JP2001304463A - 繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多層樹脂製パイプ、ならびにその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多層樹脂製パイプ、ならびにその製造方法

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長手軸方向のみならず円周方向においても、繊
維状フィラー強化樹脂本来の良好な物性を有するととも
に、生産性、製造コストにも優れ、内圧がかかる配管等
として好適な繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多層樹
脂製パイプ、ならびにその製造方法を提供すること。 【解決手段】合成樹脂と繊維状フィラーを含む組成物か
らなる繊維強化樹脂製パイプであって、繊維状フィラー
がパイプ表面と平行な面に沿って面配向していることを
特徴とする繊維強化樹脂製パイプ。また、成形品表面が
固化した状態で押出成形することを特徴とする繊維強化
樹脂製パイプの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強度、剛性、耐圧
性、耐クリープ性及び耐衝撃性に優れ、内圧がかかる配
管等として好適な繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多
層樹脂製パイプ、ならびにその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】配管用パイプとして、鉄製、ポリ塩化ビ
ニル製、ポリエチレン製等のパイプが広く用いられてい
る。鉄製のパイプは強度、剛性、耐圧性、耐クリープ性
及び耐衝撃性に優れる。しかしながら、鉄製のパイプは
錆びやすく、酸やアルカリに対する耐腐食性に問題があ
る。また、鉄は樹脂に比べ重いために設置作業がしにく
いという問題がある。一方、ポリ塩化ビニル製、ポリエ
チレン製のパイプは錆びず、酸やアルカリに対する耐腐
食性にも優れ、軽量であるという利点があるが、鉄製の
ものに比較して内圧によってクリープ変形やパイプの破
損を起こしやすい。
【0003】一般に、樹脂の機械的物性を改良するた
め、アスペクト比の大きい繊維状フィラーを配合する方
法が使用されている。繊維状フィラーにより、強度、剛
性が著しく向上する。しかしながら、該組成物を用いた
樹脂製パイプは繊維状フィラーがパイプの長手方向の軸
に沿って配向するため、長手軸方向の強度は改良される
ものの、長手軸方向と直交するパイプの円周方向の補強
効果は軸方向に比べて小さく、パイプ内圧に対する強度
の改良効果が小さい為、内圧が高くなると破損しやす
く、また、繊維状フィラーの配向方向にそって亀裂が入
りやすいという問題があった。
【0004】かかる問題点を改良するため、フィラメン
トワインディング法により、樹脂を含浸したガラスロー
ビングを巻き付けることにより製造されたFRP管や各
種フィラーを配合した樹脂組成物からなる強化樹脂パイ
プが提案されている。FRP管においては強度、剛性及
び耐衝撃性の改良効果があり、従来の樹脂製パイプと比
べ耐圧性が格段に優れるが、生産性・製造コストに問題
があるために用途が限定される。一方、各種フィラーを
配合した樹脂組成物からなる強化樹脂パイプの例とし
て、層状珪酸塩等の膨潤へき開性鉱物を配合した樹脂製
パイプ(特開平9−189380号公報、特開平10−
47550号公報等)が提案されている。しかし、膨潤
へき開性鉱物による強化樹脂は強度,耐クリープ性の補
強効果がガラス繊維等による繊維状フィラー強化樹脂に
及ばず、また、膨潤へき開性鉱物を配合すると脆くなと
いう問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、長手軸方向のみならず円
周方向においても、繊維状フィラー強化樹脂本来の良好
な物性を有するとともに、生産性、製造コストにも優
れ、内圧がかかる配管等として好適な繊維強化樹脂製パ
イプ及び繊維強化多層樹脂製パイプ、ならびにその製造
方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、繊維強化樹脂製パイプ中の繊維状フィラ
ーを表面と平行な面に沿って面配向(2次元配向)させ
ることにより、上記課題が解決できることを見いだし、
この知見に基づいて本発明を完成させるに至ったもので
ある。
【0007】すなわち、本発明は以下の(1)〜(1
0)に示される繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多層
樹脂製パイプ、ならびにその製造方法に関する。 (1)合成樹脂と繊維状フィラーを含む組成物からなる
繊維強化樹脂製パイプであって、繊維状フィラーがパイ
プ表面と平行な面に沿って面配向していることを特徴と
する繊維強化樹脂製パイプ。 (2)繊維状フィラーがパイプ表面と平行な面に対し、
20°以内の角度で配置するものが50%以上あり、か
つ、該パイプの長手方向の軸に対し、20°以内の角度
で配置するものが50%以下であることを特徴とする
(1)に記載の繊維強化樹脂製パイプ。
【0008】(3)繊維状フィラーの含有量が5〜60
質量%であることを特徴とする(1)または(2)に記
載の繊維強化樹脂製パイプ。 (4)繊維状フィラーがガラス繊維であることを特徴と
する(1)ないし(3)のいずれかに記載の繊維強化樹
脂製パイプ。
【0009】(5)合成樹脂がポリオレフィン、ポリア
ミド、ポリアリーレンスルフィド及びポリ塩化ビニルか
らなる群から選ばれた少なくとも1種である(1)ない
し(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂製パイプ。 (6)合成樹脂が架橋していることを特徴とする(1)
ないし(5)のいずれかに記載の繊維強化樹脂製パイ
プ。
【0010】(7)少なくとも1層が、(1)ないし
(6)のいずれかに記載の繊維強化樹脂製パイプからな
る繊維強化多層樹脂製パイプ。 (8)成形品表面が固化した状態で押出成形することを
特徴とする(1)ないし
【0011】(7)のいずれかに記載の繊維強化樹脂製
パイプの製造方法。 (9)押出機、溶融樹脂通路を有するダイ及び冷却可能
なサイジングフォーマーを有する成形装置により成形す
ることを特徴とする(8)に記載の繊維強化樹脂製パイ
プの製造方法。 (10)(9)に記載の成形装置において、さらに引取
機を設け、引取機により引取る速度を一定とし、背圧が
一定となるように押出機のスクリュー回転速度を調整し
つつ成形することを特徴とする繊維強化樹脂製パイプの
製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明で用いられる合成樹脂としては、特
に限定されず、公知の熱可塑性、熱硬化性の合成樹脂を
用いることができる。
【0014】具体的に、熱可塑性樹脂としては、高密度
ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと
エチレンまたはプロピレンとの共重合体等のオレフィン
系共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体等のス
チレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド6、
ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4・6、
ポリアミド6・6、ポリアミド6・10、ポリアミド6
・12、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド
6T/6I、ポリアミドMXD6、ポリアミド6/6・
6共重合体、ポリアミド6/6・10等のポリアミド、
ポリ塩化ビニル、ポリアリーレンスルフィド、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリサルホン、ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール、ポリ
アミドイミド、ポリアリレート、ポリエーテルサルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケト
ン、フッ素含有エチレン系共重合体等が挙げられる。
【0015】また、具体的な熱硬化性樹脂としては、フ
ェノール系、ユリア系、エポキシ系、ウレタン系、不飽
和ポリエステル系、シリコーン系などの熱硬化性樹脂等
が挙げられる。
【0016】上記の合成樹脂は、単独または二種以上を
組み合わせて用いることができる。また組合せてもちい
る場合に、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和ジカ
ルボン酸無水物によりポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィンをグラフト等により変性した変性ポリ
オレフィン樹脂をはじめとする各種の変性樹脂を添加し
たものも用いることができる。また、変性ポリオレフィ
ン樹脂はパイプが多層の場合の接着層としても用いるこ
とができる。
【0017】これらの合成樹脂のうち、成形性に優れる
という面から、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリ塩化
ビニルがより好ましい。
【0018】本発明に用いられる繊維状フィラーとして
は、公知の各種繊維状フィラーが使用され、例えば、ガ
ラス繊維、炭素繊維、気相法炭素繊維、金属繊維、全芳
香族ポリアミド繊維、鉱物繊維、各種ウィスカー(金属
酸化物、ホウ酸アルミニウム、窒化珪素、チタン酸カリ
ウム等)が挙げられる。これらの繊維状フィラーは、1
種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。これらのうち好ましくはガラス繊維、炭素繊維が用
いられる、より好ましくはガラス繊維である。
【0019】繊維状フィラーの形状はアスペクト比が大
きいほうがパイプの物性改良の面で好ましく、好ましく
はアスペクト比10以上、さらに好ましくはアスペクト
比100以上の繊維状フィラーが使用される。繊維状フ
ィラーは線状のものでも、分岐を有するものでも使用で
きる。
【0020】また、繊維状フィラーは合成樹脂との接着
性を改良するため、各種の表面処理を施すことが好まし
い。表面処理に使用される表面処理剤としては、例え
ば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング
剤、アルミネート系カップリング剤等が挙げられる。
【0021】繊維状フィラーの含有量としては、5〜6
0質量%であることが好ましく、より好ましくは、10
〜50質量%である。繊維状フィラーの含有量が5質量
%未満では、機械的物性の改良が不充分であり、60質
量%を超えると、成形性が低下してくる。
【0022】本発明においては、繊維強化樹脂製パイプ
中で繊維状フィラーがパイプ表面と平行な面に沿って面
配向していることを特徴とする。
【0023】繊維強化樹脂製パイプ中で繊維状フィラー
がパイプ表面と平行な面に沿って面配向しているとは、
繊維状フィラーが次のように配向している状態をいう。
曲面形状を有するパイプ表面の、微小部を取出したと
き、この表面は実質的に平面として見なすことができ
る。この平面と平行な平面に沿って、繊維状フィラーの
大部分が分散し、かつパイプの長手方向に対して配向し
ていない状態をいう。また、例えば、パイプ中の繊維状
フィラーがパイプ表面と平行な面(実質的な平面を含
む。)に対し、20°以内の角度で配置するものが50
%以上あり、かつ、該パイプの長手方向の軸に対し、2
0°以内の角度で配置するものが50%以下であること
が、好ましい。
【0024】配向の測定方法としては、繊維状フィラー
の種類や大きさによって異なるが、一般に行われている
各種方法を用いることができる。例えば、パイプ断面に
おける繊維状フィラー断面の長径と短径の比から角度を
求める方法、繊維状フィラーの特定面のX線回折ピーク
強度から配向を求める方法、パイプの各方向の断面を溶
媒でエッチングして表面の樹脂を溶かし、走査電子顕微
鏡観察や光学顕微鏡で繊維状フィラーの角度を求める方
法等が挙げられる。
【0025】本発明の繊維強化樹脂製パイプは、繊維状
フィラーが面配向することにより、パイプの長手軸方向
のみならず円周方向においても、繊維状フィラー強化樹
脂本来の良好な物性を有しており、常時内圧のかかる配
管等に好適に使用できる。また、本発明の繊維強化樹脂
製パイプは、使用する環境により、必要に応じて多層の
パイプとすることができる。また多層化する方法につい
ても制限はない。
【0026】本発明における繊維強化樹脂製パイプは繊
維状フィラーの面配向が維持される範囲において、必要
に応じて架橋剤や、電子線等のエネルギー線による架橋
及び/または発泡等の処理を行うことが可能である。な
かでも合成樹脂が架橋されたものであることは、機械的
物性を改良する点において好ましい。
【0027】また、所望により合成樹脂の技術分野にお
いて慣用の各種添加剤、例えば安定剤、難燃剤、着色
剤、核剤などを本発明の特徴を損なわない範囲で配合す
ることができる。
【0028】本発明の繊維強化樹脂製パイプを構成する
組成物は、上記の各成分を公知の混錬装置、例えば単軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキ
サーなどを用いて混錬できる。その後の成形加工によ
り、繊維状フィラーが面配向した繊維強化樹脂製パイプ
を得るが、面配向させる成形方法として、熱可塑性樹脂
の場合、押出機、溶融樹脂通路を有するダイ及び冷却可
能なサイジングフォーマー有する成形装置を用い、成形
品表面が固化した状態で押出す方法等が好適である。固
化した状態は、サイジングフォーマーの温度を、結晶性
樹脂の場合はその融点より低い温度、非晶性樹脂の場合
はそのガラス転移温度より低い温度(以下「固化温度」
という。)に設定して押出す方法等により作り出すこと
ができる。
【0029】押出成形法の一例を図1に示す。該押出成
形法では押出機(1)、溶融樹脂通路を有するダイ
(2)、冷却可能なサイジングフォーマー(3)が連続
的に繋がった構成を有し、背圧をかけつつ成形し、成形
品は少なくとも表面は冷却され固化した状態でサイジン
グフォーマー(3)から押出される。すなわち、押出機
ホッパーから投入された合成樹脂はシリンダー内で溶
融、昇圧され、固化温度以上に保たれたダイ(2)でパ
イプ形状に変形されて、サイジングフォーマー(3)に
導入される。サイジングフォーマーは合成樹脂の固化温
度より低い温度に保たれているため、冷却・固化がサイ
ジングフォーマー内で進行し、少なくとも表面が固化さ
れた状態で押出される。ダイ(2)出口とサイジングフ
ォーマー(3)入り口形状は一致していることが好まし
く、形状が異なるとダイ出口とサイジングフォーマー入
口の間で樹脂が滞留し、サイジングフォーマー入口付近
で合成樹脂が固化して、外観不良や背圧変動の原因にな
る。必要に応じて押出成形品を十分冷却するための水槽
や、背圧調整用の引取機を使用することができる。ま
た、引取機を使用し、引取機により引取る速度を一定と
して、背圧が一定となるように押出機のスクリュー回転
速度を調整しつつ成形することで、押出機により押出さ
れた繊維強化樹脂製パイプの表面状態がより良好なもの
となり、物性のばらつきの少ないものを得ることができ
る。背圧が一定となるようにスクリュー回転速度を調整
する方法としては、ダイに樹脂圧計を取りつけて背圧を
測定し、スクリュー回転数のフィードバック制御を行う
等が挙げられる。
【0030】また、熱硬化性樹脂の場合においても、サ
イジングフォーマーを加熱し、樹脂を硬化させることで
押出し成形を行うことができる。
【0031】上記の製造方法により、パイプ中で繊維状
フィラーが面配向し、押出し方向及び円周方向のどちら
の方向に対しても繊維強化が有効になされており、内圧
に対してクリープしにくいとともに、軸方向のクラック
が生じにくく、内圧によるパイプの破損を生じにくい繊
維強化樹脂製パイプを製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。合成樹脂として、ガラス繊維含有量40質量%
のガラス繊維強化ポリプロピレン(日本ポリオレフィン
株式会社製、ジェイアロマ−C4302Y)及び非強化
ポリプロピレン(日本ポリオレフィン株式会社製、ジェ
イアロマ−PS201A)を3:1の割合でブレンド
し、黒のドライカラーを添加して用いた。
【0033】ガラス繊維の配向はパイプを旋盤で半分の
厚みになるまで切削した後、表面を#240、#600
及び#2000の研磨紙を用いて滑らかにし、パイプ表
面と平行な観察面を作成し、この面を500倍のレンズ
を取りつけたマイクロスコープ(キーエンス社製、VH
−6300)で観察することで実施した。研磨の際、ガ
ラス繊維が表面から脱落した場合は、その抜けた穴をガ
ラス繊維として扱った。得られた画像は、画像解析装置
(ピアス社製、LA−500)でガラス繊維断面の長径
の方向、長径と短径の比及び各ガラス繊維断面の面積を
求め、ガラス繊維の配向を解析した。
【0034】ガラス繊維の配向を解析法を図4により説
明する。ガラス繊維断面の長径(b)と短径(a)との
比から、観察面に対する、ガラス繊維の角度を計算し
て、観察面に対して20°以内の配向を有するガラス繊
維の割合を求めるとともに、ガラス繊維断面の長径の方
向とパイプの長手方向の軸とがなす角度(θ)からパイ
プの長手軸方向に対して20°以内の配向を有するガラ
ス繊維の割合を求めた。また、同様にして、パイプの円
周方向の軸に対し、20°以内の角度で配向を有するガ
ラス繊維の割合を求めた。ここで言う割合とはガラス繊
維断面積の合計に対して上記条件に該当するガラス繊維
の断面積の割合を百分率であらわしたものである。
【0035】パイプの耐圧性は長さ300mmに切断し
たパイプの一方の端を閉鎖し、もう一方の端から油圧ポ
ンプで油を注入・昇圧した。パイプが破損した時の圧力
を最大ゲージ圧を読み取り、パイプの耐圧性とした。
【0036】パイプの耐衝撃性として、パンチでの丸穴
の打ち抜き性を評価した。パイプのを半円筒状に切断し
たのち、パンチで直径5mmの円形の穴を打ち抜いた。
各パイプについて、10回の打ち抜き試験を行い、全て
のパイプに割れの生じなかったものを○、一つでも割れ
の生じたものを×とした。
【0037】実施例 上記各成分をヘンシェルミキサーで混合した後、φ30
mm同方向二軸押出機を用いて、220℃で溶融混練し
てペレットを得た。得られたペレットで、外径32m
m、厚み2mmのパイプ用ダイ及びサイジングフォーマ
ーが連続的に取りつけられたφ32mm単軸押出機を用
いて押出成形を行った。押出成形はシリンダー温度22
0℃、サイジングフォーマー温度80℃で行い、パイプ
表面が固化した状態でサイジングフォーマーから押出さ
れた。押出されたパイプは、シャワー式の冷却装置を通
った後、キャタピラ式引取機で引取られ、所定の長さに
切断された。
【0038】比較例 実施例と同様の方法で溶融混練したペレットを作成し、
外径32mmのパイプ用ダイを取りつけたφ32mm単
軸押出機を用いて押出成形を行った。押出成形はシリン
ダー温度220℃で可塑化し、ダイ温度220℃で溶融
状態で押出した後、外径32mm、厚さ2mmになるよ
うに、押出機の吐出量及び引取機の引取速度を調整し
た。押出されたパイプは、サイザー及びシャワー式の冷
却装置を通った後、キャタピラ式引取機で引取られ、所
定の長さに切断された。
【0039】表1に、実施例及び比較例のガラス繊維の
配向ならびに得られたパイプの機械的強度を示す。
【0040】
【表1】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂製パイプは強度、
剛性、耐圧性、耐クリープ性及び耐衝撃性に優れ、かつ
軽量で耐薬品性及び耐腐食性にも優れるので、内圧がか
かる配管等に利用でき有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の押出成形操作に用いる押出ダイ及び
サイジングフォーマーの一例を示す概略縦断面図であ
る。
【図2】実施例におけるパイプ断面上でのガラス繊維の
断面形状である。
【図3】比較例におけるパイプ断面上でのガラス繊維の
断面形状である。
【図4】実施例、比較例におけるガラス繊維の配向解析
法である。
【符号の説明】
1 押出機(先端部) 2 ダイ 3 サイジングフォーマー 4 水冷ジャケット 5 マンドレル 6 断熱材 7 加熱ヒーター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/04 CEZ C08J 5/04 CEZ C08K 7/14 C08K 7/14 C08L 101/00 C08L 101/00 // B29K 105:10 B29K 105:10 B29L 23:00 B29L 23:00 Fターム(参考) 3H111 AA01 BA15 BA26 BA29 BA34 CB02 CC03 DA07 DA26 EA04 4F072 AA04 AA07 AA08 AB09 AB22 AD04 AD06 AD44 AD46 AG05 AK16 AL03 4F207 AA03 AA15 AA29 AA34 AA36 AB03 AB16 AB25 AG08 KA01 KA17 KK76 KM14 KM16 KW26 4J002 AA001 BB001 BB031 BB121 BB171 BC031 BC041 BD031 BD121 BG061 BN151 CB001 CC031 CC211 CD001 CF061 CF071 CF161 CF211 CG001 CH071 CH091 CK021 CL001 CL011 CL021 CL031 CL051 CL062 CM041 CN011 CN031 CP031 DA016 DA066 DE046 DE186 DJ006 DK006 DL006 FA042 FA046 FA066 FB086 FB096 FB166 FD012 FD016 GF00 GT00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂と繊維状フィラーを含む組成物か
    らなる繊維強化樹脂製パイプであって、繊維状フィラー
    がパイプ表面と平行な面に沿って面配向していることを
    特徴とする繊維強化樹脂製パイプ。
  2. 【請求項2】繊維状フィラーがパイプ表面と平行な面に
    対し、20°以内の角度で配置するものが50%以上あ
    り、かつ、該パイプの長手方向の軸に対し、20°以内
    の角度で配置するものが50%以下であることを特徴と
    する請求項1に記載の繊維強化樹脂製パイプ。
  3. 【請求項3】繊維状フィラーの含有量が5〜60質量%
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維
    強化樹脂製パイプ。
  4. 【請求項4】繊維状フィラーがガラス繊維であることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の繊維強
    化樹脂製パイプ。
  5. 【請求項5】合成樹脂がポリオレフィン、ポリアミド、
    ポリアリーレンスルフィド及びポリ塩化ビニルからなる
    群から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし4
    のいずれかに記載の繊維強化樹脂製パイプ。
  6. 【請求項6】合成樹脂が架橋していることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の繊維強化樹脂製パ
    イプ。
  7. 【請求項7】少なくとも1層が、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の繊維強化樹脂製パイプからなる繊維強化
    多層樹脂製パイプ。
  8. 【請求項8】成形品表面が固化した状態で押出成形する
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の
    繊維強化樹脂製パイプの製造方法。
  9. 【請求項9】押出機、溶融樹脂通路を有するダイ及び冷
    却可能なサイジングフォーマーを有する成形装置により
    成形することを特徴とする請求項8に記載の繊維強化樹
    脂製パイプの製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の成形装置において、さ
    らに引取機を設け、引取機により引取る速度を一定と
    し、背圧が一定となるように押出機のスクリュー回転速
    度を調整しつつ成形することを特徴とする繊維強化樹脂
    製パイプの製造方法。
JP2000126873A 2000-04-27 2000-04-27 繊維強化樹脂製パイプ及び繊維強化多層樹脂製パイプ、ならびにその製造方法 Pending JP2001304463A (ja)

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