JP2004091367A - 消臭殺菌剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイオキシン類や悪臭等の有害物質を吸着して優れた消臭,浄化作用を有すると共に、人体への悪影響が防止され、且つ人体に有害な細菌等に対しては有効な殺菌性を発揮し得る、新規な消臭殺菌剤とその効率的な生成方法を提供すること。
【解決手段】熱処理室34に永久磁石110により磁気処理された熱処理用空気を導くと共に、吸気通路80における永久磁石110の配設領域に流れ調節手段90,92,94,96,98及び/又は永久磁石110を変位可能に保持せしめる手段を設けて、該熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめるようにした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、生ごみや雑誌、布きれ、紙くず、繊維くず、ゴムくず、廃タイヤ、廃油、廃プラスチック、動物の死体、汚泥等の一般廃棄物または産業廃棄物における有機系廃棄物を分解処理することにより生成される、新規な消臭殺菌剤とその製造方法およびかかる消臭殺菌剤を生成する新規な構造の有機系廃棄物の分解処理装置等に関するものである。
【0002】
【背景技術】
良く知られているように、産廃処分場やごみ処理場等において、一般廃棄物や産業廃棄物等を含む廃棄物には、収集されてから最終処分に至るまでの中間処理として、焼却処理が一般的に行われている。また、一般家庭において、ごみを焼却する場合もある。
【0003】
ところで、廃棄物の焼却は、何れの場合でも、廃棄物を焼却炉内で燃焼させることによって実施されるが、燃焼に伴う炭化水素や、窒素酸化物、ダイオキシン類等の有害物質の発生や、焼却に伴う悪臭の発生が、大きな環境問題となっている。そこで、このような問題に対処するための一つの方策として、例えば、廃棄物を高温で燃焼させることにより不完全燃焼を少なくさせて、該廃棄物に含まれる塩素ガス等の発生に伴うダイオキシン類の生成を抑制することが提案されている。
【0004】
しかしながら、廃棄物、特に、廃プラスチック類等を含む産業廃棄物をダイオキシン類の発生を抑える程度の高温で焼却する際には、焼却炉内が著しく高温化することから、耐熱性に優れた特別な素材や構造からなる焼却炉が必要とされるのであり、焼却炉設備のために多大なコストが必要になるという問題があったのである。しかも、含水率の高い有機系廃棄物を熱処理する場合においては、廃棄物の表面のみが急速に炭化される傾向にあり、その結果、廃棄物の表面が炭化膜で覆われる一方、廃棄物の中心部分が十分に炭化されないことから、不完全燃焼に伴いダイオキシン類や悪臭を発生させるおそれがあった。
【0005】
そこで、このような問題に鑑み、例えば、(イ)特許第3294207号公報に示されるように、廃棄物の加熱により発生する蒸気を抽出させつつ、該廃棄物を低温で炭化処理したり、或いは(ロ)特開2000−144143号公報に示されるように、廃棄物を水分除去工程や塩素除去工程等を含む多段階の熱処理工程によって熱分解させること等により、塩素の気化等に起因するダイオキシン類の発生の抑制や、有機系廃棄物を無機系処理物に変換させる資源の再利用化が検討されている。ところが、(イ)特許第3294207号公報に記載の処理方法においては、熱処理の大半が乾燥処理に当てられて、炭化処理されるまでの待機時間が長くなり、その結果、大量の廃棄物の処理に対応することが困難であるという問題があったのであり、また、(ロ)特開2000−144143号公報に示される如き処理方法にあっては、各種の熱処理温度に対応するために、構造の複雑化や耐熱容器等における優れた素材の選択等が必要であることから、コストがかかる等の問題を内在していた。
【0006】
また、廃棄物の再資源化に関しては、上記(イ)、(ロ)の公報以外にも、例えば、特許第3036574号公報、特許第3231197号公報および特許第3283396号公報等に、廃棄物を溶融して焼結させること等により、セラミックスを製造する技術が開示されている。しかしながら、これら公報に記載の製造方法等においては、廃棄物からセラミックスを得る処理工程として高温処理や多段階な熱処理等が採用されていることにより、処理工程の効率化や低コスト化等が有効に図られ難いという問題があったのであり、しかも、廃棄物の熱処理に際して排出される有害物質の除去に関して特に考慮されていないことから、環境への悪影響が問題となるおそれがあったのである。
【0007】
なお、上述の如き問題に対処するために、例えば、特許第3037688号公報等には、有機系廃棄物を含む可燃性有機物に粘土鉱物やゼオライト等を混合して炭化処理を施すことにより、炭化物の表面にセラミック層をコーティングした多孔性焼成体を形成し、かかる多孔性焼成体を用いてダイオキシンを吸着除去させることが開示されている。ところが、かかる手法においては、粘土鉱物やゼオライト等を特別に用意して廃棄物に混合処理する必要があり、処理工程の効率化や低コスト化が図られ難くなるという問題があった。
【0008】
そこで、上述の公報を含む従来構造の問題に鑑みて、特開2001−304520号公報には、外部空間と略遮断された耐熱容器の壁部に空気取入口を設けると共に、該取入口から耐熱容器内部の処理室に燃焼用空気を導く通路上に磁石手段を設けて、該燃焼用空気を磁気処理することにより、ダイオキシン類等の発生を抑えつつ、廃棄物に炭化処理等を施すようにした焼却炉が示されている。ところが、このような焼却炉について、本発明者等が検討を加えたところ、燃焼用空気を導く通路上に磁石手段を設けて該燃焼用空気を磁気処理しただけでは、比較的に低温度で十分なダイオキシン類の抑制効果を得ることが難しい場合があり、しかも、有機系廃棄物の燃焼処理後には、有機系廃棄物の殆どが炭化物となるにとどまることが多く、ダイオキシン類を含有しているおそれもあって再利用が難しいことから、要求される低コスト性やダイオキシン類の抑制効果、更には資源の再利用化等が、未だ充分に達成され難いという問題があった。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景としてなされたものであって、その解決課題とするところは、ダイオキシン類や悪臭等の有害物質が吸着されて優れた消臭,浄化作用が発揮され得ると共に、人畜に無害で、且つ有害な細菌等に対しては有効な殺菌性を発揮し得る、新規な消臭殺菌剤とその製造方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明は、ダイオキシン類や悪臭等の発生を抑制しつつ、廃棄物を熱処理することにより、廃棄物を安全に且つ効率的に分解処理せしめ得ると共に、消臭殺菌剤として、廃棄物の再利用が図られて、無公害化やリサイクル化が有利に実現され得る新規な構造の有機系廃棄物の分解処理装置を提供することも目的とする。
【0011】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0012】
すなわち、本発明の態様において、磁石を用いて磁気処理された空気を熱処理用空気(燃焼用空気を含む。以下同じ。)として熱処理室に導き入れることにより、廃棄物の燃焼に伴い発生する排ガス中のダイオキシン類の濃度等が低減されることは、本発明者が考案した先の出願(特開2001−304520号公報等)により開示されているが、本発明者が更なる検討を加えた結果、熱処理用空気や配設される磁石等に物理化学的な何らかの作用を及ぼすことにより、ダイオキシン類の濃度低下や燃焼効率等が一層向上されると共に、有機系廃棄物が効率的に炭化更に灰化等の熱分解処理されて、実用性の高い消臭殺菌剤に変換されることが知見された。そこにおいて、本発明の第一の態様は、消臭殺菌剤の製造方法にあって、吸気通路と排気通路がそれぞれ接続された熱処理室に有機系廃棄物を収容せしめて、該有機系廃棄物を熱分解処理するに際して、該吸気通路上に少なくとも一対の永久磁石を略対向状態で配設すると共に、該吸気通路における該一対の永久磁石の配設領域において積極的に乱流を生ぜしめる流れ調節手段を設けて、かかる熱処理室に供給される空気に対して磁気処理と乱流化を併せて施すことにより、該有機系廃棄物から無機系の消臭殺菌剤を生成することを、特徴とする。
【0013】
このような本発明方法に従えば、吸気通路を通じて磁気処理した外部の空気を熱処理用空気として熱処理室に及ぼすことにより、略閉状空間とされた熱処理室において、少量の熱処理用空気で廃棄物を、効率的に且つ緩やかに熱分解(燃焼や酸化、炭化、灰化等を含む。以下同じ。)して、消臭殺菌剤に変換することが出来るのである。このようにして得られた消臭殺菌剤は、主としてCaO やSiO,Al3 等を成分とする粉末状または多孔質ブロック状の無機物(セラミックス等を含む。)とされており、後述する本発明者等の実験データから明らかなように、ダイオキシン類や悪臭元となるにおい分子等を含む有害物質の吸着性を備えると共に、人体に無害で且つ有用な菌(例えば、カビ菌等)を生かしつつ、人体に有害な菌(例えば、大腸菌や黄色ブドウ球菌等)を死滅させる殺菌性を備えていることが確認されている。そして、本発明方法に従えば、熱分解処理が途中で終わることなく最終段階まで安定して進行し、最終的には、非常に高い含有割合で目的とする消臭殺菌剤を生成せしめることが出来るのである。
【0014】
また、特に本態様では、吸気通路を流通せしめられる熱処理用空気に対して、流れ調節手段により積極的な攪乱が生ぜしめられて乱流状態が発現されることにより、永久磁石で形成された磁界の作用が、熱処理用空気を構成する、或いは熱処理用空気に含まれる分子等に対して全体として略均一に且つ効率的に作用せしめられることとなり、僅かな流入量の熱処理用空気によっても緩やかな酸化反応乃至は炭化が好適に維持されることから、低温燃焼での熱処理が実現されると共に、廃棄物の燃焼効率が向上されて、消臭殺菌剤が効率的に生成され得ると共に、ダイオキシン類や悪臭等の有害物質の発生が効果的に抑制され得る。
【0015】
それ故、有機系廃棄物から生成されることにより、リサイクル化や低コストでの処理が有利に達成され得ると共に、効果的に分解処理されて、人体に無害で且つ殺菌性の高い消臭殺菌剤が簡単に実現され得るのであり、しかも、かかる消臭殺菌剤におけるダイオキシン類や悪臭元となるにおい分子の吸着効果と相俟って、有機系廃棄物が安全に分解処理されることから、優れた環境性が実現され得るのである。
【0016】
すなわち、従来から、焼却炉としては、燃焼室への吸気通路に永久磁石を配設せしめた構造のものが提案されているが、前述したように、そのような従来のものはあくまでも焼却炉に過ぎず、有機系廃棄物を焼却することによって炭化物とするにとどまるものであった。なお、処理する有機系廃棄物の種類や量、吸気量や磁化処理の程度等の条件が巧く噛み合うことによって、まれに炭化物から更に灰化が進み、セラミックス状のものが生成される場合もあったが、収量が悪い上に安定した処理が実現できず、炭化にとどまる焼却炉に過ぎなかったのである。また、ダイオキシン類の発生を防止しつつ、炭化を灰化まで進めるために特殊なバーナを用いて処理する焼却炉も提案されているが、それでは装置コストやランニングコストがかかり過ぎることに加えて、高温処理で予期しない有害の重金属が生成されるおそれもあることが指摘されている。このような状況下、本発明における第一の態様、或いは後述する各態様の熱処理方法に従えば、燃焼用の空気に対して極めて効率的な磁気処理を施すことによって、バーナ等を用いなくとも、穏やかに炭化から灰化に至る熱処理を進行させることが出来るのであり、しかも、得られたセラミックは、従来にない極めて有用な特性を備えた消臭殺菌剤とされることが、本発明者によって新たに見い出されたのである。
【0017】
なお、本態様において、消臭殺菌剤の生成には、従来構造の熱処理炉に、永久磁石や流れ調節手段を備えた吸気通路等を形成した熱処理装置を用いることが可能であるが、好ましくは、後述する有機系廃棄物の分解処理装置を用いることにより、ダイオキシン類や悪臭等の発生が効果的に抑制されつつ、消臭殺菌剤の生成効率が有利に向上され得る。
【0018】
また、本発明の第二の態様は、消臭殺菌剤の製造方法において、吸気通路と排気通路がそれぞれ接続された熱処理室に有機系廃棄物を収容せしめて、該有機系廃棄物を熱分解処理するに際して、該吸気通路上に少なくとも一対の永久磁石をそれぞれ変位可能に略対向状態で配設して、かかる熱処理室に供給される空気に対して磁気処理を施すことにより、該有機系廃棄物から無機系の消臭殺菌剤を生成することにより、該有機系廃棄物から無機系の消臭殺菌剤を得ることを、特徴とする。
【0019】
このような本態様においては、吸気通路を流動せしめられる熱処理用空気や外部装置から該通路への力学的な作用や、吸気通路を流動せしめられる熱処理用空気と永久磁石との磁力乃至は電磁的な作用などによって永久磁石が吸気通路に対して微小変位せしめられることにより、吸気通路に作用する磁界が僅かに変化せしめられるのであり、その結果、熱処理用空気に磁気処理が効果的に作用されることとなり、僅かな流入量の熱処理用空気によっても緩やかな酸化反応乃至は炭化が好適に維持されることから、低温燃焼での熱処理が実現されると共に、廃棄物の燃焼効率が向上されて、消臭殺菌剤が効率的に高い純度で生成され得ると共に、ダイオキシン類や悪臭等の有害物質の発生が効果的に抑制され得るのである。なお、炭化から灰化を経てセラミックスを生成する過程に関する化学的反応の検討は未だ完了していないが、燃焼室に導かれる磁気処理された空気が大きな影響を与えていることは事実であり、本発明に従う磁気処理によって空気の活性が高められることに基づくものであると推考される。このことは、例えば、本発明に従い、後述する第二十の態様に従う構造とされた磁気処理装置を用いて、それを木材の乾燥装置における乾燥用エアの導入路上に配設したところ、木材を所定含水率まで乾燥処理するに必要な燃料費が1/3以上節約され得たことからも理解されるところである。
【0020】
また、本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記吸気通路における前記永久磁石の配設領域に流れ調節手段を設けて、該永久磁石の配設領域で前記熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、前記第一および第二の態様における作用効果が相乗的に発揮されることとなり、磁気処理の効率がより一層向上されて、目的とする消臭殺菌剤がより効果的に実現され得る。
【0021】
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記流れ調節手段の少なくとも一つとして前記吸気通路に拡幅部及び/又は狭窄部を設けて、前記熱処理室に供給される空気に対して乱流を積極的に生ぜしめるようにしたことを、特徴とする。
【0022】
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記流れ調節手段の少なくとも一つとして前記吸気通路の内面に凹部及び/又は突部を設けて、前記熱処理室に供給される空気に対して乱流を積極的に生ぜしめたことを、特徴とする。
【0023】
これら本発明の第四の態様と第五の態様の何れに従う消臭殺菌剤の製造方法においても、流れ調節手段が簡単な構造で実現されると共に、熱処理用空気における乱流状態を一層効率的に生ぜしめることが可能となる。しかも、流れ調節手段によって熱処理用空気に及ぼされる乱流状態や流体抵抗を、容易に調節することが可能であるという利点もある。
【0024】
また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記吸気通路の少なくとも一部に開口量調節手段を設け、該吸気通路における通気用開口面積を適宜に変更調節して、前記有機系廃棄物を熱分解処理することを、特徴とする。このような本態様においては、初期から定常状態を経て終期に至る熱分解過程や、処理する有機系廃棄物の種類や量等の種々の熱処理状態に対して速やかに且つ容易に対応することが出来るのであり、それによって、ダイオキシン類や悪臭等の抑制効果乃至は消臭殺菌剤の材質や生成量等の調節が一層有利に実現され得る。なお、本態様において、開口量調節手段には、例えば、スライド式の開閉窓を採用したり、或いは小孔を有する2枚の円板形状の仕切壁を相互に摺動させること等により、必要に応じて、窓部が形成されるもの等が有利に採用され得る。
【0025】
また、本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記永久磁石を、前記吸気通路を挟んで略対向するように少なくとも一対配設すると共に、かかる対を為して互いに対向位置せしめられた永久磁石の対向面を、互いに異極としたことを、特徴とする。このような本態様においては、吸気通路に対して、対向位置せしめられた永久磁石の間で一層大きな磁束密度が発現され得て、吸気通路を流動せしめられる熱処理用空気に対して一層大きな磁気作用が及ぼされることとなり、消臭殺菌剤の生成効率が向上され得る。また、本態様においては、対向位置せしめた永久磁石が磁力の作用で互いに引き合うことから、例えば対向位置して形成した穴に、かかる穴の内法寸法よりも僅かに小さい外幅寸法を有する一対の永久磁石を収容配置せしめるだけで、磁力の作用で吸気通路を挟んで対向位置する所定位置への配設状態に保持せしめることが可能となり、組み付け性の簡略化が図られ得る。
【0026】
また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記吸気通路を扁平形状とすると共に、前記一対の永久磁石を該吸気通路の扁平方向で対向配置せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、吸気通路を扁平形状としたことにより、対向位置せしめられる永久磁石を出来るだけ接近配置せしめて漏れ磁束を抑え、熱処理用空気に対して磁力を一層効率的に作用せしめることが可能となる。しかも、吸気通路を扁平形状としたことにより、磁石の磁極が吸気通路に面する部分の面積を、吸気通路断面積に対して一層大きく確保することが可能となるのであり、それにより、熱処理用空気の単位容積当たりに対して一層大きな磁力を及ぼすことが出来るのである。なお、本態様において、扁平方向とは、吸気通路における対向面間距離が最も小さい方向を言うものとする。また、本態様において、好ましくは、少なくとも永久磁石の磁極面が配された部位における吸気通路の扁平方向での内法寸法:Aとそれに直交する方向での内法寸法:Bの比(A/B)の最大値が、2以上となるように設定され、より好ましくは3以上とされる。
【0027】
また、本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る消臭殺菌剤の製造方法であって、前記一対の永久磁石の対向方向に直交し、且つ前記吸気通路における空気流通方向にも直交する、前記吸気通路の幅方向において、該吸気通路の幅方向寸法の半分以上の範囲に亘って該各永久磁石の磁極面が該吸気通路に面するようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、吸気通路を通じて熱処理室導かれる空気に対して、より均一で且つ効率的な磁気処理を施すことが可能となり、熱処理室において目的とする熱処理が、より安定して実現可能となるのである。なお、より好ましくは、吸気通路の幅方向寸法の2/3以上の範囲に亘って各永久磁石の磁極面が吸気通路に面するようにされる。
【0028】
また、本発明の第十の態様は、前記第一乃至第九の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、前記熱処理室内の雰囲気温度を300℃以下に設定することを、特徴とする。このような本態様においては、特に、ダイオキシン類の発生を効果的に抑制することが出来る。
【0029】
なお、このように熱処理室内の雰囲気温度を、一般的な焼却炉に比しても極めて低温に保つことが出来るのは、熱処理室内では、炎を出す燃焼が行われていないからであり、吸気が制限されることによって有炎の燃焼を阻止せしめつつ、緩慢な酸化による反応が、局部的に続いていることによる。このことは、熱処理炉内を直接に見れば一目瞭然であり、炭化層と灰化層の境界部分で、数mm程度の極めて局部的な部分から光が発せられており、この光を発する部分が時間と共に変化して行くことからも、明らかである。また、熱処理炉内の雰囲気を測定したところ、驚くことに相当量のマイナスイオンが充満していることも確認されている。なお、一般に、セラミックスの生成や、その結合反応は、一般に数千度以上の極めて高温が必要とされると言われているが、本発明に係る消臭殺菌剤の製造方法では、上述の如く、実測値において熱処理室内の雰囲気温度が非常に低く、炭化層や灰化層の温度を測定しても500℃か、せいぜい800℃にとどまっている。一方で、熱処理の結果の生成物は、紛れもないセラミックスであって、特に消臭殺菌性の点で顕著な特性を有するものであることが、公的機関による分析でも確認されていることもまた、事実なのである。
【0030】
この事実と根拠は、未だ充分に解明されていないし、その理論の解明が本発明の目的でないことは言うまでもないが、推考するに、極めて効率的な磁気処理を空気に施し、且つ有炎の燃焼を阻止し得る程度に空気の供給を制限せしめたことにより、効率的な磁気処理で活性化された空気の特別な反応で有機廃棄物の処理が低温で進んでいることによるのか、或いは、局部的な温度の測定は現実的に困難であるが、上述の炭化物と灰化物の境界部分において、効率的な磁気処理で活性化された空気の特別な反応で極めて局部的に非常な高温に達して有機廃棄物の処理が進んでいることによるのであろうと、考えられる。
【0031】
また、本発明の第十一の態様は、前記第一乃至第九の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法において、(a)前記吸気通路に対応した形状の貫通窓が形成された通路形成プレートと、(b)該通路形成プレートの表裏両面に重ね合わせられて固定されることにより前記貫通窓を覆蓋せしめて内部通路を形成する一方、該通路形成プレートに対して重ね合わせられる内側面と反対の外側面に開口して該外側面から該内側面に向かって所定深さで延びる磁石収容穴が形成された一対の磁石保持プレートと、(c)該一対の磁石保持プレートのそれぞれにおける前記磁石収容穴に収容配置されることにより、前記吸気通路を挟んだ両側で対向位置せしめられた一対の永久磁石と、(d)前記一対の磁石保持プレートの各外側面に重ね合わせられて、前記各磁石収容穴の外側開口を覆蓋せしめる一対の外蓋プレートと、(e)前記通路形成プレートの外周面から前記内部通路に至る一対の接続用通孔とを、含んで構成される磁気処理装置を用いて、前記一対の接続用通孔を該吸気通路に直列的に接続することにより、該磁気処理装置を前記吸気通路上に配設せしめ、前記内部通路を通じて大気を前記熱処理室に取り入れることを、特徴とする。
【0032】
このような本態様においては、吸気通路と併せて永久磁石の配設スペースも備えた一体的なハウジングを、少ない部品点数と非常に優れた製作性をもって実現することが可能となり、それによって、熱処理用空気における磁気処理の簡略化やランニングコストや製造コストの低減化等が有利に図られ得る。また、特に、吸気通路を、通路形成プレートを板厚方向に抜いた構造の貫通窓で形成したことにより、かかる吸気通路の形状を、例えば蛇行形状や拡縮形状をもって、或いは通路内面に突出する凹部や突部を備えた形状をもって、極めて容易に且つ大きな設計自由度をもって設計したり変更等することが可能となるのである。
【0033】
また、本発明の第十二の態様は、前記第一乃至第十一の何れかの態様に係る消臭殺菌剤の製造方法に従い、有機系廃棄物を原料として製造された消臭殺菌剤を、特徴とする。このような本態様に従う消臭殺菌剤においては、原料として有機系廃棄物が採用されることにより、低コスト化が有利に実現され得ることに加えて、簡単な方法で優れた消臭,殺菌性能が実現され得る。なお、得られた消臭殺菌剤の効能は、後述する実施例のデータから明らかである。
【0034】
また、本発明の第十三の態様は、前記第十二の態様に係る消臭殺菌剤を原料の一つとして含有せしめた塗料を、特徴とする。
【0035】
また、本発明の第十四の態様は、前記第十二の態様に係る消臭殺菌剤を原料の一つとして含有せしめた建築用材料を、特徴とする。
【0036】
これら本発明の第十三の態様と第十四の態様に従う何れの消臭殺菌剤においても、かかる消臭殺菌剤が有する殺菌作用によって、大腸菌や緑膿菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌等の人体に有害な細菌が著しく減少されると共に、該消臭殺菌剤が有する消臭性によって、アンモニアやホルムアルデヒド等の悪臭元となる有害ガスが吸着され得る。それ故、例えば建築物用や家具用等のの塗料として採用したり、室の壁材等として採用することによって、住環境の向上と衛生化が効果的に向上され得る。なお、前記第十二の態様に係る消臭殺菌剤は、建築物における給水、給湯並びに汚水、排泄物の処理等の衛生設備に用いられる衛生陶器やタイルや壁紙等の装飾材の原料として、広い範囲に亘って採用可能であり、本態様では、それらを建築用材料に含む。
【0037】
また、本発明の第十五の態様は、前記第十二の態様に係る消臭殺菌剤を原料とした農業用散布剤を、特徴とする。このような本態様に従う農業用散布剤(無機肥料等を含む。以下同じ。)においては、農作物に散布すると、病気の予防が実現されたり、また農作物の成長が促進されることが、本発明者等の実験により明らかにされており、しかも、原料が有機系廃棄物の処理物とされていることにより、無農薬栽培が低コストに且つ有効に実現され得る。なお、植物の病気の予防は殺菌性に関係し、農作物の成長促進は、無機物の供給等に完成するものであろうと考えられる。また、本態様における農業用散布剤は、牛や豚、鶏等の家畜の飼育の現場に用いられるものも含み、例えば牛舎にかかる農業用散布剤を散布することにより、糞尿等の異臭を抑えたり、家畜の病気を予防することに効果のあることが確認されている。
【0038】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第一の態様は、(f)熱処理室を形成する耐熱容器と、(g)前記耐熱容器の壁部を貫通して設けられて外部の大気を熱処理用空気として前記熱処理室に取り入れる吸気通路と、(h)前記吸気通路を挟んで略対向するように配設された、該吸気通路に向かう面に磁極が形成された少なくとも一対の永久磁石と、(i)該吸気通路における前記永久磁石の配設領域において、該吸気通路を流通せしめられる前記熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめる流れ調節手段と、(j)前記熱処理室の壁部に設けられて熱処理に伴って生成される排気ガスを排出する排気通路とを、有する有機系廃棄物の分解処理装置を、特徴とする。
【0039】
このような本態様に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置においては、吸気通路を通じて磁気処理された外部の空気が熱処理用空気として熱処理室に及ぼされることにより、略閉状空間とされた熱処理室において、少量の熱処理用空気で廃棄物が、効率的に且つ緩やかに熱処理され得ることとなる。これにより、廃棄物が明確に認識出来る程の炎を上げることもなく、廃棄物の表面だけでなく主に内部の広い領域で時間をかけて緩やかな酸化乃至は炭化が進行せしめられるのであり、その結果、炉内の炉壁部分等における著しい高温化を回避しつつ、略完全燃焼と類似の状態まで反応を進行させて、ダイオキシン類の発生を抑えて熱処理することが出来るのである。
【0040】
しかも、特に、本態様の分解処理装置においては、吸気通路を流通せしめられる熱処理用空気に対して、流れ調節手段により積極的な攪乱が生ぜしめられて乱流状態が発現されることとなる。これにより、永久磁石で形成された磁界の作用が、熱処理用空気を構成する、或いは熱処理用空気に含まれる分子等に対して全体として略均一に且つ効率的に作用せしめられることとなり、僅かな流入量の熱処理用空気によっても緩やかな酸化反応乃至は炭化が好適に維持されることから、有機系廃棄物が効果的に熱分解処理されて、最終的にセラミック状(灰化した粉末状や多孔質ブロック状等を含む)の消臭殺菌剤に至るまで、効率的に処理され得るのである。
【0041】
なお、本態様において、吸気通路の配設位置や数等は、特に限定されるものでなく、耐熱容器の壁部や蓋体等の任意の位置に一つ乃至は複数設けられても良い。また、熱処理用空気は、自然吸気で十分であるが、燃焼状態において明確な炎が出ない程度に、ファン等で強制的に吸気を行っても良い。また、吸気通路を形成する部材には、アクリル樹脂や塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂,アルミニウム合金等からなる非磁性材の通気管路等が採用され得る。また、本態様における吸気通路の流れ調節手段は、永久磁石の磁力が及ぼされる領域内で吸気通路の断面形状を変化せしめた構成が好適に採用されることとなり、それによって、特別なアクチュエータ等のエネルギを必要とすることなく目的とする乱流状態が効率的に生ぜしめられ得る。具体的には、かかる流れ調節手段は、例えば、永久磁石の配設領域の近辺において吸気通路を蛇行や湾曲、屈曲等させたり、該通路にブロック体やシート部材等の障害物を設置することにより構成される他、吸気通路の断面積を急激に拡張させたり縮小させることによっても構成することが可能である。
【0042】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第二の態様は、(k)熱処理室を形成する耐熱容器と、(l)前記耐熱容器の壁部を貫通して設けられて外部の大気を熱処理用空気として前記熱処理室に取り入れる吸気通路と、(m)前記吸気通路を挟んで略対向するように配設された、該吸気通路に向かう面に磁極が形成された少なくとも一対の永久磁石と、(n)それら永久磁石を変位可能に保持せしめる磁石保持手段と、(o)前記熱処理室の壁部に設けられて熱処理に伴って生成される排気ガスを排出する排気通路とを、有する有機系廃棄物の分解処理装置を、特徴とする。
【0043】
このような本態様に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置においては、吸気通路を流動せしめられる熱処理用空気や外部装置から該通路への力学的な作用や、吸気通路を流動せしめられる熱処理用空気と永久磁石との磁力乃至は電磁的な作用などによって永久磁石が吸気通路に対して微小変位せしめられることにより、吸気通路に作用する磁界が僅かに変化せしめられるのであり、その結果、熱処理用空気に磁気処理が効果的に作用されることとなり、僅かな流入量の熱処理用空気によっても緩やかな酸化反応乃至は炭化が好適に維持されることから、有機系廃棄物が効果的に熱分解処理されて、最終的にセラミック状の消臭殺菌剤に効率的に変換され得るのである。なお、本態様においては、永久磁石の微小変位をより有利に生ぜしめるために、永久磁石の支持面は出来るだけ平滑面とすることが望ましく、更に゛例えば、永久磁石の支持面に潤滑剤等を塗布するようにしても良い。
【0044】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第三の態様は、前記第二の態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置にあって、前記吸気通路における前記永久磁石の配設領域において、該吸気通路を流通せしめられる前記熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめる流れ調節手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、前記第一および第二の態様における作用効果が相乗的に発揮されることとなり、かかる熱処理用空気を用いた廃棄物の酸化反応や炭化,灰化等が一層安定して有利に実現され得て、磁気処理の効率がより一層向上され得る。
【0045】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置であって、複数枚の樹脂プレートを互いに重ね合わせて相互に固着することにより、それら樹脂プレートの重ね合わせ部分において重ね合わせ面に沿って広がる扁平形状の閉状空間を形成すると共に、該閉状空間から延びて外周面に開口する一対の接続用通孔を形成する一方、該閉状空間を前記樹脂プレート重ね合わせ方向に挟んで位置する両側の該樹脂プレートに対して一対の永久磁石を埋設状態で収容配置せしめて、それら各永久磁石の磁極面を該閉状空間の扁平方向で対向位置するようにして該閉状空間に対して直接に乃至は非磁性材からなる覆板を介して間接に面せしめた磁気処理装置を用い、該磁気処理装置における前記一対の接続用通孔を前記吸気通路に対して直列的に接続せしめて、該磁気処理装置を該吸気通路上に配設したことを、特徴とする。このような本態様においては、永久磁石による磁気処理を熱処理室に導かれる吸気に対して効率的に施し得る扁平形状の磁気処理空間を吸気通路上に、簡単な構造をもって有利に形成することが可能となる。
【0046】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第五の態様は、前記第四の態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置であって、前記樹脂プレートにおいて、該樹脂プレートの重ね合わせ方向に延びる収容孔を形成すると共に、該収容穴の内周形状よりも僅かに小さな外周形状を備えた前記永久磁石を、該収容穴に挿入して非接着で組み付けたことを、特徴とする。このような本態様においては、永久磁石を微小変位可能な状態で、簡単な構造で一層容易に組み付けることが可能となる。
【0047】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第六の態様は、前記第四又は第五の態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置であって、前記永久磁石の前記閉状空間側への突出を制限して位置決めする位置決め手段を設けると共に、該永久磁石を前記樹脂プレートに対して非接着で収容配置せしめて、該閉状空間を挟んで対向配置せしめられた両永久磁石の磁極面における相互的な磁気吸引力に基づいて、それら両永久磁石を該位置決め手段で規定される位置に保持せしめたことを、特徴とする。このような本態様においては、永久磁石を、それ自身の磁力を利用して目的とする位置に配設保持せしめることが可能となり、永久磁石の組付構造の更なる簡略化が達成され得る。
【0048】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れかの態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記排気通路の少なくとも一部に、前述の如き本発明の第十二の態様に係る消臭殺菌剤を設置したことを、特徴とする。このような本態様においては、消臭殺菌剤におげくガス等の分子吸着作用によって、排気ガス中に含まれるダイオキシン類や悪臭等の除去作用が効果的に実現されることから、より優れた環境性が実現され得る。しかも、かかる消臭殺菌剤は、本態様に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置から生成されることから、リサイクルと低コスト化が一層有利に実現され得る。
【0049】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れかの態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記排気通路の少なくとも一部に貯水槽を配設して、該排気通路によって導かれた前記排気ガスに対して該貯水層に貯えられた処理水を接触せしめるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、排気ガスを処理水に接触せしめることにより、排気ガスに含まれるダイオキシン類や悪臭、煤塵等の有害物質を捕捉することが出来、有害物質の大気中への放出が有利に抑制され得る。なお、本態様において、処理水には、水道水や汚水、その他、薬品や夾雑物等が混じった水を用いることが可能であるが、好適には、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の前記第四乃至六の何れかの態様において採用されている磁気処理装置を用いてその通路に水を通過させることで磁気処理した水を用いることより、吸着作用がより有利に発揮され得ることが、本発明者等の実験によって明らかにされている。
【0050】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記処理水として金属を混合した水を用いたことを、特徴とする。
【0051】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第十の態様は、前記第八又は第九の態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記排気通路の途中で前記熱処理室から前記貯水槽に至る迄の領域に空気導入管路を接続して、該空気導入管路を通じて外部空間から空気を該排気通路に強制的に導き入れることにより該排気通路を通じての前記排気ガスの前記処理水への接触を促進せしめると共に、該空気導入管路を挟んで略対向位置するように少なくとも一対の永久磁石を配して、該空気導入管路を通じて導入された外部空気に対して磁気処理を施すようにしたことを、特徴とする。
【0052】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第十一の態様は、前記第一乃至第十の何れかの態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記排気通路にマンガンを配設したことを、特徴とする。
【0053】
このような本発明の第九乃至十一の何れかの態様に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置においては、特に、排気ガス中に含まれるダイオキシン類や悪臭等の低減効果が有効に発揮され得る。なお、このような技術的効果が達成される科学的根拠は未だ明らかではなく、それを明らかにすることが本発明の目的でもないが、ダイオキシン類やにおい分子等が処理水に含まれる金属イオン等と物理化学的に反応して沈殿または溶解等され易くなったり、或いはマンガン等における直接的な乃至は間接的な有害物質の吸着作用により、外部に放出されるダイオキシン類や悪臭等が抑制されるものと推考される。因みに、本発明者等の実験データにおいては、処理水に入れられる金属に、チタンを選択することにより、有害物質の除去率が高いことが認められた。
【0054】
また、特に前記第十の態様に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置においては、磁気処理装置の吸気通路を通じて磁気処理された圧縮空気が、排気通路に導かれて排気ガスと接触されることにより、排気ガス中に含まれるダイオキシン類や悪臭等の外部への放出が一層効果的に抑制され得るのである。なお、上述の磁気処理された圧縮空気によって発揮されるダイオキシン類等の抑制効果等についての理論的根拠は未だ明らかにされていないが、かかる有機系廃棄物の分解処理装置においては、磁気処理装置の吸気通路を流通されて、永久磁石による磁界の作用を受けた圧縮空気中において、電子が酸素分子や水分子等に積極的に衝突して付着されること等に伴ってマイナスに帯電する粒子乃至は分子が発生することとなり、その結果、排気ガス中におけるプラスに帯電するダイオキシン類や悪臭元となるにおいの粒子乃至は分子が、圧縮空気中のマイナスに帯電する粒子乃至は分子と反応して中和され、数ミクロン単位の粒子乃至は分子となって排気通路の壁面等に付着されたり、前記処理水によって捕捉されることにより、外部空間に放散されるダイオキシン類や悪臭等が抑えられるものと推考される。
【0055】
また、有機系廃棄物の分解処理装置に関する本発明の第十二の態様は、前記第一乃至第十一の何れかの態様に係る有機系廃棄物の分解処理装置において、前記排気通路に、前記排気ガス中に含まれる水分を捕捉収集する水分収集手段を設けたことを、特徴とする。このような本態様においては、有機系廃棄物の分解処理に際して、排気ガス中に含まれる水分がが安全に且つ効率的に排気ガスから摘出されることとなる。特に、産業廃棄物等の木材等を分解処理する際には、木酢を効率的に収集することが出来るのであり、より優れたリサイクル化が達成され得る。なお、かかる水分収集手段としては、例えば、排気通路のうち、熱処理室に近接する位置の下方に収集ボックスを設けて、排気通路の上方における排気ガスの冷却液化に伴い下方に落ちる水滴を収集ボックスに貯めることによって有利に実現される。また、収集した水を蒸留等することにより、含有される木酢を効率的に抽出すること等も可能である。
【0056】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0057】
先ず、図1〜5には、本発明の一実施形態としての熱処理装置10が示されている。この熱処理装置10は、耐熱容器としての処理炉12と貯水槽としての煙道用水タンク14を含んで構成されており、有機系廃棄物を含む熱処理物を処理炉12内で熱処理すると共に、熱処理により発生する排気ガスを煙道用水タンク14を通じて外部へ排出するようになっている。
【0058】
より詳細には、処理炉12は、中空の略箱体形状を呈していると共に、それぞれ略矩形平板形状を有する前壁16,後壁18,一対の側壁20,20、上壁22および底壁24を備えており、前壁16と後壁18の間には、両側壁20,20や上壁22、底壁24が略上下方向(図1中の上下方向)に跨って配設されている。
【0059】
また、処理炉12における前壁16および後壁18の対向面間には、略矩形平板形状を有する第一の竪壁26と第二の竪壁28と第三の竪壁30が、前壁16から後壁18に向かって順に並列されて、前壁16および後壁18と平行に設けられており、その外周部分が底壁24や側壁20,20の各内面等に溶接される等して固着されている。特に本実施形態では、第一の竪壁26が前壁16に近接して処理炉12の内部に設けられていると共に、第二の竪壁28と第三の竪壁30が相互に近接しつつ、後壁18に近接して処理炉12の内部に設けられており、第一の竪壁26と第二の竪壁28の対向面間距離が大きくされている。また、第一の竪壁26と第三の竪壁30の高さ寸法は、前壁16や後壁18等と略同じに設定されている一方、第二の竪壁28の高さ寸法は、第一および第三の竪壁26,30に比して小さく設定されている。
【0060】
さらに、第一の竪壁26と第二の竪壁28の対向面間にあって、側壁20,20の対向面間には、略矩形平板形状を有する一対の横壁32,32が、それぞれ、各一方の側壁20と所定の離隔距離をもって対向位置せしめられており、各横壁32の外周縁部が、第一の竪壁26や第二の竪壁28、底壁24等に固着されることによって、処理炉12の内部に固設されている。
【0061】
すなわち、これら第一、第二および第三の竪壁26,28,30が、処理炉12の外周部分を構成する前壁16や後壁18、側壁20等よりもひとまわり小さな壁部として処理炉12内に配置されているのであり、それによって、処理炉が中空の略二重壁構造とされている。また、特に本実施形態では、第一の竪壁26と第二の竪壁28の対向面間、一対の横壁32,32の対向面間および上壁22と底壁24の対向面間によって囲まれた領域が、後述する廃棄物を熱処理せしめる熱処理室34として形成されている。また、第一、第二および第三の竪壁26,28,30の下端縁部や一対の横壁32,32の下端縁部には、長手矩形形状を有する連通孔35が板厚方向に貫通して形成されている。
【0062】
また、第二の竪壁28の上方、換言すれば第二の竪壁28と上壁22の対向面間には、ぞれぞれ、前壁16や側壁20等に傾斜する方向に延びる略矩形平板形状の一対の補強板36,36が溶接等で固着されており、これら補強板36,36の両端が第一の竪壁26と第三の竪壁30に溶接等で固着されていることにより、第一、第二および第三の竪壁26,28,30、ひいては処理炉12全体の壁が補強されている。
【0063】
さらに、熱処理室34の略上方に位置する部分の上壁22には、開口窓としての投入口38が設けられていると共に、該投入口38には、略矩形平板形状を有する蓋体40が設けられている。かかる蓋体40は、投入口38の開口端縁部における上壁22に載置されている一方、一側辺縁部が上壁22に対して蝶番42によって連結されていることにより、処理炉12の投入口38に対して開閉可能に取り付けられている。また、蓋体40には、ロックアーム44が取り付けられている。このロックアーム44は、長手プレート形状を有しており、その一方の端部がボルト46により蓋体40に対して一軸回りに回転可能に取り付けられている。そして、ロックアーム44の他方の端部を把持してロックアーム44を回転操作せしめて、上壁22に設けられた引掛部48に係止させることにより蓋体40が閉塞状態にロックされるようになっている。
【0064】
また、上壁22における投入口38と反対側の隅部には、排気ガスの排出口としての通気孔50が形成されている。この通気孔50は、例えば、上壁22を板厚方向に打ち抜くこと等により形成されており、具体的な形状や大きさ等は、必要とされる上壁22の強度や、通気孔50を通過せしめられることとなる気体の流量等を考慮して適宜に設定される。
【0065】
さらに、本実施形態では、前壁16と後壁18の下方(図3中、下)に、それぞれ、略矩形孔形状を呈する開口窓としての取出口52が貫設されていると共に、該取出口52には、略矩形平板形状を有する蓋体54が設けられている。この蓋体54は、一側辺縁部が前壁16や後壁18に対して連結ピン56を介して連結されていることにより、取出口52に対して開閉可能に取り付けられている。また、蓋体54には、前壁16や後壁18との連結部位に対する対辺部近くに、上壁22に設けられた蓋体40と同様なロックアーム44が取り付けられており、前壁16や後壁18に設けられた上壁22と同様な引掛部48に係止させることにより蓋体54が閉塞状態にロックされるようになっている。
【0066】
さらに、処理炉12の上方には、煙道用水タンク14が設けられている。この煙道用水タンク14は、上壁22における投入口38や蓋体40の配設スペースを除く部分に固定的に載置された状態で配設されている。より具体的には、煙道用水タンク14は、全体として、中空の略長手箱体形状とされていると共に、かかる中空内部の軸直角方向(図4中、上下方向)の略中間部分には、仕切板58が長手方向に延びるように配設されており、この仕切板58でタンク14の内部が仕切られて二分されていることにより、略蛇行形状の第一の煙道60が内部に形成されている。
【0067】
また、第一の煙道60の一方の端部には、タンク14の下壁部に開口する略円孔形状の第一の接続孔62が設けられており、この第一の接続孔62が処理炉12の上壁22に設けられた通気孔50の上方に位置合わせされて、これら第一の接続孔62と通気孔50に第一の接続パイプ64が挿通固定されていることにより、処理炉12の内部と煙道用水タンク14の内部が相互に連通されている。また、第一の接続パイプ64は、略円筒形状を有しており、その下端開口が処理炉12の内部の上方に位置せしめられている一方、第一の接続パイプ64の上端開口が第一の煙道60の高さ方向の略中間に位置せしめられている。また、第一の煙道60の他方の端部には、略円筒形状の第二の接続パイプ66がタンク14の上壁部を貫通して設けられている。
【0068】
さらに、この煙道用水タンク14内に形成された第一の煙道60には、所定量の処理水68が収容せしめられている。特に、本実施形態では、処理水68が、第一の接続パイプ64の上端開口よりも低い位置に水位が設定された状態で、第一の煙道60の略下半分の全体に亘って収容せしめられている。なお、本実施形態において、処理水68には、市販の酸化チタン液が採用されているが、これに限定されるものでなく、例えば水道水や、水道水に活性炭や苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、その他を加えた水溶液を用いることも可能である。更にまた、煙道用水タンク14には、必要に応じて、処理水68用の注水口やドレン、オーバーフロー用の管体等が、周壁部の適当な位置に設けられており、処理水68が注水/排水されて交換可能とされていると共に、処理水68の水位が適宜に調節されるようになっている。
【0069】
また、特に本実施形態にあって、処理炉12には、複数の吸気孔70が設けられている。かかる吸気孔70は、略小円孔形状を呈しており、前壁16において高さ方向の中間部分に一つと、前壁16に取り付けられた蓋体54に一つが、それぞれ、貫設されていると共に、各側壁20の下方に、それぞれ、一つ貫設されている。そして、これら吸気孔70には、一端にエルボ72等を備えた略円筒形状の吸気筒体74を介して磁気処理装置76が取り付けられている。
【0070】
詳細には、かかる磁気処理装置76は、図6〜7にも拡大して示されているように、略矩形箱体形状を有するハウジングとしての筐体78を備えており、この筐体78の内部に吸気通路80が形成されている。
【0071】
筐体78は、アクリル樹脂やポリプロピレン樹脂等の非磁性材からなり、略矩形箱体形状とされていると共に、通路形成プレートとしての第一のプレート82、磁石保持プレートとしての一対の第二のプレート84,84および外蓋プレートとしての一対の第三のプレート86,86を含んで構成されている。
【0072】
第一のプレート82は、略矩形平板形状を有しており、中央部分に貫通窓としての大形の貫通孔88が貫設されている。この貫通孔88は、目的とする吸気通路の平面形状に相当する形状をもって打抜形態で形成されており、第一のプレート82の長手方向に細長に延びる長孔形状を呈している。また、貫通孔88の長手方向中央には、幅寸法が全長に亘って略一定に大きくされた拡幅部90が設けられていると共に、長手方向両端には、拡幅部90から第一のプレート82の端縁部に向かって次第に幅寸法が小さくなる狭窄部92,92が設けられている。また、各狭窄部92における幅方向一方の側には、それぞれ、貫通孔88の内方に向かって開口する略半円断面状の凹部としての凹溝94,94が板厚方向に貫通,形成されていると共に、各狭窄部92の幅方向他方の側には、それぞれ、貫通孔88の内方に向かって突出する大小一つずつの突部としての凸部96,98が設けられている。なお、本実施形態では、これら凸部96,98が第一のプレート82と一体形成されているが、これに限定されるものでなく、凸部96,98がプレート82と別体形成して、接着剤等でプレート82に固着しても良い。
【0073】
また、第二のプレート84,84は、厚肉の略矩形平板形状とされていると共に、中央部分に磁石収容穴としての円形凹所100,100が設けられている。かかる円形凹所100は、第二のプレート84における外側面である一方の幅広面102に開口していると共に、内側面である他方の幅広面104には達しない深さ寸法とされており、以て、第二のプレート84の一方の幅広面102に開口する凹陥状とされている。
【0074】
さらに、第三のプレート86,86は、薄肉の略矩形平板形状を有しており、その幅広面が第二のプレート84の幅広面102,104と略同じ大きさに設定されている。
【0075】
而して、本実施形態では、第一のプレート82の両幅広面、換言すれば貫通孔88の両開口端面が、各第二のプレート84の円形凹所100の底部側に位置する幅広面104に重ね合わされて接着剤やボルト等で固着されることにより、貫通孔88が一対の第二のプレート84,84で略気密に覆蓋されて吸気通路80が形成されていると共に、各第二のプレート84の円形凹所100の開口部側に位置する幅広面102が、それぞれ、第三のプレート86の幅広面に重ね合わされて接着剤やボルト等で固着されることにより、各円形凹所100が第三のプレート86で略気密に覆蓋されており、以て、吸気通路80や円形凹所100等を備えた略矩形箱体形状の筐体78が形成されている。なお、このことからも明らかなように、本実施形態では、非磁性材からなる複数枚のプレートが、第一のプレート82や一対の第二のプレート84,84、一対の第三のプレート86,86を含んで構成されており、これらのプレート82,84,86が積層されることにより筐体78の内部に吸気通路80が形成されていると共に、一対の第二のプレート84,84の円形凹所100,100が流体の流通方向に略直交する方向で吸気通路80を挟んで対向配置されている。
【0076】
また、このような筐体78の軸方向両端部には、それぞれ、めねじ部を備えた吸入口106と接続口108が形成されていると共に、これら吸入口106と接続口108が吸気通路80の両端に接続されている。これにより、吸気通路80が吸入口106または接続口108を通じて大気に連通されている。
【0077】
また、第二のプレート84の円形凹所100には、永久磁石110が収容されている。この永久磁石110は、フェライトやアルニコ合金(商品名)等の公知の磁性材が用いられており、略円板形状を呈していると共に、軸方向の両端で相互に異なる磁極を備えている。更に、永久磁石110には、非磁性材からなる略有底円筒形状の保護カバー112が嵌着されており、一方の磁極(例えば、N極)が保護カバー112の底部に位置せしめられていると共に、他方の磁極(例えば、S極)が保護カバー112の開口部に位置せしめられて外部に露出されている。更にまた、本実施形態では、保護カバー112の外径寸法が、第二のプレート84における円形凹所100の内径寸法よりも僅かに小さくされており、それによって、保護カバー112を取り付けた永久磁石110が円形凹所100に変位可能に収容配置されている。なお、これらの説明からも明らかなように、永久磁石110を変位可能に保持せしめる磁石保持手段が、円形凹所100を備えた第二のプレート84を含んで構成されている。
【0078】
また、特に本実施形態では、一対の永久磁石110,110の筐体78の配設下にあって、保護カバー112から露出される永久磁石110の磁極面が吸気通路80に面して配置されていると共に、これら一対の永久磁石110,110が該吸気通路80を挟んで異なる磁極面で対向配置されており、以て、両磁極が互いに引き合わされる作用に伴い両永久磁石110,110が吸気通路80に略密接した状態で第二のプレート84(円形凹所100)の底部に支持されている。
【0079】
また、吸入口106や接続口108には、チャック114が取り付けられている。このチャック114は、略段付円筒形状を有しており、小径部分116の外周面におねじ部が形成されて、該小径部分116が吸入口106や接続口108に螺着されていると共に、大径部分118の外径寸法がエルボ72の内径寸法と略同じに設定されている。そして、吸入口106に装着されるチャック114の大径部分118は、外部に開口している一方、接続口108に装着されるチャック114の大径部分118が、エルボ72の開口部分に嵌着されている。
【0080】
また、エルボ72の磁気処理装置76の装着と反対側の端部には、開口量調節手段としてのエアバルブ120が接続されており、更に該エアバルブ120が吸気筒体74に接続されている。吸気筒体74は、略円筒形状を呈しており、エルボ72の装着と反対側の端部が、熱処理炉12に設けられた前述の複数の吸気孔70に内挿されており、特に本実施形態では、側壁20に設けられた吸気孔70に内挿された一対の吸気筒体74と前壁16の中間部分に設けられた吸気孔70に内挿された吸気筒体74が、熱処理室34の壁部を構成する横壁32や第一の竪壁26を貫通して、熱処理室34に開口している。また、前壁16の蓋体54に設けられた吸気孔70に内挿された吸気筒体74は、その開口端部が第一の竪壁26と前壁16の対向面間に開口して、第一の竪壁26の連通孔35を通じて熱処理室34に連通されている。これにより、上述の如き磁気処理装置76が熱処理装置10に対して複数(本実施形態では、4つ)組み付けられており、外部の空気が、磁気処理装置76の吸入口106から吸気通路80を通じて磁気処理され、燃焼用空気として、熱処理室34に導かれるようになっていると共に、エアバルブ120でかかる燃焼用空気の吸気量が調整されるようになっている。
【0081】
さらに、本実施形態において、煙道用水タンク14には、本実施形態の熱処理装置10の一部として空気処理槽122が載置して設けられている。空気処理槽122は、中空の略矩形箱体形状を呈していると共に、かかる中空内部の軸直角方向(図5中、上下方向)の略中間部分には、仕切板124が長手方向に延びるように配設されており、この仕切板124で空気処理槽122の内部が仕切られて二分されていることにより、略蛇行形状の第二の煙道126が内部に形成されている。
【0082】
また、第二の煙道126の一方の端部には、空気処理槽122の下壁部に開口する略円孔形状の第二の接続孔128が設けられており、この第二の接続孔128が煙道用水タンク14の上壁に貫通して設けられた第二の接続パイプ66外挿固定されていることにより、煙道用水タンク14の内部と空気処理槽122の内部が相互に連通されている。また、第二の接続パイプ66の上端開口が第二の接続孔128の開口周縁部と略面一にされている。また、第二の煙道126の他方の端部には、エルボやストレート管等を含んで構成される略屈曲管体形状の第三の接続パイプ130が空気処理槽122の側壁部を貫通して設けられていると共に、第三の接続パイプ130の外部開口が上方に延びている。
【0083】
さらに、空気処理槽122の一側壁部には、小孔形状の空気取入口132が設けられていると共に、該空気取入口132には、空気管路134が接続されている。空気管路134は、略屈曲管体形状を呈していると共に、空気取入口132の接続側と反対の端部には、空気供給手段としてのブロワ136が設けられており、煙道用水タンク14に載置されている。また、かかる空気管路134上には、磁気処理装置76が設けられている。これにより、ブロワ136から送風される空気が、磁気処理装置76の吸気通路80を通じて磁気処理され、空気処理槽122における第二の煙道126に導かれるようになっている。
【0084】
また、空気処理槽122には、本実施形態の熱処理装置10の一部として消煙装置138が載置して設けられている。消煙装置138は、図8〜10にも拡大して示されているように、中空の略矩形箱体形状を呈しており、軸直角方向(図9中、上下方向)に広がる一対の第一の側壁140,140、軸方向(図9中、左右方向)に広がる一対の第二の側壁142,142、上壁144および底壁146を備えており、上壁144と底壁146の間には、各一対の第一の側壁140や第二の側壁142が略上下方向(図8中の上下方向)に跨って配設されている。
【0085】
また、消煙装置138における両第一の側壁140,140の対向面間には、略矩形平板形状を有する仕切板148が、一方の第一の側壁140(図8中、左の側壁140)に近接して設けられており、その外周部分が両第二の側壁142,142や底壁146の各内面等に溶接される等して固着されている。これにより、消煙装置138は、仕切板148で二分されていると共に、その内部において第一処理室150と該第一処理室150の略三倍の大きさを有する第二処理室152が形成されている。また、仕切板148の高さ寸法は、第一の側壁140や第二の側壁142よりも小さく設定されており、それによって、第一処理室150と第二処理室152が仕切板148の上方を通じて相互に連通されている。
【0086】
また、第一処理室150の下方に位置する部分の底壁146には、第三の接続孔154が貫設されており、かかる第三の接続孔154が第三の接続パイプ130の上端部分に外挿固定されることにより、空気処理槽122の内部と消煙装置138の内部(第一処理室150および第二処理室152)が相互に連通されている。
【0087】
また、第一処理室150の高さ方向の中間部分には、スライド板156が設けられている。かかるスライド板156は、略矩形平板形状を有しており、上壁144や底壁146と略平行に延びるように配設されていると共に、多数の通気孔158が板厚方向に貫通して設けられている。また、スライド板156は、その長手寸法が第一処理室150の幅寸法(図9中、左右の長さ)よりも僅かに大きく設定されて、その長手方向一方(図9中、左)の端部が、第一の側壁140を貫通して消煙装置138の外部に位置せしめられている一方、第一処理室150の高さ方向中間部分において各第二の側壁140に突設された案内板160,160にスライド板156の幅方向両端部が載置されている。これにより、スライド板156は、消煙装置138から外部に突出した部分を把持して操作することより、第一処理室150の水平方向(図8または図10中、左右)の面積、ひいては後述する第三の煙道162の開口量が調節できるようになっている。
【0088】
また、第二処理室152側の第一の側壁140には、排気口164が設けられていると共に、排気口164の開口周縁部に煙突としての略屈曲管体形状(換言すれば、エルボ状)を有する排気筒166が固着されている。更に、第二処理室152において、上壁144と底壁146の対向面間には、略矩形平板形状を有する第一の仕切板168と第二の仕切板170が、上壁144から底壁146に向かって順に並列されて、上壁144および底壁146と平行に設けられており、その外周部分が第一の側壁140や第二の側壁142、仕切板148の各内面等に溶接される等して固着されている。特に本実施形態では、第一の仕切板168と第二の仕切板170が相互に近接しつつ、上壁144に近接して第二処理室152の内部に設けられており、第二の仕切板170と底壁146の対向面間距離が大きくされている。また、第一の仕切板168は、仕切板148の上端縁部と略同じ高さに位置せしめられていると共に、第一の仕切板168の一方(図8中、左)の端部が、仕切板148の上端縁部に溶接等で固着されている一方、他方(図8中、右)の端部が、第一の側壁140には達しない長さ寸法とされている。更にまた、第二の仕切板170は、排気口164の上端部分と略同じ高さに位置せしめられていると共に、第二の仕切板168の一方(図8中、右)の端部が、排気口164の上端部付近における第一の側壁140に溶接等で固着されている一方、他方(図8中、左)の端部が、仕切板148には達しない長さ寸法とされている。
【0089】
さらに、これら第二の仕切板170と底壁146の対向面間には、貯水槽としての処理水槽172が形成されている。また、本実施形態では、かかる処理水槽172に煙道用水タンク14と同様の処理水68が収容されていると共に、処理水68の水位が第二の仕切板170よりも僅かに下方に、且つ排気口164の全体を覆わない程度に位置せしめられており、処理水68の水面と第二の仕切板170の対向面間距離が小さくされていると共に、処理水68の一部が排気筒166の下端部分に流れ込んでいる。
【0090】
また、特に本実施形態では、これら第一の仕切板170や第二の仕切板172に、マンガンからなる第一の処理剤174と、後述する消臭殺菌剤からなる第二の処理剤176が多数載置されて固定されている。
【0091】
このような消煙装置138においては、第三の接続パイプ130から吐出される排気ガスが、第一処理室150を通じて、第二処理室152を第一及び第二の仕切板168,170を介して上方(図8中、上)から下方(図8中、下)に向かって蛇行状に進みつつ、第二処理室152の下方に設けられた処理水槽172で処理水68に接触されて、排気筒から外部(大気中)に排出されるようになっている。このことからも、明らかなように消煙装置138における第一処理室150および第二処理室152をもって第三の煙道162が構成されていると共に、熱処理室34に設けられた通気孔50に接続されて熱処理室34と連通される煙道が、煙道用水タンク14の第一の煙道60と空気処理槽122の第二の煙道126と消煙装置138の第三の煙道162を含んで構成される一方、排気通路が、上記煙道と、煙道を通じて導かれた排気ガスを上端開口部から大気に放出せしめる排気筒166を含んで構成されている。なお、消煙装置138には、必要に応じて、第二の側壁142等に開口窓を貫設して窓内にアクリルガラス等の透明体を嵌め込んだ点検口178が設けられており、排気ガスの色や量等が観察されるようになっている。
【0092】
次に、上述の如き熱処理装置10を用いた消臭殺菌剤の製造方法ならびに有機系廃棄物の分解処理方法としての一具体例について説明する。まず、処理炉12の蓋体40を開けて投入口38から有機系廃棄物としての熱処理物を投入する。そして、熱処理物に着火した後、蓋体40を閉じて処理炉12を密閉すると共に、前壁16や側壁20等に形成された複数の吸気通路80を通じて磁気処理した熱処理用空気を、エアバルブ120が開状態の自然吸気にて熱処理室34へ取り込む。特に本実施形態では、磁気処理する空気を、永久磁石110,110の配設領域における拡幅部90や狭窄部92、凸部94,96、凹部94等で積極的に乱流させつつ、熱処理室34に導くようにする。投入された熱処理物は、専ら底壁24上の熱処理室34で熱処理されて酸化や炭化,灰化等される。また、熱処理状態における熱処理室34内の雰囲気温度は、熱処理室34への外気(熱処理用空気)の吸入量を調節すること等によって制御することが可能であり、熱処理する有機系排気物の種類や量等によっても異なるが、一般に、目的とする熱処理をダイオキシン類の発生を抑えつつ行うには、最も高温となる炭化物に近い領域でも300℃以下とすることが望ましく、より好適には250℃以下となるように調節される。
【0093】
そして、熱処理の結果、熱処理物(有機系廃棄物)は、多量のセラミックスを含む、またはセラミックスからなる消臭殺菌剤に変換されて、前壁16や後壁18の取出口52等から取り出すと共に、本実施形態では、その一部を建築塗装剤や建築壁材、農業用散布剤等の原料に適用すると共に、残りを前述の消煙装置138における第一の仕切板168や第二の仕切板170等に間隔を設けて多数載置する第二の処理剤176として適用する。
【0094】
また、かかる熱処理に伴い生成される排気ガスは、第二の竪壁26と第三の竪壁30の対向面間や、第三の竪壁30と後壁18の対向面間等を通じて、第一の接続パイプ64から煙道用水タンク14における第一の煙道60に案内されて、該第一の煙道60の処理水68に接触して冷却されつつ、第二の接続パイプ66を通じて空気処理槽122における第二の煙道126に導く。また、排気ガスは、第二の煙道を通過せしめる際に、ブロワ136から送出し、磁気処理装置76、ひいては空気管路134を通じて磁気処理した空気と接触せしめつつ、第三の接続パイプ130を通じて消煙装置138における第三の煙道162に案内する。更に、かかる第三の煙道162において、排気ガスを第一の処理剤172や第二の処理剤176と接触させると共に、第二処理室152の下方(処理水槽172)に収容した処理水68に接触させつつ、排気筒166から大気中に排出する。
【0095】
また、上述の如き排出経路をたどる排気ガスの一部は、煙道用水タンク14または処理水槽172における処理水68に直接に溶解したり、或いは大気中に排出される前に冷却されて、第一、第二および第三の煙道60,126,162等の内面を伝って、煙道用水タンク14の処理水68に溶解するようになっており、そこにおいて、排気ガスに含まれる木酢液を、処理水68に溶解した後に、処理水68を交換する際等に、煙道用水タンク14から排水して、処理水68中の木酢液を蒸留等により抽出する。
【0096】
そこにおいて、上述の如き構造とされた熱処理装置10においては、磁気が及ぼされた空気が熱処理用空気として吸入されるようになっていることから、熱処理前から処理炉12内にあった空気(酸素)を熱処理に使用し切った後も、自然吸気により吸入される僅かな空気を利用して、熱処理物の内部の広い領域で大きな炎を出さない緩やかな燃焼のような酸化反応乃至は炭化が進められるのであり、炉内の特に炉壁部分における著しい高温化を回避しつつ、略完全燃焼に近い状態で、ダイオキシン類の発生を抑えて熱処理することが出来ると共に、熱処理装置10の炉壁等に要求される耐熱性も軽減され得て、耐久性,メンテナンス性に優れた熱処理装置10が実現され得るのである。
【0097】
特に、本実施形態においては、永久磁石110によって生ぜしめられた磁場(磁界)内を流体の原子やイオンが移動せしめられることにより、磁力やそれに伴う電磁誘導等の作用が流体に及ぼされて、磁気処理が施されることとなるが、特に、大きな磁界が及ぼされる領域で流体が積極的に乱流状態とされていることから、かかる流体に対して、永久磁石110による磁気の作用が、全体に亘って略均一に、且つ効率的に及ぼされ得る。
【0098】
加えて、本実施形態では、永久磁石110が筐体78に対して固着されておらず、筐体78に対して微小変位(好ましくは10μm以上、より好ましくは100μm以上、更に好ましくは100μm〜数mm程度の変位)が可能に配設されていることから、外部乃至は流通流体から力学的に及ぼされる振動や力によって略振動状態で変位せしめられたり、或いは流体中に存在する分子等との間に及ぼされる磁力や電磁力の作用で略振動状態で変位せしめられ得るのである。そして、この永久磁石110の微小変位に伴って、吸気通路80に及ぼされる磁場が変化せしめられる結果、吸気通路80を流動せしめられる熱処理用空気に対して一層効果的に磁気作用が及ぼされ得る。
【0099】
それ故、かかる熱処理用空気を用いて有機系廃棄物を熱処理することにより、燃焼効率の向上が認められて、比較的に低温度下にあっても多量の消臭殺菌剤が生成され得る結果に至ったのであり、かかる消臭殺菌剤のガス吸着効果と相俟って、従来構造の処理装置では到底達成され得ないほどのダイオキシン類や悪臭等の抑制効果が有利に実現され得るのである。
【0100】
また、特に本実施形態の消臭殺菌剤においては、大腸菌や緑膿菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌等の人体に有害な細菌を効果的に死滅させ、且つ人体に無害なカビ菌等を死滅させない殺菌作用を備えると共に、アンモニアやホルムアルデヒド等の悪臭元となる有害ガスを吸着せしめる消臭作用を備えることにより、例えば、建築塗装剤や建築壁材等に適用することによって、建築物の衛生化が効果的に向上され得ることに加えて、田畑等の作付土壌に撒いたり、家畜の飼育床に撒いたりする農業用散布剤等に適用することによって、病気を抑えたり、異臭を抑えたりすることが出来るのであり、それによって、減農薬或いは無農薬での栽培や飼育が有利に実現され得る。
【0101】
しかも、本実施形態では、消臭殺菌剤を有機系廃棄物から得ることが出来、低コスト化が有利に実現され得ることに加えて、本実施形態の熱処理装置10を用いて処理された有機系廃棄物からなる消臭殺菌剤を、消煙装置138に第二の処理剤176として設置したことにより、排気ガス中のダイオキシン類や悪臭等の吸着効果が有効に実現され得ると共に、可及的にコストをかけることなく有機系廃棄物を分解処理することが可能となる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これは、あくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0103】
例えば、永久磁石の配設位置や数等は、目的とする熱処理状態や、コスト性等を考慮して、適宜に調整することが出来る。例えば、吸気通路の周方向に3つ以上の磁極を位置せしめたり、軸方向に複数の磁極を位置せしめることも可能である。
【0104】
また、前記実施形態において、処理炉における投入口や取出口、蓋体の配設部位等は、適宜に変更可能である。例えば、前壁の中央部分だけに開閉可能な蓋体を設けても良い。
【0105】
さらに、熱処理用空気の吸気孔も、前記実施形態に記載の構造や、配設位置、数等に限定されるものではない。例えば、前記実施形態の如く設けられた吸気孔に加えて、適当な位置に、別の吸気孔を設けることも可能である。
【0106】
また、ロストル等を用いて熱処理物を支持することにより、熱処理状態の更なる促進を図ることも可能である。
【0107】
更にまた、煙道用水タンクや消煙装置の処理水槽内の処理水に、各種の排気ガス浄化剤を配合することも可能であり、例えば、消石灰を配合して石灰水とすることにより、更なる脱臭作用の向上と併せて、発生する炭酸ガスを吸着して二酸化炭素等の発生量を軽減することも可能である。
【0108】
また、前記実施形態における拡幅部や狭窄部は必ずしも必要とされるものでなく、例えば、図11〜12に示されているように、拡幅部や狭窄部を備えていない全長に亘って幅寸法が略一定の貫通孔を採用することも可能である。なお、凹溝や凸部の形状や数、配設位置等は、何等限定されるものでない。
【0109】
更にまた、拡幅部や狭窄部などの流れ調節手段は、吸気通路に面して配設位置せしめられた永久磁石の磁極面に対して、熱処理用空気の流れ方向で該磁極面の長さ寸法の上下流側にそれぞれ2倍以下の領域内に設けることが望ましく、より好適には、磁極面よりも上流側に形成される。また、好ましくは、永久磁石において吸気通路に面する磁極の幅寸法(流体の流れ方向に直交する方向の寸法)が、吸気通路の幅寸法の0.5倍以上、より好ましくは0.75倍以上とされる。
【0110】
さらに、前記実施形態における凹溝や凸部は必須のものではなく、例えば、図13に示されているように、貫通孔に設けられた拡幅部や狭窄部だけで流体の流れを調節させることも可能である。なお、図11〜13において、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0111】
更にまた、前記実施形態では、貫通孔に設けられた凹溝が、第一のプレートを板厚方向に貫通して形成されていたが、貫通せずに所定の深さ寸法で広がる凹陥状をもって形成しても良い(図12参照)。
【0112】
また、前記実施形態では、第一のプレート(貫通孔)に凹溝や凸部が設けられていたが、第二のプレートの底部等に凹溝や凸部を設けて吸気通路を拡縮させることも可能である。
【0113】
さらに、前記実施形態において、永久磁石が配設される凹所(円形凹所)は、例示の如き形状(円形)のものに限定されるものでなく、例えば、多角形断面の凹所等を採用しても良い。
【0114】
更にまた、吸気通路の構造は、前記実施形態に限定されるものでなく、例えば、異なる断面をもって所定長さで延びる筒体を、吸気通路として採用することも可能である。
【0115】
また、要求される磁気特性や設置環境等に応じて、吸気通路のまわりに電磁シールドを設けて外界の電磁場の悪影響を防止するようにしても良い。
【0116】
さらに、吸気通路を形成する筐体に振動スピーカ等の加振手段を設けて、吸気通路を流通せしめられる流体や、永久磁石を支持する筐体を加振して圧力変動による流体分子運動や永久磁石の変位をより積極的に発生させるようにしても良い。
【0117】
更にまた、吸気通路等にシリカゲルや炭材(木炭や活性炭)等の乾燥剤やフィルタ(濾過器やこし器を含む)を配設しても良く、それにより、吸気通路を流通せしめられる空気等の湿度を調節することも可能である。また、前記実施形態において、筐体に、還元体等の生成や遠赤外線の放出,微弱電流の発生等に効果があるとされる電気石(トルマリン)を配設することも可能である。
【0118】
さらに、前記実施形態では、第一のプレートや第二のプレート、第三のプレートが、それぞれ、接着剤で固着されていたが、例えば、これらのプレートをボルトやピン等で取り外し可能に固定することも可能であり、それによって、要求される配設スペースや他装置への組み付け条件等に応じて、これらプレートのうちの何れかを別に形成された形状の異なる他のプレートと取り替えることも可能となる。
【0119】
更にまた、永久磁石を、流体通路を挟んで同一磁極(N極とN極、或いはS極とS極)を対向位置せしめるようにしても良く、それによって、広い領域に磁界を及ぼすことが可能となる。
【0120】
また、吸気通路の形状や構造,大きさ等も何等限定されるものでなく、例えば、流量が多い場合には、多数の分流構造を採用し、各分流路にそれぞれ永久磁石を配設した前記実施形態の構造を採用することも可能であり、それによって、大量の流体に対しても、一層均一な磁気作用を及ぼすことが出来る。
【0121】
また、前記実施形態では、処理炉の上方に、煙道用水タンクや空気処理槽、消煙装置等が設けられていたが、これらは必ずしも必須のものでなく、目的とする消臭殺菌剤の生成条件や有機系廃棄物の分解処理条件等に応じては、処理炉に設けた通気孔に排気筒を固設して、有機系廃棄物の分解処理乃至は消臭殺菌剤の製造を実現するようにしても良い。
【0122】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施形態が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0123】
【実施例】
次に、本発明の効果を具体的に測定した実施データについて、表1〜17や図14〜17を参照しつつ、明らかにする。
【0124】
一対の永久磁石110,110を、吸気通路80を備えた筐体78に該吸気通路80を挟んで位置する両側で異極が対向位置するように変位可能に配設すると共に、吸気通路80を構成する貫通孔88に凹溝94や凸部96,98、拡幅部90、狭窄部92を設けた熱処理装置10を用いて、実際に有機系廃棄物を熱処理した際に、該有機系廃棄物から変換されてなるセラミックス状の消臭殺菌剤における殺菌性能について測定分析した。なお、廃棄物としては、合成樹脂(紙おむつ,スーパーマーケットの袋)、雑誌、布きれ、廃油、野菜くずを採用し、それらを一度に熱処理装置内に投入して熱処理した。
【0125】
また、本分析は、環境衛生検査センターに依頼して、図14にも概略的に示される如き試験方法に従い測定した。即ち、本分析方法としては、供試菌として、細菌に分類されるEschericia coli(大腸菌)KEC−B−001、Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)KEC−B−002、Pseudomonas aeruginosa (緑膿菌) KEC−B−003 、Bacillus subtillus (枯草菌)KEC−B−007およびSalmonera typhimurium(サルモネラ菌)KEC−B−009や、酵母に分類されるCandida albicans KEC−Y−001、糸状菌(換言すれば、カビ)に分類されるAspergillus niger KEC−F−031 、Penicillium citrinum KEC−F−021およびCladosporinum cladosporioides KEC−F−018 を用いて、先ず、これら供試菌を前培養する。かかる前培養においては、細菌をSA培地で37℃で24時間培養すると共に、酵母をPDA 培地で25℃で24時間培養し、カビをPDA 培地で7〜14日間培養する。また、前培養した供試菌のうち、細菌は滅菌性食塩水を用いて×107 CFU/mlになるように調整すると共に、酵母は滅菌性食塩水を用いて×106 〜×107 CFU/mlになるように調整し、更にカビは界面活性剤(0.05% Tween80)を用いて×106 〜×107 CFU/mlになるように調整することにより、各細胞液を作成する。
【0126】
また、特に本実施例では、前述の熱処理装置を用いて、第一回目の熱処理により得た消臭殺菌剤と第二回目の熱処理により得た消臭殺菌剤から、各別に供試験体を作成し、更に供試験体は、滅菌性食塩水を用いて、0.01,0.05,0.1,0.5,1.0,10.0% に希釈して、濃度がそれぞれ異なる各試験検体とする。そして、上述の各細胞液を各試験検体に0.1ml 接種し、室温下で185/rpm 振倒処理後、所定時間(本実施例では、一日後および二日後)に達したら、被検物質0.1ml を無菌的に取り出し、滅菌生理食塩水で10倍希釈段階系列を作製後、PDA 培地に塗沫接種し、細菌は37℃で2日間、酵母は25℃で2日間、カビは28℃で7日間培養して、培地上に形成されたコロニーを測定した。その結果、〔表1〜17〕の実測データを得た。そこにおいて、〔表1〜5〕には、供試検体に第一回目の熱処理により得た消臭殺菌剤を用いていると共に、〔表7〜11〕には、供試検体に第二回目の熱処理により得た消臭殺菌剤を用いており、また、〔表1〕および〔表7〕には、供試菌としてEschericia coli(大腸菌)KEC−B−001を用いた試験結果が示されており、更に、〔表2〕および〔表8〕には、供試菌としてStaphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)KEC−B−002を用いた試験結果が示されており、更にまた、〔表3〕および〔表9〕には、供試菌としてPseudomonas aeruginosa (緑膿菌) KEC−B−003 を用いた試験結果が示されており、また、〔表4〕および〔表10〕には、供試菌としてBacillus subtillus (枯草菌)KEC−B−007を用いた試験結果が示されており、更に、〔表5〕および〔表11〕には、供試菌としてSalmonera typhimurium(サルモネラ菌)KEC−B−009を用いた試験結果が示されている。また、〔表6〕には、上述の〔表1〜5〕の結果に基づいて、第一回目の熱処理により得た消臭殺菌剤(供試験体)による細菌の殺菌濃度についてまとめたものが示されていると共に、〔表12〕には、上述の〔表7〜11〕の結果に基づき、第二回目の熱処理により得た消臭殺菌剤による細菌の殺菌濃度についてまとめたものが示されている。また、〔表13〜16〕には、供試検体に第一回目または第二回目の熱処理により得た消臭殺菌剤を用いており、特に〔表13〕には、供試菌としてCandida albicans KEC−Y−001を用いた試験結果が示されており、〔表14〕には、供試菌としてAspergillus niger KEC−F−031 を用いた試験結果が示されており、〔表15〕には、供試菌としてPenicillium citrinum KEC−F−021を用いた試験結果が示されており、〔表16〕には、供試菌としてCladosporinumcladosporioides KEC−F−018 を用いた試験結果が示されている。また、〔表17〕には、上述の試験結果に基づいて、消臭殺菌剤による酵母やカビ等を含む真菌の殺菌濃度についてまとめたものが示されている。
【0127】
〔表1〕
Figure 2004091367
【0128】
〔表2〕
Figure 2004091367
【0129】
〔表3〕
Figure 2004091367
【0130】
〔表4〕
Figure 2004091367
【0131】
〔表5〕
Figure 2004091367
【0132】
〔表6〕
Figure 2004091367
【0133】
〔表7〕
Figure 2004091367
【0134】
〔表8〕
Figure 2004091367
【0135】
〔表9〕
Figure 2004091367
【0136】
〔表10〕
Figure 2004091367
【0137】
〔表11〕
Figure 2004091367
【0138】
〔表12〕
Figure 2004091367
【0139】
〔表13〕
Figure 2004091367
【0140】
〔表14〕
Figure 2004091367
【0141】
〔表15〕
Figure 2004091367
【0142】
〔表16〕
Figure 2004091367
【0143】
〔表17〕
Figure 2004091367
【0144】
これら〔表6〕および〔表12〕からも、本実施例の消臭殺菌剤によって細菌が効果的に死滅することが明らかである。
【0145】
また、〔表17〕からも、本実施例の消臭殺菌剤においては、細菌等が死滅する条件下で酵母やカビ等が生息することが認められる。
【0146】
それ故、本実施例の消臭殺菌剤にあっては、有益な酵母やカビ等を生息させつつ、人体に有害な細菌等を効果的に死滅させることから、従来の殺菌剤に比して、多種多様な使用性が図られ得ると共に、人体に無害であって取り扱い性も向上されるといった利点がある。
【0147】
次に、前述の消臭殺菌剤における消臭性能について測定分析した。なお、本分析は、前記実施例と同様に、環境衛生検査センターに依頼して、図15に示される如き試験装置を用いて行った。かかる試験装置は、縦の長さが300mm、横の長さが300mm、高さが300mmの中空の矩形箱体形状を有して、且つアクリル樹脂からなる容器本体180を含んで構成している。また、容器本体180の対向する一方の側壁部に注入口182を設け、他方の側壁部に吸入口184を設けると共に、上壁部に縦の長さと横の長さが共に160mmの開閉可能な挿入口186を設ける。また、吸入口184に検知管を接続する。この検知管は、空気管路、検知器188およびエアポンプ190を含んで構成しており、エアポンプ190の吸引作用で容器本体180内部の気体を吸引口184から空気管路を介して検知器188に導いて、該検知器188で気体成分を分析することにより、気体に含まれる特定ガスの濃度を測定すると共に、ガスの残存率を算出するようになっている。また、容器本体180の内部に、カップ形状を有し且つ、側壁部に多数の送風口196を備えた収容箱194を設置する。また、収容箱194の上部開口には、1.2m/min のファン198を着脱可能に設ける。これにより、ファン198を稼動すると、収容箱194の周りにおける容器本体180内部の気体を収容箱194の内部に導いて、送風口196から再び容器本体180内部に吐出するようになっている。
【0148】
そして、上述の試験装置を用いて、本実施例の消臭殺菌剤からなる試験体192の消臭性能を測定するに際しては、先ず、収容箱194に、消臭殺菌剤からな試験体192を5g収容すると共に、収容箱194の上部開口にファン198を設置して、これら収容箱194とファン198を容器本体180の挿入口186から容器本体180の内部に入れて容器本体180を略密閉状態とする。また、試験ガスとして、初期濃度が150ppm のアンモニアを、テドラーバックよりエアポンプで注入口182から容器本体180の内部に注入する。また、ファン198を稼動させて、アンモニアを含む気体を収容箱194内部の試験体と積極的に接触させつつ、所定時間毎に検知管で容器本体180内におけるアンモニアの残存濃度を測定し、残存率を測定した。その結果を実施例として図16に示す。また、試験ガスとして、アンモニアの代わりに初期濃度が32ppm のホルムアルデヒドを採用して上記実施例と同様な試験をした結果を図17に示す。また、図16および図17においては、収容箱194に何も入れない状態で上記実施例と同様な試験を行った結果を比較例1として併せ示すと共に、収容箱194に5gのゼオライトを収容して上記実施例と同様な試験を行った結果を比較例2として併せ示す。なお、アンモニアやホルムアルデヒドの初期濃度は、空状態の容器本体180にガスを注入し2分後に測定した数値とした。
【0149】
これら図16〜17の結果からも、本実施例の消臭殺菌剤においては、ガス吸着作用を有する公知のゼオライトと比較しても、より優れた消臭効果が発揮されることが明らかである。
【0150】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明の消臭殺菌剤の製造方法に従えば、磁気処理した空気を熱処理室に及ぼすことにより、有機系廃棄物を効果的に分解処理して、人体に無害で且つ殺菌性の高い消臭殺菌剤を効率的に得ることも可能となる。
【0151】
また、本発明の消臭殺菌剤においては、有機系廃棄物から生成されることから、リサイクルや低コスト化が有利に達成され得る。
【0152】
さらに、本発明に従う構造とされた有機系廃棄物の分解処理装置においは、磁気処理された熱処理用空気により分解処理が緩やかにしかも途中で止まることなく安定して最終的なセラミックス状態に至るまで進行することとなるのであり、それによって、排気ガス中のダイオキシン類や悪臭等が有利に低減乃至は除去され得ると共に、再利用に供される極めて有用な消臭殺菌剤が効率的に生成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての熱処理装置を示す横断面説明図であって、図2におけるI−I断面図である。
【図2】図1に示された熱処理装置の正面説明図である。
【図3】図1に示された熱処理装置の縦断説明図である。
【図4】図2におけるIV−IV断面図である。
【図5】図2におけるV−V断面図である。
【図6】本発明の一要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【図7】図6におけるVII −VII 断面図である。
【図8】本発明の別の要部を拡大して示す縦断面説明図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】図8におけるX−X断面図である。
【図11】本発明の別の具体例としての熱処理装置の一要部を示す断面説明図であって、図7に対応する図である。
【図12】本発明の更に別の具体例としての熱処理装置の一要部を示す断面説明図であって、図7に対応する図である。
【図13】本発明の更にまた別の具体例としての熱処理装置の一要部を示す断面説明図であって、図7に対応する図である。
【図14】図1に示される如き熱処理装置を用いて生成された消臭殺菌剤における、殺菌性能について測定した一実施態様を概略的に示した説明モデル図である。
【図15】図1に示される如き熱処理装置を用いて生成された消臭殺菌剤における、消臭性能について測定した一実施態様を概略的に示した説明モデル図である。
【図16】図1に示される如き熱処理装置を用いて生成された消臭殺菌剤における、一消臭性能について測定した結果を示すグラフである。
【図17】図1に示される如き熱処理装置を用いて生成される消臭殺菌剤における、一消臭性能について測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 熱処理装置
12 処理炉
34 熱処理室
80 吸気通路
90 拡幅部
92 狭窄部
94 凹溝
96 凸部
98 凸部
110 永久磁石
176 第二の処理剤

Claims (27)

  1. 吸気通路と排気通路がそれぞれ接続された熱処理室に有機系廃棄物を収容せしめて、該有機系廃棄物を熱分解処理するに際して、該吸気通路上に少なくとも一対の永久磁石を略対向状態で配設すると共に、該吸気通路における該一対の永久磁石の配設領域において積極的に乱流を生ぜしめる流れ調節手段を設けて、かかる熱処理室に供給される空気に対して磁気処理と乱流化を併せて施すことにより、該有機系廃棄物から無機系の消臭殺菌剤を生成することを特徴とする消臭殺菌剤の製造方法。
  2. 吸気通路と排気通路がそれぞれ接続された熱処理室に有機系廃棄物を収容せしめて、該有機系廃棄物を熱分解処理するに際して、該吸気通路上に少なくとも一対の永久磁石をそれぞれ変位可能に略対向状態で配設して、かかる熱処理室に供給される空気に対して磁気処理を施すことにより、該有機系廃棄物から無機系の消臭殺菌剤を生成することを特徴とする消臭殺菌剤の製造方法。
  3. 前記吸気通路における前記永久磁石の配設領域において積極的に乱流を生ぜしめる流れ調節手段を設けて、前記熱処理室に供給される空気に対して乱流化を施すようにした請求項2に記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  4. 前記流れ調節手段の少なくとも一つとして前記吸気通路に拡幅部及び/又は狭窄部を設けて、前記熱処理室に供給される空気に対して乱流を積極的に生ぜしめるようにした請求項1乃至3の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  5. 前記流れ調節手段の少なくとも一つとして前記吸気通路の内面に凹部及び/又は突部を設けて、前記熱処理室に供給される空気に対して乱流を積極的に生ぜしめた請求項1乃至4の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  6. 前記吸気通路の少なくとも一部に開口量調節手段を設け、該吸気通路における通気用開口面積を適宜に変更調節して、前記有機系廃棄物を熱分解処理する請求項1乃至5の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  7. 前記永久磁石を、前記吸気通路を挟んで略対向するように少なくとも一対配設すると共に、かかる対を為して互いに対向位置せしめられた永久磁石の対向面を、互いに異極とした請求項1乃至6の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  8. 前記吸気通路を扁平形状とすると共に、前記一対の永久磁石を該吸気通路の扁平方向で対向配置せしめた請求項1乃至7の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  9. 前記一対の永久磁石の対向方向に直交し、且つ前記吸気通路における空気流通方向にも直交する、前記吸気通路の幅方向において、該吸気通路の幅方向寸法の半分以上の範囲に亘って該各永久磁石の磁極面が該吸気通路に面するようにした請求項8に記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  10. 前記熱処理室内の雰囲気温度を300℃以下に設定する請求項1乃至9の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  11. 前記吸気通路に対応した形状の貫通窓が形成された通路形成プレートと、
    該通路形成プレートの表裏両面に重ね合わせられて固定されることにより前記貫通窓を覆蓋せしめて内部通路を形成する一方、該通路形成プレートに対して重ね合わせられる内側面と反対の外側面に開口して該外側面から該内側面に向かって所定深さで延びる磁石収容穴が形成された一対の磁石保持プレートと、
    該一対の磁石保持プレートのそれぞれにおける前記磁石収容穴に収容配置されることにより、前記吸気通路を挟んだ両側で対向位置せしめられた一対の永久磁石と、
    前記一対の磁石保持プレートの各外側面に重ね合わせられて、前記各磁石収容穴の外側開口を覆蓋せしめる一対の外蓋プレートと、
    前記通路形成プレートの外周面から前記内部通路に至る一対の接続用通孔とを、
    含んで構成される磁気処理装置を用いて、前記一対の接続用通孔を該吸気通路に直列的に接続することにより、該磁気処理装置を前記吸気通路上に配設せしめ、前記内部通路を通じて大気を前記熱処理室に取り入れる請求項1乃至10の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法。
  12. 請求項1乃至11の何れかに記載の消臭殺菌剤の製造方法に従い、有機系廃棄物を原料として製造されたことを特徴とする消臭殺菌剤。
  13. 請求項12に記載の消臭殺菌剤を原料の一つとして含有せしめたことを特徴とする塗料。
  14. 請求項12に記載の消臭殺菌剤を原料の一つとして含有せしめたことを特徴とする建築用材料。
  15. 請求項12に記載の消臭殺菌剤を原料としたことを特徴とする農業用散布剤。
  16. 熱処理室を形成する耐熱容器と、
    前記耐熱容器の壁部を貫通して設けられて外部の大気を熱処理用空気として前記熱処理室に取り入れる吸気通路と、
    前記吸気通路を挟んで略対向するように配設された、該吸気通路に向かう面に磁極が形成された少なくとも一対の永久磁石と、
    該吸気通路における前記永久磁石の配設領域において、該吸気通路を流通せしめられる前記熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめる流れ調節手段と、前記熱処理室の壁部に設けられて熱処理に伴って生成される排気ガスを排出する排気通路とを、
    有することを特徴とする有機系廃棄物の分解処理装置。
  17. 熱処理室を形成する耐熱容器と、
    前記耐熱容器の壁部を貫通して設けられて外部の大気を熱処理用空気として前記熱処理室に取り入れる吸気通路と、
    前記吸気通路を挟んで略対向するように配設された、該吸気通路に向かう面に磁極が形成された少なくとも一対の永久磁石と、
    それら永久磁石を変位可能に保持せしめる磁石保持手段と、
    前記熱処理室の壁部に設けられて熱処理に伴って生成される排気ガスを排出する排気通路とを、
    有することを特徴とする有機系廃棄物の分解処理装置。
  18. 前記吸気通路における前記永久磁石の配設領域において、該吸気通路を流通せしめられる前記熱処理用空気に対して乱流を積極的に生ぜしめる流れ調節手段を設けた請求項17に記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  19. 複数枚の樹脂プレートを互いに重ね合わせて相互に固着することにより、それら樹脂プレートの重ね合わせ部分において重ね合わせ面に沿って広がる扁平形状の閉状空間を形成すると共に、該閉状空間から延びて外周面に開口する一対の接続用通孔を形成する一方、該閉状空間を前記樹脂プレート重ね合わせ方向に挟んで位置する両側の該樹脂プレートに対して一対の永久磁石を埋設状態で収容配置せしめて、それら各永久磁石の磁極面を該閉状空間の扁平方向で対向位置するようにして該閉状空間に対して直接に乃至は非磁性材からなる覆板を介して間接に面せしめた磁気処理装置を用い、該磁気処理装置における前記一対の接続用通孔を前記吸気通路に対して直列的に接続せしめて、該磁気処理装置を該吸気通路上に配設した請求項16乃至18の何れかに記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  20. 前記樹脂プレートにおいて、該樹脂プレートの重ね合わせ方向に延びる収容孔を形成すると共に、該収容穴の内周形状よりも僅かに小さな外周形状を備えた前記永久磁石を、該収容穴に挿入して非接着で組み付けた請求孔19に記載の有機系廃棄物の分割処理装置。
  21. 前記永久磁石の前記閉状空間側への突出を制限して位置決めする位置決め手段を設けると共に、該永久磁石を前記樹脂プレートに対して非接着で収容配置せしめて、該閉状空間を挟んで対向配置せしめられた両永久磁石の磁極面における相互的な磁気吸引力に基づいて、それら両永久磁石を該位置決め手段で規定される位置に保持せしめた請求項19又は20に記載の有機系廃棄物の分割処理装置。
  22. 前記排気通路の少なくとも一部に請求項12に記載の消臭殺菌剤を設置した請求項16乃至21の何れかに記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  23. 前記排気通路の少なくとも一部に貯水槽を配設して、該排気通路によって導かれた前記排気ガスに対して該貯水層に貯えられた処理水を接触せしめるようにした請求項16乃至22の何れかに記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  24. 前記処理水として金属を混合した水を用いた請求項23に記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  25. 前記排気通路の途中で前記熱処理室から前記貯水槽に至る迄の領域に空気導入管路を接続して、該空気導入管路を通じて外部空間から空気を該排気通路に強制的に導き入れることにより該排気通路を通じての前記排気ガスの排出の促進せしめると共に、該空気導入管路を挟んで略対向位置するように少なくとも一対の永久磁石を配して、該空気導入管路を通じて導入された外部空気に対して磁気処理を施すようにした請求項23又は24に記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  26. 前記排気通路にマンガンを配設した請求項16乃至25の何れかに記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
  27. 前記排気通路に、前記排気ガス中に含まれる水分を捕捉収集する水分収集手段を設けた請求項16乃至26の何れかに記載の有機系廃棄物の分解処理装置。
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