JP2001302396A - 単結晶育成用の原料粉末の製造方法および単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶育成用の原料粉末の製造方法および単結晶の製造方法

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JP2001302396A JP2000383098A JP2000383098A JP2001302396A JP 2001302396 A JP2001302396 A JP 2001302396A JP 2000383098 A JP2000383098 A JP 2000383098A JP 2000383098 A JP2000383098 A JP 2000383098A JP 2001302396 A JP2001302396 A JP 2001302396A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ニオブ酸リチウムカリウム単結晶やニオブ酸リ
チウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単
結晶の育成に際し、単結晶の組成の変動、クラック、包
有物や結晶性の劣化を防止可能にする。 【解決手段】炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末及び
五酸化ニオブ粉末を含む出発原料を溶媒中で混合する。
この際、炭酸リチウム粉末及び炭酸カリウム粉末の全体
を溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥法によって五酸化
ニオブ粉末の周りに炭酸リチウムおよび炭酸カリウムを
析出させて造粒粉末を得、この造粒粉末を熱処理するこ
とによって、原料粉末を得る。この原料粉末をルツボ7
内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して種結晶を
接触させ、この種結晶を前記ルツボの下方へと向かって
引き下げることによってニオブ酸リチウムカリウム単結
晶14を育成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニオブ酸リチウム
カリウムの単結晶やニオブ酸リチウムカリウム−タンタ
ル酸リチウムカリウム固溶体単結晶を育成するための原
料粉末の製造方法、およびこれを利用した各単結晶の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウムカリウム単結晶やニオ
ブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固
溶体単結晶は、特に半導体レーザー用の青色光第二高調
波発生(SHG)素子用の単結晶として注目されてい
る。これは、390nmの紫外光領域まで発生すること
が可能であるので、こうした短波長の光を利用すること
で、光ディスクメモリー用、医学用、光化学用、各種光
計測用等の幅広い応用が可能である。また、前記の単結
晶は、電気光学効果も大きいので、そのフォトリフラク
ティブ効果を利用した光記憶素子等にも適用できる。
【0003】しかし、例えば第二高調波発生素子用途に
おいては、単結晶の組成が僅かでも変動すると、素子か
ら発振する第二高調波の波長が変動する。このため、上
記単結晶に要求される組成範囲の仕様は厳しいものであ
り、組成変動を狭い範囲に抑える必要がある。しかし、
構成成分が3成分あるいは4成分と多いので、各構成成
分の割合を一定に制御しつつ、単結晶を高速度で育成す
ることは一般的に極めて困難である。
【0004】本出願人は、前記のような単結晶を、一定
した組成比率で育成する方法として、例えば特開平8−
319191号公報において、μ引き下げ法を提案し
た。この方法では、例えばニオブ酸リチウムカリウムか
らなる原料を白金ルツボ内に収容し、溶融させ、ルツボ
の底面に取り付けたノズルから融液を下方へと向かって
徐々に連続的に引き出す。そして、ノズルの下方に赤外
線照射装置と検出装置とを設置し、下方へと引き出され
てくる単結晶に対して赤外線を照射し、単結晶から発振
する第二高調波の波長を計測することによって、単結晶
の組成を一定に制御することを試みた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうしたμ引き下げ技
術は、前記した成分の多い酸化物単結晶を育成する上で
有用な方法であった。しかし、前記単結晶を普及させる
ためには、工業的な生産能力を一層増大させることが必
要不可欠である。このためには、ルツボの容積を大きく
し、できるだけ多量の単結晶を育成する必要がある。
【0006】ところが、本発明者がこの技術を更に検討
したところ、ルツボの容積を増大させて量産を行うのに
際して、原料粉末の粒度やルツボの形状などによって
は、小規模の実験においては生じにくかったような組成
の変動や、クラック、包有物、場合によっては別の核発
生や、成長速度異常に伴う結晶性の劣化が生じ、歩留り
低下の原因となることがあった。
【0007】本発明の課題は、ニオブ酸リチウムカリウ
ム単結晶やニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチ
ウムカリウム固溶体単結晶を育成するのに際して、単結
晶の組成の変動、クラック、包有物や結晶性の劣化を防
止できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ニオブ酸リチ
ウムカリウムの単結晶育成用のニオブ酸リチウムカリウ
ムを含む原料粉末を製造するのに際して、炭酸リチウム
粉末、炭酸カリウム粉末および五酸化ニオブ粉末を含む
出発原料を溶媒中で混合し、この際炭酸リチウム粉末お
よび炭酸カリウム粉末の全体を溶媒中に溶解させ、次い
で噴霧乾燥法によって五酸化ニオブ粉末の周りに炭酸リ
チウムおよび炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、
造粒粉末を熱処理することによって原料粉末を得ること
を特徴とする、単結晶育成用の原料粉末の製造方法に係
るものである。
【0009】また、本発明においては、前記の原料粉末
をルツボ内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して
種結晶を接触させ、この種結晶をルツボの下方へと向か
って引き下げることによってニオブ酸リチウムカリウム
単結晶を育成することができる。
【0010】また、本発明は、ニオブ酸リチウムカリウ
ム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶育成用の
ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウ
ム固溶体を含む原料粉末を製造するのに際して、炭酸リ
チウム粉末、炭酸カリウム粉末、五酸化ニオブ粉末およ
び五酸化タンタル粉末を含む出発原料を溶媒中で混合
し、この際炭酸リチウム粉末および炭酸カリウム粉末の
全体を溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥法によって五
酸化ニオブ粉末の周りおよび五酸化タンタル粉末の周り
に炭酸リチウムおよび炭酸カリウムを析出させて造粒粉
末を得、造粒粉末を熱処理することによって原料粉末を
得ることを特徴とする、単結晶育成用の原料粉末の製造
方法に係るものである。
【0011】また、本発明においては、前記の原料粉末
をルツボ内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して
種結晶を接触させ、この種結晶をルツボの下方へと向か
って引き下げることによってニオブ酸リチウムカリウム
−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶を育成する
ことができる。
【0012】五酸化ニオブ粉末(必要に応じて五酸化タ
ンタル粉末)の周りに析出する炭酸リチウムおよび炭酸
カリウムは、微細な粉末の形態をとっているものと考え
られる。
【0013】本発明者は、例えばルツボの容積を増大さ
せた場合には、前記したような組成の変動、クラック、
包有物や結晶性の劣化が、原料粉末の状態変化に関係し
て生ずることを見出した。
【0014】例えばルツボに対して原料粉末を供給する
と、原料粉末は溶融し、ルツボ内を対流し、次いでルツ
ボから外部へと引き出されていく。しかし、この際に原
料粉末に不均質な部分があると、ルツボ内に局所的に、
あるいは一時的に組成の不均質が発生し、これがルツボ
の外へと引き出されてくる単結晶の組成変動に影響す
る。また、組成の変動に応じて、局所的にクラック、包
有物や結晶性の劣化が発生する可能性がある。
【0015】上記した原料粉末中の不均質部分の発生原
因として、出発原料の炭酸カリウム粉末、炭酸リチウム
粉末中に含まれる二次粒子の存在が考えられる。これら
の粉末は吸湿性を有し、このために貯蔵時に空気中の水
分を吸湿し、凝集を起こし、粒径10−50μmといっ
た粗大な二次粒子を生成する傾向がある。この二次粒子
は熱処理過程で他の成分と十分に反応することができ
ず、不均質部分として原料粉末中に残存する。
【0016】本発明によって得られた上記の造粒粉末の
熱処理によって、ニオブ酸リチウムカリウムやニオブ酸
リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体
の原料粉末を製造することによって、前記のような不均
質が事実上なくなり、ルツボから引き出されてくる単結
晶の組成を均一化し、かつクラック、包有物やその結晶
性の劣化を防止できることが分かった。
【0017】即ち、噴霧乾燥法による造粒粉末を採用す
るのと共に、原料粉末のうちの炭酸カリウム粉末および
炭酸リチウム粉末を溶解させ、造粒粉末の表面に再析出
させることで、造粒粉末を得、この造粒粉末を加熱処理
してカリウム、リチウム、ニオブ(および必要に応じて
タンタル)を反応させた。こうして得られた原料粉末
は、前記した特定成分系の単結晶の育成に対して極めて
良好に適合することが分かった。
【0018】本発明者は更に検討を進めた結果、出発原
料を混合する工程において、炭酸リチウム粉末の全量を
溶媒に溶解させず、炭酸リチウム粉末の一部を溶解さ
せ、残部を溶解させずに溶媒中に残した場合にも、前記
のような不均質が事実上なくなり、ルツボから引き出さ
れてくる単結晶の組成を均一化し、かつクラック、包有
物やその結晶性の劣化を防止し得ることを発見した。
【0019】即ち、炭酸リチウム粉末を混合の際に溶媒
に全量溶解させない場合には、溶媒に溶解した炭酸リチ
ウムは、造粒段階で五酸化ニオブ粉末(および必要に応
じて五酸化タンタル粉末)の周囲に析出する。一方、混
合段階で溶媒に溶解しなかった炭酸リチウム粉末は、そ
のまま造粒粉末中に残留するし、熱処理後にも原料粉末
中に残ることがある。
【0020】ここで、本発明者は、原料粉末の段階にお
いて、粒径10μm以上の炭酸リチウム粉末の二次粒子
が残留していると、前述した組成変動、クラック、包有
物の原因となる場合があることを見出した。言い換える
と、前述した組成変動、クラック、包有物は、この場
合、炭酸リチウム粉末が凝集して二次粒子を生成するこ
とに原因があったことを突き止めた。
【0021】こうした二次粒子を、少なくとも原料粉末
の段階において実質的に観察されないようにすれば、混
合の段階で炭酸リチウム粉末を全量溶解させなくとも、
前述した組成変動、クラック、包有物の発生を防止でき
る。
【0022】炭酸カリウムは溶媒に対する溶解度が大き
いため、少量の溶媒で全量を溶解させることができる。
一方、炭酸リチウムは溶媒に対する溶解度が炭酸カリウ
ムより小さいため、全量を溶解するためには多量の溶媒
が必要となる。従って、炭酸リチウム粉末の全量を溶解
させる場合には、原料の処理量が大きいと、噴霧乾燥作
業に時間がかかり、作業能率が低下する。これに対し
て、炭酸リチウムの一部を溶解させ、一部を溶解させず
に残留させることによって、必要な溶媒量が相対的に減
少し、噴霧乾燥作業も短時間で行えるようになった。
【0023】原料粉末の段階において、粒径10μm以
上の炭酸リチウム粉末の二次粒子の有無は、電子顕微鏡
で観察する。電子顕微鏡(倍率1000倍)で、少なく
とも80μm×120μmの視野を10箇所観察したと
きに、粒径10μm以上の炭酸リチウム粉末の二次粒子
がまったく観察されないか、あるいは突発的にしか観察
されない(好ましくは1個以下である)場合には、前記
要件を満足する。
【0024】原料粉末の段階において、粒径10μm以
上の炭酸リチウム粉末の二次粒子を存在させないように
するためには、例えば出発原料を秤量、調製する段階
で、炭酸リチウム粉末を乾燥状態で分級する。これによ
って、炭酸リチウム粉末中に粗大な二次粒子が含まれて
いた場合には、こうした二次粒子を除き、出発原料中に
炭酸リチウム粉末からなる粒径10μm以上の二次粒子
が含まれないようにする。こうした分級手段それ自体は
周知である。
【0025】また、出発原料中に、炭酸リチウム粉末か
らなる粒径10μm以上の二次粒子が含まれていた場合
にも、混合時に解砕することができる。具体的には、混
合手段、例えばボールミルや媒体攪拌ミルのボールや攪
拌媒体の硬度を大きくしたり、攪拌速度を大きくした
り、攪拌時間を長くすることによって、前記二次粒子が
解砕される条件を設定することができる。
【0026】本発明は、単結晶ファイバーの製造だけで
なく、単結晶からなる板状体(プレート)の製造に対し
ても、良好に適用することができる。
【0027】炭酸カリウム粉末および炭酸リチウム粉末
をそれぞれ全量溶解させる場合には、炭酸カリウム粉末
および炭酸リチウム粉末の各平均粒径は特に問題とはな
らない。また、五酸化ニオブ粉末および五酸化タンタル
粉末の平均粒径は、特に限定されないが、後の熱処理に
よって均質な原料粉末を得るという観点からは、10μ
m以下であることが好ましく、また、取り扱い易さの観
点からは0.1μm以上であることが好ましい。
【0028】各構成元素の割合は、最終的に単結晶が育
成可能である限り、特に限定されない。しかし、ニオブ
酸リチウムカリウム単結晶を製造する際には、炭酸リチ
ウム粉末、炭酸カリウム粉末および五酸化ニオブ粉末の
割合は、それぞれ、17−27mol%、28−32m
ol%、43−53mol%とすることが好ましい。ま
た、ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカ
リウム固溶体単結晶を製造する際には、炭酸リチウム粉
末、炭酸カリウム粉末、五酸化ニオブ粉末および五酸化
タンタル粉末の割合は、それぞれ、17−27mol
%、28−32mol%、38.7−52.5mol
%、0.2−5.3mol%とすることが好ましい。
【0029】ニオブ酸リチウムカリウム単結晶、ニオブ
酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶
体単結晶においては、K、Li、Nb、必要に応じてT
aおよびOからなるタングステンブロンズ構造を保持す
る範囲内において、K、Li、Nb、Ta、O以外の元
素による置換が可能である。例えば、Na、Rbによる
K、Liの置換が可能である。この場合には、置換割合
は、カリウムまたはリチウムを100原子%としたと
き、10原子%以下とすることが好ましい。また、Cr
や、Er、Nd等の希土類元素からなるレーザー発振用
ドーピング剤を添加することも可能である。
【0030】本発明の一形態においては、炭酸リチウム
粉末および炭酸カリウム粉末の全体を溶媒中に溶解させ
る。この際、各粉末の全体が溶解するかどうかは、溶媒
中への各粉末の溶解度と溶媒の容積とによって決まる。
従って、各粉末を溶解させるのに充分な量の溶媒を使用
する必要があり、また充分に攪拌、混合することが好ま
しい。
【0031】溶媒は特に限定されないが、炭酸カリウム
粉末および炭酸リチウム粉末の溶解度が高いという点で
水または酸が特に好ましい。炭酸リチウムは酸に対して
溶解度が高い。
【0032】また、溶媒中に有機バインダーを添加する
ことによって、後の噴霧乾燥時に、水中に析出した炭酸
カリウムおよび炭酸リチウムが、五酸化ニオブ粉末や五
酸化タンタル粉末の表面に付着し易くなる。こうした有
機バインダーとしては、炭酸カリウム、炭酸リチウムが
溶解したアルカリ溶液中で使用できるものが好ましく、
例えばアクリル系のバインダーが好ましい。また、溶媒
100重量部に対する有機バインダーの重量比率は、
0.1−3重量%とすることが好ましい。
【0033】造粒粉末を熱処理する際の温度、時間、雰
囲気等の諸条件も、造粒粉末内の各成分が充分に反応し
て各化合物を生成する限り特に限定されない。しかし、
一般的には、800−1000℃の温度が好ましく、2
時間以上保持することが好ましい。
【0034】図1は、本発明の一実施例に係る単結晶育
成用の製造装置を示す概略断面図である。
【0035】炉体の内部にはルツボ7が設置されてい
る。ルツボ7およびその上側空間5を包囲するように、
上側炉1が設置されており、上側炉1内にはヒーター2
が埋設されている。ルツボ7の下端部から下方向へと向
かってノズル部13が延びており、ノズル部13の下端
部に開口13aが形成されている。ノズル部13および
その周囲の空間6を包囲するように下側炉3が設置され
ており、下側炉3の中にヒーター4が埋設されている。
むろんこうした加熱炉の形態自体は、種々変更すること
ができる。ルツボ7およびノズル部13は、いずれも耐
食性の導電性材料によって形成されている。
【0036】ルツボ7の位置Aに対して、電源10Aの
一方の電極が電線9によって接続されており、ルツボ7
の下側の折曲端Bに対して、電源10Aの他方の電極が
接続されている。ノズル部13の位置Cに対して、電源
10Bの一方の電極が電線9によって接続されており、
ノズル部13の下端Dに対して他方の電極が接続されて
いる。これらの各通電機構は、共に分離されており、独
立してその電圧を制御できるように構成されている。
【0037】更にノズル部13を包囲するように、間隔
を置いて、空間6内にアフターヒーター12が設けられ
ている。ルツボ7内で、取り入れ管11が上方向へと向
かって延びており、この取り入れ管11の上端に取り入
れ口22が設けられている。この取り入れ口22は、溶
融物8の底部から若干突き出している。
【0038】上側炉1、下側炉3およびアフターヒータ
ー12を発熱させて空間5、6の温度分布を適切に定
め、溶融物の原料をルツボ7内に供給し、ルツボ7およ
びノズル部13に電力を供給して発熱させる。この状態
では、ノズル部13の下端部にある単結晶育成部23で
は、開口13aから溶融物8が僅かに突出し、比較的に
平坦な表面が形成されている。30は溶融物の液面であ
る。
【0039】ノズル部13内の溶融物8に対して加わる
重力は、ノズル部13内の壁面に対する溶融物の接触に
よって大きく減少している。特に、ノズル部13の内径
を0.5mm以下とすることによって、均一な固相液相
界面を形成することができる。
【0040】この状態で、種結晶を上方向へと移動さ
せ、種結晶の端面を溶融物の表面に対して接触させる。
次いで、種結晶を下方向へと引下げる。この際、種結晶
の上端部と、ノズル部から下方向へと引き出されてくる
溶融物との間には、均一な固相液相界面(メニスカス)
が形成される。
【0041】この結果、種結晶の上側に単結晶ファイバ
ー14が連続的に形成され、下方向へと向かって引き出
されてくる。本実施例では、この単結晶ファイバー14
を、駆動装置であるローラー28によって送っている。
【0042】単結晶が連続的に下方向へと向かって引き
出されてくると、レーザー光源27から矢印Rのように
波長2λ0 付近のレーザー光を出射させて単結晶14に
照射し、単結晶からの第2高調波λ0 付近の出力光Sを
長波長カットフィルター41を通して受光装置26で受
光し、その強度を検出する。受光装置26からの信号を
信号線25を通して制御装置33へと送り、ここで処理
する。出力光の強度の測定値が、所定の目的値から変動
すると、制御装置33から何らかの信号を原料供給装置
24へと送り、フィードバックする。この場合には、例
えば、最初にルツボ内に投入した原料粉末とは若干異な
る組成を有する原料粉末を、ルツボ内に更に投入するこ
ともできる。
【0043】さらに精度良く制御するために、2λ0
近の長波長の一部を反射ミラー29と受光装置26とを
組み合わせて、その信号を信号線25を通して制御装置
33へと送ることができる。
【0044】ノズル部13の形状を変更することによ
り、単結晶プレートの育成も可能である。
【0045】以下、更に具体的な実験結果について述べ
る。 (実施例1)図1に示すような単結晶製造装置を使用
し、本発明に従ってニオブ酸リチウムカリウム単結晶プ
レートを製造した。
【0046】炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末およ
び五酸化ニオブ粉末を、リチウム、カリウム、ニオブ原
子のmol比率に換算して、19mol%:30mol
%:51mol%となるように秤量し、各粉末を水中に
入れた。この際、水と出発原料との重量比率を6:1と
することで、炭酸リチウム粉末と炭酸カリウム粉末とが
水に完全に溶解するようにした。次いで、アクリル系バ
インダーを、水100重量部に対して0.3重量部添加
した。各粉末をポットミルで15時間解砕し、混合し、
スラリーを得た。スラリーを噴霧乾燥機で処理し、造粒
粉末を得た。
【0047】この造粒粉末の一部を採取し、示差熱分析
を行ったところ、反応温度は690℃であった。また、
造粒粉末を電気炉内で900℃で4時間熱処理し、目的
とする原料粉末を得た。この原料粉末の一部を採取し、
電子顕微鏡で観察したところ、粉体の平均粒径は5μm
程度であり、直径が10μm以上である粗大な二次粒子
は観察されなかった。電子顕微鏡に付属しているX線分
析装置を用いて、無作為に複数の粒子の組成分析を行っ
たところ、いずれの粒子からもほぼ同一の分析値が得ら
れた。従って、五酸化ニオブ粒子の周囲に炭酸リチウム
と炭酸カリウムとが析出していることが示唆された。
【0048】次に、予めニオブ酸リチウムカリウム単結
晶の溶融物を満たした白金ルツボ中に、前記の原料粉末
0.1gを入れ、その溶融状態を調べた。この結果、1
050℃で粉末の溶融が開始し、1050℃で全量が溶
融した。また、前記原料粉末の一部を採取し、誘導結合
プラズマ法と蛍光X線法によって組成を分析したとこ
ろ、リチウムとカリウムとニオブとの割合は、これらの
測定法による誤差の範囲で、19mol%:30mol
%:51mol%であった(調合した前記の原料組成と
一致した)。
【0049】この原料粉末を使用して、μ引き下げ法に
よって、図1を参照しつつ説明した装置を用いて単結晶
プレートを育成した。具体的には、上側炉1と下側炉3
とによって炉内全体の温度を制御した。ノズル部13に
対する電力供給とアフターヒーター12の発熱とによっ
て、単結晶育成部23近辺の温度勾配を制御できるよう
に構成した。単結晶プレートの引下げ機構としては、垂
直方向に2〜100mm/時間の範囲内で、引下げ速度
を均一に制御しながら、単結晶プレートを引き下げる機
構を搭載した。
【0050】次に、育成開始用原料を、前記の原料粉末
と同じ手順で調製した。ただし、育成開始用原料粉末に
おいて、リチウムとカリウムとニオブとの割合が25:
30:45となるように、最初の混合比率を調節した。
育成開始用原料粉末を白金製のルツボ7内に充填し、こ
のルツボ7を所定位置に設置した。上側炉1内の空間5
の温度を1100〜1200℃の範囲に調整し、ルツボ
7内の原料を融解させた。下側炉3内の空間6の温度
は、500〜1000℃に均一に制御した。ルツボ7、
ノズル部13およびアフターヒーター12に対して所定
の電力を供給し、単結晶成長を実施した。この際、単結
晶育成部の温度を980℃〜1150℃とすることがで
き、単結晶育成部における温度勾配を10〜150℃/
mmに制御することができた。
【0051】ノズル部13の開口の寸法は、縦1mm×
横50mmとした。ノズル部の長さは10mmとした。
ルツボ7の平面形状は楕円形とし、その長径は50mm
とし、その短径は10mmとし、その高さは10mmと
した。この状態で、横断面の形状が長方形(30mm×
1mm)の単結晶プレートを、20mm/時間の速度で
引き下げた。
【0052】単結晶育成中は、原料供給機24からルツ
ボ7へ連続して原料粉末を供給した。ルツボ中への原料
粉末の供給速度は、2.66g/時間とした。投入した
原料粉末は、即座にその全量が溶融し、原料粉末の溶融
残りや溶融速度のバラツキ等に起因する組成の変動やク
ラック、包有物は発生しなかった。また、育成後の単結
晶の各部分の組成を、結晶格子のc軸長によって評価し
たところ、リチウムとカリウムとニオブの割合は19:
30:51であり、原料粉末の組成と一致した。
【0053】(比較例1)実施例1と同様にして造粒粉
末を製造した。ただし、実施例1とは異なり、混合時の
水と出発原料との重量比率を6:4としたので、混合後
に、炭酸カリウム粉末は全量が水に溶解したが、炭酸リ
チウム粉末は一部が溶解せずに粉末として水中に残留し
た。
【0054】こうして得られた造粒粉末の一部を採取
し、示差熱分析を行ったところ、反応温度は690℃で
あった。また、造粒粉末を実施例1と同様に熱処理し、
原料粉末を得た。この原料粉末を電子顕微鏡で観察した
ところ、直径が50μm以上の炭酸リチウム二次粒子が
見られた。実施例1と同様に原料粉末の溶融状態を観測
したところ、1050℃で溶融を開始し、1050℃で
全量が溶融した。また、実施例1と同様に原料粉末の組
成を測定したところ、調合組成と比較してリチウムが不
足しており、リチウムとカリウムとニオブとの割合は、
17mol%:31mol%:52mol%であった。
【0055】この原料粉末を使用して、実施例1と同様
にして単結晶プレートを育成した。ルツボ内に投入した
原料粉末は、速やかに全量が溶融し、原料粉末の溶け残
りに起因する組成変動やクラックは発生しなかった。ま
た、育成後の結晶の組成を、結晶格子のc軸長によって
評価したところ、リチウムとカリウムとニオブとの割合
は、17mol%:30mol%:53mol%であっ
た。
【0056】(比較例2)実施例1と同様にして出発原
料を秤量した。溶媒としてエタノールを使用した。エタ
ノールと出発原料との重量比は、6:4とした。出発原
料はエタノールには不溶性である。出発原料とエタノー
ルとをポットミルで15時間解砕し、混合し、スラリー
を得た。スラリーをバットに入れ、送風乾燥機中で18
0℃で8時間乾燥し、乾燥粉末を得た。
【0057】乾燥粉末の一部を採取し、示差熱分析を行
ったところ、反応温度は790℃であった。
【0058】また、この乾燥粉末を実施例1と同様に熱
処理し、原料粉末を得た。この原料粉末を電子顕微鏡で
観察したところ、直径100μm以上の炭酸カリウム二
次粒子が見られた。また、実施例1と同様に原料粉末の
溶融状態を調べたところ、950℃で溶融が始まり、1
200℃でも全量は溶融しなかった。また、実施例1と
同様に原料粉末の組成を分析したところ、粉末の組成
は、測定方法の誤差の範囲で調合組成と一致した。
【0059】この原料粉末を使用して、実施例1と同様
にして単結晶プレートを育成した。この結果、投入した
原料粉末の全量は溶融せず、育成単結晶には原料粉末の
溶け残りに起因すると見られる組成変動やクラックが発
生した。
【0060】(実施例2)実施例1と同様に、炭酸リチ
ウム粉末、炭酸カリウム粉末および五酸化ニオブ粉末を
秤量した。ただし、炭酸リチウム粉末は、乾燥状態で分
級し、10μm以上の二次粒子を含まないものを使用し
た。実施例1と同様にして、出発原料の混合を行った。
ただし、混合時の水と出発原料との重量比率を6:4と
した。混合後には、炭酸カリウム粉末の全量が水に溶解
したが、炭酸リチウム粉末は一部溶解し、一部は水中に
残留した。この後、水に対してアクリル系バインダーを
添加し、解砕、混合を経てスラリーを得た。このスラリ
ーを噴霧乾燥機で処理し、造粒粉末を得た。
【0061】この造粒粉末の一部を採取し、実施例1と
同様にして示差熱分析を行ったところ、反応温度は69
0℃であった。
【0062】また、造粒粉末を電気炉内で900℃で4
時間熱処理し、目的とする原料粉末を得た。この原料粉
末の一部を採取し、電子顕微鏡で観察したところ、粉体
の平均粒径は5μm程度であり、直径が10μm以上で
ある粗大な二次粒子は観察されなかった。電子顕微鏡に
付属しているX線分析装置を用いて、無作為に複数の粒
子の組成分析を行ったところ、いずれの粒子からもほぼ
同一の分析値が得られた。従って、五酸化ニオブ粒子の
周囲に炭酸リチウムと炭酸カリウムとが析出しているこ
とが示唆された。
【0063】また、原料粉末について、実施例1と同様
にして溶融状態を調べた。この結果、1050℃で粉末
の溶融が開始し、1050℃で全量が溶融した。また、
原料粉末の一部を採取し、誘導結合プラズマ法と蛍光X
線法によって組成を分析したところ、実施例1と同様の
結果を得た。
【0064】この原料粉末を用いて、μ引き下げ法によ
って、実施例1と同様にして単結晶プレートを育成し
た。この結果、組成変動、クラック、包有物のない単結
晶プレートが得られた。単結晶プレートの各部分の組成
を、結晶格子のc軸長によって評価したところ、リチウ
ム、カリウムおよびニオブの組成比率は、原料粉末にお
ける組成比率と一致した。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ニ
オブ酸リチウムカリウム単結晶やニオブ酸リチウムカリ
ウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶を育成
するのに際して、単結晶の組成の変動、クラック、包有
物や結晶性の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で利用した、単結晶の育成
方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 上側炉 2、4 ヒーター 3 下側
炉 5 ルツボ7の上側空間 7 ルツボ 8
融液 10A電源 12 アフターヒー
ター 13 ノズル部 14単結晶
27 レーザー光源 S 単結晶からの第二高
調波付近の出力光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 克宏 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 今枝 美能留 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AA04 BC32 BC40 CF01 CF03 CF04 EC02 PC02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニオブ酸リチウムカリウムの単結晶育成用
    のニオブ酸リチウムカリウムを含む原料粉末を製造する
    のに際して、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末およ
    び五酸化ニオブ粉末を含む出発原料を溶媒中で混合し、
    この際前記炭酸リチウム粉末および前記炭酸カリウム粉
    末の全体を前記溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥法に
    よって前記五酸化ニオブ粉末の周りに炭酸リチウムおよ
    び炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、この造粒粉
    末を熱処理することによって前記原料粉末を得ることを
    特徴とする、単結晶育成用の原料粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】ニオブ酸リチウムカリウムの単結晶育成用
    のニオブ酸リチウムカリウムを含む原料粉末を製造する
    のに際して、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末およ
    び五酸化ニオブ粉末を含む出発原料を溶媒中で混合し、
    この際前記炭酸カリウム粉末の全体と前記炭酸リチウム
    粉末の一部とを前記溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥
    法によって前記五酸化ニオブ粉末の周りに炭酸リチウム
    および炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、この造
    粒粉末を熱処理することによって前記原料粉末を得、こ
    の原料粉末において炭酸リチウム粉末の二次粒子が実質
    的に存在しないようにすることを特徴とする、単結晶育
    成用の原料粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リ
    チウムカリウム固溶体単結晶育成用のニオブ酸リチウム
    カリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体を含む原
    料粉末を製造するのに際して、炭酸リチウム粉末、炭酸
    カリウム粉末、五酸化ニオブ粉末および五酸化タンタル
    粉末を含む出発原料を溶媒中で混合し、この際前記炭酸
    リチウム粉末および前記炭酸カリウム粉末の全体を前記
    溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥法によって前記五酸
    化ニオブ粉末の周りおよび前記五酸化タンタル粉末の周
    りに炭酸リチウムおよび炭酸カリウムを析出させて造粒
    粉末を得、この造粒粉末を熱処理することによって前記
    原料粉末を得ることを特徴とする、単結晶育成用の原料
    粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リ
    チウムカリウム固溶体単結晶育成用のニオブ酸リチウム
    カリウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体を含む原
    料粉末を製造するのに際して、炭酸リチウム粉末、炭酸
    カリウム粉末、五酸化ニオブ粉末および五酸化タンタル
    粉末を含む出発原料を溶媒中で混合し、この際前記前記
    炭酸カリウム粉末の全体と前記炭酸リチウム粉末の一部
    とを前記溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥法によって
    前記五酸化ニオブ粉末の周りおよび前記五酸化タンタル
    粉末の周りに炭酸リチウムおよび炭酸カリウムを析出さ
    せて造粒粉末を得、この造粒粉末を熱処理することによ
    って前記原料粉末を得、この原料粉末において炭酸リチ
    ウム粉末の二次粒子が実質的に存在しないようにするこ
    とを特徴とする、単結晶育成用の原料粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】前記炭酸リチウム粉末を乾燥状態で分級す
    ることによって、前記出発原料中に炭酸リチウム粉末か
    らなる粒径10μm以上の二次粒子が含まれないように
    することを特徴とする、請求項2または4記載の方法。
  6. 【請求項6】炭酸リチウム粉末からなる粒径10μm以
    上の二次粒子を前記混合時に解砕することを特徴とす
    る、請求項2または4記載の方法。
  7. 【請求項7】前記溶媒中に有機バインダーを含有させる
    ことを特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請求
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記溶媒が水であることを特徴とする、請
    求項1−7のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  9. 【請求項9】ニオブ酸リチウムカリウム単結晶を製造す
    る方法であって、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末
    および五酸化ニオブ粉末を含む出発原料を溶媒中で混合
    し、この際前記炭酸リチウム粉末および前記炭酸カリウ
    ム粉末の全体を前記溶媒中に溶解させ、次いで噴霧乾燥
    法によって前記五酸化ニオブ粉末の周りに炭酸リチウム
    および炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、この造
    粒粉末を熱処理することによって、ニオブ酸リチウムカ
    リウムを含む原料粉末を得、次いでこの原料粉末をルツ
    ボ内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して種結晶
    を接触させ、この種結晶を前記ルツボの下方へと向かっ
    て引き下げることによってニオブ酸リチウムカリウム単
    結晶を育成することを特徴とする、単結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】ニオブ酸リチウムカリウム単結晶を製造
    する方法であって、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉
    末および五酸化ニオブ粉末を含む出発原料を溶媒中で混
    合し、この際前記炭酸カリウム粉末の全体と前記炭酸リ
    チウム粉末の一部とを前記溶媒中に溶解させ、次いで噴
    霧乾燥法によって前記五酸化ニオブ粉末の周りに炭酸リ
    チウムおよび炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、
    この造粒粉末を熱処理することによって、ニオブ酸リチ
    ウムカリウムを含む原料粉末を得、この原料粉末におい
    て炭酸リチウム粉末の二次粒子が実質的に存在しないよ
    うにし、次いで前記原料粉末をルツボ内へと供給して溶
    融させ、この溶融物に対して種結晶を接触させ、この種
    結晶を前記ルツボの下方へと向かって引き下げることに
    よってニオブ酸リチウムカリウム単結晶を育成すること
    を特徴とする、単結晶の製造方法。
  11. 【請求項11】ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸
    リチウムカリウム固溶体単結晶を製造する方法であっ
    て、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末、五酸化ニオ
    ブ粉末および五酸化タンタル粉末を含む出発原料を溶媒
    中で混合し、この際前記炭酸リチウム粉末および前記炭
    酸カリウム粉末の全体を前記溶媒中に溶解させ、次いで
    噴霧乾燥法によって前記五酸化ニオブ粉末の周りおよび
    前記五酸化タンタル粉末の周りに炭酸リチウムおよび炭
    酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、この造粒粉末を
    熱処理することによって、ニオブ酸リチウムカリウム−
    タンタル酸リチウムカリウム固溶体を含む原料粉末を
    得、次いでこの原料粉末をルツボ内へと供給して溶融さ
    せ、この溶融物に対して種結晶を接触させ、この種結晶
    を前記ルツボの下方へと向かって引き下げることによっ
    てニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸リチウムカリ
    ウム固溶体単結晶を育成することを特徴とする、単結晶
    の製造方法。
  12. 【請求項12】ニオブ酸リチウムカリウム−タンタル酸
    リチウムカリウム固溶体単結晶を製造する方法であっ
    て、炭酸リチウム粉末、炭酸カリウム粉末、五酸化ニオ
    ブ粉末および五酸化タンタル粉末を含む出発原料を溶媒
    中で混合し、この際前記炭酸カリウム粉末の全体と前記
    炭酸リチウム粉末の一部とを前記溶媒中に溶解させ、次
    いで噴霧乾燥法によって前記五酸化ニオブ粉末の周りお
    よび前記五酸化タンタル粉末の周りに炭酸リチウムおよ
    び炭酸カリウムを析出させて造粒粉末を得、この造粒粉
    末を熱処理することによって、ニオブ酸リチウムカリウ
    ム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体を含む原料粉末
    を得、この原料粉末において炭酸リチウム粉末の二次粒
    子が実質的に存在しないようにし、次いでこの原料粉末
    をルツボ内へと供給して溶融させ、この溶融物に対して
    種結晶を接触させ、この種結晶を前記ルツボの下方へと
    向かって引き下げることによってニオブ酸リチウムカリ
    ウム−タンタル酸リチウムカリウム固溶体単結晶を育成
    することを特徴とする、単結晶の製造方法。
  13. 【請求項13】前記炭酸リチウム粉末を乾燥状態で分級
    することによって、前記出発原料中に炭酸リチウム粉末
    からなる粒径10μm以上の二次粒子が含まれないよう
    にすることを特徴とする、請求項10または12記載の
    方法。
  14. 【請求項14】炭酸リチウム粉末からなる粒径10μm
    以上の二次粒子を前記混合時に解砕することを特徴とす
    る、請求項10または12記載の方法。
  15. 【請求項15】前記溶媒中に有機バインダーを含有させ
    ることを特徴とする、請求項9−14のいずれか一つの
    請求項に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記溶媒が水であることを特徴とする、
    請求項9−15のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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