JP2001301029A - 装飾材、及びその製造方法 - Google Patents

装飾材、及びその製造方法

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JP2001301029A
JP2001301029A JP2000115966A JP2000115966A JP2001301029A JP 2001301029 A JP2001301029 A JP 2001301029A JP 2000115966 A JP2000115966 A JP 2000115966A JP 2000115966 A JP2000115966 A JP 2000115966A JP 2001301029 A JP2001301029 A JP 2001301029A
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thermoplastic resin
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JP2000115966A
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Naoshige Hayashi
尚茂 林
Akihiko Noguchi
昭彦 野口
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Toli Corp
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Toli Corp
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のエンボス模様付与方法ではエンボスロー
ル等に付与された形状のエンボス模様のみを対象となる
熱可塑性樹脂シート等に付与できるに過ぎず、付与でき
るエンボス模様も限られたものになっていたため、エン
ボス模様付与における自由度を大きくする観点から、熱
可塑性樹脂からなる装飾材において、当該装飾材の表面
の任意の位置で、エンボスの深さの深浅のあるエンボス
模様を持つことを特徴とした装飾材、及びその製造方法
の提供を目的とする。 【解決手段】熱可塑性樹脂からなる装飾材において、一
定のエンボス模様を付与したのち、当該熱可塑性樹脂の
ガラス転移点以下まで冷却し、さらに部分的に加熱し
て、当該加熱した部分のエンボスの深さを浅くすること
により、エンボス模様を付与した装飾材、及びその製造
方法であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】熱可塑性樹脂からなる装飾材
において、当該装飾材の表面の任意の位置で、エンボス
の深さの深浅等を形成することにより模様を形成したこ
とを特徴とした装飾材、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、装飾材において、意匠性等を向上
させるために、エンボスによる模様(以下、エンボス模
様と記す。)を付与することはしばしば行われてきた。
エンボス模様を付与する方法としては加熱された熱可塑
性樹脂からなるシート等に凹凸の形状を有したエンボス
ロールにて圧延する方法、又は凹凸の形状を有した天板
でプレス加工する方法等がとられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
はエンボスロール等に付与された形状のエンボス模様の
みを、対象となる熱可塑性樹脂シート等に付与できるに
過ぎず、意匠性を付与する目的でなされるエンボス模様
は印刷層等の模様と同調させたものや石目模様等をより
リアルに見せるための補完的な役割を担うことが主要な
目的であった。
【0004】そのような事情の背景にはロールによる加
工方法においてはエンボスロール、プレス装置による加
工方法においては付与できるエンボスが天板等に付与さ
れている凹凸形状に限られているため、必然的にその用
途も限られたものになっていた。
【0005】特に装飾材シート等にエンボスロールによ
ってエンボス模様を付与する場合においては、一定間隔
で同じエンボス模様が繰り返されるため、エンボス模様
の自然的な風合いが損なわれることがあった。また、エ
ンボス模様の繰り返しの間隔を長くしたい場合には、相
応にエンボスロール等の径を大きくしなければならず、
設備、及び経済的な側面等から自ずと限界があった。
【0006】かかるエンボス模様に付随する問題を解決
する手段として、各々異なった模様を設けたエンボスロ
ールを複数使用し、それらのエンボス模様を重ね合せる
事等により新たなエンボス模様を付与したプラスチック
シート等(特開平9−193245等)が提案されてい
るが、あくまで、付与できるエンボス模様はエンボスロ
ールに設けられた模様、若しくはそれら模様の組み合わ
せに限られていると言う点で限界があり、更なる改善が
望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はエンボ
ス模様の付与における自由度を大きくする観点から、熱
可塑性樹脂からなる装飾材において、当該装飾材の表面
の任意の位置で、エンボスの深さの深浅、及び/又はエ
ンボスの消失した部分を形成することにより、模様を付
与したことを特徴とする装飾材、及び熱可塑性樹脂から
なる装飾材において、一定のエンボス模様を付与したの
ち、当該熱可塑性樹脂のガラス転移点以下まで冷却し、
さらに装飾材表面を、装飾材を構成する熱可塑性樹脂の
ガラス転移点以上から溶融点未満の温度になるように加
熱装置により部分的に加熱し、再度ガラス転移点未満の
温度に冷却して、当該加熱した部分のエンボスの深さの
深浅、及び/又はエンボスの消失した部分を形成するこ
とにより模様を付与することを特徴とした請求項1記載
の装飾材の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳述する。図1に本発明を実施するための製造工程の一
例を示す。熱可塑性樹脂、充填剤、添加剤、顔料等をバ
ンバリーミキサー1により、混合、混錬する。熱可塑性
樹脂にはポリ塩化ビニル樹脂(以下、PVCと記
す。)、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブチレン樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹
脂、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVA
と記す。)の他、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、または
α−オレフィン共重合体等種々の共重合体樹脂等をはじ
め、SBR樹脂、天然ゴム、フッ素ゴム、クロロプレ
ン、EPM、EPDM等の各種ゴム類も含まれる。
【0009】なお、熱可塑性樹脂としてPVCを用いる
場合には可塑剤としてDOP、又はDHP等のフタル酸
エステル系の他、リン酸エステル系、脂肪酸エステル
系、トリメット酸系、エポシキ系、若しくはポリエステ
ル系の可塑剤を用いることができ、50〜150PHR
の割合で添加する。
【0010】充填剤は炭酸カルシウムをはじめ、酸化ア
ルミニウム、シリカ粉、カオリン、珪酸カルシウム、タ
ルク、硫酸バリウム、珪藻土等種々の無機質充填剤の使
用が可能である。これらの充填剤は0〜300PHRの
所定の割合で添加する。
【0011】添加剤は必要に応じて、安定剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、難燃助剤等を添加してもよい。例え
ば、安定剤としてはバリウム、亜鉛、カルシウム、カド
ミウム、鉛、スズ、アルミニウム、マグネシウム、セリ
ウム、ナトリウム等の金属系安定剤の他、有機リン化合
物、多価アルコール、若しくはエポキシ化合物等を単
独、又は2種以上混合して用いることができる。
【0012】紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾー
ル、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機物、
または0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セ
リウム、酸化チタン等の無機物を用いることができる。
【0013】光安定剤としてはビス−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)等のヒンダードアミ
ン系のラジカル捕捉剤、ピぺリジン系ラジカル捕捉剤等
のラジカル捕捉剤等を例示することができる。
【0014】紫外線吸収剤、及び光安定剤を使用する場
合、各々単独で用いることも可能であるが、双方を併用
することが望ましく、1.0〜10.0PHRの添加量
とする。
【0015】難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウムの粉末等公知のものを用いる。また、意
匠性向上のため、各種顔料、若しくは熱可塑性樹脂、ま
たは無機質のチップを適宜添加しても良い。
【0016】上記材料の混合、混錬に際してはバンバリ
ーミキサー1を用いるが、ヘンシェルミキサー、及び押
出機を用いて混合、及び混錬することもできる。
【0017】次に上記の混錬した材料をミキシングロー
ル2で2〜30mmの厚さのシート(以下、ミキシング
シートと記す。)に圧延し、カレンダーロール3にて1
mm〜10mmの厚さのシート(以下、カレンダーシー
トと記す。)に圧延する。また、意匠性付与のため、カ
レンダーロール3にて圧延する際、各種熱可塑性樹脂の
可溶チップ、マイカ粉等の無機質の粉体を散布し、若し
くは予め上記配合で製作した2以上の互いに異色のチッ
プをオーブン等で加熱したものを散布してもよい。
【0018】なお、当該シートは一層ものでもよいし、
ガラス繊維シート、ポリエステル不織布、ポリエステル
織布等から適宜選択し、シートの補強、又は寸法の安定
を目的としてこれらシート、又は不織布層を設けても良
いし、また、配合の同一、若しくは異なる複数のシート
を多層積層してもよい。尚、0.5〜10mmの発泡層
を設け、その上層に既述配合のシートを設けてもよい。
【0019】また、上記以外の意匠性の付与方法として
グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷を施しても良い
し、予め模様を印刷した転写紙の模様を転写しても良い
し、印刷シートをラミネートしても良い。なお、かかる
場合には、耐汚れ性、又は耐摩耗性等を確保する観点か
ら、さらに上記模様層をクリアーフィルム、若しくはク
リアーシート、又はUV樹脂等で保護する方が好まし
い。
【0020】次に、上記カレンダーシートに一定の深さ
で、かつ一定の模様を有するエンボスロールEにて凹凸
を付与し、冷却装置4で当該凹凸を付与したカレンダー
シートを冷却する。当該冷却装置の冷却方式は、空冷方
式、又は水冷方式を採ることができるが、水冷方式を採
る場合、再度加熱する際のシート表面への熱伝導性を確
保するため、表面に付着した水分を次工程の加熱部位に
移るまでにほぼ完全に除去する必要がある。従って、空
冷方式がより好ましい。また、クーリングロールによっ
て冷却する方法を用いても良い。但し、かかる方法を採
る場合、クーリングロールにより、付与したエンボス形
状等を崩さないように、シートのテンションはできる限
り低く保ち、クーリングロールは十分に温度を低下させ
ておく必要がある。具体的には、20℃以下が好まし
い。尚、ここで付与するエンボスは後工程でエンボスの
深さを浅くすることにより模様等を形成するため、エン
ボスの深さが2mm以下の均一模様のエンボス、例えば
梨地エンボス、若しくは砂目調エンボス等が好適であ
る。
【0021】次にエンボスの深さを減少、若しくは消失
させる部分を選択し、その部位を加熱する。即ち、熱可
塑性樹脂からなるシート等において、エンボスはシート
等に付与された一種の歪みであり、かかる歪みは上記樹
脂のガラス転移点以上の温度に加熱すれば解消し、その
結果としてエンボスを減少、又は消失させることができ
ると考えられ、かかる性質を利用する。
【0022】本発明においてはエンボスを消失等させた
部分の一例の断面図として図4に示すように最も良く加
熱される加熱部分21のエンボスはほぼ完全に消失し、
準加熱部分20のエンボスは若干残存し、非加熱部分1
9のエンボスはそのままの状態で残る。
【0023】ここで、加熱部分とはエンボスを付与され
た部分であって、加熱装置によってシート等を構成する
熱可塑性樹脂のガラス転移点以上の温度となるのに十分
な熱量を付与されたシート等の部分をいい、準加熱部分
とは同シート等において、加熱装置によってシート等を
構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点以上の温度となる
熱量が付与され、エンボスは浅くはなるものの、完全に
消失させるだけの熱量ではないため、エンボスが残存し
た状態のシート等の部分いい、非加熱部分とは同シート
等において、加熱装置によってシート等を構成する熱可
塑性樹脂のガラス転移点以上の温度となる熱量が付与さ
れないため、エンボスの深さが変化するに至っていない
シート等の部分をいう。
【0024】加熱方法としては、電気ヒーター、ガスヒ
ーター、高周波等の電磁波、レーザー光線等の加熱装置
を用いることができる。温度はシートを構成する熱可塑
性樹脂のガラス転移温度以上に加熱する必要があるが、
溶融温度を超えるとシート等の加熱部分がゲル化してし
まい、当該部分が均一な面にならない場合があり、適切
にエンボス模様の除去ができず、又は加工時にかかるシ
ート等への張力により、厚みが部分的に薄くなるなどの
問題が発生するため、シート等の加熱温度を制御するこ
とが肝要である。尚、温度制御の方法としては慣用的に
用いられている方法、例えば、発熱部の出力の制御、発
熱源からシートまでの距離の調整、ラインスピードの増
減等のよる加熱時間により調整することができる。
【0025】また、上記電気オーブン等の加熱装置の動
作、加熱装置の発熱部を部分的に覆うことによる加熱範
囲の変更等により、エンボス模様の多様性を向上させる
ことも可能である。
【0026】図2の(a)乃至(c)に一例の可動断熱
板を有するヒーターの動作状態の平面図を示す。当該ヒ
ーターにおいては、ヒーターの放熱部分10を可動断熱
板9が徐々に覆っていき(図2(b)参照)、ヒーター
の放熱部分10を覆った後(図2(c)参照)、再び可
動断熱板9が開いてヒーターの放熱部分10を露出させ
る(図2(a)参照)動作を繰り返す。当該加熱装置に
より、図2の(a)乃至(c)に示すように可動断熱板
の開閉動作をさせ、かつ加熱装置を砂目、又は梨地エン
ボスを付与したシートの幅方向に左右に動作させなが
ら、当該シートを構成している熱可塑性樹脂のガラス転
移点以上の温度に同シートの表面を加熱することによ
り、シートの加熱された部分のエンボスの深さを相対的
に浅くし、及び/又はエンボスを消失させることによ
り、当該加熱部分を中心にリボンを思わせる美しい蛇行
模様を付与することができる。前記蛇行模様の形成した
装飾材の一例の平面図を図5に示す。図5においては、
加熱部分24を中心に準加熱部分23が形成され、非加
熱部分22と相俟って美しい蛇行模様を現出することが
できる。また、上記加熱装置を一定の位置に固定し、可
動断熱板9の開閉動作を繰り返すと図6に模様を形成し
た一例の装飾材の平面図に示すような独特な模様が得ら
れる。図6に示すように、かかる場合も上記と同様に加
熱部分27を中心に準加熱部分26が形成され、非加熱
部分25と相俟って美しい帯状模様を現出することがで
きる。
【0027】尚、上記模様はいずれも加熱装置の放熱部
分10を可動断熱材9により、覆う速さ、若しくは加熱
装置が左右に動作させる場合には当該動作する速さを変
更することによって同一模様が繰り返すことがなく、任
意性が高い意匠の付与が可能である。
【0028】また、別例を挙げると、電気ヒーター等の
加熱装置の放熱部分を所望の形状、例えば円形状に刳り
貫いた断熱材等で覆い、シート等を加熱することによ
り、上記同様、加熱された部分のエンボスの深さが相対
的に浅くなり、図7に一例の平面図として示すように加
熱装置に取り付けた断熱板等を刳り貫いた形状の模様を
付与することができる。図7に示すように、加熱部分3
0’準加熱部分29’及び非加熱部分28’が形成さ
れ、美しい円形の模様を得ることができる。但し、この
場合、十分に加熱させる見地から、加熱時は被加熱体で
あるシート等、及び加熱装置は静止していることが必要
である。従って、図1に示す工程においてはヒーター5
によって加熱される部分のシートの移送コンベアー6は
加熱の間停止させる。
【0029】また、準加熱部分を小さくし、非加熱部分
であるエンボスの存在する部分と加熱部分であるエンボ
スが消失した部分とをよりはっきりさせたい場合は断熱
材等を刳り貫いた形状に沿って周辺部への熱の放射を防
止するための板(以下、放射熱防止板と記す。)を設け
れば良い。円形に刳り貫いた断熱材に当該放射熱防止板
を設けた状態の一例を図3に示す。図3(a)は放射熱
防止板を有する一例の断熱板の平面図、同図(b)は放
射熱防止板を有する一例の断熱板の側面図を示す。上記
目的より、放射熱防止板17の素材は断熱効果を有する
ことが必要である。かかる放射熱防止板17を設けるこ
とにより、ヒーターからの熱が断熱材の刳り貫き部分か
ら周辺部に放射しないため、断熱材の刳り貫いた形状で
より均一に加熱対象たるエンボスを有したシート等が加
熱され、準加熱部分の面積が小さくなり、若しくは無く
なり、エンボスの存在する部分とエンボスが消失した部
分とをよりはっきりさせることができる。また、被加熱
体であるシート等の表面の加熱の程度を小さくすること
で簡単に模様を準加熱部分と非加熱部分から形成するこ
とも可能となる。
【0030】また、例えば、制御パネルから送られる情
報に基づき、予め所定のパターンの軌跡を描くよう、N
C機に加熱装置としてレーザー光線発生装置を設置し、
シート等を加熱すればあらゆる文字、図柄等を描くこと
が可能であり、その他適当な加熱装置を選択し、動かす
ことによって、柄、文字、絵等を加熱部分のエンボスの
深さを小さくすることによって自由に描くこともでき
る。
【0031】また、上記例示した模様等は加熱部分のエ
ンボスの深さが相対的に浅くなり、若しくは消失等し、
当該浅くなった部分等が模様として形成されるものであ
るが、逆に模様として形成する部分以外の部分を加熱
し、エンボスの深さを相対的に浅くすることにより、付
与する模様等をエンボス部分として残すことで模様等を
付与することもできる。本発明装飾材における当該実施
態様の一例の模様部分の平面図を図9に示す。
【0032】上記加熱処理後、当該シートを再度、クー
リングロール7で冷却することにより本発明の装飾材が
得られる。また、クーリングロールで冷却する方式の
他、冷却方式は水に浸漬する水冷方式を採っても良い
し、送風機等による空冷方式を採っても良い。尚、上記
冷却方法におけるシート等の冷却温度は付与したエンボ
ス模様の安定性の観点から40℃以下にしておくことが
好ましい。
【0033】また、上記シートは一定の大きさ、例え
ば、450mm角等に打ち抜くことにより、タイルにし
ても良いし、また、0.3〜1mm前後の厚みに成型
し、壁装材、さらには天井材として、又は外壁材等とし
て用いることもできる。
【0034】尚、上記実施形態はカレンダー加工したシ
ート、又はタイルについて開示したものであるが、プレ
ス加工による装飾材も全く同様である。即ち、一定の形
状のエンボス、例えば砂目、又は梨地のエンボス形状を
持った天板を用い、蒸気、又は高周波等により、加熱プ
レスした後、冷却すると表面にエンボスを有したシート
等が得られ、次に得られたエンボスを付与したシート等
の表面の模様を付与すべき部分を加熱等することによ
り、エンボスの深さを相対的に浅くし、及び/又は消失
させ、送風機等による空冷、又は水槽に浸漬する等によ
る水冷によって冷却することにより模様を付与すること
ができる。尚、エンボスの深さを消失させる等を目的と
した加熱処理後、冷却する際には表面状態を維持する観
点から、プレスによる冷却方法を用いることができな
い。
【0035】
【実施例】(実施例1)PVC100重量部に対し、炭
酸カルシウム150部、可塑剤45部、安定剤7部、及
び顔料を2部(「表1」参照)、各々をバンバリーミキ
サー1に投入し、攪拌、混錬した。
【0036】当該混錬等した材料を100℃〜150℃
に設定したミキシングロール2にて10mmの厚さのミ
キシングシートに成型し、さらに、ロール温度を150
℃〜170℃に設定したカレンダーロール3にて厚さ2
mm、幅2000mmに圧延した後、エンボスロールE
にて深さ0.3mmの砂目調のエンボスを付与した。
【0037】上記エンボスを付与したカレンダーシート
を送風冷却装置4により冷却後、幅200mm×長さ1
0mmの可動断熱板を設けた電気ヒーター5を当該シー
トの流れ方向に対し、垂直になるように1個設置し、前
記断熱板を開閉させながら、電気ヒーターを左右に動作
させ、加熱模様付与部位の模様付けを行った。さらに、
15℃に設定したクーリングロール7で冷却することに
より、図5に示すようなリボン状の美しい模様を有する
本発明の装飾材が得られた。
【0038】(実施例2)「実施例1」と同様に厚さ2
mm、幅2000mmのカレンダーシートを成型し、当
該シートに砂目調のエンボス模様を付与し、送風冷却装
置4により冷却した後、さらに、大、中、及び小の3種
類の円形状に刳り貫いた断熱板を各々別の電気ヒーター
5に取り付け、当該ヒーターを各々ランダムに間欠的に
点灯し、又は消灯した後、15℃に設定したクーリング
ロール7で冷却することにより、図8に示すような独特
の水玉模様の本発明の装飾材が得られた。尚、シートを
前記ヒーターにて加熱している間には移送コンベアー6
は停止させた。
【0039】(実施例3)「実施例1」と同様に厚さ2
mm、幅2000mmのカレンダーシートを成型し、当
該シートに砂目調のエンボス模様を付与し、送風冷却装
置4で冷却した後、幅100mm×長さ300mmのヒ
ーター6個をシートの幅方向に配置し、前記シートを各
々の電気ヒーター5をランダムに間欠的に点灯し、又は
消灯して加熱した後、15℃に設定したクーリングロー
ル7で冷却することにより、図9に示すような模様の本
発明の装飾材が得られた。 (表1) 配合処方 部数 PVC(重合度:1000) 100 炭酸カルシウム(粒径2μm) 150 可塑剤(DOP) 45 添加剤(高級脂肪酸Ba/Zn系) 7 顔料 2 (表2) 配合処方 部数 EVA(VA=30%) 100 炭酸カルシウム(粒径2μm) 100 クレー 40 添加剤(高級脂肪酸Ba/Zn系) 4 顔料 4
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。本発明
により、エンボスロール等によって付与したエンボス模
様をヒーター等の加熱装置によりシート等を構成する熱
可塑性樹脂のガラス転移点以上の温度であって、当該熱
可塑性樹脂の融点を超えない温度に加熱することによっ
て、エンボス模様のエンボスの深さを浅く、及び/又は
消失させることができるため、任意の位置にエンボス模
様の部分と前記エンボス模様の部分のエンボスの深さを
浅く、及び/又は消失させた部分とのコンビネーション
による模様を付与することができる。したがって、エン
ボスロール等により模様を付与した装飾材のように一定
間隔で同じエンボス模様が繰り返さない装飾材を得るこ
とができる。
【0041】幾何的な模様の他、動物等の形状の模様、
さらには文字等も上記の方法でエンボスを消失させる等
により、簡単に付与することができ、模様付与のバリエ
ーションが著しく向上する。
【0042】また、上記のようにバリエーションに富む
模様の付与が可能である一方、各々の模様についてエン
ボスロール等を必要とせず、予めエンボスを付与したシ
ートの表面をヒーター等で加熱、又は所望の模様の形状
に刳り貫いた断熱板をヒーター等の加熱装置に取り付け
る等だけであるため、設備面でも比較的安価でかつ簡単
なもので製作することができる。
【0043】さらに、加熱部分と非加熱部分との間に準
加熱部分が形成され、エンボスのフェード模様が容易に
付与することができ、フェードの度合いもヒーター等の
加熱装置の高さの調整、又は加熱装置に取り付ける断熱
板に放射熱防止板を設ける等により簡単に変更すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装飾材を製作するための一例の工程図
を示す。
【図2】 本発明装飾材の製作時に使用するヒーターに
取り付けられた可動断熱板の作動状況の一例を示す。
【図3】 (a)は本発明装飾材の製作時に使用する加
熱装置に取り付ける放射熱防止板を有した断熱板の平面
図を示し、(b)は同断熱板の側面図を示す。
【図4】 本発明装飾材の加熱部分、準加熱部分、及び
非加熱部分の一例の縦断面図を示す。
【図5】 本発明装飾材の模様部分の一例の平面図を示
す。
【図6】 本発明装飾材の一例の模様部分の平面図を示
す。
【図7】 本発明装飾材の円形状に刳り貫いた断熱材で
覆ったヒーターにより付与した模様の一例の拡大平面図
を示す。
【図8】 本発明装飾材の他の一例の模様部分の平面図
を示す。
【図9】 本発明装飾材の他の一例の模様部分の平面図
を示す。
【符号の説明】
1 バンバリーミキサー 2 ミキシングロール 3 カレンダーロール 4 冷却装置 5 加熱装置 6 移送コンベアー 7 クーリングロール 8 本発明装飾材 9 可動断熱板 10、16 放熱部分 15 断熱板 17 放射熱防止板 19、22、25、28、28’、31 非加熱部分 20、23、26、29、29’、32 準加熱部分 21、24、27、30、30’、33 加熱部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる装飾材において、当
    該装飾材の表面の任意の位置で、エンボスの深さの深
    浅、及び/又はエンボスの消失した部分を形成すること
    により、模様を付与したことを特徴とする装飾材。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂からなる装飾材において、一
    定のエンボス模様を付与したのち、当該熱可塑性樹脂の
    ガラス転移点以下まで冷却し、さらに装飾材表面を、装
    飾材を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点以上から溶
    融点未満の温度になるように加熱装置により部分的に加
    熱し、再度ガラス転移点未満の温度に冷却して、当該加
    熱した部分のエンボスの深さの深浅、及び/又はエンボ
    スの消失した部分を形成することにより模様を付与する
    ことを特徴とする請求項1の装飾材の製造方法。
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