JP2001304520A - 焼却炉および焼却方法 - Google Patents
焼却炉および焼却方法Info
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Abstract
焼却処理することの出来る、コスト性に優れた新規な構
造の焼却炉および新規な焼却方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 燃焼焼却室35への燃焼用空気の流入量
を制限することにより、燃焼ガスの排出量を少量化する
と共に、燃焼用空気の取入口に配した永久磁石68によ
って磁界処理された燃焼用空気を利用することによっ
て、僅かな燃焼用空気だけで継続的な燃焼を実現せしめ
得たのであり、それによって、燃焼ガス中に含まれるダ
イオキシン類の生成を抑制した。
Description
えつつ、各種の廃棄物を焼却処分することの出来る焼却
炉および焼却方法に関するものである。
集されてから最終処分に至るまでの中間処理として、焼
却処理が一般的に行われている。また、一般家庭におい
て、ごみを焼却する場合もある。具体的には、廃棄物を
焼却炉内で燃焼させるのであるが、燃焼によって生成さ
れる炭化水素やダイオキシン類等の有害物質や焼却に伴
う悪臭の発生等が、大きな環境問題となっている。
従来から各種の焼却炉や焼却方法が提案されている。例
えば、廃棄物を高温で燃焼させることにより、ダイオキ
シン類の生成を抑制することが考えられるが、廃棄物、
特に、廃プラスチック類等を含む産業廃棄物を焼却する
際には、焼却炉内が著しく高温化することから耐熱性に
優れた焼却炉が必要とされるのであり、設備のために多
大なコストがかかるという問題があった。
を背景としてなされたものであって、その解決課題とす
るところは、ダイオキシン類の生成を抑えつつ、廃棄物
を焼却処理することの出来る、コスト性に優れた新規な
構造の焼却炉および新規な焼却方法を提供することにあ
る。
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
(a)外部空間から略遮断された焼却処理室を形成する
耐熱容器と、(b)耐熱容器の壁部に設けられて燃焼用
空気を焼却処理室に自然吸気で取り入れる燃焼用空気の
取入口と、(c)空気取入口を絞ることにより、焼却処
理室への空気の流入量を制限する流入空気制限手段と、
(d)空気取り入れ口から焼却処理室に燃焼用空気を導
く空気通路上に磁場を形成して、燃焼用空気を磁気処理
する磁石手段と、(e)焼却処理室の壁部に設けられた
燃焼ガスの排出口とを、有することを特徴とする。
炉においては、燃焼用空気の取入口を絞り焼却処理室へ
の空気の流入量を制限することにより、廃棄物の燃焼に
使用される空気量、ひいては燃焼から生じる燃焼ガスを
少量化することが出来る。そこにおいて、空気取入口に
磁石手段を設けたことにより、自然吸気で取り入れた僅
かな空気を利用して、即ち、一般の大気を用いた場合に
は燃焼せずに消火されてしまう程の空気によって、廃棄
物を略完全に燃焼させることが出来るのである。
科学的根拠は未だ明らかではなく、それを明らかにする
ことが本発明の要旨でもないが、磁石手段が空気通路上
に磁場を形成することにより、取り入れられた酸素等が
活性化されることとなり、その結果、僅かな流入量の空
気によっても燃焼状態を継続して維持することが可能に
なるものと推考される。
段で空気量を制限することによって低温燃焼状態で焼却
処理を行うことが可能となることから、特に耐熱性に優
れた構造とされた焼却炉を必ずしも採用する必要がない
ことから、簡単な構造で、しかも、良好な製造コスト性
をもって、ダイオキシン等の生成を抑制しつつ廃棄物を
焼却処理することが出来るのである。
石手段を利用して低温燃焼での焼却処理を実現したこと
から、ダイオキシン類の発生を抑制することが出来る。
従って、長期間の使用による性能の劣化を回避すること
が出来るのであり、耐久性やメンテナンス性に極めて優
れている。
は、前記第一の態様に従う構造とされた焼却炉におい
て、燃焼ガスの排出口が接続されて略水平方向に延びる
煙道を形成すると共に、煙道の底部に水を収容せしめ
て、燃焼ガスが水に接触せしめられるようにしたことを
特徴とする。
炉においては、燃焼ガスが、煙道内で水に接触せしめら
れるようになっていることから、燃焼ガスを簡単な構造
をもって有利に冷却することが出来る。また、燃焼ガス
を冷却することにより、例えば、集塵器等を装着するこ
とによって燃焼ガス中のダイオキシン類を、効果的に減
少させることが可能となる。
より、燃焼ガスに含まれる煤塵を水に吸着させた後、排
出口を通じて外部へ排出することから、燃焼により生成
される煤塵の外部への放出を効果的に防止乃至は抑制す
ることが出来る。
は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされた焼却炉
において、焼却処理室において対向位置する一方の側壁
部に空気取入口を少なくとも一つ形成すると共に、対向
位置する他方の側壁部の上方に燃焼ガス排出口を設けた
ことを、特徴とする。
炉においては、焼却処理室内で空気を一方向に安定して
流すことが出来ることから、空気の流れを巧く利用し
て、廃棄物を安定して燃焼させることが出来る。
は、前記第一乃至第三の何れかの態様に従う構造とされ
た焼却炉において、燃焼用空気の取入口と燃焼ガスの排
出口の少なくとも何れか一方を、燃焼状態下において、
焼却処理室の床面積の0.5m2 当たり10cm2 以下に
設定するようにしたことを特徴とする。
炉にあっては、焼却処理室内に導かれる空気を少量に且
つ略一定量に制御することにより、緩やかな燃焼速度で
燃焼状態を安定して維持することが可能となる。また、
燃焼用空気の取入口(燃焼ガスの排出口)は、焼却処理
室の床面積の0.5m2当たり5cm2 以下とすることがよ
り好ましく、更に好ましくは、3cm2 以下とされる。そ
れによって、一層、燃焼用空気量を抑えることが出来、
ひいては、燃焼ガスの排出量の更なる削減が図られ得
る。
は、前記第一乃至第四の何れかの態様に従う構造とされ
た焼却炉において、焼却処理室を平坦な燃焼床部によっ
て形成すると共に、燃焼床部に隣接して、次第に上方に
向かって傾斜したスロープ状床部を備えた煙案内室を形
成したことを特徴とする。
炉においては、燃焼により生成された燃焼ガスが、スロ
ープ状床部で導かれて、焼却処理室から排出側へより安
定して送出されることとなる。
り、焼却炉内に燃焼床部のみを形成した場合に比して、
焼却処理室の斜め上方に焼却準備用空間を有利に確保す
ることが出来ることから、焼却用廃棄物をスロープ状床
部の上にまで入れておくことが出来るのであり、それに
よって焼却作業性や焼却処理能力の更なる向上を図り得
るといった利点もある。
状床部により、投入された廃棄物を自動的に燃焼床部に
導くことが可能とされていることから、廃棄物を燃焼床
部上に予備的に集積させることにより、より多くの廃棄
物を一層長時間に亘って継続して燃焼させることがに可
能となるのである。
通路上に磁場を形成する磁石手段の位置や配設状態は、
何等限定されるものではないが、空気通路における磁石
手段の配設部位を非磁性材で形成して、互いに独立した
複数の磁極を配することが望ましく、それにより、各磁
石による磁気作用を空気に対してより効率的に及ぼすこ
とが出来る。
る磁極を対向配置させても良いが、空気通路において、
磁場を成形する複数の磁極を、互いに同極だけが空気通
路に向かって位置する状態で配することが望ましく、同
極同士を対向配置させることによって、燃焼状態がより
安定化することが本発明者によって確認されている。
も未だ明らかにはされていないが、同極同士を略対向位
置せしめる場合には、同極である両磁極から生じる磁力
線の逃げ合いを利用して両磁極間の主な磁力線を空気通
路内の空気の流動方向と略平行に延びるようにすること
ができる。従って、異極同士を略対向位置せしめること
により両磁極間の主な磁力線が空気通路に直交する方向
に延びる状態に比して、空気通路内の空気がより長い
間、磁界に晒されることとなるのであり、それによっ
て、空気中の酸素分子等が、一層有利に活性化されるの
であろうと推考される。
様は、外部空間から略遮断された焼却処理室内で焼却廃
棄物を焼却処分するに際して、磁極によって磁気処理し
た空気を、焼却処理室に自然吸気で導くと共に、焼却処
理室から燃焼ガスを自然排気で排出し、且つ、それら吸
気側と排気側の少なくとも何れか一方を、着火後に絞る
ことを特徴とする。
ば、廃棄物に着火した後に、燃焼用空気の取入口及び/
又は排気口を絞り焼却処理室への空気の流入量を制限す
ることにより、自然吸気で取り入れた僅かな空気を利用
して廃棄物を継続的に燃焼させることが可能とされてい
る。なお、点火から、或る程度の燃焼状態に至る着火迄
は、より多くの空気が焼却処理室に導かれるようにする
ことが望ましい。
様は、前記焼却方法に関する第一の態様に従う方法にお
いて、焼却処理室内の雰囲気温度を700℃以下とする
ことを特徴とする。このような本態様に従う焼却方法に
よれば、特に、ダイオキシンの生成を効果的に抑制する
ことが出来る。
様は、前記焼却方法に関する第一又は第二の態様に従う
方法において、焼却処理室における焼却廃棄物の燃焼状
態下において、焼却処理室への空気流入量を、焼却処理
室の床面積の0.5m2 当たり50cm3 /秒以下に設
定することを特徴とする。このような本態様に従う方法
によれば、焼却処理室に導かれる空気流入量を少量に設
定することで緩やかな燃焼速度で進行する燃焼状態を安
定して維持することが出来ると共に、燃焼ガスの排出量
もより削減される。焼却処理室への空気流入量は、好ま
しくは、25cm3 /秒、より好ましくは、10cm3
/秒程度に設定することによって更に僅かな空気で燃焼
させることも可能である。なお、焼却用廃棄物を重ね合
わせて焼却する場合でも、実質的に有効な焼却は、層状
に進行すること等から、床面積を基準として焼却処理室
への空気流入量を調節することが出来るのである。
理室内に流入させるようにすれば、一層有利に700℃
以下の低温状態で継続的に燃焼を進行させることが可能
である。
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
ての焼却炉10が示されている。焼却炉10は、焼却炉
本体12と煙道用水タンク14を含んで構成されてお
り、焼却処理物を焼却炉本体12内で燃焼させると共
に、燃焼により発生する燃焼ガスを煙道用水タンク14
を通じて外部へ送出するようになっている。なお、以下
の説明における上下方向とは、図1における上下方向を
いうものとする。
属等の耐熱材からなる全体として中空の矩形箱体形状を
有している。また、焼却炉本体12は、略一定の板厚寸
法の矩形平板形状とされた金属板の複数枚を溶接するこ
と等によって形成された側方に開口する略箱体形状の収
容部16と、収容部16の開口を覆蓋する蓋部18を備
えている。
22,両側壁24,24および後壁25を含んで構成さ
れており、上壁20および底壁22は、それぞれ略矩形
平板形状とされていると共に、それら両壁20,22の
間には、それぞれ略矩形平板形状を有する両側壁24,
24と後壁25が略上下方向に跨って配設されている。
また、収容部16の前壁部分が開口せしめられているこ
とにより、全体として、1箇所で側方に開口する中空の
略矩形箱体形状の収容部16が形成されている。そし
て、この開口部分に対して、後述する蓋部18が開閉可
能に取り付けられており、蓋部18を閉塞することによ
って焼却炉10内に、外部空間に対して実質的に遮断さ
れた閉鎖領域が形成されるようになっている。なお、収
容部16の具体的な形状は、このようなものに限定され
るものではなく、開口を上壁20に形成したり、或い
は、全体形状として中空の略円形箱体状や略多角形箱体
状等を採用することも可能である。
口部と反対側の隅部には、通気孔26が形成されてい
る。この通気孔26は、例えば、上壁20を板厚方向に
打ち抜くこと等により形成されており、具体的形状は、
必要とされる上壁20の強度や、通気孔26を通過せし
められることとなる気体の流量等を考慮して適宜に設定
されるが、例えば、本実施形態では、通気孔26は、長
手矩形状を有しており、その長辺が上壁20における、
通気孔26の長手方向に略平行な辺の略1/4程度とさ
れていると共に、短辺が長辺よりも十分に幅狭とされて
いる。なお、本実施形態では、通気孔26は、10cm2
〜200cm2 とされることが望ましく、より好適には、
40cm2 〜80cm2 とされる。
部と反対側)において、矩形平面形状のスロープ部28
を備えた傾斜板部30が配設されている。この傾斜板部
30は、収容部16と同様な材質から形成された矩形平
板形状を有しており、開口部側の底部22の上面から後
壁25内面へ向かって斜め上方に傾斜した状態で配され
ている。なお、傾斜板部30の底壁22側の端縁部は、
下方に向かって僅かに折り曲げられた鉛直部分とされて
いる。また、傾斜板部30は、外周部分を、それぞれ、
収容部26の底壁22の上面、および側壁24,24の
各内面に溶接されていると共に、下面を、収容部16に
おける対向位置する一対の側壁24間に跨って相互に所
定距離を隔てて延びる支持棒32,32によって補強的
に支持されることにより、収容部16内面に対して固定
的に取り付けられている。一方、収容部16内部の開口
側には、傾斜板部30が設けられていない部位におい
て、底壁22の上面によって略平坦な矩形平面形状の平
板部34が形成されている。要するに、収容部16内部
においては、開口側の底部に平板部34が形成されてい
ると共に、平板部34の奥側に隣接してスロープ部28
が形成されている。そして、これらのことから明らかな
ように、本実施形態では、平板部34によって燃焼床部
が、傾斜板部30によってスロープ状床部が形成されて
いる。また、収容部16内には、平板部34によって焼
却室35が形成されると共に、スロープ部28によって
煙ガイド室37が形成されている。
部18は、図2にも示されているように、略一定の厚さ
寸法を有する矩形平板形状を有している。この蓋部18
は、収容部16の開口を形成する一方の側辺縁部に対し
て、蝶番36,36により開閉可能に連結されている。
また、蓋部18には、収容部16との連結部位に対する
対辺部近くにおいて、略コ字形状を有する取手部38が
両端部分を蓋部18の表面上に溶着等されることによっ
て蓋部18の表面側に突設されている。更に、蓋部18
には、ロック機構が設けられており、取手部38の上下
に位置してロックアーム40,40が取り付けられてい
る。各ロックアーム40は、長手プレート形状を有して
おり、その一方の端部がボルト42により、蓋部18に
対して、一軸回りに回転可能に取り付けられていると共
に、他端部には、ロッド形状のハンドル部44が突設さ
れている。そして、ハンドル部44を把持してロックア
ーム40を回転操作せしめて、側壁24に形成された引
掛部46に係止することにより、蓋部18が閉塞状態に
ロックされるようになっている。
向に貫通する吸入口50が形成されている。特に本実施
形態では、蓋体18の中央よりも下半分の部分で上下、
左右に略等分的に配されている。各吸入孔50には、吸
入口50の内径寸法よりも僅かに小さな外径寸法を有す
る円筒形状とされた金属筒体48(図3参照)が内嵌さ
れて、金属筒体48の外周面の一端縁部が吸入口50の
内周面に対して溶着又は接着等されることにより蓋部1
8に固定的に接続されている。また、各金属筒体48に
は、長手方向中間部分において、流入空気制限手段とし
ての流量調整機構52が設けられている。この流量調整
機構52としては、本実施形態では、金属筒体48の内
部にその内径寸法より僅かに小さな外径寸法の金属材等
からなる略円板形状を有する弁体54が、円形面の面方
向が上下方向になるように配設されている。更に、弁体
54には、直径部分を上下方向に突出する軸部56が一
体的に突設されており、この軸部56が金属筒体48に
貫通支持されることにより、弁体54が金属筒体48内
で軸部56回りに回転可能とされている。また、軸部5
6の弁体54から上方に突出した部分には、T字断面形
状を有する操作部58が一体的に形成されている。そし
て、操作部58を、把持して弁体54を軸部56回りに
回転操作することにより、金属筒体48の内孔60の開
度を調整することが出来るようになっている。即ち、弁
体54の面を金属筒体48の中心軸に直交させることで
金属筒体48を略遮断する一方、中心軸と平行とするこ
とで金属筒体48を略全開とする、所謂バタフライバル
ブが構成されているのである。
続部位と反対側の端部には、所定長さを有する円筒形状
の空気取入用管体62が接続されている。各空気取入用
管体62は、後述する永久磁石68,68により目的と
する効果を有利に得るために、非磁性材で形成されてお
り、例えば、本実施形態では、ゴム弾性体や合成樹脂か
ら形成されている。そして、各空気取入用管体62の一
端部が金属筒体48の端部に外嵌されて、その外周部分
を金属製の締付リング64等により抜け出し不能に締付
固定されることにより、各空気取入用管体62が金属筒
体48の端部に対して密着状態で固定的に取り付けられ
ている。また、以上のことから明らかなように、本実施
形態では、各吸入孔50,各空気取入用管体62および
各金属筒体48により燃焼用空気の取入口が構成されて
いると共に、各空気取入用管体62および各金属筒体4
8の内部に空気通路66が形成されている。
は、それぞれ、一組の永久磁石68,68が取り付けら
れている。各永久磁石68は、中空円形箱体形状のケー
シング72内に、ケーシング72よりもひとまわり小さ
な外形寸法の円柱形状を有する磁石本体74が収容され
た構造とされている。各磁石本体74は、両底面部分に
おいて、相互に異なる磁極を有しており、磁石本体74
の各磁極がケーシング72の両底面に対応するようにケ
ーシング72内に配置されている。そして、ケーシング
72,72に合成樹脂材等の非磁性材からなる取付ベル
ト70が通されて取付ベルト70およびケーシング7
2,72を空気取入用管体62の外周面に周方向に巻付
けた後、締付固定することにより、永久磁石68,68
を空気取入用管体62に対して装着することが出来るよ
うになっている。
8は、空気管体62に面する側に磁極を有する形態で配
設されており、それによって、空気管体62内を流通せ
しめられる燃焼用空気に対して磁界が及ぼされるように
なっている。なお、複数の永久磁石68,68の磁極の
極性や位置は特に限定されるものでないが、好ましく
は、NまたはSの何れか一方の同極だけが空気管体62
に面する側に位置するように設定されることとなり、特
に本実施形態では、一対の永久磁石68,68が、空気
管体62を挟んで、同極同士が相互に対向位置せしめら
れる状態で装着されている。
ば、コスト性に優れたフェライト磁石等が好適に採用可
能され得、それ以外にも、アルニコ(登録商標)磁石,
希土類磁石等の各種のハード磁性材料が、磁気特性やコ
スト性等を考慮して適宜に採用可能である。
容部16の底壁22の下面から下方に延び出す中実角柱
形状を有する支持柱76,76を介して接地されるよう
になっている。
用水タンク14が設けられている。この煙道用水タンク
14は、図1,図4に示されているように、焼却炉本体
12の収容部16の上壁20上に固定的に載置された状
態で配設されている。より具体的には、煙道用水タンク
14は、全体として、略コ字形状の中空の箱体形状とさ
れており、四隅部分において、それぞれ、略矩形箱体形
状を有する箱体部80a〜dを備えており、これらの箱
体部80a〜dが、直管円筒形状を有するパイプ部82
a〜cによって相互に接続されると共に、隣接する各箱
体部80とパイプ部82が連通されることにより、煙道
用水タンク14内に煙道84が略水平方向に延びる状態
で形成されている。煙道用水タンク14の一端部である
箱体部80aは、収容部16における上壁20の通気孔
26の上方に載置されており、箱体部80aの下壁部に
は、通気孔26と略同じ、或いは、通気孔26よりも大
きく開口する連通孔85が形成されることにより、煙道
84の一端部が焼却炉本体12内と接続されている。一
方、煙道用水タンク14の他端部である箱体部80dの
上壁部には、図4中に示されているように排気孔86が
設けられており、排気孔86を通じて煙道84の他端部
が箱体部80dの上方に載置された煙突88(図1参
照)に接続されている。また、各箱体部80b〜dにお
ける、隣接する各パイプ部82a〜cとの接続部位にお
いては、各側壁に対して、それぞれ、接続用孔90が設
けられている。なお、箱体部80aとパイプ部82aと
の接続部位においては、接続用孔90に代えて、箱体部
80aの側壁により、所定高さを有する仕切壁92が形
成されており、仕切壁92の上端と箱体部80aの上壁
部94の下面との間に、長手状矩形状に開口する窓部9
6が設けられている。
された煙道84の底部には、所定量の水が収容せしめら
れている。なお、煙道84内の水は、仕切壁92の上端
よりも低い水位とされている。また、煙道84内に収容
された水には、活性炭等を収容して燃焼ガスの消臭効果
の向上を図ることや、或いは、必要に応じて、苛性ソー
ダ(水酸化ナトリウム)等、その他の化学物質等を加え
ることも可能である。
部80又はパイプ部82において、流入側管路98およ
び流出側管路100が接続されている。具体的には、箱
体部80aに隣接するパイプ部82aの円筒状周壁に流
入孔が設けられていると共に、箱体部80dの側壁に流
出孔が設けられており、それらの両孔に対して、流入側
管路98および流出側管路100が接続されている。各
管路98,100は、何れもゴム弾性体等から形成され
ており、両管路98,100における、煙道用水タンク
14への接続端部とは他方の端部が何れも焼却炉10の
外部に配設された水槽102内に開口せしめられてい
る。また、水槽102内においては、流入側管路98の
端部に水中ポンプ104が接続されており、それによっ
て、水槽102内の水を揚水して煙道用水タンク14へ
供給すると共に、煙道用水タンク14の水を流出側管路
100を通じて水槽内に返戻する、水の循環経路が形成
されている。なお、両管路98,100の煙道用水タン
ク14への接続部位近くには、流量を調節する調節用弁
106,108が設けられている。
説明する。まず、焼却炉本体12の蓋部18を開けて収
容部16の開口から焼却処理物を投入する。そして、焼
却処理物に着火した後、蓋部18を閉めてロックして焼
却炉本体12を密閉すると共に、流量制限機構52によ
り燃焼室35内へ導かれる燃焼用空気を制限する。投入
された焼却処理物は、専ら平板部34上(焼却室35)
で焼却される。その際、焼却処理物は、自然吸気により
取り込まれる僅かな燃焼用空気を利用して燃焼せしめら
れるが、燃焼用空気には、磁界を及ぼされていることか
ら、消火することなく燃焼が進行せしめられることとな
る。そこにおいて、燃焼状態下では、少なくとも、燃焼
用空気の流入量および燃焼ガスの排出量の何れか一方
を、好ましくは、燃焼室35の床部を形成する平板部3
4の面積0.5m2 当たり5cm2 以下、より好ましく
は、3cm2 以下に調節することにより、或いは、空気流
入量を平板部34の面積0.5m2 当たり50cm3 /
秒以下とすることにより、緩やかに燃焼させることが望
ましい。また、燃焼状態下における雰囲気温度は、望ま
しくは、700℃以下の低温で燃焼させる。
は、スロープ部28上(煙ガイド室37)を通気孔26
へ案内されて、自然排気により、通気孔26および連通
孔85を通じて煙道用水タンク14内に流入する。ま
た、燃焼ガスは、煙道用水タンク14内部の煙道84内
を排気孔86へ向かって送られることとなるが、煙道8
4を通過せしめられる際、煙道用水タンク14の底部に
は、水が収容されていることから、燃焼ガスが冷却され
ると共に、燃焼ガスに含まれる煤塵等が水に吸着された
後、排気孔86および煙突88を通じて外部に排出され
ることとなる。なお、以上のことから明らかなように、
本実施形態では、燃焼室35によって焼却処理室が、煙
ガイド室37によって煙案内室がそれぞれ構成されてい
る。
却処理物を低温で燃焼することについて言及したが、参
考として、以下に燃焼温度とダイオキシン類濃度の関係
についても説明する。即ち、焼却処理物の焼却にあたっ
ては、燃焼により生成されるダイオキシン類の燃焼ガス
中の含有量が、焼却時の燃焼温度の影響を受けることが
知られている。図5には、一般廃棄物および産業廃棄物
を焼却処理した際の、燃焼温度と、燃焼温度毎のダイオ
キシン類濃度の平均値および中央値が示されている。こ
の図からも明らかなように、700℃〜850℃の燃焼
温度帯においてダイオキシン類濃度が著しく高濃度にな
っていることが認められる。
び焼却方法においては、金属筒体48に対して燃焼用空
気の流量調整機構52が設けられていることから、焼却
処理物への着火後に空気の流入量を絞ることが出来る。
が設けられており、磁気が及ぼされた空気が燃焼用空気
として吸入されるようになっていることから、燃焼前か
ら焼却炉本体12内にあった空気(酸素)を燃焼に使用
し切った後も、自然吸気により吸入される僅かな空気を
利用して、例えば、700℃以下の雰囲気温度でも、継
続的に低温燃焼させる出来るのであり、ひいては、燃焼
によるダイオキシン類の生成を有利に抑制することが出
来るのである。
法においては、流量調整機構により制限されつつ吸入さ
れる、僅かな燃焼用空気で廃棄物を燃焼させることか
ら、可及的に、燃焼ガスの排出量自体を少量化し得ると
いった利点もある。
体62に対して、一組の永久磁石68,68が空気取入
管体62を両側から挟んだ状態で各同極同士を対向せし
めた状態で装着されていることから、両磁極から生ずる
磁力線の逃げ合いを利用して、空気通路66に対して、
燃焼用空気の流入方向に沿った磁力線を中心とする磁場
が形成されるのであり、結果的に、流入空気に対して有
利に磁界を及ぼすことが出来るのである。
方法にあっては、燃焼用空気に磁界を及ぼすことによ
り、継続的な燃焼を実現したことから、長期間に亘る使
用による焼却処理能力の劣化が略完全に回避し得るので
あり、極めて耐久性,メンテナンス性に優れている。
空気を焼却炉本体12内へ導く吸入孔50,金属筒体4
8,空気取入用管体62が、蓋部18に形成されている
と共に、燃焼ガスを焼却炉本体12外へ排出する通気孔
26が、蓋部18と対向位置する後壁25の上方に形成
されていることから、焼却炉本体12内において、燃焼
用空気が一方向に安定して流動せしめられ易くなるので
あり、それによって、燃焼状態の一層の安定化が図られ
得る。
煙道用水タンク14内を通過する際に燃焼ガス中に含ま
れる煤塵等を、煙道84内に収容された水に吸着させる
ようになっていることから、燃焼ガスを一層、無害化す
ることも出来る。
きたが、これは、あくまでも例示であって、本発明は、
かかる実施形態における具体的記載によって、何等、限
定的に解釈されるものではない。
の如き永久磁石68に代えて、或いは、加えて、電磁石
を採用することも可能である。
によって空気取入管体62に対して取り付ける以外に
も、空気取入管体62に対して直接的に接着したり、或
いは、空気取入管体62の壁部分に埋設して装着するこ
とも可能である。それにより、例えば、空気通路内面に
永久磁石を直接に露呈せしめて配することも可能であ
る。
目的とする焼却処理状態や、コスト性等を考慮して、適
宜に調整することが出来る。例えば、空気取入用管体6
2の周方向に3つ以上の磁極を位置せしめたり、軸方向
に複数の磁極を位置せしめることも可能である。
6の開口部および、蓋部18の配設部位、収容部16と
蓋部18の連結箇所の構造等は、適宜に変更可能であ
る。例えば、前壁を収容部16に溶着固定し、かかる前
壁の中央部分だけに開閉可能な蓋部を設けても良い。
造も、前記実施形態のもの以外にも各種の構造が採用可
能であり、例えば、弁体54を設けていない金属筒体4
8に対して、必要に応じて、小孔が形成された蓋部材を
用いて空気通路66を狭くしたり、或いは、回転操作す
ることにより流量を調節する弁体54に代えて、スライ
ド式の開閉窓を採用したり、或いは、小孔を有する2枚
の円板形状の仕切壁を摺動させることにより、必要に応
じて、窓部が形成されるようにしても良い。
において、磁石手段より焼却炉本体12側に位置する金
属筒体48に対して、燃焼用空気の流量調整機構52が
設けられていたが、例えば、磁石手段を挟んで焼却炉本
体12と反対側に流量調整機構52を設けることも可能
である。
形態に記載の構造や、配設位置、数等に限定されるもの
ではない。例えば、前記実施形態の如く設けられた取入
口に加えて、適当な位置に、別の取入口および、流量調
整機構を設けることも可能である。
しも開閉調整可能とされる必要はなく、流入空気を一定
量に制限するものでも良い。そのようなものとしては、
例えば、収容部16の壁部に直接に小孔を貫設したもの
等でも可能である。また、例えば、着火前は、蓋部を開
いておいて、着火後、蓋を閉じて空気流入を制限するこ
とも出来る。
持することにより、燃焼状態の更なる促進を図ることも
可能である。
の排ガス浄化剤を配合することも可能であり、例えば、
消石灰を配合して石灰水とすることにより、更なる脱臭
作用の向上と併せて、発生する炭酸ガスを吸着して二酸
化炭素等の発生量を軽減することも可能である。
と併せて、煙道用水タンク14が採用されていたが、煙
道用水タンク14を必ずしも設ける必要はない。
整することにより、吸入空気量を調整するようにしても
良い。
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施形態が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
に従う構造とされた焼却炉および焼却方法においては、
燃焼用空気の流入量を制限すると共に、空気通路上にお
いて、燃焼用空気に磁界を及ぼすことにより、焼却処理
室内の僅かな空気を利用して、焼却処理物を継続的に燃
焼せしめ得たのであり、結果的に、燃焼によるダイオキ
シン類の生成を有利に抑制し得たと共に、優れたコスト
性を達成した。
面説明図である。
である。
である。
略説明図である。
ラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 外部空間から略遮断された焼却処理室を
形成する耐熱容器と、 該耐熱容器の壁部に設けられて燃焼用空気を前記焼却処
理室に自然吸気で取り入れる燃焼用空気の取入口と、 該空気取入口を絞ることにより、前記焼却処理室への空
気の流入量を制限する流入空気制限手段と、 前記空気取り入れ口から前記焼却処理室に燃焼用空気を
導く空気通路上に磁場を形成して、該燃焼用空気を磁気
処理する磁石手段と、 前記焼却処理室の壁部に設けられた燃焼ガスの排出口と
を、有することを特徴とする焼却炉。 - 【請求項2】 前記燃焼ガスの排出口が接続されて略水
平方向に延びる煙道を形成すると共に、該煙道の底部に
水を収容せしめて、前記燃焼ガスが該水に接触せしめら
れるようにした請求項1に記載の焼却炉。 - 【請求項3】 前記焼却処理室において対向位置する一
方の側壁部に前記空気取入口を少なくとも一つ形成する
と共に、対向位置する他方の側壁部の上方に前記燃焼ガ
ス排出口を設けた請求項1又は2に記載の焼却炉。 - 【請求項4】 前記燃焼用空気の取入口と前記燃焼ガス
の排出口の少なくとも何れか一方を、燃焼状態下におい
て、前記焼却処理室の床面積の0.5m2 当たり10cm
2 以下に設定するようにした請求項1乃至3の何れかに
記載の焼却炉。 - 【請求項5】 前記焼却処理室を平坦な燃焼床部によっ
て形成すると共に、該燃焼床部に隣接して、次第に上方
に向かって傾斜したスロープ状床部を備えた煙案内室を
形成した請求項1乃至4の何れかに記載の焼却炉。 - 【請求項6】 前記空気通路における前記磁石手段の配
設部位を非磁性材で形成して、互いに独立した複数の磁
極を配した請求項1乃至5の何れかに記載の焼却炉。 - 【請求項7】 前記空気通路において磁場を形成する複
数の磁極を、互いに同極だけが空気通路に向かって位置
する状態で配した請求項1乃至6の何れかに記載の焼却
炉。 - 【請求項8】 外部空間から略遮断された焼却処理室内
で焼却廃棄物を焼却処分するに際して、 磁極によって磁気処理した空気を、前記焼却処理室に自
然吸気で導くと共に、該焼却処理室から燃焼ガスを自然
排気で排出し、且つ、それら吸気側と排気側の少なくと
も何れか一方を、着火後に絞ることを特徴とする焼却方
法。 - 【請求項9】 前記焼却処理室内の雰囲気温度を700
℃以下とする請求項8に記載の焼却方法。 - 【請求項10】 前記焼却処理室における前記焼却廃棄
物の燃焼状態下において、該焼却処理室への空気流入量
を、該焼却処理室の床面積の0.5m2 当たり50cm
3 /秒以下に設定する請求項8又は9に記載の焼却方
法。
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-
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