JP2001308649A - 高周波電力増幅器および通信装置 - Google Patents
高周波電力増幅器および通信装置Info
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- JP2001308649A JP2001308649A JP2000124858A JP2000124858A JP2001308649A JP 2001308649 A JP2001308649 A JP 2001308649A JP 2000124858 A JP2000124858 A JP 2000124858A JP 2000124858 A JP2000124858 A JP 2000124858A JP 2001308649 A JP2001308649 A JP 2001308649A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 出力段増幅部での温度上昇を抑制して、信頼
性が向上した高周波電力増幅器および通信装置を提供す
る。 【解決手段】 高周波信号を電力増幅して出力するため
の、複数の出力段増幅部1・2を互いに並列に接続して
設ける。複数の出力段増幅部1・2をそれぞれ制御する
制御部3を、複数の出力段増幅部1・2を動作もしくは
非動作に選択するように設ける。
性が向上した高周波電力増幅器および通信装置を提供す
る。 【解決手段】 高周波信号を電力増幅して出力するため
の、複数の出力段増幅部1・2を互いに並列に接続して
設ける。複数の出力段増幅部1・2をそれぞれ制御する
制御部3を、複数の出力段増幅部1・2を動作もしくは
非動作に選択するように設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波用の高
周波電力増幅器、特に、携帯機器に用いられている、時
分割多元接続方式(Time Division Multiple Access 、
以下、TDMAと記す)の高周波電力増幅器およびそれ
を有する通信装置に関するものである。
周波電力増幅器、特に、携帯機器に用いられている、時
分割多元接続方式(Time Division Multiple Access 、
以下、TDMAと記す)の高周波電力増幅器およびそれ
を有する通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタル方式の携帯電話等の無線通信
用のデバイス(通信装置)では、通信に用いる電波の利
用効率を高めるため、時分割多元接続方式(TDMA)
が一般的に採用されている。この方式は、一つの周波数
の電波を時間的に分割することにより多チャンネル化を
可能にしている。例えば欧州で最も普及している規格で
あるGSM(Global System for Mobile Communication
s)では、図4に示すように、5ミリ秒を周期(フレーム
周期)とし、それを時間的に8等分した期間の電波を一
つのチャンネルとして用いて送受信を行っている。
用のデバイス(通信装置)では、通信に用いる電波の利
用効率を高めるため、時分割多元接続方式(TDMA)
が一般的に採用されている。この方式は、一つの周波数
の電波を時間的に分割することにより多チャンネル化を
可能にしている。例えば欧州で最も普及している規格で
あるGSM(Global System for Mobile Communication
s)では、図4に示すように、5ミリ秒を周期(フレーム
周期)とし、それを時間的に8等分した期間の電波を一
つのチャンネルとして用いて送受信を行っている。
【0003】一つのチャンネル分の電波の送信電力は、
図11に示すように、時間に対してバースト(間欠)状
となる。このバースト状の各電波の一周期をフレーム周
期と呼び、一つのチャンネルに割り当てられた電波の最
小の時間単位をスロットと呼ぶ。このようにして互いに
重複しない各スロットの電波を時系列的に送信すること
によって、一つの周波数の電波で同時に8チャンネル分
の情報を伝送することが可能となる。
図11に示すように、時間に対してバースト(間欠)状
となる。このバースト状の各電波の一周期をフレーム周
期と呼び、一つのチャンネルに割り当てられた電波の最
小の時間単位をスロットと呼ぶ。このようにして互いに
重複しない各スロットの電波を時系列的に送信すること
によって、一つの周波数の電波で同時に8チャンネル分
の情報を伝送することが可能となる。
【0004】一般に、携帯電話等の無線通信用のデバイ
スの出力段増幅部には、ヘテロジャンクション・バイポ
ーラトランジスタ(Hetero-junction Bipolar Transist
or、以下、HBTと記す)や電界効果トランジスタ(Fie
ld Effect Transistor、以下、FETと記す)などの半
導体素子からなる電力増幅器が用いられている。特に最
近では、GaAsなどの半導体基板上に上記出力段増幅
部を集積した、MMIC(Microwave Monolithic Integ
rated Circuit)が広く用いられるようになっている。
スの出力段増幅部には、ヘテロジャンクション・バイポ
ーラトランジスタ(Hetero-junction Bipolar Transist
or、以下、HBTと記す)や電界効果トランジスタ(Fie
ld Effect Transistor、以下、FETと記す)などの半
導体素子からなる電力増幅器が用いられている。特に最
近では、GaAsなどの半導体基板上に上記出力段増幅
部を集積した、MMIC(Microwave Monolithic Integ
rated Circuit)が広く用いられるようになっている。
【0005】従来、上記出力段増幅部には、図12に示
すように、高周波信号を電力増幅する出力段トランジス
タを有する出力段増幅器51が、ドライバ段増幅器から
の高周波信号(RFDRIVE )と、送信電力を制御する制
御電圧VAPC とを入力するように設けられている。ここ
で、制御電圧VAPC は送信電力の大きさを制御する電圧
であって、接地電位から電源電位までの間を変動するも
のとする。制御電圧V APC が接地電位のとき、上記送信
電力は0となり、制御電圧VAPC が大きくなるにつれて
送信電力は大きくなる。図3に示すように、制御電圧V
APC は通信規格で定められた単位スロットの整数倍の時
間だけ高電位になり、その期間だけバースト状の送信電
力が出力される。
すように、高周波信号を電力増幅する出力段トランジス
タを有する出力段増幅器51が、ドライバ段増幅器から
の高周波信号(RFDRIVE )と、送信電力を制御する制
御電圧VAPC とを入力するように設けられている。ここ
で、制御電圧VAPC は送信電力の大きさを制御する電圧
であって、接地電位から電源電位までの間を変動するも
のとする。制御電圧V APC が接地電位のとき、上記送信
電力は0となり、制御電圧VAPC が大きくなるにつれて
送信電力は大きくなる。図3に示すように、制御電圧V
APC は通信規格で定められた単位スロットの整数倍の時
間だけ高電位になり、その期間だけバースト状の送信電
力が出力される。
【0006】このような出力段増幅部には、数ワット程
度の送信電力を得るために、かなり大きな電流が供給さ
れる。このため、出力段増幅器51では、大量の電力を
消費し、自己発熱によって、出力段増幅器51における
出力段トランジスタの接合温度(以下、Tjと記す)が
上昇する。
度の送信電力を得るために、かなり大きな電流が供給さ
れる。このため、出力段増幅器51では、大量の電力を
消費し、自己発熱によって、出力段増幅器51における
出力段トランジスタの接合温度(以下、Tjと記す)が
上昇する。
【0007】接合温度Tjが過度に上昇すると出力段ト
ランジスタの特性劣化を招来し、最終的には出力段トラ
ンジスタの破壊に至ってしまう。実用十分な寿命を保証
するため、一般的な出力段トランジスタの規格では、接
合温度Tjは150℃程度以下に維持されなければなら
ないとされている。また、出力段トランジスタの接合温
度Tjは次の式(1)で計算される。
ランジスタの特性劣化を招来し、最終的には出力段トラ
ンジスタの破壊に至ってしまう。実用十分な寿命を保証
するため、一般的な出力段トランジスタの規格では、接
合温度Tjは150℃程度以下に維持されなければなら
ないとされている。また、出力段トランジスタの接合温
度Tjは次の式(1)で計算される。
【0008】Tj=Ta+RTH×PD ……(1) ここで、Taは雰囲気温度、RTHは熱抵抗、PD は出力
段トランジスタ内部で消費される電力である。
段トランジスタ内部で消費される電力である。
【0009】したがって、雰囲気温度Taと消費電力P
D が予め決まっていれば、接合温度Tjは熱抵抗RTHの
みに依存することになる。出力段トランジスタの熱抵抗
RTHとは発熱源である接合部から周囲の空気まで1ワッ
ト(W)の熱が移動するときに生じる温度差であり、そ
れは半導体基板の熱伝導率および基板の厚さ、パッケー
ジの材質や構造、さらに放熱板の有無等によって決ま
る。仮に、RTH=60℃/Wとしたとき、Ta=20
℃、PD =5Wの条件で計算すると、接合温度Tjは3
25℃にも達する。
D が予め決まっていれば、接合温度Tjは熱抵抗RTHの
みに依存することになる。出力段トランジスタの熱抵抗
RTHとは発熱源である接合部から周囲の空気まで1ワッ
ト(W)の熱が移動するときに生じる温度差であり、そ
れは半導体基板の熱伝導率および基板の厚さ、パッケー
ジの材質や構造、さらに放熱板の有無等によって決ま
る。仮に、RTH=60℃/Wとしたとき、Ta=20
℃、PD =5Wの条件で計算すると、接合温度Tjは3
25℃にも達する。
【0010】ただし、この接合温度Tjは、連続動作時
の接合温度Tjであって、前述のようなバースト動作時
には、それより低くなる。これは、接合温度Tjが上昇
するには、ある程度の時間を要するためである。接合温
度Tjが飽和に達するのに要する時間に比べて、バース
トの幅が十分に短ければ、連続動作時の接合温度Tjま
では上昇せず、バーストの幅と周期の比、すなわちデュ
ーティー比に依存した温度上昇となる。
の接合温度Tjであって、前述のようなバースト動作時
には、それより低くなる。これは、接合温度Tjが上昇
するには、ある程度の時間を要するためである。接合温
度Tjが飽和に達するのに要する時間に比べて、バース
トの幅が十分に短ければ、連続動作時の接合温度Tjま
では上昇せず、バーストの幅と周期の比、すなわちデュ
ーティー比に依存した温度上昇となる。
【0011】一般的に、デューティー比と接合温度Tj
との関係は図6に示す第一曲線のようになる。接合温度
Tjはデューティー比の増加と共に上昇し、デューティ
ー比が100%となったところで、連続動作時の接合温
度Tjに一致する。
との関係は図6に示す第一曲線のようになる。接合温度
Tjはデューティー比の増加と共に上昇し、デューティ
ー比が100%となったところで、連続動作時の接合温
度Tjに一致する。
【0012】一方、携帯電話等の通信規格によると、デ
ータ伝送等の目的で伝送速度を上げるため、単一のスロ
ットではなく複数のスロットを連続して送信したいとい
う要求がある。この場合、バースト状の送信電波の送信
期間の幅が長くなるため、接合温度Tjは単一のスロッ
トの場合より高くなる。例えば、1フレームが8スロッ
トで構成されるシステムにおいて、1スロット送信の場
合はデューティー比1/8すなわち12.5%であるか
ら、接合温度Tjが図6の第一曲線のA点であったとす
ると、4スロットを連続的に送信した場合は、デューテ
ィー比4/8すなわち50%となるから接合温度Tjは
B点まで上昇することになる。もし、このときの接合温
度Tjが150℃程度を超えると、デバイスの信頼性
上、大きな問題になってくる。
ータ伝送等の目的で伝送速度を上げるため、単一のスロ
ットではなく複数のスロットを連続して送信したいとい
う要求がある。この場合、バースト状の送信電波の送信
期間の幅が長くなるため、接合温度Tjは単一のスロッ
トの場合より高くなる。例えば、1フレームが8スロッ
トで構成されるシステムにおいて、1スロット送信の場
合はデューティー比1/8すなわち12.5%であるか
ら、接合温度Tjが図6の第一曲線のA点であったとす
ると、4スロットを連続的に送信した場合は、デューテ
ィー比4/8すなわち50%となるから接合温度Tjは
B点まで上昇することになる。もし、このときの接合温
度Tjが150℃程度を超えると、デバイスの信頼性
上、大きな問題になってくる。
【0013】出力段トランジスタ内部で消費される消費
電力PD が5W、雰囲気温度Taが25℃のとき、Ga
As基板上に形成されたHBTについて、HBTのベー
ス・エミッタ間の電圧VBEの温度依存性を利用して、間
接的に接合温度Tjを測定した結果を図5に示す。
電力PD が5W、雰囲気温度Taが25℃のとき、Ga
As基板上に形成されたHBTについて、HBTのベー
ス・エミッタ間の電圧VBEの温度依存性を利用して、間
接的に接合温度Tjを測定した結果を図5に示す。
【0014】これは、フレーム周期が5ミリ秒で1フレ
ームが8スロットで構成されるシステムについて、接合
温度Tjのスロット数依存性を測定したものである。例
えば、接合温度Tjは、1スロット送信のとき約125
℃であるが、4スロット連続送信のとき約230℃まで
上昇する。このような接合温度Tjでは、出力段トラン
ジスタは極めて短時間で劣化し、デバイスの信頼性を保
証できなくなる。
ームが8スロットで構成されるシステムについて、接合
温度Tjのスロット数依存性を測定したものである。例
えば、接合温度Tjは、1スロット送信のとき約125
℃であるが、4スロット連続送信のとき約230℃まで
上昇する。このような接合温度Tjでは、出力段トラン
ジスタは極めて短時間で劣化し、デバイスの信頼性を保
証できなくなる。
【0015】出力段トランジスタの消費電力PD は通信
規格によって定められた送信電力の大きさで決まるか
ら、多スロット連続動作の場合でも接合温度Tjを低く
保つために、まず、熱抵抗RTHを低減させる方法が考え
られた。
規格によって定められた送信電力の大きさで決まるか
ら、多スロット連続動作の場合でも接合温度Tjを低く
保つために、まず、熱抵抗RTHを低減させる方法が考え
られた。
【0016】デバイス内の熱の流れは、図13に示すよ
うに、主として熱源である、出力段トランジスタの接合
部41から、接合部41を覆う、熱伝導率が低いモール
ド樹脂部46へではなく、熱伝導率が比較的高い半導体
基板42内を拡散し、半導体基板42のチップ裏面から
ダイボンド43、リードフレーム44を経て外部のプリ
ント基板45へと伝達されるようになっている。
うに、主として熱源である、出力段トランジスタの接合
部41から、接合部41を覆う、熱伝導率が低いモール
ド樹脂部46へではなく、熱伝導率が比較的高い半導体
基板42内を拡散し、半導体基板42のチップ裏面から
ダイボンド43、リードフレーム44を経て外部のプリ
ント基板45へと伝達されるようになっている。
【0017】そのような熱の流れでは、それぞれの界面
および媒質中で熱抵抗RTHがそれぞれ発生するが、とり
わけ微小時間での過渡の熱抵抗RTHは熱源に最も近い半
導体基板42そのものの熱抵抗RTHに強く依存する。半
導体基板42の熱抵抗RTHは、主として、半導体基板4
2に用いた半導体の熱伝導率および半導体基板42の基
板厚に依存する。熱伝導率は物質によって決まっている
から基板厚を薄くすることによってのみ、上記熱抵抗R
THを低減することができる。
および媒質中で熱抵抗RTHがそれぞれ発生するが、とり
わけ微小時間での過渡の熱抵抗RTHは熱源に最も近い半
導体基板42そのものの熱抵抗RTHに強く依存する。半
導体基板42の熱抵抗RTHは、主として、半導体基板4
2に用いた半導体の熱伝導率および半導体基板42の基
板厚に依存する。熱伝導率は物質によって決まっている
から基板厚を薄くすることによってのみ、上記熱抵抗R
THを低減することができる。
【0018】ところが、半導体基板42の基板厚を薄く
した場合、半導体基板42のハンドリングが困難にな
り、半導体基板42となる半導体ウェハーの割れ欠けが
生じ易くなり、半導体基板42の製造歩留りが極端に低
下するので、コストの点で現実的ではないという問題が
発生する。
した場合、半導体基板42のハンドリングが困難にな
り、半導体基板42となる半導体ウェハーの割れ欠けが
生じ易くなり、半導体基板42の製造歩留りが極端に低
下するので、コストの点で現実的ではないという問題が
発生する。
【0019】上記のような問題を回避するため、基板厚
を薄くすることを回避して、デバイスの熱抵抗を低減さ
せる方法が、従来、幾つか提案されている。例えば、特
開平6−349846号公報(公開日、1994年12月22
日)に記載の方法によれば、図14に示すように、トラ
ンジスタ62の真性動作部の直上にH型のバンプ電極6
1を形成し、フリップチップ実装することによって、ト
ランジスタ62の発熱部からパッケージ63へ効率的に
放熱させることができ、熱抵抗RTHを低減することが可
能であるとしている。
を薄くすることを回避して、デバイスの熱抵抗を低減さ
せる方法が、従来、幾つか提案されている。例えば、特
開平6−349846号公報(公開日、1994年12月22
日)に記載の方法によれば、図14に示すように、トラ
ンジスタ62の真性動作部の直上にH型のバンプ電極6
1を形成し、フリップチップ実装することによって、ト
ランジスタ62の発熱部からパッケージ63へ効率的に
放熱させることができ、熱抵抗RTHを低減することが可
能であるとしている。
【0020】また、特開平6−310547号公報(公
開日、1994年11月4日)に記載の方法によれば、図15
に示すように、トランジスタのソース電極76の直下に
空洞74をGaAs基板71中に形成し、上記空洞74
の内面に熱伝導性の良好な金属膜75を形成、あるいは
上記空洞74の内部を金属で充填することによって、G
aAs基板71の熱伝導率を改良し、GaAs基板71
の基板厚を薄くすることを回避してデバイスの熱抵抗R
THを低減させることが可能であるとしている。
開日、1994年11月4日)に記載の方法によれば、図15
に示すように、トランジスタのソース電極76の直下に
空洞74をGaAs基板71中に形成し、上記空洞74
の内面に熱伝導性の良好な金属膜75を形成、あるいは
上記空洞74の内部を金属で充填することによって、G
aAs基板71の熱伝導率を改良し、GaAs基板71
の基板厚を薄くすることを回避してデバイスの熱抵抗R
THを低減させることが可能であるとしている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
6−349846号公報に記載の方法では、上記公報に
記載の従来技術と比べて、熱抵抗RTHを最大で約1/2
に低減させることができるとしているが、これは、熱抵
抗RTHが小さいバンプ電極61をフリップチップ実装す
ることを前提としたものであり、ワイヤーボンディング
実装の場合はそれほど大きな低減効果は望めないという
問題を有している。
6−349846号公報に記載の方法では、上記公報に
記載の従来技術と比べて、熱抵抗RTHを最大で約1/2
に低減させることができるとしているが、これは、熱抵
抗RTHが小さいバンプ電極61をフリップチップ実装す
ることを前提としたものであり、ワイヤーボンディング
実装の場合はそれほど大きな低減効果は望めないという
問題を有している。
【0022】また、上記特開平6−310547号公報
に記載の方法では、具体的な熱抵抗RTHの低減効果が示
されていないが、GaAsと金属の熱伝導率の差を応用
したものであり、物理定数的あるいは製造技術的には限
界が存在し、上記公報に記載の従来技術に比べて熱抵抗
RTHを劇的に低減させることは困難であるという問題を
有し、また、製造工程が複雑になるため、製造コストが
増大するという副次的な問題も有している。
に記載の方法では、具体的な熱抵抗RTHの低減効果が示
されていないが、GaAsと金属の熱伝導率の差を応用
したものであり、物理定数的あるいは製造技術的には限
界が存在し、上記公報に記載の従来技術に比べて熱抵抗
RTHを劇的に低減させることは困難であるという問題を
有し、また、製造工程が複雑になるため、製造コストが
増大するという副次的な問題も有している。
【0023】上記何れの方法も熱抵抗RTHを低減させる
手段として有効であるが、トランジスタの接合温度Tj
は熱抵抗RTHと消費電力PD の積で決まるから、さらに
消費電力PD が大きくなれば物理的に熱抵抗RTHを低減
させるだけでは接合温度Tjを下げることはできない。
つまり、たとえ熱抵抗RTHを半分に低減させることがで
きても消費電力PD が2倍になれば、結果として接合温
度Tjは全く低下しないことになる。
手段として有効であるが、トランジスタの接合温度Tj
は熱抵抗RTHと消費電力PD の積で決まるから、さらに
消費電力PD が大きくなれば物理的に熱抵抗RTHを低減
させるだけでは接合温度Tjを下げることはできない。
つまり、たとえ熱抵抗RTHを半分に低減させることがで
きても消費電力PD が2倍になれば、結果として接合温
度Tjは全く低下しないことになる。
【0024】また、図6に示したように、バースト動作
時のデューティー比が大きくなるほど接合温度Tjが高
くなるから、上記従来技術で熱抵抗RTHを低減させても
多スロット連続動作を要求される場合には信頼性限界を
超えてしまう恐れがある。例えば熱抵抗RTHを従来の6
0%に低減することができたと仮定すると、接合温度T
jとデューティー比との関係は図6の第二曲線に示すよ
うになる。信頼性を確保できる接合温度Tjの上限がA
点であるとするならば、この場合でもデューティー比が
約40%を超えると信頼性限界を超えてしまうことな
る。
時のデューティー比が大きくなるほど接合温度Tjが高
くなるから、上記従来技術で熱抵抗RTHを低減させても
多スロット連続動作を要求される場合には信頼性限界を
超えてしまう恐れがある。例えば熱抵抗RTHを従来の6
0%に低減することができたと仮定すると、接合温度T
jとデューティー比との関係は図6の第二曲線に示すよ
うになる。信頼性を確保できる接合温度Tjの上限がA
点であるとするならば、この場合でもデューティー比が
約40%を超えると信頼性限界を超えてしまうことな
る。
【0025】本発明は、上記のような各問題点を解決す
るためになされたもので、放熱上でのデバイス構造やパ
ッケージ構造の制約を受けることなく、バースト動作時
の接合温度Tjを大幅に低下できて、信頼性を向上でき
る高周波電力増幅器および通信装置を提供することを目
的としている。
るためになされたもので、放熱上でのデバイス構造やパ
ッケージ構造の制約を受けることなく、バースト動作時
の接合温度Tjを大幅に低下できて、信頼性を向上でき
る高周波電力増幅器および通信装置を提供することを目
的としている。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波電力増幅
器は、以上の課題を解決するために、高周波信号を電力
増幅して出力するための、複数の出力段増幅部が互いに
並列に接続されて設けられ、複数の出力段増幅部をそれ
ぞれ制御する制御部が、複数の出力段増幅部を動作もし
くは非動作に選択するように設けられていることを特徴
としている。
器は、以上の課題を解決するために、高周波信号を電力
増幅して出力するための、複数の出力段増幅部が互いに
並列に接続されて設けられ、複数の出力段増幅部をそれ
ぞれ制御する制御部が、複数の出力段増幅部を動作もし
くは非動作に選択するように設けられていることを特徴
としている。
【0027】上記構成によれば、複数の出力段増幅部を
動作もしくは非動作に選択して、高周波信号を電力増幅
して出力することにより、従来のように、単一の出力段
増幅部を用いて高周波信号を電力増幅して出力した場合
の上記出力段増幅部での温度上昇と比べて、本発明に係
る各出力段増幅部での温度上昇を抑制することができ
る。
動作もしくは非動作に選択して、高周波信号を電力増幅
して出力することにより、従来のように、単一の出力段
増幅部を用いて高周波信号を電力増幅して出力した場合
の上記出力段増幅部での温度上昇と比べて、本発明に係
る各出力段増幅部での温度上昇を抑制することができ
る。
【0028】これにより、上記構成では、放熱のための
構造上の制約を回避しながら、各出力段増幅部での温度
上昇を抑制できるから、温度上昇に基づく信頼性の低下
を軽減でき、信頼性を改善できる。
構造上の制約を回避しながら、各出力段増幅部での温度
上昇を抑制できるから、温度上昇に基づく信頼性の低下
を軽減でき、信頼性を改善できる。
【0029】上記高周波電力増幅器では、制御部は、各
出力段増幅部を流れる電流値を制御するための第1制御
信号と、各出力段増幅部の電流を流す期間をそれぞれ制
御するための第2制御信号とに基づき、各出力段増幅部
を制御するものであることが好ましい。
出力段増幅部を流れる電流値を制御するための第1制御
信号と、各出力段増幅部の電流を流す期間をそれぞれ制
御するための第2制御信号とに基づき、各出力段増幅部
を制御するものであることが好ましい。
【0030】上記構成によれば、第1制御信号により高
周波信号の電力増幅の大きさを制御でき、第2制御信号
により、複数の出力段増幅部の動作もしくは非動作、つ
まり複数の出力段増幅部の各動作を択一的に選択できる
ので、第1制御信号および第2制御信号との組み合わせ
により、例えば、時分割多元接続方式のバースト(間欠
的)動作に基づく高周波信号の送信を確実に行うことが
できる。
周波信号の電力増幅の大きさを制御でき、第2制御信号
により、複数の出力段増幅部の動作もしくは非動作、つ
まり複数の出力段増幅部の各動作を択一的に選択できる
ので、第1制御信号および第2制御信号との組み合わせ
により、例えば、時分割多元接続方式のバースト(間欠
的)動作に基づく高周波信号の送信を確実に行うことが
できる。
【0031】上記高周波電力増幅器においては、第2制
御信号は、各出力段増幅部に対し互いに異なる位相にて
それぞれ入力されるように設定されていることが望まし
い。
御信号は、各出力段増幅部に対し互いに異なる位相にて
それぞれ入力されるように設定されていることが望まし
い。
【0032】上記構成によれば、第2制御信号が、各出
力段増幅部に対し互いに異なる位相にてそれぞれ入力さ
れるので、各出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択
することを確実化できる。
力段増幅部に対し互いに異なる位相にてそれぞれ入力さ
れるので、各出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択
することを確実化できる。
【0033】上記高周波電力増幅器では、互いに異なる
位相の、各第2制御信号は、各第2制御信号の内の一つ
の第2制御信号から、反転により他の第2制御信号を生
成するようになっていてもよい。
位相の、各第2制御信号は、各第2制御信号の内の一つ
の第2制御信号から、反転により他の第2制御信号を生
成するようになっていてもよい。
【0034】上記構成によれば、各第2制御信号の内の
一つの第2制御信号から、反転により他の第2制御信号
を生成するので、互いに位相が異なる各第2制御信号の
生成を確実化および簡素化できる。
一つの第2制御信号から、反転により他の第2制御信号
を生成するので、互いに位相が異なる各第2制御信号の
生成を確実化および簡素化できる。
【0035】上記高周波電力増幅器においては、高周波
信号は、電力増幅され、時間的に分割された単位スロッ
ト毎にバースト状の送信電力にて出力されるものであ
り、複数の出力段増幅部は2個であり、第2制御信号
は、単位スロットに応じたパルス幅としデューティー比
が1/2である第3制御信号と、第3制御信号の反転信
号である第4制御信号とを含み、第1制御信号は、第2
制御信号に同期しており、制御部は、第1制御信号と第
3制御信号と第4制御信号とに基づいて、2個の各出力
段増幅部を単位スロットずつ交互に動作させるようにな
っていてもよい。
信号は、電力増幅され、時間的に分割された単位スロッ
ト毎にバースト状の送信電力にて出力されるものであ
り、複数の出力段増幅部は2個であり、第2制御信号
は、単位スロットに応じたパルス幅としデューティー比
が1/2である第3制御信号と、第3制御信号の反転信
号である第4制御信号とを含み、第1制御信号は、第2
制御信号に同期しており、制御部は、第1制御信号と第
3制御信号と第4制御信号とに基づいて、2個の各出力
段増幅部を単位スロットずつ交互に動作させるようにな
っていてもよい。
【0036】上記構成によれば、2個の各出力段増幅部
を単位スロットずつ交互に動作させ、高周波信号を上記
各出力段増幅部によって電力増幅して出力することによ
り、従来のように、単一の出力段増幅部を用いて高周波
信号を電力増幅して出力した場合の上記出力段増幅部で
の温度上昇と比べて、本発明に係る各出力段増幅部での
温度上昇を抑制することができる。
を単位スロットずつ交互に動作させ、高周波信号を上記
各出力段増幅部によって電力増幅して出力することによ
り、従来のように、単一の出力段増幅部を用いて高周波
信号を電力増幅して出力した場合の上記出力段増幅部で
の温度上昇と比べて、本発明に係る各出力段増幅部での
温度上昇を抑制することができる。
【0037】これにより、上記構成では、放熱のための
構造上の制約を回避しながら、各出力段増幅部での温度
上昇を抑制できるから、温度上昇に基づく信頼性の低下
を軽減でき、信頼性を改善できる。
構造上の制約を回避しながら、各出力段増幅部での温度
上昇を抑制できるから、温度上昇に基づく信頼性の低下
を軽減でき、信頼性を改善できる。
【0038】上記高周波電力増幅器では、高周波信号
は、電力増幅され、時間的に分割された単位スロット毎
にバースト状の送信電力にて出力されるものであり、複
数の出力段増幅部は3個以上であり、第2制御信号は、
単位スロットに応じたパルス幅としデューティー比が出
力段増幅部の数の逆数であり、かつ、互いの位相が単位
スロットに応じて相違する複数の第5制御信号を含み、
第1制御信号は、第2制御信号に同期しており、制御部
は、第1制御信号と、各第5制御信号とに基づいて、3
個以上の各出力段増幅部を単位スロットずつ順次動作さ
せるようになっていてもよい。
は、電力増幅され、時間的に分割された単位スロット毎
にバースト状の送信電力にて出力されるものであり、複
数の出力段増幅部は3個以上であり、第2制御信号は、
単位スロットに応じたパルス幅としデューティー比が出
力段増幅部の数の逆数であり、かつ、互いの位相が単位
スロットに応じて相違する複数の第5制御信号を含み、
第1制御信号は、第2制御信号に同期しており、制御部
は、第1制御信号と、各第5制御信号とに基づいて、3
個以上の各出力段増幅部を単位スロットずつ順次動作さ
せるようになっていてもよい。
【0039】上記構成によれば、さらに、3個以上の各
出力段増幅部を単位スロットずつ順次動作させることに
より、さらに、放熱のための構造上の制約を回避しなが
ら、各出力段増幅部での温度上昇をさらに抑制できるか
ら、温度上昇に基づく信頼性の低下を軽減でき、信頼性
をより一層改善できる。
出力段増幅部を単位スロットずつ順次動作させることに
より、さらに、放熱のための構造上の制約を回避しなが
ら、各出力段増幅部での温度上昇をさらに抑制できるか
ら、温度上昇に基づく信頼性の低下を軽減でき、信頼性
をより一層改善できる。
【0040】上記高周波電力増幅器においては、第2制
御信号は、そのパルス幅を単位スロットの期間より短
く、例えば単位スロットの期間の整数分の1に設定され
ていてもよい。
御信号は、そのパルス幅を単位スロットの期間より短
く、例えば単位スロットの期間の整数分の1に設定され
ていてもよい。
【0041】上記構成によれば、各出力段増幅部を作動
させるための、第2制御信号のパルス幅を単位スロット
の期間より短く設定することにより、各出力段増幅部
を、より短い間隔で交互に動作させることができ、上記
各出力段増幅部の温度上昇をさらに抑制できるから、上
記各出力段増幅部の信頼性をより一層高めることができ
る。
させるための、第2制御信号のパルス幅を単位スロット
の期間より短く設定することにより、各出力段増幅部
を、より短い間隔で交互に動作させることができ、上記
各出力段増幅部の温度上昇をさらに抑制できるから、上
記各出力段増幅部の信頼性をより一層高めることができ
る。
【0042】上記高周波電力増幅器では、制御部は、各
出力段増幅部の動作時間を互いに等しく設定することに
代えて、各出力段増幅部の動作時間を互いに異なるよう
に各出力段増幅部を制御するようになっていてもよい。
出力段増幅部の動作時間を互いに等しく設定することに
代えて、各出力段増幅部の動作時間を互いに異なるよう
に各出力段増幅部を制御するようになっていてもよい。
【0043】上記構成によれば、各出力段増幅部の配置
や、周囲温度の相違による、各出力段増幅部の温度上昇
が相違しても、各出力段増幅部の動作時間を互いに異な
るようにすることで、上記相違による温度の相違を相殺
して、各出力段増幅部の一部が、他の部分より高温とな
ることを回避できて、温度上昇に基づく信頼性の低下を
軽減でき、信頼性を改善できる。
や、周囲温度の相違による、各出力段増幅部の温度上昇
が相違しても、各出力段増幅部の動作時間を互いに異な
るようにすることで、上記相違による温度の相違を相殺
して、各出力段増幅部の一部が、他の部分より高温とな
ることを回避できて、温度上昇に基づく信頼性の低下を
軽減でき、信頼性を改善できる。
【0044】本発明の通信装置は、前記の課題を解決す
るために、上記の何れかの高周波電力増幅器を有してい
ることを特徴としている。上記構成によれば、温度上昇
が抑制されて、信頼性に優れた高周波電力増幅器を有し
ているので、通信するときの信頼性を改善できる。
るために、上記の何れかの高周波電力増幅器を有してい
ることを特徴としている。上記構成によれば、温度上昇
が抑制されて、信頼性に優れた高周波電力増幅器を有し
ているので、通信するときの信頼性を改善できる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の各形態につ
いて図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通
りである。
いて図1ないし図10に基づいて説明すれば、以下の通
りである。
【0046】〔第一の実施の形態〕本発明に係る第一の
実施の形態の高周波電力増幅器では、図1に示すよう
に、高周波信号を電力増幅するための、複数の、例えば
2個の出力段増幅部1・2が互いに並列に接続されて設
けられている。
実施の形態の高周波電力増幅器では、図1に示すよう
に、高周波信号を電力増幅するための、複数の、例えば
2個の出力段増幅部1・2が互いに並列に接続されて設
けられている。
【0047】また、上記高周波電力増幅器においては、
複数の出力段増幅部をそれぞれ制御する制御部3が、各
出力段増幅部1・2を流れる電流値を制御するための制
御電圧VAPC (第1制御信号)と、各出力段増幅部1・
2の電流を流す期間を制御するための基準クロックCK
(第2制御信号、第3制御信号)および逆相クロックC
Kb(第2制御信号、第4制御信号))と基づき、各出
力段増幅部1・2を動作もしくは非動作に、つまり択一
的(それぞれの動作時の重複を互い回避するよう)に選
択して、電力増幅された高周波信号を出力するように設
けられている。
複数の出力段増幅部をそれぞれ制御する制御部3が、各
出力段増幅部1・2を流れる電流値を制御するための制
御電圧VAPC (第1制御信号)と、各出力段増幅部1・
2の電流を流す期間を制御するための基準クロックCK
(第2制御信号、第3制御信号)および逆相クロックC
Kb(第2制御信号、第4制御信号))と基づき、各出
力段増幅部1・2を動作もしくは非動作に、つまり択一
的(それぞれの動作時の重複を互い回避するよう)に選
択して、電力増幅された高周波信号を出力するように設
けられている。
【0048】すなわち、上記高周波電力増幅器では、図
2に示すように、高周波信号を電力増幅し、通信用電波
として送信するための、各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 が設けられている。各出力段トランジスタQ1 ・Q2
は、それぞれのコレクタが互いに接続され、外部におい
て高周波成分を遮断するインダクタL1 を介して電源電
位VCCに接続されている。
2に示すように、高周波信号を電力増幅し、通信用電波
として送信するための、各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 が設けられている。各出力段トランジスタQ1 ・Q2
は、それぞれのコレクタが互いに接続され、外部におい
て高周波成分を遮断するインダクタL1 を介して電源電
位VCCに接続されている。
【0049】また、直流成分を遮断するキャパシタC3
を介して高周波電力がRFOUT 端子から取り出される。
インダクタL1 およびキャパシタC3 は出力と外部との
間でのインピーダンスマッチングを取るための整合回路
の一部をなすものである。
を介して高周波電力がRFOUT 端子から取り出される。
インダクタL1 およびキャパシタC3 は出力と外部との
間でのインピーダンスマッチングを取るための整合回路
の一部をなすものである。
【0050】各出力段トランジスタQ1 ・Q2 は、スロ
ット毎のバースト状にそれぞれ送信される通信用電波の
各送信電力の不均一を回避するために同一の構造である
ことが好ましく、本第一の実施の形態では、例えば、G
aAs基板上に形成された、互いに同一の規格を有する
各HBTからそれぞれなっている。
ット毎のバースト状にそれぞれ送信される通信用電波の
各送信電力の不均一を回避するために同一の構造である
ことが好ましく、本第一の実施の形態では、例えば、G
aAs基板上に形成された、互いに同一の規格を有する
各HBTからそれぞれなっている。
【0051】また、各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 は、高周波的な位相差をできるだけ小さくするため、
物理的にできるだけ近くに、特に好ましくは集積化さ
れ、互いに近接して配置されることが望ましい。
2 は、高周波的な位相差をできるだけ小さくするため、
物理的にできるだけ近くに、特に好ましくは集積化さ
れ、互いに近接して配置されることが望ましい。
【0052】各出力段トランジスタQ1 ・Q2 のベース
には、それぞれ直流成分を遮断するための各キャパシタ
C1 ・C2 が接続されており、それらを介してドライバ
段からの高周波信号RFDRIVE が供給される。また、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 のベースには、それぞ
れ、バイアス電流を供給する各トランジスタT1 ・T2
のエミッタが接続されており、VAPC 端子から抵抗R1
を介してベース電流が供給される。
には、それぞれ直流成分を遮断するための各キャパシタ
C1 ・C2 が接続されており、それらを介してドライバ
段からの高周波信号RFDRIVE が供給される。また、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 のベースには、それぞ
れ、バイアス電流を供給する各トランジスタT1 ・T2
のエミッタが接続されており、VAPC 端子から抵抗R1
を介してベース電流が供給される。
【0053】このような出力段トランジスタQ1 と、ト
ランジスタT1 とキャパシタC1 と抵抗R1 とにより、
前述の出力段増幅部1が構成されている。また、同様
に、前述の出力段増幅部2は、出力段トランジスタQ2
と、トランジスタT2 と、キャパシタC2 と抵抗R1 と
により構成されている。
ランジスタT1 とキャパシタC1 と抵抗R1 とにより、
前述の出力段増幅部1が構成されている。また、同様
に、前述の出力段増幅部2は、出力段トランジスタQ2
と、トランジスタT2 と、キャパシタC2 と抵抗R1 と
により構成されている。
【0054】また、トランジスタT1 のコレクタには、
図3に示すようなデューティー比が1/2でパルス幅が
単位スロットの時間に等しい基準クロックCKが供給さ
れる一方、トランジスタT2 のコレクタには基準クロッ
クCKと逆の位相を有する逆相クロックCKbが供給さ
れる。基準クロックCKと逆相クロックCKbとは互い
に重複しないものとし、低電位は接地電位に等しく、高
電位は電源電位に等しくなるように設定されている。ま
た、VAPC 端子の電圧は、送信電力の大きさを制御する
信号であり、図3に示すように、基準クロックCKに同
期して所望のスロット数の時間だけ高電位になり、それ
以外は低電位に維持される。低電位は接地電位に等し
く、高電位は接地電位と電源電位との間の値をとり、V
APC 端子の電圧が大きいほど送信電力が大きくなるよう
に制御されるものとする。
図3に示すようなデューティー比が1/2でパルス幅が
単位スロットの時間に等しい基準クロックCKが供給さ
れる一方、トランジスタT2 のコレクタには基準クロッ
クCKと逆の位相を有する逆相クロックCKbが供給さ
れる。基準クロックCKと逆相クロックCKbとは互い
に重複しないものとし、低電位は接地電位に等しく、高
電位は電源電位に等しくなるように設定されている。ま
た、VAPC 端子の電圧は、送信電力の大きさを制御する
信号であり、図3に示すように、基準クロックCKに同
期して所望のスロット数の時間だけ高電位になり、それ
以外は低電位に維持される。低電位は接地電位に等し
く、高電位は接地電位と電源電位との間の値をとり、V
APC 端子の電圧が大きいほど送信電力が大きくなるよう
に制御されるものとする。
【0055】各出力段トランジスタQ1 ・Q2 は、それ
ぞれ各トランジスタT1 ・T2 によってバイアス電流を
供給されており、バイアス電流が各出力段トランジスタ
Q1・Q2 の動作点に達しなければ、入力される高周波
信号の増幅動作を行わないようになっている。
ぞれ各トランジスタT1 ・T2 によってバイアス電流を
供給されており、バイアス電流が各出力段トランジスタ
Q1・Q2 の動作点に達しなければ、入力される高周波
信号の増幅動作を行わないようになっている。
【0056】まず、VAPC 端子の電圧が低電位のときを
考えると、トランジスタT1 のベース・エミッタ間およ
び出力段トランジスタQ1 のベース・エミッタ間の電圧
は0であるから、基準クロックCKの電位にかかわらず
トランジスタT1 はオフ状態となり、したがって、出力
段トランジスタQ1 は、バイアス電流が供給されないの
で、増幅動作を行わない。トランジスタT2 と出力段ト
ランジスタQ2 とについても同様で、逆相クロックCK
bの電位にかかわらずトランジスタT2 はオフ状態とな
り、出力段トランジスタQ2 にはバイアス電流が供給さ
れない。
考えると、トランジスタT1 のベース・エミッタ間およ
び出力段トランジスタQ1 のベース・エミッタ間の電圧
は0であるから、基準クロックCKの電位にかかわらず
トランジスタT1 はオフ状態となり、したがって、出力
段トランジスタQ1 は、バイアス電流が供給されないの
で、増幅動作を行わない。トランジスタT2 と出力段ト
ランジスタQ2 とについても同様で、逆相クロックCK
bの電位にかかわらずトランジスタT2 はオフ状態とな
り、出力段トランジスタQ2 にはバイアス電流が供給さ
れない。
【0057】次に、VAPC 端子の電圧が高電位のときを
考えると、VAPC 端子の電圧が、トランジスタT1 のベ
ース・エミッタ間のオン電圧、および出力段トランジス
タQ 1 のベース・エミッタ間のオン電圧の和より大きく
なれば、抵抗R1 を介してトランジスタT1 のベース・
エミッタ間に順方向電流が流れ始める。
考えると、VAPC 端子の電圧が、トランジスタT1 のベ
ース・エミッタ間のオン電圧、および出力段トランジス
タQ 1 のベース・エミッタ間のオン電圧の和より大きく
なれば、抵抗R1 を介してトランジスタT1 のベース・
エミッタ間に順方向電流が流れ始める。
【0058】このとき、基準クロックCKが高電位であ
れば、トランジスタT1 のコレクタ・エミッタ間にベー
ス電流の大きさに比例した電流が流れ、出力段トランジ
スタQ1 にバイアス電流が供給される。そして、このバ
イアス電流が出力段トランジスタQ1 の動作点に達する
と、出力段トランジスタQ1 は増幅動作を開始する。
れば、トランジスタT1 のコレクタ・エミッタ間にベー
ス電流の大きさに比例した電流が流れ、出力段トランジ
スタQ1 にバイアス電流が供給される。そして、このバ
イアス電流が出力段トランジスタQ1 の動作点に達する
と、出力段トランジスタQ1 は増幅動作を開始する。
【0059】一方、基準クロックCKが低電位であれ
ば、トランジスタT1 のコレクタ・エミッタ間の電位差
は0となるから、コレクタ電流は流れない。しかも、ト
ランジスタT1 のベース・コレクタ間(接合)が順バイ
アスとなるから、VAPC 端子から流入した電流は大部分
トランジスタT1 のコレクタへ流れ、出力段トランジス
タQ1 のベース・エミッタ間(接合)にはほとんど電流
が流れない。したがって、出力段トランジスタQ1 には
十分なバイアス電流が供給されず、出力段トランジスタ
Q1 は増幅動作を行わない。
ば、トランジスタT1 のコレクタ・エミッタ間の電位差
は0となるから、コレクタ電流は流れない。しかも、ト
ランジスタT1 のベース・コレクタ間(接合)が順バイ
アスとなるから、VAPC 端子から流入した電流は大部分
トランジスタT1 のコレクタへ流れ、出力段トランジス
タQ1 のベース・エミッタ間(接合)にはほとんど電流
が流れない。したがって、出力段トランジスタQ1 には
十分なバイアス電流が供給されず、出力段トランジスタ
Q1 は増幅動作を行わない。
【0060】トランジスタT2 と出力段トランジスタQ
2 とについても全く同様で、VAPC端子が高電位のと
き、逆相クロックCKbが高電位であれば、トランジス
タT2のエミッタから出力段トランジスタQ2 のベース
へバイアス電流が供給され、出力段トランジスタQ2 は
増幅動作を行う。一方、逆相クロックCKbが低電位で
あれば、VAPC 端子が高電位であっても、出力段トラン
ジスタQ2 に十分なバイアス電流が供給されないので、
出力段トランジスタQ2 は増幅動作を行わない。
2 とについても全く同様で、VAPC端子が高電位のと
き、逆相クロックCKbが高電位であれば、トランジス
タT2のエミッタから出力段トランジスタQ2 のベース
へバイアス電流が供給され、出力段トランジスタQ2 は
増幅動作を行う。一方、逆相クロックCKbが低電位で
あれば、VAPC 端子が高電位であっても、出力段トラン
ジスタQ2 に十分なバイアス電流が供給されないので、
出力段トランジスタQ2 は増幅動作を行わない。
【0061】このように上記構成では、VAPC 端子と、
基準クロックCKまたは逆相クロックCKbとがそれぞ
れ高電位のときのみ、各出力段トランジスタQ1 ・Q2
をそれぞれ増幅動作状態にすることができ、しかも、V
APC 端子の電位レベルによって、バイアス電流の大きさ
を調整し、送信される通信用電波の送信電力の大きさを
制御することが可能となる。
基準クロックCKまたは逆相クロックCKbとがそれぞ
れ高電位のときのみ、各出力段トランジスタQ1 ・Q2
をそれぞれ増幅動作状態にすることができ、しかも、V
APC 端子の電位レベルによって、バイアス電流の大きさ
を調整し、送信される通信用電波の送信電力の大きさを
制御することが可能となる。
【0062】また、上記構成では、基準クロックCKと
逆相クロックCKbとは互いに位相が逆であることか
ら、出力段トランジスタQ1 が動作状態のときは出力段
トランジスタQ2 が非動作状態となり、出力段トランジ
スタQ2 が動作状態のときは出力段トランジスタQ1 が
非動作状態というように、上記各出力段トランジスタQ
1 ・Q2 は、それらの各動作期間が互いに重複しない
で、択一的に動作することになる。
逆相クロックCKbとは互いに位相が逆であることか
ら、出力段トランジスタQ1 が動作状態のときは出力段
トランジスタQ2 が非動作状態となり、出力段トランジ
スタQ2 が動作状態のときは出力段トランジスタQ1 が
非動作状態というように、上記各出力段トランジスタQ
1 ・Q2 は、それらの各動作期間が互いに重複しない
で、択一的に動作することになる。
【0063】一つの適用例として、図4に示すようなフ
レーム周期が5ミリ秒で1フレームが8スロットで構成
されるシステムについて考える。このとき、1スロット
のパルス幅は0.625ミリ秒であり、4スロットを連
続的に送信するものと仮定すれば、VAPC 端子の電圧
は、図3に示すように、4スロット分だけ高電位にな
り、そのパルス幅は2.5ミリ秒となる。また、VAPC
端子からの信号の立ち上がりは、図3に示すように、基
準クロックCKの立ち上がりに同期したタイミングにて
上記VAPC 端子からの信号は出力されるものとする。
レーム周期が5ミリ秒で1フレームが8スロットで構成
されるシステムについて考える。このとき、1スロット
のパルス幅は0.625ミリ秒であり、4スロットを連
続的に送信するものと仮定すれば、VAPC 端子の電圧
は、図3に示すように、4スロット分だけ高電位にな
り、そのパルス幅は2.5ミリ秒となる。また、VAPC
端子からの信号の立ち上がりは、図3に示すように、基
準クロックCKの立ち上がりに同期したタイミングにて
上記VAPC 端子からの信号は出力されるものとする。
【0064】基準クロックCKは、そのパルス幅が1ス
ロット分、すなわち0.625ミリ秒であり、デューテ
ィー比が1/2である。また、逆相クロックCKbは、
基準クロックCKを論理反転したものであって、パルス
幅やデューティー比については基準クロックCKと全く
同じである。
ロット分、すなわち0.625ミリ秒であり、デューテ
ィー比が1/2である。また、逆相クロックCKbは、
基準クロックCKを論理反転したものであって、パルス
幅やデューティー比については基準クロックCKと全く
同じである。
【0065】このときの各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 の動作を考えると以下の通りである。まず、第1スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、基準クロックCKの電
位が高電位であるから、出力段トランジスタQ1 が動
作、出力段トランジスタQ2 が非動作となる。第2スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、逆相クロックCKbの
電位が高電位であるから、出力段トランジスタQ2 が動
作、出力段トランジスタQ1 が非動作となる。第3スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、基準クロックCKの電
位が高電位であるから、出力段トランジスタQ1 が動
作、出力段トランジスタQ2 が非動作となる。第4スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、逆相クロックCKbの
電位が高電位であるから、出力段トランジスタQ2 が動
作、出力段トランジスタQ1 が非動作となる。第5スロ
ットから第8スロットまではVAPC 端子の電位が低電位
であるから、基準クロックCKまたは逆相クロックCK
bの電位にかかわらず、各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 はそれぞれ非動作となる。このようにしてVAPC 端子
の電位が高電位の期間中、各出力段トランジスタQ1 ・
Q2 は1スロットずつ、交互に、動作/非動作を繰り返
す。
2 の動作を考えると以下の通りである。まず、第1スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、基準クロックCKの電
位が高電位であるから、出力段トランジスタQ1 が動
作、出力段トランジスタQ2 が非動作となる。第2スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、逆相クロックCKbの
電位が高電位であるから、出力段トランジスタQ2 が動
作、出力段トランジスタQ1 が非動作となる。第3スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、基準クロックCKの電
位が高電位であるから、出力段トランジスタQ1 が動
作、出力段トランジスタQ2 が非動作となる。第4スロ
ットでは、VAPC 端子の電位と、逆相クロックCKbの
電位が高電位であるから、出力段トランジスタQ2 が動
作、出力段トランジスタQ1 が非動作となる。第5スロ
ットから第8スロットまではVAPC 端子の電位が低電位
であるから、基準クロックCKまたは逆相クロックCK
bの電位にかかわらず、各出力段トランジスタQ1 ・Q
2 はそれぞれ非動作となる。このようにしてVAPC 端子
の電位が高電位の期間中、各出力段トランジスタQ1 ・
Q2 は1スロットずつ、交互に、動作/非動作を繰り返
す。
【0066】図5はフレーム周期が5ミリ秒で1フレー
ムが8スロットで構成されるシステムについて、雰囲気
温度が25℃、消費電力が5Wのとき接合温度Tjのス
ロット数依存性を測定した結果を示すグラフである。こ
の結果は連続的に出力されるスロット数が多くなるほど
接合温度Tjが高くなることを示している。
ムが8スロットで構成されるシステムについて、雰囲気
温度が25℃、消費電力が5Wのとき接合温度Tjのス
ロット数依存性を測定した結果を示すグラフである。こ
の結果は連続的に出力されるスロット数が多くなるほど
接合温度Tjが高くなることを示している。
【0067】従来の構成および方法では、図12に示す
ように、1個の出力段増幅器51が4スロット連続して
動作するので、上記出力段増幅器51の出力段トランジ
スタの接合温度Tjは、図5に示す結果によれば、約2
30℃まで上昇し、上記出力段増幅器51を有する通信
用のデバイスの信頼性を保証することが非常に困難にな
る。
ように、1個の出力段増幅器51が4スロット連続して
動作するので、上記出力段増幅器51の出力段トランジ
スタの接合温度Tjは、図5に示す結果によれば、約2
30℃まで上昇し、上記出力段増幅器51を有する通信
用のデバイスの信頼性を保証することが非常に困難にな
る。
【0068】一方、本第一の実施の形態では、高周波電
力増幅器における、2個の各出力段トランジスタQ1 ・
Q2 が1スロットずつ交互動作を行うため、トランジス
タ1個当たりの実質的な動作時間が半分になり、上記高
周波電力増幅器を有するデバイス(通信装置)全体の寿
命をさらに延ばすことが可能となる。
力増幅器における、2個の各出力段トランジスタQ1 ・
Q2 が1スロットずつ交互動作を行うため、トランジス
タ1個当たりの実質的な動作時間が半分になり、上記高
周波電力増幅器を有するデバイス(通信装置)全体の寿
命をさらに延ばすことが可能となる。
【0069】すなわち、上記構成では、上記のように各
出力段トランジスタQ1 ・Q2 を交互動作させれば、そ
れぞれのトランジスタは単位スロットの時間だけしか連
続動作しないから、接合温度Tjの上昇を単位スロット
(1スロット)分相当の温度上昇に抑制することができ
る。
出力段トランジスタQ1 ・Q2 を交互動作させれば、そ
れぞれのトランジスタは単位スロットの時間だけしか連
続動作しないから、接合温度Tjの上昇を単位スロット
(1スロット)分相当の温度上昇に抑制することができ
る。
【0070】例えば1フレームが8スロットで構成され
るシステムの場合、4スロット連続動作させるとデュー
ティー比4/8すなわち50%であるから接合温度Tが
図6の第一曲線のB点まで上昇するとすれば、1スロッ
トずつ、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 を交互動作さ
せたときの接合温度Tは、交互に動作させる効果により
温度上昇が抑えられ、デューティー比1/8に相当、す
なわち12.5%に相当するA点までしか上昇しない。
るシステムの場合、4スロット連続動作させるとデュー
ティー比4/8すなわち50%であるから接合温度Tが
図6の第一曲線のB点まで上昇するとすれば、1スロッ
トずつ、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 を交互動作さ
せたときの接合温度Tは、交互に動作させる効果により
温度上昇が抑えられ、デューティー比1/8に相当、す
なわち12.5%に相当するA点までしか上昇しない。
【0071】したがって、上記構成では、並列に接続さ
れた2個の各出力段トランジスタQ 1 ・Q2 を単位スロ
ットずつ交互に動作させることによって、接合温度Tj
の上昇を単位スロット毎の動作時相当に抑えることがで
きて、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 の構造やパッケ
ージ構造を改良すること無しに多スロット連続動作時で
も信頼性の高い、無線通信用のデバイスを供給すること
が可能となる。
れた2個の各出力段トランジスタQ 1 ・Q2 を単位スロ
ットずつ交互に動作させることによって、接合温度Tj
の上昇を単位スロット毎の動作時相当に抑えることがで
きて、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 の構造やパッケ
ージ構造を改良すること無しに多スロット連続動作時で
も信頼性の高い、無線通信用のデバイスを供給すること
が可能となる。
【0072】本第一の実施の形態では、GaAs基板状
に形成されるHBTを応用した回路について示したが、
もちろんMESFET(Metal-Semiconductor FET)ある
いはSi基板状に形成されるバイポーラトランジスタや
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor FET)、また
はそれらの混成であっても同様の動作をさせることが可
能であるのは言うまでもない。
に形成されるHBTを応用した回路について示したが、
もちろんMESFET(Metal-Semiconductor FET)ある
いはSi基板状に形成されるバイポーラトランジスタや
MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor FET)、また
はそれらの混成であっても同様の動作をさせることが可
能であるのは言うまでもない。
【0073】また、本第一の実施の形態では、各出力段
トランジスタQ1 ・Q2 のバイアス電流を制御すること
により、それらの動作状態を制御する回路を用いたが、
VAP C 端子と基準クロックCKあるいは逆相クロックC
Kbが共に高電位のときのみ各出力段トランジスタQ1
・Q2 の一方のみを動作状態にすることができれば、何
れの回路であっても構わない。また、1フレームを構成
するスロット数や連続的に送信されるスロット数が幾つ
であっても同様に本発明を適用できることは明白であ
る。
トランジスタQ1 ・Q2 のバイアス電流を制御すること
により、それらの動作状態を制御する回路を用いたが、
VAP C 端子と基準クロックCKあるいは逆相クロックC
Kbが共に高電位のときのみ各出力段トランジスタQ1
・Q2 の一方のみを動作状態にすることができれば、何
れの回路であっても構わない。また、1フレームを構成
するスロット数や連続的に送信されるスロット数が幾つ
であっても同様に本発明を適用できることは明白であ
る。
【0074】〔第二の実施の形態〕次に、本発明に係る
他の高周波電力増幅器を第二の実施の形態として図2お
よび図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。ま
ず、本第二の実施の形態では、高周波電力増幅器の回路
構成については、図2に示した第一の実施の形態と全く
同一であり、VAPC 端子の電位の変動タイミングと、基
準クロックCKおよび逆相クロックCKbとのタイミン
グだけが図7に示すように異なる。
他の高周波電力増幅器を第二の実施の形態として図2お
よび図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。ま
ず、本第二の実施の形態では、高周波電力増幅器の回路
構成については、図2に示した第一の実施の形態と全く
同一であり、VAPC 端子の電位の変動タイミングと、基
準クロックCKおよび逆相クロックCKbとのタイミン
グだけが図7に示すように異なる。
【0075】基準クロックCKのパルス幅は、1スロッ
トの整数分の1であることが好ましいが、本第二の実施
の形態では、例えば1スロットの1/2であるとする。
また、基準クロックCKのデューティー比は、例えば1
/2である。逆相クロックCKbは、基準クロックCK
を論理反転したものであって、基準クロックCKと同じ
パルス幅、およびデューティー比を有し、互いに重複し
ないものとする。また、VAPC 端子の電位変動(立ち上
がり)は、基準クロックCKの立ち上がりに同期して出
力されるものとする。本第二の実施の形態では、VAPC
端子の電位は1スロットの期間だけ高電位になるものと
仮定する。
トの整数分の1であることが好ましいが、本第二の実施
の形態では、例えば1スロットの1/2であるとする。
また、基準クロックCKのデューティー比は、例えば1
/2である。逆相クロックCKbは、基準クロックCK
を論理反転したものであって、基準クロックCKと同じ
パルス幅、およびデューティー比を有し、互いに重複し
ないものとする。また、VAPC 端子の電位変動(立ち上
がり)は、基準クロックCKの立ち上がりに同期して出
力されるものとする。本第二の実施の形態では、VAPC
端子の電位は1スロットの期間だけ高電位になるものと
仮定する。
【0076】本第二の実施の形態では、前記第一の実施
の形態と同様に、VAPC 端子と基準クロックCKまたは
逆相クロックCKbが共に高電位のときのみ各出力段ト
ランジスタQ1 ・Q2 の一方が動作状態となるから、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 は1/2スロットの期間
ずつ交互動作を行うことになる。
の形態と同様に、VAPC 端子と基準クロックCKまたは
逆相クロックCKbが共に高電位のときのみ各出力段ト
ランジスタQ1 ・Q2 の一方が動作状態となるから、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 は1/2スロットの期間
ずつ交互動作を行うことになる。
【0077】図5に示す接合温度とスロット数の関係に
よると、1スロット連続動作のときの接合温度Tjは約
125℃まで上昇するが、本第二の実施の形態では、1
/2スロットずつ交互動作を行うので、接合温度Tjは
1/2スロットに相当する約100℃までしか上昇しな
い。この方式によれば、接合温度Tjをさらに低くする
ことができるので、消費電力PD がさらに大きく、また
は、雰囲気温度Taが高く、1スロット連続動作でも接
合温度Tjが信頼性限界を超えてしまうような場合に、
特に有効である。
よると、1スロット連続動作のときの接合温度Tjは約
125℃まで上昇するが、本第二の実施の形態では、1
/2スロットずつ交互動作を行うので、接合温度Tjは
1/2スロットに相当する約100℃までしか上昇しな
い。この方式によれば、接合温度Tjをさらに低くする
ことができるので、消費電力PD がさらに大きく、また
は、雰囲気温度Taが高く、1スロット連続動作でも接
合温度Tjが信頼性限界を超えてしまうような場合に、
特に有効である。
【0078】〔第三の実施の形態〕本発明に係るさらに
他の高周波電力増幅器を、第三の実施の形態として、図
8および図9に基づいて以下に説明する。まず、本第三
の実施の形態は、前記の第一の実施の形態をさらに一般
化したものであり、3個以上の、互いに並列に接続され
た各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・・QN (Nは自然
数)を有していることを特徴としている。
他の高周波電力増幅器を、第三の実施の形態として、図
8および図9に基づいて以下に説明する。まず、本第三
の実施の形態は、前記の第一の実施の形態をさらに一般
化したものであり、3個以上の、互いに並列に接続され
た各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・・QN (Nは自然
数)を有していることを特徴としている。
【0079】本第三の実施の形態では、図8に示すよう
に、互いに並列に接続される各出力段トランジスタQ1
・Q2 ・・QN の数は、例えば、4の場合について説明
する(Nが4の例)。また、1フレームが8スロットで
構成され、4スロットを連続的に送信するものと仮定す
る。もちろん、連続送信するスロット数は特に限定され
るものではなく、幾つであってもよい。
に、互いに並列に接続される各出力段トランジスタQ1
・Q2 ・・QN の数は、例えば、4の場合について説明
する(Nが4の例)。また、1フレームが8スロットで
構成され、4スロットを連続的に送信するものと仮定す
る。もちろん、連続送信するスロット数は特に限定され
るものではなく、幾つであってもよい。
【0080】図8に示すように、好ましくは同一の構造
を有する各出力段トランジスタQ1・Q2 ・Q3 ・Q4
が互いに並列に接続され、それぞれのベースにバイアス
電流を供給する、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・・
QN の数に応じた、例えば4に対応した、各トランジス
タT1 ・T2 ・T3 ・T4 のエミッタが接続されてい
る。
を有する各出力段トランジスタQ1・Q2 ・Q3 ・Q4
が互いに並列に接続され、それぞれのベースにバイアス
電流を供給する、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・・
QN の数に応じた、例えば4に対応した、各トランジス
タT1 ・T2 ・T3 ・T4 のエミッタが接続されてい
る。
【0081】また、ドライバ段からの高周波信号は直流
成分を遮断するための各キャパシタC11・C12・C13・
C14を介してそれぞれ各出力段トランジスタQ1 ・Q2
・Q 3 ・Q4 のベースに供給される。
成分を遮断するための各キャパシタC11・C12・C13・
C14を介してそれぞれ各出力段トランジスタQ1 ・Q2
・Q 3 ・Q4 のベースに供給される。
【0082】また、各トランジスタT1 ・T2 ・T3 ・
T4 のベースには、抵抗R1 を介して送信電力を制御す
る制御電圧VAPC が接続されている。一方、各トランジ
スタT1 ・T2 ・T3 ・T4 のコレクタには、それぞ
れ、各出力段トランジスタQ1・Q2 ・・QN の数に応
じた、例えば4に対応した、各クロックCK1 ・CK2
・CK3 ・CK4 (第5制御信号)が接続されている。
各クロックCK1 ・CK 2 ・CK3 ・CK4 は、前記第
一の実施の形態に示した、基準クロックCKおよび逆相
クロックCKbと同様のものであり、前述の図1および
図2に示した制御部3と同様の機能を有する制御部13
により生成されて出力されている。
T4 のベースには、抵抗R1 を介して送信電力を制御す
る制御電圧VAPC が接続されている。一方、各トランジ
スタT1 ・T2 ・T3 ・T4 のコレクタには、それぞ
れ、各出力段トランジスタQ1・Q2 ・・QN の数に応
じた、例えば4に対応した、各クロックCK1 ・CK2
・CK3 ・CK4 (第5制御信号)が接続されている。
各クロックCK1 ・CK 2 ・CK3 ・CK4 は、前記第
一の実施の形態に示した、基準クロックCKおよび逆相
クロックCKbと同様のものであり、前述の図1および
図2に示した制御部3と同様の機能を有する制御部13
により生成されて出力されている。
【0083】インダクタL1 とキャパシタC3 は外部に
接続された出力整合回路の一部であって、各出力段トラ
ンジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 に電源を供給すると共
に高周波電力をRFOUT 端子から取り出すためのもので
ある。
接続された出力整合回路の一部であって、各出力段トラ
ンジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 に電源を供給すると共
に高周波電力をRFOUT 端子から取り出すためのもので
ある。
【0084】図9に示すように、クロックCK1 は単位
スロットと同じパルス幅を有し、デューティー比は1/
4であるとする。また、各クロックCK2 ・CK3 ・C
K4はクロックCK1 とパルス幅、およびデューティー
比が全く同じで、それぞれ1スロットの期間ずつ遅れて
出力されるものとする。また、VAPC 端子からの信号
は、クロックCK1 の立ち上がりに同期して出力され、
例えば4スロットの期間だけ高電位になるものとする。
スロットと同じパルス幅を有し、デューティー比は1/
4であるとする。また、各クロックCK2 ・CK3 ・C
K4はクロックCK1 とパルス幅、およびデューティー
比が全く同じで、それぞれ1スロットの期間ずつ遅れて
出力されるものとする。また、VAPC 端子からの信号
は、クロックCK1 の立ち上がりに同期して出力され、
例えば4スロットの期間だけ高電位になるものとする。
【0085】前述の第一の実施の形態と同様に、VAPC
端子の制御電圧と、各クロックCK 1 ・CK2 ・CK3
・CK4 とが共に高電位のときのみ、各出力段トランジ
スタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 が動作状態となるから、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 ・Q3 ・Q4 は1スロッ
トずつ順次に、互いに動作時が重複しないように動作す
ることになる。
端子の制御電圧と、各クロックCK 1 ・CK2 ・CK3
・CK4 とが共に高電位のときのみ、各出力段トランジ
スタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 が動作状態となるから、各
出力段トランジスタQ1 ・Q 2 ・Q3 ・Q4 は1スロッ
トずつ順次に、互いに動作時が重複しないように動作す
ることになる。
【0086】第1スロットでは、VAPC 端子の電圧と、
クロックCK1 とが共に高電位であるから、出力段トラ
ンジスタQ1 は動作、各出力段トランジスタQ2 ・Q3
・Q 4 は非動作となる。第2スロットでは、VAPC 端子
の電圧と、クロックCK2 とが共に高電位であるから、
出力段トランジスタQ2 は動作、各出力段トランジスタ
Q1 ・Q3 ・Q4 は非動作となる。第3スロットでは、
VAPC 端子の電圧と、クロックCK3 とが共に高電位で
あるから、出力段トランジスタQ3 は動作、各出力段ト
ランジスタQ1 ・Q2 ・Q4 は非動作となる。第4スロ
ットでは、VAP C 端子の電圧と、クロックCK4 とが共
に高電位であるから、出力段トランジスタQ4 は動作、
各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 は非動作とな
る。また、第5スロットから第8スロットまでは、V
APC 端子が低電位であるから、各出力段トランジスタQ
1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 は非動作状態となる。
クロックCK1 とが共に高電位であるから、出力段トラ
ンジスタQ1 は動作、各出力段トランジスタQ2 ・Q3
・Q 4 は非動作となる。第2スロットでは、VAPC 端子
の電圧と、クロックCK2 とが共に高電位であるから、
出力段トランジスタQ2 は動作、各出力段トランジスタ
Q1 ・Q3 ・Q4 は非動作となる。第3スロットでは、
VAPC 端子の電圧と、クロックCK3 とが共に高電位で
あるから、出力段トランジスタQ3 は動作、各出力段ト
ランジスタQ1 ・Q2 ・Q4 は非動作となる。第4スロ
ットでは、VAP C 端子の電圧と、クロックCK4 とが共
に高電位であるから、出力段トランジスタQ4 は動作、
各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 は非動作とな
る。また、第5スロットから第8スロットまでは、V
APC 端子が低電位であるから、各出力段トランジスタQ
1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 は非動作状態となる。
【0087】以上のようにして、本第三の実施の形態に
係る高周波電力増幅器では、各出力段トランジスタQ1
・Q2 ・Q3 ・Q4 が1スロットずつ順次動作を行うた
め、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 の接
合温度は、1スロット分相当しか上昇しない。
係る高周波電力増幅器では、各出力段トランジスタQ1
・Q2 ・Q3 ・Q4 が1スロットずつ順次動作を行うた
め、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 の接
合温度は、1スロット分相当しか上昇しない。
【0088】上記高周波電力増幅器においては、接合温
度を低くできる効果は、前述の第一の実施の形態と同様
であるが、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q
4 におけるトランジスタ1個当たりの動作時間は、フレ
ーム周期に対し、1/8になるから各出力段トランジス
タQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 の寿命をさらに延ばすことが
でき、ひいては、上記高周波電力増幅器を用いたデバイ
ス全体の信頼性を高めることが可能となる。
度を低くできる効果は、前述の第一の実施の形態と同様
であるが、各出力段トランジスタQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q
4 におけるトランジスタ1個当たりの動作時間は、フレ
ーム周期に対し、1/8になるから各出力段トランジス
タQ1 ・Q2 ・Q3 ・Q4 の寿命をさらに延ばすことが
でき、ひいては、上記高周波電力増幅器を用いたデバイ
ス全体の信頼性を高めることが可能となる。
【0089】〔第四の実施の形態〕本発明に係るさらに
他の高周波電力増幅器を、第四の実施の形態として、図
10に基づいて説明すれば以下の通りである。本第四の
実施の形態は、前述の第一および第二の実施の各形態に
示した回路に対し、図10に示すように、さらに、イン
バータ4を有していることを特徴としている。
他の高周波電力増幅器を、第四の実施の形態として、図
10に基づいて説明すれば以下の通りである。本第四の
実施の形態は、前述の第一および第二の実施の各形態に
示した回路に対し、図10に示すように、さらに、イン
バータ4を有していることを特徴としている。
【0090】上記インバータ4は、外部から入力された
基準クロックCK0 に対して、逆位相の逆相クロックC
Kbを生成するためのものである。上記インバータ4で
は、図10に示すように、バイポーラトランジスタから
なるトランジスタQ21と各抵抗R21・R22とによる第1
のインバータ4aと、バイポーラトランジスタからなる
トランジスタQ22と各抵抗R23・R24とによる第2のイ
ンバータ4bとを有している。
基準クロックCK0 に対して、逆位相の逆相クロックC
Kbを生成するためのものである。上記インバータ4で
は、図10に示すように、バイポーラトランジスタから
なるトランジスタQ21と各抵抗R21・R22とによる第1
のインバータ4aと、バイポーラトランジスタからなる
トランジスタQ22と各抵抗R23・R24とによる第2のイ
ンバータ4bとを有している。
【0091】第1のインバータ4aでは、基準クロック
CK0 が高電位のときは、抵抗R21を介してトランジス
タQ21のベース・エミッタ間に順方向電流が流れ、上記
トランジスタQ21はオン状態となる。このとき、抵抗R
22がトランジスタQ21のオン抵抗に対して十分に大きけ
れば、トランジスタQ21のコレクタはほぼ接地電位とな
る。一方、基準クロックCK0 が低電位のときはトラン
ジスタQ21はオフ状態となり、抵抗R22を介してトラン
ジスタQ21のコレクタは電源電位となる。
CK0 が高電位のときは、抵抗R21を介してトランジス
タQ21のベース・エミッタ間に順方向電流が流れ、上記
トランジスタQ21はオン状態となる。このとき、抵抗R
22がトランジスタQ21のオン抵抗に対して十分に大きけ
れば、トランジスタQ21のコレクタはほぼ接地電位とな
る。一方、基準クロックCK0 が低電位のときはトラン
ジスタQ21はオフ状態となり、抵抗R22を介してトラン
ジスタQ21のコレクタは電源電位となる。
【0092】したがって、基準クロックCK0 の論理を
反転した逆相クロックCKbがトランジスタQ21のコレ
クタから出力されると共に、第2のインバータ4bの入
力となる。同様にして、第2のインバータ4bに入力さ
れた逆相クロックCKbは、さらに論理反転されトラン
ジスタQ22のコレクタから基準クロックCK0 と同様な
基準クロックCKとして出力される。このようにして生
成した基準クロックCKと逆相クロックCKbとが、前
述の第一および第2の実施の各形態に記載の各回路図に
おいて、それぞれ、基準クロックCKおよび逆相クロッ
クCKbとして入力される。
反転した逆相クロックCKbがトランジスタQ21のコレ
クタから出力されると共に、第2のインバータ4bの入
力となる。同様にして、第2のインバータ4bに入力さ
れた逆相クロックCKbは、さらに論理反転されトラン
ジスタQ22のコレクタから基準クロックCK0 と同様な
基準クロックCKとして出力される。このようにして生
成した基準クロックCKと逆相クロックCKbとが、前
述の第一および第2の実施の各形態に記載の各回路図に
おいて、それぞれ、基準クロックCKおよび逆相クロッ
クCKbとして入力される。
【0093】この方法により、外部から入力されるクロ
ック信号を基準クロックCK0 または逆相クロックCK
bの何れか一方のみにでき、使用を容易化できると共
に、用いるデバイスの入力ピン数を減らすことが可能と
なる。このインバータ4により、内部の基準クロックC
Kおよび逆相クロックCKbは、高電位(ハイレベル)
を電源電位(VCC)レベルに、かつ一定に設定できる。
ック信号を基準クロックCK0 または逆相クロックCK
bの何れか一方のみにでき、使用を容易化できると共
に、用いるデバイスの入力ピン数を減らすことが可能と
なる。このインバータ4により、内部の基準クロックC
Kおよび逆相クロックCKbは、高電位(ハイレベル)
を電源電位(VCC)レベルに、かつ一定に設定できる。
【0094】したがって、上記方法においては、入力さ
れる基準クロックCK0 の高電位は、トランジスタQ21
がオンできるレベル以上であればよいことから、基準ク
ロックCK0 のレベル変動を吸収、つまりレベル変動の
許容範囲を大きくできる。
れる基準クロックCK0 の高電位は、トランジスタQ21
がオンできるレベル以上であればよいことから、基準ク
ロックCK0 のレベル変動を吸収、つまりレベル変動の
許容範囲を大きくできる。
【0095】なお、本第四の実施の形態では、バイポー
ラトランジスタにより構成されるインバータ4を用いた
が、FETでも同様のインバータ4を構成できることは
言うまでもない。
ラトランジスタにより構成されるインバータ4を用いた
が、FETでも同様のインバータ4を構成できることは
言うまでもない。
【0096】また、上記の第一ないし第四の実施の各形
態では、説明し易い形態として、スロット幅に合致し
た、あるいは整数倍周波数の基準クロックCKを用いた
例を挙げたが、特に上記に限定されるものではなく、例
えば、基準クロックCKおよび逆相クロックCKbの高
電位期間をスロット幅より短くし(この場合、基準クロ
ックCKおよび逆相クロックCKbの低電位期間をスロ
ット幅より長くする)、制御電圧VAPC が各出力段トラ
ンジスタQ1 ・Q2 をオンさせる電圧であっても、各出
力段トランジスタQ1 ・Q2 の間にて、共に動作しない
非動作期間を有するように設定してもよい。
態では、説明し易い形態として、スロット幅に合致し
た、あるいは整数倍周波数の基準クロックCKを用いた
例を挙げたが、特に上記に限定されるものではなく、例
えば、基準クロックCKおよび逆相クロックCKbの高
電位期間をスロット幅より短くし(この場合、基準クロ
ックCKおよび逆相クロックCKbの低電位期間をスロ
ット幅より長くする)、制御電圧VAPC が各出力段トラ
ンジスタQ1 ・Q2 をオンさせる電圧であっても、各出
力段トランジスタQ1 ・Q2 の間にて、共に動作しない
非動作期間を有するように設定してもよい。
【0097】また、上記の第一ないし第四の実施の各形
態では、複数個の各出力段トランジスタQ1 ・・QN を
時分割に動作させるとき、互いに等しい割合にて動作す
るように設定した例を挙げたが、その例に限定されるこ
とはなく、例えば、各出力段トランジスタQ1 ・・QN
の配置や雰囲気温度Taの違いにより、各出力段トラン
ジスタQ1 ・・QN における各接合温度Tjの上昇が相
違する場合、互いに異なる割合にて動作するように設定
してもよい。このような相違する割合は、それらの配置
により予測される温度上昇の相違や、各出力段トランジ
スタQ1 ・・Q N での温度を温度センサにて実測した結
果を考慮して、設定すればよい。
態では、複数個の各出力段トランジスタQ1 ・・QN を
時分割に動作させるとき、互いに等しい割合にて動作す
るように設定した例を挙げたが、その例に限定されるこ
とはなく、例えば、各出力段トランジスタQ1 ・・QN
の配置や雰囲気温度Taの違いにより、各出力段トラン
ジスタQ1 ・・QN における各接合温度Tjの上昇が相
違する場合、互いに異なる割合にて動作するように設定
してもよい。このような相違する割合は、それらの配置
により予測される温度上昇の相違や、各出力段トランジ
スタQ1 ・・Q N での温度を温度センサにて実測した結
果を考慮して、設定すればよい。
【0098】本発明は、最も電力消費が大きい、すなわ
ち発熱の大きい複数個の各出力段トランジスタQ1 ・・
QN を時分割に動作させることで、各出力段トランジス
タQ 1 ・・QN の接合部での発熱上昇を抑制できるもの
であり、他の変形や応用例への展開も、もちろん可能で
ある。また、基準クロックCKおよび逆相クロックCK
bと制御電圧VAPC いった複数の各制御信号により、各
出力段トランジスタQ 1 ・・QN の動作/非動作を制御
するため、電流値および動作時間や動作タイミングそれ
ぞれの設定の自由度を増加させることができる。
ち発熱の大きい複数個の各出力段トランジスタQ1 ・・
QN を時分割に動作させることで、各出力段トランジス
タQ 1 ・・QN の接合部での発熱上昇を抑制できるもの
であり、他の変形や応用例への展開も、もちろん可能で
ある。また、基準クロックCKおよび逆相クロックCK
bと制御電圧VAPC いった複数の各制御信号により、各
出力段トランジスタQ 1 ・・QN の動作/非動作を制御
するため、電流値および動作時間や動作タイミングそれ
ぞれの設定の自由度を増加させることができる。
【0099】また、上記各制御信号の内の一つから、他
の制御信号を、例えば反転により生成することにより、
各制御信号の発生回路を簡素化できる。さらに、本発明
による高周波電力増幅器は、発熱が抑制されるため、複
数個の上記高周波電力増幅器を1チップ化したり、ある
いは例えば、信号の減衰器等を内蔵可能となり高集積
化、高機能化が実現できる。
の制御信号を、例えば反転により生成することにより、
各制御信号の発生回路を簡素化できる。さらに、本発明
による高周波電力増幅器は、発熱が抑制されるため、複
数個の上記高周波電力増幅器を1チップ化したり、ある
いは例えば、信号の減衰器等を内蔵可能となり高集積
化、高機能化が実現できる。
【0100】一方、本発明では、結合部の発熱が抑制さ
れることで、高信頼化が実現できると共に、さらなる高
温の雰囲気温度でも使用可能となり、使用温度範囲を拡
大することができる。
れることで、高信頼化が実現できると共に、さらなる高
温の雰囲気温度でも使用可能となり、使用温度範囲を拡
大することができる。
【0101】この結果、本発明は、小型化や使用温度範
囲を広く設定できることが要求される、携帯電話などの
携帯用の無線通信用デバイス(通信装置)の出力段に対
し、好適に用いることができる。
囲を広く設定できることが要求される、携帯電話などの
携帯用の無線通信用デバイス(通信装置)の出力段に対
し、好適に用いることができる。
【0102】本発明の高周波電力増幅方法では、図1に
示すように、並列に互いに接続された2個以上の、例え
ば2個の出力段増幅部1・2をそれぞれ交互にバースト
動作させることを特徴としている。
示すように、並列に互いに接続された2個以上の、例え
ば2個の出力段増幅部1・2をそれぞれ交互にバースト
動作させることを特徴としている。
【0103】すなわち、上記方法においては、2個の出
力段増幅部1・2が互いに並列に接続され、それぞれに
ドライバ段からの高周波信号が供給される。出力段増幅
部1には、送信電力を制御する制御電圧VAPC と基準ク
ロックCKとが入力される。出力段増幅部2には送信電
力を制御する制御電圧VAPC と基準クロックCKの逆位
相である逆相クロックCKbが入力される。
力段増幅部1・2が互いに並列に接続され、それぞれに
ドライバ段からの高周波信号が供給される。出力段増幅
部1には、送信電力を制御する制御電圧VAPC と基準ク
ロックCKとが入力される。出力段増幅部2には送信電
力を制御する制御電圧VAPC と基準クロックCKの逆位
相である逆相クロックCKbが入力される。
【0104】ここで、制御電圧VAPC は図3に示すよう
に、通信規格で定められた単位スロットの整数倍だけ高
電位になるものである。一方、基準クロックCKは、そ
の周期が単位スロットの2倍に等しく、パルス幅が単位
スロットに等しい、すなわち、デューティー比が1/2
であるものとする。また、基準クロックCKの低電位は
接地電位に等しく、高電位は電源電位に等しいものとす
る。さらに、逆相クロックCKbは基準クロックCKを
論理反転した逆位相クロックであり、基準クロックCK
と同じ周期と同じデューティー比とを有し、高電位同
士、および低電位同士が互いに重複しないものとする。
に、通信規格で定められた単位スロットの整数倍だけ高
電位になるものである。一方、基準クロックCKは、そ
の周期が単位スロットの2倍に等しく、パルス幅が単位
スロットに等しい、すなわち、デューティー比が1/2
であるものとする。また、基準クロックCKの低電位は
接地電位に等しく、高電位は電源電位に等しいものとす
る。さらに、逆相クロックCKbは基準クロックCKを
論理反転した逆位相クロックであり、基準クロックCK
と同じ周期と同じデューティー比とを有し、高電位同
士、および低電位同士が互いに重複しないものとする。
【0105】上記のような制御電圧VAPC 、基準クロッ
クCKおよび逆相クロックCKbを信号としてそれぞれ
各出力段増幅部1・2に入力し、出力段増幅部1・2の
内部で制御電圧VAPC と基準クロックCKあるいは制御
電圧VAPC と逆相クロックCKbとの論理積をとること
により、各出力段増幅部1・2を単位スロットずつ交互
に動作させることが可能になる。
クCKおよび逆相クロックCKbを信号としてそれぞれ
各出力段増幅部1・2に入力し、出力段増幅部1・2の
内部で制御電圧VAPC と基準クロックCKあるいは制御
電圧VAPC と逆相クロックCKbとの論理積をとること
により、各出力段増幅部1・2を単位スロットずつ交互
に動作させることが可能になる。
【0106】すなわち、制御電圧VAPC が高電位でかつ
基準クロックCKが高電位のときは出力段増幅部1が動
作、出力段増幅部2が非動作となり、制御電圧VAPC が
高電位でかつ逆相クロックCKbが高電位のときは出力
段増幅部2が動作、出力段増幅部1が非動作となる。ま
た、制御電圧VAPC が低電位のときは各出力段増幅部1
・2は何れも非動作となる。
基準クロックCKが高電位のときは出力段増幅部1が動
作、出力段増幅部2が非動作となり、制御電圧VAPC が
高電位でかつ逆相クロックCKbが高電位のときは出力
段増幅部2が動作、出力段増幅部1が非動作となる。ま
た、制御電圧VAPC が低電位のときは各出力段増幅部1
・2は何れも非動作となる。
【0107】このように各出力段増幅部1・2を交互動
作させれば、それぞれの出力段トランジスタは単位スロ
ットの時間だけしか連続動作しないから、出力段トラン
ジスタの接合温度Tjの上昇を単位スロット分抑制する
ことができる。例えば1フレームが8スロットで構成さ
れるシステムの場合、4スロット連続動作させるとデュ
ーティー比4/8すなわち50%であるから接合温度T
jが図6の第一曲線のB点まで上昇するとすれば、1ス
ロットずつ、各出力段増幅部1・2を交互動作させたと
きの接合温度Tjは、交互に動作させる効果により温度
上昇が抑えられ、デューティー比1/8に相当、すなわ
ち12.5%のA点に相当する温度までしか上昇しな
い。
作させれば、それぞれの出力段トランジスタは単位スロ
ットの時間だけしか連続動作しないから、出力段トラン
ジスタの接合温度Tjの上昇を単位スロット分抑制する
ことができる。例えば1フレームが8スロットで構成さ
れるシステムの場合、4スロット連続動作させるとデュ
ーティー比4/8すなわち50%であるから接合温度T
jが図6の第一曲線のB点まで上昇するとすれば、1ス
ロットずつ、各出力段増幅部1・2を交互動作させたと
きの接合温度Tjは、交互に動作させる効果により温度
上昇が抑えられ、デューティー比1/8に相当、すなわ
ち12.5%のA点に相当する温度までしか上昇しな
い。
【0108】したがって、上記方法では、並列に接続さ
れた2個の出力段トランジスタを有する出力段増幅部1
・2を単位スロットずつ交互に動作させることによっ
て、接合温度Tjの上昇を単位スロット部相当に抑える
ことができて、デバイス構造やパッケージ構造を改良す
ること無しに多スロット連続動作時でも信頼性の高い、
無線通信用のデバイスを供給することが可能となる。
れた2個の出力段トランジスタを有する出力段増幅部1
・2を単位スロットずつ交互に動作させることによっ
て、接合温度Tjの上昇を単位スロット部相当に抑える
ことができて、デバイス構造やパッケージ構造を改良す
ること無しに多スロット連続動作時でも信頼性の高い、
無線通信用のデバイスを供給することが可能となる。
【0109】本発明の第2の方法は、図7に示すよう
に、上記基準クロックCKと逆相クロックCKbのパル
ス幅を単位スロットの整数分の1とし、それらのデュー
ティー比を1/2とすることを特徴としている。
に、上記基準クロックCKと逆相クロックCKbのパル
ス幅を単位スロットの整数分の1とし、それらのデュー
ティー比を1/2とすることを特徴としている。
【0110】上記方法によれば、同様に、出力段増幅部
1・2の内部で、制御電圧VAPC と基準クロックCKお
よび逆相クロックCKbとの論理積をとって動作状態を
決定することにより、単位スロットよりさらに短い時間
で各出力段増幅部1・2を交互動作させることが可能と
なる。
1・2の内部で、制御電圧VAPC と基準クロックCKお
よび逆相クロックCKbとの論理積をとって動作状態を
決定することにより、単位スロットよりさらに短い時間
で各出力段増幅部1・2を交互動作させることが可能と
なる。
【0111】例えば基準クロックCKと逆相クロックC
Kbのパルス幅を単位スロットの1/2とすれば、各出
力段増幅部1・2は1/2スロットずつ交互動作するか
ら、このように交互動作させたときの接合温度は、デュ
ーティー比1/16に相当、すなわち図6の第一曲線の
C点となる6.25%に相当する温度までしか上昇しな
い。
Kbのパルス幅を単位スロットの1/2とすれば、各出
力段増幅部1・2は1/2スロットずつ交互動作するか
ら、このように交互動作させたときの接合温度は、デュ
ーティー比1/16に相当、すなわち図6の第一曲線の
C点となる6.25%に相当する温度までしか上昇しな
い。
【0112】したがって、上記方法では、基準クロック
CKのパルス幅を単位スロットの整数分の1に設定する
ことにより、2個の出力段トランジスタをそれぞれ有す
る各出力段増幅部1・2を単位スロットの整数分の1ず
つ交互動作させるので接合温度Tjの上昇をさらに低く
抑えることができ、消費電力PD がさらに大きい場合で
も信頼性の高いデバイスを供給することが可能となる。
CKのパルス幅を単位スロットの整数分の1に設定する
ことにより、2個の出力段トランジスタをそれぞれ有す
る各出力段増幅部1・2を単位スロットの整数分の1ず
つ交互動作させるので接合温度Tjの上昇をさらに低く
抑えることができ、消費電力PD がさらに大きい場合で
も信頼性の高いデバイスを供給することが可能となる。
【0113】本発明の第3の方法は、3個以上の出力段
増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN (Nは自然数)を互いに並
列に接続し、それぞれに送信電力を制御する制御電圧V
APCとそれに同期する基準クロックCK1 ・CK2 ・・
・CKN (第5制御信号)を入力することを特徴として
いる。各基準クロックCK1 ・CK2 ・・・CKN は、
周期が単位スロットのN倍に等しく、パルス幅が単位ス
ロットの期間に等しいものとする。すなわち、デューテ
ィー比は1/Nである。また、それぞれは単位スロット
ずつ遅延して出力され、互いに重複しないものとする。
図9には、Nが4の場合の例を示す。
増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN (Nは自然数)を互いに並
列に接続し、それぞれに送信電力を制御する制御電圧V
APCとそれに同期する基準クロックCK1 ・CK2 ・・
・CKN (第5制御信号)を入力することを特徴として
いる。各基準クロックCK1 ・CK2 ・・・CKN は、
周期が単位スロットのN倍に等しく、パルス幅が単位ス
ロットの期間に等しいものとする。すなわち、デューテ
ィー比は1/Nである。また、それぞれは単位スロット
ずつ遅延して出力され、互いに重複しないものとする。
図9には、Nが4の場合の例を示す。
【0114】上記方法によれば、前述の方法と同様に、
各出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・Q N の内部で制御電圧
VAPC と各基準クロックCK1 ・CK2 ・・・CKN と
の論理積をとって各出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN
の動作状態を決定することにより、各出力段増幅部Q1
・Q2 ・・・QN を単位スロットずつ順次動作させるこ
とが可能となる。
各出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・Q N の内部で制御電圧
VAPC と各基準クロックCK1 ・CK2 ・・・CKN と
の論理積をとって各出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN
の動作状態を決定することにより、各出力段増幅部Q1
・Q2 ・・・QN を単位スロットずつ順次動作させるこ
とが可能となる。
【0115】このようにすれば、出力段増幅部Q1 ・Q
2 ・・・QN の各出力段トランジスタの接合温度Tjを
単位スロット分相当に抑制できるだけでなく、各出力段
トランジスタの実質的な動作時間を1/Nにすることが
可能となるため、デバイス全体の寿命をさらに延ばすこ
とが可能となる。
2 ・・・QN の各出力段トランジスタの接合温度Tjを
単位スロット分相当に抑制できるだけでなく、各出力段
トランジスタの実質的な動作時間を1/Nにすることが
可能となるため、デバイス全体の寿命をさらに延ばすこ
とが可能となる。
【0116】これにより、上記方法では、並列に接続さ
れた3個以上の出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN の各
出力段トランジスタを単位スロットごとに順次動作させ
ることによって、各出力段トランジスタの接合温度Tj
を上昇を単位スロット分相当に抑制するだけでなく各出
力段トランジスタの実質的な動作時間をさらに短くでき
るため、さらに信頼性の高いデバイスを供給することが
可能となる。
れた3個以上の出力段増幅部Q1 ・Q2 ・・・QN の各
出力段トランジスタを単位スロットごとに順次動作させ
ることによって、各出力段トランジスタの接合温度Tj
を上昇を単位スロット分相当に抑制するだけでなく各出
力段トランジスタの実質的な動作時間をさらに短くでき
るため、さらに信頼性の高いデバイスを供給することが
可能となる。
【0117】
【発明の効果】本発明の高周波電力増幅器は、以上のよ
うに、高周波信号を電力増幅して出力するための、複数
の出力段増幅部が互いに並列に接続されて設けられ、複
数の出力段増幅部をそれぞれ制御する制御部が、複数の
出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択するように設
けられている構成である。
うに、高周波信号を電力増幅して出力するための、複数
の出力段増幅部が互いに並列に接続されて設けられ、複
数の出力段増幅部をそれぞれ制御する制御部が、複数の
出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択するように設
けられている構成である。
【0118】それゆえ、上記構成は、制御部によって、
複数の出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択するこ
とにより、各出力段増幅部において電力増幅時にそれぞ
れ発生する発熱による各出力段増幅部の温度上昇を抑制
できて、過度な温度上昇に基づく信頼性の低下を軽減で
きるという効果を奏する。
複数の出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択するこ
とにより、各出力段増幅部において電力増幅時にそれぞ
れ発生する発熱による各出力段増幅部の温度上昇を抑制
できて、過度な温度上昇に基づく信頼性の低下を軽減で
きるという効果を奏する。
【0119】本発明の通信装置は、以上のように、上記
高周波電力増幅器を有している構成である。それゆえ、
上記構成は、上記高周波電力増幅器での温度上昇が抑制
されて、信頼性を向上できるという効果を奏する。
高周波電力増幅器を有している構成である。それゆえ、
上記構成は、上記高周波電力増幅器での温度上昇が抑制
されて、信頼性を向上できるという効果を奏する。
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る高周波電力増
幅器の要部概略構成図である。
幅器の要部概略構成図である。
【図2】上記高周波電力増幅器の要部回路図である。
【図3】上記高周波電力増幅器の動作を説明するタイミ
ングチャートである。
ングチャートである。
【図4】上記高周波電力増幅器の時分割多元接続方式に
関する説明図である。
関する説明図である。
【図5】上記高周波電力増幅器における、スロット数に
基づく動作時間と接合温度との関係を示すグラフであ
る。
基づく動作時間と接合温度との関係を示すグラフであ
る。
【図6】上記高周波電力増幅器における、制御電圧V
APC のデューティー比と接合温度との関係を示すグラフ
である。
APC のデューティー比と接合温度との関係を示すグラフ
である。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係る高周波電力増
幅器における動作を説明するタイミングチャートであ
る。
幅器における動作を説明するタイミングチャートであ
る。
【図8】本発明の第三の実施の形態に係る高周波電力増
幅器の要部回路図である。
幅器の要部回路図である。
【図9】上記高周波電力増幅器の動作を説明するタイミ
ングチャートである。
ングチャートである。
【図10】本発明の第四の実施の形態に係る高周波電力
増幅器の要部回路図である。
増幅器の要部回路図である。
【図11】高周波電力増幅器が送信する電波に関する、
通信規格に基づくバースト状の送信電力を示すタイミン
グチャートである。
通信規格に基づくバースト状の送信電力を示すタイミン
グチャートである。
【図12】従来の高周波電力増幅器の要部概略構成図で
ある。
ある。
【図13】上記高周波電力増幅器における、熱の流れを
示す説明図である。
示す説明図である。
【図14】従来の他の高周波電力増幅器の要部説明図で
あり、(a)は正面図、(b)は上面図である。
あり、(a)は正面図、(b)は上面図である。
【図15】従来のさらに他の高周波電力増幅器の要部断
面図である。
面図である。
1 出力段増幅部 2 出力段増幅部 3 制御部 CK 基準クロック(第2制御信号、第3制御信号) CKb 逆相クロック(第2制御信号、第4制御信号) VAPC 制御電圧(第1制御信号)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03F 3/72 H03F 3/72 // H04B 1/04 H04B 1/04 A Fターム(参考) 5J069 AA01 AA21 AA41 AA51 AA54 AC03 CA02 CA36 CA57 CA58 FA18 HA02 HA25 HA29 HA33 KA29 MA19 QA04 SA14 TA01 TA02 TA06 5J090 AA01 AA21 AA41 AA51 AA54 CA02 CA36 CA57 CA58 CN03 FA18 HA02 HA25 HA29 HA33 KA29 MA19 QA04 SA14 TA01 TA02 TA06 5J091 AA01 AA21 AA41 AA51 AA54 CA02 CA36 CA57 CA58 FA18 GP02 HA02 HA25 HA29 HA33 KA29 MA19 QA04 SA14 TA01 TA02 TA06 UW08 5J092 AA01 AA21 AA41 AA51 AA54 CA02 CA36 CA57 CA58 FA18 GR00 HA02 HA25 HA29 HA33 KA29 MA19 QA04 SA14 TA01 TA02 TA06 5K060 BB03 CC05 DD04 EE05 FF09 HH06 HH39 JJ08 LL01
Claims (9)
- 【請求項1】高周波信号を電力増幅して出力するため
の、複数の出力段増幅部が互いに並列に接続されて設け
られ、 複数の出力段増幅部をそれぞれ制御する制御部が、複数
の出力段増幅部を動作もしくは非動作に選択するように
設けられていることを特徴とする高周波電力増幅器。 - 【請求項2】制御部は、各出力段増幅部を流れる電流値
を制御するための第1制御信号と、各出力段増幅部の電
流を流す期間を制御するための第2制御信号とに基づ
き、各出力段増幅部を制御するものであることを特徴と
する請求項1記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項3】第2制御信号は、各出力段増幅部に対し互
いに異なる位相にてそれぞれ入力されるように設定され
ていることを特徴とする請求項2記載の高周波電力増幅
器。 - 【請求項4】互いに異なる位相の、各第2制御信号は、
各第2制御信号の内の一つの第2制御信号から、反転に
より他の第2制御信号を生成するようになっていること
を特徴とする請求項3記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項5】高周波信号は、電力増幅され、時間的に分
割された単位スロット毎にバースト状の送信電力にて出
力されるものであり、 複数の出力段増幅部は2個であり、 第2制御信号は、単位スロットに応じたパルス幅としデ
ューティー比が1/2である第3制御信号と、第3制御
信号の反転信号である第4制御信号とを含み、 第1制御信号は、第2制御信号に同期しており、 制御部は、第1制御信号と、第3制御信号と、第4制御
信号とに基づいて、2個の各出力段増幅部を単位スロッ
トずつ交互に動作させるようになっていることを特徴と
する請求項2記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項6】高周波信号は、電力増幅され、時間的に分
割された単位スロット毎にバースト状の送信電力にて出
力されるものであり、 複数の出力段増幅部は3個以上であり、 第2制御信号は、単位スロットに応じたパルス幅としデ
ューティー比が出力段増幅部の数の逆数であり、かつ、
互いの位相が単位スロットに応じて相違する複数の第5
制御信号を含み、 第1制御信号は、第2制御信号に同期しており、 制御部は、第1制御信号と、各第5制御信号とに基づい
て、3個以上の各出力段増幅部を単位スロットずつ順次
動作させるようになっていることを特徴とする請求項2
記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項7】第2制御信号は、そのパルス幅を単位スロ
ットの期間より短く設定されていることを特徴とする請
求項5または6記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項8】制御部は、各出力段増幅部の動作時間を互
いに等しく設定することに代えて、各出力段増幅部の動
作時間を互いに異なるように各出力段増幅部を制御する
ようになっていることを特徴とする請求項5ないし7の
何れかに記載の高周波電力増幅器。 - 【請求項9】請求項1ないし8の何れかに記載の高周波
電力増幅器を有していることを特徴とする通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000124858A JP2001308649A (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 高周波電力増幅器および通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000124858A JP2001308649A (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 高周波電力増幅器および通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001308649A true JP2001308649A (ja) | 2001-11-02 |
Family
ID=18634919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000124858A Pending JP2001308649A (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 高周波電力増幅器および通信装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2001308649A (ja) |
Cited By (6)
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---|---|---|---|---|
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WO2014054276A1 (ja) | 2012-10-03 | 2014-04-10 | 三菱電機株式会社 | 電磁波送信装置、電力増幅装置及び電磁波送信システム |
-
2000
- 2000-04-25 JP JP2000124858A patent/JP2001308649A/ja active Pending
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