JP2001302962A - 粉塵除去用粘着剤 - Google Patents

粉塵除去用粘着剤

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JP2001302962A
JP2001302962A JP2000117070A JP2000117070A JP2001302962A JP 2001302962 A JP2001302962 A JP 2001302962A JP 2000117070 A JP2000117070 A JP 2000117070A JP 2000117070 A JP2000117070 A JP 2000117070A JP 2001302962 A JP2001302962 A JP 2001302962A
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acrylic resin
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JP2000117070A
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English (en)
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Kenji Shirata
健志 白田
Shuichi Murakami
修一 村上
Hiroshi Fukuda
福田  寛
Toshitaka Shimizu
俊孝 清水
Shunji Sugano
俊司 菅野
Shinya Kita
伸也 北
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Negami Chemical Industrial Co Ltd
Komatsu Seiren Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Negami Chemical Industrial Co Ltd
Komatsu Seiren Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、通気部材の表面に塗布されて用い
られ、上記通気部材の通風性能を損なうことなく粉塵を
円滑に且つ確実に捕捉、除去し得る粘着性薄膜を通気部
材表面に形成し得る粉塵除去用粘着剤を提供する。 【解決手段】 本発明の粉塵除去用粘着剤は、JIS
Z0237に規定する180°剥離強度が10〜300
g/25mmの粘着力を有するアクリル樹脂を乳化させ
てなるので、これを通気部材の表面に塗布、乾燥させて
得られた粘着性薄膜は、適度な粘着性を有して土埃や花
粉等の微細な粉塵に対して高い捕捉能を有する一方、粉
塵以外のもの、例えば、子供のおもちゃ等の家庭内の小
物や人体等がフィルターに接触しても接触物を汚染する
ことがないといった優れた効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉塵除去用粘着剤
に関し、具体的には、エアコン用フィルターや網戸用網
等の多数の通気孔を有する通気部材表面に塗布されて用
いられ、通気部材表面に衝突し或いは通気部材の通気孔
を通過する土埃、ハウスダスト、花粉等の粉塵を容易に
捕捉、除去することができる粉塵除去用粘着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から粉塵除去を目的としたフィルタ
ーとして空気清浄機用フィルターがある。上記空気清浄
機用フィルターは、目開きが1〜100μm程度の微細
な通気孔を多数有する厚さ1〜5mm程度の不織布から
なる。そして、この空気清浄機用フィルターは、該フィ
ルター表面に衝突した粉塵をフィルターを構成する繊維
間に捕捉させて除去するように構成している。
【0003】しかしながら、上記空気清浄機用フィルタ
ーは、通気孔の開口面積が小さいために通風性能に劣る
という欠点がある。従って、上記空気清浄機用フィルタ
ーを用いて空気中の粉塵を除去するためには、粉塵が浮
遊している空気を上記空気清浄機用フィルターを介した
反対側から大きな吸気力でもって吸い込む必要であり、
強力な吸気力を有しないエアコンや網戸等の用途に上記
空気清浄機用フィルターを転用することはできないとい
った問題点があった。
【0004】又、エアコン用フィルターや網戸用網に用
いられている通気部材は、目開きが0.5〜3mm程度
の大きな通気孔を有するため通風性能には優れているも
のの、これら通気部材は、プロピレン樹脂や塩化ビニル
樹脂から形成されており土埃や花粉等の粉塵に対して吸
着性や粘着性を全く有しないため、通気孔の目開きより
も小さな粉塵は通気孔を簡単に通過してしまい、粉塵を
捕捉、除去することができないといった問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エアコン用
フィルターや網戸用網等の比較的目開きの大きな通気孔
を有する通気部材の表面に塗布されて用いられ、上記通
気部材の通風性能を損なうことなく、該通気部材に衝突
し或いは通気部材の通気孔を通過する粉塵を円滑に且つ
確実に捕捉、除去し得る粘着性薄膜を通気部材表面に形
成し得る粉塵除去用粘着剤を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の粉塵除
去用粘着剤は、JIS Z0237に規定する180°
剥離強度が10〜300g/25mmの粘着力を有する
アクリル樹脂を乳化させてなることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の粉塵除去用粘着剤は、請
求項1に記載の粉塵除去用粘着剤において、アクリル樹
脂は、炭素数が2〜20のアルキルアルコールのアクリ
ル酸アルキルエステルを重合させてなる。
【0008】請求項3に記載の粉塵除去用粘着剤は、請
求項1又は請求項2に記載の粉塵除去用粘着剤におい
て、アクリル樹脂の重量平均分子量が1,000以上で
あることを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の粉塵除去用粘着剤は、請
求項1乃至請求項3に記載の粉塵除去用粘着剤におい
て、可塑剤又は粘着付与剤をアクリル樹脂100重量部
に対して0.1〜100重量部添加していることを特徴
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の粉塵除去用粘着剤は、J
IS Z0237に規定する180°剥離強度が10〜
300g/25mmの粘着力を有するアクリル樹脂を乳
化させてなることを特徴とする。
【0011】上記アクリル樹脂の原料モノマーとして
は、特に限定されないが、炭素数が2〜20のアルキル
アルコールのアクリル酸アルキルエステルが好ましく、
このようなアクリル酸アルキルエステルとしては、例え
ば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル等が挙げられ、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチルがより好ましい。
【0012】なお、アクリル樹脂には、上記アクリル酸
アルキルエステル以外の成分が共重合されていてもよ
く、このような共重合成分としては、例えば、メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ステア
リル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸、アクリロ
ニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0013】上記アクリル樹脂の原料モノマーを公知の
重合方法を用いて重合させて得られるアクリル樹脂を主
成分とした粉塵除去用粘着剤は、通気部材表面に塗布さ
れて乾燥すると、通気部材の表面に粘着性薄膜を形成
し、この粘着性薄膜は、粉塵の捕捉、除去能に優れてい
るとともに耐候性及び透明性に優れ、更に、低温時にお
いても優れた粉塵の捕捉除去能を発揮する。
【0014】又、上記アクリル樹脂の重量平均分子量
は、低いと、アクリル樹脂の凝縮力が低下し、粉塵除去
用粘着剤を通気部材の表面に塗布して形成される粘着性
薄膜の粉塵捕捉除去能が低下することがあるので、1,
000以上が好ましく、10,000以上が好ましい。
【0015】更に、上記アクリル樹脂のJIS Z02
37に規定する180°剥離強度は、高いと、粉塵除去
用粘着剤から得られる粘着性薄膜に接触した際にその接
触物が汚染され、又、低いと、粘着性塗膜の粉塵の捕捉
除去性能が低下するので、10〜300g/25mmに
限定される。
【0016】なお、上記アクリル樹脂のJIS Z02
37に規定する180°剥離強度とは、JIS Z02
37の180°引き剥がし法により測定される粘着力を
いう。但し、測定試料は、一面にコロナ放電処理が施さ
れた厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムのコロナ放電処理面に粘着剤を乾燥厚みが10μmと
なるように塗布したものとする。
【0017】上記アクリル樹脂のJIS Z0237に
規定する180°剥離強度を調整するために上記アクリ
ル樹脂に可塑剤又は粘着付与剤を添加してもよい。この
ような可塑剤又は粘着付与剤としては、例えば、ロジ
ン、変性ロジン又はこれらのエステル化合物、フェノー
ル系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹
脂、ロジン及びアルキルフェノール変性キシレン樹脂、
スチレン系樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂等が挙げられ、アクリル樹脂に対する相溶性が優れて
いるものが好ましい。
【0018】上記可塑剤又は粘着付与剤の添加量は、多
いと、可塑剤や粘着付与剤が粘着性薄膜表面にブリード
アウトして接触物を汚染することがあり、又、少ない
と、粘着性薄膜の粘着性の制御効果が得られないことが
あり、アクリル樹脂100重量部に対して0.1〜10
0重量部が好ましい。
【0019】そして、上記所定範囲内の粘着力を有する
アクリル樹脂は乳化されて粉塵除去用粘着剤とされる。
このように、アクリル樹脂を乳化させることによって粉
塵除去用粘着剤を得ているので、ホットメルト型粘着剤
のように、所望の粘度を得るために高温に加熱できる特
殊な吹き付け装置を必要としたりするといった問題点が
生じることがなく、同様に、有機溶剤溶液型粘着剤のよ
うに、乾燥時に有機溶剤が揮発して環境に悪影響を及ぼ
すといった問題も生じない。
【0020】上記アクリル樹脂を乳化させて乳化液を製
造する方法としては、アクリル酸アクリルエステルを
公知の乳化重合法を用いて重合させてアクリル樹脂の乳
化液を製造してもよいし、公知の重合方法で得たアク
リル樹脂を後乳化することによってアクリル樹脂の乳化
液を製造してもよい。
【0021】又、上記アクリル樹脂の乳化液を製造する
際に用いられる乳化剤としては、従来から樹脂の乳化に
用いられているものであれば、特に限定されず、例え
ば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0022】更に、上記の製造方法において、上記ア
クリル樹脂の原料モノマーの乳化重合時の濃度は、通
常、30〜70重量%となるように調整され、好ましく
は40〜60重量%となるように調整される。なお、上
記アクリル樹脂の乳化液は、乳化重合完了後に更に希釈
させてから用いてもよい。
【0023】上記アクリル樹脂の乳化液の粘度が、好ま
しくは10000mPa・s以下、より好ましくは1〜
1000mPa・sとなるように調整する。これは、ア
クリル樹脂の乳化液の粘度が高いと、粉塵除去用粘着剤
を通気部材の表面に塗布、乾燥させて該通気部材の表面
に粘着性薄膜を形成させた際、該粘着性薄膜によって通
気部材の通気孔の大半が塞がれてしまいフィルターの通
風性が低下することがあるからである。なお、上記乳化
液の粘度は、回転数30rpm、温度20℃の条件下に
おいて回転粘度計を用いて測定されたものをいう。
【0024】又、上記アクリル樹脂の乳化液中には、そ
の物性を損なわない範囲内において添加剤が含まれてい
ても構わない。このような添加剤としては、例えば、着
色剤、劣化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料等
が挙げられる。
【0025】次に、上記粉塵除去用粘着剤の使用要領に
ついて説明する。先ず、上記粉塵除去用粘着剤を塗布す
るシート状の通気部材について説明する。この通気部材
としては、従来から通気部材として用いられているもの
であれば、特に限定されず、例えば、織布、編布、不織
布、紙、フィルム等が挙げられる。
【0026】具体的には、上記通気部材には、その両面
間に亘って貫通した状態に開設された多数の通気孔が形
成されてなり、該通気孔の目開き又は開口径が0.1m
m以上となるように形成され、そして、上記通気部材の
平面面積に対する通気孔の占める割合(開口率)は、好
ましくは1〜99.9%、より好ましくは50〜99.
9%となるように形成されている。
【0027】なお、上記目開き又は開口径とは、通気部
材に貫設されている通気孔の大きさをいい、上記通気孔
の形状が四角形の場合はその一辺の長さを、円形の場合
はその直径を、それ以外の形状の場合は内接する円の直
径をいうものとする。
【0028】上記粉塵除去用粘着剤を通気部材の表面に
塗布する方法としては、上記粉塵除去用粘着剤を通気部
材の表面に塗布して乾燥させた後に該通気部材の通気孔
の大部分が通気部材の両面間に亘って貫通した状態に残
存した状態であれば、特に限定されるものではなく、例
えば、粉塵除去用粘着剤を霧状にして通気部材の表面
に吹き掛けて塗布する方法、粉塵除去用粘着剤を泡状
にして通気部材の表面に吹き掛けて塗布する方法、粉
塵除去用粘着剤を液状のまま通気部材の表面に塗布する
方法、通気部材を上記粉塵除去用粘着剤内に浸漬した
後、上記通気部材をマングルロール等を用いて絞って余
分な上記粉塵除去用粘着剤を除去する方法等が挙げられ
る。
【0029】具体的には、上記の方法としては、トリ
ガー式噴霧器や塗装用噴霧器等を用いて粉塵除去用粘着
剤を9.8×10-6〜9.8×10-3Paの圧力で通気
部材表面に吹きつけて、粉塵除去用粘着剤を通気部材の
表面にその通気孔を残存させた状態に塗布する方法が挙
げられる。なお、粉塵除去用粘着剤の上記噴霧器を用い
た通気部材の表面への吹き付けは、上記噴霧器を通気部
材表面から好ましくは1〜10cm、より好ましくは5
〜50cm離間させた状態で行なわれる。
【0030】又、上記の方法としては、上記粉塵除去
用粘着剤を空気と共に噴霧させることができるトリガー
式噴霧器等を用いて上記粉塵除去用粘着剤を泡状にして
上記通気部材の表面に吹き付けた後、この泡状の粉塵除
去用粘着剤を刷毛やスポンジ等で通気部材の表面に塗り
拡げることにより、上記粉塵除去用粘着剤を上記通気部
材の表面にその通気孔を残存させた状態に塗布する方法
が挙げられる。
【0031】最後に、上記の方法としては、刷毛やス
ポンジ等に上記粉塵除去用粘着剤をしみ込ませて、これ
ら刷毛やスポンジでこれらにしみ込ませた粉塵除去用粘
着剤を上記通気部材の表面にその通気孔を残存させた状
態に塗布する方法が挙げられる。
【0032】上記要領で塗布した上記粉塵除去用粘着剤
の水分を除去することによって、上記通気部材の全表
面、即ち、上記通気部材の両面全面及び通気孔の内壁面
全面に該通気部材の通気孔を残存させた状態に上記粉塵
除去用粘着剤の主成分であるアクリル樹脂からなる粘着
性薄膜が層着される。この際、上記粘着性薄膜の厚さ
が、面積1m2 当たり1〜100gのアクリル樹脂から
なる薄膜を形成させるように調整することが好ましい。
このように、上記粉塵除去用粘着剤によれば、有機溶媒
を用いておらず水分を除去するだけで粘着性薄膜を得る
ことができ環境衛生面においても優れたものである。な
お、上記粉塵除去用粘着剤の主成分であるアクリル樹脂
は上記通気部材の表面だけでなくその内部に進入させて
おいてもよい。
【0033】又、上記粘着性薄膜を通気部材の表面に層
着させるに際し、上記粘着性薄膜が層着される前の通気
部材の通気孔の全てが通気部材の両面間に貫通した状態
に残存している必要はなく、その大部分が残存しておれ
ばよく、具体的には、表面に粘着性塗膜が層着された通
気部材の開口率が好ましくは1〜99.9%、より好ま
しくは50〜99.9%となるように調整されておれば
よい。
【0034】なお、上記通気部材の表面に塗布した粉塵
除去用粘着剤を乾燥させる方法としては、特に限定され
ず、例えば、通気部材を自然乾燥させる方法、オーブ
ン、ドライヤー、ホットシリンダー等を用いて乾燥させ
る方法等が挙げられる。
【0035】このように、上記粉塵除去用粘着剤は、適
度な粘着力を有する粘着性薄膜を通気部材の表面にその
通気孔の大部分が通気部材の両面間に亘って貫通した状
態に形成することができるので、表面に粘着性薄膜が層
着された通気部材にあっては、通気部材表面に衝突し或
いは通気部材の通気孔を通過する微細な粉塵を瞬時に円
滑に且つ確実に捕捉、除去することができる一方、粉塵
塵以外のもの、例えば、子供のおもちゃ等の家庭内の小
物や人体等が通気部材の粘着性薄膜に接触した場合にあ
ってもこれら接触物が粘着性薄膜によって汚染される虞
れはない。しかも、上記粘着性薄膜は、通気部材の通気
孔の大部分を通気部材の両面間に亘って貫通した残存し
た状態に通気部材の表面に層着されているので、通気部
材の開口率は略保持されて通気部材はその優れた通風性
能を保持している。
【0036】最後に、上記粉塵除去用粘着剤はアクリル
樹脂の乳化液からなるため、この粉塵除去用粘着剤から
得られる粘着性薄膜を形成しているアクリル樹脂にはそ
の一部に親水性部分が残存しているとともに粘着性薄膜
の粘着性も適度なものであることから、上記粘着性薄膜
に捕捉された粉塵のみを水洗いで簡単に除去することが
でき、よって、上記粘着性薄膜を再生させて長期間に亘
って利用に供することができる。
【0037】
【実施例】(実施例1)冷却管、温度計、攪拌機、滴下
ロート及び窒素ガス導入口を備えたセパラブルフラスコ
に、常温でイオン交換水56.6重量部、乳化剤として
ポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部及びラウ
リル硫酸ソーダ0.2重量部を仕込み、50℃まで昇温
してポリオキシエチレンラウリルエーテル及びラウリル
硫酸ソーダをイオン交換水に溶解させた。
【0038】アクリル酸エチル30重量部、メタクリル
酸メチル7重量部及びアクリル酸3重量部を混合して原
料モノマー40重量部とし、この原料モノマーのうちの
4重量部にラジカル重合開始剤として過硫酸カリウム
0.01重量部及びpH調整剤として重亜硫酸ソーダ
0.01重量部を添加したものを窒素ガス雰囲気下で上
記フラスコ中に添加し、30分撹拌後、残りの原料モノ
マー36重量部にラジカル重合開始剤として過硫酸カリ
ウム0.09重量部及びイオン交換水1重量部を添加し
たもの、及び、pH調整剤として重亜硫酸ソーダ0.0
9重量部をイオン交換水1重量部に溶解させたものを3
時間かけて上記フラスコ内に滴下した。上記滴下終了
後、50℃に維持したまま2時間かけて重合し、しかる
後、室温に冷却してから、粘着付与剤(理化ハーキュレ
ス社製 商品名「D101」、水添ロジンのグリセリン
エステルの50重量%乳化液)8重量部を添加すること
により、固形分濃度42.0%、粘度250mPa・
s、180°剥離強度が50g/25mmのアクリル樹
脂の乳化液からなる粉塵除去用粘着剤を得た。上記アク
リル樹脂の重量平均分子量は180万であった。
【0039】そして、上記粉塵除去用粘着剤100重量
部をイオン交換水300重量部で希釈した上でトリガー
式噴霧器に充填し、図1に拡大して示すような目開き
1.2mmのポリプロピレン製網戸用網1に対して、ト
リガー式噴霧器を網戸用網1から15cm離した上で該
噴霧器から上記粉塵除去用粘着剤を霧状に噴霧した。3
0分間風乾させることによって、ポリプロピレン製網戸
用網表面にアクリル樹脂からなる粘着性薄膜を層着させ
て、図2に拡大して示すような網戸用網2を得た。この
フィルターは、指で触れてもほとんど粘着性を感じない
もので、指に樹脂が付着することもなかった。
【0040】次に、12cm×12cmの上記網戸用網
2を水平状態にして、スギ花粉40mgを上記網戸用網
2にその上方側からふりかけた。この時の網戸用網2の
状態を拡大して図3に示す。図3において、網戸用網2
上に捕捉されている円形状の物質は、網戸用網の粘着性
薄膜に捕捉されたスギ花粉3である。網戸用網2の通気
孔21を通過したスギ花粉量は30mgであり、網戸用網
2のスギ花粉捕捉率は25%であった。又、粘着性薄膜
にスギ花粉3が付着した網戸用網2は、シャワー水によ
り水洗いをして乾燥させると、粘着性薄膜を網戸用網2
の表面から殆ど剥離させることなく上記粘着性薄膜に付
着していたスギ花粉3のみを取ることができ、粘着性薄
膜の粉塵除去機能を再生することができた。そして、こ
の再生させた網戸用網2を水平状態にして、スギ花粉4
0mgを上記網戸用網2にその上方側からふりかけたと
ころ、網戸用網のスギ花粉捕捉率は20%であった。
【0041】(比較例1)粘着付与剤(理化ハーキュレ
ス社製 商品名「D101」、水添ロジンのグリセリン
エステルの50重量%乳化液)を添加しなかったこと以
外は実施例1と同様にして粉塵除去用粘着剤を得た。な
お、粉塵除去用粘着剤の固形分濃度は42.4%で、粘
度は300mPa・sで、180°剥離強度は5g/2
5mmであった。又、得られたアクリル樹脂の重量平均
分子量は180万であった。
【0042】上記粉塵除去用粘着剤100重量部をイオ
ン交換水300重量部で希釈した上でトリガー式噴霧器
に充填し、実施例1で用いたと同様のポリプロピレン製
網戸用網に対して、トリガー式噴霧器を網戸用網から1
5cm離した上で該噴霧器から上記粉塵除去用粘着剤を
霧状に噴霧した。30分間風乾させることによって、ポ
リプロピレン製網戸用網表面にアクリル樹脂からなる粘
着性薄膜を層着させた。この粘着性薄膜は、全く粘着性
を感じないものであった。
【0043】次に、12cm×12cmの上記網戸用網
を水平状態にして、スギ花粉40mgを上記網戸用網に
その上方側からふりかけたところ、フィルターのスギ花
粉捕捉率は1.2%であった。
【0044】(実施例2)モノマー組成をアクリル酸ブ
チル30重量部、メタクリル酸ステアリル7重量部及び
アクリル酸3重量部とした以外は、実施例1と同様にし
てアクリル樹脂の乳化液からなる粉塵除去用粘着剤を得
た。但し、アクリル樹脂への粘着付与剤(理化ハーキュ
レス社製 商品名「D101」、水添ロジンのグリセリ
ンエステルの50重量%乳化液)の添加は行わなかっ
た。なお、上記粉塵除去用粘着剤は、その固形分濃度は
42.4%であり、その粘度150mPa・sであり、
180°剥離強度が30g/25mmであった。又、得
られたアクリル樹脂の重量平均分子量は110万であっ
た。
【0045】上記乳化液100重量部をイオン交換水3
00重量部で希釈した上でトリガー式噴霧器に充填し、
目開き1.0mmのポリプロピレン製エアコン用フィル
ターに対して、トリガー式噴霧器をフィルターから15
cm離した上で該噴霧器から上記粉塵除去用粘着剤を泡
状に噴霧した。噴霧した泡状の粉塵除去用粘着剤を家庭
用スポンジを用いて均一に塗り広げた後、30分間風乾
させることによって、ポリプロピレン製エアコン用フィ
ルター表面にアクリル樹脂からなる粘着性薄膜を層着さ
せた。この粘着性薄膜は、指で触れてもほとんど粘着性
を感じないもので、又、指にアクリル樹脂が付着するこ
ともなかった。そして、実施例1と同様の要領で上記フ
ィルターにその上方側からスギ花粉40mgを降りかけ
たところ、フィルターのスギ花粉捕捉率は33%であっ
た。
【0046】又、粘着性薄膜にスギ花粉が付着した網戸
用網は、シャワー水により水洗いをして乾燥させると、
粘着性薄膜を網戸用網の表面から殆ど剥離させることな
く上記粘着性薄膜に付着していたスギ花粉のみを取るこ
とができ、粘着性薄膜の粉塵除去機能を再生することが
できた。そして、この再生させた網戸用網を水平状態に
して、スギ花粉40mgを上記網戸用網にその上方側か
らふりかけたところ、網戸用網のスギ花粉捕捉率は25
%であった。
【0047】(比較例2)目開き1.2mmのポリプロ
ピレン製網戸用網を用意し、この網戸用網を水平状態に
して、スギ花粉40mgを上記網戸用網にその上方側か
らふりかけたところ、網戸用網のスギ花粉捕捉率は0.
3%であった。
【0048】(比較例3)目開き1.0mmのポリプロ
ピレン製エアコン用フィルターを用意し、このフィルタ
ーを水平状態にしてスギ花粉40mgを上記フィルター
にその上方側からふりかけたところ、フィルターのスギ
花粉捕捉率は0.5%であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の粉塵除去用粘着剤は、JIS
Z0237に規定する180°剥離強度が10〜300
g/25mmの粘着力を有するアクリル樹脂を乳化させ
てなることを特徴とするので、これを通気部材の表面に
塗布、乾燥させて得られた粘着性薄膜は、適度な粘着性
を有して土埃や花粉等の微細な粉塵に対して高い捕捉能
を有する一方、粉塵以外のもの、例えば、子供のおもち
ゃ等の家庭内の小物や人体等がフィルターに接触しても
接触物を汚染することがないといった優れた効果を発揮
する。
【0050】又、本発明の粉塵除去用粘着剤を通気部材
の表面に塗布し乾燥させて該通気部材の表面に粘着性薄
膜を形成させた場合にあっても、通気部材の通気孔の大
部分が通気部材の両面間に亘って貫通し残存した状態を
維持しており、通気部材の開口率を低下させるといった
不測の事態は発生せず、よって、通気部材の優れた通風
性能を維持しつつ該通気部材の通気孔を通過する粉塵を
円滑に且つ確実に捕捉し除去することができる。
【0051】更に、上記粘着性薄膜に捕捉された粉塵は
水洗いすることによって容易に除去することができるた
め、上記粘着性薄膜の粉塵捕捉能を簡単に且つ確実に回
復させて再利用に供することができる。
【0052】最後に、本発明の粉塵除去用粘着剤は、有
機溶剤を使用しないので、有機溶剤が揮発することによ
って環境に悪い影響を及ぼすといった不測の事態は発生
せず、環境衛生上においても優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において用いられた目開き1.2mm
のポリプロピレン製網戸用網を示した電子顕微鏡写真で
ある。
【図2】実施例1において用いられた粘着性薄膜が層着
されたポリプロピレン製網戸用網を示した電子顕微鏡写
真である。
【図3】実施例1においてスギ花粉をふりかけた後の網
戸用網の状態を示した電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1、2 網戸用網 21 網戸用網の通気孔 3 スギ花粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白田 健志 大阪市北区西天満2−4−4 積水化学工 業株式会社内 (72)発明者 村上 修一 石川県能美郡根上町浜町ヌ167番地 小松 精練株式会社内 (72)発明者 福田 寛 石川県能美郡根上町浜町ヌ167番地 小松 精練株式会社内 (72)発明者 清水 俊孝 石川県能美郡根上町浜町ヌ167番地 小松 精練株式会社内 (72)発明者 菅野 俊司 石川県能美郡根上町道林町ロ−22番地 根 上工業株式会社内 (72)発明者 北 伸也 石川県能美郡根上町道林町ロ−22番地 根 上工業株式会社内 Fターム(参考) 4D019 AA01 BA13 BB02 BC09 4J038 CG141 CH031 CH041 KA10 MA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS Z0237に規定する180°
    剥離強度が10〜300g/25mmの粘着力を有する
    アクリル樹脂を乳化させてなることを特徴とする粉塵除
    去用粘着剤。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂は、炭素数が2〜20のア
    ルキルアルコールのアクリル酸アルキルエステルを重合
    させてなることを特徴とする請求項1に記載の粉塵除去
    用粘着剤。
  3. 【請求項3】 アクリル樹脂の重量平均分子量が1,0
    00以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の粉塵除去用粘着剤。
  4. 【請求項4】 可塑剤又は粘着付与剤をアクリル樹脂1
    00重量部に対して0.1〜100重量部添加している
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に
    記載の粉塵除去用粘着剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200123639A (ko) * 2019-04-22 2020-10-30 하채호 방충망용 미세먼지 필터
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WO2022255722A1 (ko) * 2021-06-02 2022-12-08 홍성완 섬유상 담체를 포함하는 미세먼지 제거용 유동형 필터 및 그의 제조방법

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