JP3991316B2 - 鋳型材料を使用する鋳物の製造のための鋳型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、鋳型材料を使用する鋳物製造のための鋳型、及びそのような鋳型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複雑な形状を持つ鋳物は、例えば砂型などの「デッド」鋳型(以下、デッド鋳型)又は永久鋳型において通常製造される。一般的に、珪砂やクロム鉱石砂のような無機質の耐火性の粒状基礎材料と共に、成形剤及び鋳型材料の品質を向上させるため他の添加剤からなるデッド鋳型における鋳造において、前記鋳型は、鋳造後の取り出し行程において破壊される。前記デッド鋳型における鋳造に関連して、鋳造モデルは、最初、金属、木、石膏、又は樹脂によって作られる。そのモデルは、その基礎部分の外側輪郭を形成する。そのモデルは、基本的に再利用可能である。鋳型を製造するために、モデルの上部及び下部が、鋳型箱、例えば上部箱と下部箱に配され、鋳型材料によって周囲が囲まれる。鋳型材料を圧縮し且つ硬化させた後、モデル部分は、砂鋳型から取り出される。それから、上部及び下部箱は、一方が他方より上で配置される。陰性鋳型は、このように完成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
デッド鋳型を用いる鋳造は、特に、Fe−ベースの高融点の合金に使われる。デッド鋳型を用いる鋳造の欠点は、各鋳造法の後、新しい鋳型を製造しなければならないことだけではなく、鋳造の後、鋳型材料の再処理又は除去が、高い設備投資及び財政上の支出と関連していることである。これに関して、鋳型の製造のための鋳型箱は、通常、標準形状を有しているので、鋳型を製造するためには、相対的に大きな量の鋳型材料が小さな鋳物に関して要求されるということは特に重要である。
【0004】
デッド鋳型を用いて鋳造する間の更なる欠点は、冷却部を正確に配置することができないことである。冷却部は、通常デッド鋳型に用いられ、温度勾配を生じさせ且つ凝固を導くようにセットされる。鋳造の「エンドゾーン」から始まって、「フィーダゾーン」へのフラックスの供給が、これによって容易になる。冷却部は、それぞれの箱におけるモデルに緩く置かれ、そして、それらを囲む鋳型材料によって固定される。鋳型材料の圧縮の間、冷却部の正確なポジションは、失われる可能性がある。しかしながら、冷却部の正確な位置決めは、薄壁で囲まれた鋳物の鋳造においてかなりの重要である。
【0005】
永久鋳型の鋳造の間、数十万の鋳物の内の数百個は、同じ鋳型装置を用いて達成することができる。永久鋳型は、永久鋳型に制限を加える熱応力が、非鉄金属の相対的に低い鋳造温度故に受容可能であることから、比較的低い融点の非鉄金属鋳造工作物にとって非常に重要になった。鋳鉄工作物及び鋼は、永久鋳型に基本的に同じく投入され得るが、製造及び使用される鋳型材料(例えば、グラファイト、焼結金属、セラミック材料)によって生じる保守のための関連コストは、非常に高い。鋳鉄工作物及び鋼の鋳造に最適な永久鋳型は、このように大変高価であり、且ついくつかの部分に形成されるクラックの高い熱負荷の結果として、又は鋳型の局部的な溶解の結果として消耗しやすい。
【0006】
したがって、この発明の目的は、鋳鉄工作物及び鋼が簡単に且つ安価に鋳造される鋳型及び鋳型の製造方法を提供することにある。
【0007】
前記目的は、外側にある第1の鋳型キャリア及び外側にある第2の鋳型キャリアを有し、鋳型本体が前記鋳型キャリアの間に設けられ、且つ鋳型空洞を形成する鋳型材料の内部層が、少なくとも部分的に前記鋳型本体に設けられる鋳型による本発明によって解決される。本発明による鋳型の製造方法によれば、鋳型材料の層厚が、鋳造される鋳型の壁厚により、且つ/又は凝固作用及び鋳型にもたらされる溶融物の温度により選択されることが、選択肢として提供される。代替開発において、前記鋳型材料は、特にモジュラー構造を有する鋳型キャリアに添付された鋳型本体の 一方の半部に空気パルスによる圧縮空気作用で供給される。
【0008】
本発明による鋳型も、一種のデッド鋳型であるが、従来技術と比較すると本質的な利点がある。すでに少なくとも実質的に陰性鋳型又は鋳型空洞を決定する鋳型キャリアの間に配される鋳型本体の結果として、単に少ない量の鋳型材料が、実際の陰性鋳型を製造するのに要求される。このように、従来技術と対照的に、更に小さな量の鋳型材料が、各鋳造法において使われる。これは、特に 1〜10mmの間の壁厚を有する薄壁鋳物にとって重要である。そのような薄壁鋳物の鋳造の間、より小さい量の熱のみが生じ、それは凝固の間、鋳型材料によって吸収されなければならない。このように、鋳型材料の結合剤は、数センチの深さまで単に燃焼する。正確には、この情況は、この発明において利用され、且つこれによって、加えられた鋳型材料の層厚は、鋳造される鋳物の壁厚により、且つ/又は凝固作用若しくは鋳型に流し込まれる溶融物の温度により選択される。最終的に最適な場合において、技術的理由に関して鋳造に要求される鋳型材料のその量のみがこれによって必要である。一方、従来技術において、小さい又は薄壁の鋳物について、鋳造後に本来まだ使用することができるかなりの量の鋳型材料が、再処理に回される。これは、単に鋳型材料の本来不必要なコストを上昇させるだけでなく、再処理のための高い設備投資と密接に関連する。更に高いエネルギーコストが同様に獲得される。さらに、鋳物工場における砂配合物の設計は、含まれる大量の砂によってより高価となる。最終的に、従来技術において、多量のほこりが生じ、環境をただ汚染するだけでなく、投棄のためのコストの増加も生じさせることが推定される。
【0009】
しかしながら、本発明による鋳型本体の使用は、また更なる利点を提供する。陰性基礎鋳型を決定する鋳型本体が、鋳型キャリアの間の容積の大きな部分をすでに占めており、結果として小さな量の砂のみが鋳型を製造するのに必要とされているので、鋳型を製造するためのかなり低いサイクル時間を達成することができる。その上、本発明による鋳型において、鋳型キャリア又は鋳型本体に冷却部を添付することは容易に可能であるので、正確な位置決めが得られ、これは、前述したように、薄壁鋳物の製造にとって重要である。さらに、適切に選択された材料を有する鋳型自体は、少なくともある領域、すなわち、鋳型材料のコートされない領域又は鋳型材料の小さい層でのみコートされた領域に、冷却部の機能を持たせることも十分可能である。
【0010】
短いサイクル時間は、鋳型本体又は鋳型本体の個々の半部への鋳型材料の層の付加が、空気流によって補助されるという事実によって特に達成される。また、砂層の厚さは、凝固を誘導する要求に従うように簡単に調整される。層の付加の後、鋳型本体の半部は、一方が他方の上に配置されて、前記鋳型が閉塞されるものである。
【0011】
金属且つ/又はセラミックスの鋳型キャリア及び金属鋳型本体が使用される時、鋳型の顕著な安定化が得られ、それは、狭い製造の許容範囲が厳守されなければならい薄壁鋳物の製造にとって重要であるということも立証された。
【0012】
鋳型本体を、複数の鋳型本体部からなるように、モデュール形式で構成することは、本願発明に関連する特別な利点である。このモジュ−ル構造の結果、個々のモジュールを補い、且つこれによって、鋳型空洞のための陰性基礎鋳型を決定することは容易に可能である。最終的な陰性の鋳型は、これが鋳型本体に注入されるかぎり、鋳型材料によって形成される。
【0013】
発明のより好ましい改良は、従属のクレームから得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明のより好ましい実施例は、図を参照して以下に説明される。
【0015】
鋳型材料3を使用する鋳物2の製造用鋳型1は、各々の図面において示される。鋳型材料は、本来公知のやり方において、ミネラル、耐火性物質、結合剤、及びもし必要ならばさらに添加物を有する砂のような粒状物質からなる。鋳型材料の使用の結果、鋳型1は基本的に「デッド鋳型」タイプの鋳型からなる。
【0016】
前記鋳型1は、外側にある第1の鋳型キャリア4と、外側にある第2の鋳型キャリア5を有する。前記鋳型キャリア4,5は、水平の配置において前記鋳型1の上部及び下部の境界線を具備する。また、前記鋳型が傾斜又は垂直に配されることができるということは、もちろんである。前記鋳型1の垂直配置において、前記第1及び第2の鋳型キャリア4,5は同様に外側に配されるが、この場合は左右に配される。下記する実施例は、鋳型キャリアの上下の配置について示され且つ記載されるが、鋳型キャリアの左右の配置についても等しい関係にある。また、同じことが、下記に詳細に記載される第1及び第2の鋳型本体半部13,14に適用される。前記第1及び第2の鋳型キャリア4,5の間には、通常、金属によって形成されるが、少なくともある領域においてはセラミックで形成されても良い鋳型本体6が、配設される。前記鋳型本体6は、その外側7,8で、前記第1及び第2の鋳型キャリア4,5の内側面9,10に当接する。前記鋳型本体6の内側表面11は、輪郭が描かれ、少なくとも実質的に鋳物2の外形に対応する。このように、鋳型本体6の内側表面11は、陰性の空白鋳型又は外側空白鋳型を形成する。鋳型材料3の層12は、前記鋳型本体6の内側表面11に、少なくとも部分的に形成され、詳細に記載されない鋳物空洞を形成する。前記層の厚さは、0mmから最大100mmの間で変化するが、その間の値については詳細にこれを特定する必要はない。
【0017】
鋳型本体6の内側表面全体は、個々の図面において示すように、鋳型材料3でコートされているが、それは鋳造技術の理由で、基本的に個々の表面領域をコートしないこともできることを述べておく。これについて、下の更なる詳細において論じられるであろう。更に、示された実施例において、鋳型材料3の層12が、部分的に、前記下部に位置する第2の鋳型キャリア5の内側表面10に直接的に形成されることが、その場合である。特定の鋳物2に関して、これは、本願ケースにおいて示されないけれども、上部に位置する第1の鋳型キャリア4の領域においても当然可能である。
【0018】
個々の図面からわかるように、鋳型本体6は、第1の鋳型本体半部13と第2の鋳型本体半部14とを有している。前記上部に位置する第1の鋳型本体半部13は、上部に位置する前記第1の鋳型キャリア4に添付されると共に、前記下部に位置する第2の鋳型本体半部14は、下部に位置する前記第2の鋳型キャリア5に添付される。前記鋳型1の閉塞状態において、前記第1及び第2の鋳型本体半部13,14は、各々の場合において、その外側縁部15において一方が他方の頂部に横たわるので、前記鋳型1は、この範囲において閉塞される。
【0019】
前記鋳型本体6が複数の特にモデュール式に構成された鋳型本体セグメント16を有することは、主に図11及び図12から知ることができる。モデュール構造の結果として、要求された個々の鋳型本体セグメント16として、追加又は取り除くことができ、誘導される凝固の要求に合致するために、層12の厚さにおけるバリエーションを達成できるものである。この場合、モデュールというのは、鋳型本体セグメント16が、単位構造形式において構成されること、すなわち、個々の鋳型本体セグメント16の長さ、幅及び/若しくは高さが、これらの寸法に関してお互いにマッチしていることを意味し、ある基本寸法nが設けられると共に、すべての寸法がその基本寸法nの整数倍であることを意味する。個々の鋳型本体セグメント16は、各々がそれぞれ第1及び第2の鋳型キャリア4,5に接続固定される。ある陰性鋳型又は陰性空洞鋳型を達成するために、鋳型本体セグメントを一方が他方の上にくるように配置する必要があるならば、この場合、適切な鋳型本体セグメント16が、特に螺旋によって、一方が他方の上にくるように添付されることはもちろんである。さらに、ピンや溝のような適当なガイドセグメントを、前記鋳型本体セグメント16の外側7,8に設けて、個々の鋳型本体セグメント16又は鋳型キャリア4,5上の前記鋳型本体半部13,14の正確な位置づけを確実にするものである。前記鋳型本体6のモデュール構造の結果、対応して連続的にマッチするガイド又は適切な構成要素上の位置決めセグメントを設けることが容易に可能となる。
【0020】
個々の模範的実施例において、前記鋳型本体セグメント16は、個体ブロックとして設計される。個体として設計することは、結果として、上部に位置する第1の鋳型キャリア4、上部に位置する第1の鋳型本体半部13及び配置された層3からなる上部箱17と、同様に下部に位置する第2の鋳型キャリア5、下部に位置する第2の鋳型本体半部14及びそこに配置された層12からなる下部箱18の両方の重量は、比較的に高くなる。特定の応用例については、上部箱の比較的高い重量は、いずれにせよ利点である。示された模範的な実施例において、前記鋳型1は、低圧鋳造に使用される。前記鋳型1は、下方から、すなわち、通常ゲートと呼ばれる下部に位置する第2の鋳型キャリア5の開口部19を介して満たされる。上部に位置する第1の鋳型本体半部13の個体設計及びその結果としての高い自重の結果として、鋳造の間の上部箱17の「浮き上がり」を防止することができる。上部箱17の下方への追加保持手段又は鋳型の締め付けを省略することができる。
【0021】
第1及び第2の鋳型キャリア4,5各々に面する側の鋳型本体セグメント16は、重量を低減するために空洞、溝等を具備することが可能である。重量の低減は、もしこれが要求され且つ鋳造方法又は応用に従って必要とされるならば、これによって達成される。
【0022】
図3及び図4に示される実施例において、固定補助部20が、前記内側表面11、いわゆる鋳型材料3に面する側の鋳型本体6に設けられ、前記鋳型本体6からの前記鋳型材料3の自然な脱離を防止する。前記固定補助部20は、例えば、前記固定補助部20は、鋳物工場の作業の間に生じる振動の結果として生じる鋳型砂のあらゆる脱離を防止する鉄を固定する方法における突起である。鉄を固定する代わりに、鋳型材料3の前記鋳型本体6へのよりよい結合を達成するために、前記鋳型本体6の内側表面11の表面型出しの形成において固定補助部を設けることもできる。
【0023】
前記鋳型本体6自体又は個々の鋳型本体セグメント16は、グラファイト、タングステン炭化物又は鋼のような耐火性物質からなることが好ましい。そのような材料の選択は、鋳型本体6が鋳造の間、高い温度ストレスを受けやすいことから、通常要求される。反対に、第1及び第2の鋳型キャリア4,5は、これらの構成要素の熱負荷が一般的にかなり低いことから、より好ましい材料で製造できる。
【0024】
図11及び図12で示される実施例において、冷却部21が上部にある第1の鋳型キャリア4及び下部にある第2の鋳型キャリア5の両方に設けられる。冷却部21の前記第1及び第2の鋳型キャリア4,5への直接的な装着の結果、前記冷却部21は、正確に位置づけされ、特に薄壁鋳造の場合の導かれた凝固に関してかなり重要である。この冷却部21は、鋳型材料3の層12が少なくともいくつかの領域で付加されないことを特徴とし、これにより、熱エネルギーがこの冷却部21を介して急速に除去されるものである。最終的に、冷却部21は、熱絶縁鋳型材料3が付加されないか又はある部分のみに付加された鋳型本体セグメント15からなる。
【0025】
個々の図からわかるように、前記鋳型材料3は、異なる層厚を有する前記鋳型本体6又は内部表面11に注入される。溶融物ができるかぎり液体の状態のままである領域において、前記層厚が大きくなるので、熱絶縁効果は、そこで得られる。鋳物2の大きな量の材料が配され且つ/又は凝固ができるだけ迅速に起こるべき領域においては、層厚は大変小さく又は鋳型材料3がこの領域において完全に排除されるもので、図11及び図12による実施例での場合は、前記冷却部21の付近である。それぞれの場合、層12の厚さは、鋳造される鋳物2の壁厚を考慮して誘導される凝固の要求によって調整することができ、且つこのように最適化される。
【0026】
たとえこれが詳細に示されないとしても、鋳型材料3は、圧縮空気作用で、且つ特に空気パルスによって、すなわち、高速度で且つ高圧力で、鋳型本体6の内側表面11に注入される。鋳型材料3は、鋳型本体3に、いわゆる噴射される。この手段によって、要求された層厚が、正確に且つ短時間に達成される。鋳型本体6への鋳型材料3の非常に急速な注入に関して、示されない小さい開口幅の開口部が、鋳型材料3の空気流補助による注入の間、空気を除去するために鋳型本体6に設けられる。鋳型材料3は、通常、鋳型材料3に含まれるバインダの結果として凝固が大変急激に生じる一桁センチ範囲にある所望の層厚に自動的に十分に注入される。陰性鋳型のこの種の製造の結果として、鋳型1の製造の大変低いサイクル時間が達成され、特に大変少ない量の鋳型材料3が、鋳型本体6に注入される必要がある。
【0027】
個々の図から導き出されるように、第1及び第2の鋳型キャリア4,5は、おのおのがいわゆる基板と同じようなプレート形状に構成される。最終的に、前記基板は、基板上に突出するべきでない随意のサイズである鋳型本体6について、ベアリング作用を単に有するものである。このように、この発明は、より大きい又はより小さい鋳型本体6が製造されるべき鋳物によって添加される標準化された基板を使用することの可能性を提供する。第1及び第2の鋳型キャリア4,5のプレート形状の構成の結果、これらは、単に鋳型1の上部及び下部の末端を形成する。側部に対して、前記鋳型1は、鋳型本体6によって制限され、また前記第1及び第2の鋳型本体半部13,14は、一方が他方の上に横たわる。
【0028】
すでに記載したように、鋳型1を満たすための開口部19は、本ケースにおいては、下部に位置する第2の鋳型キャリア5に配される。基本的に、上部に位置する第1の鋳型キャリア4に対応する開口部を設けることも可能であるが、鋳型本体6の側部に設けることも可能である。前記ゲートは、選択された鋳造方法を考慮して配置される。その点で、低圧鋳造に加えて、鋳型1は、基本的に、遠心圧力鋳造及び傾斜鋳造にも使用することができる。
【0029】
いずれにせよ、図12において示されるように、ゲート及び/若しくは図示されない鋳型1への供給路の領域において耐熱材料からなる挿入部12を設けることが可能である。その挿入部は、鋳型材料から形成することができるが、商業上利用可能な絶縁材から形成することもできる。また、前記挿入部22が、基本的に外側へ突出することは示されない。
【0030】
図5及び図6で示される実施例において、冷却部は、開口部19の領域に設けられる。現在において冷却部は、前記ゲートを通過する方に向くと共に、好ましくは実質的に冷却媒体の通過のためにゲートを囲む少なくとも一つの冷却路23を有する。本願の場合、冷却路23は、下部に位置する第2の鋳型キャリア5に配されるので、前記キャリア及び特に開口部19の領域が冷却される。この方法によれば、冷却部は、鋳造工程の終わりに向けて反応を促進する。確実な冷却効果は、誘導される凝固を構成し、また開口部19の領域における急速な凝固を調整するのに使用される。開口部19の領域における急速な凝固は、短いサイクル時間が使用されるとき、液状の金属が、開口部19から漏れることを防止することが要求される。すべての適当な気体状又は液体状の材料は、冷却路23を介して供給される冷却媒体として使用されると共に、好ましくは回路に導かれる。
【0031】
さらに、開口部19の領域における冷却部の配置は、また独立した発明として重要である。いわゆる、鋳型本体6及びそれに注入される鋳型材料3の層12の存在が独立しているからである。
【0032】
配置された鋳造装置の結合手段は、前記鋳型キャリアの一つ、本願の場合には下部に位置する第2の鋳型キャリア5に設けられることが図7及び図8に示される。本願の場合、結合手段は、鋳型1が鋳造装置に配置される時に、鋳造装置の対応するフック又は突起が噛合する凹部24である。基本的に、付加的に又は単に上部に位置する第1の鋳型キャリア4に、対応する凹部を設けることが可能であることはもちろんである。
【0033】
ガイド手段25,26が、前記第1及び第2の鋳型キャリア4,5を簡単に運搬し且つ配置することができるようにするために、上部に位置する第1の鋳型キャリア4及び第2の鋳型キャリア5の両方に設けられることが、図9及び図10に示される。示された実施例においては、ガイド手段25は、前記下部に位置する第2の鋳型キャリア5から横方向に突出する長手方向に延出するガイド突起からなると共に、ガイド手段26は複数の横方向の突出するガイド片からなる。
【0034】
鋳型1は、最初に、鋳型本体セグメント16が第1及び第2の鋳型キャリア4,5各々に配され、且つ対応する位置づけ補助具又は型締手段によって正確に位置づけされるように製造される。それから、前記鋳型本体セグメント16は、第1及び第2の鋳型キャリア4,5の各々に接続固定される。それから、前記鋳型材料3は、製造される鋳物の壁厚により要求される層厚に、空気パルスによる圧縮空気作用で注入される。導かれた凝固を達成する要求された層厚は、前述したパラメータに基づいて専門的な知識を考慮する当業者に任せられる。凝固をできるだけ遅くする領域においては、大きな層厚が選択され、これに対して、溶融物が早急に凝固しなければならない領域においては、できるだけ層厚が存在するべきでないような大変小さい層厚が選択される。溶融物が冷却部21又は鋳型本体セグメント16に直接接触する場合において、金属永久鋳型及びデッド鋳型の結合が最終的に獲得される。層12の付加の後、第1及び第2の鋳型本体半部13,14は、一方が他方の上に置かれるので、鋳型1が閉塞され、溶融物が挿入される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明による鋳型の第1の実施例の断面図を示す。
【図2】図2は、図1の鋳型のさらなる断面図を示す。
【図3】図3は、本願発明による鋳型の第2の実施例の断面図を示す。
【図4】図4は、図3の鋳型のさらなる断面図を示す。
【図5】図5は、本願発明による鋳型の第3の実施例の断面図を示す。
【図6】図6は、図5の鋳型のさらなる断面図を示す。
【図7】図7は、本願発明による鋳型の第4の実施例の断面図を示す。
【図8】図8は、図7の鋳型のさらなる断面図を示す。
【図9】図9は、本願発明による鋳型の第5の実施例の断面図を示す。
【図10】図10は、図9の鋳型のさらなる断面図を示す。
【図11】図11は、本願発明による鋳型の第6の実施例の断面図を示す。
【図12】図12は、本願発明による鋳型の第7の実施例の断面図を示す。
【符号の説明】
1 鋳型
2 鋳物
3 鋳型材料
4 第1の鋳型キャリア
5 第2の鋳型キャリア
6 鋳型本体
12 層
13 第1の鋳型本体半部
14 第2の鋳型本体半部
16 鋳型本体セグメント
17 上部箱
18 下部箱

Claims (10)

  1. 基板として構成される外側にある第1の鋳型キャリア(4)及び外側にある第2の鋳型キャリア(5)、前記第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)の間に配置される鋳型本体(6)、及び鋳物空洞を形成するために、少なくとも各区域において前記鋳型本体(6)に注入される鋳型材料(3)の内部層(12)とからなる鋳型材料(3)を使用する鋳物(2)の製造のための鋳型(1)。
  2. 少なくとも一つの開口部(19)が鋳型(1)を満たすためのゲートとして前記鋳型キャリア(4,5)の一つに設けられ、耐火性物質で作られた挿入部(22)が前記開口部(19)に挿入され、冷却部が前記開口部(19)の領域において前記第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)に設けられ、且つ前記冷却部は、冷却媒体の通過のために前記開口部(19)を通過して導かれる少なくとも一つの冷却路(23)を有することを特徴とする請求項1記載の鋳型。
  3. 配置された鋳物装置への結合手段が、前記第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)の少なくとも一つに設けられ、且つ/又は、鋳型(1)及び/若しくは第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)の搬送及び/若しくは位置決めのためのガイド手段(25,26)が側部に設けられることを特徴とする請求項 1 又は2記載の鋳型。
  4. 前記鋳型本体(6)が、前記第1の鋳型キャリア(4)に添付された第1の鋳型本体半部(13)と、前記第2の鋳型キャリア(5)に添付される第2の鋳型本体半部(14)を有し、且つ前記第1及び第2の鋳型本体半部(13,14)は、前記鋳型(1)の閉鎖状態において一方が他方の上部に横たわることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の鋳型。
  5. 前記鋳型本体(6)は、耐熱性物質から形成される複数のモデュールとして構成される鋳型本体セグメント(16)を有し、且つ該鋳型本体セグメント(16)は、前記第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)と対峙する側に凹部又は空洞を具備し、または、前記鋳型本体セグメント(16)は、個体ブロックとして構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の鋳型。
  6. 固定補助具(20)は、前記鋳型材料(3)に面する側で前記鋳型本体(6)に設けられ、前記鋳型本体(6)からの前記鋳型材料(3)の離脱を防止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の鋳型。
  7. 少なくとも一つの冷却部(21)が、前記第1の鋳型キャリア(4)、第2の鋳型キャリア(5)及び/若しくは前記鋳型本体(6)に装着されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の鋳型。
  8. 型締手段が、正確な位置決めのために、前記第1及び第2の鋳型キャリア(4,5)と前記鋳型本体(6)との間に設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の鋳型。
  9. 前記鋳型材料(3)が、異なる層厚を有する前記鋳型本体(6)に注入されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の鋳型。
  10. 前記鋳型材料(3)は、空気パルスによる圧縮空気作用で前記鋳型本体(6)に注入され、且つ小さい開口幅の開口部が前記鋳型本体(6)に設けられ、前記鋳型材料(3)の空気流補助による注入の間、空気を排出することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の鋳型。
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