フィルムが自然物の色彩、明度、色調を現出して高
意匠性を有するもの △:フィルムが自然物の色彩、明度、色調を現出してい
るが意匠性が不十分なもの ×:フィルムが白、黒、赤、緑、青、黄の明度・色調が
強すぎるもの。
【0063】(10)折り曲げ加工性 柔軟性ポリエステルフィルムと厚み200μmの鋼板を
ポリウレタン接着剤で接着後幅50mm×200mmに
切り出し、その試験片の中央部を金属側へ90度折り曲
げて、角部分のフィルムを目視で下記の基準により判定
を行なった。 ○:フィルムが変化しないもの △:フィルムがやや白化するもの ×:フィルムが白化し実用性に劣るもの。
【0064】(11)エンボス性 ポリエステルフィルムを90℃、12秒の予熱の後、ラ
ジエーションヒーターにて180℃、3秒の加熱を行な
った。その直後に表面に200μmの凹凸差を有するエ
ンボスロールを用いてエンボス加工を施し、30℃の冷
却ロールにて速やかに冷却を行なった。エンボス前後の
フィルム厚みを接触面積80mm2を有する厚みゲージ
にて測定を行ない、目視、手触りでのエンボスの状態の
確認と併せてを下記基準により判定を行なった。 ○:フィルム厚みがエンボス加工後で5μm以上上昇
し、エンボスの凹凸が目視、 手触りでしっかりと確
認可能であるもの △:エンボスの凹凸が目視、手触りで容易に確認可能で
あるもの ×:エンボスの凹凸が目視、手触りで容易には確認でき
ないもの。
【0065】(12)総合評価 柔軟性、ブリードアウト性、折り曲げ加工性、エンボス
加工性を加工用フィルムとしての実用性について、優れ
るものを○、やや劣るものを△、劣るものを×として評
価した。
【0066】(実施例1)ポリエステルAとして、ポリ
エチレンテレフタレート(固有粘度0.67dl/g、
融点257℃、酸化珪素粒子:粒径1.2μm、添加量
0.8重量%)を180℃で4時間真空乾燥した。これ
を乾燥後、可塑剤としてポリエチレングリコールジ安息
香酸エステル(分子量600)を用い、3ベント方式の
二軸押出機を用い、ポリエステルAは押出機の第1ベン
ト、可塑剤は第2ベントからマイクロチュ−ブポンプで
供給し第3ベントは開放した。ポリエステルAの押出量
と可塑剤の供給量から可塑剤の混合比率20重量%とし
て、溶融混合した後にペレット化した(混合比率はペレ
ット比重から求めた混合比率と一致した)。さらに、1
20℃でオーブン中で1昼夜乾燥した。乾燥後、溶融押
出機に供給した。ポリエステルは、スリット状のダイか
らシート状に押出され、静電印加(3.0kV)により
鏡面冷却ドラムに密着させ、冷却固化して無延伸シート
として、厚さ50μmの柔軟性ポリエステルフィルムを
得た。結果を表1に示す。
【0067】(実施例2)可塑剤の添加量を5重量%と
した以外は、実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル
フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0068】(実施例3)ポリエステルAとして、ポリ
エチレンテレフタレート(固有粘度0.67dl/g、
融点257℃、酸化珪素粒子:粒径1.2μm、添加量
0.842重量%)、ポリエステルBとしてポリプロピ
レンテレフタレート(固有粘度1.02dl/g、融点
222℃)をそれぞれ180℃と150℃で4時間真空
乾燥した。乾燥後、ポリエステルAとポリエステルBと
の混合比を80重量部:20重量部とした以外は、実施
例1と同様にして、厚さ50μmの柔軟性ポリエステル
フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0069】(実施例4)ポリエステルAとして、ポリ
エチレンテレフタレートの替わりにポリエチレンテレフ
タレートを用いたフィルムの製造において、裁断される
フィルムエッジ部分をクラッシャーを用いて粉砕した粉
体状物を180℃4時間乾燥後二軸押出機を用いてペレ
ット化した回収ポリエステル(固有粘度0.60dl/
g、融点257℃)に、酸化珪素粒子(粒径1.2μ
m)を0.842重量%添加し、また、ポリエステルB
として、ポリプロピレンテレフタレートの替わりにポリ
ブチレンテレフタレート{東レ(株)製PBT樹脂:タ
イプ1100S}を用い、ポリエステルAとポリエステ
ルBとの混合比を80重量部:20重量部に、可塑剤と
して実施例1と同じ可塑剤で15重量%添加して、さら
にその両面にポリエチレンテレフタレート(固有粘度
0.65dl/g、融点257℃、酸化珪素粒子:粒径
1.2μm、添加量0.8重量%)を用い、B層(厚さ
各1μm)を3層複合(B/A/B)押出により構成し
た以外は、実施例1と同様にして、厚み50μmの柔軟
性ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0070】(実施例5)ポリエステルAとして、実施
例4で用いた回収ポリエステルに酸化珪素粒子(粒径
1.2μm)を0.8重量%、可塑剤として実施例1と
同じ可塑剤で15重量%添加したものを用い、さらにそ
の両面にポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.6
5dl/g、融点257℃、酸化珪素粒子:粒径1.2
μm、添加量0.842重量%)80重量部とポリプロ
ピレンテレフタレート(固有粘度1.02dl/g、融
点222℃)20重量部に実施例1と同じ可塑剤を15
重量%添加したものを用い、B層(厚さ各1μm)を3
層複合(B/A/B)押出により構成し未延伸フィルム
とした。その未延伸フィルムを長手方向を90℃1秒間
予熱後90℃で3.5倍に延伸し、幅方向を100℃2
秒間予熱後105℃で3.3倍延伸して、熱処理温度1
50℃5秒間、弛緩処理なしとして、厚み50μmの二
軸延伸の柔軟性ポリエステルフィルムを得た。結果を表
1に示す。
【0071】(実施例6)ポリエステルAおよび可塑剤
は、実施例1と同じものを用い、可塑剤の添加量10重
量部、着色剤として酸化チタン18重量部、イソインド
リン1.8重量部、酸化鉄2.4重量部、カーボンブラ
ック0.2重量部を添加した以外は、実施例1と同様に
して厚さ50μmの柔軟性ポリエステルフィルムを得
た。結果を表1に示す。
【0072】(比較例1)ポリエステルAとして、可塑
剤を配合せず、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度
0.65dl/g、融点257℃、酸化珪素粒子:粒径
1.2μm、添加量0.8重量%)を用いた以外は、実
施例1と同様にして、未延伸フィルムとした。その未延
伸フィルムを長手方向を90℃1秒間予熱後95℃で
3.7倍に延伸し、幅方向を105℃2秒間予熱後11
0℃で3.9倍延伸して、熱処理温度150℃5秒間、
弛緩処理率3%として、厚み50μmの二軸延伸ポリエ
ステルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0073】(比較例2)ポリエステルAとして、ポリ
エチレンテレフタレート(固有粘度0.65dl/g、
融点257℃、酸化珪素粒子:粒径1.2μm、添加量
0.8重量%)、可塑剤として、芳香族ポリエステル
{大日本インキ化学工業(株)製“ポリサイザーA-5
1”}を用い、3ベント方式の二軸押出機の第2ベント
に粉末自動計量機を設置し可塑剤を供給した以外は、実
施例1と同様にして、厚さ50μmの二軸延伸ポリエス
テルフィルムを得た。結果を表1に示す。
【0074】(比較例3)ポリエステルAとして、ポリ
エチレンテレフタレート(固有粘度0.65dl/g、
融点257℃、酸化珪素粒子:粒径1.2μm、添加量
0.8重量%)、可塑剤として、アジピン酸と高級アル
コールから得られる脂肪族ポリエステル{大日本インキ
化学工業(株)製“ポリサイザーW−360ELS”}
を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ50μm−
の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。結果を表1に
示す。
【0075】
【表1】 表1の結果からわかるように、実施例1〜6で得られた
柔軟性ポリエステルフィルムは、フィルムの弾性率が2
3℃で0.01〜1GPaの範囲、可塑剤の平均分散径
が20nm未満であり、柔軟性に優れ、折り曲げ加工
性、エンボス加工性に優れたフィルムであった。また、
実施例6で得られた柔軟性ポリエステルフィルムは、色
調が明度L*値=29、色度a*値=7、色度b*値=
19を有し、表面に木目調模様を印刷して、200μm
の凹凸差を有するエンボス加工を施した後、茶褐色の合
板にポリウレタン接着剤を介して貼り付けて化粧板とし
たところ、印刷の色調変化がなく、意匠性に優れ、また
フィルム表面は木質の手触り感を有し、傷が付きにく
く、汚れなど迅速に拭き取ることが可能な化粧板であっ
た。 一方、比較例1〜2で得られたポリエステルフィ
ルムは、折り曲げ加工性には優れるものの、エンボス加
工性に劣るフィルムであった。比較例3で得られたポリ
エステルフィルムは、経時で可塑剤がブリードアウトし
て白化および機械特性の変化が認められた。いずれのフ
ィルムも柔軟性ポリエステルフィルムとしては好ましく
なかった。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、耐環境性、印刷性、高
意匠性、折り曲げおよびエンボスなどの加工性、耐白化
性に優れた柔軟性ポリエステルフィルムを安定して得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 Fターム(参考) 4F070 AA47 AB09 AB11 AB12 AB16 AC43 AC55 AC84 AC87 AC88 AE02 EA02 4F071 AA42 AA44 AA45 AA46 AA47 AA51 AC10 AC15 AC19 AE04 AF20 AF21 AF26 AF31 AG17 AH03 BA01 BB06 BB08 BC01 4J002 CD002 CF031 CF032 CF041 CF042 CF051 CF061 CF071 CF081 CF101 CF102 CH022 EH146 EL026 EW006 FD010 FD022 FD026 FD090 GF00 GL00 4J029 AA03 AB05 AB07 AC02 AD10 AE03 BA02 BA03 BA04 CB06A CC06A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに可塑剤を2〜60重量%
    含有させてなるポリエステルフィルムであって、該ポリ
    エステルフィルムの弾性率が23℃で0.01〜1GP
    aであり、該ポリエステルフィルム中の可塑剤平均分散
    径が20nm未満であることを特徴とする柔軟性ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】 可塑剤のブリードアウト量が40℃×2
    週間で1重量%未満である請求項1記載の柔軟性ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 可塑剤がポリエーテル系可塑剤である請
    求項1または2記載の柔軟性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエーテル系可塑剤がポリエチレング
    リコール誘導体である請求項1〜3のいずれかに記載の
    柔軟性ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルが、ジカルボン酸成分の中
    でナフタレンジカルボン酸および/またはテレフタル酸
    を80重量%以上、グリコール成分の中でエチレングリ
    コールと1,3−プロパンジオールおよび/またはヘキ
    サメチレングリコールを80重量%以上含有するポリエ
    ステルである請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟性ポ
    リエステルフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006117907A (ja) * 2004-07-29 2006-05-11 Toray Ind Inc 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法
JP2008195774A (ja) * 2007-02-09 2008-08-28 Nippon Ester Co Ltd ポリエステル成形品

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