JP2001302641A - イミダゾリニウム四級塩の製造法 - Google Patents

イミダゾリニウム四級塩の製造法

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JP2001302641A
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quaternary salt
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nitrile
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Yasushi Hara
靖 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のN,N’−ジアルキルイミダゾリニウ
ム四級塩の製造法は多段階の工程を必要とするため、工
業的には十分満足できるものではない。そこで一段階の
反応でN,N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩を
製造する方法の開発が望まれていた。 【解決手段】 ニトリル類とN,N’−ジアルキルジア
ミンからN,N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩
を製造する際に、酸存在下反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はN,N’−ジアルキ
ルイミダゾリニウム四級塩の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、N,N’−ジアルキルイミダゾリ
ニウム四級塩は多段階の反応で製造されてきた。例え
ば、ニトリル又はカルボン酸とジアミンとを反応させ、
イミダゾリンとした後、窒素部位をハロゲン化アルキル
等のアルキル化剤でアルキル化してN−アルキルイミダ
ゾリンを合成し、これをさらに炭酸ジアルキルの様なア
ルキル化剤でアルキル化し、四級塩とする方法(特開平
10−17554公報参照)や、ニトリル又はカルボン
酸とN−アルキルジアミンとを反応させ、N−アルキル
イミダゾリンとした後、前記の様に炭酸ジメチルの様な
アルキル化剤でアルキル化し、イミダゾリニウム四級塩
とする方法で製造されてきた。これらはいずれも多段階
の反応を必要とし、特にN−アルキルジアミンを使用す
る方法は、N−アルキルジアミン自体が高価なため、工
業的には不利であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、従来の
N,N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩の製造法
は多段階の工程を必要とするため、工業的には十分満足
できるものではない。そこで一段階の反応でN,N’−
ジアルキルイミダゾリニウム四級塩を製造する方法の開
発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、N,N’−
ジアルキルイミダゾリニウム四級塩の製造法について鋭
意検討した結果、N,N’−ジアルキルイミダゾリニウ
ム四級塩が、ニトリル類、N,N’−ジアルキルジアミ
ン及び酸から一段階の反応で得られるという新規な事実
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ニトリル類とN,
N’−ジアルキルジアミンからN,N’−ジアルキルイ
ミダゾリニウム四級塩を製造する際に、酸存在下反応さ
せることを特徴とするN,N’−ジアルキルイミダゾリ
ニウム四級塩の製造法である。
【0006】本発明の方法において、原料のニトリル類
は、ニトリル基を含むものなら有機物、無機物を問わず
使用できる。例えば、青酸、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレ
ロニトリル、トルニトリル、ベンゾニトリル等のニトリ
ル基を1個有するもの、スクシノニトリル、アジポニト
リル等のニトリル基を二個有するもの、ポリアクリロニ
トリル、アクリロニトリルと他の不飽和化合物との共重
合体等のニトリル基を多数有するものが挙げられる。
【0007】本発明の方法において、N,N’−ジアル
キルジアミンとは、下記一般式(1)で表される化合物
を示す。
【0008】 R1NHCR23CR45NHR6 (1) (式中、R1〜R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル
基、又はアリール基を示す。) 具体的に例示すると、N,N’−ジメチルエチレンジア
ミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N−エチ
ル−N’−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジベン
ジルエチレンジアミン等のエチレンジアミン誘導体、
N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、N,N’−ジ
エチルプロピレンジアミン、N−エチル−N’−メチル
プロピレンジアミン等のプロピレンジアミン誘導体、ピ
ペラジン等が挙げられる。
【0009】本発明の方法において、ジアミンの量はニ
トリル基に対し当量以上が好ましい。当量未満である
と、未反応のニトリルが残存する。
【0010】本発明の方法において、反応は酸存在下で
進行する。酸は無機酸、有機酸のいずれを使用しても良
い。酸は、最終的にイミダゾリニウムカチオンと対イオ
ンとして塩を形成するが、塩のアニオン部分として必要
な酸、又は後で交換可能な酸を選べば良い。無機酸とし
ては、塩酸、臭素酸等が使用でき、有機酸としては、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフロロ酢酸等の脂
肪族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二
酸等の脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、ク
ミン酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸、フタル
酸等の芳香族ジカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸等のスルホン酸等が使用できる。また
これらの酸はアミン塩、アンモニウム塩の形で使用して
も良い。なお電解コンデンサー用途には一般にフタル
酸、安息香酸が使用される。
【0011】本発明の方法において、使用する酸の量は
所望する酸塩基比になるように調整すれば良い。酸が多
くても反応には支障が無いが、イミアゾリニウム四級塩
から分離する操作が必要となる。酸が少なすぎると、イ
ミダゾリニウムの収率が低下する。
【0012】本発明の方法において、反応温度は通常6
0℃〜250℃、好ましくは80℃〜180℃である。
反応温度が60℃より低いと、反応が工業的でないほど
遅く、250℃を超えると原料及び生成物のイミダゾリ
ニウム四級塩の一部が分解し、純度が低下する場合があ
る。
【0013】本発明の方法において、反応は大気圧下で
実施できるが、沸点の低い酸、ニトリル類、ジアミンを
使用する場合は加圧して行うのが好ましい。その際、ア
ンモニアが副生するため、徐々に圧力が上昇するが、反
応途中でアンモニアを抜いて圧力を下げても良い。
【0014】本発明の方法において、溶媒は使用しても
しなくても良い。原料のニトリル、ジアミン、酸のいず
れかが液体の場合、溶媒を使用しなくても反応は問題な
く進行するが、ニトリル類、ジアミン、酸のいずれもが
固体の場合、溶媒を使用した方が良い。使用できる溶媒
は、原料、生成物と反応しないものであれば特に問題な
く使用できるが水を含まないものが好ましい。水は生成
物のイミダゾリニウム四級塩を分解することが知られて
いるため、含水率の低い溶媒を使用するのが好ましい。
【0015】本発明の方法においては、生成物のN,
N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩は極めて高純
度であるため、原料、溶媒を回収すれば、その他の特別
の精製は必要のない場合がある。しかしながら、あえて
精製する場合、その精製方法は特に制限されない。再結
晶、晶析、抽出等一般に実施されている方法で精製する
ことができる。
【0016】本発明の方法においては、未反応の原料、
溶媒は回収して使用することができる。この回収した原
料、溶媒はそのまま使用することもできるが、精製して
使用しても良い。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0018】なお、表記を簡略化するために、以下の略
号を使用する。
【0019】 DMEDA: N,N’−ジメチルエチレンジアミン DEEDA: N,N’−ジエチルエチレンジアミン 実施例1 ガラス製フラスコにアジポニトリル20g、DMEDA
66g、フタル酸31.2gを入れ、窒素気流下で加熱
し還流させた。52時間加熱した後、未反応のDMED
Aを蒸留で回収し、残りの溶液をテトラヒドロフラン中
に注ぐと、白色の固体となった。これを60℃で真空乾
燥し、N,N’−ジメチルイミダゾリニウム誘導体のフ
タル酸塩を26g得た。
【0020】 IR(KBr錠剤) 1625cm-1 イミダゾリニウム環 1375cm-1 カルボン酸塩 実施例2 ガラス製フラスコにアジポニトリル10g、ピペラジン
50g、フタル酸31.4gを入れ、窒素気流下で15
0℃に加熱した。24時間加熱した後、反応液をアセト
ン中に注ぐと、淡黄色の粉末となった。これを60℃で
真空乾燥し、イミダゾリニウム誘導体のフタル酸塩を4
5g得た。
【0021】 IR(KBr錠剤) 1605cm-1 イミダゾリニウム環 1377cm-1 カルボン酸塩 実施例3 ガラス製フラスコにアジポニトリル6g、DEEDA1
8g、フタル酸9.4gを入れ、窒素気流下で140℃
に加熱した。24時間加熱した後、減圧下で、未反応の
DEEDAを留去すると橙色の粘調なオイルとしてN,
N’−ジエチルイミダゾリニウム誘導体のフタル酸塩を
22g得た。
【0022】 IR(KBr錠剤) 1615cm-1 イミダゾリニウム環 1397cm-1 カルボン酸塩 実施例4 ガラス製フラスコにポリアクリロニトリル10g、DM
EDA41.6g、フタル酸15.6gを入れ、窒素気
流下で加熱し還流させた。2日間加熱した後、反応液を
テトラヒドロフラン中に注ぎ、生じた黄色粉末を減圧下
で乾燥すると、N,N’−ジメチルイミダゾリニウム誘
導体のフタル酸塩を23.5g得た。
【0023】 IR(KBr錠剤) 1617cm-1 イミダゾリニウム環 1375cm-1 カルボン酸塩 実施例5 ステンレス製の電磁撹拌式オートクレーブにアセトニト
リル15g、DMEDA50g、塩化アンモニウム20
gを入れ、160℃で8時間反応させた。反応するに従
い圧力が上昇するが、2MPaを超えるとアンモニアを
抜き圧力を下げるという操作を繰り返した。反応液から
未反応のDMEDAを留去し、無色のN,N’−ジメチ
ルイミダゾリニウム誘導体の塩酸塩を45g得た。
【0024】 IR(KBr錠剤) 1627cm-1 イミダゾリニウム環 1385cm-1 カルボン酸塩
【0025】
【発明の効果】本発明はN,N’−ジアルキルイミダゾ
リニウム四級塩の工業的な製造法を提供するものであ
り、極めて有意義である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトリル類とN,N’−ジアルキルジア
    ミンからN,N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩
    を製造する際に、酸存在下反応させることを特徴とする
    N,N’−ジアルキルイミダゾリニウム四級塩の製造
    法。
  2. 【請求項2】 ニトリル類が、青酸、アセトニトリル、
    プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリ
    ル、バレロニトリル、トルニトリル、ベンゾニトリル、
    スクシノニトリル、アジポニトリル及びポリアクリロニ
    トリルからなる群より選ばれる少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 N,N’−ジアルキルジアミンが、下記
    一般式(1) R1NHCR23CR45NHR6 (1) (式中、R1〜R6はそれぞれ独立して、水素、アルキル
    基、又はアリール基を示す。)で示される化合物である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】 酸が、塩酸、臭素酸、蟻酸、酢酸、プロ
    ピオン酸、酪酸、トリフロロ酢酸、シュウ酸、マロン
    酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
    スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
    酸、ドデカン二酸、安息香酸、トルイル酸、クミン酸、
    サリチル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
    エンスルホン酸、メタンスルホン酸及びトリフルオロメ
    タンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かに記載の製造法。
  5. 【請求項5】 60℃〜250℃で反応を実施すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    製造法。
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