JP2001310941A - ペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物及びその用途 - Google Patents
ペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物及びその用途Info
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Abstract
製造することが可能であって、かつ分解温度の比較的低
いペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキサ
ン化合物、それを有効成分とするビニル系単量体の重合
開始剤及びビニル系重合体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 下記一般式で示されるペルオキシエステ
ル基を有するポリジメチルシロキサン化合物、それを有
効成分とする重合開始剤およびビニル系重合体の製造方
法。 【化1】
Description
キシエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合
物、それを有効成分とする重合開始剤およびビニル系重
合体の製造方法に関する。
するポリジメチルシロキサン化合物は特開昭62−10
137号公報や特開昭63−41536号公報に開示さ
れている。
開昭63−57643号公報では分子の末端にペルオキ
シエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物を
ビニル系単量体の重合開始剤に用いてポリジメチルシロ
キサンを分子内に有する重合体(以下、ポリジメチルシ
ロキサンブロック共重合体と略記)を得ている。
従来技術で用いられている化合物はペルオキシエステル
基とポリジメチルシロキサンとの間のメチレン鎖長が3
〜10の範囲であり、かついずれもその分解温度が10
時間半減期温度で92.8〜111.0℃と比較的高い
ものであった。そのためにこれらを重合開始剤として用
いて効率よく重合を行うには重合温度を高く設定する必
要があり、エネルギー的に不利であった。
どの重合のように比較的低い温度で重合を行う場合に、
重合が完結するまでに長時間を要するという問題があっ
た。
ブロック共重合体を製造することが可能であって、かつ
分解温度の比較的低いペルオキシエステル基を有するポ
リジメチルシロキサン化合物、さらにビニル系単量体の
重合開始剤として用いたとき、重合の高速化、即ち、塩
化ビニル系単量体などの重合のように比較的低温度で重
合させる場合においても充分な重合速度を発現できる重
合開始剤及びビニル系重合体の製造方法を提供すること
にある。
点を解決する方法を研究した結果、ペルオキシエステル
基とポリジメチルシロキサンが特定の位置関係にある場
合において、ペルオキシエステル基の分解温度を特異的
に低下させるのに有効であることを見いだし、本発明を
完成するに至った。すなわち、第1の発明は、下記一般
式で示されるペルオキシエステル基を有するポリジメチ
ルシロキサン化合物である。
分岐のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基
である。nは2以上の整数である。)
ステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物を有効
成分とする重合開始剤である。
系単量体を重合させるビニル系重合体の製造方法におい
て、重合開始剤が第1の発明のペルオキシエステル基を
有するポリジメチルシロキサン化合物であり、重合させ
る温度が60〜160℃の温度範囲であることを特徴と
するビニル系重合体の製造方法である。
説明する。本発明のペルオキシエステル基を有するポリ
ジメチルシロキサン化合物は、上記一般式において、R
が炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキル基、シク
ロヘキシル基またはフェニル基であり、平均重合度が2
以上のポリジメチルシロキサン化合物である。Rは上記
の置換基であれば好ましく、さらに合成上の観点と経済
性から炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキル基と
することが好ましい。ペルオキシエステル基を有するポ
リジメチルシロキサン化合物として、具体的には、例え
ばα,ω−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニルエチ
ル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(1,1−
ジメチルプロピルペルオキシカルボニルエチル)ポリジ
メチルシロキサン、α,ω−ビス(1,1−ジメチルブ
チルペルオキシカルボニルエチル)ポリジメチルシロキ
サン、α,ω−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブ
チルペルオキシカルボニルエチル)ポリジメチルシロキ
サン、α,ω−ビス(クミルペルオキシカルボニルエチ
ル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(1,1−
ジメチル−1−シクロヘキシルメチルペルオキシカルボ
ニルエチル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ
る。本発明のペルオキシエステル基を有するポリジメチ
ルシロキサン化合物は、クロロアシル基を有するポリジ
メチルシロキサン化合物(A)と第3級ヒドロペルオキ
シド(B)との混合物を塩基性触媒下で反応させること
により得られる。前記クロロアシル基を有するポリジメ
チルシロキサン化合物(A)は下記の一般式(A)で表
される。
チルシロキサン化合物(A)は下記の一般式(C)の化
合物で表されるカルボキシル基を有するポリジメチルシ
ロキサン化合物(C)から誘導することができる。
リジメチルシロキサン化合物のペルオキシエステル基と
ポリジメチルシロキサンとの間のメチレン鎖長は2に限
定されている。ペルオキシエステル基がポリジメチルシ
ロキサンに特定鎖長のメチレン鎖を介して結合している
ことが、本発明の必須条件であり、これが分解温度の低
い特性を有する原因となっている。
リジメチルシロキサン化合物はnの値によって、分解温
度が低下するという効果が損なわれることはないため、
nの値は特に限定されない。しかしながら、ポリジメチ
ルシロキサンとしての特有の機能を発揮させるためには
nは平均値で2以上が好ましい。一方、nの値が大きく
なるほど粘度が増加するため、作業性や取り扱い上の観
点からnの値は平均値で200以下であることが好まし
い。
るポリジメチルシロキサン化合物の製造手順および製造
条件をさらに詳細に説明する。まず、カルボキシル基を
有するポリジメチルシロキサン化合物(C)を、従来か
ら知られている方法により塩素化剤を用いて塩素化し、
クロロアシル基を有するポリジメチルシロキサン化合物
(A)を製造する。塩素化反応は公知の酸塩化物の合成
の場合とほぼ同様の反応条件で差し支えない。塩素化剤
としては例えば塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン
などが挙げられる。作業性の面から塩化チオニルが好ま
しい。
〜70℃がさらに好ましい。反応温度が20℃よりも低
いと反応速度が遅くなるために製造に時間がかかり、8
0℃よりも高いと急激な反応が起こるために制御が困難
となる傾向にある。
間が1時間より短いと十分に反応が進行しない場合があ
り、5時間より長くなると生成物の着色が著しくなる傾
向があり、品質上好ましくない。
ポリジメチルシロキサン化合物(A)を塩基性触媒下で
下記の一般式(B)に表される第3級ヒドロペルオキシ
ド(B)と反応させることにより、ペルオキシエステル
基を有するポリジメチルシロキサン化合物が得られる。
分岐のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェニル基
である。)
テル基を有する化合物の合成に使用される塩基性触媒で
あれば特に差し支えない。例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、ピリジン等が挙げられる。反応性の良
さから水酸化カリウムが好ましい。
ては、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、1,1−
ジメチルプロピルヒドロペルオキシド、1,1−ジメチ
ルブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオ
キシド、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルヒドロ
ペルオキシドなどが挙げられる。合成上の観点と経済性
からt−ブチルヒドロペルオキシドや1,1−ジメチル
ブチルヒドロペルオキシドが好ましい。
物の合成の場合と同等の条件で差し支えない。反応温度
は通常−5〜20℃、好ましくは0〜15℃である。反
応温度が−5℃より低いと反応速度が遅いため製造に時
間がかかり、20℃を越えると反応を制御することが困
難になる傾向にある。反応時間は通常0.1〜3時間、
好ましくは0.5〜2時間である。反応時間が0.1時
間よりも短いと十分に反応が進行せず、3時間を越える
と生成したペルオキシドが分解し易くなる傾向にある。
キサン化合物(A)に対する第3級ヒドロペルオキシド
(B)のモル比は2〜3が好ましい。モル比が2より小
さいと充分に反応が進行せず、3より大きいと経済的に
不利となる傾向にある。
て、例えばジエチルエーテル、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等の
有機溶剤を用いることは差し支えない。
オキシエステル基が導入されるポリジメチルシロキサン
化合物も生成する。これらは本発明の分解温度が低いと
いう効果を損なうものではないため、含まれていても差
し支えないが、それらの含有量はより少ない方が好まし
い。
明のペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキ
サン化合物を有効成分とするものである。また第3の発
明は、重合開始剤を用いてビニル系単量体を重合させる
ビニル系重合体の製造方法において、重合開始剤が第1
の発明のペルオキシエステル基を有するポリジメチルシ
ロキサン化合物であり、重合させる温度が特定の範囲で
あることを特徴とするビニル系重合体の製造方法であ
る。
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトル
エン等のスチレン系単量体、アクリル酸、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル系単量
体、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート等のメタクリル系単量
体、フマル酸エステル、マレイン酸エステル、アクリロ
ニトリル、N−フェニルマレイミド、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、酢酸ビニル類等が挙げられる。これらは、
一種または二種以上が適宜組み合わせて用いられる。
ジエンゴム、スチレン/ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム、エチレン/プロピレン共重合体ゴム、エチレン/プ
ロピレン/ジエン共重合体ゴム等のゴムを溶解させたも
のも使用される。ゴム成分と上記単量体から得られる樹
脂としては、例えばスチレンとブタジエン含有ゴムとか
らなる耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)、スチレ
ン/アクリロニトリルとブタジエン含有ゴムとからなる
耐衝撃性スチレン・アクリロニトリル樹脂(ABS)等
が挙げられる。
重合開始剤を併用することもできる。併用される公知の
重合開始剤としては、例えば、ラウロイルペルオキシ
ド、ベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシ
ド類、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘ
キサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−
ジt−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンなど
のペルオキシケタール類、t−ブチルペルオキシイソプ
ロピルモノカーボネート、1,1−ジメチルブチルペル
オキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペル
オキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのペル
オキシモノカーボネート類、t−ブチルペルオキシ−
3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペ
ルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシアセテー
ト、t−ブチルペルオキシベンゾエート、1,1−ジメ
チルブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、ジt
−ブチルペルオキシイソフタレート、ジ(t−ブチルペ
ルオキシ)ヘキサヒドロテレフタレート、
ボニルプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビ
ス(t−ブチルペルオキシカルボニルデシル)ポリジメ
チルシロキサンなどのペルオキシエステル基を有するポ
リジメチルシロキサン化合物(特開昭62−10137
号公報に記載などのペルオキシエステル類)、ジ−t−
ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキ
シドなどのジアルキルペルオキシド類が挙げられる。
できる。併用される連鎖移動剤としては、例えばn−オ
クチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、α−
メチルスチレン二量体などが挙げられる。
ニル系単量体100重量部に対して、ペルオキシエステ
ル基を有するポリジメチルシロキサン化合物0.001
〜50重量部が好ましく、目的とする用途及び重合方法
に応じて適宜選択することができる。ペルオキシエステ
ル基を有するポリジメチルシロキサン化合物が0.00
1重量部より少ないと十分に重合が進行しなくなり、5
0重量部を越えると得られる樹脂の強度が低下するなど
の弊害が生じやすくなる傾向にある。
0〜140℃が好ましい。重合温度が60℃未満では重
合速度が低下する。160℃を越える温度では重合速度
が大きくなり、その調節が困難になるとともに、非常に
短時間で多量の重合開始ラジカルが生成するため、一次
ラジカル停止等のラジカル同士の副反応が起こる結果、
重合開始効率が低下する傾向にある。
または懸濁重合法が採用される。また、バッチ式重合法
または連続式重合法のいずれの重合法であってもよい。
溶液重合法において用いられる溶剤としては、例えばエ
チルベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、イソブタノー
ル、n−ブタノール、エチルセロソルブ、シクロヘキシ
ルアルコール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸n−
ブチル等のエステル類、エーテル類が挙げられる。
よってさらに具体的に説明する。なお、実施例、比較例
における諸物性は次の方法により測定した。 (1)活性酸素量:ヨウ素滴定法により求めた。 (2)ペルオキシ結合の半減期10時間を得る温度(1
0時間半減期温度):ペルオキシ基の初期濃度を0.0
5モル・dm-3のベンゼン溶液とし、窒素雰囲気下で一
定温度で熱分解させたのち、(1)の活性酸素量を測定
することで、ペルオキシ基の分解量を求め、10時間半
減期温度を計算した。 (3)数平均分子量・重量平均分子量:(株)島津製作
所製LC−6Aに東ソー(株)製分離カラム TSKg
el GMHXLを装着したゲルパーミエーションクロ
マトグラフ分析装置を用いて測定した。
(株)製FT/IR−610を使用して吸収スペクトル
を測定した。 (5)核磁気共鳴スペクトル:日本電子(株)製GSX
FT NMR スペクトロメーター JNM−GSX
270を使用し、重クロロホルム溶媒を用いてトリメチ
ルシランを基準にしたプロトンNMRスペクトルを測定
した。
チルシロキサン化合物の合成)撹拌機を備えた四ツ口フ
ラスコにカルボキシル変性ポリジメチルシロキサン(信
越化学工業(株)製、商品名:変性シリコーンオイル
X−22−162C)290.0g(0.1mol)と
塩化チオニル42.8g(0.36mol)を導入し
た。これに乾燥した窒素ガスを吹き込みながら、反応温
度50℃で3時間反応させた。次いで45〜50℃で3
00〜2000Paの減圧度に保って、3時間かけて反
応系内に残存する塩化チオニルを除去したところ淡黄色
透明液体のクロロアシル基を有するポリジメチルシロキ
サン化合物287.2g(純度98.7%、収率96.
5%)を得た。
ポリジメチルシロキサン化合物の合成) 撹拌機を備えた四ツ口フラスコにt−ブチルヒドロペル
オキシド(日本油脂(株)製、商品名:パーブチルH−
69、69%水溶液)12.0g(0.092モル)と
15%水酸化カリウム水溶液35.9g(0.096モ
ル)とからt−ブチルヒドロペルオキシドのカリウム塩
を調製した。参考例で得たクロロアシル基を有するポリ
ジメチルシロキサン202.9g(0.04モル)を撹
拌下で0〜10℃に保ちながら滴下した。同じ温度で1
時間撹拌した後、テトラヒドロフラン250gを加え
て、水層と油層に分離した。
溶液で洗浄し、さらに飽和食塩水で油層が中性になるま
で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで油層を乾燥させ、
濾過によって固体を取り除き、減圧下でテトラヒドロフ
ランを除去した。その結果175.6gの淡黄色粘性物
を得た。得られた淡黄色粘性物について、活性酸素量、
10時間半減期温度、数平均分子量、赤外線吸収スペク
トル、核磁気共鳴スペクトルの測定をしたところ、下記
に示す特性値が得られ、下記構造式で表されるペルオキ
シエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物
(以下、SiBPE2と略記)と確認された。
鳴スペクトル法にて帰属されるプロトンを示す。)
−H)、1790(C=O)、1270(Si−C)、
1080(Si−O) 核磁気共鳴スペクトル(単位:ppm):0.07〜
0.15(372H、d)、0.95(4H、c)、
1.33(18H、a)、2.43(4H、b)。
メチレン鎖長が10である以外は実施例1で得られた化
合物と構造が同じであるペルオキシエステル基を有する
ポリジメチルシロキサン化合物(以下、SiBPE10
と略記)の10時間半減期温度を測定したところ、9
8.0℃であった。
ポリジメチルシロキサン化合物の合成) 実施例1においてt−ブチルヒドロペルオキシド12.
0gの代わりに1,1−ジメチルブチルヒドロペルオキ
シド(純度:97%)11.7gを用いた他は、実施例
1に準じて合成を行った。その結果171.5gの淡黄
色粘性物を得た。得られた淡黄色粘性物について、活性
酸素量、10時間半減期温度、数平均分子量、赤外線吸
収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルの測定をしたとこ
ろ、下記に示す特性値が得られ、下記構造式で表される
ペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキサン
化合物(以下、SiHPE2と略記)と確認された。
鳴スペクトル法にて帰属されるプロトンを示す。)
−H)、1790(C=O)、1270(Si−C)、
1080(Si−O) 核磁気共鳴スペクトル(単位:ppm):0.07〜
0.15(372H、g)、0.92(6H、a)、
0.95(4H、f)、1.28(12H、d)、1.
55(4H、b)、1.59(4H、c)、2.43
(4H、e)。
メチレン鎖長が10である以外は実施例2で得られた化
合物と構造が同じであるペルオキシエステル基を有する
ポリジメチルシロキサン化合物(SiHPE10と略
記)の10時間半減期温度を測定したところ、94.6
℃であった。
化合物(SiBPE2)を0.005mol・dm-3の
濃度に溶解したスチレンを内径4mm、長さ300mm
のガラスアンプルに2cm3入れ、窒素置換後封管した
後、100℃の恒温槽に浸して8時間塊状重合を行っ
た。重合後に重合転化率、数平均分子量(Mn)、重量
平均分子量(Mw)を求めた。その結果を表1に示し
た。
ステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物(Si
HPE2)を用いた他は、実施例3に準じて重合を行っ
た。その結果を表1に示した。
ステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物(比較
例3:SiBPE10、比較例4:SiHPE10)を
用いた他は、実施例3に準じて重合を行った。その結果
を表1に示した。
較からわかるように、実施例3、4の本発明のペルオキ
シエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物を
重合開始剤として用いたものは、比較例3、4に比べ
て、分解温度が低いために重合転化率が高く、重合の高
速化が達成されている。
液重合) ペルオキシエステル基を有するポリジメチルシロキサン
化合物(実施例5:SiBPE2、実施例6:SiHP
E2)10重量部、ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ヒドロテレフタレート1重量部、メチルメタクリレート
24重量部、トルエン65重量部を環流冷却器及び撹拌
機を備えたフラスコに導入し、窒素雰囲気中95℃で3
時間重合させた後、さらに105℃で4時間重合させ
た。得られた重合物の数平均分子量(Mn)と重量平均
分子量(Mw)を求めた。その結果を表2に示した。
液重合) 実施例5においてSiBPE2の代わりにペルオキシエ
ステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物(比較
例5:SiBPE10、比較例6:SiHPE10)を
用いた他は、実施例5に準じて重合を行った。その結果
を表2に示した。
較からわかるように、実施例5、6の本発明のペルオキ
シエステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物を
重合開始剤として用いたものは、重合開始剤の分解温度
が適切であるために、メチルメタクリレートの転化率が
高く、重合開始剤が有効に機能していることがわかっ
た。
ル基を有するポリジメチルシロキサン化合物は、従来の
ものに比較して分解温度が低く、ビニル系単量体のラジ
カル重合開始剤として機能するにふさわしい分解温度を
有している。第2に、この分解温度の低いペルオキシエ
ステル基を有するポリジメチルシロキサン化合物を重合
開始剤として用いてビニル系単量体の重合を行うと、速
やかに重合を完結することができるため工業的に有利で
ある。第3に、従来まで困難とされていた(メタ)アク
リル系単量体、塩化ビニル系単量体、酢酸ビニル系単量
体の重合にも使用できる。第4に、ペルオキシエステル
基を有するポリジメチルシロキサン化合物を用いて重合
を行うことで、工業的に有利にポリジメチルシロキサン
ブロック共重合体を得ることができる。即ち、重合開始
剤がポリジメチルシロキサン構造を有しているため、そ
れを用いてビニル系単量体を重合することにより、ポリ
ジメチルシロキサンブロック共重合体が得られる。そし
てこのポリジメチルシロキサンブロック共重合体はポリ
ジメチルシロキサンが樹脂と化学結合しているため、ポ
リジメチルシロキサン基部分が有する特有の機能の持続
性が良い。第5に、ゴムの架橋や樹脂の硬化にも使用で
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式で示されるペルオキシエステ
ル基を有するポリジメチルシロキサン化合物。 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキ
ル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。nは
2以上の整数である。) - 【請求項2】 請求項1に記載のペルオキシエステル基
を有するポリジメチルシロキサン化合物を有効成分とす
る重合開始剤。 - 【請求項3】 重合開始剤を用いてビニル系単量体を重
合させるビニル系重合体の製造方法において、重合開始
剤が請求項1に記載のペルオキシエステル基を有するポ
リジメチルシロキサン化合物であり、重合させる温度が
60〜160℃の温度範囲であることを特徴とするビニ
ル系重合体の製造方法。
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WO2024070840A1 (ja) * | 2022-09-27 | 2024-04-04 | 日油株式会社 | アルキルシリルペルオキシド、熱硬化性組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、金属積層板、及びプリント配線板 |
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WO2024070840A1 (ja) * | 2022-09-27 | 2024-04-04 | 日油株式会社 | アルキルシリルペルオキシド、熱硬化性組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、金属積層板、及びプリント配線板 |
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