JP2001300523A - 難分解性有機物の分解方法 - Google Patents
難分解性有機物の分解方法Info
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- JP2001300523A JP2001300523A JP2000123398A JP2000123398A JP2001300523A JP 2001300523 A JP2001300523 A JP 2001300523A JP 2000123398 A JP2000123398 A JP 2000123398A JP 2000123398 A JP2000123398 A JP 2000123398A JP 2001300523 A JP2001300523 A JP 2001300523A
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- Treatment Of Sludge (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水、汚泥、スラリーに含まれたダイオキシン
類、農薬等の難分解性有機物を、常温、常圧の下で、少
ないエネルギーによって、特殊薬品の使用や副生成物を
伴うことなく分解する。 【解決手段】 反応槽１に貯留する処理対象物２の温度
を超音波による加熱作用とコイル８による冷却作用によ
って所定上限温度と所定下限温度とにわたって繰り返し
変動させながら、超音波発信体１１から処理対象物２
へ、処理対象物中の固相に振動抽出作用を及ぼし、液相
に分解作用を及ぼす超音波を照射する。
類、農薬等の難分解性有機物を、常温、常圧の下で、少
ないエネルギーによって、特殊薬品の使用や副生成物を
伴うことなく分解する。 【解決手段】 反応槽１に貯留する処理対象物２の温度
を超音波による加熱作用とコイル８による冷却作用によ
って所定上限温度と所定下限温度とにわたって繰り返し
変動させながら、超音波発信体１１から処理対象物２
へ、処理対象物中の固相に振動抽出作用を及ぼし、液相
に分解作用を及ぼす超音波を照射する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、難分解性有機物の
分解方法に関し、一般廃棄物や産業廃棄物等の最終処分
場における浸出水、下水、し尿等の水、汚泥、スラリー
に含まれた難分解性有機物を分解する技術に係るもので
ある。
分解方法に関し、一般廃棄物や産業廃棄物等の最終処分
場における浸出水、下水、し尿等の水、汚泥、スラリー
に含まれた難分解性有機物を分解する技術に係るもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】従来、難分解性有機物を分解する方法と
しては、例えば固形物中のダイオキシン類を、１２００
度以上の高温度条件下において溶融する溶融処理法や、
３７０度以上、２２ＭＰａ以上の高温度、高圧力条件下
において処理する超臨界処理法が確認されている。ある
いは、処理対象物に水素供与体、アルカリ、溶媒を添加
した後に、窒素雰囲気下で、３５０度程度に加熱処理す
るアルカリ触媒分解法が確認されている。
しては、例えば固形物中のダイオキシン類を、１２００
度以上の高温度条件下において溶融する溶融処理法や、
３７０度以上、２２ＭＰａ以上の高温度、高圧力条件下
において処理する超臨界処理法が確認されている。ある
いは、処理対象物に水素供与体、アルカリ、溶媒を添加
した後に、窒素雰囲気下で、３５０度程度に加熱処理す
るアルカリ触媒分解法が確認されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した構成
においては高温度、高圧力の条件下を維持するための消
費エネルギーが多く、ランニングコストが高くなり、溶
媒を使用して固相中のダイオキシン類を液相中に移行さ
せる場合には、ダイオキシン類以外の有害物質や生態毒
性物質等の副生成物が発生する恐れがあり、埋立浸出
水、下水、し尿等の水、汚泥、スラリーに含まれた難分
解性有機物を分解する場合に、上記した方法の適用は困
難である。
においては高温度、高圧力の条件下を維持するための消
費エネルギーが多く、ランニングコストが高くなり、溶
媒を使用して固相中のダイオキシン類を液相中に移行さ
せる場合には、ダイオキシン類以外の有害物質や生態毒
性物質等の副生成物が発生する恐れがあり、埋立浸出
水、下水、し尿等の水、汚泥、スラリーに含まれた難分
解性有機物を分解する場合に、上記した方法の適用は困
難である。
【０００４】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、水、汚泥、スラリーに含まれたダイオキシン類、農
薬等の難分解性有機物を、常温、常圧の下で、少ないエ
ネルギーによって、特殊薬品の使用や副生成物を伴うこ
となく分解することができる難分解性有機物の分解方法
を提供することを目的とする。
り、水、汚泥、スラリーに含まれたダイオキシン類、農
薬等の難分解性有機物を、常温、常圧の下で、少ないエ
ネルギーによって、特殊薬品の使用や副生成物を伴うこ
となく分解することができる難分解性有機物の分解方法
を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の難分解性有機物の分解方法は、反応槽に
貯留する処理対象物の温度を所定上限温度と所定下限温
度とにわたって繰り返し変動させながら、処理対象物へ
処理対象物中の固相に振動抽出作用を及ぼし、液相に分
解作用を及ぼす超音波を照射するものである。
めに、本発明の難分解性有機物の分解方法は、反応槽に
貯留する処理対象物の温度を所定上限温度と所定下限温
度とにわたって繰り返し変動させながら、処理対象物へ
処理対象物中の固相に振動抽出作用を及ぼし、液相に分
解作用を及ぼす超音波を照射するものである。
【０００６】上記した構成により、処理対象物中にはダ
イオキシン類等の難分解性有機物が土壌等の固相の表面
に吸着し、あるいは内部に取り込まれた状態にある。処
理対象物の固相に作用する超音波は、その振動エネルギ
ーによって難分解性有機物を固相から液相に移行させる
振動抽出作用を及ぼす。
イオキシン類等の難分解性有機物が土壌等の固相の表面
に吸着し、あるいは内部に取り込まれた状態にある。処
理対象物の固相に作用する超音波は、その振動エネルギ
ーによって難分解性有機物を固相から液相に移行させる
振動抽出作用を及ぼす。
【０００７】一方、処理対象物の液相に作用する超音波
によって、キャビテーションバブルの空洞（キャビティ
ー）を生成する。このキャビティーが崩壊する際に、断
熱圧縮によって数百気圧、数千度の特異な状態が得られ
ると同時に、水素ラジカル、酸素ラジカル、ヒドロキシ
ラジカル、窒素ラジカル等のラジカルが発生する。
によって、キャビテーションバブルの空洞（キャビティ
ー）を生成する。このキャビティーが崩壊する際に、断
熱圧縮によって数百気圧、数千度の特異な状態が得られ
ると同時に、水素ラジカル、酸素ラジカル、ヒドロキシ
ラジカル、窒素ラジカル等のラジカルが発生する。
【０００８】液相に移行した難分解性有機物のうち、比
較的親水性で不飽和結合を多く含む物質は、発生したラ
ジカルと反応することによって分解する。比較的疎水性
で蒸気圧が低い有機化合物（例えばトリクロロエチレン
等）はキャビティー内に取り込まれ、高温度、高圧力下
において分解される。
較的親水性で不飽和結合を多く含む物質は、発生したラ
ジカルと反応することによって分解する。比較的疎水性
で蒸気圧が低い有機化合物（例えばトリクロロエチレン
等）はキャビティー内に取り込まれ、高温度、高圧力下
において分解される。
【０００９】振動抽出作用および分解作用を及ぼす超音
波は、周波数が１ｋＨｚから１ＭＨｚの範囲のものであ
り、処理対象物の物性、例えば難分解性有機物の種類や
組成、汚泥や土壌の性状によって異なり、あるいは反応
槽の形状によって異なるので、経験則として予め求め
る。
波は、周波数が１ｋＨｚから１ＭＨｚの範囲のものであ
り、処理対象物の物性、例えば難分解性有機物の種類や
組成、汚泥や土壌の性状によって異なり、あるいは反応
槽の形状によって異なるので、経験則として予め求め
る。
【００１０】ところで、一定温度下において難分解性有
機物をキャビティー内に取り込むことに適した蒸気圧
（飽和蒸気圧）は、難分解性有機物の種類によって異な
り、処理対象物中に複数種類の難分解性有機物（難分解
性有機物には異性体が２３０種類ぐらいある）が存在す
る場合には、各々の難分解性有機物毎にキャビティーへ
取り込むための蒸気圧の適値が存在する。
機物をキャビティー内に取り込むことに適した蒸気圧
（飽和蒸気圧）は、難分解性有機物の種類によって異な
り、処理対象物中に複数種類の難分解性有機物（難分解
性有機物には異性体が２３０種類ぐらいある）が存在す
る場合には、各々の難分解性有機物毎にキャビティーへ
取り込むための蒸気圧の適値が存在する。
【００１１】一方、処理対象物の温度は超音波照射を行
なうにしたがって徐々に上昇し、溶質の難分解性有機物
の蒸気圧が処理対象物の温度上昇に伴って変化する。こ
のため、反応槽に貯留する処理対象物の温度を所定上限
温度と所定下限温度とにわたって繰り返し変動させるこ
とにより、処理対象物中の各難分解性有機物の蒸気圧を
意図的に変化させて、各難分解性有機物をそれぞれの適
値の蒸気圧下においてキャビティーに取り込み、各種の
難分解性有機物の分解速度を高める。蒸気圧と温度の関
係は一般に公知であるが、処理対象物中の難分解性有機
物の種類は処理対象物毎に異なる。このため、多くの種
類の難分解性有機物を分解するには、処理対象物の昇温
と降温を繰り返す所定温度範囲として１０〜８０℃の範
囲が適している。
なうにしたがって徐々に上昇し、溶質の難分解性有機物
の蒸気圧が処理対象物の温度上昇に伴って変化する。こ
のため、反応槽に貯留する処理対象物の温度を所定上限
温度と所定下限温度とにわたって繰り返し変動させるこ
とにより、処理対象物中の各難分解性有機物の蒸気圧を
意図的に変化させて、各難分解性有機物をそれぞれの適
値の蒸気圧下においてキャビティーに取り込み、各種の
難分解性有機物の分解速度を高める。蒸気圧と温度の関
係は一般に公知であるが、処理対象物中の難分解性有機
物の種類は処理対象物毎に異なる。このため、多くの種
類の難分解性有機物を分解するには、処理対象物の昇温
と降温を繰り返す所定温度範囲として１０〜８０℃の範
囲が適している。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図１において、反応槽１に貯留する
処理対象物２は、一般廃棄物や産業廃棄物等の最終処分
場における埋立地浸出水、下水、し尿等であり、その
水、汚泥、スラリーはダイオキシン類や農薬等の難分解
性有機物を含んでいる。
基づいて説明する。図１において、反応槽１に貯留する
処理対象物２は、一般廃棄物や産業廃棄物等の最終処分
場における埋立地浸出水、下水、し尿等であり、その
水、汚泥、スラリーはダイオキシン類や農薬等の難分解
性有機物を含んでいる。
【００１３】反応槽１には、処理対象物２を供給するポ
ンプ３を有した供給系４と、処理物を排出する排出系５
とを接続し、温度計測装置と温度制御装置とを設けてい
る。温度計測装置は処理対象物の温度を検出する温度セ
ンサ６と温度センサ６に接続した温度計７とからなり、
温度制御装置は処理対象物２を冷却もしくは加熱するた
めの媒体を通すコイル８と、コイル８への媒体の供給を
制御する温度コントローラ９からなる。温度コントロー
ラ９は、反応槽１に貯留する処理対象物２の温度を、予
め設定する所定上限温度（８０℃）と所定下限温度（１
０℃）とにわたって繰り返し変動させる。
ンプ３を有した供給系４と、処理物を排出する排出系５
とを接続し、温度計測装置と温度制御装置とを設けてい
る。温度計測装置は処理対象物の温度を検出する温度セ
ンサ６と温度センサ６に接続した温度計７とからなり、
温度制御装置は処理対象物２を冷却もしくは加熱するた
めの媒体を通すコイル８と、コイル８への媒体の供給を
制御する温度コントローラ９からなる。温度コントロー
ラ９は、反応槽１に貯留する処理対象物２の温度を、予
め設定する所定上限温度（８０℃）と所定下限温度（１
０℃）とにわたって繰り返し変動させる。
【００１４】反応槽１の内部には処理対象物２を攪拌す
る攪拌機１０を設けており、反応槽１の槽底部には超音
波発信体１１を設置している。超音波発信体（ホーン）
１１は、導波管１２を通して超音波発振器１３に接続し
ており、超音波発振器１３は処理対象物２の固相に振動
抽出作用を及ぼし、液相に分解作用を及ぼす超音波振動
を発振するものである。超音波発信体１１は電圧を受け
て発振するセラミック等の振動子を使用することもでき
る。
る攪拌機１０を設けており、反応槽１の槽底部には超音
波発信体１１を設置している。超音波発信体（ホーン）
１１は、導波管１２を通して超音波発振器１３に接続し
ており、超音波発振器１３は処理対象物２の固相に振動
抽出作用を及ぼし、液相に分解作用を及ぼす超音波振動
を発振するものである。超音波発信体１１は電圧を受け
て発振するセラミック等の振動子を使用することもでき
る。
【００１５】超音波発信体１１から発信する超音波は、
１ｋＨｚから１ＭＨｚの範囲の中から選定する。振動抽
出作用と分解作用を及ぼす超音波の周波数は、処理対象
物２の物性、例えば難分解性有機物の種類や組成、汚泥
や土壌の性状によって異なり、あるいは反応槽１の形状
によって異なるので、経験則として予め求める。
１ｋＨｚから１ＭＨｚの範囲の中から選定する。振動抽
出作用と分解作用を及ぼす超音波の周波数は、処理対象
物２の物性、例えば難分解性有機物の種類や組成、汚泥
や土壌の性状によって異なり、あるいは反応槽１の形状
によって異なるので、経験則として予め求める。
【００１６】以下、上記した構成における作用を説明す
る。ポンプ３を駆動して供給系４から反応槽１へ処理対
象物２を供給し、所定量の処理対象物２を反応槽１に貯
留する。攪拌機１０で攪拌しながら、超音波発振器１３
で発振する超音波を導波管１２を通して超音波発信体１
１から処理対象物２へ照射する。
る。ポンプ３を駆動して供給系４から反応槽１へ処理対
象物２を供給し、所定量の処理対象物２を反応槽１に貯
留する。攪拌機１０で攪拌しながら、超音波発振器１３
で発振する超音波を導波管１２を通して超音波発信体１
１から処理対象物２へ照射する。
【００１７】処理対象物２に含まれたダイオキシン類等
の難分解性有機物は、土壌等の固相の表面に吸着し、あ
るいは内部に取り込まれた状態にある。超音波発信体１
１から照射した超音波は処理対象物２の固相および液相
に作用し、固相に作用する超音波はその振動エネルギー
によって難分解性有機物を固相から液相に移行させる振
動抽出作用を及ぼす。
の難分解性有機物は、土壌等の固相の表面に吸着し、あ
るいは内部に取り込まれた状態にある。超音波発信体１
１から照射した超音波は処理対象物２の固相および液相
に作用し、固相に作用する超音波はその振動エネルギー
によって難分解性有機物を固相から液相に移行させる振
動抽出作用を及ぼす。
【００１８】一方、処理対象物２の液相に作用する超音
波は、液相にキャビテーションバブルの空洞（キャビテ
ィー）を生成する。このキャビティーが崩壊する際に、
断熱圧縮によって数百気圧、数千度の特異な状態が得ら
れると同時に、ラジカルが発生する。液相に移行した難
分解性有機物のうち、比較的親水性で不飽和結合を多く
含む物質は、発生したラジカルと反応することによって
分解する。比較的疎水性で蒸気圧が低い有機化合物（例
えばトリクロロエチレン等）はキャビティー内に取り込
まれ、高温度、高圧力下において分解される。
波は、液相にキャビテーションバブルの空洞（キャビテ
ィー）を生成する。このキャビティーが崩壊する際に、
断熱圧縮によって数百気圧、数千度の特異な状態が得ら
れると同時に、ラジカルが発生する。液相に移行した難
分解性有機物のうち、比較的親水性で不飽和結合を多く
含む物質は、発生したラジカルと反応することによって
分解する。比較的疎水性で蒸気圧が低い有機化合物（例
えばトリクロロエチレン等）はキャビティー内に取り込
まれ、高温度、高圧力下において分解される。
【００１９】このとき、一定温度下において難分解性有
機物をキャビティー内に取り込むことに適した蒸気圧
（飽和蒸気圧）は、難分解性有機物の種類によって異な
る。このため、処理対象物２に含まれた複数種類の難分
解性有機物（難分解性有機物には異性体が２３０種類ぐ
らいある）をキャビティーへ取り込むための蒸気圧の適
値は各難分解性有機物毎に存在する。
機物をキャビティー内に取り込むことに適した蒸気圧
（飽和蒸気圧）は、難分解性有機物の種類によって異な
る。このため、処理対象物２に含まれた複数種類の難分
解性有機物（難分解性有機物には異性体が２３０種類ぐ
らいある）をキャビティーへ取り込むための蒸気圧の適
値は各難分解性有機物毎に存在する。
【００２０】このため、超音波照射によって処理対象物
２の温度が上昇する加熱作用と、コイル８に冷却媒体を
通して処理対象物２の温度を降下させる冷却作用とによ
って処理対象物２の温度を制御する。
２の温度が上昇する加熱作用と、コイル８に冷却媒体を
通して処理対象物２の温度を降下させる冷却作用とによ
って処理対象物２の温度を制御する。
【００２１】温度コントローラ９は、超音波照射によっ
て処理対象物２の温度が上昇し、温度計７の計測値が所
定上限温度（８０℃）に達すると、コイル８に冷却媒体
を通して処理対象物２を冷却し、処理対象物２の温度を
所定下限温度（１０℃）にまで降下させる。そして、コ
イル８の冷却作用で処理対象物２の温度が所定下限温度
（１０℃）に達した時点で冷却を停止し、再び処理対象
物２の温度を超音波による加熱作用で昇温させ、所定温
度範囲において処理対象物２の昇温と降温を繰り返す。
昇温時にコイル８に加熱媒体を通して意図的に処理対象
物２を加熱しても良い。
て処理対象物２の温度が上昇し、温度計７の計測値が所
定上限温度（８０℃）に達すると、コイル８に冷却媒体
を通して処理対象物２を冷却し、処理対象物２の温度を
所定下限温度（１０℃）にまで降下させる。そして、コ
イル８の冷却作用で処理対象物２の温度が所定下限温度
（１０℃）に達した時点で冷却を停止し、再び処理対象
物２の温度を超音波による加熱作用で昇温させ、所定温
度範囲において処理対象物２の昇温と降温を繰り返す。
昇温時にコイル８に加熱媒体を通して意図的に処理対象
物２を加熱しても良い。
【００２２】このように、反応槽１に貯留する処理対象
物２の温度を所定上限温度と所定下限温度とにわたって
繰り返し変動させることにより、処理対象物２の各難分
解性有機物の蒸気圧を意図的に変化させる。この操作に
よって、各難分解性有機物がそれぞれの適値の蒸気圧下
においてキャビティーに取り込まれ、各種の難分解性有
機物の分解速度が高まる。
物２の温度を所定上限温度と所定下限温度とにわたって
繰り返し変動させることにより、処理対象物２の各難分
解性有機物の蒸気圧を意図的に変化させる。この操作に
よって、各難分解性有機物がそれぞれの適値の蒸気圧下
においてキャビティーに取り込まれ、各種の難分解性有
機物の分解速度が高まる。
【００２３】この蒸気圧と温度の関係は一般にランキン
−デュプレの蒸気圧式として公知であるが、処理対象物
２に含まれた難分解性有機物の種類は処理対象物毎に異
なる。このため、多くの種類の難分解性有機物を分解す
るには、処理対象物２を１０〜８０℃の所定温度範囲に
おいて変動させることがよい。
−デュプレの蒸気圧式として公知であるが、処理対象物
２に含まれた難分解性有機物の種類は処理対象物毎に異
なる。このため、多くの種類の難分解性有機物を分解す
るには、処理対象物２を１０〜８０℃の所定温度範囲に
おいて変動させることがよい。
【００２４】図２は本発明の他の実施の形態を示すもの
である。先の実施の形態と同様の作用を行なう部材につ
いては同一番号を付して説明を省略する。図２におい
て、前段の温度調整槽１４と後段の反応槽１の間に循環
ポンプ１５を有する循環系１６を設け、温度調整槽１４
に攪拌機１７、温度センサー６、コイル８を設け、反応
槽１に攪拌機１０、超音波発信体１１を設けている。
である。先の実施の形態と同様の作用を行なう部材につ
いては同一番号を付して説明を省略する。図２におい
て、前段の温度調整槽１４と後段の反応槽１の間に循環
ポンプ１５を有する循環系１６を設け、温度調整槽１４
に攪拌機１７、温度センサー６、コイル８を設け、反応
槽１に攪拌機１０、超音波発信体１１を設けている。
【００２５】上記した構成により、循環ポンプ１５を駆
動することによって、処理対象物２を温度調整槽１４と
後段の反応槽１の間で循環しながら、温度調整槽１４で
処理対象物２の温度を制御し、反応槽１に送る処理対象
物２の温度を所定上限温度と所定下限温度とにわたって
繰り返し変動させ、反応槽１において処理対象物２の難
分解性有機物を分解する。他の作用効果は先の実施の形
態と同様であるので、説明を省略する。
動することによって、処理対象物２を温度調整槽１４と
後段の反応槽１の間で循環しながら、温度調整槽１４で
処理対象物２の温度を制御し、反応槽１に送る処理対象
物２の温度を所定上限温度と所定下限温度とにわたって
繰り返し変動させ、反応槽１において処理対象物２の難
分解性有機物を分解する。他の作用効果は先の実施の形
態と同様であるので、説明を省略する。
【００２６】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、超音
波の振動抽出作用によって難分解性有機物を固相から液
相に移行させ、分解作用によって液相に移行した難分解
性有機物をラジカルと反応させて分解し、あるいはキャ
ビティー内に取り込んで高温度、高圧力下において分解
することができ、処理対象物の温度を所定上限温度と所
定下限温度とにわたって繰り返し変動させることにより
蒸気圧を変化させ、各種の難分解性有機物を適値の蒸気
圧下においてキャビティーに取り込んで分解速度を高め
ることができる。したがって、水、汚泥、スラリーに含
まれたダイオキシン類、農薬等の難分解性有機物を、常
温、常圧の下で、少ないエネルギーによって、特殊薬品
の使用や副生成物を伴うことなく分解することができ
る。
波の振動抽出作用によって難分解性有機物を固相から液
相に移行させ、分解作用によって液相に移行した難分解
性有機物をラジカルと反応させて分解し、あるいはキャ
ビティー内に取り込んで高温度、高圧力下において分解
することができ、処理対象物の温度を所定上限温度と所
定下限温度とにわたって繰り返し変動させることにより
蒸気圧を変化させ、各種の難分解性有機物を適値の蒸気
圧下においてキャビティーに取り込んで分解速度を高め
ることができる。したがって、水、汚泥、スラリーに含
まれたダイオキシン類、農薬等の難分解性有機物を、常
温、常圧の下で、少ないエネルギーによって、特殊薬品
の使用や副生成物を伴うことなく分解することができ
る。
【図１】本発明の実施形態における分解装置の模式図で
ある。
ある。
【図２】本発明の他の実施形態における分解装置の模式
図である。
図である。
１ 反応槽 ２ 処理対象物 ３ ポンプ ４ 供給系 ５ 排出系 ６ 温度センサ ７ 温度計 ８ コイル ９ 温度コントローラ １０ 攪拌機 １１ 超音波発信体 １２ 導波管 １３ 超音波発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０７Ｂ 37/06 Ｃ０７Ｂ 37/06 Ｃ０７Ｃ 19/01 Ｃ０７Ｃ 19/01 23/02 23/02 // Ｃ０７Ｄ 319/24 Ｃ０７Ｄ 319/24 Ｆターム(参考） 2E191 BA11 BA12 BB00 BD00 BD11 4D037 AA11 AA12 AB14 AB18 BA11 BA26 BB01 BB02 BB06 4D059 AA01 AA03 AA18 BH01 BJ06 BK22 EA06 EB06 4G075 AA15 AA35 AA37 AA63 BA05 BB03 BD30 CA02 CA03 CA23 EB01 EB22 EC06 EC11 ED02 ED08 ED15 4H006 AA05 AC13 AC24 AC26 BA91 BC10 BC11 EA02 EA10
Claims (1)
- 【請求項１】 反応槽に貯留する処理対象物の温度を所
定上限温度と所定下限温度とにわたって繰り返し変動さ
せながら、処理対象物へ処理対象物中の固相に振動抽出
作用を及ぼし、液相に分解作用を及ぼす超音波を照射す
ることを特徴とする難分解性有機物の分解方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000123398A JP2001300523A (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 難分解性有機物の分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000123398A JP2001300523A (ja) | 2000-04-25 | 2000-04-25 | 難分解性有機物の分解方法 |
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|---|---|---|---|
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Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6866780B2 (en) * | 2000-03-22 | 2005-03-15 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Heated ultrasonic treating device and treating method for suspended matter-containing liquid |
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| CN100394999C (zh) * | 2005-07-01 | 2008-06-18 | 发泰（天津）科技有限公司 | 多功能提取设备 |
| CN108238655A (zh) * | 2018-02-10 | 2018-07-03 | 楼 | 一种城市污水处理再生水生产装置 |
| CN108383184A (zh) * | 2018-02-10 | 2018-08-10 | 楼 | 一种改进型城市污水处理再生水生产装置 |
-
2000
- 2000-04-25 JP JP2000123398A patent/JP2001300523A/ja active Pending
Cited By (5)
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