JP2001303563A - ソイルセメント合成コンクリート杭の造成方法 - Google Patents
ソイルセメント合成コンクリート杭の造成方法Info
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Abstract
発揮させるために、ソイルセメント柱体の中に荷重を伝
達させることができる頑強な芯材を設ける必要があっ
た。 【解決手段】 複数枚のラセン状または円盤状の鋼製羽
根が接合された鋼製リングを有するコンクリート杭を、
ソイルセメント柱体の中に挿入することにより、ソイル
セメント柱体とコンクリート杭を一体化させ、荷重の伝
達を滑らかにした。
Description
の基礎杭に係わるもので、特にソイルセメント柱体の中
にラセン状または円盤状の鋼製羽根が接合された鋼製リ
ングを有するコンクリート杭を挿入して成るソイルセメ
ント合成コンクリート杭の造成方法に関するものであ
る。
セメント系固化材を攪拌混合して柱状の改良体を造成
し、構造物の基礎とする工法がある。この工法は、支持
層までの軟弱層の厚さがあまり厚くなく、せいぜい10
m程度の場合に広く用いられている。また、既製コンク
リート杭や鋼管杭などの既製杭を地盤中に打ちこんで杭
としたり、予め掘削した地盤中の杭穴にセメントミルク
を注入した後、既製杭を埋め込む工法が知られている。
これらの既製杭工法は、一般的に良好な支持層に杭の先
端を到達させ、杭の先端支持力にその性能の多くを期待
する、いわゆる支持杭として用いられている。さらに、
地盤改良によって造成された柱状改良体の中に、補強部
材として鋼管等を挿入し、杭とする工法がある。この工
法の例としては、特開昭60−238515号公報、特
許第2731806号公報がある。以下これらの公知技
術に関して簡単に説明する。特開昭60−238515
号公報では、土質固化ミルクを充填しながら杭埋設孔を
掘削し、杭埋設孔の下端部を拡大掘削した後少なくとも
下端部にラセン翼を設けた基礎杭を回転しながら貫入さ
せる工法が開示されている。さらに、特許第27318
06号公報においては、地盤とセメントミルク等の固化
材を攪拌して所定深度まで削孔内をソイルセメント化
し、削孔底部をそこまで注入した固化材よりも固化後の
圧縮強度が大きくなる固化材で充満させ、掘削・攪拌ロ
ッドを引き上げて内周面の下部に固化材との付着力向上
のための突起を有し、少なくとも1枚のラセン翼が少な
くとも下端部に設けられている鋼管をソイルセメント化
した削孔内に挿入する工法が示されている。
工法により柱状改良体を造成する工法では、柱状体頭部
の圧縮強度で支持力が決まるために、既製杭のように杭
頭部に荷重を受けてそれを地盤中に伝達させるという構
造部材的な使い方をすることが困難であった。従ってそ
の使われ方も、比較的浅いところにある支持層までの軟
弱な地盤を改良し、地盤全体の強度を向上させるという
用途が主なものであり、軟弱な地盤が深いところまで続
くような地盤において適用することが難しかった。ま
た、既製杭を打ち込みにより施工する工法は、先端支持
力、周面摩擦力ともに大きく発揮されるが、その騒音・
振動の面から公害問題を発生させ、特に市街地における
施工は不可能となっている。予め掘削した地盤中の杭穴
にセメントミルクを注入した後、既製杭を埋め込む工法
は、騒音・振動の問題はないが、排土量が多く環境保全
に適した工法ではなかった。また、既製杭による工法
は、使用される荷重状態に対して過剰な材料強度を有し
ていた。
良柱体のなかに芯材を挿入して杭体とする工法が示され
ている。特開昭60−238515号公報に記載されて
いる工法は、底部を拡大させた掘削孔に土質固化ミルク
を充填して、下端部にラセン翼を有する基礎杭を回転し
ながら貫入させるので、まず拡大掘削する機構を備える
必要があり、通常の攪拌翼による地盤改良工法と比較し
た場合に施工機械が複雑になる欠点があった。また、ラ
セン翼の径は掘削孔の径と概略同一であり、周面摩擦力
を充分に発揮させるためには不十分であった。さらに、
特許第2731806号公報に示された工法では、ソイ
ルセメント化された地盤内に挿入する鋼管として、内周
面の下部に付着力向上のための突起を有する特別な鋼管
を用いる必要があり、簡単に実施できないという欠点が
あった。本発明は、これら問題点の解消を目的とする。
ある。 (1)最下端部にラセン状または円盤状の鋼製羽根が接
合された鋼製リングを有し、中間部に複数枚のラセン状
または円盤状の鋼製羽根が接合された鋼製リングを有し
ているコンクリート杭を、機械式深層混合処理工法によ
って造成されるソイルセメント柱体に挿入して形成する
ことを特徴とする、ソイルセメント合成コンクリート杭
の造成方法。 (2)コンクリート杭本体の直径をd、ラセン状または
円盤状羽根の直径をD、ソイルセメント柱体の直径をD
cとしたとき、Dの範囲が1.5dから3.0dであり、Dc
の範囲が1.5Dから2.5Dであることを特徴とする、
(1)記載のソイルセメント合成コンクリート杭の造成
方法。 (3)ソイルセメント合成コンクリート杭が、少なくと
も地表面付近にラセン状または円盤状の鋼製羽根が接合
された鋼製リングを有するごとく、合成杭を造成するこ
とを特徴とする、(1)または(2)記載のソイルセメ
ント合成コンクリート杭の造成方法。
する。図2(a)は、ラセン状鋼製羽根を用いた場合の
実施態様を、図2(b)は、円盤状鋼製羽根を用いた場
合の実施態様を示す。図2(a’)、(b’)は、それ
ぞれ(a)、(b)の拡大断面図であり、コンクリート
杭本体の直径をd、ラセン状または円盤状の鋼製羽根の
直径をD、ソイルセメント改良柱体の直径をDcとした
ときに、その関係を図示したものである。Dは1.5dか
ら3.0dの範囲の寸法を取るのが好ましい。Dが1.5d未
満であるとソイルセメント柱体との間の付着力を確保し
にくくなる。また、3.0dを超えてしまうと、ラセン状
または円盤状の鋼製羽根に発生する曲げ応力が大きくな
り、この大きな曲げ応力をコンクリート杭本体に伝達さ
せるためにラセン状または円盤状の鋼製羽根の厚さを厚
くする必要が生じる。さらに、ラセン状または円盤状の
鋼製羽根とコンクリート杭本体との溶接部分の性能を確
保することが困難になる。
のが好ましい。Dcを1.5D未満の値に設定すると、ソ
イルセメント柱体の周面積が小さくなり、ひいては地盤
との間の摩擦力が小さくなるため杭の支持力を大きくす
ることが難しい。すなわち、芯材とするコンクリート杭
の材料強度を有効に活用できない。逆に、Dcの値が2.
5Dを超えてしまうと、鉛直力が作用したときに、ラセ
ン状または円盤状の鋼製羽根とソイルセメント柱体が一
体となって挙動せず、ソイルセメント柱体の中をラセン
状または円盤状の鋼製羽根付きコンクリート杭が押し抜
かれるような状態になり易く、ソイルセメント柱体と羽
根付きコンクリート杭が一体化したときの支持力を発揮
することが難しくなる。
造成されるソイルセメント柱体に、少なくとも地表面付
近にラセン状または円盤状の鋼製羽根が配置されるよう
に挿入されたラセン状または円盤状の鋼製羽根付きコン
クリート杭の状態を示した半断面図である。このように
することにより、杭が負担する鉛直荷重のみならず水平
荷重も大きくすることができる。コンクリート杭は、一
本で用いても良いし、溶接、ネジ継手などの接続手段に
より複数本接続して継杭として用いても良い。また、杭
の挿入は必ずしもねじり込む必要はなく、深層混合処理
工法によって造成されるソイルセメント柱体の粘性が低
い場合には押し込みによって挿入することも可能であ
る。
コンクリート杭の造成方法の実施例を説明する。図1
(a)〜(d)は、本発明の一実施例の施工工程の概要を示す
地盤断面図である。はじめに、図1(a)に示すように機械
式深層混合処理工法によって地盤とセメント等の固化材
を混合する。混合攪拌装置は、先端に掘削爪を有し、回
転軸の途中に攪拌ロッドおよび改良土の共回り防止装置
を有しているものを用いるのが好適である。
1(c)に示すように最下端部にラセン状または円盤状の
鋼製羽根が接合された鋼製リングを有し、中間部に複数
枚のラセン状または円盤状の鋼製羽根が接合された鋼製
リングを有しているコンクリート杭を、ねじり込みによ
り挿入する。最終的に図1(d)のようなソイルセメン
ト合成コンクリート杭が造成される。
ト杭の造成方法は、前述のような構成よりなるので、ソ
イルセメントとラセン状または円盤状の鋼製羽根付きコ
ンクリート杭が一体化し、ラセン状または円盤状の鋼製
羽根から荷重が滑らかに伝達されるため、地盤との間で
大きな摩擦力を発揮することができる。
断面図である。
メント合成コンクリート杭を示す側面概略図、(b)
は、円盤状鋼製羽根を有するソイルセメント合成コンク
リート杭を示す側面概略図、(a’)、(b’)は、そ
れぞれ(a),(b)のAA’線拡大断面図である。
イルセメント柱体に、少なくとも地表面付近にラセン状
または円盤状の鋼製羽根が配置されるように挿入された
ラセン状または円盤状の鋼製羽根付きコンクリート杭の
状態を示した半断面図である。
ート杭 3 ソイルセメント柱体 4 ラセン状の鋼製羽根 5 円盤状の鋼製羽根 6 羽根が接合された鋼製リング 7 ソイルセメント柱体造成装置 8 フーチング d コンクリート杭本体の直径 D 鋼製羽根の直径 Dc ソイルセメント柱体の直径
Claims (3)
- 【請求項1】 最下端部にラセン状または円盤状の鋼製
羽根が接合された鋼製リングを有し、中間部に複数枚の
ラセン状または円盤状の鋼製羽根が接合された鋼製リン
グを有しているコンクリート杭を、機械式深層混合処理
工法によって造成されるソイルセメント柱体に挿入して
形成することを特徴とする、ソイルセメント合成コンク
リート杭の造成方法。 - 【請求項2】 コンクリート杭本体の直径をd、ラセン
状または円盤状羽根の直径をD、ソイルセメント柱体の
直径をDcとしたとき、Dの範囲が1.5dから3.0dであ
り、Dcの範囲が1.5Dから2.5Dであることを特徴とす
る、請求項1記載のソイルセメント合成コンクリート杭
の造成方法。 - 【請求項3】 ソイルセメント合成コンクリート杭が、
少なくとも地表面付近にラセン状または円盤状の鋼製羽
根が接合された鋼製リングを有するごとく、合成杭を造
成することを特徴とする、請求項1または2記載のソイ
ルセメント合成コンクリート杭の造成方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000122764A JP2001303563A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | ソイルセメント合成コンクリート杭の造成方法 |
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Family
ID=18633207
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JP2000122764A Pending JP2001303563A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | ソイルセメント合成コンクリート杭の造成方法 |
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JP (1) | JP2001303563A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1021708C2 (nl) * | 2002-10-21 | 2004-04-22 | Franciscus Antonius Ma Heijden | Systeem voor het funderen van gebouwen. |
JP2006176962A (ja) * | 2004-12-20 | 2006-07-06 | Takenaka Komuten Co Ltd | コンクリート杭と基礎スラブ又は基礎梁との半剛接合構造及びその施工方法 |
JP2013133628A (ja) * | 2011-12-26 | 2013-07-08 | Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd | 接続治具及び複合杭の施工方法 |
JP2020051064A (ja) * | 2018-09-25 | 2020-04-02 | ジャパンパイル株式会社 | 地盤改良複合杭基礎、地盤改良複合杭併用独立フーチング基礎、及び、地盤改良複合杭併用独立フーチング基礎の設計方法 |
-
2000
- 2000-04-24 JP JP2000122764A patent/JP2001303563A/ja active Pending
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