JP2001303426A - 生分解性防水布の製造方法 - Google Patents
生分解性防水布の製造方法Info
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Abstract
界存在物質に生分解して廃棄時の問題を回避できる防水
布の製造法を提供する。 【解決手段】 融点に10℃以上の差がある2種のポリ
乳酸等の脂肪族ポリエステルからなる脂肪族ポリエステ
ル複合繊維を経緯糸として用い、カバーファクターが1
200以上の織物を製織した後、テンター等により2種
の脂肪族ポリエステルの融点の間の温度で熱処理し、該
織物の経緯糸間の空隙を埋める。
Description
るいは遮水シート等として用いることのできる防水布に
関するものである。
ト等として用いることのできる防水布としては、ポリエ
ステル繊維やナイロン繊維等の合成繊維を用いて製編織
された編織物に塩化ビニル樹脂でコーティング等による
被覆加工したものが使用されている。この塩化ビニル樹
脂で被覆加工した防水布は、廃棄時に燃焼するとダイオ
キシン等が発生する問題があるので、被覆樹脂としてポ
リエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いることが
検討されているが、これらのいずれの防水布も、燃焼す
るには燃焼温度を高くする必要があり、埋め立て廃棄し
た場合には分解しないので、廃棄場所を増設する必要が
あるといった問題がある。
を鑑みてなされたものであり、使用後の廃棄に際して、
土中に埋めると自然界存在物質に生分解して廃棄時の問
題を回避できる防水布の製造方法を提供することを目的
とするものである。
達成するものであり、融点に10℃以上の差がある2種
の脂肪族ポリエステルからなる脂肪族ポリエステル複合
繊維を経緯糸として用い、カバーファクターが1200
以上の織物を製織した後、該織物を2種の脂肪族ポリエ
ステルの融点の間の温度で熱処理し、該織物の経緯糸間
の空隙を埋めることを特徴とする生分解性防水布の製造
方法、脂肪族ポリエステル複合繊維が融点に10℃以上
の差がある2種の脂肪族ポリエステルを芯鞘構造に配し
た複合繊維である上記の生分解性防水布の製造方法、及
び熱処理を2種の脂肪族ポリエステルの融点の間の温度
での熱処理と低融点側の脂肪族ポリエステルの軟化点以
上の温度での圧接熱処理の2工程で行う上記の生分解性
防水布の製造方法を要旨とするものである。
する。本発明では、脂肪族ポリエステル複合繊維を経緯
糸として用いて製織した織物を熱処理して防水布を得
る。本発明で用いる脂肪族ポリエステル複合繊維は、融
点に10℃以上の差がある2種の脂肪族ポリエステルを
複合紡糸して得られる繊維である。複合繊維を構成する
脂肪族ポリエステルは、ジオール成分とジカルボン酸か
ら合成されるポリマーであって、ポリ乳酸、ポリアルキ
レンアルカノエート、ポリβヒドロキシアルカノエート
及びこれらの共重合物等が挙げられる。本発明では、こ
れらのポリマーの中から融点に10℃以上の差があるポ
リマーを選定して組合わせて複合紡糸して得た繊維を用
いる。これらのポリマーの中での組合わせとしては、耐
熱性や機械的物性等を考慮すると光学異性体を有するポ
リ乳酸同士の組合わせであるのが好適である。具体的に
は、乳酸にはD体とL体の2種の光学異性体があり、ど
ちらか一方の乳酸を主体として、もう一方の光学異性体
となる乳酸を混用して共重合さける方法が挙げられる。
融点差を考慮すると、主体となるモノマーとして光学異
性を示すモノマーの比率は、80〜95%:20〜5%
であり、より好ましくは90〜95%:10〜5%であ
る。2種の脂肪族ポリエステルの融点の差は、上記のご
とく10℃以上の差があることが必要であるが、後工程
における熱処理の際の処理温度を、融点の高い方のポリ
マーが軟化しにくい温度とするためには、この融点の差
が20℃以上、さらには30℃以上であるのが好まし
い。
融点の低い方のポリマーが繊維の外側に一部が露出して
いる構造であればよく、芯鞘構造、サイドバイサイド構
造、海島構造等が挙げられるが、芯鞘構造とするのが好
ましい。本発明で用いる複合繊維の融点の異なる2種の
ポリマーの割合は、機械的物性の面からは、融点の高い
ポリマーの割合が多い方が有利であるが、熱処理後に経
緯糸間の間隙を低融点側のポリマーで埋めるためには、
融点の低いポリマーの割合が多い方が有利である。これ
らの点を考慮すると、両者の割合は、40:60〜6
0:40の間に設定されるのが好ましい。
合繊維を経緯糸として用いて織物を製織する。この際、
経緯糸間の間隙をできるだけ小さい織物とするため、使
用繊維の繊度と織物の密度から表される下記の織物のカ
バーファクターKを1200以上に設定して製織する。 カバーファクターK=N×D1/2+M×E1/2 ここで、N:織物の経糸密度(本/吋)、M:織物の緯
糸密度(本/吋)、D:経糸の繊度(dtex)、E:
緯糸の繊度(dtex)である。上記の織物のカバーフ
ァクターが1200未満であると、後工程での熱処理で
経緯糸間の間隙を低融点側のポリマーで十分に埋めるこ
とができずに十分な耐水性や防水性を得ることができな
くなる。本発明における織物の組織は特に限定されるも
のではなく、平織、綾織、朱子織あるいはこれらの誘導
組織等いずれの組織も用いることができるが、浮きの大
きい組織である綾織や朱子織が、糸間の間隙を小さくで
きる点で有利である。
物を、2種の脂肪族ポリエステルの融点の間の温度で熱
処理し、この織物の経緯糸間の空隙を埋めることによっ
て防水布を得る。この熱処理を2種の脂肪族ポリエステ
ルの融点の間の温度で行うのは、融点の低い方のポリマ
ーの流動により、経糸間や緯糸間等の糸条の間隙を埋め
るためであり、これによって防水布として必要な防水性
や耐水圧等の性能を得る。この熱処理は、織物の幅方向
や長さ方向の収縮を制御しつつ行うことができるテンタ
ーによるのが好適であるが、ノンタッチドライヤーによ
る方法や熱ロールで圧接熱処理するカレンダー加工等で
行うことができる。本発明では、上記のような熱処理を
した後、糸条間の空隙を融点の低い方のポリマーにより
埋めることをより確実にするためや布表面に平面性をも
たらすために、低融点側の脂肪族ポリエステルの軟化点
以上の温度でカレンダー加工等の圧接熱処理を行うのが
好ましい。
明する。なお実施例における成型棒の評価は次の方法で
行なった。 (1)繊維の引張強度、切断伸度 JIS L1013の8.5.1の引張強さ及び伸び率
の方法に準じて測定した。 (2)布の引張強度、切断伸度 JIS L1096の定速伸長法に準じて測定した。 (3)耐水圧 JIS L1096の低水圧法に準じて測定した。
−乳酸とL−乳酸(モル比6%:94%)を共重合した
ポリ乳酸(軟化点温度110℃、融点130℃)を配し
て、芯鞘の重量比50/50として複合紡糸して同芯型
芯鞘複合繊維560dtex/48fil (強度3.5cN/dt
ex、伸度30%)を得た。得られた芯鞘複合繊維に80
T/Mの撚糸を行った糸条を経緯糸として用いて、経糸
密度25Z5本/2.54cm、緯糸密度25.5本/2.54cm
として、平組織にて製織し、カバーファクターが120
7織物を得た。織物をテンターにて155℃の温度で1
分の熱処理を行い、本発明による生分解性防水布を得
た。
ンダーで線圧1N/cmの圧力にて、5m/分の速度で処
理して、本発明による生分解性防水布を得た。
/2.54cm、緯糸密度22本/2.54cmとし、織物のカバー
ファクターを1050とすること以外は実施例2と同様
にして、比較例1の防水布を得た。
L−乳酸(モル比2%:98%)を共重合したポリ乳酸
(融点162℃)とし、熱処理温度を165℃とするこ
と以外は実施例1と同様にして、比較例2の防水布を得
た。得られた実施例1〜2、比較例1〜2の防水布の評
価結果を併せて表1に示す。
例1〜2は、耐水圧も良好で、機械的特性にも優れた防
水布であった。これに対して製織時の密度が小さくカバ
ーファクターの値が小さい比較例1では防水布として十
分な耐水圧が得られておらず、融点差の小さいポリマー
の組合わせで複合紡糸された比較例2は、熱処理時に融
点の高い方のポリマーも軟化して布強度が低いものとな
った。これらの布はいずれも温度が80℃のコンポスタ
ーに18日間投入したところ、全く布の形態を保たない
状態にまで分解が進んでおり、環境にやさしい防水布が
得られていることを確認した。
て、土中に埋めると自然界存在物質に生分解して廃棄時
の問題を回避できる防水布の製造法を提供することがで
きる。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点に10℃以上の差がある2種の脂肪
族ポリエステルからなる脂肪族ポリエステル複合繊維を
経緯糸として用い、カバーファクターが1200以上の
織物を製織した後、該織物を2種の脂肪族ポリエステル
の融点の間の温度で熱処理し、該織物の経緯糸間の空隙
を埋めることを特徴とする生分解性防水布の製造方法。 - 【請求項2】 脂肪族ポリエステル複合繊維が融点に1
0℃以上の差がある2種の脂肪族ポリエステルを芯鞘構
造に配した複合繊維である請求項1記載の生分解性防水
布の製造方法。 - 【請求項3】 熱処理を2種の脂肪族ポリエステルの融
点の間の温度での熱処理と低融点側の脂肪族ポリエステ
ルの軟化点以上の温度での圧接熱処理の2工程で行う請
求項1または請求項2記載の生分解性防水布の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000130185A JP2001303426A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 生分解性防水布の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000130185A JP2001303426A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 生分解性防水布の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001303426A true JP2001303426A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18639333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000130185A Pending JP2001303426A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 生分解性防水布の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001303426A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120264343A1 (en) * | 2009-10-12 | 2012-10-18 | Dietrich Wienke | Flexible sheet, method of manufacturing said sheet and applications thereof |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000130185A patent/JP2001303426A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120264343A1 (en) * | 2009-10-12 | 2012-10-18 | Dietrich Wienke | Flexible sheet, method of manufacturing said sheet and applications thereof |
US9522518B2 (en) | 2009-10-12 | 2016-12-20 | Dsm Ip Assets B.V. | Method for the manufacturing of a low shrinkage flexible sheet |
US9757927B2 (en) * | 2009-10-12 | 2017-09-12 | Dsm Ip Assets B.V. | Flexible sheet, method of manufacturing said sheet and applications thereof |
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