JPH11339201A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH11339201A
JPH11339201A JP10143722A JP14372298A JPH11339201A JP H11339201 A JPH11339201 A JP H11339201A JP 10143722 A JP10143722 A JP 10143722A JP 14372298 A JP14372298 A JP 14372298A JP H11339201 A JPH11339201 A JP H11339201A
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JP
Japan
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recording
magnetic tape
signal
magnetic head
magnetic
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JP10143722A
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Inventor
Yoshio Mizuno
良夫 水野
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 往復記録再生のできるヘリカルスキャン型の
磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】 180度対向配置されたヘッドH1とヘッドH
2により、往路記録時に順次交互に形成される順次の記
録跡の相隣る記録跡間に、180度に対向配置されたヘッ
ドH3とヘッドH4により、復路記録動作時に往路記録時の
未記録領域部分だけに記録が行なわれるようにする。テ
ープ走行方向反転動作のために設定した所定時間長の反
転期間の入力情報信号におけるテープ上の順次の1記録
跡期間の信号を単位の情報信号としてメモリ40に記憶さ
せ、メモリから記憶時とは逆の配列順序で読出した情報
信号を、走行方向の反転後に記録動作が再開された時点
に、その時点に入力される単位の情報信号と、隣接配置
された2個の回転磁気ヘッドにより、同時に2本の記録
跡へ同時的に記録形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】磁気テープの走行方向の反転
動作時に、信号の欠落を生じさせない状態で往復記録再
生動作を行なうことができるヘリカル・スキャン型の磁
気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上ドラムと下ドラムとからなるドラムの
周面の一部へ巻回された状態の磁気テープを所定の走行
速度で走行させて、回転磁気ヘッドにより記録再生動作
が行なわれるようにされているヘリカル・スキャン型の
磁気記録再生装置はVTR(VCR)として従来から広
く使用されて来ている。そして、前記したヘリカル・ス
キャン型の磁気記録再生装置では、高密度記録を達成す
るための一手段として、互に逆のアジマス角度を有する
磁気空隙を備えている1対の回転磁気ヘッド、すなわ
ち、磁気空隙のアジマス角度が記録跡の幅方向に対して
時計まわりに90度以下の所定の角度に設定されている
磁気空隙を有する回転磁気ヘッドと、磁気空隙のアジマ
ス角度が記録跡の幅方向に対して反時計まわりに90度
以下の所定の角度に設定されている磁気空隙を有する回
転磁気ヘッドとからなる1対の回転磁気ヘッドを、18
0度対称の位置に設けられている上ドラムを所定の回転
数で回転させ、前記のドラムの周面の少なくとも一部へ
斜めに巻付けられた磁気テープの基準縁の位置が、下ド
ラムに設けられている案内部によって規制された状態で
所定の走行速度で走行する磁気テープを、前記の1対の
回転磁気ヘッドによって順次交互にヘリカルスキャンさ
せ、前記した1対の回転磁気ヘッドにおける各回転磁気
ヘッドの180度毎の回転と対応して、記録対象の信号
による順次の記録跡を、磁気テープ上に隣接した状態で
順次に記録形成させたり、記録跡中の記録情報を再生さ
せるようにしている。
【0003】前記のように、走行する磁気テープを回転
磁気ヘッドによりヘリカルスキャンして、磁気テープに
デジタルデータをアジマス記録,再生できるようにした
家庭用デジタルVTR(VCR)は、アナログ信号の記
録再生を行なうVHS(登録商標)方式の家庭用デジタ
ルVTR(VCR)として、世界的に広く実用されてい
る他に、磁気テープにデジタルデータをアジマス記録,
再生できるような家庭用デジタルVTR(VCR)につ
いても、世界各国の多数のVTR関連のメーカー、研究
所等が参加した「HDデジタルVCR協議会」における
協議の結果として定められたDVC規格には、離散コサ
イン変換(DCT)、適応量子化、可変長符号化等の諸
技術により画像情報の高能率圧縮を行ない、前記の高能
率圧縮された画像情報のデジタルデータ及び音響情報の
デジタルデータとを、SDモード信号やHDモード信号
として、磁気テープに記録し再生する際に適用されるべ
き高能率圧縮の態様、記録データの構成態様、所定のテ
ープパターン、磁気テープの物理特性、カセットの構成
態様、等が定められていて、それの実用化が進められて
いる。そして、前記したヘリカル・スキャン型の磁気記
録再生装置において、回転磁気ヘッドによって空間内に
描かれる回転磁気ヘッドの回転軌跡の位置は、回転磁気
ヘッドの回転軸の傾斜角が変化しないという状態の下に
おいては常に一定とされている。
【0004】ところで、オーディオ信号用の磁気記録再
生装置(テープレコーダ)では、従来から自動的に往復
記録再生動作を行なうためのオートリバース機構を備え
て構成されたものがあり、そのような構成の磁気記録再
生装置では、前記のオートリバース機能を利用して、通
常のカセットテープを所謂エンドレステープのような状
態で使用するというような使用態様で利用することもで
きた。そして、所謂エンドレステープのような状態で、
磁気テープを使用することができるVTRがあれば、そ
れを、例えば、防犯、監視、教育、宣伝等の目的のため
にも有効に使用できる。すなわち、1本の磁気テープを
往復させて連続的な記録再生動作を行なうことができる
ように構成したヘリカル走査型の磁気記録再生装置は、
例えば同一の内容を繰返し再生して利用されるプレゼン
テーション用、あるいは、常に最新情報を記録できるこ
とが望まれるセキュリティ用、その他、多くの利用態様
が考えられる。
【0005】しかし、ヘリカル・スキャン型の磁気記録
再生装置では、回転磁気ヘッドの回転軌跡に従って磁気
テープに形成される記録跡パターン(トラックパター
ン)が、ドラムの直径、回転磁気ヘッドの回転数、回転
磁気ヘッドの回転方向、磁気テープの走行速度、磁気テ
ープの走行方向、トラック角度、ヘッドトラック幅、磁
気テープの記録領域幅等の諸条件によって定まるから、
ヘリカル・スキャン型の磁気記録再生装置が磁気テープ
を順方向と逆方向との双方向に切換え走行させる場合に
は、回転磁気ヘッドの回転軌跡は磁気テープの走行方向
の変化により、それぞれ異なるものになる(図11参
照)。それで、通常構成のヘリカル・スキャン型の磁気
記録再生装置を、往復記録再生動作を行なうことができ
るヘリカル・スキャン型の磁気記録再生装置として構成
することは、オーディオ信号用のテープレコーダを往復
記録再生動作型として構成させる場合とは異なり簡単に
は実現できない。
【0006】すなわち、ヘリカル・スキャン型の磁気記
録再生装置によって記録再生動作を行なうために、磁気
テープを順方向と逆方向とに走行方向を切換えて走行さ
せた場合に、磁気テープが順方向に走行する際に回転磁
気ヘッドによって磁気テープに記録形成される記録跡
と、磁気テープが逆方向に走行する際に回転磁気ヘッド
によって磁気テープに記録形成される記録跡とは交叉し
ている状態(図11参照)になるから、再生動作が行な
われた場合における回転磁気ヘッドからは、記録跡中に
記録されている記録信号を正確に再生できないことは明
らかである。特に、ヘリカル・スキャン型のデジタル磁
気記録再生装置では、誤り訂正可能なレベルの信号とし
て再生されることが必要とされるので、前記の点は往復
記録再生動作を行なうヘリカル・スキャン型のデジタル
磁気記録再生装置の構成上で、大きな支障となる。
【0007】ところで、従来の一般的なヘリカルスキャ
ン型の磁気記録再生装置によって、長時間にわたる記録
動作を続行する際には、通常、1本の磁気テープに対す
る記録動作が、磁気テープの巻始め端部から巻終り端部
にまで行なわれて、その磁気テープに対する記録動作が
終了する度毎に、次々に別の磁気テープ、テープカセッ
ト等を磁気記録再生装置に装着して記録動作を続行させ
るようにしたり、あるいは巻始め端から巻終わり端まで
に記録され終った磁気テープを巻始め端まで巻戻し、改
めてその磁気テープの巻始め端から記録動作を続行させ
るようにするなどの煩雑な作業を行なうことが必要とさ
れる。
【0008】それで、前記のような煩雑な作業を行なわ
ないでも往復記録再生動作ができるヘリカルスキャン型
の磁気記録再生装置として、従来、例えばフイリップ
ス社のV2000方式のヘリカルスキャン型の磁気記録
再生装置のように、磁気テープの記録領域をテープ幅の
方向に上下2段に分割して、前記の分割された2つの記
録領域に対する信号の記録動作が、時間軸上で直列的に
行なわれるように構成したもの、特開昭50ー853
16号公報に開示されているヘリカル・スキャン型の磁
気記録再生装置のように、往復記録のために往復走行さ
れる磁気テープにおける往路と復路とのそれぞれにおい
て、回転磁気ヘッドの回転軌跡と対応して磁気テープに
記録形成される記録跡が、走行する磁気テープ上に櫛目
状に形成されるように構成したもの、その他多くの提案
が行なわれて来た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヘリカル・
スキャン型の磁気記録再生装置によって往復記録動作が
行なわれる場合における磁気テープは、往路記録時には
キャプスタン制御系の制御の下に、順方向(正方向)に
所定の走行速度で走行している状態にされ、また復路記
録時にはキャプスタン制御系の制御の下に、逆方向に走
行方向が変更(走行方向が反転)された後に、逆方向に
所定の走行速度で走行している状態にされる、というよ
うに、往路記録時と復路記録時とにおける磁気テープの
走行方向は、順方向と逆方向とに順次交互に変更(反
転)されている。
【0010】そして、前記した往復記録動作時における
磁気テープの走行方向の反転動作は、まず、磁気テープ
から走行方向の反転位置情報が検出されることにより、
キャプスタン制御系の動作によって、磁気テープの走行
が停止された後に、磁気テープの走行方向を反転させ、
それまでの走行方向とは反対の走向方向に走行させる。
前記した往復記録動作と復路記録動作との変更に際して
行なわれる磁気テープの走行方向の反転動作が、瞬時に
行なわれるとともに、走行方向が反転されても磁気テー
プが常に所定の走行速度で走行している状態になってい
れば、往復記録動作が行なわれた場合においても、記録
の対象にされている信号に欠落が生じない状態で磁気テ
ープに記録できる。
【0011】しかしながら、磁気テープの走行動作に
使用されるキャプスタン制御系中に設けられているキャ
プスタンモータ等の機械的な構成部分の動作には、機械
的な構成部分の慣性のために動作に時間遅れを伴うため
に、前記した磁気テープの走行方向の反転動作には例え
ば0.5秒程度の時間が必要とされる。また、前記し
た磁気テープの走行方向が変更されても、回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡と磁気テープの基準縁とのなす角度が、所
定の同一角度となるように制御するために用いられる機
構部の動作のためにも、例えば0.5秒程度の時間が必
要とされる。そして、前記した,の制御動作が同時
的に行なわれたとしても、磁気テープが特定な一方の方
向での走行状態における記録動作の時点から、磁気テー
プが前記の特定な一方の方向とは逆の走行方向での走行
状態に変更されて記録動作が開始される時点までの時間
は、0.5秒から1秒程度の時間がかかる。
【0012】前記した時間には磁気テープに対する記録
信号の記録が不可能であるために、前記した磁気テープ
の走行方向の反転動作に伴って必要とされる期間中に
は、記録信号が欠落することになる。前記の問題の解決
手段として、特開平9ー63153号公報には、往復記
録動作を行なうように構成されたヘリカル・スキャン型
の磁気記録再生装置において、磁気テープの走行方向の
反転期間にも、磁気テープに対して記録信号が欠落しな
い状態で記録できるようにした技術事項が開示されてい
るが、この公開公報に開示されている技術手段は、往復
記録時の磁気テープの走行方向の反転動作期間中におけ
る信号記録が不能な期間の信号をメモリを経由して記録
再生するのに、入力データの一定区切りの信号を時間軸
圧縮して記録再生し、その間で磁気テープの走行方向の
反転動作を完了して連続して記録動作が続行できるよう
にしたものである。しかし、前記のような解決手段を実
施するためには、信号の時間軸圧縮伸張を行なうための
回路構成が複雑となり、また、記録信号の周波数帯域も
広帯域化するという点が問題になる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上ドラムと下ド
ラムとの周面の一部に巻回された状態で順方向に走行す
る磁気テープに、上ドラムの中心軸を対称中心とする1
80度対称の位置に配置された回転磁気ヘッドによって
磁気テープに順次交互に記録形成される順次の平行な記
録跡における相隣る記録跡間に未記録領域を形成させ、
また、前記の磁気テープを逆方向に走行させた状態のと
きに、前記した未記録領域に前記の回転磁気ヘッドによ
り順次の記録跡を順次交互に形成させうるような同一の
所定の走行速度で、磁気テープを順方向と逆方向とに切
換え走行させて、磁気テープの所定の区間に往復記録再
生を行なうことができるようにしたヘリカル型磁気記録
再生装置において、第1のアジマス角度の磁気空隙を備
えている第1の回転磁気ヘッドと、前記した第1の回転
磁気ヘッドと同一のアジマス角度の磁気空隙を有する第
2の回転磁気ヘッドとを、上ドラムに同一の取付け高さ
でドラムの中心軸を対称中心とする180度対称の位置
に配設し、また、第2のアジマス角度を備えている第3
の回転磁気ヘッドを、前記した第1の回転磁気ヘッドと
ドラムの円周方向について所定の微小間隔を隔てた位置
に、前記した第1の回転磁気ヘッドの取付け高さに対し
て、記録済み磁気テープにおける隣接する記録跡の間隔
と対応する高さの差を有するような取付け高さで設ける
とともに、前記の第3の回転磁気ヘッドに対して、ドラ
ムの中心軸を対称中心とする180度対称の位置に、前
記した第3の回転磁気ヘッドと同一のアジマス角度の磁
気空隙を備えている第4の回転磁気ヘッドを前記した第
3の回転磁気ヘッドと同一の取付け高さで設けてなる上
ドラムを、予め定められた特定な回転方向だけに特定な
回転数で回転させる手段と、前記した各回転磁気ヘッド
の回転軌跡と磁気テープの基準縁とのなす角度が、磁気
テープの走行方向が順方向でも逆方向でも、所定の同一
角度となるように制御する手段と、磁気テープが特定な
一方向に走行している状態において、第1(または第
3)の回転磁気ヘッドと第2(または第4)の回転磁気
ヘッドとによって、磁気テープに順次に記録形成される
相隣る記録跡間に、少なくとも1記録跡幅の未記録領域
が形成されるような所定の走行速度で走行させるととも
に、磁気テープが前記した特定な一方向とは逆の方向に
前記した所定の走行速度で走行している状態において
は、磁気テープが前記した特定な一方向に走行している
状態で、第1(または第3)の回転磁気ヘッドと第2
(または第4)の回転磁気ヘッドとにより順次に記録形
成された相隣る記録跡間に形成された少なくとも1記録
跡幅の未記録領域の位置に、第3(または第1)の回転
磁気ヘッドと第4(または第2)の回転磁気ヘッドとに
よって、順次の記録跡が形成されるような所定の走行速
度と走行位相で磁気テープを走行させる手段と、前記し
た特定な一方向での走行状態から前記の特定な一方向と
は逆方向での走行状態へ磁気テープの走行方向を反転さ
せる磁気テープ走行方向の反転動作のために予め設定し
た所定の時間長の反転期間の開始時に、磁気テープを前
記した特定な一方向へ、前記した所定の走行速度よりも
高速に予め定められた距離だけ移動させた後に停止させ
る手段と、磁気テープ上の1記録跡期間と対応する時間
長の信号を単位の情報信号としたときに、前記した反転
期間の開始時から前記した反転期間内の所定の期間中に
おける時間軸上に直列的に並んでいる順次の単位の情報
信号をメモリに記憶させる手段と、前記した反転期間内
で走行方向が反転した後に磁気テープが所定の走行速度
に達して記録動作を再開できる時点に、前記したメモり
に順次に記憶させておいた単位の情報信号を、記憶時の
時間軸上での配列順序とは逆の順序に読出す手段と、メ
モリから順次の単位の情報信号が読出される期間に、前
記のメモリから読出された順次の単位の情報信号と、前
記の期間に新たに入力される単位の情報信号とを、前記
した第1の回転磁気ヘッドと第3の回転磁気ヘッド(ま
たは第2の回転磁気ヘッドと第4の回転磁気ヘッド)と
によって2本の記録跡を同時的に磁気テープへ記録形成
させる手段と、テープ反転期間内における記録動作の再
開の時点から所定の時間の経過後に前記の信号切換手段
によって、入力情報信号が記録信号として使用されるよ
うにする手段とを備えてなる磁気記録再生装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1は本発明の磁気記録再
生装置の一例の概略構成を示すブロック図である。図1
に示す磁気記録再生装置において、1は記録の対象にさ
れている画像信号及び音響信号等の記録対象信号の入力
端子である。また、3は記録系及び再生系の信号処理部
であり、この記録系及び再生系の信号処理部3には、テ
ープ走行方向反転期間の信号処理部37と、記録再生信
号処理部45とを備えている。前記の記録系及び再生系
の信号処理部3におけるテープ走行方向反転期間の信号
処理部37としては、例えば、図1中に示されているよ
うに録再切換スイッチ38と、タイミング信号発生器3
9と、メモリ40と、信号経路の切換スイッチ42,4
3と、再生信号選択スイッチ44とを備えて構成されて
いるものが使用されてもよい。
【0015】テープ走行方向反転期間の信号処理部37
は、磁気記録再生装置が往復記録動作を行なう際に、主
制御部(システムコントロール)5から供給される制御
信号に基づいて、タイミング信号発生器39から発生さ
れる切換制御信号を、録再切換スイッチ38と、信号経
路の切換スイッチ42,43と、再生信号選択スイッチ
44とに供給し、また、タイミング信号発生器39から
発生されるメモリの書込み,読出しのタイミング信号を
メモリ40に供給する。それによりテープの走行方向反
転期間の信号処理部37では、磁気テープの走行方向が
順方向から逆方向に変更されたり、磁気テープの走行方
向が逆方向から順方向に変更されたりする際に、予め設
定されたテープ走行方向反転期間中に、後述のような信
号処理動作を行なって、磁気テープに記録される記録信
号に信号欠落が生じないようにする。
【0016】また、前記した記録系及び再生系の信号処
理部3における記録再生信号処理部45は、回転磁気ヘ
ッドHによって磁気テープTに記録させる記録信号がア
ナログ信号の場合には、例えば周波数被変調波信号のア
ナログ信号形態の記録信号を発生させて出力し、また、
回転磁気ヘッドによって磁気テープに記録する記録信号
がデシタル信号の場合には、記録動作時に前記の入力端
子1に供給された記録対象信号をデジタル信号に変換し
た後に、DCTブロックの形成、DCT演算処理、量子
化及び可変長符号化、誤り訂正符号の付加、その他必要
な各種の信号処理を行なって、磁気テープTにおける1
本毎の記録跡に、インサート情報領域、音声信号領域、
映像信号領域、サブコード領域等の各領域に分割された
状態の信号フォーマットの記録データとして、それを記
録信号として出力する。前記の記録信号はヘッド切換ス
イッチ(HSW)41を介して、動作態様に対応して選
択された所定の回転磁気ヘッドに供給される。前記した
ヘッド切換スイッチ(HSW)41は、それの制御端子
41aに対してタイミング信号発生器39から供給され
るヘッド切換制御信号により、所定の回転磁気ヘッドと
記録再生信号処理部45とが接続されるような選択切換
動作を行なう。
【0017】主制御部(システムコントローラ)5は、
例えばマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ
(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)などを含
んで構成されているものを使用できる。そして、この主
制御部5は図示されていない操作部からの入力情報に従
って、磁気記録再生装置の各構成部分、例えば、ドラム
回転制御部6、磁気テープの走行速度及び走行位相の制
御系(キャプスタン制御系)32、ドラム傾斜制御部8
などに制御信号を供給して、前記した各構成部分の動作
の制御を行なう。また、この主制御部(システムコント
ローラ)5は、1回目の往路録動作時に、磁気テープの
走行方向の反転信号を、磁気テープTに記録させる。
【0018】前記の磁気テープの走行方向の反転信号と
しては、図1中に例示されているコントロールヘッド4
によって、磁気テープTのコントロールトラックに記録
されるコントロール信号CTLのパルス幅(またはデュ
ーティサイクル)を、図7中のCTLa,CTLbのよ
うに、他のコントロール信号CTLとは異ならせたもの
が用いられてもよい。なお、前記の例のように、固定の
コントロールヘッド4用いずに、回転磁気ヘッドによっ
て記録形成される記録跡中に、磁気テープの走行方向の
反転信号が記録されるようにしてもよい。
【0019】ドラム回転制御部6は、ドラムモータ7の
回転軸に取付けられている信号発生器11におけるドラ
ム周波数発電機で発生されたドラム回転信号DFGと、
ドラム回転位相信号発生器で発生されたドラム回転位相
信号DPGとによって、往路記録時と復路記録時との双
方とも、回転磁気ヘッド(上ドラム)を所定の回転数と
回転位相で矢印a方向(図2)に回転させるように制御す
る。また、キャプスタン制御系32は、往,復記録に応
じて、それぞれ所定の走行方向に所定のテープ走行速度
で磁気テープを走行させるように動作する。
【0020】また、主制御部5から制御信号が供給され
るドラム傾斜制御部(ドラムの傾斜制御機構部)8は、
順方向(例えば図1中に示してある矢印b方向)あるい
は逆方向(例えば図1中に示してある矢印−b方向)に
所定の磁気テープ走行速度で走行している磁気テープ
に、回転磁気ヘッドHの回転軌跡と、磁気テープの基準
縁とのなす角度が、磁気テープに記録形成される記録跡
の基準のトラック角と同一となるように、ドラム傾斜制
御部(ドラムの傾斜制御機構部)8の動作によってドラ
ムの中心角を傾斜させるようにする。
【0021】再生動作時に回転磁気ヘッドHによって再
生された再生信号は、制御端子41aに対してタイミン
グ信号発生器39から供給されるヘッド切換制御信号に
よって、所定の回転磁気ヘッドと記録再生信号処理部4
5とを接続させるような選択切換動作を行なうヘッド切
換スイッチ(HSW)41を介して、記録系及び再生系
の信号処理部3に与えられる。回転磁気ヘッドHから再
生された再生信号がアナログ信号の場合には、前記の記
録系及び再生系の信号処理部3に設けられている記録再
生信号処理部45において復調動作、その他所定の信号
処理が施された後に、再生信号を再生信号選択切換スイ
ッチ44の固定接点Paと同可動接点vとを介して出力
端子2に送出されたり、あるいは録再切換スイッチ38
の固定接点P→同可動接点v→信号経路の切換スイッチ
42の固定接点T1→同可動接点v1→録再切換スイッチ
43の可動接点v1→同固定接点P1→再生信号選択切換
スイッチ44の固定接点Pbと同可動接点vとを介して
出力端子2に送出されたりする。前記した再生信号選択
切換スイッチ44の切換制御信号は主制御部5から再生
信号選択切換スイッチ44に供給されるようにしてもよ
い。
【0022】また、回転磁気ヘッドHによって再生され
た再生信号がデジタル信号の場合には、前記の記録系及
び再生系の信号処理部3に設けられている記録再生信号
処理部45において、前記の再生信号が波形等価回路で
波形等化された後に、符号検出回路とフェーズロックド
ループ(PLL)とを経てデジタルデータがメモリに格
納される。前記のデジタルメモリのデジタルデータは、
主制御部5から供給される読出し許可信号タイミングで
読出された後に、時間軸上で直列に並ぶようなビットス
トリームとされて、誤り訂正回路において誤り訂正の信
号処理が行なわれる。次いで可変長復号部により可変長
符号の復号が行なわれて出力されたデジタルデータは、
逆DCT回路で逆DCTが行なわれてフレームメモリに
格納され、前記のフレームメモリから読出されたデジタ
ルデータは、再生信号選択切換スイッチ44の固定接点
Paと同可動接点vとを介して出力端子2に送出された
り、あるいは録再切換スイッチ38の固定接点P→同可
動接点v→信号経路の切換スイッチ42の固定接点T1→
同可動接点v1→録再切換スイッチ43の可動接点v1→
同固定接点P1→再生信号選択切換スイッチ44の固定
接点Pbと同可動接点vとを介して出力端子2に送出さ
れたりする。
【0023】磁気テープの走行速度及び走行位相の制御
系(キャプスタン制御系)32の分周器(分周回路)3
3は、磁気記録再生装置が往復記録再生動作を行なうと
きに、磁気テープTが所定の走行速度で走行する状態に
なるように、キャプスタン30を回転駆動するキャプス
タンモータ9の回転軸に取付けられている周波数発電機
10の出力信号CAPFGを分周して、それを周波数ー
電圧変換器34に供給する。この際に、前記した磁気テ
ープの所定の走行速度とは、図2に示した回転磁気ヘッ
ドH1,H2,H3,H4によって、後述する図5に示
した記録跡パターンを形成できる走行速度である。
【0024】前記した周波数ー電圧変換器34からの出
力信号は速度制御信号であり、前記の速度制御信号には
加算回路35で主制御部5から供給されるトラッキング
制御信号が加算されて駆動回路36に供給されて、前記
した駆動回路36からの出力信号がキャプスタンモータ
9に供給される。それにより、キャプスタン30とピン
チローラ31とによって挟着されている磁気テープT
を、所定の走行速度及び走行位相で走行する状態に制御
する。また、後述されているテープ方向反転期間の開始
時に、磁気テープの走行速度を前記した所定の走行速度
よりも高速(例えば前記した所定の走行速度の2倍以
上)にするための制御信号が、主制御部5から前記した
加算回路35に供給されて、テープ方向反転期間の開始
時には磁気テープの走行速度が、所定の走行速度よりも
高速とされる。
【0025】回転磁気ヘッドHの回転軌跡は、磁気テー
プTに図5(図7,図9)に示されているような記録跡
パターンを形成させることができる。図5(図9,図
7)中で、A1,A2(C1,C2)…、B1,B2
(C1,C2)…は、磁気空隙のアジマス角度の異なる
回転磁気ヘッドによって磁気テープに順次に記録形成さ
れた記録跡を示している(なお、前記のA1,A2…、
B1,B2…、C1,C2…は、後述の記載中では、前
記した各記録跡に記録された記録信号を示すものとして
も使用されている)。
【0026】既述のように、磁気テープTが順方向に走
行している状態における回転磁気ヘッドHの回転軌跡
と、磁気テープが逆方向に走行している状態における回
転磁気ヘッドHの回転軌跡とは、図11中に例示されて
いるように全く相違しているから、このままでは往復記
録再生動作を良好に行なうことができない。そのため
に、磁気テープTが順方向に走行している状態における
回転磁気ヘッドHの回転軌跡と磁気テープの基準縁との
なす角度と、磁気テープが逆方向に走行している状態に
おける回転磁気ヘッドHの回転軌跡と磁気テープの基準
縁とのなす角度とが、磁気テープTの走行方向が順方向
の場合でも、あるいは逆方向の場合でも、常に、所定の
トラック角度に一致するように制御されていなければな
らない。
【0027】前記のように磁気テープTの走行方向の変
更によっても、回転磁気ヘッドHの回転軌跡と磁気テー
プの基準縁とのなす角度を、常に、所定のトラック角度
に一致させるようための制御動作を行なう構成部分は、
図1中の主制御部(システムコントローラ)5とドラム
傾斜制御部8、及び図3中のシステムコントローラ5と
ドラム傾斜制御部8と傾斜補正機構部分ならびに図4に
示す機構部分とによって例示されている。まず図3を参
照して、回転磁気ヘッドによって磁気テープTに描かれ
る回転軌跡を、磁気テープTの基準縁Teに対して、任
意所定の角度となるように制御したり、リードリングL
rの位置規制面Gを、走行する磁気テープTの移動軌跡
と一致させたりする傾斜補正機構部分の構成原理及び動
作原理の概略について説明する。
【0028】図3において、DBはドラムベースであ
り、上ドラムDuと下ドラムDdとリードリングLrと
からなるドラム構体DAは、前記のドラムベースDBに
よって支持されている。上ドラムDuは、ドラム構体D
Aの中心軸12に装着されているベアリング軸受け(図
示しない)によって、ドラム構体DAの中心軸に対して
回転自在に支持されており、また下ドラムDdは前記の
ドラム構体DAの中心軸に固着されている。また磁気テ
ープTの基準縁Te(図1参照)の案内部として機能す
るリードリングLrは、前記した下ドラムDdとは別体
に構成されていて、下ドラムDdの下方の外周部13に
近接し、リードリングLrの内周に設けられたナイフエ
ッジE(図4参照)によって下ドラムDdの下方突出部
と同軸嵌合(図示しない)している。
【0029】ドラム傾斜制御部8は、図3(具体的な構
成の分解斜視図を図4に示す)中に例示してあるよう
に、動力源とされる傾斜駆動モータ(図3中のDDモー
タ)14と、複数の歯車よりなる減速機構15,16、
ロータリエンコーダ17、位置検出器(プリセットセン
サ)18等を含んで構成されている。なお、図3中に示
してある前記の傾斜駆動モータ14は、モータ駆動制御
回路も含んでいるものとされている。前記した位置検出
器18としては、例えば、発光素子と受光素子とが対向
して配置されている光路中に、円弧状の遮光板を移動さ
せるような構成態様のものが用いられてもよい。前記の
位置検出器18は、それの発光素子と受光素子とが対向
して配置されている光路中から円弧状の遮光板が外れる
瞬間に位置検出器18から出力される信号が、前記した
ドラム構体DAの中心軸12の基準位置やリードリング
Lrの基準位置を示す情報として用いられる。
【0030】また、前記した位置検出器18における遮
光板の基準位置からの回動量を、前記したロータリエン
コーダ17からの出力パルス数の計測によって知ること
により、ドラム構体DAの中心軸12の基準位置からの
ずれの方向及びずれ量やリードリングLrの基準位置か
らのずれの方向及びずれ量を求めることができる。磁気
テープTの走行方向、及び走行速度が各種の動作モード
に対応して、磁気記録再生装置の主制御部(システムコ
ントローラ)5に設定されるのに応じて、前記の主制御
部5から制御情報が与えられたドラム傾斜制御部8は、
ドラム構体DAにおける上ドラムDuと下ドラムDdと
リードリングLrとからなるドラム構体DAの中心軸1
2を、図3中の矢印12a(または12b)の方向に、
それぞれ所定量だけ傾斜させるように、前記したねじ2
6,28を進退させるような制御動作を行なう。
【0031】また、リードリングLrも、前記したドラ
ム傾斜制御部8の制御の下に所定の方向に所定量だけ傾
斜させ、それにより、磁気テープの走行方向が正,逆ど
ちらの方向とされた場合でも、回転磁気ヘッドの回転軌
跡によって磁気テープTに描かれる回転軌跡のパターン
が、定められたトラック角度となる状態、すなわち傾斜
補正された状態にされるとともに、磁気テープの基準縁
Teの移動軌跡にリードリングの案内部G(位置規制
面)が一致する状態にされる。
【0032】まず、磁気テープTを順方向(図1中の矢
印b方向)に、通常の記録再生動作時の所定の走行速度
で走行させた状態において、予め定められた特定な回転
方向(図2中の矢印a方向)に所定の回転数で駆動回転
されている回転磁気ヘッドにより、磁気テープTに順次
交互に記録形成させる場合における下ドラムDdは、そ
れの底面部がドラムベースDBに突設してある4個の回
動支点(図4中の回動支点20,20,21,21を参
照のこと)によって支持される状態にされる。また、リ
ードリングLrは、リードリングLrに突設してある4
個の回動支点(図4中の回動支点22,22,23,2
3を参照のこと)によって支持される状態にされる。前
記したリードリングLrとドラムベースDBとの間及び
下ドラムDdとドラムベースDBとの間には、それぞれ
ばね(図3,図4中のばね19,24、25)が装着さ
れていて、前記の各部が相互に所定の連結状態となるよ
うにされる。
【0033】例えば、記録動作時における磁気テープの
走行方向と同一の走行方向で、早送り再生(FF)が行
なわれる場合には、ねじ26が下ドラムDdの底面を押
上げるように駆動されるとともに、ねじ28が下ドラム
Ddの底面から離れる方向に駆動されて、ドラムベース
DBに突設してある4個の回動支点の内の2個の回動支
点(回動支点20,20)が、下ドラムDdの底面と接
し、前記の2個の回動支点を回動支点として、上ドラム
Duと下ドラムDdとの中心軸が図3中の矢印12aの
方向に回動するようにされる。また、磁気テープの走行
方向を逆にして記録再生が行なわれる場合には、ねじ2
8が下ドラムDdの底面を押上げるように駆動されると
ともに、ねじ26が下ドラムDdの底面から離れる方向
に駆動されて、ドラムベースDBに突設してある4個の
回動支点の内の2個の回動支点(回動支点21,21)
が、下ドラムDdの底面と接し、前記の2個の回動支点
を回動支点として、上ドラムDuと下ドラムDdとの中
心軸が図3中の矢印12bの方向に回動するようにされ
る。
【0034】そして、前記したねじ26,28に対する
前記のような駆動々作は、駆動機構の動作によって行な
われる。前記の駆動機構は、図4の分解斜視図中に示さ
れているような動力源とされるモータ14、複数の歯車
よりなる減速機構、位置検出器18、ロータリエンコー
ダ17などを備えて構成されている。前記した磁気テー
プTの走行方向、及び走行速度が各種の動作モードに対
応して、磁気記録再生装置に設けられている主制御部5
に設定されるのに応じて、前記の主制御部5から制御情
報が与えられたドラム傾斜制御部8は、ドラム構体DA
における上ドラムDuと下ドラムDd(図3参照)とリ
ードリングLrとからなるドラム構体DAの中心軸を、
図3中の矢印12a(または12b)の方向に、それぞ
れ所定量だけ傾斜させるように、前記の駆動機構を制御
して前記したねじ26,28を進退させる。
【0035】また、例えば記録動作時における磁気テー
プの走行方向と同一の走行方向での早送り再生(FF)
が行なわれる場合には、リードリングLrに突設してあ
る4個の回動支点の内の2個の回動支点(回動支点2
2,22)が、下ドラムDdの底面と接し、前記の2個
の回動支点を回動支点として、リードリングLrの中心
軸が図3中の矢印12aの方向に所定量だけ回動された
状態となるように、リードリングLrに螺入されている
とともに、先端部が下ドラムDdの底面にそれぞれ当接
する状態として設けられている2つのねじ27,29を
互いに逆回転させる。
【0036】さらに、磁気テープの走行方向を逆にし
て、記録再生が行なわれる場合には、リードリングLr
に突設してある4個の回動支点の内の2個の回動支点
(回動支点23,23)が、下ドラムDdの底面と接
し、前記の2個の回動支点を回動支点として、リードリ
ングLrの中心軸が図3中の矢印12bの方向に所定量
だけ回動された状態となるように、リードリングLrに
螺入されているとともに、先端部が下ドラムDdの底面
にそれぞれ当接する状態として設けられている2つのね
じ27,29を前記したFF時とは逆に回転させる。
【0037】前記のねじ27,29に対する前記のよう
な駆動々作も、ドラム傾斜制御部の制御の下に動作する
前述の駆動機構の動作によって行なわれるのであり、磁
気テープTの走行方向、及び走行速度が各種の動作モー
ドに対応して、VTRに設けられている主制御部5に設
定されるのに応じて、前記の主制御部5から制御情報が
与えられたドラム傾斜制御部8が、リードリングLr
を、図3中の矢印12a(または12b)の方向に所定
量だけ傾斜させるように駆動機構を制御して、前記した
ねじ27,29を進退させる。前述の説明では動作の理
解を容易にするために、ねじ26,28の進退動作によ
るドラム構体の中心軸の傾斜動作と、ねじ27,29の
進退動作によるリードリングLrの中心軸の傾斜動作と
が、それぞれ独立して行なわれるかのような説明を行な
った。しかし、前記した各ねじ26〜29は、ねじ26
とねじ27とは共通の動力伝達機構によって同時に駆動
回転され、また、ねじ28とねじ29とは共通の動力伝
達機構によって同時に駆動回転されるように構成されて
いるから、ねじ29,28の進退動作によるドラム構体
の中心軸の傾斜動作と、ねじ27,29の進退動作によ
るリードリングLrの中心軸の傾斜動作とは同時的に行
なわれてもよい。
【0038】図3,図4を参照して説明した磁気記録再
生装置では、磁気テープに形成されている記録跡に対し
て回転磁気ヘッドの回転軌跡面が一致する状態になると
予定された角度だけ前記した上,下ドラムと回転磁気ヘ
ッドとの中心軸を傾斜させる第1の傾斜駆動手段と、前
記した上,下ドラムとは別体構成で、かつ、前記した下
ドラムの下部に構成させた小径部13(図4参照)の外周
面に接近した状態に配置させた、磁気テープの基準縁の
位置の規制面Gを備えている磁気テープの位置規制用案
内部材(リードリング)Lrと、前記の磁気テープの位置
規制用案内部材を磁気テープの基準縁位置に一致させる
ように傾斜させる第2の傾斜駆動手段とによって、上,
下ドラムと、磁気テープの基準縁の位置規制面Gを備え
ているリードリングLrとを、各種の動作モードに応じ
て、それぞれ所要のように傾斜させることにより、磁気
テープに形成されている記録跡に対して回転磁気ヘッド
の回転軌跡が一致した状態にさせるとともに、前記のリ
ードリングLrの位置規制面Gによって磁気テープTの
基準縁Teの案内を良好に行なうことができる。
【0039】それで、磁気記録再生装置が往復記録再生
動作を行なう場合に、主制御部5からドラム傾斜制御部
8に対して所定の制御信号が供給されることにより、ド
ラム傾斜制御部8は、磁気テープが順方向に走行してい
る場合でも、あるいは磁気テープが逆方向に走行してい
る場合でも、常に、回転磁気ヘッドの回転軌跡と磁気テ
ープの基準縁とのなす角度が、基準のトラック角度に一
致させるようにすることができる。磁気テープが順方向
に走行している場合でも、あるいは磁気テープが逆方向
に走行している場合でも、常に、回転磁気ヘッドの回転
軌跡と磁気テープの基準縁とのなす角度が、基準のトラ
ック角度に一致させるようにすることができる。なお、
磁気テープが順方向に走行している場合でも、あるいは
磁気テープが逆方向に走行している場合でも、常に、回
転磁気ヘッドの回転軌跡と磁気テープの基準縁とのなす
角度を、基準のトラック角度に一致させるようにするの
に、各回転磁気ヘッドごとに、電気―機械変換素子によ
るカクチュエータ[たとえば、ボイスコイルモータのよ
うな導電型のアクチュエータ、電歪型のアクチュエータ
(バイモルフ型、積層型の電歪素子を用いて構成したア
クチュエータ)、電磁型のアクチュエータ]がに使用さ
れてもよい。
【0040】次に、図2は、本発明の磁気記録再生装置
において使用できる回転磁気ヘッドH1〜H4の配置態
様を例示している図であって、図2においてH1はアジ
マス角度が記録跡の幅方向に対して時計まわりに90度
以下の所定の角度を有する磁気空隙を備えている第1の
回転磁気ヘッドである。H2は前記した第1の回転磁気
ヘッドH1と同一のアジマス角度の磁気空隙を有する第
2の回転磁気ヘッド2であり、前記した第1,第2の回
転磁気ヘッドH1,H2とは、上ドラムに同一の取付け
高さで、ドラムの中心軸を対称中心とする180度対称
の位置に配設されている。
【0041】また、H3はアジマス角度が記録跡の幅方
向に対して反時計まわりに90度以下の所定の角度に設
定されている磁気空隙を備えている第3の回転磁気ヘッ
ドであり、この第3の磁気ヘッドH3は、前記した第1
の回転磁気ヘッドH1と上ドラムDuの円周方向につい
て所定の微小間隔を隔てた位置に、前記した第1の回転
磁気ヘッドH1の取付け高さに対して、記録済み磁気テ
ープにおける隣接する記録跡の間隔(1記録跡間隔…1
トラックピッチTp)と対応する高さの差を有するよう
な取付け高さで設けられている。前記の第3の回転磁気
ヘッドH3に対してドラムの中心軸を対称中心とする1
80度対称の位置には、前記した第3の回転磁気ヘッド
H3と同一のアジマス角度の磁気空隙を備えている第4
の回転磁気ヘッドH4が、前記した第3の回転磁気ヘッ
ドH3と同一の取付け高さで設けられる。
【0042】さて、本発明の磁気記録再生装置が、図2
に例示されているような配置態様の回転磁気ヘッドを使
用して、往路記録(再生)動作を行なう場合に、キャプ
スタン制御系は、主制御部5からの制御信号によって、
磁気テープTが往復記録(再生)動作時における所定の
走行速度[上ドラムDuの180度対称の位置に設けら
れている2個の回転磁気ヘッド(例えば2個の回転磁気
ヘッドH1,H2)だけを使用して、密接記録された状
態のトラックパターンが形成されるようにするときの磁
気テープの走行速度の2倍の走行速度]で、順方向(図
中の矢印b方向)に走行する状態となるようにさせる制
御動作を行なう。
【0043】また主制御部5は、ドラム傾斜制御部8に
対して往路記録(再生)動作に必要な所要の制御信号を
与える。それによりドラム傾斜制御部8は、順方向に所
定の走行速度で走行する磁気テープTの基準縁Teと、
回転磁気ヘッドの回転軌跡とのなす角度が、所定のトラ
ック角度となるように回転磁気ヘッドの回転軌跡の位置
を制御する。そして、本発明の磁気記録再生装置では、
往路記録(再生)動作に際して、磁気テープTが往路記
録(再生)動作時における所定の走行速度での順方向の
走行状態から、復路記録(再生)動作時における所定の
走行速度での逆方向の走行状態に変更されるべく、走行
方向が反転される時点を含む所定の期間が、テープ走行
方向反転期間として設定してある。
【0044】前記のテープ走行方向反転期間では、テー
プ走行方向反転期間の開始時に、磁気テープが前記した
所定の走行速度の2倍の走行速度で所定の距離だけ走行
した後に停止され、それからそれまでの走行方向とは逆
の方向に所定の走行速度で走行が開始されるようにされ
ている。また前記のテープ走行方向反転期間内におい
て、第1〜第4の回転磁気ヘッドH1〜H4を使用して
行なわれる後述のような記録再生動作は、テープ走行方
向反転期間以外の期間において、第1〜第4の回転磁気
ヘッドH1〜H4を使用して行なわれる記録再生動作と
は異なっている。
【0045】まず、本発明の磁気記録再生装置の往路記
録(再生)動作において、テープ走行方向反転期間以外
の期間における記録再生動作時には、例えば第1の回転
磁気ヘッドH1と、第2の回転磁気ヘッドH2との1対
の回転磁気ヘッドが、往路記録(再生)動作時に使用さ
れたときには、復路記録(再生)動作時には、第3の回
転磁気ヘッドH3と、第4の回転磁気ヘッドH4との1
対の回転磁気ヘッドが使用され、前記とは逆に、往路記
録動作時に使用される1対の回転磁気ヘッドが、第3の
回転磁気ヘッドH3と、第4の回転磁気ヘッドH4との
2個の回転磁気ヘッドであった場合には、復路記録動作
時に使用される1対の回転磁気ヘッドは、第1の回転磁
気ヘッドH1と、第2の回転磁気ヘッドH2との2個の
回転磁気ヘッドである。
【0046】以下の記述では、往路記録(再生)動作に
おいて、テープ走行方向反転期間以外の期間における記
録再生動作時に使用される1対の回転磁気ヘッドが、第
1の回転磁気ヘッドH1と、第2の回転磁気ヘッドH2
との2個の回転磁気ヘッドであり、また、復路記録動作
時に使用される1対の回転磁気ヘッドが、第3の回転磁
気ヘッドH3と、第4の回転磁気ヘッドH4との2個の
回転磁気ヘッドである場合を例に挙げて説明を行なって
いる。
【0047】ところで、本発明の磁気記録再生装置の往
路記録(再生)動作において、テープ走行方向反転期間
以外の期間におけるおける往復記録(再生)動作は、既
述したように、往路の記録(再生)動作時に第1の回転
磁気ヘッドH1と第2の回転磁気ヘッドH2とによっ
て、磁気テープTに記録形成される順次の記録跡A1,
A2,A3の内で、第1の回転磁気ヘッドH1によって
磁気テープTに記録される記録跡はA1→A3→であり
(図5中のA1,A3参照)、また、回転磁気ヘッドH
2によって磁気テープTに記録される記録跡はA2…で
あり(図5中のA2参照)、前記した第1の回転磁気ヘ
ッドH1によって磁気テープTに記録される記録跡A
1,A3…と、第2の回転磁気ヘッドH2によって磁気
テープTに記録される記録跡A2…とが順次交互に配列
されている記録跡における相隣る記録跡間には、それぞ
れ1記録跡幅の未記録領域が設けられた状態になってい
る。
【0048】また、復路の記録(再生)動作時におい
て、テープ走行方向反転期間以外の期間における往復記
録(再生)動作は、第3の回転磁気ヘッドH3と、第4
の回転磁気ヘッドH4とによって、磁気テープTに記録
形成される順次の記録跡の内で、第3の回転磁気ヘッド
H3によって磁気テープTに記録される記録跡は、B
1,B3…であり、また第4の回転磁気ヘッドH4によ
って磁気テープTに記録される記録跡は、B2…であ
り、テープ走行方向反転期間以外の期間における復路の
記録(再生)動作時に第3,第4の回転磁気ヘッドH
3,H4によって、磁気テープTに記録形成される前記
の記録跡B1,B2,B3…は、往路の記録(再生)動作
時に第1,第2の回転磁気ヘッドH1,H2とによって
磁気テープTに順次交互に配列されている記録跡におけ
る相隣る記録跡間に設けられていた1記録跡幅の未記録
領域の場所に記録される。
【0049】それで、本発明の磁気記録再生装置の往復
記録動作において、テープ走行方向反転期間以外の期間
中における往復記録動作によって磁気テープTに記録形
成される記録跡パターンは、例えば図5中に例示されて
いるようなものになる。図5中のA1,A2…の記録跡
は、磁気テープTが順方向(正方向)に走行している状
態で行なわれる往路記録動作時に、第1,第2の回転磁
気ヘッドH1,H2によって磁気テープTに順次に記録
形成された記録跡を示し、また、図5中のB1,B2…
の記録跡は、磁気テープTが逆方向に走行している状態
で行なわれる復路記録動作時に、第3,第4の回転磁気
ヘッドH3,H4によって磁気テープTに順次に記録形
成された記録跡を示している。
【0050】本発明の磁気記録再生装置の往復記録動作
において、順方向及び逆方向に走行させた磁気テープT
に、図5に例示してあるような記録跡パターンを形成さ
せうるのは、往路記録動作時と、復路記録動作時とのそ
れぞれについて、制御部5からキャプスタン制御系32
に供給される制御信号によって、キャプスタン制御系3
2が、磁気テープTの走行状態(走行方向、走行速度、
走行位相)を所定の状態にさせる制御動作を行ない、ま
た往路記録動作時と、復路記録動作時とのそれぞれにつ
いて、制御部5からドラム傾斜制御部8に供給される制
御信号により、ドラム傾斜制御部8が、回転磁気ヘッド
の回転軌跡を常に所定のトラック角度に一致させるよう
な回転磁気ヘッドの回転軌跡の位置制御を行なうからで
ある。
【0051】前記した主制御部5の制御の下に行なわれ
るキャプスタン制御系32による磁気テープTの走行状
態の制御動作と、ドラム傾斜制御部8による回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡の位置制御動作とは、磁気記録再生装置
が往復再生動作を行なう際にも記録動作時と同様に行な
われる。そして、本発明の磁気記録再生装置の往復記録
動作において、往路記録(再生)動作モードから復路記
録(再生)動作モードへの動作モードの変更、及び復路
記録(再生)動作モードから往路記録(再生)動作モー
ドへの動作モードの変更は、図示されていない磁気テー
プの折返し点の検出手段(例えば、光学的な検出手段に
よる折返し点の検出手段、あるいは磁気テープに予め記
録されていた折返し点の指示信号の検出手段)によって
検出された折返し点の情報が主制御部5に供給されるこ
とにより、主制御部5による制御動作によって行なわれ
るのであり、主制御部5では、前記した動作モードの変
更に応じて、キャプスタン制御系32とドラム傾斜制御
部8とに、それぞれ所定の制御信号を与えて、キャプス
タン制御系32とドラム傾斜制御部8とが、それぞれ既
述したような制御動作を行なうようにする。
【0052】ところで、磁気記録再生装置の往復記録動
作に当り、磁気テープTを順方向に走行させた状態で行
なわれる往路記録動作から、磁気テープTを逆方向に走
行させた状態で行なわれる復路記録動作に動作モードが
変更されるとき、あるいは前記とは逆に磁気テープTを
逆方向に走行させた状態で行なわれる復路記録動作か
ら、磁気テープTを順方向に走行させた状態で行なわれ
る往路記録動作に動作モードが変更されるときには、磁
気テープTは一たん停止状態にされた後に、それまでの
走行方向とは反対の走行方向に走行する状態にされる。
【0053】したがって、磁気テープTが特定な一方向
に、記録再生動作に必要な所定の走行速度で走行してい
る状態から、前記の特定な一方向とは逆の方向に記録再
生動作に必要な所定の走行速度で走行している状態にさ
れるまでには、前記した記録再生動作に必要な所定の走
行速度とは異なる走行速度(停止状態も含む)で走行し
ている期間が必らず存在することになり、前記の期間は
正常な記録再生動作を行なうことのできない記録(再
生)不能期間となる。磁気記録再生装置で記録の対象に
されている情報信号が、時間軸上で連続している状態の
ものであった場合には、磁気記録再生装置における前記
した記録不能期間の存在によって、磁気テープTには記
録の対象にされている情報信号の一部が記録できないこ
とになり、信号の欠落が生じることになる。
【0054】図6の(b)図は、磁気記録再生装置で記
録の対象にされている情報信号を入力信号として示して
いる図であり、同図中におけるA1,A2,A3…,B
1,B2,B3…は、記録の対象にされている時間軸上
で連続した状態の情報信号を、磁気テープTに記録形成
される1本の記録跡に記録される時間長を有する情報信
号(単位の情報信号)毎に、それぞれ区分して示したも
のである。図6には、順方向に記録再生に必要とされる
所定の走行速度で走行している磁気テープに、往路の記
録動作によって単位の情報信号A1,A2,A3が記録
されている状態が例示されている。そして、図6では時
刻t1にテープ走行方向反転期間が開始され、時刻t4に
テープ走行方向反転期間が終了するものとして示されて
いる。
【0055】図6の中におけるテープ走行方向反転期間
の開始の時刻t1から時刻t2までの期間は、前記した時
刻t1までの磁気テープの走行速度の2倍(2倍以上)の走
行速度で磁気テープを所定の距離だけ走行させるための
高速移送期間である。前記した時刻t2に磁気テープの
走行が停止され、前記の時刻t2から磁気テープは、そ
れまでの走行方向とは逆の方向への走行が開始され、時
刻t3に磁気テープは、それまでの走行方向とは逆の方
向での正常な記録再生動作の可能な所定の走行速度に達
する。時刻t2から時刻t3までは反転制御期間であり、
前記した時刻t1から時刻t3までの期間は記録不能期間
となる。前記の高速移送期間が例えば0.5秒であり、
また、反転制御期間が例えば0.5秒であるとした場合
には、記録不能期間は1秒となる。なお、磁気テープT
の走行方向の変更動作に伴って行なわれるドラム傾斜制
御部8の動作も、前記した時刻t1から時刻t3までの記
録不能期間中に行なわれる。
【0056】そして、前記した時刻t1から時刻t3まで
の記録不能期間中に供給されている入力信号B1,B
2,B3は、当然のことながら磁気テープTに記録でき
ず、復路記録動作では、前記した記録不能期間が終了し
た時刻t3以後の入力信号B4,B5,B6…が磁気テ
ープTに記録できることになる。したがって、前記した
記録不能期間中に供給されていた入力信号B1,B2,
B3は欠落信号となる。しかし、本発明の磁気記録再生
装置では、前記した時刻t1から時刻t3までの記録不能
期間の2倍の時間長を有するテープ反転期間(時刻t1
から時刻t4までの期間…反転期間)を設定し、前記した
テープ反転期間における時間軸上で連続している順次の
単位の情報信号をメモり40に記憶して、前記のメモリ
40に記憶させたテープ反転期間における時間軸上で連
続している順次の単位の情報信号を、メモリ40への記
憶順序とは逆の順序にメモリ40から読出して磁気テー
プTに記録することにより、既述した記録不能期間中の
情報信号をも欠落させることなく磁気テープTに記録で
きるようにしているのである。
【0057】そして、テープ反転期間における前記のよ
うな記録動作は、図1中の記録系及び再生系の信号処理
部3に設けられているテープ走行方向反転期間の信号処
理部37の次のような動作によって行なわれる。図示さ
れていない磁気テープの折返し点(磁気テープTの終
端、あるいはその他の折返し点)の検出手段により、磁
気テープの折返し点が検出されて、その情報が主制御部
5に与えられると、主制御部5では時刻t1にドラム傾
斜制御部8に制御信号を与えて、ドラム傾斜制御部8の
動作により、往路の記録(再生)動作時に、回転磁気ヘ
ッドの回転軌跡が、所定のトラック角度となるように回
転磁気ヘッドの回転軌跡の位置を変化させるような制御
動作を行なわせ、また主制御部5では図示されていない
キャプスタン制御系に所定の制御信号を供給して、それ
によりキャプスタン制御系が、磁気テープTを、それま
での磁気テープの走行方向に高速に移動させてから停止
させた後に、それまでの磁気テープの走行方向とは逆方
向に走行させるような動作を行なう。
【0058】時刻t1にテープ反転期間が開始して主制
御部5が、記録系及び再生系の信号処理部3に設けられ
ているテープ走行方向反転期間の信号処理部37におけ
るタイミング発生器39に制御信号を供給すると、図6
中の時刻t1から時刻t3までの記録不能期間の2倍の時
間長を有するテープ反転期間(時刻t1から時刻t4まで
の期間…反転期間)に、前記したタイミング信号発生器
39で発生されたメモリの書込みのタイミング信号によ
り、メモリ40は前記したテープ反転期間における時間
軸上で連続している順次の単位の情報信号を順次に記憶
する。
【0059】テープ反転期間における時間軸上で連続し
ている順次の単位の情報信号が記憶された前記したメモ
り40からは、前記したタイミング信号発生器39で発
生されたメモリの読出しのタイミング信号により、時刻
t3に前記したメモリ40への書込み順序とは逆の順序
で順次の単位の情報信号が読出される。前記のメモリ4
0としては、書込み動作と読出し動作とを独立して行な
うことができる機能を有するメモリが使用されるのであ
り、例えば、書込み動作と読出し動作とを独立して行な
うことができるメモリ(先入れ後出しメモリ)が使用さ
れてもよい。
【0060】テープ反転期間に前記したタイミング信号
発生器39からの切換制御信号が供給された信号経路の
切換スイッチ42は、入力端子1→録再切換スイッチ3
8の固定接点R→同可動接点vの経路で、録再切換スイ
ッチ38の可動接点vに供給されていた情報信号を、信
号経路の切換スイッチ42の固定接点T1と可動接点v1
と、録再切換スイッチ43の可動接点v1と固定接点R1
とを経て、記録再生信号処理部45に供給するととも
に、信号経路の切換スイッチ42の固定接点T2と可動接
点v2と、録再切換スイッチ43の可動接点v2と固定接
点R2とを経て記録再生信号処理部45に供給したり、
あるいはメモリ40から読出された情報信号を、信号経
路の切換スイッチ42の固定接点m1と可動接点v1と、
録再切換スイッチ43の可動接点v1と固定接点R1とを
経て、記録再生信号処理部45に供給するような信号経
路の切換動作を行なう。
【0061】次に、前記したテープ走行方向反転期間の
信号処理部37の動作を、図6の(b)図に例示されて
いる時間軸上の信号配列を参照して具体的に説明する。
往路記録動作が終了して、磁気テープTの走行が停止し
た時刻t1に反転期間が開始する。前記した往路記録動
作期間中に、固定接点T1側に切換えられていた信号経路
の切換スイッチ42の可動接点v1,v2は、タイミング
信号発生器39から供給された切換制御信号によって、
前記した時刻t1に固定接点m1,NC側に切換えられ
る。また、前記の時点t1にタイミング信号発生器39
から供給された書込み信号によって、入力情報信号にお
ける順次の単位の情報信号B1,B2,B3がメモリ4
0に記憶されて行く[図6の(c),(d)参照]。
【0062】したがって、前記のメモリ40には、図6
の(c)に示されているように、反転期間の全入力情報
信号、すなわち、既述した記録不能期間中の単位の情報
信号B1〜B3を含む反転期間の全部の情報信号が記憶
されることになる。それで前記したメモリ40に記憶さ
れた情報信号を、前記した記録不能期間が終了した時点
t3から、適宜に選択して順次に読出して磁気テープT
に記録すれば、前記した記録不能期間中の入力情報信号
も含めて、信号に欠落を生じさせることなく入力情報信
号を良好に磁気テープTに記録させることが可能とな
る。
【0063】次に、前記した反転期間内における記録不
能期間が終了して、磁気テープTが復路記録動作の可能
な所定の走行速度で走行している状態になり、前記した
時刻t3から復路の記録動作が開始された場合に、前記
した時刻t3にタイミング信号発生器39からメモリ4
0に読出し信号が供給されて、メモリ40に記憶されて
いた単位の情報信号B3が読出され[図6の(d)参
照]て、信号経路の切換スイッチ42の固定接点m1と
可動接点v1と、録再切換スイッチ43の可動接点v1と
固定接点R1とを経て、記録再生信号処理部45に供給
された単位の情報信号B3は、タイミング信号発生器3
9から制御端子41aに供給された切換制御信号によっ
て行なわれるヘッド切換スイッチ41の切換動作により
選択された第2の回転磁気ヘッドH2により磁気テープ
Tに記録跡C3(=B3)として記録される[図6の
(e)参照]。
【0064】メモリ40から読出された単位の情報信号
B3が、前記のように第2の回転磁気ヘッドH2によっ
て磁気テープTに記録される期間中に、第4の回転磁気
ヘッドH4に対して、入力端子1→録再切換スイッチ3
8の固定接点R→同可動接点v→信号経路の切換スイッ
チ42の固定接点T2と可動接点v2と、録再切換スイッ
チ43の可動接点v2と固定接点R2とを経て、記録再生
信号処理部45に供給された単位の情報信号B4が供給
されて[図6の(a),(b)参照]、前記の単位の情
報信号B4は、タイミング信号発生器39から制御端子
41aに供給された切換制御信号によって行なわれるヘ
ッド切換スイッチ41の切換動作により選択された第4
の回転磁気ヘッドH4により磁気テープTに記録跡B4
として記録される[図6の(e)]。
【0065】次いで、前記した単位の情報信号B3の次
にメモリ40から読出された単位の情報信号B2は、第
1の回転磁気ヘッドH1により磁気テープの記録跡C2
(=B2)として記録され、また、前記のように第1の
回転磁気ヘッドH1によって単位の情報信号B2が磁気
テープTに記録される期間中に、第3の回転磁気ヘッド
H3によって単位の情報信号B5が、第3の回転磁気ヘ
ッドH3により磁気テープTに記録跡B5として記録さ
れ、以下、同様にして、単位の情報信号B2の次にメモ
リ40から読出された単位の情報信号B1は、第2の回
転磁気ヘッドH2により磁気テープの記録跡C1(=B
1)として記録され、また、第2の回転磁気ヘッドH2
によって単位の情報信号B1が磁気テープTに記録され
る期間中に、第4の回転磁気ヘッドH4によって単位の
情報信号B6が第4の回転磁気ヘッドH4により磁気テ
ープTに記録跡B6として記録される。
【0066】前記のようにメモリ40から単位の情報信
号B1が読出され終った時点t4に、反転期間が終了し
て、タイミング信号発生器39が切換制御信号を信号経
路の切換スイッチ42に供給することにより、信号経路
の切換スイッチ42の可動接点v1,v2が固定接点T1,
NC側に切換えられる。それで、記録再生信号処理部4
5には、時刻t4以降には入力情報信号における順次の
単位の情報信号B7,B8…が、入力端子1→録再切換
スイッチ38の固定接点R→同可動接点v→信号経路の
切換スイッチ42の固定接点T 1→同可動接点v1→録再
切換スイッチ43の可動接点v1→同固定接点R1の経路
を経て記録再生信号処理部45に供給させる。
【0067】このように、磁気記録再生装置の往復記録
動作では、反転期間における特殊な信号処理動作が行な
われることによって、図6の例では磁気テープTに対し
て図6の(e)に示されているように、順次の単位の情
報信号A1,A2,A3,B4(及びB3=C3),B
5(及びB2=C2),B6(及びB1=C1),B
7,B8,B9…が記録されることになり、磁気テープ
T上には、前記した順次の単位の情報信号により、図7
に示されている記録跡…B8,A2,B7,A3,B
6,C1,B5,C2,B4,C3が記録形成される。
したがって、図7に例示されているように、テープ走行
方向の反転期間として設定された期間中に磁気記録再生
装置に供給された情報信号のすべてを、前記した磁気テ
ープTに記録させることができる。
【0068】順方向に走行している磁気テープに対して
行なわれる往路の記録動作から、磁気テープを逆方向に
走行させた状態として行なわれる復路の記録動作への変
更に際して、記録不能期間の2倍の時間長に設定された
テープ走行方向反転期間において、テープ走行方向反転
期間の信号処理部37で行なわれる図6を参照して既述
したような特殊な信号処理動作は、逆方向に走行してい
る磁気テープに対して行なわれる復路の記録動作から、
磁気テープを順方向に走行させた状態として行なわれる
往路の記録動作への変更に際しても同様に行なわれる。
図8の(a)〜(e)は、復路の記録動作から往路の記
録動作に変更される際におけるテープ走行方向反転期間
に、テープ走行方向反転期間の信号処理部37で行なわ
れる特殊な信号処理動作を図示説明したものであり、こ
の図8の(a)〜(e)は、既述した図6の(a)〜
(e)に対応している。
【0069】図8において、復路記録動作が終了して、
時刻t1に反転期間が開始すると、前記した復路記録動
作期間中に、固定接点T 1,T 2側に切換えられていた信
号経路の切換スイッチ42の可動接点v1,v2は、タイ
ミング信号発生器39から供給された切換制御信号によ
って、前記した時刻t1に固定接点m1,NC側に切換えら
れる。また、前記の時点t1にタイミング信号発生器3
9から供給された書込み信号によって、入力情報信号に
おける単位の情報信号A1がメモリ40に記憶される。
次いで、単位の情報信号A2,A3が順次にメモリ40
に記憶されて行く。[図8の(c)参照]。それで、メ
モリ40には、図8の(c)に示されているように、反
転期間の全入力情報信号の1/2の情報信号が記憶され
ることになり、メモリ40に記憶された情報信号を、前
記した記録不能期間が終了した時点から、所定の読出し
態様で順次に読出して磁気テープTに記録すれば、前記
した記録不能期間中の入力情報信号も含めて、信号に欠
落を生じさせることなく入力情報信号を良好に磁気テー
プTに記録させることが可能である。
【0070】次に、前記した反転期間内における記録不
能期間が終了して、磁気テープTが往路記録動作の可能
な所定の走行速度で走行している状態になり、前記した
時刻t3から復路の記録動作が開始された場合に、前記
した時刻t3にタイミング信号発生器39からメモリ4
0に読出し信号が供給されて、メモリ40に記憶されて
いた単位の情報信号A3が読出され[図8の(d)参
照]て、信号経路の切換スイッチ42の固定接点m1と
可動接点v1と、録再切換スイッチ43の可動接点v1と
固定接点R1とを経て、記録再生信号処理部45に供給
された単位の情報信号A3は、タイミング信号発生器3
9から制御端子41aに供給された切換制御信号によっ
て行なわれたるヘッド切換スイッチ41の切換動作によ
り選択された第4の回転磁気ヘッドH4により磁気テー
プTに記録跡C3(=A3)として記録される[図8の
(e)参照]。
【0071】メモリ40から読出された単位の情報信号
A3が、前記のように第4の回転磁気ヘッドH4によっ
て磁気テープTに記録される期間中に、第2の回転磁気
ヘッドH2に対して、入力端子1→録再切換スイッチ3
8の固定接点R→同可動接点v→信号経路の切換スイッ
チ42の固定接点T2と可動接点v2と、録再切換スイッ
チ43の可動接点v2と固定接点R2とを経て、記録再生
信号処理部45に供給された単位の情報信号A4が供給
されて[図8の(a),(b)参照]、前記の単位の情
報信号A4は、タイミング信号発生器39から制御端子
41aに供給された切換制御信号によって行なわれたる
ヘッド切換スイッチ41の切換動作により選択された第
2の回転磁気ヘッドH2により磁気テープTに記録跡A
4として記録される[図8の(e)]。
【0072】次いで、前記した単位の情報信号A3の次
にメモリ40から読出された単位の情報信号A2は、第
3の回転磁気ヘッドH3により磁気テープの記録跡C2
(=A2)として記録され、また、前記のように第3の
回転磁気ヘッドH3によって単位の情報信号A2が磁気
テープTに記録される期間中に、第1の回転磁気ヘッド
H1によって単位の情報信号A5が、第1の回転磁気ヘ
ッドH1により磁気テープTに記録跡A5として記録さ
れ、以下、同様にして、単位の情報信号A2の次にメモ
リ40から読出された単位の情報信号A1は、第4の回
転磁気ヘッドH4により磁気テープの記録跡C1(=A
1)として記録され、また、第4の回転磁気ヘッドH4
によって単位の情報信号A1が磁気テープTに記録され
る期間中に、第2の回転磁気ヘッドH2によって単位の
情報信号A6が第2の回転磁気ヘッドH2により磁気テ
ープTに記録跡A6として記録される。
【0073】前記のようにメモリ40から単位の情報信
号A1が読出され終った時点t4に、反転期間が終了し
て、タイミング信号発生器39が切換制御信号を信号経
路の切換スイッチ42に供給することにより、信号経路
の切換スイッチ42の可動接点v1,v2が固定接点T1,
NC側に切換えられる。それで、記録再生信号処理部4
5には、時刻t4以降には入力情報信号における順次の
単位の情報信号A7,A8…が、入力端子1→録再切換
スイッチ38の固定接点R→同可動接点v→信号経路の
切換スイッチ42の固定接点T 1→同可動接点v1→録再
切換スイッチ43の可動接点v1→同固定接点R1の経路
を経て記録再生信号処理部45に供給させる。
【0074】このように、磁気記録再生装置の往復記録
動作では、反転期間における特殊な信号処理動作が行な
われることによって、図8の例では磁気テープTに対し
て図8の(e)に示されているように、順次の単位の情
報信号B1,B2,B3,A4(及びA3=C3),A
5(及びA2=C2),A6(及びA1=C1),A
7,A8,A9…が記録されることになり、磁気テープ
T上には、前記した順次の単位の情報信号により、図9
に示されている記録跡…C3,A4,C2,A5,C
1,A6,B3,A7,B2,A8,B1,A9が記録
形成される。したがって、図9に例示されているよう
に、テープ走行方向の反転期間として設定された期間中
に磁気記録再生装置に供給された情報信号のすべてを、
前記した磁気テープTに記録させることができる。
【0075】前述したところから明らかなように、本発
明の磁気記録再生装置では、往復記録動作時における往
路記録動作時から復路記録動作への変更時、及び往路記
録動作時から復路記録動作への変更時に避けることがで
きない記録不能期間の情報信号も含めて、前記した記録
不能期間の2倍の時間長に設定されたテープ走行方向反
転期間内に、テープ走行方向反転期間の全部の入力情報
信号を、メモり40に記憶させ、前記のメモリ40に記
憶させた入力情報信号における単位の情報信号のすべて
を、第1〜第4の回転磁気ヘッドH1〜H4からなる4
個の回転磁気ヘッドを用いて、磁気テープTに記録して
いるから、本発明の磁気記録再生装置による往復記録動
作によれば、欠落部分の無い状態の入力情報信号が記録
された状態の記録済み磁気テープを作成できる。
【0076】次に、既述した本発明の磁気記録再生装置
による往復記録動作態様により、入力情報信号のすべて
の情報信号が記録された状態の記録済み磁気テープTか
ら、情報信号を往復再生する場合について図10を参照
して説明する。図10の(a)は、本発明の磁気記録再
生装置において、図6及び図8を参照して既述したよう
な往復記録動作によって、順次の単位の情報信号が記録
された記録済み磁気テープにおける信号の記録状態(再
生パターン)である。さらに、図10の(b)は前記し
た記録済み磁気テープTに対して行なわれる再生動作時
に回転磁気ヘッドによって再生された再生信号を順次の
単位の情報信号を示す符号を用いて示したものである。
【0077】図1に示す磁気記録再生装置が再生動作を
行なう場合には、主制御部5からタイミング信号発生器
39に供給された制御信号に基づいて、タイミング信号
発生器39から発生された切換制御信号によって、録再
切換スイッチ43の可動接点v1(v2)が固定接点P1
(NC)側に切換えられ、また、タイミング信号発生器3
9から発生された切換制御信号が、信号経路の切換スイ
ッチ42に供給されることにより、信号経路の切換スイ
ッチ42の可動接点v1(v2)が固定接点T 1(NC)側に切
換えられる。また、再生動作時における磁気テープT
は、図10の(a)中の往路再生期間中の順方向で所定
の走行速度の状態が、図10の(a)中の反転期間中の
記録跡C3の部分まで続行され、図10の(a)中の反
転動作の期間に磁気テープの停止と、逆方向への走行開
始及び所定の走行速度までの加速が行なわれる。
【0078】それで、本発明の磁気記録再生装置が、図
10の(a)中に例示してあるような往路の再生動作態
様での再生動作を行なう場合には、第1の回転磁気ヘッ
ドH1と第2の回転磁気ヘッドH2とによって、磁気テ
ープTに記録形成されていた順次の記録跡A1,A2,
A3から再生信号A1,A2,A3が得られ、また、反
転期間中の順方向走行状態においては、第1の回転磁気
ヘッドH1と第2の回転磁気ヘッドH2とによって、磁
気テープTに記録形成されていた順次の記録跡C1,C
2,C3から、再生信号B1,B2,B3が再生され
る。また、反転期間中における反転動作の期間が終了し
て、磁気テープTが逆方向に所定の走行速度で走行して
いる状態において、第3の回転磁気ヘッドH3と第4の
回転磁気ヘッドH4とによって、磁気テープTに記録形
成されていた順次の記録跡B4,B5,B6…から、再
生信号B4,B5,B6…が再生される。
【0079】図10の(a),(b)を参照して記述し
た再生動作例の場合では、記録の対象にされている信号
のすべてが記録されている状態の記録済み磁気テープT
から、磁気テープTに記録されている信号のすべてが再
生される、すなわち、信号に欠落がない状態で再生され
るのであるが、往復再生動作時における磁気テープTの
走行方向の反転動作の期間と対応して再生信号が途絶す
る期間(信号欠落の期間)が生じる。前記した再生信号
が途絶する期間に、ミューティングによって雑音が発生
しないようにしたり、あるいは、メモリに記憶しておい
た信号によって画像を表示したりしてもよい。
【0080】図1中に示されている再生信号選択スイッ
チ44は、それの可動接点vを固定接点Pa側に切換え
た状態で、記録再生信号処理部45からの再生出力信号
を直接に前記した再生信号選択スイッチ44の固定接点
Paと可動接点vとを介して出力端子2に出力させるこ
とができる。また、前記した再生信号選択スイッチ44
の可動接点vを固定接点Pb側に切換えた状態において
は、記録再生信号処理部45からの再生出力信号を、録
再切換スイッチ38の固定接点Pと可動接点vとを経て
メモリ40に供給して、記録再生信号処理部45からの
再生出力信号を前記したメモリ40に一旦記憶させ、前
記したメモり40に対する読出し態様を種々に変更する
ことにより、所望の単位の情報信号が時間軸上に配列さ
れた状態の再生信号を、信号経路の切換スイッチ42の
固定接点m1と可動接点v1とを介して録再スイッチ43
の可動接点v1に供給し、前記の録再スイッチ43の固
定接点P1から前記した再生信号選択スイッチ44の固
定接点Pbと可動接点vとを介して出力端子2に出力さ
せることができる。本発明の磁気記録再生装置は、記録
再生の対象にされる情報信号がアナログ信号でもデジタ
ル信号でもよい。
【0081】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の磁気記録再生装置は、往復記録再生動
作が行なわれるようにされている磁気記録再生装置にお
いて、磁気テープの走行方向の反転動作のために予め設
定した所定の時間長のテープ反転期間における入力情報
信号について、磁気テープ上の1記録跡期間と対応する
時間長の信号を単位の情報信号として、時間軸上に直列
的に並んでいる順次の単位の情報信号をメモリに記憶さ
せ、走行方向が反転した後に磁気テープが所定の走行速
度で走行している状態となり記録動作が再開された時点
に、前記したメモリからメモリに書込んだ時間軸上の配
列の順序とは逆の順序に読出した順次の単位の情報信号
と、その時点における新たな入力信号の順次の単位の情
報信号とを隣接配置されている2個の回転磁気ヘッドに
供給して、2本の記録跡を同時に形成させるようにする
ことにより、往復記録動作時における往路記録動作時か
ら復路記録動作への変更時、及び往路記録動作時から復
路記録動作への変更時に避けることができない記録不能
期間の情報信号も含めて、前記した記録不能期間の2倍
の時間長に設定されたテープ走行方向反転期間内に、テ
ープ走行方向反転期間の全部の入力情報信号がS/N良
く再生できるような完全な状態で記録された状態の記録
済み磁気テープを作成できるので、本発明の磁気記録再
生装置では、往復記録動作時における磁気テープTの走
行方向の反転動作時に不可避の記録不能期間の情報信号
も失なわれることなく磁気テープに記録でき、例えば、
往復記録動作を行なわせる磁気記録再生装置により、セ
キュリティ用の情報記録を行なう場合には、磁気テープ
Tの走行方向の反転動作があっても、記録の対象にされ
ている全信号の再生を行なえるので極めて有効に使用で
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図2】回転磁気ヘッドの配置態様を説明するための図
である。
【図3】磁気テープの走行状態が変化しても磁気テープ
の基準縁と、回転磁気ヘッドの回転軌跡とのなす角度
が、特定なトラック角度と一致するように、回転磁気ヘ
ッドの回転磁気ヘッドの回転軌跡を調整変化させるのに
使用される機構の構成例を説明するための図である。
【図4】磁気テープの走行速度が変化しても磁気テープ
の基準縁と、回転磁気ヘッドの回転軌跡とのなす角度
が、特定なトラック角度と一致するように回転磁気ヘッ
ドの回転軌跡を調整変化させるのに使用される機構の構
成例の一部の斜視図である。
【図5】往復記録再生動作によって磁気テープに記録形
成される記録跡パターンを示す図である。
【図6】反転期間の記録動作の説明に用いる信号配列の
図である。
【図7】反転期間の記録動作によって磁気テープに記録
形成される記録跡パターンを示す図である。
【図8】反転期間の記録動作の説明に用いる信号配列の
図である。
【図9】往復記録再生動作によって磁気テープに記録形
成される記録跡パターンを示す図である。
【図10】反転期間の再生動作の説明に用いる信号配列
の図である。
【図11】トラックパターンの説明のための図である。
【符号の説明】
1…記録の対象にされる信号の入力端子、2…再生信号
の出力端子、3…記録系及び再生系の信号処理部、4…
コントロールヘッド、5…主制御部、6…ドラム制御
部、7…ドラムモータ、8…ドラム傾斜制御部、9…キ
ャプスタンモータ、10,11…信号発生器、12…ド
ラム構体DAの中心軸、14…傾斜駆動モータ、15,
16…複数の歯車よりなる減速機構、17…ロータリエ
ンコーダ、18…位置検出器(プリセットセンサ)、2
0〜23…回動支点、30…キャプスタン、31…ピン
チローラ、32…磁気テープの走行速度及び走行位相の
制御系(キャプスタン制御系)、33…分周器、34…
周波数ー電圧変換器、35…加算器、36…駆動回路、
38,43…録再切換スイッチ、39…タイミング発生
器、40…メモリ、42…経路の切換スイッチ、44…
再生信号選択スイッチ、45…記録再生信号処理部、D
B…ドラムベース、T…磁気テープ、DA…ドラム構
体、Du…上ドラム、Dd…下ドラム、Lr…リードリ
ング、G…リードリングの案内部、H1〜H4…回転磁
気ヘッド、Te…磁気テープTの基準縁、
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】前記のように、走行する磁気テープを回転
磁気ヘッドによりヘリカルスキャンして、磁気テープに
アナログ信号をアジマス記録,再生できるようにしたV
TR(VCR)は、アナログ信号の記録再生を行なうV
HS(登録商標)方式の家庭用VTR(VCR)とし
て、世界的に広く実用されている他に、磁気テープにデ
ジタルデータをアジマス記録,再生できるような家庭用
デジタルVTR(VCR)についても、世界各国の多数
のVTR関連のメーカー、研究所等が参加した「HDデ
ジタルVCR協議会」における協議の結果として定めら
れたDVC規格には、離散コサイン変換(DCT)、適
応量子化、可変長符号化等の諸技術により画像情報の高
能率圧縮を行ない、前記の高能率圧縮された画像情報の
デジタルデータ及び音響情報のデジタルデータとを、S
Dモード信号やHDモード信号として、磁気テープに記
録し再生する際に適用されるべき高能率圧縮の態様、記
録データの構成態様、所定のテープパターン、磁気テー
プの物理特性、カセットの構成態様、等が定められてい
て、それの実用化が進められている。そして、前記した
ヘリカル・スキャン型の磁気記録再生装置において、回
転磁気ヘッドによって空間内に描かれる回転磁気ヘッド
の回転軌跡の位置は、回転磁気ヘッドの回転軸の傾斜角
が変化しないという状態の下においては常に一定とされ
ている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上ドラムと下ドラムとの周面の一部に巻
    回された状態で順方向に走行する磁気テープに、上ドラ
    ムの中心軸を対称中心とする180度対称の位置に配置
    された回転磁気ヘッドによって磁気テープに順次交互に
    記録形成される順次の平行な記録跡における相隣る記録
    跡間に未記録領域を形成させ、また、前記の磁気テープ
    を逆方向に走行させた状態のときに、前記した未記録領
    域に前記の回転磁気ヘッドにより順次の記録跡を順次交
    互に形成させうるような同一の所定の走行速度で、磁気
    テープを順方向と逆方向とに切換え走行させて、磁気テ
    ープの所定の区間に往復記録再生を行なうことができる
    ようにしたヘリカル型磁気記録再生装置において、第1
    のアジマス角度の磁気空隙を備えている第1の回転磁気
    ヘッドと、前記した第1の回転磁気ヘッドと同一のアジ
    マス角度の磁気空隙を有する第2の回転磁気ヘッドと
    を、上ドラムに同一の取付け高さでドラムの中心軸を対
    称中心とする180度対称の位置に配設し、また、第2
    のアジマス角度を備えている第3の回転磁気ヘッドを、
    前記した第1の回転磁気ヘッドとドラムの円周方向につ
    いて所定の微小間隔を隔てた位置に、前記した第1の回
    転磁気ヘッドの取付け高さに対して、記録済み磁気テー
    プにおける隣接する記録跡の間隔と対応する高さの差を
    有するような取付け高さで設けるとともに、前記の第3
    の回転磁気ヘッドに対して、ドラムの中心軸を対称中心
    とする180度対称の位置に、前記した第3の回転磁気
    ヘッドと同一のアジマス角度の磁気空隙を備えている第
    4の回転磁気ヘッドを前記した第3の回転磁気ヘッドと
    同一の取付け高さで設けてなる上ドラムを、予め定めら
    れた特定な回転方向だけに特定な回転数で回転させる手
    段と、前記した各回転磁気ヘッドの回転軌跡と磁気テー
    プの基準縁とのなす角度が、磁気テープの走行方向が順
    方向でも逆方向でも、所定の同一角度となるように制御
    する手段と、磁気テープが特定な一方向に走行している
    状態において、第1(または第3)の回転磁気ヘッドと
    第2(または第4)の回転磁気ヘッドとによって、磁気
    テープに順次に記録形成される相隣る記録跡間に、少な
    くとも1記録跡幅の未記録領域が形成されるような所定
    の走行速度で走行させるとともに、磁気テープが前記し
    た特定な一方向とは逆の方向に前記した所定の走行速度
    で走行している状態においては、磁気テープが前記した
    特定な一方向に走行している状態で、第1(または第
    3)の回転磁気ヘッドと第2(または第4)の回転磁気
    ヘッドとにより順次に記録形成された相隣る記録跡間に
    形成された少なくとも1記録跡幅の未記録領域の位置
    に、第3(または第1)の回転磁気ヘッドと第4(また
    は第2)の回転磁気ヘッドとによって、順次の記録跡が
    形成されるような所定の走行速度と走行位相で磁気テー
    プを走行させる手段と、前記した特定な一方向での走行
    状態から前記の特定な一方向とは逆方向での走行状態へ
    磁気テープの走行方向を反転させる磁気テープ走行方向
    の反転動作のために予め設定した所定の時間長の反転期
    間の開始時に、磁気テープを前記した特定な一方向へ、
    前記した所定の走行速度よりも高速に予め定められた距
    離だけ移動させた後に停止させる手段と、磁気テープ上
    の1記録跡期間と対応する時間長の信号を単位の情報信
    号としたときに、前記した反転期間の開始時から前記し
    た反転期間内の所定の期間中における時間軸上に直列的
    に並んでいる順次の単位の情報信号をメモリに記憶させ
    る手段と、前記した反転期間内で走行方向が反転した後
    に磁気テープが所定の走行速度に達して記録動作を再開
    できる時点に、前記したメモりに順次に記憶させておい
    た単位の情報信号を、記憶時の時間軸上での配列順序と
    は逆の順序に読出す手段と、メモリから順次の単位の情
    報信号が読出される期間に、前記のメモリから読出され
    た順次の単位の情報信号と、前記の期間に新たに入力さ
    れる単位の情報信号とを、前記した第1の回転磁気ヘッ
    ドと第3の回転磁気ヘッド(または第2の回転磁気ヘッ
    ドと第4の回転磁気ヘッド)とによって2本の記録跡を
    同時的に磁気テープへ記録形成させる手段と、テープ反
    転期間内における記録動作の再開の時点から所定の時間
    の経過後に前記の信号切換手段によって、入力情報信号
    が記録信号として使用されるようにする手段とを備えて
    なる磁気記録再生装置。
JP10143722A 1998-05-26 1998-05-26 磁気記録再生装置 Pending JPH11339201A (ja)

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