JP2001300657A - プレス用ダイの製造方法及びプレス用パンチの製造方法 - Google Patents

プレス用ダイの製造方法及びプレス用パンチの製造方法

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JP2001300657A
JP2001300657A JP2000118605A JP2000118605A JP2001300657A JP 2001300657 A JP2001300657 A JP 2001300657A JP 2000118605 A JP2000118605 A JP 2000118605A JP 2000118605 A JP2000118605 A JP 2000118605A JP 2001300657 A JP2001300657 A JP 2001300657A
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die
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JP2000118605A
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Sadaji Watanabe
貞二 渡邊
Masabumi Nakamura
正文 中村
Kiichi Nakamura
喜一 中村
Masaru Futamura
勝 二村
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Chukei Kk
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Chukei Kk
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型費を抑えることができ、かつ耐久性に優れ
たプレス用金型の製造方法を提供する。 【解決手段】 湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製
造し、この発泡材模型を第2可撓性シートの周縁部に接
触させるように配置し、この発泡材模型を囲うように下
型に壁板を立て、型材を充填し、下型を取り外すことで
上型を得、下型から第2可撓性シートを剥がした後、下
型に上型を型組みすることにより、キャビティを形成す
るとともに、このキャビティの一部に発泡材模型を臨ま
せ、発泡材模型の湯口部へ注湯し、発泡材模型を溶湯に
置き換えるとともにキャビティに溶湯を供給してプレス
用ダイのダイ用鋳物を得、得られたダイ用鋳物の裏にバ
ックアップ材を付加することでプレス用ダイを製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブランク材を製品パ
ネルにプレス加工するプレス用ダイの製造方法及びプレ
ス用パンチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車の燃料タンクなどの車両部品
の多くはプレス加工にて製造するが、そのときに一般に
合金鋼を精密加工したものをプレス用金型として使用す
る。この様なプレス用金型は耐久性に優れているという
利点がある。このため、プレス用金型の型費が嵩んでも
製品を多量生産することで型費を回収することができ
る。
【0003】しかし、近年自動二輪車のモデルチェンジ
は比較的短いサイクルで実施される傾向にあり、製品も
多量生産から多品種少量生産に変りつつある。この多品
種少量生産品に合金鋼製のプレス用金型を適用すると、
型費を回収することができないことがあり、製品のコス
トアップを抑えることが難しい。
【0004】このため、多品種少量生産用のプレス用金
型としては、一般に樹脂製のプレス用成形型(以下、
「樹脂製成形型」という)が使用されている。樹脂製成
形型は製造が簡単なので、合金鋼製の絞り成形金型と比
較して型費を抑えることができる。このため、自動二輪
車のモデルチェンジを比較的短いサイクルで実施して
も、型費を十分に回収することができ、製品のコストア
ップを抑えることが可能になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、樹脂製成形型
は合金鋼製のプレス用金型と比較して成形面が柔らかい
ので摩耗し易い。成形面が摩耗すると、プレス成形品の
精度を保つことが難しい。従って、絞り成形品の精度を
保つためには成形部に摩耗が発生する前に樹脂製成形型
を交換する必要がある。このため、樹脂製成形型を比較
的短いサイクルで交換しなければならないので、型費を
回収することができない場合もある。
【0006】また、型費を抑えたプレス用金型として、
亜鉛合金(例えば、「ZAS」)製のものが知られてい
る。ZASは亜鉛を主成分としているので溶融温度(略
380℃)が低い。このため、ZAS製のプレス用金型
は型費を抑えることができる。
【0007】しかし、ZAS製のプレス用金型は、成形
面が比較的柔らかいので、合金鋼製のプレス用金型と比
較すると成形面の耐摩耗性が劣る。このため、ZAS製
のプレス用金型も比較的短いサイクルで交換しなければ
ならないので、型費を回収することができないこともあ
る。従って、型費を抑えることができ、かつ合金鋼製の
プレス用金型に近い耐久性を備えたプレス用金型が望ま
れている。
【0008】そこで、本発明の目的は、型費を抑えるこ
とができ、かつ耐久性に優れたプレス用ダイの製造方法
及びプレス用パンチの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、プレス用パンチの模型を準備する工程
と、前記模型に第1可撓性シートを貼り付ける工程と、
第1可撓性シートにジルコン塗型材を塗布する工程と、
この塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に壁板を
立て、けい砂などの型材を充填する工程と、模型を取り
外すとともに第1可撓性シートを剥がすことで型材から
なる下型を得る工程と、この下型に第1可撓性シートよ
り製品パネルの板厚分薄い第2可撓性シートを貼り付け
る工程と、この第2可撓性シートの周縁部を除き、第2
可撓性シートにジルコン塗型材を塗布する工程と、湯口
部や押湯部を含む模型を発泡材で製造し、この発泡材模
型を第2可撓性シートの周縁部に接触させるように配置
する工程と、この発泡材模型を囲うように下型に壁板を
立て、けい砂などの型材を充填する工程と、下型に第2
可撓性シート、ジルコン塗型材、発泡材模型、型材を載
せたものから、第2可撓性シートが付いた状態での下型
を取り外すことでジルコン塗型材、発泡材模型、型材か
らなる上型を得る工程と、前記下型から第2可撓性シー
トを剥がすことで、キャビティの為の凹部を形成する工
程と、この下型に前記上型を型組みすることにより、キ
ャビティを形成するとともに、このキャビティの一部に
前記発泡材模型を臨ませる型組み工程と、発泡材模型の
湯口部へ注湯し、発泡材模型を溶湯に置き換えるととも
にキャビティに溶湯を供給してプレス用ダイのダイ用鋳
物を得る工程と、得られたダイ用鋳物の裏にバックアッ
プ材を付加することでプレス用ダイを製造する工程とか
らなる。
【0010】プレス用パンチの模型に基づいて上下の型
を形成し、上下の型でダイ用鋳物を鋳造する。このダイ
用鋳物をプレス用ダイの成形面として使用する。プレス
用ダイの成形面のみを鋳造することで上下の型をコンパ
クトで簡素にする。また、ダイ用鋳物を鋳造すること
で、成形面に鋳鉄や鋳鋼などの硬度の高い材料の使用が
可能になる。これで、プレス用ダイの耐摩耗製を高め
る。
【0011】加えて、キャビティの成形面をジルコン塗
型材で形成することで成形面の精度を高める。このキャ
ビティの一部に発泡材模型を臨ませ、発泡材模型の湯口
部へ注湯する。これにより、発泡材模型を溶湯に置き換
えるとともにキャビティに溶湯を供給する。ダイ用鋳物
のうちの成形面に相当する部位をジルコン塗型材で精度
よく鋳造し、その他の部位を発泡材模型で比較的ラフに
鋳造する。
【0012】請求項2は、プレス用パンチの模型を準備
する工程と、前記模型にジルコン塗型材を塗布する工程
と、この塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に壁
板を立て、けい砂などの型材を充填する工程と、模型を
取り外すことで型材からなる下型を得る工程と、この下
型に可撓性シートを貼り付ける工程と、この可撓性シー
トの周縁部を除き、可撓性シートにジルコン塗型材を塗
布する工程と、湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製
造し、この発泡材模型を可撓性シートの周縁部に接触さ
せるように配置する工程と、この発泡材模型を囲うよう
にして下型に壁板を立て、けい砂などの型材を充填する
工程と、下型に可撓性シート、ジルコン塗型材、発泡材
模型、型材を載せたものから、可撓性シートが付いた状
態での下型を取り外すことでジルコン塗型材、発泡材模
型、型材からなる上型を得る工程と、前記下型から可撓
性シートを剥がすことで、キャビティの為の凹部を形成
する工程と、この下型に前記上型を型組みすることによ
り、キャビティを形成するとともに、このキャビティの
一部に前記発泡材模型を臨ませる型組み工程と、発泡材
模型の湯口部へ注湯し、発泡材模型を溶湯に置き換える
とともにキャビティに溶湯を供給してプレス用ダイのダ
イ用鋳物を得る工程と、得られたパンチ用鋳物の裏にバ
ックアップ材を付加することでプレス用パンチを製造す
る工程とからなる。
【0013】プレス用パンチの模型に基づいて上下の型
を形成し、上下の型でパンチ用鋳物を鋳造する。このパ
ンチ用鋳物をプレス用パンチの成形面として使用する。
プレス用パンチの成形面のみを鋳造することで上下の型
をコンパクトで簡素にする。また、パンチ用鋳物を鋳造
することで、成形面に鋳鉄や鋳鋼などの硬度の高い材料
の使用が可能になる。これで、プレス用パンチの耐摩耗
製を高める。
【0014】加えて、キャビティの成形面をジルコン塗
型材で形成することで成形面の精度を高める。このキャ
ビティの一部に発泡材模型を臨ませ、発泡材模型の湯口
部へ注湯する。これにより、発泡材模型を溶湯に置き換
えるとともにキャビティに溶湯を供給する。パンチ用鋳
物のうちの成形面に相当する部位をジルコン塗型材で精
度よく鋳造し、その他の部位を発泡材模型で比較的ラフ
に鋳造する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図1は本発明に係るプレス用金
型の断面図である。プレス用金型10は、プレス用ダイ
11を上死点−下死点間で昇降自在に配置し、プレス用
ダイ11の下方にプレス用パンチ31を配置し、プレス
用パンチ31の側部に昇降自在にブランクホルダ45,
45を配置したものである。
【0016】プレス用ダイ11は、ねずみ鋳鉄、白心可
鍛鋳鉄、黒心可鍛鋳鉄、合金鋳鋼、ステンレス鋳鋼など
によるダイ用鋳物12と、このダイ用鋳物12の裏側に
裏打ちした裏打ち材16と、ダイ用鋳物12を取付けた
枠体18と、枠体18と裏打ち材16(ダイ用鋳物1
2)間に充填した高強度セメントなどのバックアップ材
27とからなる。
【0017】ダイ用鋳物12は、中央に凹状成形部13
を備え、凹状成形部13の左右端に左右のダイフェース
14,14を一体に鋳造した鋳物である。凹状成形部1
3は、鉛直成形面13a,13bを備える。裏打ち材1
6は、例えば水溶性のエポキシ樹脂にガラス繊維をミキ
サーで練り込み、完全に脱泡した状態で、ダイ用鋳物1
2の裏面に塗布し、硬化させたものである。水溶性のエ
ポキシ樹脂は、接着力が強いので、ダイ用鋳物12と確
実に結合する。また、裏打ち材16の表面が凹凸状にな
り、この凹凸状の部分にセメント(高強度セメント)等
のバックアップ材27が入り込み、バックアップ材27
との喰い着き性(結合力)を良くすることができる。
【0018】枠体18は、ダイ用鋳物12を受入れる中
央凹み19を備え、左右に脚20,20を備えた略門形
の部材で、左右の脚20,20の底部にボルト22,2
2を差込む差込孔21,21を形成したものである。ボ
ルト22,22を差込孔21,21に差し込み、ダイフ
ェース14,14にねじ込むことにより、枠体18の脚
20,20にダイフェース14,14を取り付け、枠体
18にダイ用鋳物12を固定する。
【0019】バックアップ材27は、スラリ状の高強度
セメントを枠体18と裏打ち材16間に充填した後固化
させたものであって、ダイ用鋳物12を裏側から支える
部材である。なお、高強度セメントに代えて樹脂を使用
することも可能である。樹脂の場合、溶融状態の樹脂を
枠体18と裏打ち材16間に充填した後硬化させること
でバックアップ材27とする。なお、29は補強とダイ
用鋳物12の寸法微調節を兼ねた棒材である。
【0020】プレス用パンチ31は、ねずみ鋳鉄、白心
可鍛鋳鉄、黒心可鍛鋳鉄、合金鋳鋼、ステンレス鋳鋼な
どによるパンチ用鋳物32と、このパンチ用鋳物32の
裏側に裏打ちした裏打ち材36と、パンチ用鋳物32を
取付けた枠体38と、枠体38と裏打ち材36(パンチ
用鋳物32)間に充填した高強度セメントなどのバック
アップ材42とからなる。
【0021】パンチ用鋳物32は、ベース33に幅広部
34及び先端側に幅狭部35を一体に鋳造し、幅広部3
4及び幅狭部35で凸状の成形面を形成し、幅広部34
に鉛直成形面34aを備えるとともに幅狭部35に鉛直
成形面35aを備えた鋳物である。裏打ち材36は、プ
レス用ダイ11と同様に、例えば水溶性のエポキシ樹脂
にガラス繊維をミキサーで練り込み、完全に脱泡した状
態で、パンチ用鋳物32の裏面に塗布し、硬化させたも
のである。水溶性のエポキシ樹脂は、接着力が強いの
で、パンチ用鋳物32と確実に結合する。また、裏打ち
材36の表面が凹凸状になり、この凹凸状の部分にセメ
ント(高強度セメント)等のバックアップ材42が入り
込み、バックアップ材42との結合力を良くすることが
できる。
【0022】枠体38は、パンチ用鋳物32の凹部に差
込み、フランジ40をベース33の基端33a,33a
にボルト(図示しない)で取り付けたものである。バッ
クアップ材42は、プレス用ダイ11と同様に、スラリ
状の高強度セメントを枠体38と裏打ち材36間に充填
した後固化させることで、パンチ用鋳物32を裏側から
支える部材である。なお、高強度セメントに代えて樹脂
を使用することも可能である。樹脂の場合、溶融状態の
樹脂を枠体38と裏打ち材36間に充填した後硬化させ
ることでバックアップ材42とする。なお、44は補強
とパンチ用鋳物32の寸法微調節を兼ねた棒材である。
【0023】ブランクホルダ45,45は、プレス用ダ
イ11のダイフェース14,14に臨ませ、かつ昇降自
在に配置することにより、ダイフェース14,14とと
もにブランク材25の左右端25a,25aを挟持す
る。これにより、ブランク材25をプレス成形する際に
ブランク材25に皺が発生することを防ぐことができ
る。
【0024】プレス用金型10によれば、ダイ用鋳物1
2及びパンチ用鋳物32は鋳鉄又は鋳鋼であるから表面
硬度は高くなる。従って、ダイ用鋳物12やパンチ用鋳
物32の耐摩耗性を高めることができる。この結果、耐
久性の優れたプレス用ダイ11やプレス用パンチ31を
得ることができる。また、ダイ用鋳物12、パンチ用鋳
物32を支えるバックアップ部27,42を、比較的安
価なセメントや樹脂で構成したので、型費を抑えること
ができる。
【0025】次に、プレス用金型10でブランク材25
をプレス成形する例を説明する。先ず、プレス用金型1
0のプレス用ダイ11を上死点位置に停止させ、この状
態でプレス用ダイ11とプレス用パンチ31との間にブ
ランク材25を配置する。次に、ブランクホルダ45を
白抜き矢印の如くダイフェース14に向けて上昇させ、
ダイフェース14とブランクホルダ45とでブランク材
25の左右端25a,25aを挟持する。
【0026】次いで、プレス用ダイ11及びブランクホ
ルダ45を白抜き矢印の如く移動する。プレス用ダイ1
1が下死点まで移動することで、プレス用ダイ11をプ
レス用パンチ31へ規定量進入させる。これにより、ブ
ランク材25をプレス成形して製品パネル(図示しな
い)を得る。以下、プレス用ダイ11の製造方法及びプ
レス用パンチ31の製造方法について説明する。
【0027】図2は本発明に係るプレス用ダイの製造方
法(第1実施の形態)を示すフローチャートであり、図
中ST××はステップ番号を示す。 ST10;プレス用パンチの模型を準備する。 ST11;模型に第1可撓性シートを貼り付ける。 ST12;第1可撓性シートにジルコン塗型材を塗布す
る。 ST13;塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に
壁板を立て、けい砂などの型材を充填する。
【0028】ST14;模型を取り外すとともに第1可
撓性シートを剥がすことで型材からなる下型を得る。 ST15;下型に第1可撓性シートより製品パネルの板
厚分薄い第2可撓性シートを貼り付ける。 ST16;第2可撓性シートの周縁部を除き、第2可撓
性シートにジルコン塗型材を塗布する。 ST17;湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製造
し、この発泡材模型を第2可撓性シートの周縁部に接触
させるように配置する。
【0029】ST18;発泡材模型を囲うように下型に
壁板を立て、けい砂などの型材を充填する。 ST19;下型に第2可撓性シート、ジルコン塗型材、
発泡材模型、型材を載せたものから、第2可撓性シート
が付いた状態での下型を取り外すことでジルコン塗型
材、発泡材模型、型材からなる上型を得る。 ST20;下型から第2可撓性シートを剥がすことで、
キャビティの為の凹部を形成する。 ST21;下型に上型を型組みすることにより、キャビ
ティを形成するとともに、このキャビティの一部に発泡
材模型を臨ませる。
【0030】ST22;発泡材模型の湯口部へ注湯し、
発泡材模型を溶湯に置き換えるとともにキャビティに溶
湯を供給してプレス用ダイのダイ用鋳物を得る。 ST23;得られたダイ用鋳物を焼鈍する。 ST24;焼鈍したダイ用鋳物の裏にバックアップ材を
付加することでプレス用ダイを製造する。 ST25;ダイ用鋳物の成形面を正規の形状に切削す
る。 以下、ST10〜ST25の各工程を図3〜図10で詳
しく説明する。なお、図中の「△印」はプレス用ダイの
成形面に合わせた面を示す。
【0031】図3(a)〜(c)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第1説明図であ
り、(a)はST10を示し、(b)はST11を示
し,(c)はST12を示す。(a)において、プレス
用パンチの模型50を準備する。この模型50は凸部表
面51をプレス用パンチの成形面に合せて形成する。な
お、模型50は、例えば木、樹脂やゴムの加工しやすい
材料で形成する。従って、模型50を簡単に加工するこ
とができる。
【0032】(b)において、模型50にブロック52
(板厚t)をセットする。ブロック52は、図1に示す
ダイ用鋳物12の高さHを確保するために使用する部材
である。模型50の凸部表面51及びブロック52の表
面に第1可撓性シート53を貼り付ける。第1可撓性シ
ート53は、片面に接着剤がついたもので、例えばシー
ト厚さは、製品パネルの厚さt1(すなわち、図1に示
すブランク材25の厚さt1)にダイ用鋳物12(図1
に示す)の厚さt2を加えた厚さ(t1+t2)であ
る。
【0033】(c)において、第1可撓性シート53に
ジルコン塗型材54を塗布して乾燥する。ジルコン塗型
材54は、エチルシリケート(Si54(C2
5O)12)を加水分解して造ったゾル状液をバインダと
して、これにゲル化促進剤と紛粒状耐火物(すなわち、
ジルコン(ZrSiO4))とを添加してスラリー状に
したものである。ジルコン塗型材81を使用することに
より、耐火性を高めることができ、かつ成形面の精度を
高めることができる。なお、ジルコン塗型材54の他
に、アルミナ、炭化けい素などの紛粒状耐火物を使用し
た塗型材を使用してもよい。
【0034】図4(a)〜(c)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第2説明図であ
り、(a)はST13を示し、(b),(c)はST1
4を示す。(a)において、第1可撓性シート53を貼
り付けた模型50に壁板55を立て、けい砂などの型材
56を充填する。型材56は、一例として自硬性材料を
使用する。自硬性材料を使用することにより、型材56
を固まらせるための乾燥工程を省くことができる。
【0035】自硬性材料としては、CO2ガスを通気さ
せて硬化させる材料(CO2方式)、特殊な硬化促進剤
を加えて硬化させる材料(ノンキュア方式)や、アミン
ガスを通気させて硬化させる材料(イソキュア方式)等
がある。CO2方式の材料は、一例としてけい砂にバイ
ンダとしてけい酸ソーダを添加したものである。ノンキ
ュア方式は、一例としてけい砂にバインダとして油変性
アルキッド樹脂、ポリイソシアネート樹脂及び硬化剤の
3種類を添加したものである。イソキュア方式は、一例
としてけい砂にバインダとして特殊フェノール樹脂組成
物及びポリイソシアネート組成物を添加したものであ
る。
【0036】(b)において、型材56が固まった後、
全体を反転して模型50を上方に位置させる。次に、模
型50及びブロック52を矢印の如く取り外す。(c)
において、第1可撓性シート53を矢印の如く取り外し
て下型58を得る。下型58は、固まった型材56及び
ジルコン塗型材54が一体になったものである。
【0037】図5(a)〜(c)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第3説明図であ
り、(a)はST15及びST16を示し、(b)はS
T17を示し、(c)はST18を示す。(a)におい
て、下型58に第1可撓性シート53(図4(c)に示
す)より製品パネルの厚さt1分薄い第2可撓性シート
59を貼り付ける。すなわち、第2可撓性シート59の
厚さはダイ用鋳物12(図1に示す)と同じ厚さt2で
ある。従って、第2可撓性シート59の凹部59aがプ
レス用ダイの成形面と同一形状になる。次に、第2可撓
性シート59に離型剤を塗布した後、第2可撓性シート
59の周縁部59aを除いた状態で、第2可撓性シート
59にジルコン塗型材54を塗布して乾燥する。
【0038】(b)において、湯口部60aや押湯部6
0bを含む模型60を発泡材で製造し、この発泡材模型
60を第2可撓性シート59の周縁部59aに接触させ
るように配置する。(c)において、発泡材模型60を
囲うように下型58に壁板62を立て、けい砂などの型
材56を充填する。これにより、下型58に第2可撓性
シート59、ジルコン塗型材54、発泡材模型60及び
型材56を載せた状態になる。
【0039】図6(a),(b)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第4説明図であ
り、(a)はST19及びST20を示し、(b)はS
T21を示す。(a)において、下型58に第2可撓性
シート59、ジルコン塗型材54、発泡材模型60及び
型材56を載せたものから、第2可撓性シート59が付
いた状態での下型58を取り外すことでジルコン塗型材
54、発泡材模型60及び型材56からなる上型64を
得る。
【0040】上型64は、固まった型材56及びジルコ
ン塗型材54が一体になったものであり、上型64の凸
部64aがプレス用ダイの成形面と同一形状になる。上
型64の凸部64aにジルコン塗型材54を備えること
で、上型64の耐火性を高めることができ、かつ成形面
の精度を高めることができる。次に、下型58から第2
可撓性シート59を剥がすことで、キャビティ65
((b)に示す)の為の凹部65aを形成する。
【0041】(b)において、上型64及び下型58を
型組みすることにより、キャビティ65を形成するとと
もに、このキャビティ65の一部65bに発泡材模型6
0を臨ませる。
【0042】図7(a)〜(c)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第5説明図であ
り、(a)〜(c)はST22を示す。(a)におい
て、発泡材模型60の湯口部60aへ溶湯66を矢印
の如く注湯し、発泡材模型60を溶湯66に置き換える
とともにキャビティ65に溶湯66を矢印の如く供給す
る。溶湯66が凝固した後、型開きすることで鋳物67
((b)に示す)を取り出す。(b)において、鋳物6
7の凹部67aがプレス用ダイ11(図1に示す)の成
形面(すなわち、凹状成形部13)と同一形状になる。
(c)において、発泡材模型の湯口部及び押湯部に残っ
た鋳物68a,68bを取り除いて、プレス用ダイ11
(図1に示す)のダイ用鋳物12を得る。
【0043】ここで、(a)の溶湯66は、例えばシリ
コン(Si)を含ませた鋳鉄又は鋳鋼である。シリコン
を含ませることで流動性がよくなり、キャビティ65の
隅々(特に、凹部及び凸部)まで確実に溶湯66を到達
させることができる。また、流動性がよくなることで、
ダイ用鋳物12(図1に示す)を薄い形状に鋳造するこ
とが可能になる。
【0044】図8(a),(b)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第6説明図であ
り、(a),(b)はST23を示す。(a)におい
て、得られたダイ用鋳物12に取付孔12b,12bを
加工した後、ダイ用鋳物12を焼鈍する。ダイ用鋳物1
2を焼鈍することにより、ダイ用鋳物12の内部応力を
比較的短い時間で取り除く。従って、ダイ用鋳物12か
ら内部応力を除去するために、ダイ用鋳物12を所定時
間放置する必要がない。
【0045】(b)において、焼鈍したダイ用鋳物12
に補強リブ69,69を取り付ける。なお、補強リブ6
9,69は、ダイ用鋳物12を鋳造する際にダイ用鋳物
12と一体に鋳造することも可能である。この場合、補
強リブ69,69を単体で形成する手間や、補強リブ6
9,69をダイ用鋳物12に取り付ける手間を省くこと
ができるので、作業工程を簡単にすることができる。
【0046】図9(a)〜(c)は本発明に係るプレス
用ダイの製造方法(第1実施の形態)の第7説明図であ
り、(a)〜(c)はST24を示す。(a)におい
て、焼鈍したダイ用鋳物12の裏面に裏打ち材16を裏
打ちする。(b)において、ダイ用鋳物12を枠体18
にセットするとともに補強兼、位置決め用の棒材29を
取付ける。次に、ダイフェース14,14の取付孔12
b,12bにボルト22,22をねじ込むことにより、
ダイフェース14,14を脚20,20に取付けること
で、ダイ用鋳物12を枠体18に固定する。
【0047】続いて、ダイ用パネル12を固定した枠体
18を振動用のばね70,70に載せ、振動用のばね7
0,70で枠体18やダイ用パネル12を白抜き矢印の
如く上下方向に振動させる。この状態で、枠体18とダ
イ用パネル12(裏打ち材16)とで形成した空間71
に供給口72からスラリ状の高強度セメント73を矢印
の如く充填する。なお、棒材29を使用することによ
りダイ用パネル12の横ずれを防ぐ。
【0048】ここで、スラリ状の高強度セメント73の
製造方法を説明する。先ず、真空混練機(図示しない)
にセメントおよびセメントの10%に相当する金属ファ
イバーを投入し、さらにセメントの5%に相当する減水
剤を投入する。この後、真空混練機を駆動してセメン
ト、金属ファイバーおよび減水剤を混練することによ
り、スラリー状の高強度セメント73を得る。金属ファ
イバーを投入することにより高強度セメントの強度を高
め、減水剤を投入することによりセメントの固化時間を
短縮することができる。また、金属ファイバー及び減水
剤はセメントが固化する際にセメントの収縮を抑えるこ
とができる。
【0049】スラリー状の高強度セメント73を空間7
1に充填すると同時に真空ポンプ74を駆動する。真空
ポンプ74を駆動することにより、高強度セメント73
の内部の気泡73a・・・(・・・は複数個を示す)を真空脱
泡(真空脱気)する。すなわち、真空ポンプ74を駆動
することにより空間71は真空状態となり、スラリー状
の高強度セメント73の内部の気泡73a・・・が空間7
1に吸引される。
【0050】加えて、振動用のばね70,70でダイ用
パネル12を固定した枠体18を白抜き矢印の如く上下
方向に振動することにより、気泡73a・・・が高強度セ
メント73から出やすくなる。これにより、気泡73a
・・・を高強度セメント73の内部から確実に脱泡するこ
とができる。すなわち、高強度セメント73内部の気泡
73a・・・の移動を促す振動と、高強度セメント73内
部から気泡73a・・・を吸引する真空吸引作用との併用
により、より効果的に真空脱泡を促すことができる。
【0051】空間71に貯った空気は、真空ポンプ74
で吸引されて排出口75および流路76を通って矢印
の如く外に排出される。枠体18の天井77を排出口7
5に向けて上がり勾配に形成したので、空間71の空気
を排出口75に効率よく確実に集めることができる。従
って、空間71の空気を効率よく排出することができ
る。
【0052】(c)において、高強度セメント73が固
化してダイ用パネル12のバックアップ材27を構成
し、プレス用ダイ11を得る。プレス用ダイ11によれ
ば、高強度セメント73の内部の気泡73a・・・
((a)に示す)を脱泡したので、バックアップ材27
の内部に空洞が発生することを防ぐことができる。従っ
て、バックアップ材27の耐久性を高めることにより、
プレス用ダイ11の耐久性を高めることができる。
【0053】図10は本発明に係るプレス用ダイの製造
方法(第1実施の形態)の第8説明図であり、ST25
を示す。前工程で得たプレス用ダイ11を反転して、ダ
イ用鋳物12の凹部12aを上向きセットする。次に、
ダイ用鋳物12の凹部12aを切削刃78で正規の形状
に切削する。これで、プレス用ダイ11の製造工程が完
了する。
【0054】なお、本実施の形態では、ダイ用鋳物12
を鋳造する上下の型64,58(図7(a)に示す)を
ジルコン塗型材54で製造することで、ダイ用鋳物12
を精密鋳造することができる。従って、ダイ用鋳物12
の凹部12aを切削刃78で正規の形状に切削する工程
を省くことができる。但し、上下の型64,56をジル
コン塗型材54で製造しない場合は切削工程が必要であ
る。
【0055】ST10〜ST25のプレス用ダイ11の
製造方法(第1実施の形態)によれば、プレス用パンチ
の模型50に基づいて下型58及び上型64を形成し、
下型58及び上型64でダイ用鋳物12を鋳造する。こ
のダイ用鋳物12でプレス用ダイ11の成形面を形成す
る。プレス用ダイ11全体を鋳造しないで成形面(ダイ
用鋳物12)のみを鋳造すればよい。従って、下型58
及び上型64をコンパクトで簡素にすることができる。
【0056】加えて、キャビティ65の成形面をジルコ
ン塗型材54で形成することで、成形面の耐火性を高
め、かつ成形面の精度を高める。そして、このキャビテ
ィ65の一部65bに発泡材模型60を臨ませて、発泡
材模型60の湯口部60aへ注湯する。これにより、発
泡材模型60を溶湯66に置き換えるとともにキャビテ
ィ65に溶湯66を供給してダイ用鋳物12を得る。こ
のため、ダイ用鋳物12のうちの成形部位(凹状成形部
13)をジルコン塗型材54で精度よく鋳造し、その他
の部位(ダイフェース14)を発泡材模型60で比較的
ラフに鋳造する。従って、プレス用ダイ11の型費をよ
り抑えることができる。
【0057】次に、プレス用パンチ31の製造方法につ
いて説明する。図11は本発明に係るプレス用パンチの
製造方法(第2実施の形態)を示すフローチャートであ
り、図中ST××はステップ番号を示す。 ST30;プレス用パンチの模型を準備する。 ST31;模型にジルコン塗型材を塗布する。 ST32;塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に
壁板を立て、けい砂などの型材を充填する。 ST33;模型を取り外すことで型材からなる下型を得
る。
【0058】ST34;下型に可撓性シートを貼り付け
る。 ST35;可撓性シートの周縁部を除き、可撓性シート
にジルコン塗型材を塗布する。 ST36;湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製造
し、この発泡材模型を可撓性シートの周縁部に接触させ
るように配置する。 ST37;発泡材模型を囲うようにして下型に壁板を立
て、けい砂などの型材を充填する。
【0059】ST38;下型に可撓性シート、ジルコン
塗型材、発泡材模型、型材を載せたものから、可撓性シ
ートが付いた状態での下型を取り外すことでジルコン塗
型材、発泡材模型、型材からなる上型を得る。 ST39;下型から可撓性シートを剥がすことで、キャ
ビティの為の凹部を形成する。 ST40;下型に上型を型組みすることにより、キャビ
ティを形成するとともに、このキャビティの一部に発泡
材模型を臨ませる。
【0060】ST41;発泡材模型の湯口部へ注湯し、
発泡材模型を溶湯に置き換えるとともにキャビティに溶
湯を供給してプレス用ダイのダイ用鋳物を得る。 ST42;得られたパンチ用鋳物を焼鈍する。 ST43;焼鈍したパンチ用鋳物の成形面を正規の形状
に切削する。 ST44;切削したパンチ用鋳物の裏にバックアップ材
を付加することでプレス用パンチを製造する。以下、S
T30〜ST44の各工程を図12〜図19で詳しく説
明する。なお、図中の「△印」はプレス用パンチの成形
面に合わせた面を示す。
【0061】図12(a)〜(c)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第1説明図
であり、(a)はST30を示し、(b)はST31を
示し、(c)はST32を示す。(a)において、プレ
ス用パンチの模型50を準備する。この模型50はプレ
ス用ダイの製造に使用した模型を同じものである。
(b)において、模型50の凸部表面51にジルコン塗
型材81を塗布して乾燥する。ジルコン塗型材81はジ
ルコン塗型材54と同じものを使用する。(c)におい
て、ジルコン塗型材81を囲うように模型50に壁板8
2を立て、けい砂などの型材83を充填する。
【0062】図13(a)〜(c)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第2説明図
であり、(a)はST33を示し、(b)はST34を
示し、(c)はST35を示す。(a)において、型材
83が固まった後、全体を反転して模型50を上方に位
置させる。次に、模型50を矢印の如く取り外すことで
型材からなる下型84を得る。下型84は、固まった型
材83及びジルコン塗型材81が一体になったものであ
り、下型84の凹部84aがプレス用パンチの成形面と
同一形状になる。下型84の凹部84aにジルコン塗型
材81を備えることで、下型84の耐火性を高めること
ができ、かつ成形面の精度を高めることができる。
【0063】(b)において、下型84の凹部84aに
離型剤を塗布した後、凹部84aに可撓性シート85を
貼り付ける。可撓性シート85の厚さはパンチ用鋳物3
2(図1に示す)と同じ厚さt3である。(c)におい
て、可撓性シート85に離型剤を塗布した後、可撓性シ
ート85の周縁部85aを除いた状態で、可撓性シート
85にジルコン塗型材81を塗布して乾燥する。
【0064】図14(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第3説明図
であり、(a)はST36を示し、(b)はST37を
示す。(a)において、湯口部86aや押湯部86bを
含む模型86を発泡材で製造し、この発泡材模型86を
可撓性シート85の周縁部85aに接触させるように配
置する。次に、発泡材模型86を囲うように下型84に
壁板87を立てる。(b)において、壁板87で囲った
枠内にけい砂などの型材83を充填する。これにより、
下型84に可撓性シート85、ジルコン塗型材81、発
泡材模型86及び型材83を載せた状態になる。
【0065】図15(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第4説明図
であり、(a)はST38及びST39を示し、(b)
はST40を示す。(a)において、下型84に可撓性
シート85、ジルコン塗型材81、発泡材模型86及び
型材83を載せたものから、可撓性シート85が付いた
状態での下型84を取り外すことでジルコン塗型材8
1、発泡材模型86及び型材83からなる上型88を得
る。上型88は、固まった型材83及びジルコン塗型材
81が一体になったものである。次に、下型84から可
撓性シート85を剥がすことで、キャビティ89
((b)に示す)の為の凹部89aを形成する。
【0066】(b)において、上型88及び下型84を
型組みすることにより、キャビティ89を形成するとと
もに、このキャビティ89の一部89bに発泡材模型8
6を臨ませる。
【0067】図16(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第5説明図
であり、(a)〜(b)はST41を示す。(a)にお
いて、発泡材模型86の湯口部86aへ溶湯90を矢印
の如く注湯し、発泡材模型86を溶湯90に置き換え
るとともにキャビティ89に溶湯90を供給する。ここ
で、溶湯90は、図7(a)の溶湯66と同一であり、
例えばシリコン(Si)を含ませた鋳鉄又は鋳鋼であ
る。シリコンを含ませることで流動性がよくなり、キャ
ビティ89の隅々(特に、凹部及び凸部)まで確実に溶
湯90を到達させることができる。また、流動性がよく
なることで、パンチ用鋳物32を薄い形状に鋳造するこ
とが可能になる。溶湯90が凝固した後、型開きするこ
とで鋳物92((b)に示す)を取り出す。(b)にお
いて、鋳物92の凸部92aがパンチ用鋳物32(図1
に示す)の成形面(すなわち、幅広部34及び幅狭部3
5の凸状の成形面)と同一形状になる。
【0068】図17(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第6説明図
であり、(a)はST42を示し、(b)はST43を
示す。(a)において、発泡材模型の湯口部及び押湯部
に残った鋳物92a,92bを取り除いて、プレス用パ
ンチ31(図1に示す)のパンチ用鋳物32を得る。こ
のパンチ用鋳物32を焼鈍する。パンチ用鋳物32を焼
鈍することにより、パンチ用鋳物32の内部応力を比較
的短い時間で取り除く。従って、パンチ用鋳物32から
内部応力を除去するために、パンチ用鋳物32を所定時
間放置する必要がない。
【0069】(b)において、得られたパンチ用鋳物3
2を反転して、パンチ用鋳物32の凸部32aを上向き
セットする。次に、パンチ用鋳物32のベース33を固
定した状態で、パンチ用鋳物32の凸部32aを切削刃
94で正規の形状に切削する。
【0070】なお、本実施の形態では、パンチ用鋳物3
2を鋳造する上下の型88,84(図16(a)に示
す)をジルコン塗型材81で製造することで、パンチ用
鋳物32を精密鋳造することができる。従って、パンチ
用鋳物32の凸部32aを切削刃94で正規の形状に切
削する工程を省くことができる。但し、上下の型88,
84をジルコン塗型材81で製造しない場合は切削工程
が必要である。
【0071】図18(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第7説明図
であり、(a),(b)はST44の前半を示す。
(a)において、プレス用ダイ11をダイ用鋳物12が
上向きになるように配置する。ダイ用鋳物12の凹状成
形部13及びダイフェース14にシム板99・・・を貼り
付ける。ここで、シム板99・・・は製品パネル(図示し
ない)の板厚と同じ厚さに設定する。なお、シム板99
・・・に代えて製品パネルを貼り付けてもよい。
【0072】次に、パンチ用パネル32の裏側に裏打ち
材36を裏打ちした後、補強兼、位置決め用の棒材44
を取付ける。次いで、ダイフェース14のシム板99・・
・にブランクホルダ45を載せた後、パンチ用パネル3
2を矢印の如くパンチ用鋳物32を凹状成形部13の
シム板99・・・に載せる。
【0073】(b)において、パンチ用鋳物32の凹部
に枠体38をセットする。すなわち、枠体38の嵌入孔
38a・・・をパンチ用鋳物32の突起32b・・・に嵌め込
み、枠体38の取付孔38b・・・及びパンチ用鋳物32
の取付孔32c・・・にボルト(図示しない)を差し込
み、ボルトでパンチ用鋳物32に枠体38を固定する。
【0074】図19(a),(b)は本発明に係るプレ
ス用パンチの製造方法(第2実施の形態)の第8説明図
であり、(a),(b)はST44の後半を示す。
(a)において、ブランクホルダ45でパンチ用鋳物3
2を挟み付ける。これで、パンチ用パネル32や枠体3
8をプレス用ダイ11にセットした状態になる。パンチ
用パネル32や枠体38をセットしたプレス用ダイ11
を載台100を介して振動用のばね101,101に載
せ、振動用のばね101,101でプレス用ダイ11と
一体にパンチ用パネル32や枠体38を白抜き矢印の如
く上下方向に振動させる。この状態で、枠体38とパン
チ用パネル32(裏打ち材36)とで形成した空間10
2に供給口103からスラリ状の高強度セメント73を
矢印の如く充填する。
【0075】スラリー状の高強度セメント73を空間1
02に充填すると同時に真空ポンプ104を駆動する。
真空ポンプ104を駆動することにより、プレス用ダイ
11と同様に、高強度セメント73の内部の気泡73a
・・・を真空脱泡する。この真空脱泡処理及び振動処理に
より、気泡73a・・・を高強度セメント73の内部から
空間102に確実に脱泡することができる。
【0076】空間102に貯った空気は、真空ポンプ1
04で吸引されて排出口105および流路106を通っ
て矢印の如く外に排出される。枠体38の底部108
を上がり勾配に形成したので、空間102の空気を排出
口105に効率よく確実に集めることができる。従っ
て、空間102の空気を効率よく排出することができ
る。
【0077】(b)において、高強度セメント73が固
化してパンチ用パネル32のバックアップ材42を構成
し、プレス用パンチ31を得る。これで、プレス用パン
チ31の製造工程が完了する。
【0078】プレス用パンチ31によれば、プレス用ダ
イ11と同様に、高強度セメント73の内部の気泡73
a・・・(図19(a)に示す)を脱泡したので、バック
アップ材42の内部に空洞が発生することを防ぐことが
できる。従って、バックアップ材42の耐久性を高める
ことにより、プレス用パンチ31の耐久性を高めること
ができる。加えて、プレス用ダイ11にパンチ用パネル
32や枠体38をセットすることにより、プレス用パン
チ31を十分に安定させることができるので、高強度セ
メント73の充填作業を容易に行うことができる。
【0079】ST30〜ST44のプレス用パンチの製
造方法(第2実施の形態)によれば、プレス用パンチの
模型50に基づいて下型84及び上型88を形成し、下
型84及び上型88でパンチ用鋳物32を鋳造する。こ
のパンチ用鋳物32でプレス用パンチ31の成形面を形
成する。プレス用パンチ31の全体を鋳造しないで成形
面のみを鋳造することで下型84及び上型88をコンパ
クトで簡素にすることができる。
【0080】加えて、キャビティ89の成形面をジルコ
ン塗型材81で形成することで、成形面の耐火性を高
め、かつ成形面の精度を高める。そして、このキャビテ
ィ81の一部89bに発泡材模型86を臨ませて、発泡
材模型86の湯口部86aへ注湯する。これにより、発
泡材模型86を溶湯90に置き換えるとともにキャビテ
ィ81に溶湯90を供給してパンチ用鋳物32を得る。
このため、パンチ用鋳物32のうちの成形部位(すなわ
ち、幅広部34及び幅狭部35)をジルコン塗型材81
で精度よく鋳造し、その他の部位(ベース33)を発泡
材模型86で比較的ラフに鋳造する。従って、プレス用
パンチ31の型費をより抑えることができる。
【0081】なお、前記第1、第2実施の形態では、下
型及び上型の成形面にジルコン塗型材を使用した例につ
いて説明したが、けい砂などの型材のみで下型及び上型
を形成してもよい。ジルコン塗型材を使用しないので下
型及び上型を比較的簡単に造ることができ、コストを抑
えることができる。また、前記第1、第2実施の形態で
は、プレス用パンチの模型50を使用してダイ用鋳物1
2及びパンチ用鋳物32を造る例について説明したが、
プレス用パンチの模型50に代えてプレス用ダイの模型
を使用することでダイ用鋳物12及びパンチ用鋳物32
を造ることも可能である。
【0082】さらに、前記第1、第2実施の形態では、
ダイ用鋳物12及びパンチ用鋳物32を焼鈍することで
内部応力を取り除いた例について説明したが、ダイ用鋳
物12及びパンチ用鋳物32を焼鈍しないで、所定時間
放置することでダイ用鋳物12及びパンチ用鋳物32か
ら内部応力を取り除いてもよい。
【0083】加えて、前記第1、第2実施の形態では、
ダイ用鋳物12の凹部12aを切削刃78で切削し、パ
ンチ用鋳物32の凸部32aを切削刃94で切削した例
について説明したが、その他に放電加工等で加工するこ
とも可能である。なお、ダイ用鋳物12及びパンチ用鋳
物32の精度が保てる場合には凹部12a及び凸部32
aを加工しなくてもよい。
【0084】また、前記第1、第2実施の形態では、ダ
イ用鋳物及びパンチ用鋳物を鋳鉄や鋳鋼などによる鋳造
品とする例について説明したが、製品パネルの表面硬度
に合せてダイ用鋳物及びパンチ用鋳物の材質を選択する
ことが可能である。また、溶湯66として、シリコン
(Si)を含ませた鋳鉄又は鋳鋼などを使用したが、シ
リコン(Si)を含まない鋳鉄又は鋳鋼などを使用して
もよい。
【0085】さらに、前記第1、第2実施の形態では、
プレス用ダイ11及びプレス用パンチ31を製造する際
に、振動処理及び真空脱泡処理を実施しながらバックア
ップ材を充填した例について説明したが、振動処理及び
真空脱泡処理を実施しないでバックアップ材を充填して
もよい。また、振動処理、真空脱泡処理のいずれか一方
のみを実施することも可能である。
【0086】また、前記第1、第2実施の形態では、バ
ックアップ材をセメント(高強度セメント)や樹脂など
で形成した例を説明したが、その他の材料をバックアッ
プ材として使用することも可能である。加えて、前記実
施の形態では、プレス用ダイを製造した後にプレス用パ
ンチを製造する例について説明したが、プレス用パンチ
を製造した後にプレス用ダイを製造してもよく、またプ
レス用ダイ及びプレス用パンチを同時に製造してもよ
い。
【0087】さらに、第2実施の形態では、パンチ用鋳
物32の凸部32aを切削刃94で正規の形状に切削す
る際に、パンチ用鋳物32のベース33を固定した例に
ついて説明したが、パンチ用鋳物32を枠体38に仮止
めした状態で、パンチ用鋳物32の凸部32aを切削刃
94で正規の形状に切削してもよい。
【0088】ところで、図1に示すプレス用金型10
は、プレス用ダイ11を昇降自在に配置してプレス用パ
ンチ31を固定した例について説明したが、プレス用パ
ンチを昇降自在に配置してダイ用パンチを固定してもよ
い。加えて、プレス用金型10を、自動二輪車の燃料タ
ンクをプレス加工する金型として説明したが、プレス用
金型10はその他の製品(例えば、自動車のアウタパネ
ル、インナパネル、ボンネット、発電機のカバーなど)
をプレス加工することも可能である。
【0089】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、プレス用パンチの模型に基づいて上
下の型を形成し、上下の型でダイ用鋳物を鋳造する。こ
のダイ用鋳物をプレス用ダイの成形面として使用するこ
とができる。プレス用ダイの成形面のみを鋳造するだけ
で、プレス用ダイ全体を鋳造する必要がない。このた
め、上下の型をコンパクトで簡素にすることができる。
従って、プレス用ダイの型費を抑えることができる。
【0090】また、ダイ用鋳物を鋳造することで、例え
ば鋳鉄や鋳鋼などの硬度の高い材料の使用が可能にな
る。このダイ用鋳物でプレス用金型の成形面を形成する
ことにより、プレス用ダイの耐摩耗製を高めることがで
きる。この結果、耐久性の優れたプレス用ダイを得るこ
とができる。
【0091】加えて、キャビティの成形面をジルコン塗
型材で形成することで、成形面の耐火性を高め、かつ成
形面の精度を高める。そして、このキャビティの一部に
発泡材模型を臨ませ、発泡材模型の湯口部へ注湯する。
これにより、発泡材模型を溶湯に置き換えるとともにキ
ャビティに溶湯を供給してダイ用鋳物を得る。このた
め、ダイ用鋳物のうちの成形面に相当する部位をジルコ
ン塗型材で精度よく鋳造し、その他の部位を発泡材模型
で比較的ラフに鋳造する。従って、プレス用ダイの型費
をより抑えることができる。
【0092】請求項2は、プレス用パンチの模型に基づ
いて上下の型を形成し、上下の型でパンチ用鋳物を鋳造
する。このパンチ用鋳物をプレス用パンチの成形面とし
て使用することができる。プレス用パンチの成形面のみ
を鋳造するだけで、プレス用パンチ全体を鋳造する必要
がない。このため、上下の型をコンパクトで簡素にする
ことができる。従って、プレス用パンチの型費を抑える
ことができる。
【0093】また、パンチ用鋳物を鋳造することで、例
えば鋳鉄や鋳鋼などの硬度の高い材料の使用が可能にな
る。このパンチ用鋳物でプレス用パンチの成形面を形成
することにより、プレス用パンチの耐摩耗製を高めるこ
とができる。この結果、耐久性の優れたプレス用パンチ
を得ることができる。
【0094】加えて、キャビティの成形面をジルコン塗
型材で形成することで、成形面の耐火性を高め、かつ成
形面の精度を高める。そして、このキャビティの一部に
発泡材模型を臨ませ、発泡材模型の湯口部へ注湯する。
これにより、発泡材模型を溶湯に置き換えるとともにキ
ャビティに溶湯を供給してパンチ用鋳物を得る。このた
め、パンチ用鋳物のうちの成形面に相当する部位をジル
コン塗型材で精度よく鋳造し、その他の部位を発泡材模
型で比較的ラフに鋳造する。従って、プレス用パンチの
型費をより抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス用金型の断面図
【図2】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)を示すフローチャート
【図3】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第1説明図
【図4】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第2説明図
【図5】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第3説明図
【図6】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第4説明図
【図7】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第5説明図
【図8】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第6説明図
【図9】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1実
施の形態)の第7説明図
【図10】本発明に係るプレス用ダイの製造方法(第1
実施の形態)の第8説明図
【図11】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)を示すフローチャート
【図12】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第1説明図
【図13】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第2説明図
【図14】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第3説明図
【図15】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第4説明図
【図16】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第5説明図
【図17】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第6説明図
【図18】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第7説明図
【図19】本発明に係るプレス用パンチの製造方法(第
2実施の形態)の第8説明図
【符号の説明】
10…プレス用金型、11…プレス用ダイ、12…ダイ
用鋳物、31…プレス用パンチ、32…パンチ用鋳物、
50…プレス用パンチの模型、53…第1可撓性シー
ト、54,81…ジルコン塗型材、55,62,82,
87…壁板、56,83…型材、58,84…下型、5
9…第2可撓性シート、59a…周縁部、60,86…
発泡材模型、60a,86a…湯口部、60b,86a
…押湯部、64,88…上型、65,89…キャビテ
ィ、65a,89a…キャビティの凹部、65b,89
b…キャビティの一部、66,90…溶湯、85…可撓
性シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正文 静岡県浜松市葵東一丁目13番1号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内 (72)発明者 中村 喜一 静岡県浜松市葵東一丁目13番1号 本田技 研工業株式会社浜松製作所内 (72)発明者 二村 勝 愛知県西尾市米津町五郎田20番地3 有限 会社中型内 Fターム(参考) 4E050 JA01 JA04 JA06 JB04 JC02 JD03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス用パンチの模型を準備する工程
    と、 前記模型に第1可撓性シートを貼り付ける工程と、 第1可撓性シートにジルコン塗型材を塗布する工程と、 この塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に壁板を
    立て、けい砂などの型材を充填する工程と、 模型を取り外すとともに第1可撓性シートを剥がすこと
    で型材からなる下型を得る工程と、 この下型に第1可撓性シートより製品パネルの板厚分薄
    い第2可撓性シートを貼り付ける工程と、 この第2可撓性シートの周縁部を除き、第2可撓性シー
    トにジルコン塗型材を塗布する工程と、 湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製造し、この発泡
    材模型を第2可撓性シートの周縁部に接触させるように
    配置する工程と、 この発泡材模型を囲うように下型に壁板を立て、けい砂
    などの型材を充填する工程と、 下型に第2可撓性シート、ジルコン塗型材、発泡材模
    型、型材を載せたものから、第2可撓性シートが付いた
    状態での下型を取り外すことでジルコン塗型材、発泡材
    模型、型材からなる上型を得る工程と、 前記下型から第2可撓性シートを剥がすことで、キャビ
    ティの為の凹部を形成する工程と、 この下型に前記上型を型組みすることにより、キャビテ
    ィを形成するとともに、このキャビティの一部に前記発
    泡材模型を臨ませる型組み工程と、 発泡材模型の湯口部へ注湯し、発泡材模型を溶湯に置き
    換えるとともにキャビティに溶湯を供給してプレス用ダ
    イのダイ用鋳物を得る工程と、 得られたダイ用鋳物の裏にバックアップ材を付加するこ
    とでプレス用ダイを製造する工程と、からなるプレス用
    ダイの製造方法。
  2. 【請求項2】 プレス用パンチの模型を準備する工程
    と、 前記模型にジルコン塗型材を塗布する工程と、 この塗布したジルコン塗型材を囲うように模型に壁板を
    立て、けい砂などの型材を充填する工程と、 模型を取り外すことで型材からなる下型を得る工程と、 この下型に可撓性シートを貼り付ける工程と、 この可撓性シートの周縁部を除き、可撓性シートにジル
    コン塗型材を塗布する工程と、 湯口部や押湯部を含む模型を発泡材で製造し、この発泡
    材模型を可撓性シートの周縁部に接触させるように配置
    する工程と、 この発泡材模型を囲うようにして下型に壁板を立て、け
    い砂などの型材を充填する工程と、 下型に可撓性シート、ジルコン塗型材、発泡材模型、型
    材を載せたものから、可撓性シートが付いた状態での下
    型を取り外すことでジルコン塗型材、発泡材模型、型材
    からなる上型を得る工程と、 前記下型から可撓性シートを剥がすことで、キャビティ
    の為の凹部を形成する工程と、 この下型に前記上型を型組みすることにより、キャビテ
    ィを形成するとともに、このキャビティの一部に前記発
    泡材模型を臨ませる型組み工程と、 発泡材模型の湯口部へ注湯し、発泡材模型を溶湯に置き
    換えるとともにキャビティに溶湯を供給してプレス用ダ
    イのダイ用鋳物を得る工程と、 得られたパンチ用鋳物の裏にバックアップ材を付加する
    ことでプレス用パンチを製造する工程と、からなるプレ
    ス用パンチの製造方法。
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