JP2001307312A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JP2001307312A
JP2001307312A JP2000125437A JP2000125437A JP2001307312A JP 2001307312 A JP2001307312 A JP 2001307312A JP 2000125437 A JP2000125437 A JP 2000125437A JP 2000125437 A JP2000125437 A JP 2000125437A JP 2001307312 A JP2001307312 A JP 2001307312A
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Japan
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drum
mode
cam
lead ring
std
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JP2000125437A
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English (en)
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Akira Nishima
亮 西間
Toshio Kaneshiro
寿雄 金城
Hiromichi Hirayama
博通 平山
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタル情報信号用の回転磁気ヘッド数の
削減を図る。 【解決手段】 回転ドラム組立体10は、互いに正逆の
所定のアジマス角を有して上ドラム14の外周面上で1
80゜対向して一対に取り付けられ、標準(STD)モ
ード時とハイスピード(HS)モード時とを共用した記
録再生可能な回転磁気ヘッド対H7A,H7Bを上ドラ
ム14と一体に回転自在に支持している。また、ハイス
ピード(HS)モード時は、磁気テープのテープスピー
ドを標準モード時の2倍に設定し、且つ、上ドラム14
の回転数を標準モード時の2倍に設定している。また、
第1ドラム傾斜角補正手段8Aの円盤状カム35は、回
転磁気ヘッド対H7A,H7Bの回転軌跡を、標準モー
ド時に第1傾斜角(θSTD)のトラックパターンが得ら
れるように制御し、且つ、ハイスピードモード時に第2
傾斜角(θHS)のトラックパターンが得られるように制
御している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘリカルスキャン
方式により、磁気テープ上にディジタル情報信号をビッ
トストリームの信号形態により、所定のトラック傾斜角
度で記録し、これを再生する磁気記録再生装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】回転磁気ヘッドが磁気テープに対してヘ
リカルスキャンすることによって、磁気テープ上にアナ
ログ映像信号やアナログ音声信号を記録及び/又は再生
する磁気記録再生装置の一例としてVHS規格を適用し
たビデオテープレコーダが広く普及している。
【0003】近年、ディジタル・マルチメディア時代の
到来と共に、テレビジョン放送もディジタル化が加速さ
れ、既に放送が行われているCSディジタル放送、これ
から放送が予定されているBSディジタル放送や地上波
ディジタル放送などに対応して、磁気テープ上にディジ
タル情報信号を記録及び/又は再生する磁気記録再生装
置が開発されている。
【0004】ここで、ディジタル情報信号記録再生用の
磁気記録再生装置の一例として、アナログ情報信号とデ
ィジタル情報信号とを選択的に記録及び/又は再生でき
るD−VHS規格を適用したビデオテープレコータが最
近開発されている。
【0005】上記したD−VHS規格は、VHS規格に
対して上位互換性が保たれており、VHS規格に基づい
て磁気テープ上にアナログ情報信号を記録及び/又は再
生できると共に、新たなD−VHS規格に基づいて磁気
テープ上にディジタル情報信号を記録及び/又は再生で
きることから、既にVHS規格に基づいて収録した映像
ソフトをそのまま再生できるので注目を浴びている。
【0006】このD−VHS規格に基づいて磁気テープ
上にディジタル情報信号を記録再生する場合には、ディ
ジタル情報信号をMPEG2(Moving Picture Image C
oding Experts Group Phase 2)等によりビットストリ
ーム信号形態に圧縮し、このビットストリームを磁気テ
ープ上に記録し、これを再生している。そして、199
8年7月にD−VHS規格に基づいて記録再生モードの
全仕様が発表され、標準(STD)モードと、ハイスピ
ード(HS)モードと、ロースピード(LS…LS2,
LS3,LS5,LS7)モードの3モードが図1に示
した如く発表された。
【0007】即ち、図1はD−VHS規格に基づく記録
モードをそれぞれ示しており、標準(STD)モードで
は、磁気テープのテープスピードを16.67mm/s
に設定して、転送レート14.1Mbpsでディジタル
情報信号のビットストリームを例えば44GBテープ
(カセットテープ型名DF−420A)を用いた場合に
7時間に亘って通常の画質で記録再生できる。尚、D−
VHS規格に基づく標準(STD)モード時のテープス
ピードはVHS規格の標準モード時のテープスピードに
対して1/2に設定されている。
【0008】また、ハイスピード(HS)モードでは、
磁気テープのテープスピードを標準(STD)モード時
に対して2倍の33.35mm/sに設定して、転送レ
ート28.2Mbpsでビットストリームを例えば44
GBテープ(カセットテープ型名DF−420A)を用
いた場合に3.5時間に亘って超高画質で記録再生でき
る。尚、D−VHS規格に基づくハイスピード(HS)
モード時のテープスピードはVHS規格の標準モード時
のテープスピードに対して同じスピードに設定されてい
る。
【0009】また、ロースピード(LS…LS2,LS
3,LS5,LS7)モードでは、磁気テープのテープ
スピードを標準(STD)モード時に対してLS2モー
ドで1/2倍の8.34mm/s、LS3モードで1/
3倍の5.56mm/s、LS5モードで1/5倍の
3.33mm/s、LS7モードで1/7倍の2.38
mm/sにそれぞれ設定し、且つ、転送レートをLS2
モードで7Mbps、LS3モードで4.7Mbps、
LS5モードで2.8Mbps、LS7モードで2Mb
psのビットストリームを例えば44GBテープ(カセ
ットテープ型名DF−420A)を用いた場合にそれぞ
れ14時間、21時間、35時間、49時間と長時間に
亘って記録再生できる。
【0010】次に、D−VHS規格を適用した磁気記録
再生装置内の回転ドラム機構部の上ドラムに取り付けた
複数の回転磁気ヘッド対について図2を用いて簡略に説
明する。
【0011】図2に示した如く、回転ドラム機構部の上
ドラムDuは、図示を省略するもののシヤーシベースに
固定した下ドラムに対して同軸的に回転自在に支持され
ており、且つ、直径略62mmに形成されている。この
上ドラムDuは、VHS規格に準拠したアナログ情報信
号記録再生時、D−VHS規格に準拠したディジタル情
報信号記録再生時共に従来例では磁気テープ(図示せ
ず)を上ドラムDuの外周面に沿って略180゜巻回さ
せながら1800r/minの回転数で上面から見て矢
印方向に回転している。
【0012】まず、上ドラムDuの外周面には、VHS
規格に準拠した標準(SP)モード用の記録再生可能な
回転磁気ヘッド対H1A,H1Bが上ドラムDuの回転
中心を対称中心とする180゜対称の位置に取り付けら
れている。これらの回転磁気ヘッド対H1A,H1B
は、ヘッドトラック幅が例えば58μmでアジマス角が
一方のH1Aは+6゜、他方のH1Bは−6゜に形成さ
れている。
【0013】また、上ドラムDuの外周面には回転磁気
ヘッド対H1A,H1Bに接近して、VHS規格に準拠
した長時間(EP)モード用の記録再生可能な回転磁気
ヘッド対H2A,H2Bが上ドラムDuの回転中心を対
称中心とする180゜対称の位置に取り付けられてい
る。これらの回転磁気ヘッド対H2A,H2Bは、ヘッ
ドトラック幅が例えば19μmでアジマス角が一方のH
2Aは−6゜、他方のH2Bは+6゜に形成されてい
る。この際、回転磁気ヘッドH1Aと回転磁気ヘッドH
2Aとがヘッドサポートを共通にしたいわゆるタブルア
ジマス型の回転磁気ヘッド組を形成し、同様に、回転磁
気ヘッドH1Bと回転磁気ヘッドH2Bとがタブルアジ
マス型の回転磁気ヘッド組を形成している。
【0014】また、上ドラムDuの外周面には回転磁気
ヘッド対(H1A,H1B)、(H2A,H2B)より
も先行して、VHS規格に準拠したFM音声深層記録再
生用の回転磁気ヘッド対H3A,H3Bが上ドラムDu
の回転中心を対称中心とする180゜対称の位置に取り
付けられている。これらの回転磁気ヘッド対H3A,H
3Bは、ヘッドトラック幅が例えば29μmでアジマス
角が一方のH3Aは+30゜、他方のH3Bは−30゜
に形成されている。
【0015】また、上ドラムDuの外周面には、D−V
HS規格に準拠した標準(STD)モード用及びロース
ピード(LS…LS2,LS3,LS5,LS7)モー
ド用としての記録再生可能な回転磁気ヘッド対H4A,
H4Bが上ドラムDuの回転中心を対称中心とする18
0゜対称の位置に取り付けられている。これらの回転磁
気ヘッド対H4A,H4Bは、ヘッドトラック幅が例え
ば29μmでアジマス角が一方のH4Aは+30゜、他
方のH4Bは−30゜に形成されている。更に、LS2
モード用の回転磁気ヘッドH5が一つの回転磁気ヘッド
対H4A,H4Bのうちの一方の回転磁気ヘッドH4A
に近接して取り付けれている。この回転磁気ヘッドH5
はヘッドトラック幅が例えば29μmでアジマス角が回
転磁気ヘッドH4Aのアジマス角+30゜に対して逆ア
ジマス角の−30゜に形成されている。尚、D−VHS
規格に準拠した標準(STD)モード用及びロースピー
ド(LS)モード用の回転磁気ヘッド対H4A,H4B
を用いずに、前記した回転磁気ヘッド対H3A,H3B
をMIG(Metal In Gap)構造のようなメ
タルヘッドにしてこの回転磁気ヘッド対H3A,H3B
を上記STDモード,LSモードに併用する方法もあ
る。
【0016】また、上ドラムDuの外周面には、D−V
HS規格に準拠したハイスピード(HS)モード用の記
録再生可能なタブルアジマス型の2組みの回転磁気ヘッ
ド対(H6A,H6B),(H6C,H6D)が上ドラ
ムDuの回転中心を対称中心とする180゜対称の位置
に取り付けられている。これら2組みの回転磁気ヘッド
対(H6A,H6B),(H6C,H6D)は、各ヘッ
ドのヘッドトラック幅が例えば29μmで、隣り合うヘ
ッド同士は1トラックピッチ分だけヘッド高さを違えて
互いに逆アジマスになっており、タブルアジマス型の回
転磁気ヘッド対H6A,H6Bはアジマス角が一方のH
6Aは+30゜、他方のH6Bは−30゜に形成され、
且つ、タブルアジマス型の回転磁気ヘッド対H6C,H
6Dはアジマス角が一方のH6Cは+30゜、他方のH
6Dは−30゜に形成されている。この際、上ドラムD
uの回転中心を対称中心とする180゜対称の位置に取
り付けた回転磁気ヘッド対H6A,H6Cはアジマス角
が+30゜同士で同アジマスの対となり、同様に、回転
磁気ヘッド対H6B,H6Dもアジマス角が−30゜同
士で同アジマスの対となっているので、これら180゜
対向の回転磁気ヘッド対(H6A,H6C),(H6
B,H6D)を用いてもD−VHS規格に準拠した標準
(STD)モード用及びロースピード(LS)モード用
とはなり得ないものである。
【0017】次に、上ドラムDuに取り付けた複数の回
転磁気ヘッドを用いて記録再生する態様について図3〜
図5を用いて簡略に説明する。
【0018】まず、VHS規格に準拠した標準(SP)
モード時には、磁気テープのテープスピードを33.3
5mm/sに設定し、且つ、上ドラムDuの回転数を1
800r/minに設定して上ドラムDuの半回転ごと
に、ヘッドトラック幅が例えば58μmの回転磁気ヘッ
ド対H1A,H1Bによりアナログ映像信号を磁気テー
プの表層部に図3に示したトラックパターンで記録再生
している。この時、テープ走行時のトラックパターンの
傾斜角θSPは5゜58’9.9”である。
【0019】また、VHS規格に準拠した長時間(E
P)モード時には、磁気テープのテープスピードを標準
(SP)モード時の1/3倍に設定し、且つ、上ドラム
Duの回転数を1800r/minに設定して上ドラム
Duの半回転ごとに、ヘッドトラック幅が例えば19μ
mの回転磁気ヘッド対H2A,H2Bによりアナログ映
像信号を磁気テープの表層部に記録再生している。
【0020】また、VHS規格に準拠したFM音声深層
記録再生時には、ヘッドトラック幅が例えば29μmの
回転磁気ヘッド対H3A,H3Bによりアナログ音声信
号をアナログ映像信号よりも先行して磁気テープの深層
部に記録再生している。
【0021】また、D−VHS規格に準拠した標準(S
TD)モード時には、磁気テープのテープスピードを1
6.67mm/sに設定し、且つ、上ドラムDuの回転
数を1800r/minに設定して、ヘッドトラック幅
が例えば29μmの回転磁気ヘッド対H4A,H4B
(又は回転磁気ヘッド対H3A,H3B)によりディジ
タル映像信号のビットストリームを磁気テープの表層部
に図4に示したトラックパターンで記録再生している。
この時、テープ走行時のトラックパターンの傾斜角θ
STDは5゜57’8.4”である。
【0022】また、D−VHS規格に準拠したロースス
ピード(LS…LS2,LS3,LS5,LS7)モー
ド時には、磁気テープのテープスピードを標準(ST
D)モード時に対して1/2倍,1/3倍,1/5倍,
1/7倍にそれぞれ設定し、且つ、上ドラムDuの回転
数を1800r/minに設定して、ヘッドトラック幅
が例えば29μmの回転磁気ヘッド対H4A,H4B
(但しLS2モードの時はH4A,H5)によりディジ
タル映像信号のビットストリームを磁気テープの表層部
に間欠的に記録再生している。この際、ローススピード
(LS…LS2,LS3,LS5,LS7)モードに対
応した各トラックパターンの傾斜角θLSN(但し、Nは
2,3,5,7のいずれかの整数)は、θLS2が5゜5
6’37.9”、θLS3が5゜56’27.7”、θLS5
が5゜56’19.6”、θLS7が5゜56’16.
1”、である。
【0023】ここで、ロースピード(LS…LS2,L
S3,LS5,LS7)モードのうちでLS2モードの
場合にはN=2が偶数であるので、回転磁気ヘッドH4
A,H5を用いており、アジマス角が+30゜の回転磁
気ヘッドH4Aでまず記録し、その後の半回転後ではア
ジマス角が−30゜の回転磁気ヘッドH4Bでの記録を
せず、次の半回転後に回転磁気ヘッドH4Aと近接した
逆アジマス角−30゜の回転磁気ヘッドH5で記録し、
以下、これを繰り返して間欠的に記録し、これを再生し
ている。また、LS3モードの場合にはN=3が奇数で
あるので、回転磁気ヘッド対H4A,H4Bを用いてお
り、アジマス角が+30゜の回転磁気ヘッドH4Aでま
ず記録し、その後の半回転ではアジマス角が−30゜の
回転磁気ヘッドH4Bでの記録をせず、次の半回転後の
+30゜の回転磁気ヘッドH4Aでも記録せず、更に、
次の半回転後の−30゜の回転磁気ヘッドH4Bで記録
しているので、上ドラムDuの1.5回転ごとに間欠的
に記録し、これを再生している。上記とほぼ同様にNが
奇数の5でLS5モードの場合には回転磁気ヘッド対H
4A,H4Bを用いて上ドラムDuの2.5回転ごとに
間欠的に記録し、これを再生している。また、Nが奇数
の7でLS7モードの場合には回転磁気ヘッド対H4
A,H4Bを用いて上ドラムDuの3.5回転ごとに間
欠的に記録し、これを再生している。
【0024】更に、D−VHS規格に準拠したハイスピ
ード(HS)モード時には、磁気テープのテープスピー
ドを標準(STD)モード時に対して2倍の33.35
mm/sに設定し、且つ、上ドラムDuの回転数を18
00r/minに設定して上ドラムDuの半回転ごと
に、各ヘッドのヘッドトラック幅が例えば29μmのタ
ブルアジマス型の2組みの回転磁気ヘッド対(H6A,
H6B),(H6C,H6D)によりディジタル映像信
号のビットストリームを磁気テープの表層部に図5に示
したトラックパターンで2トラック同時に記録し、これ
を再生している。即ち、ハイスピード(HS)モードで
は、前述したように転送レートが標準(STD)モード
の2倍であるために、2トラックを同時に一対として記
録再生している。この時、テープ走行時のトラックパタ
ーンの傾斜角θHSは5゜58’9.8”である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したD
−VHS規格を適用した磁気記録再生装置では、とく
に、ディジタル放送の開始に伴って、磁気テープ上にア
ナログ情報信号とディジタル情報信号とを選択的に記録
再生できて使い勝手が良いものの、上ドラムDuに取り
付けた回転磁気ヘッドの数がアナログ情報信号用とディ
ジタル情報信号用の両方を合わせると多数必要としてい
る。
【0026】とくに、D−VHS規格に基づく標準(S
TD)モード,ロースピード(LS)モード,ハイスピ
ード(HS)モードでは、合計で7個の回転磁気ヘッド
(H4A,H4B),H5,(H6A,H6B),(H
6C,H6D)を必要とするため、ディジタル情報信号
用の回転磁気ヘッドの部品コストが高くつき、しかも上
ドラムDuへの取り付け調整コストも高くついてしま
う。また、多数の回転磁気ヘッドに対して信号を授受す
る回転トランス(ロータリートランス)の構造も複雑と
なっている。更に、D−VHS規格に準拠したハイスピ
ード(HS)モード時には、タブルアジマス型の2組み
の回転磁気ヘッド対(H6A,H6B),(H6C,H
6D)との間で記録再生信号を処理する信号処理回路が
2系統必要となるので、D−VHS規格を適用した磁気
記録再生装置全体のコストが高価になるなどの問題が生
じている。
【0027】そこで、ディジタル情報信号用の回転磁気
ヘッドの数を削減しても、上記の標準(STD)モー
ド,ロースピード(LS)モード,ハイスピード(H
S)モードでディジタル情報信号を記録再生できる磁気
記録再生装置が望まれている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
てなされたものであり、第1の発明は、磁気テープを第
1テープスピードで走行させる標準(STD)モード時
に所定の第1回転数で回転するSTD用の回転磁気ヘッ
ドにより第1転送レートのディジタル情報信号を前記磁
気テープ上に第1傾斜角(θSTD)のトラックパターン
として記録及び/又は再生する標準(STD)モード記
録再生仕様と、磁気テープを前記第1テープスピードの
2倍の第2テープスピードで走行させるハイスピード
(HS)モード時に前記第1回転数で回転するHS用の
回転磁気ヘッドにより前記第1転送レートの2倍の第2
転送レートのディジタル情報信号を前記磁気テープ上に
第2傾斜角(θHS)のトラックパターンとして記録及び
/又は再生するハイスピード(HS)モード記録再生仕
様とに対して互換性を持たせて、前記第1又は第2転送
レートのディジタル情報信号を前記磁気テープ上に記録
及び/又は再生する磁気記録再生装置であって、前記標
準(STD)モード時と前記ハイスピード(HS)モー
ド時とを共用し、互いに正逆の所定のアジマス角を有し
て外周面上で180゜対向した一つの回転磁気ヘッド対
を取り付けた上ドラムと、この上ドラムを回転自在に支
持するドラム軸を中心部に立設した下ドラムと、前記磁
気テープの基準縁を案内するリードを形成して前記下ド
ラムの磁気テープ摺接面の下部に形成した小径外周部の
外周面に接近した状態で該下ドラムに対して同軸的に遊
嵌させ且つ前記磁気テープの上下ドラムへの巻回入口側
となる0゜側と巻回出口側となる180゜側の中間と前
記ドラム軸の中心部とを結ぶ90゜−270゜線上に回
動支点を該下ドラムと対向して形成したリードリング
と、前記リードリングと前記ドラム軸に支持した上下ド
ラムとを順に仮想中立軸上で同軸的に支持し且つ前記9
0゜−270゜線上に回動支点を前記リードリングと対
向して形成したドラムベースとからなる回転ドラム組立
体と、前記一つの回転磁気ヘッド対への信号を処理する
信号処理手段と、前記磁気テープを、前記標準(ST
D)モード時に前記第1テープスピードで走行させ、且
つ、前記ハイスピード(HS)モード時に前記第2テー
プスピードで走行させるキャプスタンサーボ手段と、前
記上ドラムを、前記標準(STD)モード時に前記第1
回転数で回転させ、且つ、前記ハイスピード(HS)モ
ード時に前記第1回転数の2倍の第2回転数で回転させ
るドラムサーボ手段と、前記標準(STD)モード時に
前記一つの回転磁気ヘッド対の回転軌跡が前記第1傾斜
角(θSTD)のトラックパターンに沿うように前記上下
ドラムを支持した前記ドラム軸と前記リードリングの仮
想中心軸とを前記回転ドラム組立体の仮想中立軸と一致
させた第1基準傾斜角度姿勢と、前記ハイスピード(H
S)モード時に前記一つの回転磁気ヘッド対の回転軌跡
が前記第2傾斜角(θHS)のトラックパターンに沿うよ
うに前記上下ドラムを支持した前記ドラム軸と前記リー
ドリングの仮想中心軸とを前記回転ドラム組立体の仮想
中立軸に対して前記磁気テープの巻回入口側となる0゜
方向にそれぞれ所定の角度傾けた第2基準傾斜角度姿勢
との2姿勢を選択的に取り得る第1ドラム傾斜角補正手
段と、前記ハイスピード(HS)モード時にディジタル
記録した記録済み磁気テープを特殊再生する時に前記一
つの回転磁気ヘッド対の回転軌跡が前記記録済み磁気テ
ープのトラックパターン中に設定したサーチ用の画像を
読み出すことができるように前記上下ドラムを支持した
前記ドラム軸と前記リードリングの仮想中心軸とを前記
回転ドラム組立体の仮想中立軸に対して前記記録済み磁
気テープの巻回入口側となる0゜方向又は巻回出口側と
なる180゜方向に傾ける第2ドラム傾斜角補正手段と
を具備してなり、前記第1,第2ドラム傾斜角補正手段
は、前記リードリングと前記下ドラムとの間で0゜側又
は180゜側に挟装した第1圧縮バネと、前記ドラムベ
ースと前記リードリングとの間で前記第1圧縮バネと同
じ側に挟装した第2圧縮バネと、前記第1,第2圧縮バ
ネの付勢力を加算した値よりも強い付勢力を有して前記
下ドラムを前記ドラムベース側に付勢する第3圧縮バネ
とを共通に使用し、前記第1ドラム傾斜角補正手段は、
前記リードリングと前記下ドラムとの間で前記第1,第
2圧縮バネとは前記ドラム軸を介して反対側となる18
0゜側又は0゜側に回転可能に設けられ、且つ、前記下
ドラムと対向する上面を前記下ドラムの底面部の裏面に
回転可能に密着させる一方、前記リードリングと対向す
る下面にSTD用カム面,HS用第1カム面,HS用第
2カム面,特殊再生用カム面を形成した円盤状カムと、
前記リードリングの底面部の上面から突出して前記円盤
状カムのSTD用カム面,HS用第1カム面に対して接
離し且つ特殊再生用カム面に対して離間する第1カムフ
ォロア部と、前記ドラムベースの上面から突出して前記
円盤状カムのSTD用カム面,HS用第2カム面に対し
て接離し且つ特殊再生用カム面に対して離間する第2カ
ムフォロア部と、前記円盤状カムの回転駆動を行う第1
駆動源とを備え、前記第2ドラム傾斜角補正手段は、前
記第1,第2圧縮バネとは前記ドラム軸を介して反対側
となる前記ドラムベースの180゜側又は0゜側に螺合
して前記下ドラムの底面又は前記リードリングの底面に
接離する第1ギア付きネジと、前記第1ギア付きネジと
同じ側で前記リードリングに螺合して前記下ドラムの底
面に接離する第2ギア付きネジと、前記第1,第2ギア
付きネジの回転駆動を行う第2駆動源とを備えたことを
特徴とする磁気記録再生装置である。
【0029】また、第2の発明は、上記した第1の発明
の磁気記録再生装置において、前記標準(STD)モー
ド時には、前記第1ギア付きネジを前記下ドラムの底面
又は前記リードリングの底面から離間させ且つ前記第2
ギア付きネジを前記下ドラムの底面から離間させた状態
で、前記円盤状カムを初期位置となるSTDモード位置
まで回転して、前記第1〜第3圧縮バネの付勢力により
前記リードリングの第1カムフォロア部及び前記ドラム
ベースの第2カムフォロア部を共に前記円盤状カムのS
TD用カム面に当接させることで、前記リードリング上
の回動支点及び前記ドラムベース上の回動支点を介して
前記上下ドラムと前記リードリングとを前記ドラムベー
スに対して略平行な状態に保持し、前記ハイスピード
(HS)モード時には、前記第1ギア付きネジを前記下
ドラムの底面又は前記リードリングの底面から離間させ
且つ前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの底面から離
間させた状態で、前記円盤状カムをHSモード位置まで
回転して、前記第1〜第3圧縮バネの付勢力により前記
リードリングの第1カムフォロア部を前記円盤状カムの
HS用第1カム面に当接させ且つ前記ドラムベースの第
2カムフォロア部を前記円盤状カムのHS用第2カム面
に当接させることで、前記上下ドラムと前記リードリン
グとを前記リードリング上の回動支点及び前記ドラムベ
ース上の回動支点を中心にして0゜側にそれぞれ所定の
角度傾け、ディジタル記録した前記記録済み磁気テープ
をFF方向に特殊再生する時には、前記円盤状カムを特
殊再生用モード位置まで回転して、前記リードリングの
第1カムフォロア部及び前記ドラムベースの第2カムフ
ォロア部を共に前記円盤状カムの特殊再生用カム面に当
接させることなく対向させた状態で、前記第1ギア付き
ネジを前記下ドラムの底面又は前記リードリングの底面
に当接させながらFF倍速に応じてそれぞれ所定の量回
転させ且つ前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの底面
に当接させながらFF倍速に応じてそれぞれ所定の量回
転させて、前記上下ドラムと前記リードリングとを前記
リードリング上の回動支点及び前記ドラムベース上の回
動支点を中心にして180゜側にそれぞれ所定の角度傾
け、ディジタル記録した前記記録済み磁気テープをFB
方向に特殊再生する時には、前記円盤状カムを特殊再生
用モード位置まで回転して、前記リードリングの第1カ
ムフォロア部及び前記ドラムベースの第2カムフォロア
部を共に前記円盤状カムの特殊再生用カム面に当接させ
ることなく対向させた状態で、前記第1ギア付きネジを
前記下ドラムの底面又は前記リードリングの底面に当接
させながらFB倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させ
且つ前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの底面に当接
させながらFB倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させ
て、前記上下ドラムと前記リードリングとを前記リード
リング上の回動支点及び前記ドラムベース上の回動支点
を中心にして0゜側にそれぞれ所定の角度傾けることを
特徴とする磁気記録再生装置である。
【0030】また、第3の発明は、上記した第1又は第
2の発明の磁気記録再生装置において、前記回転ドラム
の外周面に沿ってVHS規格に準拠したアナログ情報信
号用の複数の回転磁気ヘッド対を取り付けたことを特徴
とする磁気記録再生装置である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る磁気記録再生
装置の一実施例を図6乃至図24を参照して、<第1実
施例>,<第2実施例>の順に詳細に説明する。
【0032】<第1実施例>図6は本発明に係る第1実
施例の磁気記録再生装置を説明するための全体構成図で
ある。
【0033】図6に示した如く、本発明に係る第1実施
例の磁気記録再生装置Sは回転磁気ヘッドによるヘリカ
ルスキャン方式を採用しており、且つ、アナログ情報信
号とディジタル情報信号とを選択的に記録及び/又は再
生できるD−VHS規格を適用したビデオテープレコー
ダとして開発したものである。
【0034】上記した磁気記録再生装置Sには、磁気テ
ープTを上下ドラムの外周に沿って略180゜に亘って
螺旋状に巻回すると共に、上ドラム14の外周に沿って
アナログ情報信号用として記録再生可能な複数の回転磁
気ヘッド対(H1A,H1B),(H2A,H2B),
(H3A,H3B)とディジタル情報信号用として記録
再生可能な一つの回転磁気ヘッド対(H7A,H7B)
とディジタル情報信号用で且つLS2モード用として記
録再生可能な一つの回転磁気ヘッドH8とを取り付けた
回転ドラム組立体10と、磁気テープTを記録再生モー
ドに応じて所定の速度で矢印のテープ走行方向に移送す
るキャプスタン1及びピンチローラ2と、磁気テープT
を図示しないテープカセットから引き出して回転ドラム
組立体10に巻き付けるために移動可能に設けた一対の
テープガイドポール3,3と、回転ドラム組立体10の
右側に設けられて磁気テープTの下端部にコントロール
パルスを記録再生するコントロールヘッド4と、装置S
の全体動作を制御するシステム制御回路5と、磁気テー
プTのテープスピードを記録再生モードに応じて制御す
るキャプスタンサーボ回路6と、回転ドラム組立体10
の上ドラム14の回転を制御するドラムサーボ回路7
と、回転ドラム組立体10の傾斜角度をD−VHS規格
に準拠した標準(STD)モード及びD−VHS規格に
準拠したロースピード(LS…LS2,LS3,LS
5,LS7)モード時の第1基準傾斜角度姿勢と、D−
VHS規格に準拠したハイスピード(HS)モード時の
第2基準傾斜角度姿勢との2姿勢を選択的に取り得る第
1ドラム傾斜角度補正部8Aと、ハイスピード(HS)
モード時に記録した記録済み磁気テープを特殊再生する
際に回転ドラム組立体10の傾斜角度を変速倍数に応じ
て可変制御する第2ドラム傾斜角度補正部8Bと、記録
再生用の情報信号を処理する信号処理ブロック9とから
概略構成されている。
【0035】ここではとくに、ディジタル情報信号を記
録再生するに当たって、VHS規格に対して上位互換性
のあるD−VHS規格に準拠した標準(STD)モード
と、LS2モードを除いたロースピード(LS…LS
3,LS5,LS7)モードと、ハイスピード(HS)
モードとの3モードを記録再生可能な一つの回転磁気ヘ
ッド対(H7A,H7B)で全て共用させることで、デ
ィジタル情報信号用の回転磁気ヘッド数の削減を図るこ
とを特徴とするものである。
【0036】これに伴って、D−VHS規格に基づく標
準(STD)モードとロースピード(LS…LS2,L
S3,LS5,LS7)モードでは磁気テープTのテー
プスピードと上ドラム14の回転数とを従来例と同様に
設定し、且つ、標準(STD)モード時及びロースピー
ド(LS)モード時のトラックパターンの傾斜角が得ら
れるように第1ドラム傾斜角度補正部8Aにより回転ド
ラム組立体10の傾斜角度を後述するように第1基準傾
斜角度姿勢に制御している。一方、D−VHS規格に基
づくハイスピード(HS)モードでは磁気テープTのテ
ープスピードを標準(STD)モード時に対して2倍に
設定し、且つ、上ドラム14の回転数を従来例と異なっ
て標準(STD)モード時の回転数(1800r/mi
n)に対して2倍の回転数(3600r/min)に設
定する共に、ハイスピード(HS)モード時のトラック
パターンの傾斜角が得られるように第1ドラム傾斜角度
補正部8Aにより回転ドラム組立体10の傾斜角度を後
述するように第2基準傾斜角度姿勢に制御するものであ
る。
【0037】尚、VHS規格に準拠した標準(SP)モ
ード時及びVHS規格に準拠した長時間(EP)モード
時も上記した第1ドラム傾斜角度補正部8Aにより第1
基準傾斜角度姿勢を取るものであるが、以下の説明では
主としてディジタル情報信号の記録及び/又は再生につ
いて述べる。
【0038】まず、回転ドラム組立体10について図7
乃至図10を用いて説明する。
【0039】図7は本発明に係る第1実施例の磁気記録
再生装置において、回転ドラム組立体を示した分解斜視
図、図8は本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部を説明するために模式的に示した図であり、(a)は
上面図,(b)は縦断面図、図9は本発明に係る第1実
施例の磁気記録再生装置において、回転ドラム組立体の
第2ドラム傾斜角度補正部を説明するために模式的に示
した図であり、(a)は上面図,(b)は縦断面図、図
10は本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置にお
いて、回転ドラム組立体の上ドラムに取り付けた複数の
回転磁気ヘッド対を説明するための上面図である。
【0040】尚、以下の説明において、図7以降の図面
中で0゜と表示した位置は磁気テープTの上下ドラム1
4,13への巻回入口側であり、90゜と表示した位置
は磁気テープTの巻回範囲の略中央位置であり、180
゜と表示した位置は磁気テープTの上下ドラム14,1
3への巻回出口側である。また、0゜−180゜の直線
Xと直交して回転ドラム組立体10の仮想中立軸を通る
直線Yを90゜−270゜とする。
【0041】上記した回転ドラム組立体10は本発明の
要部となるものであり、この回転ドラム組立体10は本
出願人が先に提案した特開平06−318351号公報
の技術的思想を踏まえて、これを一部改良したものであ
り、上記した公報にはVHS規格に基いてアナログ情報
信号を記録し、これを変速再生(高速サーチ再生,スロ
ー再生,スチル再生)する時に、回転磁気ヘッドが磁気
テープ上に記録された記録跡(信号トラック)を横切っ
て再生しても画面上で帯状ノイズが発生しないように回
転磁気ヘッドを磁気テープ上の記録跡に沿って追従でき
るDD(Dynamic Drum)システムとして開
発したものであるが、このDDシステムの技術的思想を
適用して本実施形態ではディジタル情報信号を記録再生
するにあたって、とくに、第1ドラム傾斜角度補正部8
AによりD−VHS規格に基づく標準(STD)モード
時及びロースピード(LS…LS2,LS3,LS5,
LS7)モード時における第1基準傾斜角度姿勢と、D
−VHS規格に基づくハイスピード(HS)モード時に
おける第2基準傾斜角度姿勢との2姿勢を精度良く取り
得るように改良を施し、更に、第2ドラム傾斜角度補正
部8Bによりハイスピード(HS)モード時に記録した
記録済み磁気テープの特殊再生を可能にしたものであ
る。
【0042】図7に示した如く、DD(Dynamic
Drum)システムを採用した回転ドラム組立体10
の構成は、図示しないシャーシベース上にドラムベース
11が固定設置され、このドラムベース11上にリード
リング12と、下ドラム13と、上ドラム14とがドラ
ム軸15を中心にして下方から上方に向かって順に組み
立てられている。
【0043】まず、上ドラム14の外周には磁気テープ
Tを略180゜に亘って巻回して案内するテープ摺接面
14aが直径略62mmの円筒状に形成されており、こ
のテープ摺接面14aに沿って複数の回転磁気ヘッド対
が下ドラム13に接近して取り付けられている。
【0044】ここで、図10に拡大して示した如く、上
ドラム14の外周には、アナログ情報信号を記録再生す
るために、VHS規格に準拠した標準(SP)モード用
の回転磁気ヘッド対H1A,H1Bと、VHS規格に準
拠した長時間(EP)モード用の回転磁気ヘッド対H2
A,H2Bと、VHS規格に準拠したFM音声深層記録
再生用の回転磁気ヘッド対H3A,H3Bとが従来例と
同様に取り付けられている。これら記録再生可能なアナ
ログ情報信号用の回転磁気ヘッド対(H1A,H1
B),(H2A,H2B),(H3A,H3B)につい
ては先に図2で説明しているので詳述を省略する。
【0045】また、上ドラム14の外周には、ディジタ
ル情報信号を記録再生するために、D−VHS規格に準
拠した標準(STD)モード用及びロースピード(LS
…LS3,LS5,LS7)モード用並びにハイスピー
ド(HS)モード用の回転磁気ヘッド対H7A,H7B
が上ドラム14の回転中心を対称中心とする180゜対
称の位置に一対に取り付けられている。この記録再生可
能な一つの回転磁気ヘッド対H7A,H7Bは、ヘッド
トラック幅が例えば29μmでアジマス角が一方のH7
Aは+30゜、他方のH7Bは−30゜に形成されてい
る。更に、LS2モード用の回転磁気ヘッドH8が一つ
の回転磁気ヘッド対H7A,H7Bのうち一方の回転磁
気ヘッドH7Aに近接して取り付けれている。この回転
磁気ヘッドH8はヘッドトラック幅が例えば29μmで
アジマス角が回転磁気ヘッドH7Aのアジマス角+30
゜に対して逆アジマス角の−30゜に形成されている。
【0046】図7に戻り、下ドラム13は、中心部にド
ラム軸15が圧入されており、このドラム軸15に上ド
ラム14がベアリング16を介し同軸的に支持されてい
る。また、下ドラム13の外周には磁気テープTを巻回
して案内するテープ摺接面13aが上ドラム14のテー
プ摺接面14aと略同径で円筒状に形成されている。ま
た、下ドラム13には、テープ摺接面13aよりも小径
の小径部13bがテープ摺接面13aの下方に螺旋状に
形成され、且つ、底面部13cの中央下方に小径部13
bより小径の下方小径部13dが後述のドラムベース1
1側に向かって突出形成されている。
【0047】そして、複数の回転磁気ヘッド対(H1
A,H1B),(H2A,H2B),(H3A,H3
B),(H7A,H7B)及び回転磁気ヘッドH8を一
体的に取り付けた上ドラム14のみがドラム軸15を中
心に図示しないドラムモータの駆動力によって矢印方向
に回転するようになっている。また、上ドラム14に取
り付けた回転トランス17と、下ドラム13に取り付け
た回転トランス18との間で複数の回転磁気ヘッド対
(H1A,H1B),(H2A,H2B),(H3A,
H3B),(H7A,H7B)及び回転磁気ヘッドH8
の信号を授受している。 次に、下ドラム13の底面部
13の裏面と、後述するリードリング12の底面部12
cの上面との間で、磁気テープTの上下ドラム14,1
3への巻回出口側となる180゜側よりも少し270゜
側に向かって、後述する第1ドラム傾斜角補正部8Aの
一部を構成する円盤状カム35がこの中心部に固着した
シャフト34を中心に回転可能に設けられている。上記
円盤状カム35は、下ドラム13と対向する上面35a
を下ドラム13の底面部13cの裏面に回転可能に密着
させる一方、リードリング12と対向する下面35bに
後述の図13に示したSTD用カム面35b1,HS用
第1カム面35b2,HS用第2カム面35b3,特殊再
生用カム面35b4をそれぞれ形成している。
【0048】次に、下ドラム13の外周下方には、円盤
状カム35を挟んで磁気テープTの下端の基準縁Te
{図8(b)のみ図示}を案内する螺旋状のリード12
aを形成したリードリング12が下ドラム13に対して
別体に設けられている。
【0049】上記リードリング12は、図7に示した如
く、下ドラム13の下方に螺旋状に形成した小径部13
bの外周面に接近した状態で遊嵌されており、上端にリ
ード角γのリード12aを180゜以上に亘って螺旋状
に形成した円環状部12bと底面部12cとから大略構
成されている。この際、リード12aのリード角γは、
回転ドラム組立体10がD−VHS規格に基づく標準
(STD)モード仕様及びロースピード(LS…LS
2,LS3,LS5,LS7)モード仕様のトラックパ
ターンが得られる角度に設定されている。
【0050】また、リードリング12の底面部12cの
中央には中央孔12dが貫通して形成されており、この
中央孔12dの内周部には下ドラム13の下方小径部1
3dと同軸的に嵌合すべきナイフエッジ部12eが形成
されている。従って、ドラム軸15に同軸的に支持され
た上下ドラム14,13が、リードリング12の底面部
12c上に同軸的に嵌合できるようになっている。
【0051】また、図7乃至図9に示した如く、リード
リング12の底面部12cの上面には、凹孔12fが磁
気テープTの上下ドラム14,13への巻回入口側とな
る0゜側で0゜−180゜の直線X上に設けられてい
る。この凹孔12f内に装着した第1圧縮バネ19は、
下ドラム13の底面部13cの裏面に凹孔12fと対向
して形成した凹孔13e{図8(b)のみ図示}にも装
着されており、従って第1圧縮バネ19は磁気テープT
の巻回入口側で下ドラム13とリードリング12との間
に挟装されている。
【0052】また、リードリング12の底面部12cの
上面には、2つの回動支点12g,12gが90゜−2
70゜の直線Y上で回転ドラム組立体10の仮想中心軸
を中心にして前後対称に設けられている。これらの回動
支点12g,12gは、ドラム13の底面部13cの裏
面と対向して同一高さで突出形成されて、下ドラム13
の底面部13cの裏面に常時当接するようになってい
る。
【0053】また、リードリング12の底面部12cに
は、2つの貫通孔12h,12hが90゜−270゜の
直線Y上で回転ドラム組立体10の仮想中心軸を中心に
して回動支点12g,12gよりも内周側に前後対称に
設けられており、これらの貫通孔12h,12h内に後
述するネジ22,22がドラムベース11の下方から挿
通している。
【0054】また、リードリング12の底面部12cの
上面上で、磁気テープTの上下ドラム14,13への巻
回出口側となる180゜側よりも少し270゜側に向か
って、円盤状カム35の中心部に固着したシャフト34
が上方から進入し且つ後述するドラムベース11の上面
11aに形成した第2カムフォロア部11gが下方から
進入する逃げ孔12iと、この逃げ孔12iの近傍から
上方に突出して図13に示した円盤状カム35のSTD
用カム面35b1,HS用第1カム面35b2に対して接
離し且つ特殊再生用カム面35b4に対して離間する第
1カムフォロア部12jとが形成されている。
【0055】更に、リードリング12の底面部12c上
で、磁気テープTの上下ドラム14,13への巻回出口
側となる180゜側よりも少し90゜側に向かって、後
述する第2ドラム傾斜角補正部8Bの一部を構成する第
1ギア付きネジ43が進入する逃げ孔12kと、第2ギ
ア付きネジ44が螺合するネジ孔12lとが形成されて
いる。
【0056】次に、回転ドラム組立体10の基台となる
ドラムベース11は、リードリング12の下方に固定設
置されている。
【0057】上記ドラムベース11は、上面11aの中
央に下ドラム13の下方小径部13dが進入する中央逃
げ孔11bが穿設されている。
【0058】また、ドラムベース11の上面11aに
は、凹孔11cが磁気テープTの上下ドラム14,13
への巻回入口側となる0゜側で0゜−180゜の直線X
上に設けられている。この凹孔11c内に装着した第2
圧縮バネ20は、リードリング12の底面部12cの裏
面に凹孔11cと対向して形成した凹孔12m{図8
(b)のみ図示}にも装着されており、従って第2圧縮
バネ20は磁気テープTの巻回入口側でリードリング1
2とドラムベース11との間に挟装されている。この
際、第2圧縮バネ20の付勢力は、前記した第1圧縮バ
ネ19の付勢力より弱い付勢力を有するように設定され
ている。
【0059】また、ドラムベース11の上面11aに
は、2つの回動支点11d,11dが90゜−270゜
の直線Y上で回転ドラム組立体10の仮想中心軸を中心
にして前後対称に設けられている。これらの回動支点1
1d,11dは、リードリング12に形成した2つの回
動支点12g,12gの裏面で略同位置に設けられ、且
つ、リードリング12の底面部12cの裏面と対向して
同一高さで突出形成されて、リードリング12の底面部
12cの裏面に常時当接するようになっている。
【0060】また、ドラムベース11の上面11aに
は、2つの貫通孔11e,11eが90゜−270゜の
直線Y上で回転ドラム組立体10の仮想中心軸を中心に
して回動支点11d,11dよりも内周側でリードリン
グ12に形成した貫通孔12h,12hと同位置に形成
されており、これらの貫通孔11e,11e内に後述す
るネジ22,22がドラムベース11の下方から挿通し
ている。
【0061】また、ドラムベース11上で、磁気テープ
Tの上下ドラム14,13への巻回出口側となる180
゜側よりも少し270゜側に向かって、円盤状カム35
の中心部に固着したシャフト34が上方から進入する軸
孔11fと、この軸孔11fの近傍から上方に突出して
リードリング12に形成した逃げ孔12iを通って図1
3に示した円盤状カム35のSTD用カム面35b1
HS用第2カム面35b3に対して接離し且つ特殊再生
用カム面35b4に対して離間する第2カムフォロア部
11gとが形成されている。そして、円盤状カム35の
中心部に固着したシャフト34は、リードリング12に
形成した逃げ孔12i及びドラムベース11に形成した
軸孔11fを通ってドラムベース11の裏面側に突出
し、このシャフト34の下端部にギア33を固着させて
いる。
【0062】また、ドラムベース11上で、磁気テープ
Tの上下ドラム14,13への巻回出口側となる180
゜側よりも少し90゜側に向かって、後述する第2ドラ
ム傾斜角補正部8Bの一部を構成する第1ギア付きネジ
43が螺合するネジ孔11hと、第2ギア付きネジ44
が進入する逃げ孔11iとが形成されている。
【0063】更に、ドラムベース11の裏面側には、前
記した第1,第2圧縮バネ19,20の付勢力を加算し
た値よりも強い付勢力を有する第3圧縮バネ21,21
を挿入したネジ22,22が用意されており、これらの
ネジ22,22の先端はドラムベース11の裏面側から
ここに形成した貫通孔11e,11eとリードリング1
2に形成した貫通孔12h,12hとを通って下ドラム
13の底面部13cに形成したネジ孔(図示せず)に螺
合している。そして、下ドラム13は、ドラムベース1
1と下ドラム13との間にネジ22,22を介して狭装
した第3圧縮バネ21,21の強い付勢力によりドラム
ベース11側に付勢されている。また、リードリング1
2は、第2縮圧縮バネ20の付勢力が第1縮バネ19の
付勢力よりも弱いためにドラムベース11側に押圧され
ている。この際、第1縮バネ19及第2縮バネ20並び
に第3縮圧縮バネ21,21は後述する第1ドラム傾斜
角度補正部8Aと第2ドラム傾斜角度補正部8Bとに対
して共通に使用されている。
【0064】また、図8(b)に示した如く、第1ドラ
ム傾斜角補正部8Aは、下ドラム13の底面部13の裏
面と、リードリング12の底面部12cの上面との間に
設けた円盤状カム35と、この円盤状カム35を回転駆
動するための第1駆動源30とから構成されている。こ
の際、第1駆動源30は、第1モータ31と、この第1
モータ31の回転力を複数のギアにより減速して、円盤
状カム35のシャフト34に固着したギア33に噛合し
て、円盤状カム35を回転させる第1ギア列32とから
なる。尚、第1モータ31には回転量を検出するロータ
リエンコーダ(図示せず)が取り付けられており、且
つ、第1ギア列32の終段ギアには円弧状の遮光板(図
示せず)が取り付けられ、この円弧状の遮光板の近傍に
後述する初期位置となるSTDモード位置を検出するプ
リセットセンサ(図示せず)が設けられている。そし
て、円弧状の遮光板とプリセットセンサにより第1ドラ
ム傾斜角補正部8Aの初期位置となるSTDモード位置
を検出すると共に、STDモード位置を基準として第1
モータ31の回転量(パルス数)によって後述するHS
モード位置,特殊再生モード位置がそれぞれ設定されて
いる。
【0065】また、図9(b)に示した如く、第2ドラ
ム傾斜角補正部8Bは、それぞれの先端が下ドラム13
の底面部13cの裏面に接離する第1,第2ギア付きネ
ジ43,44と、これら第1,第2ギア付きネジ43,
44を回転駆動するための第2駆動源40とから構成さ
れている。この際、第2駆動源40は、第2モータ41
と、この第2モータ41の回転力を複数のギアにより減
速して、第1,第2ギア付きネジ43,44を同時に同
じ方向に回転させる第2ギア列42とからなる。尚、第
2モータ41には回転量を検出するロータリエンコーダ
(図示せず)が取り付けられており、特殊再生時の倍速
に応じて複数の回転量が予め設定されている。また、第
2ギア列42の終段ギアには円弧状の遮光板(図示せ
ず)が取り付けられ、この円弧状の遮光板の近傍に初期
位置を検出するプリセットセンサ(図示せず)が設けら
れており、後述するように第1,第2ギア付きネジ4
3,44が共に下ドラム13の底面から退避(離間)し
ている時に円弧状の遮光板とプリセットセンサにより第
2ドラム傾斜角補正部8Bの初期位置を検出している。
【0066】次に、キャプスタンサーボ回路6及びドラ
ムサーボ回路7について、図11を用いて説明する。
【0067】図11は図6に示したキャプスタンサーボ
回路及びドラムサーボ回路を説明するためのブロック図
である。
【0068】図11に示した如く、キャプスタンサーボ
回路6及びドラムサーボ回路7では、各回路6,7の速
度誤差(速度制御系)、位相誤差(位相制御系)をそれ
ぞれパルス巾変調(PWM:PULSE WIDTH
MODULATION)出力し、各PWM出力をローパ
スフィルタ(LPF)で平滑して、直流に変換すること
でそれぞれの誤差電圧を得て、各誤差電圧と混合して増
幅することにより、キャプスタンモータ,ドラムモータ
を駆動し、サーボループを構成している。この際、3.
58MHz水晶発振器によりD−VHS規格に基づく標
準(STD)モード時の30Hzのクロックパルス又は
D−VHS規格に基づくハイスピード(HS)モード時
の60Hzのクロックパルスをそれぞれ生成し、これら
30Hz,60Hzのクロックパルスを基準に用いてい
る。
【0069】上記したキャプスタンサーボ回路6は、シ
ステム制御回路5からの制御信号に基づいてキャプスタ
ン1の駆動を制御するものであり、キャプスタン1とピ
ンチローラ2とで磁気テープTを挟持しながら、各記録
再生モードと対応したテープスピードで磁気テープTの
移送制御を行うものである。
【0070】ここで、磁気テープT上にディジタル情報
信号を記録再生するにあたって、従来例で説明したよう
に、D−VHS規格に基づく標準(STD)モードで
は、磁気テープTのテープスピードを16.67mm/
sに設定し、一方、D−VHS規格に基づくハイスピー
ド(HS)モードでは、磁気テープTのテープスピード
を標準(STD)モード時に対して2倍の33.35m
m/sに設定している。尚、D−VHS規格に基づく標
準(STD)モード時のテープスピードはVHS規格の
標準(SP)モード時のテープスピードに対して1/2
に設定され、一方、D−VHS規格に基づくハイスピー
ド(HS)モード時のテープスピードはVHS規格の標
準モード時のテープスピードに対して同じスピードに設
定している。
【0071】更に、図11中での図示を省略するもの
の、D−VHS規格に基づくロースピード(LS…LS
2,LS3,LS5,LS7)モードでは、磁気テープ
Tのテープスピードを標準(STD)モード時に対して
LS2モードで1/2倍の8.34mm/s、LS3モ
ードで1/3倍の5.56mm/s、LS5モードで1
/5倍の3.33mm/s、LS7モードで1/7倍
2.38mm/sにそれぞれ設定している。
【0072】次に、上記したドラムサーボ回路7は、シ
ステム制御回路5からの制御信号に基づいて回転ドラム
組立体10を構成する上ドラム14の回転を制御するも
のである。
【0073】ここで、磁気テープT上にディジタル情報
信号を記録再生するにあたって、D−VHS規格に基づ
く標準(STD)モード時及びD−VHS規格に基づく
ロースピード(LS)モード時では、従来例で説明した
ように、直径を略62mmに形成した上ドラム14をド
ラムモータにより1800r/minの回転数で回転し
ている。一方、D−VHS規格に基づくハイスピード
(HS)モード時では、従来例と異なって、上ドラム1
4の回転数を標準(STD)モード時及びロースピード
(LS)モード時に対して2倍に設定し、ドラムモータ
により3600r/minの回転数で回転している。
【0074】次に、信号処理回路9について、図12を
用いて説明する。
【0075】図12は図6に示した信号処理回路を説明
するためのブロック図である。
【0076】図12に示した如く、信号処理回路9で
は、例えばCSディジタル放送などを図示しないセット
トップ・ボックス(STB)で受信し、この後、セット
トップ・ボックスで選択されたMPEGプログラムのビ
ットストリームは、IEEE1394バス・インターフ
ェースを介して、可変転送レートで信号処理を行うST
D/LSモード・シグナルシステム9Aと、固定転送レ
ートで信号処理を行うHSモード・シグナルシステム9
Bとに入力されている。
【0077】ここで、使用者がD−VHSに基づく標準
(STD)モードでの記録再生を選択した場合には、S
TD/LSモード・シグナルシステム9A中のSTDモ
ードが動作する。そして、標準(STD)モードで記録
する場合には、STDモード/LSモード・シグナルシ
ステム9Aに入力されたMPEGプログラムのビットス
トリームをSTDモードに対応した転送レート14.1
Mbpsで出力して、スイチッチSW1,SW3の各S
TD端子を介して記録アンプR1,R2にそれぞれ入力
し、この記録アンプR1,R2で各記録信号をそれぞれ
増幅した後、記録アンプR1,R2からの各記録信号を
スイチッチSW5,SW6の各R端子,回転トランス1
8,17を経て回転磁気ヘッド対H7A,H7Bにより
磁気テープTに記録している。一方、磁気テープTに記
録した標準(STD)モード時の信号を再生する時に
は、回転磁気ヘッド対H7A,H7Bにより再生した各
再生信号を回転トランス17,18からスイチッチSW
5,SW6の各P端子を経て再生アンプP1,P2でそ
れぞれ増幅した後、再生アンプP1,P2からの各再生
信号をスイチッチSW2,SW4の各STD端子を介し
てSTD/LSモードモード・シグナルシステム9Aに
戻して、MPEGプログラムのビットストリームを得て
いる。
【0078】また、使用者がD−VHS規格に基づくロ
ースピード(LS…LS2,LS3,LS5,LS7)
モードでの記録再生を選択した場合には、STD/LS
モード・シグナルシステム9A中のLSモードが動作す
る。この場合には、入力されたMPEGプログラムのビ
ットストリームをLS2モード,LS3モード,LS5
モード,LS7モードに応じて転送レート7Mbps,
4.7Mbps,2.8Mbps,2Mbpsでそれぞ
れ出力し、標準(STD)モード時と同じ経路によりこ
れらの信号を処理している。
【0079】ここで、ロースピード(LS…LS2,L
S3,LS5,LS7)モードのうちでLS2モードの
場合にはN=2が偶数であるので、回転磁気ヘッドH7
A,H8を用いており、アジマス角が+30゜の回転磁
気ヘッドH7Aでまず記録し、その後の半回転ではアジ
マス角が−30゜の回転磁気ヘッドH7Bでの記録をせ
ず、次の半回転後に回転磁気ヘッドH7Aと近接した逆
アジマス角−30゜の回転磁気ヘッドH8で記録し、以
下、これを繰り返して間欠的に記録し、これを再生して
いる。また、LS3モードの場合にはN=3が奇数であ
るので、回転磁気ヘッド対H7A,H7Bを用いてお
り、アジマス角が+30゜の回転磁気ヘッドH7Aでま
ず記録し、その後の半回転ではアジマス角が−30゜の
回転磁気ヘッドH7Bでの記録をせず、次の半回転後の
+30゜の回転磁気ヘッドH7Aでも記録せず、更に、
次の半回転後の−30゜の回転磁気ヘッドH7Bで記録
しているので、上ドラム14の1.5回転ごとに間欠的
に記録し、これを再生している。上記とほぼ同様にNが
奇数の5でLS5モードの場合には回転磁気ヘッド対H
7A,H7Bを用いて上ドラム14の2.5回転ごとに
間欠的に記録し、これを再生している。また、Nが奇数
の7でLS7モードの場合には回転磁気ヘッド対H7
A,H7Bを用いて上ドラム14の3.5回転ごとに間
欠的に記録し、これを再生している。
【0080】また、使用者がD−VHSに基づくハイス
ピード(HS)モードでの記録再生を選択した場合に
は、HSモード・シグナルシステム9Bが動作する。そ
してハイスピード(HS)モードで記録する場合には、
HSモード・シグナルシステム9Bに入力されたMPE
Gプログラムのビットストリームを標準(STD)モー
ドに対して2倍の転送レート28.2Mbpsで出力し
て、スイチッチSW1,SW3の各HS端子を介して記
録アンプR1,R2にそれぞれ入力し、この記録アンプ
R1,R2で各記録信号をそれぞれ増幅した後、記録ア
ンプR1,R2からの各記録信号をスイチッチSW5,
SW6の各R端子,回転トランス18,17を経て回転
磁気ヘッド対H7A,H7Bにより磁気テープTに記録
している。一方、磁気テープTに記録したハイスピード
(HS)モード時の信号を再生する時には、回転磁気ヘ
ッド対H7A,H7Bにより再生した各再生信号を回転
トランス17,18からスイチッチSW5,SW6の各
P端子を経て再生アンプP1,P2でそれぞれ増幅した
後、再生アンプP1,P2からの各再生信号をスイチッ
チSW2,SW4の各HS端子を介してHSモード・シ
グナルシステム9Bに戻して、MPEGプログラムのビ
ットストリームを得ている。
【0081】次に、本発明の要部となる回転ドラム組立
体10の第1ドラム傾斜角度補正部8Aについて図13
乃至図18を用いて説明する。
【0082】図13は回転ドラム組立体の第1ドラム傾
斜角度補正部によりD−VHS規格に基づく標準(ST
D)モード時及びロースピード(LS)モード時におけ
る第1基準傾斜角度姿勢を説明するための図であり、
(a)は上面図,(b)はO−F断面図,(c)は円盤
状カムの斜視図,(d)は円盤状カムの下面図、図14
は回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正部により
D−VHS規格に基づく標準(STD)モード時及びロ
ースピード(LS)モード時における動作を説明するた
めの図であり、(a)は上面図、(b)は第1ドラム傾
斜角度補正部の状態を示した模式図、(c)は第2ドラ
ム傾斜角度補正部の状態を示した模式図、図15は回転
ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正部によりD−V
HS規格に基づくハイピード(HS)モード時における
第2基準傾斜角度姿勢を説明するための図であり、
(a)は上面図,(b)はO−F断面図,(c)は円盤
状カムの斜視図,(d)は円盤状カムの下面図、図16
は回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正部により
D−VHS規格に基づくハイピード(HS)モードにお
ける動作を説明するための図であり、(a)は上面図、
(b)は第1ドラム傾斜角度補正部の状態を示した模式
図、(c)は第2ドラム傾斜角度補正部の状態を示した
模式図、図17は一つの回転磁気ヘッド対でディジタル
記録したトラックパターンを説明するための図であり、
(a)は第1基準傾斜角度姿勢時にD−VHS規格に基
づく標準(SP)モード仕様で記録したトラックパター
ン、(b)は第1基準傾斜角度姿勢時にD−VHS規格
に基づくハイスピード(HS)モード仕様で仮に記録し
たトラックパターン、(c)は第2基準傾斜角度姿勢時
にD−VHS規格に基づくハイスピード(HS)モード
仕様で記録したトラックパターン、図18は回転ドラム
組立体の第1ドラム傾斜角度補正部がD−VHS規格に
基づく特殊再生(FF再生,FB再生)モード位置に至
った状態を説明するための図であり、(a)は上面図,
(b)はO−F断面図,(c)は円盤状カムの斜視図,
(d)は円盤状カムの下面図である。
【0083】まず、図13(a)〜(d)に示した如
く、第1ドラム傾斜角補正部8Aの一部を構成する円盤
状カム35は、180゜側よりも少し270゜側に向か
って下ドラム13の底面部13の裏面とリードリング1
2の底面部12cの上面との間で、中心部に固着したシ
ャフト34を中心に回転可能に設けられている。
【0084】上記円盤状カム35は、上面35aを下ド
ラム13の底面部13cの裏面に回転可能に密着させる
一方、下面35bにSTD用カム面35b1,HS用第
1カム面35b2,HS用第2カム面35b3,特殊再生
用カム面35b4をそれぞれ形成している。この際、円
盤状カム35の上面35aを下ドラム13への基準面と
し、この基準面から下面35bに形成した各カム面への
高さ(厚み)は、HS用第2カム面35b3が一番高く
形成され、HS用第1カム面35b2がHS用第2カム
面35b3より僅かに低く形成され、STD用カム面3
5b1がHS用第2カム面35b3及びHS用第1カム面
35b2よりも低く形成され、特殊再生用カム面35b4
がSTD用カム面35b1よりも低く形成されており、
言い換えると、各カム面への高さ(厚み)は、HS用第
2カム面35b3>HS用第1カム面35b2>STD用
カム面35b1>特殊再生用カム面35b4の順に設定さ
れている。また、円盤状カム35の下面35bに形成し
た各カム面との間には傾斜面がそれぞれ形成されてお
り、より具体的には、STD用カム面35b1とHS用
第1カム面35b2との間に傾斜面35b12が、HS用
第1カム面35b2とHS用第2カム面35b3との間に
傾斜面35b23が、HS用第2カム面35b3と特殊再
生用カム面35b4との間に傾斜面35b34が、特殊再
生用カム面35b4とSTD用カム面35b1との間に傾
斜面35b41がそれぞれ形成されて、全体で円盤状カム
35の下面35bを一周して形成されている。
【0085】また、リードリング12の底面部12cの
上面に形成した第1カムフォロア部12jは、下方から
円盤状カム35のSTD用カム面35b1,HS用第1
カム面35b2に対して接離し、且つ、特殊再生用カム
面35b4に対して離間するようになっている。また、
ドラムベース11の上面11aに形成した第2カムフォ
ロア部11gは、下方から円盤状カム35のSTD用カ
ム面35b1,HS用第2カム面35b3に対して接離
し、且つ、特殊再生用カム面35b4に対して離間する
ようになっている。この際、円盤状カム35の各カム面
間に形成した各傾斜面は、第1,第2カムフォロア部1
2j,11gを各カム面にスムーズに追従させる機能を
備えている。
【0086】一方、円盤状カム35を回転駆動する第1
駆動源30は先に図8(b)で説明したように、第1モ
ータ31の回転を第1ギア列32に伝達するようになっ
ており、この第1ギア列32のうちの終段ギア(図示せ
ず)に円盤状カム35のシャフト34の下端に固着した
ギア33が噛合している。そして、第1モータ31から
第1ギア列32ギアを介して円盤状カム35を回転させ
ている。ここでは、前述したように、第1ドラム傾斜角
補正部8Aの初期位置となるSTDモード位置を第1ギ
ア列32のうちの終段ギアに取り付けた円弧状の遮光板
(図示せず)とプリセットセンサ(図示せず)とにより
検出し、この初期位置を基準として第1モータ31に取
り付けたロータリエンコーダの回転量(パルス数)によ
ってHSモード位置,特殊再生モード位置がそれぞれ設
定されている。
【0087】次に、上記構成による第1ドラム傾斜角補
正部8Aの円盤状カム35によるSTDモード,HSモ
ード,特殊再生モードの各動作について説明するまず、
D−VHS規格に基づく標準(STD)モード時及び及
びロースピード(LS…LS2,LS3,LS5,LS
7)モード時には、回転ドラム組立体10のドラム軸1
5を基準の中立状態に保持して、このドラム軸15に同
軸的に支持した上下ドラム14,13と、リードリング
12とがドラムベース11に対して傾くことなく、ドラ
ムベース11と略平行な状態に保持されており、この状
態を第1ドラム傾斜角度補正部8Aが第1基準傾斜角度
姿勢を保っている状態と呼称する。
【0088】即ち、回転ドラム組立体10の第1ドラム
傾斜角度補正部8Aが初期状態となる第1基準傾斜角度
姿勢を取るには、図13(b)及び図14(b)に示し
た如く、第1モータ31{図8(b)}と連結した第1
ギア列32に取り付けた円弧状の遮光板(図示せず)と
プリセットセンサ(図示せず)により第1ドラム傾斜角
度補正部8Aが初期位置となるSTDモード位置に至っ
たことを検出している。 ここで、第1ドラム傾斜角度
補正部8Aの一部構成する円盤状カム35が初期位置と
なるSTDモード位置に至った時には、第1〜第3圧縮
バネ19〜21の付勢力により円盤状カム35の下面3
5bに形成したSTD用カム面35b1に、リードリン
グ12の底面部12cに形成した第1カムフォロア部1
2jとドラムベース11の上面11aに形成した第2カ
ムフォロア部11gとが共に当接している。そして、第
1,第2カムフォロア部12j,11gが共にSTD用
カム面35b1に当接している状態時のSTD用カム面
35b1の高さは、上下ドラム14,13と、リードリ
ング12とがドラムベース11に対して傾くことなく、
ドラムベース11と略平行になるように設定されてい
る。尚、円盤状カム35が初期位置に至っていなけれ
ば、第1モータ31{図8(b)}を回転して初期位置
まで回転させれば良い。
【0089】また、ドラムベース11に形成した2つの
回動支点11d,11dがリードリング12の底面部1
2cの裏面に常時当接し、且つ、リードリング12に形
成した2つの回動支点12g,12gが下ドラム13の
底面部13cの裏面に常時当接しているので、ドラムベ
ース11に形成した回動支点11d,11d及びリード
リング12に形成した回動支点12g,12gを介して
0゜側に設けた第1,第2圧縮バネ19,20の付勢力
に対して180゜側に設けた円盤状カム35のSTD用
カム面35b1への第1,第2カムフォロア部12j,
11gによる当接状態のバランスが取れ、これにより上
下ドラム14,13と、リードリング12とがドラムベ
ース11に対して傾くことなく、ドラムベース11と略
平行になる。更に、下ドラム13は、第1,第2圧縮バ
ネ19,20の付勢力を加算した値よりも強い付勢力を
有する第3圧縮バネ21,21によってドラムベース1
1側に付勢されている。
【0090】また、図14(c)に示した如く、回転ド
ラム組立体10が第1基準傾斜角度姿勢を取るには、上
記と略同時に第2ドラム傾斜角度補正部8Bの第2モー
タ41{図9(b)}を作動させて、この第2モータ4
1と連結した第2ギア列42で180゜側に設けた第
1,第2ギア付きネジ43,44を回転させて、図示し
ないプリセットセンサで第2ドラム傾斜角度補正部8B
の初期位置を検出することにより、第1,第2ギア付き
ネジ43,44を下ドラム13の底面部13cの裏面か
ら退避(離間)させている。
【0091】従って、上記の動作により、ドラム軸15
とリードリング12の仮想中心軸とが回転ドラム組立体
10のドラムベース11に仮想に垂設した仮想中心軸と
高精度に一致し且つこれらの軸はドラムベース11に対
して垂直な状態となり、回転ドラム組立体10は第1基
準傾斜角度姿勢を保っている。
【0092】そして、D−VHS規格に基づく標準(S
TD)モード時には、ドラム軸15を中立状態に保持し
た状態で、上ドラム14を1800r/minの回転数
で回転させながら、磁気テープTのテープスピードを1
6.67mm/sに設定して、転送レート14.1Mb
psのビットストリームを上ドラム14の半回転ごとに
回転ヘッド対H7A,H7Bにより磁気テープT上に記
録すると、図17(a)に示した如く、磁気テープの表
層部に標準(STD)モード時のトラックパターンの傾
斜角θSTDが5゜57’8.4”で記録される。従っ
て、D−VHS規格に基づく標準(STD)モード時で
は、ドラム傾斜角度補正部を持たず上下ドラムだけの構
成による従来例と記録再生形態が同じである。
【0093】また、D−VHS規格に基づくローススピ
ード(LS)モード時も、第1ドラム傾斜角度補正部8
Aはドラム軸15を中立状態に保持した状態で記録再生
しているので、第1基準傾斜角度姿勢を保った状態で行
われているが詳述を省略する。
【0094】この際、第1基準傾斜角度姿勢では、VH
S規格に準拠した標準(SP)モード時及びVHS規格
に準拠した長時間(EP)モード時も記録再生可能であ
ることは勿論である。
【0095】一方、第1基準傾斜角度姿勢時にD−VH
S規格に基づく標準(STD)モード仕様で一つの回転
磁気ヘッド対H7A,H7Bによりディジタル記録した
記録済み磁気テープTを早送り再生(FF再生)又は早
戻し再生(FB再生)する場合には、磁気テープTに記
録したトラックパターン中にサーチ用の画像(Iピクチ
ャ又はPピクチャ)がFF再生又はFB再生に対応して
所定位置に予め設定されているため、この第1基準傾斜
角度姿勢を保持したままで、トラックパターン中に設定
したサーチ用の画像(Iピクチャ又はPピクチャ)のみ
を読み出せば良い。
【0096】次に、D−VHS規格に基づくハイスピー
ド(HS)モード時には、従来例と異なって一つの回転
ヘッド対H7A,H7Bによりビットストリームを磁気
テープT上に記録する際、磁気テープのテープスピード
は従来例と同様に標準(STD)モード時に対して2倍
の33.35mm/sに設定され、且つ、ビットストリ
ームの転送レートも標準(STD)モード時に対して2
倍の転送レート28.2Mbpsであるので、上ドラム
14の回転数を標準(STD)モード時に対して2倍の
3600r/minに設定しなければならない。
【0097】ここで、上ドラム14の回転数を3600
r/minに設定して、図13(b)及び図14
(b),(c)に示したように回転ドラム組立体10を
前記した標準(STD)モード時の第1基準傾斜角度姿
勢、言い換えると、ドラム軸15を中立状態に保持した
記録再生姿勢に設定したままで転送レート28.2Mb
psのビットストリームを仮に記録した時には、図17
(b)に示したように仮に記録したハイスピード(H
S)モード仕様のトラックパターンの傾斜角θ’HSは磁
気テープTと上ドラム14との相対スピードの関係から
5゜57’8.4”であり、ハイスピード(HS)モー
ド時のトラックパターンの傾斜角θHS=5゜58’9.
8”よりも小さくなってしまい(傾斜角θ’HS<傾斜角
θHS)、磁気テープT上での互換性が得られない。
【0098】そこで、上ドラム14の回転数を3600
r/minに設定して、D−VHS規格に基づくハイス
ピード(HS)モード時に一つの回転ヘッド対H7A,
H7Bにより転送レート28.2Mbpsのビットスト
リームを磁気テープT上に記録する場合には、上記した
トラックパターンの傾斜角θ’HSがD−VHS規格に基
づくハイスピード(HS)モード時のトラックパターン
の傾斜角θHSと同じになるように一つの回転ヘッド対H
7A,H7Bの回転軌跡を制御しており、この場合に一
つの回転ヘッド対H7A,H7Bの回転軌跡の磁気テー
プT上での補正角α{図17(b)}は、α=θ’HS
θHS=−1’1.4” である。尚、補正角αの−
(マイナス)値は、後述するように上下ドラム14,1
3を支持したドラム軸15と、リードリング12の仮想
中心軸とを回転ドラム組立体10の仮想中立軸から矢印
L方向(0゜方向)にそれぞれ所定角度傾けたことを示
している。
【0099】即ち、D−VHS規格に基づくハイスピー
ド(HS)モード時に上記した補正角αを得るには、図
15(a)〜(d)及び図16(a)〜(c)に示した
如く、上下ドラム14,13と、リードリング12とを
ドラムベース11に対して磁気テープTの巻回入口側と
なる矢印L方向(0゜方向)にそれぞれ所定の角度傾け
た状態に保持しており、この状態を第2基準傾斜角度姿
勢と呼称する。
【0100】ここでは、回転ドラム組立体10が先に説
明した第1基準傾斜角度姿勢を保持している状態から、
第1モータ31{図8(b)}を作動させて、第1モー
タ31に連結したロータリエンコーダの回転量(パルス
数)をSTDモード位置を基準として計数しながらHS
モード位置まで回転させて、第1ギア列32,ギア33
を介して円盤状カム35をHSモード位置まで回転させ
ている。
【0101】この際、第1ドラム傾斜角度補正部8Aの
一部構成する円盤状カム35がHSモード位置に至った
時には、第1〜第3圧縮バネ19〜21の付勢力により
円盤状カム35の下面35bに形成したHS用第1カム
面35b2にリードリング12の底面部12cに形成し
た第1カムフォロア部12jが当接し、且つ、HS用第
1カム面35b2より僅かに高さが高いHS用第2カム
面35b3にドラムベース11の上面11aに形成した
第2カムフォロア部11gが当接している。そして、第
1カムフォロア部12jがHS用第1カム面35b
2に、第2カムフォロア部11gがHS用第2カム面3
5b3にそれぞれ当接している状態時のHS用第1カム
面35b2及びHS用第2カム面35b3の高さは、ST
D用カム面35b1の高さよりもそれぞれ高く設定され
ているので、第1,第2カムフォロア部12j,11g
によって円盤状カム35を介して下ドラム13の底面部
13cの180゜側を上方に押し上げるので、ドラムベ
ース11に形成した回動支点11d,11d及びリード
リング12に形成した回動支点12g,12gを介して
0゜側に設けた第1,第2圧縮バネ19,20の付勢力
に抗して上下ドラム14,13を支持したドラム軸15
と、リードリング12の仮想中心軸とが回転ドラム組立
体10の仮想中立軸から矢印L方向(0゜方向)にそれ
ぞれ所定角度傾く。
【0102】尚、回転ドラム組立体10が第2基準傾斜
角度姿勢を維持する時には、図16(c)に示した如
く、回転ドラム組立体10の第2ドラム傾斜角度補正部
8Bが前記と同様に初期状態を維持し、即ち、180゜
側の第1,第2ギア付きネジ43,44が下ドラム13
の底面部13cの裏面から退避(離間)している。
【0103】従って、上記の動作により、上下ドラム1
4,13を支持したドラム軸15と、リードリング12
の仮想中心軸とが、回転ドラム組立体10のドラムベー
ス11に仮想に垂設した仮想中立軸に対して磁気テープ
Tの巻回入口側となる0゜方向にそれぞれ所定の角度傾
けた状態となり、回転ドラム組立体10は第2基準傾斜
角度姿勢を保っている。
【0104】この際、一つの回転ヘッド対H7A,H7
Bの回転軌跡を制御して第2基準傾斜角度姿勢を取るこ
とにより、図17(c)に示したように、D−VHS規
格に基づくハイスピード(HS)モード時のトラックパ
ターンの傾斜角θHS=5゜58’9.8”が得られる。
【0105】更に、ドラム傾斜角度補正部を持たない従
来例の装置により先に図5を用いて説明した状態で再生
する場合でも、磁気テープT上に記録したハイスピード
(HS)モード時のトラックパターンの傾斜角がD−V
HS規格に基づくハイスピード(HS)モード時のトラ
ックパターンの傾斜角θHSと一致しているので、磁気テ
ープTの互換性を保って再生できる。
【0106】次に、D−VHS規格に基づく特殊再生モ
ードは、D−VHS規格に基づくハイスピード(HS)
モード仕様でディジタル記録したモード時に記録した記
録済み磁気テープTを後述するように早送り再生(FF
再生)又は早戻し再生(FB再生)する場合である。
【0107】ここでは、図18(a)〜(d)に示した
如く、回転ドラム組立体10が先に説明した第1基準傾
斜角度姿勢又は第2基準傾斜角度姿勢を保持している状
態から、第1モータ31{図8(b)}を作動させて、
第1モータ31に連結したロータリエンコーダの回転量
(パルス数)をSTDモード位置を基準として計数しな
がら特殊再生モード位置まで回転させて、第1ギア列3
2,ギア33を介してる円盤状カム35を特殊再生モー
ド位置まで回転させている。
【0108】この際、第1ドラム傾斜角度補正部8Aの
一部構成する円盤状カム35が特殊再生モードに至った
時には、円盤状カム35の下面35bに形成した特殊再
生用カム面35b4に、リードリング12の底面部12
cに形成した第1カムフォロア部12jとドラムベース
11の上面11aに形成した第2カムフォロア部11g
とが共に当接することなく、特殊再生用カム面35b4
からそれぞれ離れて対向している。即ち、円盤状カム3
5の下面35bに形成した特殊再生用カム面35b4
高さは、STD用カム面35b1の高さよりも低く設定
されているので、第1,第2カムフォロア部12j,1
1gが当接しないようになっている。
【0109】次に、本発明の要部となる回転ドラム組立
体10の第2ドラム傾斜角度補正部8Bについて図19
及び図20を用いて説明する。
【0110】図19はD−VHS規格に基づくハイスピ
ード(HS)モード仕様でディジタル記録した記録済み
磁気テープを早送り再生(FF再生)する場合を説明す
るための図であり、(a)は上面図、(b)は第1ドラ
ム傾斜角度補正部の状態を示した模式図、(c)は第2
ドラム傾斜角度補正部の状態を示した模式図、図20は
D−VHS規格に基づくハイスピード(HS)モード仕
様でディジタル記録した記録済み磁気テープを早戻し再
生(FB再生)する場合を説明するための図であり、
(a)は上面図、(b)は第1ドラム傾斜角度補正部の
状態を示した模式図、(c)は第2ドラム傾斜角度補正
部の状態を示した模式図である。
【0111】まず、図19(a),(c)に示した如
く、第2ドラム傾斜角補正部8Bの一部を構成する第1
ギア付きネジ43はドラムベース11の180゜側に螺
合し、第2ギア付きネジ44はリードリング12の18
0゜側に螺合し、第1,第2ギア付きネジ43,44は
下ドラム13の底面部13cの裏面に接離自在になって
いる。また、第1,第2ギア付きネジ43,44の組み
による回転転ドラム組立体10のドラム傾斜角度は、先
に説明した円盤状カム35による第2基準斜角度姿勢時
の傾斜角度よりも大きく可変できるように設定されてい
る。
【0112】ここで、D−VHS規格に基づくハイスピ
ード(HS)モード仕様でディジタル記録した記録済み
磁気テープTを早送り再生(FF再生)又は早戻し再生
(FB再生)する場合に、先に図5を用いて説明した従
来の装置では2組みの回転磁気ヘッド対(H6A,H6
B),(H6C,H6D)を用いて2トラック同時に記
録したトラックパターン中にサーチ用の画像(Iピクチ
ャ又はPピクチャ)がFF再生又はFB再生に対応して
所定位置に予め設定されているため、従来の装置ではト
ラックパターン中にサーチ用の画像(Iピクチャ又はP
ピクチャ)のみを読み出すことができるものの、本発明
のように一つの回転磁気ヘッド対H7A,H7Bを用い
てトラックパターン中に設定したサーチ用の画像(Iピ
クチャ又はPピクチャ)のみを第2基準傾斜角度姿勢を
保ったままで読み出すことが不可能である。
【0113】そこで、D−VHS規格に基づくハイスピ
ード(HS)モード仕様でディジタル記録した記録済み
磁気テープTを一つの回転磁気ヘッド対H7A,H7B
により早送り再生(FF再生)する場合に、図18
(b)及び図19(b)に示した如く、第1ドラム傾斜
角度補正部8A側では、第1モータ31,第1ギア列3
2{図8(b)}を駆動して円盤状カム35を特殊再生
モード位置まで回転させて、この円盤状カム35の下面
35bに形成した特殊再生用カム面35b4からリード
リング12の底面部12cに形成した第1カムフォロア
部12jとドラムベース11の上面11aに形成した第
2カムフォロア部11gとを離間させておく。 一方、
図19(c)に示したように、第2ドラム傾斜角度補正
部8B側では、第2モータ41,第2ギア列42{図8
(b)}を駆動して、早送りの倍速数に応じて180°
側の第1,第2ギア付ネジ43,44を同時に下ドラム
13の底面部13cの180°側に当接させながらドラ
ムベース11側に押し下げていくと、ドラムベース11
に形成した2つの回動支点11d,11d及びリードリ
ング12に形成した2つの回動支点12g,12gを介
して0゜側に設けた第1,第2圧縮バネ19,20の付
勢力により上下ドラム14,13と、リードリング12
とがドラムベース11に対して早送りの倍速数に応じた
所定の角度だけ180゜側に傾くので、トラックパター
ン中に設定したサーチ用の画像(Iピクチャ又はPピク
チャ)のみを読み出すことが可能となる。
【0114】また、D−VHS規格に基づくハイスピー
ド(HS)モード仕様でディジタル記録した記録済み磁
気テープTを一つの回転磁気ヘッド対H7A,H7Bに
より早戻し再生(FB再生)する場合には、図18
(b)及び図20(b)に示したように、第1ドラム傾
斜角度補正部8A側では、上記した早送り再生(FF再
生)時と同様に、第1モータ31,第1ギア列32{図
8(b)}を駆動して円盤状カム35を特殊再生モード
位置まで回転させて、この円盤状カム35の下面35b
に形成した特殊再生用カム面35b4からリードリング
12の底面部12cに形成した第1カムフォロア部12
jとドラムベース11の上面11aに形成した第2カム
フォロア部11gとを離間させておく。
【0115】一方、図20(c)に示した如く、第2ド
ラム傾斜角度補正部8B側では、上述したFF再生モー
ドの場合とは逆方向に第2モータ41,第2ギア列42
{図9(b)}を駆動して、早戻しの倍速数に応じて1
80°側の第1,第2ギア付ネジ43,44を同時に下
ドラム13の底面部13cの180°側に当接させなが
ら押し上げていくと、ドラムベース11に形成した2つ
の回動支点11d,11d及びリードリング12に形成
した2つの回動支点12g,12gを介して0゜側に設
けた第1,第2圧縮バネ19,20の付勢力に抗して上
下ドラム14,13と、リードリング12とがドラムベ
ース11に対して早戻しの倍速数に応じた所定の角度だ
け0゜側に傾くので、トラックパターン中に設定したサ
ーチ用の画像(Iピクチャ又はPピクチャ)のみを読み
出すことが可能となる。
【0116】更に、図19及び図20に示した特殊再生
状態では、VHS規格に基づく標準(SP)モード仕様
でアナログ記録した磁気テープTを回転磁気ヘッド対H
1A,H1B又は回転磁気ヘッド対H2A,H2Bによ
り早送り再生(FF再生)又は早戻し再生(FB再生)
することが可能である。
【0117】次に、第1実施例において、上記した回転
ドラム組立体10の第1,第2ドラム傾斜角補正手段8
A,8Bの組みを一部変形した第1,第2ドラム傾斜角
補正手段8A,8B’の組みについて図21(a),
(b)を用いて簡略に説明する。
【0118】図21(a),(b)は本発明に係る第1
実施例の磁気記録再生装置において、回転ドラム組立体
の第1,第2ドラム傾斜角度補正部の組みを一部変形し
た変形例の組みを説明するために模式的に示した図であ
る。
【0119】図21(a)に示した如く、第1ドラム傾
斜角補正手段8Aの一部を構成する円盤状カム35は、
第1実施例と同様に、180゜側よりも少し270゜側
に向かって下ドラム13の底面部13の裏面とリードリ
ング12の底面部12cの上面との間で、中心部に固着
したシャフト34を中心に回転可能に設けられている。
【0120】一方、図21(b)に示した如く、第2ド
ラム傾斜角補正手段8B’の一部を構成する第1ギア付
きネジ43’は、ドラムベース11上で180°側に形
成したネジ孔11hに螺合して、前記とは異なってその
先端がリードリング12の底面部12cの裏面に接離し
ており、且つ、第2ギア付きネジ44は、リードリング
12上で180°側に形成したネジ孔12lに螺合し
て、前記と同様にその先端が下ドラム13の底面部13
cの裏面に接離している。
【0121】上記のように、第1ギア付きネジ43’を
リードリング12の底面部12cの裏面に接離させるよ
うにしても、第1実施例と同様な動作を行うことが可能
であり、この場合には、下ドラム13は第2ギア付きネ
ジ44と第1圧縮バネ19の付勢力で、リードリング1
2は第1ギア付きネジ43’と第2圧縮バネ20の付勢
力で支持されるものと切り離して考えれば良いものであ
る。
【0122】従って、上記した本発明に係る第1実施例
の磁気記録再生装置Sでは、D−VHS規格に基づく標
準(STD)モード時とハイスピード(HS)モード時
に一つの回転ヘッド対H7A,H7Bを共用しているた
め、従来の装置に比べてディジタル情報信号用の回転磁
気ヘッド数の削減を図ることができ、これにより回転磁
気ヘッドのコスト及び回転磁気ヘッドの上ドラム14へ
の取り付け調整コストを低減できると共に、ディジタル
情報信号用の回転磁気ヘッド数の削減によりロータリー
トランスの構造も簡単となり、更に、ハイスピード(H
S)モード時の信号処理は従来と比べて1系統ですむの
で、装置S全体のコスト低減に寄与できる。勿論、上記
ディジタル情報信号用の回転磁気ヘッド数の削減に伴っ
て増加する第1,第2ドラム傾斜角度補正部8A,8B
(8A,8B’)のコストは比較的安価なものであるの
で支障はない。勿論、本発明に係る第1実施例の磁気記
録再生装置Sでディジタル情報信号を記録した磁気テー
プTは従来の装置で互換性を保って再生できる。
【0123】<第2実施例>図22は本発明に係る第2
実施例の磁気記録再生装置において、回転ドラム組立体
の第1ドラム傾斜角度補正部を説明するために模式的に
示した図、図23は本発明に係る第2実施例の磁気記録
再生装置において、回転ドラム組立体の第2ドラム傾斜
角度補正部を説明するために模式的に示した図である。
【0124】本発明に係る第2実施例では、先に第1実
施例で説明した回転ドラム組立体10の第1ドラム傾斜
角度補正部8Aの円盤状カム35と、第2ドラム傾斜角
度補正部8Bの第1,第2ギア付きネジ43,44と、
第1,第2圧縮バネ19,20とを、第1実施例に対し
て90゜−270゜の直線Yを中心にして左右を反転さ
せているだけである。尚、第3圧縮バネ21,21は第
1実施例と同様に90゜−270゜の直線Y上にネジ2
2,22を介して設けられている。
【0125】即ち、図22及び図23に示した如く、第
1ドラム傾斜角度補正部8Cの一部を構成する円盤状カ
ム35は0゜側より少し270゜側に向かって設けら
れ、第2ドラム傾斜角度補正部8Dの一部を構成する第
1,第2ギア付きネジ43,44は0゜側より少し90
゜側に向かって設けられていると共に、これと対応して
第1,第2圧縮バネ19,20が180゜側で0゜−1
80゜の直線X上に設けられている。
【0126】そして、第2実施例では、D−VHS規格
に基づく標準(STD)モード時及びロースピード(L
S)モード時並びにハイスピード(HS)モード時と、
D−VHS規格に基づくハイスピード(HS)モード仕
様でディジタル記録した記録済み磁気テープを早送り再
生(FF再生)又は早戻し再生(FB再生)する際に、
上下ドラム14,13とリードリング12の姿勢がそれ
ぞれ第1実施例と同じになるように円盤状カム35及び
第1,第2ギア付きネジ43,44並びに第1〜第3圧
縮バネ19〜21を動作させれば良いものである。
【0127】次に、第2実施例において、上記した回転
ドラム組立体10の第1,第2ドラム傾斜角補正手段8
C,8Dの組みを一部変形した第1,第2ドラム傾斜角
補正手段8C,8D’の組みについて図24(a),
(b)を用いて簡略に説明する。
【0128】図24(a),(b)は本発明に係る第2
実施例の磁気記録再生装置において、回転ドラム組立体
の第1,第2ドラム傾斜角度補正部の組みを一部変形し
た変形例の組みを説明するために模式的に示した図であ
る。
【0129】図24(a),(b)に示した如く、第
1,第2ドラム傾斜角補正手段8C,8D’は、先に図
21(a),(b)を用いて説明した第1,第2ドラム
傾斜角補正手段8A,8B’に対して第2実施例と同様
に90゜−270゜の直線Yを中心にして左右を反転さ
せているだけであるので説明を省略する。
【0130】
【発明の効果】以上詳述した本発明に係る磁気記録再生
装置では、D−VHS規格に基づく標準(STD)モー
ド時とハイスピード(HS)モード時に一つの回転ヘッ
ド対を共用しているため、従来の装置に比べてディジタ
ル情報信号用の回転磁気ヘッド数の削減を図ることがで
き、これにより回転磁気ヘッドのコスト及び回転磁気ヘ
ッドの回転ドラムへの取り付け調整コストを低減できる
と共に、ディジタル情報信号用の回転磁気ヘッド数の削
減によりロータリートランスの構造も簡単となり、更
に、ハイスピード(HS)モード時の信号処理は従来と
比べて1系統ですむので、装置全体のコスト低減に寄与
できる。
【0131】また、第1ドラム傾斜角補正手段の円盤状
カムにより、標準(STD)モード時に一つの回転磁気
ヘッド対の回転軌跡が第1傾斜角(θSTD)のトラック
パターンに沿うように上下ドラムを支持したドラム軸と
リードリングの仮想中心軸とを回転ドラム組立体の仮想
中立軸と一致させた第1基準傾斜角度姿勢と、ハイスピ
ード(HS)モード時に一つの回転磁気ヘッド対の回転
軌跡が第2傾斜角(θ HS)のトラックパターンに沿うよ
うに上下ドラムを支持したドラム軸とリードリングの仮
想中心軸とを回転ドラム組立体の仮想中立軸に対して磁
気テープの巻回入口側となる0゜方向にそれぞれ所定の
角度傾けた第2基準傾斜角度姿勢との2姿勢を選択的に
取り得ると共に、第1,第2基準傾斜角度姿勢を位置精
度良く取り得ることができる。
【0132】また、第2ドラム傾斜角補正手段の第1,
第2ギア付ネジにより、ハイスピード(HS)モード時
にディジタル記録した記録済み磁気テープを特殊再生す
ることができる。この際、第1,第2ドラム傾斜角補正
手段は、簡単な構造で構成できるので装置全体のコスト
低減に寄与できる。勿論、上記ディジタル情報信号用の
回転磁気ヘッド数の削減に伴って増加する第1,第2ド
ラム傾斜角度補正部のコストは比較的安価なものである
ので支障はなく、付加価値の高い装置を提供できる。
【0133】また、本発明の磁気記録再生装置でディジ
タル情報信号を記録した磁気テープは従来の装置で互換
性を保って再生できる。
【0134】更に、回転ドラムの外周面に沿ってVHS
規格に準拠したアナログ情報信号用の複数の回転磁気ヘ
ッド対を取り付ければ、アナログ情報信号の記録再生及
びアナログ記録した磁気テープを特殊再生することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】D−VHS規格に基づく記録モードを示した図
である。
【図2】D−VHS規格を適用した磁気記録再生装置内
の回転ドラム機構部の上ドラムに取り付けた複数の回転
磁気ヘッドを説明するための図である。
【図3】VHS規格に準拠した標準(SP)モード時の
トラックパターンを示した図である。
【図4】D−VHS規格に準拠した標準(STD)モー
ド時のトラックパターンを示した図である。
【図5】D−VHS規格に準拠したハイスピード(H
S)モード時のトラックパターンを示した図である。
【図6】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置を
説明するための全体構成図である。
【図7】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置に
おいて、回転ドラム組立体を示した分解斜視図である。
【図8】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置に
おいて、回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正部
を説明するために模式的に示した図である。
【図9】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置に
おいて、回転ドラム組立体の第2ドラム傾斜角度補正部
を説明するために模式的に示した図である。
【図10】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の上ドラムに取り付けた複
数の回転磁気ヘッド対を説明するための上面図である。
【図11】図6に示したキャプスタンサーボ回路及びド
ラムサーボ回路を説明するためのブロック図である。
【図12】図6に示した信号処理回路を説明するための
ブロック図である。
【図13】回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部によりD−VHS規格に基づく標準(STD)モード
時及びロースピード(LS)モード時における第1基準
傾斜角度姿勢を説明するための図である。
【図14】回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部によりD−VHS規格に基づく標準(STD)モード
時及びロースピード(LS)モード時における動作を説
明するための図である。
【図15】回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部によりD−VHS規格に基づくハイピード(HS)モ
ード時における第2基準傾斜角度姿勢を説明するための
図である。
【図16】回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部によりD−VHS規格に基づくハイピード(HS)モ
ードにおける動作を説明するための図である。
【図17】一つの回転磁気ヘッド対でディジタル記録し
たトラックパターンを説明するための図である。
【図18】回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部がD−VHS規格に基づく特殊再生(FF再生,FB
再生)モード位置に至った状態を説明するための図であ
る。
【図19】D−VHS規格に基づくハイスピード(H
S)モード仕様でディジタル記録した記録済み磁気テー
プを早送り再生(FF再生)する場合を説明するための
図である。
【図20】D−VHS規格に基づくハイスピード(H
S)モード仕様でディジタル記録した記録済み磁気テー
プを早戻し再生(FB再生)する場合を説明するための
図でありる。
【図21】本発明に係る第1実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の第1,第2ドラム傾斜角
度補正部の組みを一部変形した変形例の組みを説明する
ために模式的に示した図である。
【図22】本発明に係る第2実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の第1ドラム傾斜角度補正
部を説明するために模式的に示した図である。
【図23】本発明に係る第2実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の第2ドラム傾斜角度補正
部を説明するために模式的に示した図である。
【図24】本発明に係る第2実施例の磁気記録再生装置
において、回転ドラム組立体の第1,第2ドラム傾斜角
度補正部の組みを一部変形した変形例の組みを説明する
ために模式的に示した図である。
【符号の説明】
1…キャプスタン、2…ピンチローラ、5…システム制
御回路、6…キャプスタンサーボ回路、7…ドラムサー
ボ回路、8A…第1実施例の第1ドラム傾斜角度補正
部、8B,8B’…第1実施例の第2ドラム傾斜角補正
手段、8C…第2実施例の第1ドラム傾斜角度補正部、
8D,8D’…第2実施例の第2ドラム傾斜角補正手
段、9…信号処理ブロック、10…回転ドラム組立体、
11…ドラムベース、11d…回動支点、11g…第2
カムフォロア部、12…リードリング、12a…リー
ド、12c…底面部、12g…回動支点、12j…第1
カムフォロア部、13…下ドラム、13a…テープ摺接
面、13b…小径外周部、13c…底面部、14…上ド
ラム、15…ドラム軸、30…第1駆動源、31…第1
モータ、32…第1ギア列、33…ギア、34…シャフ
ト、35…円盤状カム、35a…上面、35b…下面、
35b1…STD用カム面、35b2…HS用第1カム
面、35b3…HS用第2カム面、35b4…特殊再生用
カム面、40…第2駆動源、41…第2モータ、42…
第2ギア列、43,43’…第1ギア付ネジ、44…第
2ギア付きネジ、H1A,H1B…アナログ用の回転磁
気ヘッド対、H2A,H2B…アナログ用の回転磁気ヘ
ッド対、H7A,H7B…ディジタル用の回転磁気ヘッ
ド対、S…磁気記録再生装置、T…磁気テープ、Te…
基準縁。
フロントページの続き Fターム(参考) 5D036 AA17 BB02 BB12 BB22 CC04 CC23 CC28 CC33 CC43 CC69 EE01 5D042 FA05 GA04 KA15 5D101 AC02 AE40 CB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気テープを第1テープスピードで走行さ
    せる標準(STD)モード時に所定の第1回転数で回転
    するSTD用の回転磁気ヘッドにより第1転送レートの
    ディジタル情報信号を前記磁気テープ上に第1傾斜角
    (θSTD)のトラックパターンとして記録及び/又は再
    生する標準(STD)モード記録再生仕様と、 磁気テープを前記第1テープスピードの2倍の第2テー
    プスピードで走行させるハイスピード(HS)モード時
    に前記第1回転数で回転するHS用の回転磁気ヘッドに
    より前記第1転送レートの2倍の第2転送レートのディ
    ジタル情報信号を前記磁気テープ上に第2傾斜角
    (θHS)のトラックパターンとして記録及び/又は再生
    するハイスピード(HS)モード記録再生仕様とに対し
    て互換性を持たせて、前記第1又は第2転送レートのデ
    ィジタル情報信号を前記磁気テープ上に記録及び/又は
    再生する磁気記録再生装置であって、 前記標準(STD)モード時と前記ハイスピード(H
    S)モード時とを共用し、互いに正逆の所定のアジマス
    角を有して外周面上で180゜対向した一つの回転磁気
    ヘッド対を取り付けた上ドラムと、この上ドラムを回転
    自在に支持するドラム軸を中心部に立設した下ドラム
    と、前記磁気テープの基準縁を案内するリードを形成し
    て前記下ドラムの磁気テープ摺接面の下部に形成した小
    径外周部の外周面に接近した状態で該下ドラムに対して
    同軸的に遊嵌させ且つ前記磁気テープの上下ドラムへの
    巻回入口側となる0゜側と巻回出口側となる180゜側
    の中間と前記ドラム軸の中心部とを結ぶ90゜−270
    ゜線上に回動支点を該下ドラムと対向して形成したリー
    ドリングと、前記リードリングと前記ドラム軸に支持し
    た上下ドラムとを順に仮想中立軸上で同軸的に支持し且
    つ前記90゜−270゜線上に回動支点を前記リードリ
    ングと対向して形成したドラムベースとからなる回転ド
    ラム組立体と、 前記一つの回転磁気ヘッド対への信号を処理する信号処
    理手段と、 前記磁気テープを、前記標準(STD)モード時に前記
    第1テープスピードで走行させ、且つ、前記ハイスピー
    ド(HS)モード時に前記第2テープスピードで走行さ
    せるキャプスタンサーボ手段と、 前記上ドラムを、前記標準(STD)モード時に前記第
    1回転数で回転させ、且つ、前記ハイスピード(HS)
    モード時に前記第1回転数の2倍の第2回転数で回転さ
    せるドラムサーボ手段と、 前記標準(STD)モード時に前記一つの回転磁気ヘッ
    ド対の回転軌跡が前記第1傾斜角(θSTD)のトラック
    パターンに沿うように前記上下ドラムを支持した前記ド
    ラム軸と前記リードリングの仮想中心軸とを前記回転ド
    ラム組立体の仮想中立軸と一致させた第1基準傾斜角度
    姿勢と、前記ハイスピード(HS)モード時に前記一つ
    の回転磁気ヘッド対の回転軌跡が前記第2傾斜角
    (θHS)のトラックパターンに沿うように前記上下ドラ
    ムを支持した前記ドラム軸と前記リードリングの仮想中
    心軸とを前記回転ドラム組立体の仮想中立軸に対して前
    記磁気テープの巻回入口側となる0゜方向にそれぞれ所
    定の角度傾けた第2基準傾斜角度姿勢との2姿勢を選択
    的に取り得る第1ドラム傾斜角補正手段と、 前記ハイスピード(HS)モード時にディジタル記録し
    た記録済み磁気テープを特殊再生する時に前記一つの回
    転磁気ヘッド対の回転軌跡が前記記録済み磁気テープの
    トラックパターン中に設定したサーチ用の画像を読み出
    すことができるように前記上下ドラムを支持した前記ド
    ラム軸と前記リードリングの仮想中心軸とを前記回転ド
    ラム組立体の仮想中立軸に対して前記記録済み磁気テー
    プの巻回入口側となる0゜方向又は巻回出口側となる1
    80゜方向に傾ける第2ドラム傾斜角補正手段とを具備
    してなり、 前記第1,第2ドラム傾斜角補正手段は、前記リードリ
    ングと前記下ドラムとの間で0゜側又は180゜側に挟
    装した第1圧縮バネと、前記ドラムベースと前記リード
    リングとの間で前記第1圧縮バネと同じ側に挟装した第
    2圧縮バネと、前記第1,第2圧縮バネの付勢力を加算
    した値よりも強い付勢力を有して前記下ドラムを前記ド
    ラムベース側に付勢する第3圧縮バネとを共通に使用
    し、 前記第1ドラム傾斜角補正手段は、前記リードリングと
    前記下ドラムとの間で前記第1,第2圧縮バネとは前記
    ドラム軸を介して反対側となる180゜側又は0゜側に
    回転可能に設けられ、且つ、前記下ドラムと対向する上
    面を前記下ドラムの底面部の裏面に回転可能に密着させ
    る一方、前記リードリングと対向する下面にSTD用カ
    ム面,HS用第1カム面,HS用第2カム面,特殊再生
    用カム面を形成した円盤状カムと、前記リードリングの
    底面部の上面から突出して前記円盤状カムのSTD用カ
    ム面,HS用第1カム面に対して接離し且つ特殊再生用
    カム面に対して離間する第1カムフォロア部と、前記ド
    ラムベースの上面から突出して前記円盤状カムのSTD
    用カム面,HS用第2カム面に対して接離し且つ特殊再
    生用カム面に対して離間する第2カムフォロア部と、前
    記円盤状カムの回転駆動を行う第1駆動源とを備え、 前記第2ドラム傾斜角補正手段は、前記第1,第2圧縮
    バネとは前記ドラム軸を介して反対側となる前記ドラム
    ベースの180゜側又は0゜側に螺合して前記下ドラム
    の底面又は前記リードリングの底面に接離する第1ギア
    付きネジと、前記第1ギア付きネジと同じ側で前記リー
    ドリングに螺合して前記下ドラムの底面に接離する第2
    ギア付きネジと、前記第1,第2ギア付きネジの回転駆
    動を行う第2駆動源とを備えたことを特徴とする磁気記
    録再生装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気記録再生装置におい
    て、 前記標準(STD)モード時には、前記第1ギア付きネ
    ジを前記下ドラムの底面又は前記リードリングの底面か
    ら離間させ且つ前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの
    底面から離間させた状態で、前記円盤状カムを初期位置
    となるSTDモード位置まで回転して、前記第1〜第3
    圧縮バネの付勢力により前記リードリングの第1カムフ
    ォロア部及び前記ドラムベースの第2カムフォロア部を
    共に前記円盤状カムのSTD用カム面に当接させること
    で、前記リードリング上の回動支点及び前記ドラムベー
    ス上の回動支点を介して前記上下ドラムと前記リードリ
    ングとを前記ドラムベースに対して略平行な状態に保持
    し、 前記ハイスピード(HS)モード時には、前記第1ギア
    付きネジを前記下ドラムの底面又は前記リードリングの
    底面から離間させ且つ前記第2ギア付きネジを前記下ド
    ラムの底面から離間させた状態で、前記円盤状カムをH
    Sモード位置まで回転して、前記第1〜第3圧縮バネの
    付勢力により前記リードリングの第1カムフォロア部を
    前記円盤状カムのHS用第1カム面に当接させ且つ前記
    ドラムベースの第2カムフォロア部を前記円盤状カムの
    HS用第2カム面に当接させることで、前記上下ドラム
    と前記リードリングとを前記リードリング上の回動支点
    及び前記ドラムベース上の回動支点を中心にして0゜側
    にそれぞれ所定の角度傾け、 ディジタル記録した前記記録済み磁気テープをFF方向
    に特殊再生する時には、前記円盤状カムを特殊再生用モ
    ード位置まで回転して、前記リードリングの第1カムフ
    ォロア部及び前記ドラムベースの第2カムフォロア部を
    共に前記円盤状カムの特殊再生用カム面に当接させるこ
    となく対向させた状態で、前記第1ギア付きネジを前記
    下ドラムの底面又は前記リードリングの底面に当接させ
    ながらFF倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させ且つ
    前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの底面に当接させ
    ながらFF倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させて、
    前記上下ドラムと前記リードリングとを前記リードリン
    グ上の回動支点及び前記ドラムベース上の回動支点を中
    心にして180゜側にそれぞれ所定の角度傾け、 ディジタル記録した前記記録済み磁気テープをFB方向
    に特殊再生する時には、前記円盤状カムを特殊再生用モ
    ード位置まで回転して、前記リードリングの第1カムフ
    ォロア部及び前記ドラムベースの第2カムフォロア部を
    共に前記円盤状カムの特殊再生用カム面に当接させるこ
    となく対向させた状態で、前記第1ギア付きネジを前記
    下ドラムの底面又は前記リードリングの底面に当接させ
    ながらFB倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させ且つ
    前記第2ギア付きネジを前記下ドラムの底面に当接させ
    ながらFB倍速に応じてそれぞれ所定の量回転させて、
    前記上下ドラムと前記リードリングとを前記リードリン
    グ上の回動支点及び前記ドラムベース上の回動支点を中
    心にして0゜側にそれぞれ所定の角度傾けることを特徴
    とする磁気記録再生装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の磁気記録再生
    装置において、 前記回転ドラムの外周面に沿ってVHS規格に準拠した
    アナログ情報信号用の複数の回転磁気ヘッド対を取り付
    けたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230034705A1 (en) * 2021-07-28 2023-02-02 Kengo Tsubaki Liquid discharge head angle adjuster, liquid discharge module, and liquid discharge apparatus

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