JP2001300194A - 機器の移動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のドラム式乾燥洗濯機においては、洗濯
機を設置または他の場所へ移動する際、洗濯機本体を持
ち上げて全ての設置脚を浮かして運ぶため、洗濯機本体
の移動が容易ではないという不都合があった。 【解決手段】 設置脚１９を底面に備える洗濯機におい
て、洗濯機本体１の後方下端部に水平方向に突出するよ
うに配設したキャスター４２を備える。そして、洗濯機
本体１の前面側を持ち上げ、後方へ傾けることにより、
キャスター４２を設置面に接触させ、洗濯機本体１をキ
ャスター４２のみで支持することができる。この状態
で、前後の全ての設置脚１９が設置面より浮き上がり、
設置脚１９が設置面に接触しない状態となるので、容易
に移動が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗濯機、冷蔵庫等
の機器に取り付けられ、その移動に用いる構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の機器として、ドラム式乾燥洗濯機
は、本体底面に固定した設置脚を備え、設置脚は、高さ
調節可能な支持部材と、該支持部材の下部に取り付けた
吸振材とから構成されており、キャスター等の移動手段
は備えていなかった。そのため、上記ドラム式乾燥洗濯
機においては、洗濯機の本体を設置または他の場所へ移
動する際、本体を持ち上げて全ての設置脚を浮かし運ぶ
ため、移動が容易ではないという不都合があった。

【０００３】上記の不都合を解決しようとするものとし
て、底面にキャスターを備えた洗濯機が、実開昭６２−
３９０号公報に開示されており、これを図９に示して説
明する。図９において、洗濯機１００の底面に、回転自
在に設けられたキャスター４つのうち、隣接する一対の
キャスター１０１ａ，１０１ａの回転方向を他の２つの
キャスター１０１ｂ，１０１ｂと９０度変えることによ
り。洗濯機１００の運転中の振動による移動を防止する
と共に、前後左右への移動も容易にするものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した実開昭６２−
３９０号公報の洗濯機ように、設置脚の代わりにキャス
ターを設けていても、使用者は洗濯機１００を移動する
ためには、移動方向により、キャスター１０１ａ，１０
１ａ側を持ち上げてキャスター１０１ｂ，１０１ｂによ
り洗濯機１００を移動するか、キャスター１０１ｂ，１
０１ｂ側を持ち上げてキャスター１０１ａ，１０１ａに
より洗濯機１００を移動する必要があり、移動方向によ
り持ち上げる部分を変えることとなり、移動しづらいと
いう欠点が生じる。さらに、設置後に使用者が洗濯機１
００に寄り掛かるなどして、洗濯機１００の重心が一端
側にずれると、洗濯機１００が意図せずに動いてしまう
ため、安定性に乏しいという不都合もあった。

【０００５】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、洗濯機等の機器の設置または移動が容易にでき、該
機器を安定性を得ることのできる機器の移動装置を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の移動装置は、上
記課題を解決するものであり、機器の本体下部に設けら
れ、前記機器を設置床に設置したときに前記機器を支
え、前記機器の振動を防止する手段を有する設置脚を備
えた機器において、前記機器の本体に設けられ、機器を
設置床に設置したときには設置床より上方に位置し、前
記機器の本体を傾けたときには設置床に接触するキャス
ターを有することを特徴とする機器の移動装置の構成を
有するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の機器の移動装置をドラム
式乾燥洗濯機に適用した実施形態を、以下図面に基づい
て説明する。

【０００８】本発明の機器の移動装置の実施形態に用い
るドラム式乾燥洗濯機の内部構造を、図１、図２に示し
て説明する。図１又は図２において、１は洗濯機本体、
２は回転ドラム、３は撹伴バッフル、４は水槽、５は高
圧ホース、６は給水弁、７は循環ダクト、８は排水ダク
ト、９はフィルターケース、１０は循環ポンプ、１１は
排水ポンプ、１２は排水ホース、１３は乾燥ユニット、
１４は回転軸、１５はドラムプーリ、１６はモータ、１
７はベルト、１９は設置脚、２０は操作パネル、２１は
制御装置、２２は洗剤ケース、２３はドア、２４は圧力
スイッチ、２５はドアパッキン、２６はフィルター、２
７はスプリング、２８はショックアブソーバである。

【０００９】また、洗濯機本体１は、全体がほぼ直方体
であって、洗濯機本体１内に軸方向が短い、ほぼ円柱形
状の回転ドラム２と水槽４とが設けられる。この回転ド
ラム２は水平方向にほぼ沿って回転軸１４が配設され、
回転軸１４に沿った方向の１端部（回転軸は反対側端
部）が開口する洗濯物の投入を行うためのドア２３が配
設されており、ドアパッキン２５は、ゴムなどの弾性体
からなるシール材として内嵌されている。従って、ドア
２３が閉じたときには、ドアの周縁部と投入口内周縁部
とでドアパッキン２５が挟圧されて、洗濯機本体１、お
よび、水槽４の水密が保持される。

【００１０】そして、回転ドラム２は、洗濯物を収容し
て回転するものであって、回転ドラム２内には、中心軸
に向けて突出する山脈状に撹伴バッフル３が形成され
る。さらに、水槽４は前記回転ドラム２を囲んで設けら
れ、洗濯水（洗剤を含む水、すすぎ水も含む）をためる
ものである。この洗濯水は、水道につながる高圧ホース
５を通り給水弁６からの水道の開閉を行うことにより水
管路６ａ（図２参照）を介して水槽４内に供給される
（詳しくは、一旦は洗剤ケース２２に入った後に、流路
２２ａを介して水槽４内に供給される）。

【００１１】また、前記給水弁６内部には、乾燥・除湿
用の冷却水をドラム循環ダクト７内にシャワー状に浴び
せられるようにドラム循環ダクト７内に水道水を送る切
り替え機構も兼ね備えている。そして、水槽４の底部に
は水槽４内の洗濯水を出す排水ダクト８が設けられ、こ
の排水ダクト８には、排水された洗濯水に含まれる糸屑
やゴミ等の挟雑物を除去するフィルターケース９につな
がり、フィルター２６により糸屑やゴミ等は除去され
る。さらに、フィルターケース９には、洗濯水を水槽４
内に循環させる循環ポンプ１０と水槽４内の洗濯水を洗
濯機外部に排水するための排水ポンプ１１がつながる。

【００１２】なお、水槽４内にためられた洗濯水を循環
させるときには、水槽４内の洗濯水は排水ダクト８から
フィルターケース９内のフィルター２６を通り、挟雑物
が除去された後に循環ポンプ１０により水槽４内に返さ
れる。循環ポンプ１０からは水槽４の投入口付近のドア
パッキン２５に開口する循環パイプ１０ａにより洗濯水
が水槽４内に返される。

【００１３】また、水槽４内の洗濯水を排水するときに
は、フィルターケース９より分岐した排水ポンプ１１か
ら、洗濯水が排水ホース１２を通り洗濯機本体１から排
水されるようになっている。さらに、洗濯物を乾燥する
ために洗濯機本体１内には乾燥ユニット１３と循環ダク
ト７とが設けられている。そして、循環ダクト７は一端
部、および、他端部が水槽４の上端部、および、下端部
にそれぞれ連通したダクトであり、給水弁６から水管路
６ｂ（図１参照）を介して乾燥・除湿用の水が内部に入
るようになっている。

【００１４】さらに、乾燥ユニット１３は、循環ダクト
７の空気流路の途中に設けられていてヒータ、ファンか
ら構成されるものであって、送風によって循環ダクト７
を介して水槽４内に温風を送る。すなわち、洗濯物から
蒸発した水分は循環ダクト７内で水道水により除湿さ
れ、再び乾燥ユニット１３を通り乾燥した温風で洗濯物
を乾燥させる。

【００１５】そして、水槽４の中心部を貫通してドラム
２の回転中心であって投入口の反対側端部に水平な回転
軸１４が固定して設けられており、この回転軸１４には
ドラムプーリ１５が固定されている。水槽４の下端部に
はドラム駆動用モータ１６が設けられており、このモー
タ１６の回転軸とドラムプーリ１５をベルト１７で連結
している。

【００１６】これら水槽４、回転軸１４、ドラムプーリ
１５、および、ドラム駆動用モータ１６などは洗濯機本
体１に収容されている。なお、振動吸収のため、洗濯機
本体１の上部から水槽４を防振機能を備えたスプリング
２７、および、下部からはショックアブソーバー２８に
より懸架されており、これにより水槽４の振動を減衰さ
せる構成である。

【００１７】また、洗濯機本体１の前面上部には、運転
／停止スイッチ、および、各種操作スイッチ、ならび
に、表示ランプが設けられた操作パネル２０が配置され
る。この操作パネル２０の内側部には洗濯機の電気的制
御を行う制御装置２１が配設され、操作パネル２０から
の信号線が接続される。なお、制御装置２１には、ドア
２３の開閉を検出するドアスイッチ、水槽４内の水位を
水圧で検出する圧力スイッチ２４、および、モータ１６
の回転を検出するタコメータの出力信号線が接続され
る。

【００１８】さらに、洗濯機本体１の底面には設置脚１
９が複数個設けられ、これらの設置脚１９で洗濯機本体
１を支えている。設置脚１９は、本体１の振幅が大きく
なったり、本体１の振動が設置床に伝達されることを防
止している。さらに、洗濯機本体１の底面後端にはキャ
スター４２が複数個設けられている。

【００１９】本実施形態のドラム式乾燥洗濯機の回路ブ
ロック図を図３に示して説明する。図３に示すように、
制御装置２１は主に、電源部３０、表示部２０ｂ、パネ
ル入力部２０ａ、ドアスイッチ等の信号入力部３１、制
御部３２、出力部３３、および、負荷部３４から成る。
また、電源部３０は、コンセントプラグ３５から電源ス
イッチ３６を介して商用電源が入力されて、交流電源を
変圧し、整流して制御用の直流電源を出力したりクロッ
クパルスを発振出力する。なお、表示部２０ｂは、前記
表示ランプの他、ブザーも鳴らす。

【００２０】そして、制御部３２は、マイクロコンピュ
ータ（以下マイコンという）を備え洗濯機の動作に関す
る判断・指令を行うものであって、演算・記憶部を有し
ている。さらに、出力部３３は、制御部３２の指令にし
たがってドライブ信号を出力するトライアックを含む半
導体素子を有している。また、負荷部３４は、前記出力
部３３のドライブ信号で作動し、乾燥ユニット１３、給
水弁６、排水ポンプ１１、ドアロック機構（作動ソレノ
イド等）３７、ドラム駆動用モータ１６の作動リレー３
８（コイル３８ａ、接点３８ｂ）を有している。

【００２１】［第１の実施形態］本発明の第１の実施形
態のキャスター４２の構造を図４、５を用いて詳細に説
明する。図４、図５において、４２ａは洗濯機本体１の
底面後端に固定されるキャスターアーム、４２ｂはキャ
スターアーム４２ａの端部にて保持されるシャフト、４
２ｃはシャフト４２ｂに取り付けられるホイールであ
る。さらに、図４に示すようにキャスターアーム４２ａ
には、洗濯機本体１の底面後部にネジにて固定するため
の取付孔４２ｄが３個設けられている。そして、ホイー
ル４２ｃはシャフト４２ｂによって回転自在になるよう
にキャスターアーム４２ａに取り付けられている。さら
に、４４はキャスターアーム４２ａと一体に形成された
突起であり、該突起４４は洗濯機本体１の底面後端部に
接して、キャスターアーム４２ａの位置決めをするもの
である。

【００２２】上記構成により、洗濯機本体１の前面（図
２の右側）を持ち上げ、洗濯機本体１を後方へ傾けるこ
とにより、洗濯機本体１のホイール４２ｃを設置面に接
触させることにより、洗濯機本体１をキャスター４２の
みで支持することができる。この状態で、前後の全ての
設置脚１９は設置面より浮き上がり、設置面に接触しな
い状態となるので、容易に移動が可能となる。次に希望
の位置で洗濯機本体１の前面を降ろし、前後の全ての設
置脚１９を設置面に接地することにより、洗濯機本体１
は全ての設置脚１９により支持され、移動前と同等の安
定性を得ることができる。

【００２３】また、上記のように洗濯機本体１を傾けた
状態で、ドア２３が上方を向くので、輸送時に内部の状
態を確認でき、さらに、傾けることにより内部の水がド
ア２３から漏れることがない。

【００２４】さらに、突起４４を備えることにより、キ
ャスター４２を洗濯機本体１の底面に取り付ける際、洗
濯機本体１の底面後端部に突起４４を当てて合わせるこ
とにより、洗濯機本体１の底面に設けられたキャスター
固定孔（図示せず）と取付孔４２ｄとの位置決めが容易
となり、また、取り付け後も、各種方向からの応力によ
るキャスター４２の位置のずれ等を防止することができ
る。

【００２５】［第２の実施形態］本発明の第２の実施形
態のキャスターを図６乃至図８に示して説明する。な
お、上記第１の実施形態と同一部分には同一符号を付
し、その説明は省略する。

【００２６】図６において、キャスターアーム４２ａに
は、洗濯機本体１の底面後部にネジにて固定するための
取付孔４２ｅが３個設けられおり、該取付孔４２ｅ（長
孔）は、キャスターアーム４２ａの長手方向側が細長い
小判形に形成されている。

【００２７】そして、取付孔４２ｅの洗濯機の底面への
ネジによる固定位置を変えることにより、図８に示すよ
うにキャスター４２の水平方向への突出距離を自在に変
えることができ、このような構造のキャスター４２を備
えることにより、設置脚の高さや本体周辺の許容空間に
対して、より最適な突出距離に設定固定することができ
る。これにより、本体の設置または移動が容易にでき、
かつ本体の安定性を得ることができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明の機器の移動装置は、上記説明の
ように構成するため以下の効果が得られる。すなわち、
機器を設置または他の場所へ移動する際、機器全体を持
ち上げなくても、機器を傾けてキャスターを設置面に接
触させることにより、すべての設置脚を浮かすことがで
き、容易に機器の移動が可能となり、また、機器の移動
後、機器を水平にして設置脚を設置させることにより、
機器を安定して設置することができ、キャスターを取り
外して設置脚に付けかえる必要もなく、また、設置状態
で振動等や、重心の偏りにより機器が意図せずに移動す
るという不都合も解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に用いるドラム式乾燥洗濯機
を示す縦断正面図である。

【図２】本発明の実施形態に用いるドラム式乾燥洗濯機
を示す縦断側面図である。

【図３】本発明の実施形態に用いるドラム式乾燥洗濯機
の制御装置のブロック図である。

【図４】本発明の第１の実施形態のキャスターの平面図
である。

【図５】本発明の第１の実施形態のキャスターの側面図
である。

【図６】本発明の第２の実施形態のキャスターの平面図
である。

【図７】本発明の第２の実施形態のキャスターの側面図
である。

【図８】図７のキャスターの取付位置を変えた状態を示
す側面図である。

【図９】従来の洗濯機の底面の斜視図である。

【符号の説明】

１ 洗濯機本体 １９ 設置脚 ４２ キャスター ４２ａ キャスターアーム ４２ｂ シャフト ４２ｃ ホイール ４２ｄ 取付孔 ４２ｅ 取付孔（長孔） ４４ 突起

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機器の本体下部に設けられ、前記機器を
   設置面に設置したときに前記機器を支え、前記機器の振
   動を防止する手段を有する設置脚を備えた機器におい
   て、 前記機器の本体に設けられ、機器を設置床に設置したと
   きには設置面より上方に位置し、前記機器の本体を傾け
   たときには設置床に接触するキャスターを有することを
   特徴とする機器の移動装置。